rader

三井化学株式会社

証券コード 41830 / EDINET E00840 / 化学

危険信号

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業績の推移

00.511.52兆円2021/3期 売上高 1兆2,048億円2022/3期 売上高 1兆6,127億円2023/3期 売上高 1兆8,795億円2024/3期 売上高 1兆7,497億円2025/3期 売上高 1兆8,092億円2026/3期 売上高 1兆6,688億円2021/3期 純利益 560億円2022/3期 純利益 1,100億円2023/3期 純利益 829億円2024/3期 純利益 500億円2025/3期 純利益 322億円2026/3期 純利益 344億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/3
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/31.20.06
2022/31.610.11
2023/31.880.08
2024/31.750.05
2025/31.810.03
2026/31.670.03

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
872万円(+2.5%)
女性管理職比率
8.0%(+0.2pt)
男性育休取得率
97.3%(+7.2pt)
男女賃金差異
84.8%(-1.9pt)
従業員数
5,198人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
3.08億円(前年比 +5.5%)
非監査報酬
100万円(比率 0.3%)
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

提出者数
4
報告数
6
最大の保有者
野村證券株式会社(7.13%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 13 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 465,600株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-22 15:04)

重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 内容更新
(2)全社重点リスク

前期は最重要リスクとして「事業継続(BCP)」を取り上げていたが、今期は前期の「優先的に管理すべきリスク」5項目(情報セキュリティ等)の状況記載に置き換わり、当期の分類名も「経営重点リスク」に変更された。当期は「サイバーセキュリティ&情報漏洩防止」「グローバルマネジメント」「質・多様性を備えた人材確保と要員管理」「プラントトラブル」を重点とし、カーボンニュートラル戦略と戦略連携強化は重点指定から外れた。現下のリスク要因は米国通商政策から中東情勢に変わり、化学品規制リスクの記載も市場喪失・代替品開発遅延からレピュテーション低下中心に改められた。

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①前連結会計年度における最重要リスクの状況
前連結会計年度において設定した最重要リスク「事業継続(BCP)」については、全社の予算において各部門が具体的方策を策定し取り組み、全社横断的な目線での対応状況の検証、高度化を図ってまいりました。大規模な事故や自然災害等従来から認識しているBCPだけではなく、国際情勢における緊張の高まり、ESGに関する社会的要請、サイバーセキュリティ等、多岐にわたる事象を視野に入れ、グループ・グローバルでのレジリエンスの強化に努めました。

■具体的な対応例
・製品間でのグローバルな生産拠点の相互活用推進
・国内外の物流会社・船会社との連携強化による物流ルートの複線化推進
・DX技術を活用した輸送時のGHG排出・削減実績把握ツールの開発
・国内外関係会社の情報システムセキュリティチェック結果に基づく脆弱性への対応強化
・社内横断プロジェクトによる、内部からの情報持ち出しに対する強化策の導入

また、対応に遅れがある部門について、事業継続計画書の整備等具体的な改善に着手する等、グループ全体としてのマネジメントレベルの底上げに繋げることもできました。加えて、リスクが現実の危機として顕在化した際に迅速かつ適切に全社横断的な対応を講じダメージの抑制を図るべく、危機管理に関するルールのアップデートも実施しました。

②当連結会計年度における全社重点リスク
当連結会計年度においては、上記①の最重要リスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。
当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、米国の通商政策の影響によるリスクも発生しておりますが、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、適宜必要な対応を取っています。

[全社重点リスク一覧]

リスクカテゴリー
想定される脅威・機会
密接に関連するマテリアリティ
1)事業継続に関する
リスク
事業継続(BCP)、サプライチェーンの分断、海外の有事、プラントトラブル
安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメー
ション
2)製造・品質に関する
リスク
安全・環境、品質マネジメント、化学品
規制
安全、安定生産、品質
3)コンプライアンスに
関するリスク
コンプライアンス、法令・規制の強化・
変更
コンプライアンス
4)技術革新に関する
リスク
新事業の創出、技術革新
イノベーション、ライフサイクル全体を
意識した製品設計
5)気候変動に関する
リスク

カーボンニュートラル戦略の遂行(※)

気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
6)自然資本に関する
リスク
プラスチック問題、自然資本の保全
サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
7)人権に関するリスク
人権尊重
人権尊重、パートナーシップ
8)事業基盤に関する
リスク

人材マネジメント(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション
企業文化、人的資本、パートナーシップ
9)DXに関するリスク
DX技術の活用、情報セキュリティ(※)、業務システムの更新
デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計
10)経営管理・監督に
関するリスク
資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡
-
11)マクロ環境に関する
リスク
市場における競争の激化、戦略連携の強化(※)、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバル展開(※)
-
(※)当連結会計年度において認識した優先的に管理すべきリスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク」ご参照。

[全社重点リスク概要]
1)事業継続に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクは、前連結会計年度の最重要リスクとして、全社で横断的な目線でリスクへの対応状況の検証を行い、各部門における具体的な方策に落とし込むことができました。また当連結会計年度において、「事業継続(BCP)」の構成要素でもある「情報セキュリティ」「グローバル化」及び「カーボンニュートラル戦略の遂行」を含む5つのリスクが特に重要性が高いリスクとして選定されたこと等を踏まえ、最重要リスクへの指定を見直しました。当該リスクに対しては、引き続き、海外危機管理体制の構築、各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討等個別に努めることで対応を図ってまいります。

2)製造・品質に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。
・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。
・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることにより市場を喪失する、代替品の開発が遅れる、あるいは新材料調達等のためのコストが増大する等の可能性があります。
・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大や新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化
⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減
⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応
⇒新たな分野の品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用

3)コンプライアンスに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、新規事業への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な強化への対応も必要となります。
・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進、教育・啓蒙活動の強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善
(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。
⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上

4)技術革新に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する等、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。
・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出、グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出
⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新

5)気候変動に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進

6)自然資本に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。
・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源及び生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒AEPW(Alliance To End Plastic Waste)やCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保
⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上

7)人権に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まっており、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減

8)事業基盤に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。
・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。
・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解の下成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人材獲得による企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革
⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化
⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上

9)DXに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、デジタル技術の進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術の導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。
・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。
・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、最適なデジタル技術の活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システム更新による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、GPT等重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現
⇒デジタル技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上
⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化
⇒新たな業務システム導入の推進による経営効率の向上

10)経営管理・監督に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分及び成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。
・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。
・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大及びデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速
⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進
⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上
⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化

11)マクロ環境に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。
・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。
・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、各国/地域毎にニーズやペインの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。
・昨今では、国内競合を中心とした業界の再編機運も高まりを見せておりますが、対応が後手に回る場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上
⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化
⇒環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善
⇒グランドデザインに基づく具体的な地域戦略の策定、ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現

③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク
当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の5つを当社グループが優先的に管理すべきリスクとして選定しました。また、各リスクにリスクオーナーを選定し、それぞれが担当するリスクにつき、全社俯瞰的なリスク管理状況の可視化を図り、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会への報告を行う運用とします。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで管理の効率化とより高い成果の実現を目指します。

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
5)気候変動に
関するリスク
・リスク:カーボンニュートラル戦略の遂行
・想定される事象
[脅威]GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーション低下、カーボンプライシングに伴うコスト増、Blue Value®、Rose Value®製品・サービスの開発・販売の伸び悩みで価値訴求未達
[機会]低GHGの新規事業創出による企業成長とカーボンニュートラルの両立、GHG排出量削減によるカーボンコスト増加影響の抑制
生産・技術本部及び
グリーンケミカル事業推進室管掌社長特別
補佐
(生産・技術本部担当役付執行役員/研究開発本部担当役付執行
役員)
[対応]
次のカーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進
・低炭素原燃料への転換
・高エネルギー効率機器の導入等による省エネ
・再生可能エネルギーの導入
・CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入
・バイオマス品、リサイクル品の開発
・Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大
・カーボンプライシングに伴うコストの低減 等

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
8)事業基盤に
関するリスク
・リスク:人材マネジメント
・想定される事象
[脅威]必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない
[機会]新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現
人事部・グローバル人材部担当役付執行役員
(CTO(※)/生産・技術本部及びグリーン
ケミカル事業推進室
管掌社長特別補佐)
[対応]
・計画的な定期・キャリア採用の継続
・グループ人材の活用促進(女性、シニア、国内外直採)、リスキル
・定年後再雇用制度の見直し
・イノベーター人材・特定分野の人材が活躍できる社内制度の構築
・業務効率化、改善
(※)Chief Technology Officer

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
9)DXに関する
リスク
・リスク:情報セキュリティ
・想定される事象
[脅威]サイバー攻撃や社内のアクセス管理不備等に起因する情報漏洩により、業績や信用に大きなダメージ発生
総務・法務部
担当役付執行役員
(情報システム統括部担当役付執行役員)
[対応]
・内外環境変化に対応した会社情報管理体制の強化・社則整備
・牽制含む予防体制の構築、発生時の迅速な原因究明と対抗策の策定
・情報保管と持ち出し手段の適切な管理
・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置、社則内容の周知徹底

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:戦略連携の強化
・想定される事象
[脅威]国内競合を中心に機運の高まりを見せる業界再編への対応の重要性が高まる
[機会]地域・他社との連携拡大を含む業界再編の動きへの的確な対応を通じた資本効率の高い事業への転換
経営企画部
担当役付執行役員
(ベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員)
[対応]
環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:グローバル展開
・想定される事象
[脅威]各国/地域毎のニーズ/ペインの多様化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失
[機会]各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現
地域戦略推進部担当
役付執行役員
(経営企画部担当
役付執行役員)
[対応]
次の取り組み等による、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化及び各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現
・地域戦略グランドデザインの策定
・グローバルコミュニケーション体制の構築
・ローカル人材の育成
・国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化

<全社重点リスク分類表>

財務
●資本効率を意識した経営
●サプライチェーンの分断
●製品コストの上昇
●市場における競争の激化
●事業継続(BCP)
●M&A、事業譲渡
●経営資源配分

●戦略連携の強化(※)

●市場ニーズの変化
●新事業の創出
●投資判断
非財務
●海外の有事
●プラントトラブル
●品質マネジメント

●情報セキュリティ(※)

●法令・規制の強化、変更
●化学品規制
●安全・環境
●コンプライアンス
●DX技術の活用
●技術革新
●業務システムの更新
●ステークホルダーコミュニ
ケーション

●グローバル展開(※)

●人材マネジメント(※)

●カーボンニュートラル戦略の

遂行(※)

●プラスチック問題
●DE&I推進
●人権尊重
●自然資本の保全

← 短期的リスク →
← 中長期的リスク →
(※)優先的に管理すべきリスク

上記5つの優先的に管理すべきリスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、長期的な視点で今の時点から重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。例えば「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く当社グループの存続を脅かすリスクと認識している一方で、「カーボンニュートラル戦略の遂行」リスクは企業グループ理念にも直結するマテリアリティとして、VISION 2030の実現に不可欠な「機会」を的確にとらえるため、今の時点から注力していく必要があると考え取り上げました。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクと考えています。
リスクマネジメント委員会において5つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、特に「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く全社横断的な取組みの効率的な可視化が必要であるため、2025年度の全社各部の予算書においてその具体的方策を策定の上、達成状況をリスクマネジメント委員会が確認することとしています。その他の4つのリスクについても、個別事業戦略ないし機能戦略の責任者である役付執行役員をリスクオーナーにも指名することで、戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。①前連結会計年度における優先的に管理すべきリスクの状況
前連結会計年度においては、「情報セキュリティ」「グローバル展開」「人材マネジメント」「戦略連携の強化」「カーボンニュートラル戦略の遂行」の5つを優先的に管理すべきリスクとして設定し、その中でも「情報セキュリティ」については、昨今の企業に対するサイバー攻撃の状況に鑑み、その影響の大きさ、緊急性の高さを考慮の上、全社横断的な取り組みの効率的な可視化が必要と判断し、全社各部の予算書においてその具体的方策を策定し取り組んでまいりました。

「情報セキュリティ」の状況
「情報セキュリティ」については、情報管理体制の一層の強化を目的として改定された会社情報管理ルールの内容の浸透と定着等を含む具体的方策を全社の予算において、地域関係会社を含む各部門がそれぞれ策定し取り組みました。

■具体的な対応例
・サイバー攻撃による情報流出を想定した日常の訓練・情報漏洩に関して牽制を強化し、漏洩防止を図るため就業規則を改訂
・社内横断プロジェクトを推進し、内部からの情報漏洩に対する強化策の定着化を推進するとともに、外部攻撃に対するセキュリティ対策導入範囲を拡大

会社情報の外部漏洩防止のため、規則とツールの両輪で情報セキュリティに対する意識向上や仕組み構築を図りましたが、サイバー攻撃への対応の更なる強化に取り組むため、当該情報セキュリティについては、後述のとおり当連結会計年度においても経営重点リスク「サイバーセキュリティ&情報漏洩防止」として、全社横断的管理のより一層の強化に努めてまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

その他、以下の4つのリスクについて、各リスクの全社施策の実行責任者であるリスクオーナーの管理・統括のもと、下記のとおり取り組みを実施しました。

「グローバル展開」の状況
当社グループが志向するグローバルスペシャリティカンパニーとなるべく、地域特性を捉えた事業実現に向け地域戦略グランドデザインを策定し、地域別基本戦略を提示したほか、グローバルコミュニケーションやローカル人材の育成のための制度の討議を進めました。市場環境、技術革新、サプライチェーンなど複数のリスク要因が連関しており、重点的に取り組む必要があると認識していることから、当連結会計年度においても経営重点リスク「グローバルマネジメント」として引き続き全社横断で取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

「人材マネジメント」
成長戦略の推進を支える人材ポートフォリオの実現に向け、計画的な定期・キャリア採用を継続し、人材確保に努めた他、定年後再雇用制度や社宅制度の見直し等の諸施策の推進を図りました。各施策の具体化と高度化への取り組みが引き続き重要と認識しており、当連結会計年度においても経営重点リスク「質・多様性を備えた人材確保と要員管理」として改めて全社として取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

「戦略連携の強化」
国内で機運の高まる業界再編に的確に対応するべく、経営企画部担当役付執行役員およびベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員のもとで定期情報共有会議を開催し、各プロジェクトの進捗の可視化とプロジェクト間の連携・整合を図ってまいりました。自社で進められる再構築についての目途がついたことや、ナフサクラッカーの再編も、東日本・西日本における連携が基本合意に達することができたこともあり、当連結会計年度においては、経営重点リスクとしては指定せず、全社重点リスクとして引き続き連携強化を推進してまいります。

「カーボンニュートラル戦略の遂行」
世界で導入が進むGX-ETS制度等に的確に対応するべく、全社最適で各施策の遂行、保留を判断してまいりました。また、全社連携が必要な施策が増えたことから、全社横断的機能の強化に向けた体制を設定し、連携を図ることとしました。バイオマス製品については、他社との協働も進めてまいりました。これらの取り組みに加え、「戦略連携の強化」にもあるとおり、ナフサクラッカー再編に関する東日本・西日本における連携なども進捗しており、2030年度の目標である、GHG40%削減(2013年度比)の実現にも目途がついたことから、当連結会計年度においては、経営重点リスクには指定せず、全社重点リスクとして各リスクマネジメントオーナーがそれぞれの所掌領域において引き続き改善に取り組んでまいります。

②当連結会計年度における全社重点リスク
当連結会計年度においては、上記①の優先的に管理すべきリスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。
当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、中東情勢の影響によるリスクも発生しており、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、必要な対応を適宜取っております。

[全社重点リスク一覧]

リスクカテゴリー
想定される脅威・機会
密接に関連するマテリアリティ
1)事業継続に関する
リスク
事業継続(自然災害、有事)、サプライチェーン分断、地政学リスク、プラントトラブル(※)
安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメー
ション
2)製造・品質に関する
リスク
安全・環境、品質マネジメント、化学品
規制の強化
安全、安定生産、品質
3)コンプライアンスに
関するリスク
コンプライアンス、法令・規制の強化・
変更
コンプライアンス
4)技術革新に関する
リスク
新事業の創出、技術革新
イノベーション、ライフサイクル全体を
意識した製品設計
5)気候変動に関する
リスク
カーボンニュートラル戦略の遂行
気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
6)自然資本に関する
リスク
プラスチック問題、自然資本の保全
サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
7)人権に関するリスク
人権尊重
人権尊重、パートナーシップ
8)事業基盤に関する
リスク

質・多様性を備えた人材確保と要員管理(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション
企業文化、人的資本、パートナーシップ
9)DXに関するリスク
DXとAI技術の活用、サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)、業務システム安定化・活用
デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計
10)経営管理・監督に
関するリスク
資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡
-
11)マクロ環境に関する
リスク
市場における競争の激化、戦略連携の強化、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバルマネジメント(※)
-
(※)当連結会計年度において認識した経営重点リスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照。

[全社重点リスク概要]
1)事業継続に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、需要・サプライチェーンの変化に起因するビジネスチャンスを取り込む等当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒海外安全管理規則および海外安全管理要領の全面改正・周知
⇒各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討
⇒事業部・製造部門一体となったトラブル未然防止対策の立案・実行

2)製造・品質に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。
・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。
・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることによる市場におけるレピュテーションの低下、あるいは、新材料調達等のためのコスト増大の可能性があります。
・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大やリサイクル材等新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。
・上述のとおり、運転、輸送、保管等に起因するトラブルや、品質に関する問題が発生した場合には、レピュテーション低下につながる可能性も想定されます。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化
⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減
⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応
⇒リサイクル材等の新たな分野における品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用

3)コンプライアンスに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、当社にとって新規領域への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な対応強化の他、新たに加わったグループ関係会社への対応も必要となります。
・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進および施策の定期的な見直し、教育・違反事例共有等の啓蒙活動強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善
(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。
⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上

4)技術革新に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する他、世界的な商品・サービスのAI化・機械化による生産性・需要変化、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化等を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。
・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出および市場の獲得グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出
⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新

5)気候変動に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX-ETSを始めとするGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。さらに、技術開発をカーボンニュ―トラル戦略と連携して進めることで、カーボンニュートラルを前倒しで達成し、企業価値を向上する可能性があります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進

6)自然資本に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。
・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源および生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保
⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上

7)人権に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まりや、AI使用増加に伴う誤判断・情報漏洩等による人権侵害の可能性、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減

8)事業基盤に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。
・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。
・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解のもとで成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。
[機会]
・一方、当該リスクについては、人材獲得による、成長戦略の加速、企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、当社存在意義への共感、帰属意識の向上、グループ求心力の強化等により社員のエンゲージメント向上の可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・アントレプレナー人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革
⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化
⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上

9)DXに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、デジタル技術およびAIの進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術およびAIの導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。
・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。
・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、最適なデジタル技術、AIの活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システムの安定化・活用による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
また、効果的なデジタルマーケティングにより、顧客への的確なソリューション提案が可能となり当社が事業機会を獲得する可能性もあります。
中~大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、生成AI等の重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現
⇒DXとAI技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上
⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化
⇒新たな業務システム導入の推進および活用による経営効率の向上

10)経営管理・監督に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分および成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。
・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。
・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大およびデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分やM&AおよびPMIの推進による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速
⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進
⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上
⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化

11)マクロ環境に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。
・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。
・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、地政学的・経済的分断が進行しているとともに各国/地域毎にニーズの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。
・国内を中心とした業界再編の機運も加速している他、石化を取り巻く事業環境も激変しており、対応が後手に回ってしまった場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、競合他社との統合・再編を主導することによる経済安全保障上の責任も果たしうる持続的な事業基盤の構築等当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、現地生産の加速、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上
⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化
⇒業界再編に向けた連携パートナー候補の選定と具体的協議への着手
⇒ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現

③当連結会計年度に認識した経営重点リスク
当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の4つを当社グループの経営重点リスクとして選定しました。

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
1)事業継続に
関するリスク
・リスク:プラントトラブル
・想定される事象
[脅威]
トラブルによる生産停止、近隣地域に対する事故被害や環境汚染対応による損害、報道による市場でのレピュテーション低下
生産・技術本部担当
役付執行役員
[対応]
・生産・技術本部、事業本部、関係機能部門一体となった組織、文化、人材育成、安全保安管理に関わる現場力強化施策の立案と実行(プロセス起因のトラブルの未然防止)
・事業本部と一体となったハードとソフト両面対策および設備メーカーとの連携強化による保全・エンジニアリング力強化策の立案と実行(設備起因のトラブルの未然防止)
・トラブル時に発生する原料・製品の機会損失低減策の立案・実行

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
8)事業基盤に
関するリスク
・リスク:質・多様性を備えた人材確保と要員管理
・想定される事象
[脅威]
・必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない
・事業ポートフォリオ転換に伴う必要人員数の変化に対処できず、当社グループの成長の妨げになる可能性
[機会]
新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現
人事部・グローバル
人材部担当
役付執行役員
[対応]
・多様な人材プールの形成と活躍に資する制度整備
・全社人材育成委員会の運用改定によるキータレント育成配置の拡大

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
9)DXに関する
リスク
・リスク:サイバーセキュリティ&情報漏洩防止
・想定される事象
[脅威]
・操業停止による顧客離脱、受注停止および信用失墜による長期的損失
・個人情報保護法、高圧ガス保安法など行政罰・指導
・サプライチェ―ンへの攻撃を原因とする調達停止
・取引先からのセキュリティ対応要求
情報システム統括部
担当役付執行役員
(CDO※)
[対応]
・情報保護ツールを用いた情報管理の徹底(情報漏洩防止)
・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置
・脅威監視と対応サービスの高度化によるインシデント対応力の強化
※Chief Digital Officer

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:グローバルマネジメント
・想定される事象
[脅威]
各国/地域毎のニーズの多様化や市場競争の変化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失
[機会]
各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、成長領域における中長期の収益性および競争力の確保
地域戦略推進部担当
役付執行役員
[対応]
・地域別売上収益の経営計画システムへの組み込み
・地域戦略の推進
・グローバルR&D拠点のあり方に関する全体設計
・各地域におけるキータレントマネジメントの運営体制整備を始めとする地域戦略を実行する人材の確保・育成

<全社重点リスク分類表>

財務
●資本効率を意識した経営
●サプライチェーン分断
●製品コストの上昇
●市場における競争の激化
●事業継続(自然災害、有事)
●M&A、事業譲渡
●経営資源配分
●戦略連携の強化
●市場ニーズの変化
●新事業の創出
●投資判断
非財務
●地政学リスク

●プラントトラブル(※)

●品質マネジメント

●サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)

●法令・規制の強化、変更
●化学品規制の強化
●安全・環境
●コンプライアンス
●DXとAI技術の活用
●技術革新
●業務システム安定化・活用
●ステークホルダーコミュニ
ケーション

●グローバルマネジメント(※)

●質・多様性を備えた

人材確保と要員管理(※)

●カーボンニュートラル戦略の
遂行
●プラスチック問題
●DE&I推進
●人権尊重
●自然資本の保全

← 短期的リスク →
← 中長期的リスク →
(※)経営重点リスク

上記4つの経営重点リスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、中長期的な視点で重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクという観点で選定しています。
リスクマネジメント委員会において4つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、どのリスクも全社横断的な取組みが必要であるため、リスクオーナーは全社視点であるべき姿と経営に与える影響、主要課題と対策、対策ごとの責任者、モニタリング手法、リスクタイトル等を2026年度の予算に組み込み、進捗状況をリスクマネジメント委員会が確認する運用とします。当該運用により戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。

前年

①前連結会計年度における最重要リスクの状況
前連結会計年度において設定した最重要リスク「事業継続(BCP)」については、全社の予算において各部門が具体的方策を策定し取り組み、全社横断的な目線での対応状況の検証、高度化を図ってまいりました。大規模な事故や自然災害等従来から認識しているBCPだけではなく、国際情勢における緊張の高まり、ESGに関する社会的要請、サイバーセキュリティ等、多岐にわたる事象を視野に入れ、グループ・グローバルでのレジリエンスの強化に努めました。

■具体的な対応例
・製品間でのグローバルな生産拠点の相互活用推進
・国内外の物流会社・船会社との連携強化による物流ルートの複線化推進
・DX技術を活用した輸送時のGHG排出・削減実績把握ツールの開発
・国内外関係会社の情報システムセキュリティチェック結果に基づく脆弱性への対応強化
・社内横断プロジェクトによる、内部からの情報持ち出しに対する強化策の導入

また、対応に遅れがある部門について、事業継続計画書の整備等具体的な改善に着手する等、グループ全体としてのマネジメントレベルの底上げに繋げることもできました。加えて、リスクが現実の危機として顕在化した際に迅速かつ適切に全社横断的な対応を講じダメージの抑制を図るべく、危機管理に関するルールのアップデートも実施しました。

②当連結会計年度における全社重点リスク
当連結会計年度においては、上記①の最重要リスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。
当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、米国の通商政策の影響によるリスクも発生しておりますが、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、適宜必要な対応を取っています。

[全社重点リスク一覧]

リスクカテゴリー
想定される脅威・機会
密接に関連するマテリアリティ
1)事業継続に関する
リスク
事業継続(BCP)、サプライチェーンの分断、海外の有事、プラントトラブル
安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメー
ション
2)製造・品質に関する
リスク
安全・環境、品質マネジメント、化学品
規制
安全、安定生産、品質
3)コンプライアンスに
関するリスク
コンプライアンス、法令・規制の強化・
変更
コンプライアンス
4)技術革新に関する
リスク
新事業の創出、技術革新
イノベーション、ライフサイクル全体を
意識した製品設計
5)気候変動に関する
リスク

カーボンニュートラル戦略の遂行(※)

気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
6)自然資本に関する
リスク
プラスチック問題、自然資本の保全
サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
7)人権に関するリスク
人権尊重
人権尊重、パートナーシップ
8)事業基盤に関する
リスク

人材マネジメント(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション
企業文化、人的資本、パートナーシップ
9)DXに関するリスク
DX技術の活用、情報セキュリティ(※)、業務システムの更新
デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計
10)経営管理・監督に
関するリスク
資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡
-
11)マクロ環境に関する
リスク
市場における競争の激化、戦略連携の強化(※)、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバル展開(※)
-
(※)当連結会計年度において認識した優先的に管理すべきリスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク」ご参照。

[全社重点リスク概要]
1)事業継続に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクは、前連結会計年度の最重要リスクとして、全社で横断的な目線でリスクへの対応状況の検証を行い、各部門における具体的な方策に落とし込むことができました。また当連結会計年度において、「事業継続(BCP)」の構成要素でもある「情報セキュリティ」「グローバル化」及び「カーボンニュートラル戦略の遂行」を含む5つのリスクが特に重要性が高いリスクとして選定されたこと等を踏まえ、最重要リスクへの指定を見直しました。当該リスクに対しては、引き続き、海外危機管理体制の構築、各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討等個別に努めることで対応を図ってまいります。

2)製造・品質に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。
・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。
・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることにより市場を喪失する、代替品の開発が遅れる、あるいは新材料調達等のためのコストが増大する等の可能性があります。
・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大や新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化
⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減
⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応
⇒新たな分野の品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用

3)コンプライアンスに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、新規事業への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な強化への対応も必要となります。
・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進、教育・啓蒙活動の強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善
(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。
⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上

4)技術革新に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する等、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。
・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出、グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出
⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新

5)気候変動に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進

6)自然資本に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。
・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源及び生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒AEPW(Alliance To End Plastic Waste)やCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保
⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上

7)人権に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まっており、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減

8)事業基盤に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。
・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。
・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解の下成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人材獲得による企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革
⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化
⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上

9)DXに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、デジタル技術の進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術の導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。
・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。
・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、最適なデジタル技術の活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システム更新による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、GPT等重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現
⇒デジタル技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上
⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化
⇒新たな業務システム導入の推進による経営効率の向上

10)経営管理・監督に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分及び成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。
・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。
・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大及びデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速
⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進
⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上
⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化

11)マクロ環境に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。
・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。
・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、各国/地域毎にニーズやペインの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。
・昨今では、国内競合を中心とした業界の再編機運も高まりを見せておりますが、対応が後手に回る場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上
⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化
⇒環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善
⇒グランドデザインに基づく具体的な地域戦略の策定、ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現

③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク
当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の5つを当社グループが優先的に管理すべきリスクとして選定しました。また、各リスクにリスクオーナーを選定し、それぞれが担当するリスクにつき、全社俯瞰的なリスク管理状況の可視化を図り、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会への報告を行う運用とします。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで管理の効率化とより高い成果の実現を目指します。

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
5)気候変動に
関するリスク
・リスク:カーボンニュートラル戦略の遂行
・想定される事象
[脅威]GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーション低下、カーボンプライシングに伴うコスト増、Blue Value®、Rose Value®製品・サービスの開発・販売の伸び悩みで価値訴求未達
[機会]低GHGの新規事業創出による企業成長とカーボンニュートラルの両立、GHG排出量削減によるカーボンコスト増加影響の抑制
生産・技術本部及び
グリーンケミカル事業推進室管掌社長特別
補佐
(生産・技術本部担当役付執行役員/研究開発本部担当役付執行
役員)
[対応]
次のカーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進
・低炭素原燃料への転換
・高エネルギー効率機器の導入等による省エネ
・再生可能エネルギーの導入
・CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入
・バイオマス品、リサイクル品の開発
・Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大
・カーボンプライシングに伴うコストの低減 等

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
8)事業基盤に
関するリスク
・リスク:人材マネジメント
・想定される事象
[脅威]必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない
[機会]新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現
人事部・グローバル人材部担当役付執行役員
(CTO(※)/生産・技術本部及びグリーン
ケミカル事業推進室
管掌社長特別補佐)
[対応]
・計画的な定期・キャリア採用の継続
・グループ人材の活用促進(女性、シニア、国内外直採)、リスキル
・定年後再雇用制度の見直し
・イノベーター人材・特定分野の人材が活躍できる社内制度の構築
・業務効率化、改善
(※)Chief Technology Officer

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
9)DXに関する
リスク
・リスク:情報セキュリティ
・想定される事象
[脅威]サイバー攻撃や社内のアクセス管理不備等に起因する情報漏洩により、業績や信用に大きなダメージ発生
総務・法務部
担当役付執行役員
(情報システム統括部担当役付執行役員)
[対応]
・内外環境変化に対応した会社情報管理体制の強化・社則整備
・牽制含む予防体制の構築、発生時の迅速な原因究明と対抗策の策定
・情報保管と持ち出し手段の適切な管理
・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置、社則内容の周知徹底

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:戦略連携の強化
・想定される事象
[脅威]国内競合を中心に機運の高まりを見せる業界再編への対応の重要性が高まる
[機会]地域・他社との連携拡大を含む業界再編の動きへの的確な対応を通じた資本効率の高い事業への転換
経営企画部
担当役付執行役員
(ベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員)
[対応]
環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
(サブオーナー)
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:グローバル展開
・想定される事象
[脅威]各国/地域毎のニーズ/ペインの多様化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失
[機会]各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現
地域戦略推進部担当
役付執行役員
(経営企画部担当
役付執行役員)
[対応]
次の取り組み等による、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化及び各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現
・地域戦略グランドデザインの策定
・グローバルコミュニケーション体制の構築
・ローカル人材の育成
・国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化

<全社重点リスク分類表>

財務
●資本効率を意識した経営
●サプライチェーンの分断
●製品コストの上昇
●市場における競争の激化
●事業継続(BCP)
●M&A、事業譲渡
●経営資源配分

●戦略連携の強化(※)

●市場ニーズの変化
●新事業の創出
●投資判断
非財務
●海外の有事
●プラントトラブル
●品質マネジメント

●情報セキュリティ(※)

●法令・規制の強化、変更
●化学品規制
●安全・環境
●コンプライアンス
●DX技術の活用
●技術革新
●業務システムの更新
●ステークホルダーコミュニ
ケーション

●グローバル展開(※)

●人材マネジメント(※)

●カーボンニュートラル戦略の

遂行(※)

●プラスチック問題
●DE&I推進
●人権尊重
●自然資本の保全

← 短期的リスク →
← 中長期的リスク →
(※)優先的に管理すべきリスク

上記5つの優先的に管理すべきリスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、長期的な視点で今の時点から重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。例えば「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く当社グループの存続を脅かすリスクと認識している一方で、「カーボンニュートラル戦略の遂行」リスクは企業グループ理念にも直結するマテリアリティとして、VISION 2030の実現に不可欠な「機会」を的確にとらえるため、今の時点から注力していく必要があると考え取り上げました。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクと考えています。
リスクマネジメント委員会において5つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、特に「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く全社横断的な取組みの効率的な可視化が必要であるため、2025年度の全社各部の予算書においてその具体的方策を策定の上、達成状況をリスクマネジメント委員会が確認することとしています。その他の4つのリスクについても、個別事業戦略ないし機能戦略の責任者である役付執行役員をリスクオーナーにも指名することで、戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。

今年

①前連結会計年度における優先的に管理すべきリスクの状況
前連結会計年度においては、「情報セキュリティ」「グローバル展開」「人材マネジメント」「戦略連携の強化」「カーボンニュートラル戦略の遂行」の5つを優先的に管理すべきリスクとして設定し、その中でも「情報セキュリティ」については、昨今の企業に対するサイバー攻撃の状況に鑑み、その影響の大きさ、緊急性の高さを考慮の上、全社横断的な取り組みの効率的な可視化が必要と判断し、全社各部の予算書においてその具体的方策を策定し取り組んでまいりました。

「情報セキュリティ」の状況
「情報セキュリティ」については、情報管理体制の一層の強化を目的として改定された会社情報管理ルールの内容の浸透と定着等を含む具体的方策を全社の予算において、地域関係会社を含む各部門がそれぞれ策定し取り組みました。

■具体的な対応例
・サイバー攻撃による情報流出を想定した日常の訓練・情報漏洩に関して牽制を強化し、漏洩防止を図るため就業規則を改訂
・社内横断プロジェクトを推進し、内部からの情報漏洩に対する強化策の定着化を推進するとともに、外部攻撃に対するセキュリティ対策導入範囲を拡大

会社情報の外部漏洩防止のため、規則とツールの両輪で情報セキュリティに対する意識向上や仕組み構築を図りましたが、サイバー攻撃への対応の更なる強化に取り組むため、当該情報セキュリティについては、後述のとおり当連結会計年度においても経営重点リスク「サイバーセキュリティ&情報漏洩防止」として、全社横断的管理のより一層の強化に努めてまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

その他、以下の4つのリスクについて、各リスクの全社施策の実行責任者であるリスクオーナーの管理・統括のもと、下記のとおり取り組みを実施しました。

「グローバル展開」の状況
当社グループが志向するグローバルスペシャリティカンパニーとなるべく、地域特性を捉えた事業実現に向け地域戦略グランドデザインを策定し、地域別基本戦略を提示したほか、グローバルコミュニケーションやローカル人材の育成のための制度の討議を進めました。市場環境、技術革新、サプライチェーンなど複数のリスク要因が連関しており、重点的に取り組む必要があると認識していることから、当連結会計年度においても経営重点リスク「グローバルマネジメント」として引き続き全社横断で取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

「人材マネジメント」
成長戦略の推進を支える人材ポートフォリオの実現に向け、計画的な定期・キャリア採用を継続し、人材確保に努めた他、定年後再雇用制度や社宅制度の見直し等の諸施策の推進を図りました。各施策の具体化と高度化への取り組みが引き続き重要と認識しており、当連結会計年度においても経営重点リスク「質・多様性を備えた人材確保と要員管理」として改めて全社として取り組んでまいります(詳細は後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照)。

「戦略連携の強化」
国内で機運の高まる業界再編に的確に対応するべく、経営企画部担当役付執行役員およびベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員のもとで定期情報共有会議を開催し、各プロジェクトの進捗の可視化とプロジェクト間の連携・整合を図ってまいりました。自社で進められる再構築についての目途がついたことや、ナフサクラッカーの再編も、東日本・西日本における連携が基本合意に達することができたこともあり、当連結会計年度においては、経営重点リスクとしては指定せず、全社重点リスクとして引き続き連携強化を推進してまいります。

「カーボンニュートラル戦略の遂行」
世界で導入が進むGX-ETS制度等に的確に対応するべく、全社最適で各施策の遂行、保留を判断してまいりました。また、全社連携が必要な施策が増えたことから、全社横断的機能の強化に向けた体制を設定し、連携を図ることとしました。バイオマス製品については、他社との協働も進めてまいりました。これらの取り組みに加え、「戦略連携の強化」にもあるとおり、ナフサクラッカー再編に関する東日本・西日本における連携なども進捗しており、2030年度の目標である、GHG40%削減(2013年度比)の実現にも目途がついたことから、当連結会計年度においては、経営重点リスクには指定せず、全社重点リスクとして各リスクマネジメントオーナーがそれぞれの所掌領域において引き続き改善に取り組んでまいります。

②当連結会計年度における全社重点リスク
当連結会計年度においては、上記①の優先的に管理すべきリスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。
当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、中東情勢の影響によるリスクも発生しており、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、必要な対応を適宜取っております。

[全社重点リスク一覧]

リスクカテゴリー
想定される脅威・機会
密接に関連するマテリアリティ
1)事業継続に関する
リスク
事業継続(自然災害、有事)、サプライチェーン分断、地政学リスク、プラントトラブル(※)
安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメー
ション
2)製造・品質に関する
リスク
安全・環境、品質マネジメント、化学品
規制の強化
安全、安定生産、品質
3)コンプライアンスに
関するリスク
コンプライアンス、法令・規制の強化・
変更
コンプライアンス
4)技術革新に関する
リスク
新事業の創出、技術革新
イノベーション、ライフサイクル全体を
意識した製品設計
5)気候変動に関する
リスク
カーボンニュートラル戦略の遂行
気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
6)自然資本に関する
リスク
プラスチック問題、自然資本の保全
サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計
7)人権に関するリスク
人権尊重
人権尊重、パートナーシップ
8)事業基盤に関する
リスク

質・多様性を備えた人材確保と要員管理(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション
企業文化、人的資本、パートナーシップ
9)DXに関するリスク
DXとAI技術の活用、サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)、業務システム安定化・活用
デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計
10)経営管理・監督に
関するリスク
資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡
-
11)マクロ環境に関する
リスク
市場における競争の激化、戦略連携の強化、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバルマネジメント(※)
-
(※)当連結会計年度において認識した経営重点リスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した経営重点リスク」ご参照。

[全社重点リスク概要]
1)事業継続に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、需要・サプライチェーンの変化に起因するビジネスチャンスを取り込む等当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒海外安全管理規則および海外安全管理要領の全面改正・周知
⇒各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討
⇒事業部・製造部門一体となったトラブル未然防止対策の立案・実行

2)製造・品質に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。
・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。
・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることによる市場におけるレピュテーションの低下、あるいは、新材料調達等のためのコスト増大の可能性があります。
・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大やリサイクル材等新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。
・上述のとおり、運転、輸送、保管等に起因するトラブルや、品質に関する問題が発生した場合には、レピュテーション低下につながる可能性も想定されます。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化
⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減
⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応
⇒リサイクル材等の新たな分野における品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用

3)コンプライアンスに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、当社にとって新規領域への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な対応強化の他、新たに加わったグループ関係会社への対応も必要となります。
・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進および施策の定期的な見直し、教育・違反事例共有等の啓蒙活動強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善
(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。
⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上

4)技術革新に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する他、世界的な商品・サービスのAI化・機械化による生産性・需要変化、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化等を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。
・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出および市場の獲得グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出
⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新

5)気候変動に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX-ETSを始めとするGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。さらに、技術開発をカーボンニュ―トラル戦略と連携して進めることで、カーボンニュートラルを前倒しで達成し、企業価値を向上する可能性があります。
大
中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進

6)自然資本に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。
・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源および生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
中~大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保
⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、CSRD(企業サステナビリティ報告指令)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上

7)人権に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まりや、AI使用増加に伴う誤判断・情報漏洩等による人権侵害の可能性、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。
[機会]
・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減

8)事業基盤に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。
・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。
・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解のもとで成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。
[機会]
・一方、当該リスクについては、人材獲得による、成長戦略の加速、企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、当社存在意義への共感、帰属意識の向上、グループ求心力の強化等により社員のエンゲージメント向上の可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・アントレプレナー人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革
⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化
⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上

9)DXに関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・昨今では、デジタル技術およびAIの進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術およびAIの導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。
・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。
・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、最適なデジタル技術、AIの活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システムの安定化・活用による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
また、効果的なデジタルマーケティングにより、顧客への的確なソリューション提案が可能となり当社が事業機会を獲得する可能性もあります。
中~大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、生成AI等の重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現
⇒DXとAI技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上
⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化
⇒新たな業務システム導入の推進および活用による経営効率の向上

10)経営管理・監督に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分および成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。
・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。
・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大およびデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分やM&AおよびPMIの推進による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速
⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進
⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上
⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化

11)マクロ環境に関するリスク

リスク概要と対応
影響度
発生確率
[脅威]
・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。
・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。
・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、地政学的・経済的分断が進行しているとともに各国/地域毎にニーズの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。
・国内を中心とした業界再編の機運も加速している他、石化を取り巻く事業環境も激変しており、対応が後手に回ってしまった場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。
[機会]
・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、競合他社との統合・再編を主導することによる経済安全保障上の責任も果たしうる持続的な事業基盤の構築等当社グループの成長につながる可能性もあります。
大
低~中
[対応]
・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。
⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、現地生産の加速、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上
⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化
⇒業界再編に向けた連携パートナー候補の選定と具体的協議への着手
⇒ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現

③当連結会計年度に認識した経営重点リスク
当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の4つを当社グループの経営重点リスクとして選定しました。

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
1)事業継続に
関するリスク
・リスク:プラントトラブル
・想定される事象
[脅威]
トラブルによる生産停止、近隣地域に対する事故被害や環境汚染対応による損害、報道による市場でのレピュテーション低下
生産・技術本部担当
役付執行役員
[対応]
・生産・技術本部、事業本部、関係機能部門一体となった組織、文化、人材育成、安全保安管理に関わる現場力強化施策の立案と実行(プロセス起因のトラブルの未然防止)
・事業本部と一体となったハードとソフト両面対策および設備メーカーとの連携強化による保全・エンジニアリング力強化策の立案と実行(設備起因のトラブルの未然防止)
・トラブル時に発生する原料・製品の機会損失低減策の立案・実行

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
8)事業基盤に
関するリスク
・リスク:質・多様性を備えた人材確保と要員管理
・想定される事象
[脅威]
・必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない
・事業ポートフォリオ転換に伴う必要人員数の変化に対処できず、当社グループの成長の妨げになる可能性
[機会]
新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現
人事部・グローバル
人材部担当
役付執行役員
[対応]
・多様な人材プールの形成と活躍に資する制度整備
・全社人材育成委員会の運用改定によるキータレント育成配置の拡大

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
9)DXに関する
リスク
・リスク:サイバーセキュリティ&情報漏洩防止
・想定される事象
[脅威]
・操業停止による顧客離脱、受注停止および信用失墜による長期的損失
・個人情報保護法、高圧ガス保安法など行政罰・指導
・サプライチェ―ンへの攻撃を原因とする調達停止
・取引先からのセキュリティ対応要求
情報システム統括部
担当役付執行役員
(CDO※)
[対応]
・情報保護ツールを用いた情報管理の徹底(情報漏洩防止)
・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置
・脅威監視と対応サービスの高度化によるインシデント対応力の強化
※Chief Digital Officer

全社重点リスク
カテゴリー
リスク及び想定される事象
リスクオーナー
11)マクロ環境に
関するリスク
・リスク:グローバルマネジメント
・想定される事象
[脅威]
各国/地域毎のニーズの多様化や市場競争の変化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失
[機会]
各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現、成長領域における中長期の収益性および競争力の確保
地域戦略推進部担当
役付執行役員
[対応]
・地域別売上収益の経営計画システムへの組み込み
・地域戦略の推進
・グローバルR&D拠点のあり方に関する全体設計
・各地域におけるキータレントマネジメントの運営体制整備を始めとする地域戦略を実行する人材の確保・育成

<全社重点リスク分類表>

財務
●資本効率を意識した経営
●サプライチェーン分断
●製品コストの上昇
●市場における競争の激化
●事業継続(自然災害、有事)
●M&A、事業譲渡
●経営資源配分
●戦略連携の強化
●市場ニーズの変化
●新事業の創出
●投資判断
非財務
●地政学リスク

●プラントトラブル(※)

●品質マネジメント

●サイバーセキュリティ&情報漏洩防止(※)

●法令・規制の強化、変更
●化学品規制の強化
●安全・環境
●コンプライアンス
●DXとAI技術の活用
●技術革新
●業務システム安定化・活用
●ステークホルダーコミュニ
ケーション

●グローバルマネジメント(※)

●質・多様性を備えた

人材確保と要員管理(※)

●カーボンニュートラル戦略の
遂行
●プラスチック問題
●DE&I推進
●人権尊重
●自然資本の保全

← 短期的リスク →
← 中長期的リスク →
(※)経営重点リスク

上記4つの経営重点リスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、中長期的な視点で重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクという観点で選定しています。
リスクマネジメント委員会において4つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、どのリスクも全社横断的な取組みが必要であるため、リスクオーナーは全社視点であるべき姿と経営に与える影響、主要課題と対策、対策ごとの責任者、モニタリング手法、リスクタイトル等を2026年度の予算に組み込み、進捗状況をリスクマネジメント委員会が確認する運用とします。当該運用により戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新

繰延税金資産の回収可能性のKAMは数値のみ更新(5,083百万円→5,382百万円、相殺前56,799百万円→56,850百万円)。一方、前年のPrime Evolue Singapore(減損損失なし)と日本エム・ディ・エム持分法投資(減損損失8,320百万円)に代わり、今期はエム・エーライフマテリアルズ株式会社(ICTソリューション事業)の固定資産減損(損失1,406百万円計上)がKAMとして新たに記載された。

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監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

三井化学株式会社の繰延税金資産の回収可能性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の当連結会計年度末の連結財政状態計算書において、繰延税金資産5,083百万円が計上されている。1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】35.法人所得税に記載されているとおり、繰延税金資産と繰延税金負債の相殺前の繰延税金資産の金額は56,799百万円である。)の当連結会計年度末の連結財政状態計算書において、繰延税金資産5,382百万円が計上されている。1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】35.法人所得税に記載されているとおり、繰延税金資産と繰延税金負債の相殺前の繰延税金資産の金額は56,850百万円である。
三井化学(株)はグループ通算制度を適用しており、法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産については、通算グループ全体を一つの納税主体とし、回収可能性を判断している。連結財務諸表における繰延税金資産の主要な残高は、三井化学(株)を通算親法人とした通算グループに係るものであり、その多くが三井化学(株)において計上されたものである。
繰延税金資産の回収可能性は、主に経営者による事業計画における将来課税所得の見積りに依存しており、将来課税所得の見積りは取締役会によって承認された翌連結会計年度の予算を基礎としている。
翌連結会計年度の予算における計画販売数量は、当連結会計年度の実績及び市場動向を踏まえた需要予測に基づき見積られているが、事業内容は広範多岐にわたっており、世界的な景気動向の影響を受けることから、不確実性が高く、その見積りには経営者による判断を伴う。
三井化学(株)の繰延税金資産は、連結財務諸表に占める割合が高く、その回収可能性の評価において重要となる計画販売数量の見積りは、高い不確実性と経営者による判断を伴うことから、当監査法人は三井化学(株)の繰延税金資産の回収可能性が当連結会計年度の連結財務諸表監査において重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・将来減算一時差異等、将来加算一時差異のスケジューリング
IAS第12号「法人所得税」に基づき将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で将来減算一時差異等に係る繰延税金資産が計上されていることを検証した。
・将来課税所得の見積り
繰延税金資産の回収可能性を評価する際に用いた三井化学(株)及び通算グループの課税所得の見積りが、取締役会により承認された翌連結会計年度の予算を基礎としていることを予算資料との照合により検証した。
・見積りの不確実性への対応
前連結会計年度における課税所得の見積りに当たって使用した当連結会計年度の予算と実績を比較し、差異要因について分析を行った。
翌連結会計年度の予算の策定方法、予算に含まれる仮定について質問を行い、予算の達成可能性に関する不確実性を勘案した方法について経営者と議論した。
翌連結会計年度以降の需要予測に基づく計画販売数量について、当連結会計年度の実績と比較するとともに、第三者機関による市場予測レポートなど利用可能な外部データとの比較により検証した。

Prime Evolue Singapore Pte. Ltd.の固定資産の減損
エム・エーライフマテリアルズ株式会社の固定資産の減損

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、三井化学(株)のベーシック&グリーンマテリアルズセグメントに属するPrime Evolue Singapore Pte. Ltd.(以下、「EVLS」という。)の固定資産について、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても減損の兆候を識別し、減損テストを実施している。1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、三井化学(株)のICTソリューション事業セグメントに属するエム・エーライフマテリアルズ株式会社(以下、「MAL」という。)の固定資産について減損損失を1,406百万円計上している。
固定資産については、各報告期間の末日において各資産又は資産が属する資金生成単位を対象として減損の兆候の有無が判定され、減損の兆候が存在する場合には減損テストが実施される。減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
シンガポールにおける生産拠点としてEVLSは単独で資金生成単位を構成するが、市場環境悪化によりEVLSの収益性が低下していることから、当連結会計年度においても減損の兆候があると判断された。会社は、減損テストにおいて、当該資金生成単位の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから減損損失を計上していない。MALは単独で資金生成単位を構成するが、販売数量減少や円安進行等に伴いMALの収益性が低下したことから、当連結会計年度において減損の兆候があると判断された。MALは、減損テストにおいて、当該資金生成単位の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上している。
減損テストに利用する割引前将来キャッシュ・フローは、経営者が作成したEVLSの事業計画に基づいて見積もられており、その主要な仮定は、今後の需要見込みに基づく販売数量及び販売価格である。将来の販売数量及び販売価格は、顧客から入手した情報及びポリエチレンの需給バランスや将来の市場見通し等を基に設定されており、厳しい事業環境が継続し得ることから、これらの仮定の設定には不確実性を伴う。減損テストに利用する割引前将来キャッシュ・フローは、経営者が作成したMALの事業計画に基づいて見積られており、その主要な仮定は、販売数量及びコスト削減計画である。販売数量は、高付加価値品の拡販等の販売計画を基に設定されており、コスト削減計画は、生産方法変更等の計画を基に設定されている。割引前将来キャッシュ・フローは、それぞれの計画の達成状況に影響を受けることから見積りの不確実性を伴い、経営者の主観的な判断を含んでいる。
使用価値の見積りにおける上記の主要な仮定は不確実性を伴い経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項とした。以上のことから、当監査法人は減損損失の測定を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、Prime Evolue Singapore Pte. Ltd.(以下、「EVLS」という。)の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。これには、EVLSの監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。当監査法人は、エム・エーライフマテリアルズ株式会社(以下、「MAL」という。)の固定資産の減損損失の測定に用いた使用価値の見積りの妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。これには、MALの監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。
・評価方法
減損テストに使用されている将来キャッシュ・フローが経営者によって承認された将来の事業計画に基づいて策定されているか検討した。
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価方法を検証した。
・見積りの不確実性への対応
EVLSの経営者による見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における見積りに使用した販売数量及び販売価格の推移とその後の実績を比較した。MALの経営者による見積プロセスの有効性を評価するために、過年度における販売計画とその後の実績を比較した。
将来の事業計画に含まれる主要な仮定である販売数量及び販売価格について、過去実績からの趨勢分析等を検討し、仮定の適切性を評価した。将来の事業計画に含まれる主要な仮定である販売数量について、経営者への質問を実施するとともに、拡販が見込まれる顧客との交渉記録を閲覧し、経営者の仮定との整合性を検討した。
将来の見通し等について、市場調査会社が発行するレポート等の利用可能な外部データと比較した。コスト削減計画について、その対象や範囲を経営者に質問するとともに、会議の議事録の閲覧により主要顧客の認証状況を確認し、事業環境に照らした経営者の仮定を評価した。
・成長率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、事業計画を超える期間の成長率について外部機関が公表しているデータと比較し、資金生成単位が属する国における消費者物価指数を勘案し、これを超えない範囲で設定されていることを検証した。主要な製品の将来見通し等について、市場調査会社が発行するレポート等の利用可能な外部データと比較した。
・割引率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、割引率の見積りに用いた計算要素について利用可能な外部機関が公表しているデータと比較した。

株式会社日本エム・ディ・エムに対する持分法投資の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、当連結会計年度において三井化学(株)のライフ&ヘルスケア・ソリューションセグメントに属する株式会社日本エム・ディ・エム(以下、「MDM」という。)に対する持分法投資について、減損損失を8,320百万円計上している。
持分法投資については、減損の客観的な証拠が存在する場合に減損テストが実施され、減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
MDMに対する持分法投資については、市場価格が取得原価を著しく下回る状況にあることから、減損の客観的な証拠があると判断された。会社は、減損テストにおいて、当該持分法投資の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上している。
減損テストに利用する将来キャッシュ・フローは、MDMの経営者が作成した事業計画に基づいて見積もられており、その主要な仮定は、今後の日米の整形外科領域における医療機器市場の成長及び新製品投入計画等に基づく売上高成長率であるが、当該仮定の設定には不確実性を伴う。
使用価値の見積りにおける上記の主要な仮定は不確実性を伴い経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、株式会社日本エム・ディ・エム(以下、「MDM」という。)に対する持分法投資の減損損失にかかる認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
・評価方法
減損テストに使用されている将来キャッシュ・フローがMDMの経営者によって承認された将来の事業計画に基づいて策定されているか検討した。
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価手法を検証した。
・見積りの不確実性への対応
MDMの経営者による見積プロセスの有効性を評価するために、過年度における見積りに使用した事業計画とその後の実績を比較した。
将来の事業計画に含まれる主要な仮定である売上高成長率について、過去実績からの趨勢分析等を実施し、仮定の適切性を評価した。
将来の市場見通し等について、利用可能な外部情報との整合性を検討した。
・成長率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、事業計画を超える期間の成長率について外部機関が公表しているデータと比較し、MDMが事業を行う国におけるインフレ率を勘案し、これを超えない範囲で設定されていることを検証した。

前年

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

三井化学株式会社の繰延税金資産の回収可能性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の当連結会計年度末の連結財政状態計算書において、繰延税金資産5,083百万円が計上されている。1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】35.法人所得税に記載されているとおり、繰延税金資産と繰延税金負債の相殺前の繰延税金資産の金額は56,799百万円である。
三井化学(株)はグループ通算制度を適用しており、法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産については、通算グループ全体を一つの納税主体とし、回収可能性を判断している。連結財務諸表における繰延税金資産の主要な残高は、三井化学(株)を通算親法人とした通算グループに係るものであり、その多くが三井化学(株)において計上されたものである。
繰延税金資産の回収可能性は、主に経営者による事業計画における将来課税所得の見積りに依存しており、将来課税所得の見積りは取締役会によって承認された翌連結会計年度の予算を基礎としている。
翌連結会計年度の予算における計画販売数量は、当連結会計年度の実績及び市場動向を踏まえた需要予測に基づき見積られているが、事業内容は広範多岐にわたっており、世界的な景気動向の影響を受けることから、不確実性が高く、その見積りには経営者による判断を伴う。
三井化学(株)の繰延税金資産は、連結財務諸表に占める割合が高く、その回収可能性の評価において重要となる計画販売数量の見積りは、高い不確実性と経営者による判断を伴うことから、当監査法人は三井化学(株)の繰延税金資産の回収可能性が当連結会計年度の連結財務諸表監査において重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・将来減算一時差異等、将来加算一時差異のスケジューリング
IAS第12号「法人所得税」に基づき将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で将来減算一時差異等に係る繰延税金資産が計上されていることを検証した。
・将来課税所得の見積り
繰延税金資産の回収可能性を評価する際に用いた三井化学(株)及び通算グループの課税所得の見積りが、取締役会により承認された翌連結会計年度の予算を基礎としていることを予算資料との照合により検証した。
・見積りの不確実性への対応
前連結会計年度における課税所得の見積りに当たって使用した当連結会計年度の予算と実績を比較し、差異要因について分析を行った。
翌連結会計年度の予算の策定方法、予算に含まれる仮定について質問を行い、予算の達成可能性に関する不確実性を勘案した方法について経営者と議論した。
翌連結会計年度以降の需要予測に基づく計画販売数量について、当連結会計年度の実績と比較するとともに、第三者機関による市場予測レポートなど利用可能な外部データとの比較により検証した。

Prime Evolue Singapore Pte. Ltd.の固定資産の減損

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、三井化学(株)のベーシック&グリーンマテリアルズセグメントに属するPrime Evolue Singapore Pte. Ltd.(以下、「EVLS」という。)の固定資産について、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても減損の兆候を識別し、減損テストを実施している。
固定資産については、各報告期間の末日において各資産又は資産が属する資金生成単位を対象として減損の兆候の有無が判定され、減損の兆候が存在する場合には減損テストが実施される。減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
シンガポールにおける生産拠点としてEVLSは単独で資金生成単位を構成するが、市場環境悪化によりEVLSの収益性が低下していることから、当連結会計年度においても減損の兆候があると判断された。会社は、減損テストにおいて、当該資金生成単位の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから減損損失を計上していない。
減損テストに利用する割引前将来キャッシュ・フローは、経営者が作成したEVLSの事業計画に基づいて見積もられており、その主要な仮定は、今後の需要見込みに基づく販売数量及び販売価格である。将来の販売数量及び販売価格は、顧客から入手した情報及びポリエチレンの需給バランスや将来の市場見通し等を基に設定されており、厳しい事業環境が継続し得ることから、これらの仮定の設定には不確実性を伴う。
使用価値の見積りにおける上記の主要な仮定は不確実性を伴い経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、Prime Evolue Singapore Pte. Ltd.(以下、「EVLS」という。)の固定資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。これには、EVLSの監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。
・評価方法
減損テストに使用されている将来キャッシュ・フローが経営者によって承認された将来の事業計画に基づいて策定されているか検討した。
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価方法を検証した。
・見積りの不確実性への対応
EVLSの経営者による見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度における見積りに使用した販売数量及び販売価格の推移とその後の実績を比較した。
将来の事業計画に含まれる主要な仮定である販売数量及び販売価格について、過去実績からの趨勢分析等を検討し、仮定の適切性を評価した。
将来の見通し等について、市場調査会社が発行するレポート等の利用可能な外部データと比較した。
・成長率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、事業計画を超える期間の成長率について外部機関が公表しているデータと比較し、資金生成単位が属する国における消費者物価指数を勘案し、これを超えない範囲で設定されていることを検証した。
・割引率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、割引率の見積りに用いた計算要素について利用可能な外部機関が公表しているデータと比較した。

株式会社日本エム・ディ・エムに対する持分法投資の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、当連結会計年度において三井化学(株)のライフ&ヘルスケア・ソリューションセグメントに属する株式会社日本エム・ディ・エム(以下、「MDM」という。)に対する持分法投資について、減損損失を8,320百万円計上している。
持分法投資については、減損の客観的な証拠が存在する場合に減損テストが実施され、減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
MDMに対する持分法投資については、市場価格が取得原価を著しく下回る状況にあることから、減損の客観的な証拠があると判断された。会社は、減損テストにおいて、当該持分法投資の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上している。
減損テストに利用する将来キャッシュ・フローは、MDMの経営者が作成した事業計画に基づいて見積もられており、その主要な仮定は、今後の日米の整形外科領域における医療機器市場の成長及び新製品投入計画等に基づく売上高成長率であるが、当該仮定の設定には不確実性を伴う。
使用価値の見積りにおける上記の主要な仮定は不確実性を伴い経営者の判断を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、株式会社日本エム・ディ・エム(以下、「MDM」という。)に対する持分法投資の減損損失にかかる認識の要否に関する判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。
・評価方法
減損テストに使用されている将来キャッシュ・フローがMDMの経営者によって承認された将来の事業計画に基づいて策定されているか検討した。
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価手法を検証した。
・見積りの不確実性への対応
MDMの経営者による見積プロセスの有効性を評価するために、過年度における見積りに使用した事業計画とその後の実績を比較した。
将来の事業計画に含まれる主要な仮定である売上高成長率について、過去実績からの趨勢分析等を実施し、仮定の適切性を評価した。
将来の市場見通し等について、利用可能な外部情報との整合性を検討した。
・成長率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、事業計画を超える期間の成長率について外部機関が公表しているデータと比較し、MDMが事業を行う国におけるインフレ率を勘案し、これを超えない範囲で設定されていることを検証した。

今年

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

三井化学株式会社の繰延税金資産の回収可能性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の当連結会計年度末の連結財政状態計算書において、繰延税金資産5,382百万円が計上されている。1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】35.法人所得税に記載されているとおり、繰延税金資産と繰延税金負債の相殺前の繰延税金資産の金額は56,850百万円である。
三井化学(株)はグループ通算制度を適用しており、法人税及び地方法人税に係る繰延税金資産については、通算グループ全体を一つの納税主体とし、回収可能性を判断している。連結財務諸表における繰延税金資産の主要な残高は、三井化学(株)を通算親法人とした通算グループに係るものであり、その多くが三井化学(株)において計上されたものである。
繰延税金資産の回収可能性は、主に経営者による事業計画における将来課税所得の見積りに依存しており、将来課税所得の見積りは取締役会によって承認された翌連結会計年度の予算を基礎としている。
翌連結会計年度の予算における計画販売数量は、当連結会計年度の実績及び市場動向を踏まえた需要予測に基づき見積られているが、事業内容は広範多岐にわたっており、世界的な景気動向の影響を受けることから、不確実性が高く、その見積りには経営者による判断を伴う。
三井化学(株)の繰延税金資産は、連結財務諸表に占める割合が高く、その回収可能性の評価において重要となる計画販売数量の見積りは、高い不確実性と経営者による判断を伴うことから、当監査法人は三井化学(株)の繰延税金資産の回収可能性が当連結会計年度の連結財務諸表監査において重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。
当監査法人は、三井化学株式会社(以下、「三井化学(株)」という。)の繰延税金資産の回収可能性を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・将来減算一時差異等、将来加算一時差異のスケジューリング
IAS第12号「法人所得税」に基づき将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で将来減算一時差異等に係る繰延税金資産が計上されていることを検証した。
・将来課税所得の見積り
繰延税金資産の回収可能性を評価する際に用いた三井化学(株)及び通算グループの課税所得の見積りが、取締役会により承認された翌連結会計年度の予算を基礎としていることを予算資料との照合により検証した。
・見積りの不確実性への対応
前連結会計年度における課税所得の見積りに当たって使用した当連結会計年度の予算と実績を比較し、差異要因について分析を行った。
翌連結会計年度の予算の策定方法、予算に含まれる仮定について質問を行い、予算の達成可能性に関する不確実性を勘案した方法について経営者と議論した。
翌連結会計年度以降の需要予測に基づく計画販売数量について、当連結会計年度の実績と比較するとともに、第三者機関による市場予測レポートなど利用可能な外部データとの比較により検証した。

エム・エーライフマテリアルズ株式会社の固定資産の減損

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

1【連結財務諸表等】【連結財務諸表注記】18.非金融資産の減損に記載されているとおり、三井化学(株)のICTソリューション事業セグメントに属するエム・エーライフマテリアルズ株式会社(以下、「MAL」という。)の固定資産について減損損失を1,406百万円計上している。
固定資産については、各報告期間の末日において各資産又は資産が属する資金生成単位を対象として減損の兆候の有無が判定され、減損の兆候が存在する場合には減損テストが実施される。減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。
MALは単独で資金生成単位を構成するが、販売数量減少や円安進行等に伴いMALの収益性が低下したことから、当連結会計年度において減損の兆候があると判断された。MALは、減損テストにおいて、当該資金生成単位の回収可能価額を事業計画に基づいた使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから減損損失を計上している。
減損テストに利用する割引前将来キャッシュ・フローは、経営者が作成したMALの事業計画に基づいて見積られており、その主要な仮定は、販売数量及びコスト削減計画である。販売数量は、高付加価値品の拡販等の販売計画を基に設定されており、コスト削減計画は、生産方法変更等の計画を基に設定されている。割引前将来キャッシュ・フローは、それぞれの計画の達成状況に影響を受けることから見積りの不確実性を伴い、経営者の主観的な判断を含んでいる。
以上のことから、当監査法人は減損損失の測定を監査上の主要な検討事項とした。
当監査法人は、エム・エーライフマテリアルズ株式会社(以下、「MAL」という。)の固定資産の減損損失の測定に用いた使用価値の見積りの妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。これには、MALの監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。
・評価方法
減損テストに使用されている将来キャッシュ・フローが経営者によって承認された将来の事業計画に基づいて策定されているか検討した。
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、使用価値の算定における評価方法を検証した。
・見積りの不確実性への対応
MALの経営者による見積プロセスの有効性を評価するために、過年度における販売計画とその後の実績を比較した。
将来の事業計画に含まれる主要な仮定である販売数量について、経営者への質問を実施するとともに、拡販が見込まれる顧客との交渉記録を閲覧し、経営者の仮定との整合性を検討した。
コスト削減計画について、その対象や範囲を経営者に質問するとともに、会議の議事録の閲覧により主要顧客の認証状況を確認し、事業環境に照らした経営者の仮定を評価した。
主要な製品の将来見通し等について、市場調査会社が発行するレポート等の利用可能な外部データと比較した。
・割引率
当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、割引率の見積りに用いた計算要素について利用可能な外部機関が公表しているデータと比較した。
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
前文

リスクマネジメントシステムの運用が改められ、「全社重点リスク」を選定した上で、その中から特に重要性が高いものを「経営重点リスク」として全社横断的に対処する二段階の整理になった。記載対象も「全社重点リスク及び経営重点リスク」となり、見直し・更新に向けたモニタリングを強化する旨が追記された。具体的なリスク事象の追加・削除は前文には含まれない。

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差分(削除 / 追加)

3【事業等のリスク】
当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉えております。中長期的かつ継続的な視点をもって、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
当社グループのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)では、後述のプロセスにより選定した全社重点リスクを更に長期経営計画「VISION 2030」やマテリアリティに基づいて評価し、特に重要性が高いと判定されたリスクについては、優先的に管理すべき経営重点リスクとして全社横断的に対処しする運用としています。
本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。
なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスク及び経営重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新を図っするべくモニタリングを強化してまいります。

前年

3【事業等のリスク】
当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉えております。中長期的かつ継続的な視点をもって、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
当社グループのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)では、リスクを長期経営計画「VISION 2030」やマテリアリティに基づいて評価し、特に重要性が高いと判定されたリスクについては、優先的に管理すべきリスクとして全社横断的に対処します。
本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。
なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新を図ってまいります。

今年

3【事業等のリスク】
当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉えております。中長期的かつ継続的な視点をもって、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
当社グループのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)では、後述のプロセスにより選定した全社重点リスクを更に長期経営計画「VISION 2030」やマテリアリティに基づいて評価し、特に重要性が高いと判定されたリスクについては、経営重点リスクとして全社横断的に対処する運用としています。
本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。
なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスク及び経営重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新をするべくモニタリングを強化してまいります。
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(1) リスク管理体制及びリスク管理プロセス

リスク管理体制の記載において、従来の「優先的に管理すべきリスク」を「経営重点リスク」に改称し、リスクマネジメントオーナーから選任されたリスクオーナーが全社視点で管理する運用が新たに記載された。あわせて、リスクマネジメント委員会の位置付け・構成上の「CSO」が「リスクマネジメント委員会担当役付執行役員」に置き換えられ、経営重点リスク(案)の審議・取締役会決議・モニタリングの記述が追加された。

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差分(削除 / 追加)

当社グループでは、本システムの適切な運営のため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員(※)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。本委員会においては、各役付執行役員(※1)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。
この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。
選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議を経て取締役会の決議により正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議及び取締役会の決議を経て正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。
(※)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。また、全社重点リスクの中でも、更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、当社グループが全社横断的に管理すべきリスク項目を、特に、経営重点リスク(※2)として選出し、リスクマネジメントオーナーの中から選任されたリスクオーナーが、全社視点での管理を行い、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会において報告する運用としています。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで、管理の効率化及びより高い成果の実現を目指します。
(※1)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。
(※2)前連結会計年度において「優先的に管理すべきリスク」としておりましたが、当連結会計年度より「経営重点リスク」に改称し、管理してまいります。リスクオーナーのもと、全社視点でリスク管理を行い、統一性・均一性を高める意図とリスクの名称を整合させることを目的としての改称です。

<リスクマネジメント委員会概要>

位置付け
社長及びCSO(Chief Strategy Officer)が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関
社長及びリスクマネジメント委員会担当役付執行役員が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関
役割
①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議
②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)の審議
②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)の審議
③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)
④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議
構成
委員長 :社長
副委員長 :CSO
委員(※1) :役付執行役員
副委員長 :リスクマネジメント委員会担当役付執行役員
委員(※1) :役付執行役員(リスクマネジメントオーナー)
事務局(※2):経営企画部
(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。
(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及びCSOが指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及び副委員長が指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。
取締役会・経営会議との関係
①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。①リスクマネジメント委員会担当役付執行役員は、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。
②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスクとして設定する。②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定する。

当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回していきます。)により全社重点リスク及び経営重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回して管理していきます。
①各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。
②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)を策定する。②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)を策定する。
③全社重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスクとして設定される。③全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定される。
④設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。また、経営重点リスクは、リスクマネジメントオーナーの中から選任された各リスクオーナーの責任のもと、全社横断的に対応を図る。
⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や優先的に管理すべきリスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努めます。⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスク及び経営重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や経営重点リスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努める。

<本システム運用イメージ図>

前年

当社グループでは、本システムの適切な運営のため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員(※)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。
この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。
選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議を経て取締役会の決議により正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。
(※)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。

<リスクマネジメント委員会概要>

位置付け
社長及びCSO(Chief Strategy Officer)が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関
役割
①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議
②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)の審議
③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)
④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議
構成
委員長 :社長
副委員長 :CSO
委員(※1) :役付執行役員
事務局(※2):経営企画部
(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。
(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及びCSOが指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。
取締役会・経営会議との関係
①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。
②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスクとして設定する。

当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回していきます。
①各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。
②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)を策定する。
③全社重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスクとして設定される。
④設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。
⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や優先的に管理すべきリスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努めます。

<本システム運用イメージ図>

今年

当社グループでは、本システムの適切な運営のため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員(※1)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。
この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。
選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議及び取締役会の決議を経て正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。
また、全社重点リスクの中でも、更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、当社グループが全社横断的に管理すべきリスク項目を、特に、経営重点リスク(※2)として選出し、リスクマネジメントオーナーの中から選任されたリスクオーナーが、全社視点での管理を行い、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会において報告する運用としています。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで、管理の効率化及びより高い成果の実現を目指します。
(※1)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。
(※2)前連結会計年度において「優先的に管理すべきリスク」としておりましたが、当連結会計年度より「経営重点リスク」に改称し、管理してまいります。リスクオーナーのもと、全社視点でリスク管理を行い、統一性・均一性を高める意図とリスクの名称を整合させることを目的としての改称です。

<リスクマネジメント委員会概要>

位置付け
社長及びリスクマネジメント委員会担当役付執行役員が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関
役割
①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議
②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)の審議
③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)
④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議
構成
委員長 :社長
副委員長 :リスクマネジメント委員会担当役付執行役員
委員(※1) :役付執行役員(リスクマネジメントオーナー)
事務局(※2):経営企画部
(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。
(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及び副委員長が指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。
取締役会・経営会議との関係
①リスクマネジメント委員会担当役付執行役員は、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。
②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定する。

当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスク及び経営重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回して管理していきます。
①各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。
②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)を策定する。
③全社重点リスク(案)及び経営重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスク及び経営重点リスクとして設定される。
④設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。また、経営重点リスクは、リスクマネジメントオーナーの中から選任された各リスクオーナーの責任のもと、全社横断的に対応を図る。
⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスク及び経営重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や経営重点リスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努める。

<本システム運用イメージ図>

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-23 15:19)

前年版がないため比較していません。