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株式会社アドバンテスト

証券コード 68570 / EDINET E01950 / 電気機器

危険信号

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業績の推移

00.511.5兆円2021/3期 売上高 3,128億円2022/3期 売上高 4,169億円2023/3期 売上高 5,602億円2024/3期 売上高 4,865億円2025/3期 売上高 7,797億円2026/3期 売上高 1兆1,286億円2021/3期 純利益 698億円2022/3期 純利益 873億円2023/3期 純利益 1,304億円2024/3期 純利益 623億円2025/3期 純利益 1,612億円2026/3期 純利益 3,754億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/3
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/30.310.07
2022/30.420.09
2023/30.560.13
2024/30.490.06
2025/30.780.16
2026/31.130.38

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
1,098万円(+4.6%)
女性管理職比率
4.5%(+0.9pt)
男性育休取得率
60.0%(-6.6pt)
男女賃金差異
72.2%(-1.8pt)
従業員数
2,033人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
1.73億円(前年比 +6.1%)
非監査報酬
2,400万円(比率 12.2%)
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

提出者数
3
報告数
3
最大の保有者
野村證券株式会社(11.52%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2025-03-31 期(前期のデータなし)

個人株主の内訳は非表示

役員 9 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 427,200株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-26 14:05)

重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 記載の強化
(2)事業等のリスク

前年は主要リスクの総論とリスク項目マップのみの記載だったが、今年は「リスクユニバース」の策定、記載方針、個別リスクファクター(市場変動、顧客からの信頼、政治・地政学、成長投資など)の詳細な記述とリスク低減の取り組みを大幅に追加した。短期・中期に顕在化し影響が大きいリスクに「※」を付す方針が新設され、極端リスクも包含する旨が示された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。①リスクユニバース
当社グループでは、コーポレート・ビジョンの体現を阻害するリスクファクターを一元的に整理した、「リスクユニバース」を策定しています。リスクユニバースは、マクロ経済、業界動向、法規制、ステークホルダーの期待等の情報を踏まえて構成しており、内部要因・外部要因を問わず、当社グループが認識するリスクを体系的に整理したものです。また、変化の激しい事業環境を踏まえ、当面は発生確率が低いと見なされるものの大きな影響を及ぼし得る極端リスク(エクストリームリスク)についても、リスクユニバースに包含し、有事への備えの強化に努めています。
リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1. 戦略的リスク

a.市場変動

リスク項目マップ
b.顧客からの信頼

(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。c.政治・地政学

d.成長投資

e.顧客
ポートフォリオ

2. オペレーショナルリスク

3. 財務リスク

4. 法務・コンプライアンス・
グループガバナンス・
知的財産権リスク

a.情報セキュリティ及び
業務効率

b.サプライチェーン

c.製品ライフサイクル

d.自社の事業継続

e.人財

a.為替変動

b.信用格付

c.税務

a.人権・ハラスメント・DEI*

b.倫理及びコンプライアンス

c.責任ある事業運営

d.貿易管理

e.グループガバナンス及び内部統制

f.知的財産権

g.訴訟

*DEI: Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性及び包摂性)

②記載方針
本「(2)事業等のリスク」では、このリスクユニバースに基づき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを記載しています。
各リスクについては、発生する可能性が高い時間軸を短期・中期・長期のいずれかに区分した上で、発生した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて影響度を評価しています。その結果、短期又は中期に顕在化する可能性があり、かつ顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を与える可能性を有すると思われるリスクに「※」を付与しています。
ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載順は発生確率や重要性の高低を示すものではありません。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

③リスクファクター
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりです。

1. 戦略的リスク

a. 市場変動 ※

半導体設備投資水準の変動により、当社グループの業績及び将来業績に大きな影響が生じる可能性

当社グループは、世界中の半導体関連企業を顧客としているため、業界全体における半導体設備投資水準の変動の影響を直接的に受けやすい事業構造となっています。半導体需要は最終製品の需要動向や技術進化ペース、世界経済の動向や地政学的要因等に応じて変動し、さらに半導体の設備投資水準は、半導体の需給バランスの将来見通しに加え、半導体メーカー間の技術競争や半導体メーカーの事業戦略等、様々な要因の影響を受けます。そのため半導体の設備投資は、その時期と規模が当初の構想から逸れた、流動的なものとなる傾向が強く、このことが半導体製造装置メーカーである当社グループの事業環境の不確実性を高めています。
こうした環境下において、半導体需要が減速した場合には、顧客による設備投資が先送りされ、当社グループの業績が悪化する可能性があります。市場が急速かつ大幅に悪化した場合は、顧客の設備投資は抑制されるとともに、売上債権の回収リスクが拡大する可能性があります。一方、半導体市場が急拡大する局面において、当社グループの製品・サービス供給能力の改善が需要の伸びに追従できなかった場合、販売機会の逸失や顧客からの信頼の低下を通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、開発フェーズから量産フェーズまで、半導体のテスト需要を網羅する製品ポートフォリオの構築や、リカーリング商材を含むサービス事業の強化を通じて、半導体及びその関連装置市場の変動影響の緩和を図っています。
あわせて、半導体市場の動向や技術トレンド、試験装置需要見通しの継続的な把握を通じて、市場変動への対応力向上に努めています。これらを踏まえ、サービスエンジニアや開発エンジニアの人員配置についても、機動的な最適化を図っています。販売プロセス、サプライチェーン管理及び製販間の連携については、デジタルツールの活用等を通じて改善を進めているほか、与信管理及び売上債権回収リスクについても適切な管理に努めています。
さらに、当社製品の需要が急峻に増加した場合の供給対応力を高めるため、また中長期的な需要増加見通しを踏まえ、戦略的な在庫バッファの保有及び計画的な生産キャパシティの増強に取り組んでいます。
財務面においては、半導体及びその関連装置市場の変動が短期間で複合的に顕在化する可能性がある事業環境を前提として、コスト構造の変動費化、資金調達枠の確保に係る契約の締結、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等を通じ、半導体市場の減速局面における業績の下方耐性強化及び財政健全性の確保に平時より取り組んでいます。

b. 顧客からの信頼 ※

顧客対応が顧客の期待水準に達しない場合、当社グループに対する信頼が低下し、取引の継続や成長機会獲得が制約される可能性

当社グループが事業を展開する半導体製造装置市場は、技術革新のスピードが速く、顧客からは高い技術対応力や開発スピードに加え、顧客の新デバイスの量産立ち上げ段階における安定的なサービス能力や、導入後の継続的なサービス体制が求められています。このような環境下において、当社グループが顧客の期待に十分応える製品・サービスをタイムリーに提供できない場合、又は顧客の新デバイスの量産立ち上げに対する当社サービスが計画どおりに機能しない場合、若しくはポストセールスにおけるサービスが十分に提供できない場合、顧客からの評価と信頼の低下を招く恐れがあります。
顧客からの信頼が十分に確保されない状況が長期化した場合、既存顧客における取引継続や取引拡大が困難になるほか、新たなプロジェクトや次世代技術領域において当社製品・ソリューションが採用されにくくなる可能性があります。その結果、当社の市場シェアの維持・拡大が制約され、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループの主要な競合企業は、半導体テスタ市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. 及び EXICON Ltd. 等があります。テストハンドラでは、Hon. Precision, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc. 及び TechWing, Inc. 等、デバイスインタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Inchange Semiconductor Company Limited(ISC) 及び BeLINK Co., Ltd. 等と競合しています。
〈リスク低減のための取り組み〉
顧客からの信頼を維持・向上させる基盤として、当社グループは、技術理解力及び顧客対応力の強化に取り組んでいます。具体的には、主要顧客と将来のテスト・ソリューションに関する技術情報交換の機会を設けることで、次世代半導体の技術、製品仕様、将来の顧客課題、及び顧客課題を解決するテスト・ソリューションの洞察に努めています。さらに、長期を見据えた要素技術の基礎研究や次期自社製品の量産技術の開発を並行して進めることで、顧客の期待に応える製品・ソリューションをタイムリーに提供する体制を構築しています。
また、顧客対応力を高めるためには、顧客のニーズをより的確に捕捉する能力の涵養と、汲み取ったニーズをソリューション提案として具現化する能力の実装が、ともに不可欠です。当社グループにおいて顧客に対し最も密な対応が求められるシステムエンジニア(SAE)に対しファシリテーション能力強化研修を実施しているほか、AIを活用した顧客対応能力や製品開発能力の拡充も推進しています。
これらの取り組みを通じ、当社グループは、半導体テスタを核とした当社のテスト・ソリューションの価値を、これまでより広い範囲の半導体バリューチェーンですでに訴求し始めています。直近事例としては、シリコン検証を自動化する画期的なソリューション「SiConicTM」の提供を開始しています。またプローブカード・メーカーやプローバ・メーカーなどの外部パートナーとの協業や技術提携を通じて、顧客課題を解決する新たな製品・ソリューションの開発に取り組んでいるほか、サービスの充実にも取り組んでいます。
これら製品・ソリューション群を拡充する取り組みを通じ、顧客製品の品質・信頼性向上や顧客の設計・製造オペレーションにおける生産性向上により多くの貢献を果たすことで、今後も業界で顧客から最も厚い信頼を寄せられる企業となることを目指しています。

c. 政治・地政学 ※

地政学的緊張や経済安全保障を背景とした各国の規制環境の変化により、当社グループの調達・製造・販売等の事業活動が制約を受ける可能性

当社グループは、世界各地において部材調達、製品の製造、販売及び保守サービス等の事業活動を展開しており、これらの遂行は各国・地域の政治・経済情勢や規制環境の影響を受けます。特に半導体製造装置は、国際的なサプライチェーンに依拠して事業が成り立っていることから、地政学環境の変化が事業活動に及ぼす影響は相対的に大きい特性があります。
近年、国際的な地政学的緊張の高まりや地域紛争の発生、経済安全保障を重視した政策の強化等を背景に、主要国において輸出管理規制や投資規制、先端技術に関する管理の厳格化が進展しています。当社グループが取り扱う半導体製造装置及び関連技術についても、各国の産業政策や国家安全保障上の観点から規制の対象となる可能性があり、こうした規制や政策動向の変化によっては、当社グループの事業運営、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば以下のような事象を通じて顕在化する可能性があります。
- 特定の国・地域に対する製品、技術、又は保守サービスの提供について、法令等に基づき制限又は禁止される場合
- 原材料や主要部材の調達先における政情不安、貿易制限措置その他の外部要因による調達コストの上昇、供給の遅延・停止が生じる場合
- 各国当局による投資規制、買収・出資に関する審査の厳格化、関税の引き上げ、又は現地での事業運営に影響を及ぼす制度変更等が行われる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
地政学的リスクの高まりに伴い、各国における貿易・投資・技術管理に関する規制環境が変化する可能性に備え、当社グループは、事業活動への影響を適切に把握し、必要な対応を講じています。
具体的には、関税、輸出管理規制、経済制裁等に関する動向について、信頼性の高い情報源を活用し、地政学動向を継続的にモニタリングしています。また、地政学的リスクが事業に与える影響を多面的に把握するため、地域別のリスクを踏まえたシナリオ分析を行い、事業への影響を評価しています。
さらに、業界団体や専門委員会等への参画を通じて、半導体産業を取り巻く政策動向や規制議論に関する情報収集及び意見交換を行うとともに、半導体産業に対する過度な規制の回避や影響の低減に向けた取り組みを行っています。

d. 成長投資

成長投資において想定した成果が十分に実現せず、中長期的な企業価値の向上が制約される可能性

半導体市場では、設計の大規模化、製造加工精度の向上、デバイス構造の高度化などの手段を通じ、デバイスの性能向上やコストパフォーマンス最適化に向けた取り組みが日進月歩で進捗しています。また、半導体メーカーの生産能力増強投資も旺盛に行われています。
変化の激しいこのような環境下、当社グループは、将来の業界トレンドや顧客のテストニーズの変化に先駆的に対応するために、研究開発や、製品出荷能力を含めた顧客対応能力の強化など、有形・無形の成長投資を継続的に実施しています。しかし当社グループが業界の方向性を的確に予測及び対応できず、顧客にとって価値のある試験・計測ソリューションを、顧客が求めるタイミングとボリュームで提供できなかった場合、当社の競争力が低下する可能性があります。またこのような事象が継続した場合、価格競争の激化や製品・ソリューションの販売機会が減少し、過去の投資を回収することができない、又は回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが実施する成長投資には企業買収や資本業務提携なども含まれますが、これらの投資において、当初想定したとおりの事業上又は技術上のシナジーが創出されない可能性があります。企業買収により生じたのれん及び無形資産においては、利上げなどの様々な要因に伴い割引率が上昇する場合、あるいは期待されるシナジーを出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、今後当社が有すべき技術若しくは事業ポートフォリオ、ビジネスモデル、オペレーティングモデルの方向性を、業界におけるテクノロジー・リーダー企業や有識者とのコミュニケーションを通じて把握することに努めています。また得られた知見をもとに、“Automation of Test”をキーワードとした提供ソリューション群の革新、近縁市場における成長機会の具体化、新たな半導体関連の事業領域の探索等、事業と収益源の拡充につながる取り組みを行うことで、当社グループの中長期的かつ持続的な発展に努めています。
さらに、投資判断プロセスにおける規律を整備することでも、投資計画の精度向上及び投資リスクの低減を図っています。特に研究開発投資は、将来の事業成長性と事業収益性を左右する重要な投資であり、顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定とそれに基づく人員計画の策定、製品のプラットフォーム化等による開発効率向上、ROICベースの投資効果予測と判断等により、投資回収率の向上と投資リスクの軽減を図っています。企業買収や資本業務提携についても、投資効果予測の他、対象企業の技術優位性、当社グループのコアコンピタンスとの整合性、企業カルチャーの親和性等を総合的に検討した後に投資判断を行っています。

e. 顧客ポートフォリオ ※

売上高において上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、大口顧客の投資判断や取引関係の変化が当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性

当社グループの売上高は、半導体製造装置市場の特性と過去の販売努力の結果、特定の大口顧客が占める割合が相対的に高い構造となっています。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約48%及び当連結会計年度の同約50%を占めています。このように売上高に占める上位顧客の集中度が高い状況において、個別顧客の事業動向や購買方針等の変化が当社グループの業績に与える影響は、場合によっては市場全体の変化率よりも大きくなる可能性があります。このため、上位顧客の事業戦略や設備投資計画に変化が生じた場合、あるいは大口顧客との取引関係が縮小又は終了した場合は、当社グループの業績にその影響が短期間で顕在化する恐れがあります。
また、半導体産業においては、次世代技術や次世代デバイスの市場創出に関与する多様なプレーヤーとの関係構築が、中長期的な成長機会の獲得において重要です。当社グループがこうした外部との連携や情報アクセスを十分に確立できない場合、将来的に有望な顧客や事業機会への関与が限定され、競争優位性の中長期的な確立が難しくなる可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、顧客ポートフォリオに起因する業績変動リスクを低減するため、既存顧客とのさらなる関係強化と将来の成長機会へのアクセスの両面から、収益機会の多様化と収益の安定拡大に努めています。
具体的には、既存顧客の満足度をさらに引き上げるべく、顧客ごとの中長期的な技術動向や事業戦略、設備投資計画に対する理解を継続的な対話を通じて深め、さらにそれらに対する適切な対応を行っています。あわせて、規模の大小を問わず多様な顧客の成長を支援する観点から、既存顧客に加えて将来の重要顧客に対しても専任体制の構築を含むサービス体制を整備し、顧客ごとの課題やニーズに応じたきめ細かなサービスの提供を通じて当社グループへの信認拡大に取り組んでいます。さらに顧客基盤の拡大に向け、成長が期待されるインド等の市場において現地法人のオペレーション体制を強化したほか、一部地域で外部パートナーとの戦略的な提携を通じ、有望顧客や新たな成長機会へのアクセス強化に取り組んでいます。

2. オペレーショナルリスク

a. 情報セキュリティ及び業務効率 ※

当社グループでは、ITが事業活動の基盤となっています。ITシステム及びそれらを活用した業務オペレーションにおいて、十分な正確性、可用性、安定性、安全性が確保されない場合、当社グループの競争力、業績、及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、当社グループの事業運営に支障が生じる可能性があります。

- サイバー攻撃、インフラ障害、又はIT障害により、基幹システムや主要なクラウドサービス等が停止又は性能低下を起こし、受発注・生産・出荷・請求・代金回収等の業務が中断することで、納期遅延や売上の減少、復旧コストの増加が生じる場合
- 現職又は元従業員の不正や誤謬、サイバー攻撃、その他類似の事象を通じ、当社グループの技術情報、知的財産、顧客情報が外部に持ち出される、又は漏洩する場合
- ITシステムやソフトウエア更新、AI技術の活用が遅滞し、それに付随して業務プロセス効率化が十分に進まない場合。また、AI技術の利用が新たなリスクをもたらす場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、情報セキュリティ対策の継続的な強化に取り組むとともに、業務オペレーションのデジタル化を通じて業務効率の更なる向上を図っています。
情報セキュリティ及びIT基盤の強化については、情報セキュリティ・マネジメント・システムを整備し、リスク管理、法令遵守及び社内規程の運用状況について継続的な見直しを行っています。また、重大なサイバー攻撃やインフラ障害に備え、ITシステムの予防的な管理を行うとともに、グローバルなセキュリティ監視体制を整備し、インシデント発生時の事業への影響の回避又は最小化に努めています。
サイバー攻撃リスクへの対応としては、常時監視による脅威検知の強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた役員及び従業員のリテラシー向上に取り組むとともに、Advantest CSIRT*を整備し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を確立しています。事業継続性及び業務運営の安定性確保の観点からは、コアプロセスと関連するITシステムを洗い出し、障害時にも業務を継続できる仕組みの構築や、新しいITシステムやツールへの代替を推進しています。
2026年2月に発生したサイバーセキュリティインシデントを受け、当社グループはセキュリティ強化のための一定の施策を実施しました。さらに、当社グループは、本インシデントから得られた教訓及び外部専門家の知見を踏まえ、セキュリティロードマップの見直し、改善、及び加速を含む、情報セキュリティ体制のより広範な強化を進めています。具体的には、予防・検知・対応の各領域における能力強化に向けた施策を実施しており、これら施策の適時性、正確性、及び有効性の向上に重点を置いています。重点領域には、ネットワークセキュリティ、アイデンティティ及びアクセス管理、エンドポイント保護、クラウド及びアプリケーションセキュリティ、並びにセキュリティオペレーションが含まれます。これらの取り組みを通じて、当社グループは、情報セキュリティ体制のレジリエンスを強化し、安定的かつ継続的な事業運営を支えるとともに、顧客をはじめとするステークホルダーからの信頼の維持を図っています。
AIは、他の多くの技術と同様、社会に大きな便益をもたらすと考えられています。当社グループは、AIの効果的な活用を通じて自社の業務効率を向上させる施策を実施することにより、持続可能な社会の発展に貢献するとともに、顧客のイノベーションをさらに支援することを目指しています。他方で、当社グループは、AIの利用には、偏った出力、不正確又は誤解を招く出力、データプライバシーに関するリスク、及び自動化された意思決定への過度の依存といった、内在リスクが伴う可能性があることを認識しています。これらのリスクに対処するため、当社グループは、AIポリシーに沿ったAI利用に関するガバナンス体制及び利用ガイドラインを定めています。この枠組みのもとで、当社グループは、適用される法令並びにデータ管理に関する社内ポリシーの遵守を確保しつつ、AI技術の適切かつ責任ある利用を推進しています。さらに、AIの開発及び利用において、倫理的配慮及び人による監督を組み込むための取り組みを実施しています。これらにより、当社グループにおけるAI利活用の取り組みが、業務効率の向上にとどまらず、社会への有益な貢献とステークホルダーからの信頼維持に資することを目指しています
*CSIRT: Computer Security Incident Response Team

b. サプライチェーン ※

当社グループは、製品をタイムリーに提供するため、部品・材料の調達から製品製造・物流まで、サプライヤー各社やアウトソース先企業と協業しながらサプライチェーンを編成しています。当社グループのサプライチェーンにおいて供給の安定性や柔軟性が十分に確保されない場合、当社グループの事業運営、競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 天災に伴うサプライチェーン寸断、サプライヤーの事業悪化、物流の逼迫や混乱、自社及びサプライヤーの供給能力を超えた当社製品需要の急伸等により、必要な部品、材料、生産スペース、人的リソースを確保できず、製品供給の遅延又は停止が生じる場合
- 当社製品需要や生産・調達計画等の不整合により、過剰在庫や陳腐化が発生する場合
- サプライチェーンにおける人権・環境・コンプライアンス上の問題の発生により、調達断絶や取引停止が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
主要サプライヤーにおける供給停止・寸断に備え、重要サプライヤーの事業継続計画(BCP)の確認や見直しを行うとともに、緊急時の代替供給ルートの検討、連絡・情報共有のプロトコル整備を行っています。あわせて、複線化を含めたサプライチェーンのグローバル最適化や、製品供給能力強化に向けたサプライヤーに対する様々な支援を通じ、当社グループ全体にわたるサプライチェーン強靭化施策を展開しています。
また当社製品の供給リードタイムをより安定的なものとするため、生産能力の拡張に加え関連部門が連携し、需要予測や生産・調達計画の高度化、在庫水準の適正管理を進めています。さらに、一部の材料・部品について、調達の安定化のために長期調達契約を締結しているほか、前工程加工を済ませたウェーハの状態で備蓄する「ダイバンク」等で中間品を確保することを通じて、供給の安定性向上を図っています。
サプライチェーンにおける人権、環境及びコンプライアンス上の課題については、当社の事業運営に影響を及ぼすことを認識し、サプライヤーに対する当社の方針を伝達し、必要に応じて改善要請や対話を行うことで、調達断絶や取引停止等のリスク低減に努めています。

c. 製品ライフサイクル

当社グループは、事業活動の一環として、将来の市場や顧客ニーズに対応した製品の企画・開発、現行製品の改良、製品の品質管理など、一連の製品ライフサイクル管理を行っています。これらの取り組みが十分に機能しない場合、製品競争力や収益性が低下し、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 市場・顧客インサイトの把握不足や組織横断連携の不十分さにより、顧客が求める性能や機能を備えた次世代製品の投入が遅れる、あるいは失敗する場合
- 顧客要件、各国法規制、各種指令等への対応に必要な開発リソースを十分に確保できず、開発遅延が生じる場合、あるいは競合他社に技術的に先行され製品競争力を失う場合
- 市場動向、競合環境、製造原価、開発コストを踏まえた価格設定が不適切なために収益性が低下する場合
- 製品の性能、品質又は信頼性が顧客の要求水準を満たさない場合や、製品に欠陥が生じ、また製造物責任賠償保険によって損害が十分に補償されない結果として、出荷停止、納期遅延、事故発生、顧客対応費用の増大や損害賠償を請求されるなどする場合

〈リスク低減のための取り組み〉
製品ライフサイクル管理に起因する競争力低下や収益性悪化のリスクを低減するため、当社グループは、市場・顧客ニーズを的確に捉えた製品企画から、研究開発、量産、品質管理に至るまでの一連のプロセスの強化に取り組んでいます。
具体的には、顧客との対話を通じ、市場動向、顧客ニーズ、競争環境に関する現在及び将来見通しの継続的な把握に努めるとともに、これらの情報に基づいた研究開発体制の整備や人財・スキルの確保を中長期的に進めています。「6.研究開発活動」に記載のとおり、当社グループは多様な分野で研究開発活動を推進していますが、中長期的な研究開発テーマを定期的に見直していくことで、付加価値の高い次世代製品を、常にタイムリーに市場投入することに努めています。
また、市場・競合・コスト等を踏まえた価格設定を行うとともに、需要予測と生産・調達計画の整合、在庫の適正管理を推進することで、製品ライフサイクル全体を通じた収益性の確保を図っています。
加えて、製品の安全性及び信頼性を確保するため、ステージゲートシステム等のプロジェクト管理手法を運用し、各開発フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。あわせて、生産過程において様々な品質確認に加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。

d. 自社の事業継続 ※

重大な事故、自然災害、その他の危機事象が発生した場合に、事業継続に支障を来し、当社グループの業績及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 危機事象発生時における事業継続計画(BCP)や、緊急時の指揮命令・対応体制の不備により、初動対応や復旧対応が遅延し、操業停止や関係当局・顧客対応の混乱等が生じる場合
- 自社拠点における危機事象発生時に、資産の保全・適切な処理を行う体制、並びに指揮命令系統が機能せず、操業や事業継続に支障を来す場合
- 危機事象発生時における役職員の安全確保に関する責任や対応体制が不明確なために、初動対応の遅延や情報混乱が生じ、人身安全リスクや操業停止の長期化につながる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
重大な事故、自然災害等の危機事象が事業運営に与える影響を抑制するため、当社グループは、BCP及び事業継続マネジメントの整備・運用を通じて、危機対応力の向上に取り組んでいます。
具体的には、各拠点における危機対応手順や指揮命令系統を明確化するとともに、危機事象発生時の初動対応、復旧対応及び操業継続が円滑に行われる体制の構築に努めています。また、拠点における資産の保全及び適切な処理に関する体制を整備し、操業停止や事業中断が生じた場合においても、その影響を最小限に抑えることに努めています。さらに、役職員の安全確保を最優先事項として位置づけ、責任体制を明確化するとともに、訓練や検証を通じて、危機発生時における対応の遅延や情報混乱を防止し、事業及び信用への影響低減に取り組んでいます。

e. 人財 ※

事業戦略の遂行や競争力の維持・向上において、必要な人財の育成、配置及び経営体制の継続性が重要な要素となっています。これら人財に関する取り組みが十分に機能しなかった場合、当社の競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 人財の育成・定着やリスキリングが十分に進まず、イノベーション力や労働生産性、従業員エンゲージメントが低下する場合
- 経営層・主要幹部の不測の不在やサクセッションプランの不備により、経営の安定性や意思決定の継続性が損なわれる場合
- 人財獲得の停滞や人員計画の不備により、成長領域への人財配置が適切に行えず、競争力や労働生産性が低下する場合

〈リスク低減のための取り組み〉
人財に起因する競争力低下や事業運営への影響を低減するため、当社グループは、人財の育成・定着及びリスキリングを重要な経営課題として位置づけ、計画的な人財育成施策や学習機会の提供を通じて、イノベーション力及び労働生産性の向上に取り組んでいます。また、経営層及び主要幹部の不測の事態に備え、サクセッションプランの策定・運用を進め、経営の安定性及び意思決定の継続性の確保に努めています。さらに、戦略や中長期的な成長領域を踏まえた人員計画のもと、成長領域への適切な人財配置や人員獲得を通じて、競争力及び労働生産性の維持・向上を図っています。なお、当社グループの人的資本強化に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本」に記載しております。

3. 財務リスク

a. 為替変動 ※

当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の97.8%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約75%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
為替変動が業績及び財政状態に及ぼす影響を抑制するため、当社グループは為替リスク管理に関するガイドラインを策定し、保有通貨のバランス調整や、為替予約取引等の金融商品を活用したヘッジを行っています。また、外貨建て金融資産及び負債が相殺されるようなバランスシート管理を通じて、為替変動による影響の低減に努めています。

b. 信用格付

当社グループでは、事業運営及び成長投資に必要な資金について、営業活動により創出されるキャッシュ・フローを中心に対応する一方、企業買収や急激な経済環境の変化等に備え、かつ資本効率性に鑑み、社債の発行や金融機関からの借入等を行う場合があります。
当社グループの信用格付が引き下げられた場合や金融市場が不安定化した場合には、資金調達コストの上昇、調達条件の悪化、又は必要なタイミングでの資金調達が制約される可能性があり、これらを通じて当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
信用格付の維持及び資金調達環境の安定を図るため、当社グループは安定的な収益力の確保及び健全な財務基盤の維持に努めています。資本構成、キャッシュ・フロー及び負債水準等について継続的なモニタリングを行うとともに、事業計画及び投資判断において財務規律を重視しています。また、資金調達枠の契約により、十分な流動性を確保するとともに、資金調達が必要となった場合には速やかに実行できる体制を構築しております。これにより、資金調達コストの上昇や調達制約、投資余力の低下による業績及び財政状態への影響の抑制に取り組んでいます。

c. 税務

当社グループでは、各国・地域で事業活動を展開していることから、税制、国際税務、移転価格、間接税等に関する法令や制度の適用を受けています。これらへの対応や内部統制が不十分な場合、二重課税や罰金等の発生による税負担増が生じ、当社のキャッシュ・フローや財務指標に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、各国の税制、国際税務、移転価格及び間接税等に関する動向を継続的に把握するとともに、適切な税務対応及び内部統制の整備に努めています。あわせて、外部専門家の活用を含めた情報収集・分析体制を構築し、税務リスクの低減を図ることで、税負担の増加によるキャッシュ・フロー及び財務指標への影響の抑制に取り組んでいます。

4. 法務・コンプライアンス・グループガバナンス・知的財産権リスク

a. 人権・ハラスメント・DEI

当社グループでは、人権が尊重され、多様性が適切に配慮された職場環境を確保することは、企業価値創出の根幹であり、持続的な成長を果たすために不可欠であると認識しています。しかしながら、これらに関する取り組みが十分に機能しない場合、人権侵害やハラスメント等が発生する恐れがあり、その結果として、当社グループの企業価値及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 公平性や多様性が十分に尊重されない組織風土により、従業員エンゲージメントの低下や人財流出等が生じる場合
- 人権尊重やハラスメント防止に係る管理・対応が不十分であることにより、職場における人権侵害やハラスメント等が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、これらのリスクを低減するため、健全な企業文化の醸成を基盤として、人権尊重及び多様性に配慮した職場環境の整備を、全社的かつ継続的に推進しています。具体的には、コア・バリューである「INTEGRITY」の浸透に向けて、「INTEGRITY」ワークショップや「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続しています。
また、役員及び従業員に対し、人権尊重やハラスメント防止、DEIに関する教育・周知を実施するとともに、管理職による適切な関与を通じて、エンゲージメント向上や職場環境の整備に取り組んでいます。さらに、人権侵害やハラスメント等の発生を防止し、早期に対応するため、相談・通報窓口を設置し、従業員が安心して相談できる体制を整備しています。

b. 倫理及びコンプライアンス

当社グループでは、倫理及び法令遵守は経営の根幹となる要素の一つであり、役員及び従業員一人ひとりが企業倫理に則った行動を取ることは、企業価値の毀損防止を図る上での基本的前提と考えています。しかしながら、役員又は従業員による不適切な行為、組織風土上の問題、又は管理・運用上の不備等が生じた場合、当社グループの企業価値、社会的信用及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 役員又は従業員の倫理意識の低下、組織風土の問題等により、法令違反や社内規程違反を含むコンプライアンス上の問題が発生する場合
- 機密情報・個人情報等が、法令又は社内規程に基づき適切に管理されないことにより、情報漏洩、不正利用、刑事罰又は行政上の制裁、損害賠償請求、又は信頼の低下等が生じる場合
- 贈収賄や取引先等との不適切な関係を含む不祥事、内部通報制度の運用不全、又は役員・管理職による重大なコンプライアンス上の問題等が生じた場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループでは、これらのリスクを低減し、企業としての信頼性及び透明性を維持・向上させるため、社内規程や制度の整備及びその実効的な運用を、全社的かつ継続的に推進しています。
具体的には、贈答・接待に関する基本方針を含む各種社内規程や運用上のルール等を整備し、グローバルに適用しています。また、役員・管理職を含む全従業員を対象として、コンプライアンス意識の向上及びルールの理解を目的とした教育を実施しています。あわせて、従業員コンプライアンス意識調査を定期的に実施し、その結果を踏まえて取り組みの改善を図っています。
さらに、不正又は不祥事の早期発見及び未然防止を目的として、社内及び社外に内部通報窓口(ヘルプライン)を設置し、匿名による通報を含めた制度を運用しています。
なお、役員倫理規程等で不祥事発生時等に役員に報酬を返還させる、いわゆるクローバック条項を定めることにより、これらの取り組みの実効性を確保しています。

c. 責任ある事業運営

当社グループでは、従業員の安全衛生の確保、環境への配慮、並びに気候変動やESGに関する要請への対応を含む、責任ある事業運営が重要であると認識しています。これらに関する管理体制や対応が十分でない場合、操業の継続性や当社グループの企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 従業員の安全衛生管理が不十分であったことにより、労働災害の発生、事業活動への制約や行政上の制裁が生じる場合
- 工場・事業所における環境管理や環境関連法令の遵守が不十分であったことにより、環境事故や行政上の制裁、評判の毀損が生じる場合
- 気候変動対策やESG関連の規制・基準への対応が遅れたことにより、事業活動への制約、追加コストの発生、企業評価への悪影響が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、事業運営の安定性及び企業価値の維持・向上を図るため、従業員の安全衛生の確保、環境関連法令の遵守、並びに気候変動関連リスクへの対応を含む、事業運営に関する管理体制の整備及び運用に、全社的かつ継続的に取り組んでいます。
労働安全衛生体制及びその実効性確保については、グループ全体で労働安全衛生に関する基本方針を定め、安全の確保及び従業員の健康保持を最優先事項としています。制度・組織面では、日本においては安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止や快適な職場環境の形成に向けた継続的な協議及び改善活動を行っています。また、労働安全衛生マネジメントシステムの整備や認証取得に取り組むことで、管理体制の体系化及び継続的な改善を図っています。グローバルで統一した基準に基づいた安全衛生活動を推進するため、海外各拠点でRBA行動規範(B.安全衛生)を参考とした現状分析を行い、具体的な目標及び重点テーマの設定、実行につなげる活動を推進しています。あわせて、従業員に対する安全衛生教育を継続的に実施し、安全意識の向上及び基本的なルールの理解の徹底に努めています。
また、環境管理及び化学物質管理については、環境関連法令や社内規程に基づく管理体制を整備し、化学物質管理システムを活用した管理を行うとともに、化学物質の危険有害性及び適切な取扱いに関する教育を実施することで、環境事故や法令違反の未然防止に取り組んでいます。
さらに、当社グループは、気候変動への対応やESGに関する規制・基準の強化を重要な経営課題の一つと認識し、関係部門が連携しながら、環境負荷低減に向けた取り組みや法令・規制動向への対応を進めています。これらの活動を通じて、操業の不安定化や追加コストの発生、企業評価への悪影響といったリスクの低減を図っています。なお、当社グループの気候変動に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候関連の取り組み」に記載しております。

d. 貿易管理

当社グループでは、半導体製造装置及び関連技術を取り扱う事業特性上、各国・地域における輸出管理規制、経済制裁及びその他の貿易関連法令の適用を受けています。近年、経済安全保障を背景とした規制の強化や運用の厳格化が進展しており、貿易管理の重要性と複雑性が一層高まっています。
こうした環境下において、当社グループが貿易管理に関する法令や規制への対応を適切に行えなかった場合、罰則や行政上の制裁、製品の出荷停止・制限等の措置を受ける可能性があります。また、これらを通じて、サプライチェーンや取引関係に影響が生じ、当社グループの事業活動、業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、各国・地域における貿易関連法令や規制動向について、継続的かつタイムリーな情報収集を行っています。全世界の役員及び従業員を対象として、貿易管理に関する教育を継続的に実施し、関連法令や社内ルールの理解を促進し、貿易管理に関するコンプライアンスの徹底を図っています。

e. グループガバナンス及び内部統制

当社グループでは、国内外における事業拡大やM&Aの実施を含むグローバルな事業展開の進展に伴い、グループ全体としてのガバナンスや内部統制の重要性が一層高まっています。こうした環境下において、グループ内における内部統制の設計若しくは運用が十分でない場合、又は設計若しくは運用に不整合を来した場合、統制の形骸化が生じる可能性があります。このことは、不正や違反の防止若しくは早期把握ができない恐れをもたらし、また財務及び非財務情報の不正確な開示若しくは開示遅延につながる可能性があります。これらの結果、法令遵守体制や開示情報の信頼性が損なわれ、当社グループの業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、グループ全体における適切なガバナンス及び内部統制を確保することを重要な経営基盤の一つとし、組織及び権限を適切に設計するとともに、社内規程や子会社の意思決定機関に対する規律等を整備、運用しています。また、内部統制の設計及び運用の有効性に対してグループ全体を対象とした定期的な評価を行うとともに、不正や違反の予防、早期把握、継続的なモニタリングに向けた仕組みを整備することで内部統制の実効性の確保に取り組んでいます。
これらの内部統制を基盤として、財務情報及び非財務情報の正確性及び適時性の確保に努めています。

f. 知的財産権

当社グループは、第三者にその知的財産権を侵害したと主張される可能性、及び第三者により当社グループの知的財産権が侵害されるなどして、当社グループの製品の出荷ができなくなる可能性、又は当社グループの知的財産権を第三者に行使せざるを得なくなる可能性があります。これらの知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの製品・サービスの競争優位性が低下したと見なされる可能性、品質やブランド価値に対する評価が低下したと見なされる可能性、交渉や訴訟等に伴う追加費用が発生する可能性があります。これらは、当社グループの売上と収益性、又は今後の事業展開や研究開発活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、これらのリスクを軽減するため、製品開発時や製品出荷前において積極的かつ戦略的に特許申請を行うとともに、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。

g. 訴訟

当社グループの事業活動に関連して、訴訟その他の法的手続きが発生した場合、その進展や結果によっては、賠償金、和解費用、弁護士費用等の追加コストが発生し、当社グループの業績や財政状態、評判や信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、事業活動における法令遵守の徹底や契約・取引管理の強化、紛争化を未然に防ぐための当事者間の協議を通じて、紛争発生の予防及び影響の最小化に取り組んでいます。
また、訴訟その他の法的手続きに関するリスクに備え、個別の案件が生じた際には、案件の重要性や影響度を踏まえ、必要に応じて外部専門家を活用しつつ、適切な対応を行う体制を整えています。

前年

当社グループの事業等に関連するリスクにおいて、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下のとおりです。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
リスクにおいて想定されるシナリオならびに、リスクへの対応については、個々のリスク項目の中に記載しております。また、「発生可能性」については、短期的視点に加え中・長期的に発生する確率、「影響度」については、発生した際に売上高、当期利益に与える影響により、それぞれ評価しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

リスク項目マップ

(注)図表の中の記号は、リスク種別ならびに通し記号であり、後述する各リスクの分類と一致しております。

今年

①リスクユニバース
当社グループでは、コーポレート・ビジョンの体現を阻害するリスクファクターを一元的に整理した、「リスクユニバース」を策定しています。リスクユニバースは、マクロ経済、業界動向、法規制、ステークホルダーの期待等の情報を踏まえて構成しており、内部要因・外部要因を問わず、当社グループが認識するリスクを体系的に整理したものです。また、変化の激しい事業環境を踏まえ、当面は発生確率が低いと見なされるものの大きな影響を及ぼし得る極端リスク(エクストリームリスク)についても、リスクユニバースに包含し、有事への備えの強化に努めています。

1. 戦略的リスク

a.市場変動

b.顧客からの信頼

c.政治・地政学

d.成長投資

e.顧客
ポートフォリオ

2. オペレーショナルリスク

3. 財務リスク

4. 法務・コンプライアンス・
グループガバナンス・
知的財産権リスク

a.情報セキュリティ及び
業務効率

b.サプライチェーン

c.製品ライフサイクル

d.自社の事業継続

e.人財

a.為替変動

b.信用格付

c.税務

a.人権・ハラスメント・DEI*

b.倫理及びコンプライアンス

c.責任ある事業運営

d.貿易管理

e.グループガバナンス及び内部統制

f.知的財産権

g.訴訟

*DEI: Diversity, Equity and Inclusion(多様性、公平性及び包摂性)

②記載方針
本「(2)事業等のリスク」では、このリスクユニバースに基づき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを記載しています。
各リスクについては、発生する可能性が高い時間軸を短期・中期・長期のいずれかに区分した上で、発生した場合に財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与え得る影響を踏まえて影響度を評価しています。その結果、短期又は中期に顕在化する可能性があり、かつ顕在化した場合に当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に大きな影響を与える可能性を有すると思われるリスクに「※」を付与しています。
ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載順は発生確率や重要性の高低を示すものではありません。また文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

③リスクファクター
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性がある主要なリスクは、以下のとおりです。

1. 戦略的リスク

a. 市場変動 ※

半導体設備投資水準の変動により、当社グループの業績及び将来業績に大きな影響が生じる可能性

当社グループは、世界中の半導体関連企業を顧客としているため、業界全体における半導体設備投資水準の変動の影響を直接的に受けやすい事業構造となっています。半導体需要は最終製品の需要動向や技術進化ペース、世界経済の動向や地政学的要因等に応じて変動し、さらに半導体の設備投資水準は、半導体の需給バランスの将来見通しに加え、半導体メーカー間の技術競争や半導体メーカーの事業戦略等、様々な要因の影響を受けます。そのため半導体の設備投資は、その時期と規模が当初の構想から逸れた、流動的なものとなる傾向が強く、このことが半導体製造装置メーカーである当社グループの事業環境の不確実性を高めています。
こうした環境下において、半導体需要が減速した場合には、顧客による設備投資が先送りされ、当社グループの業績が悪化する可能性があります。市場が急速かつ大幅に悪化した場合は、顧客の設備投資は抑制されるとともに、売上債権の回収リスクが拡大する可能性があります。一方、半導体市場が急拡大する局面において、当社グループの製品・サービス供給能力の改善が需要の伸びに追従できなかった場合、販売機会の逸失や顧客からの信頼の低下を通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、開発フェーズから量産フェーズまで、半導体のテスト需要を網羅する製品ポートフォリオの構築や、リカーリング商材を含むサービス事業の強化を通じて、半導体及びその関連装置市場の変動影響の緩和を図っています。
あわせて、半導体市場の動向や技術トレンド、試験装置需要見通しの継続的な把握を通じて、市場変動への対応力向上に努めています。これらを踏まえ、サービスエンジニアや開発エンジニアの人員配置についても、機動的な最適化を図っています。販売プロセス、サプライチェーン管理及び製販間の連携については、デジタルツールの活用等を通じて改善を進めているほか、与信管理及び売上債権回収リスクについても適切な管理に努めています。
さらに、当社製品の需要が急峻に増加した場合の供給対応力を高めるため、また中長期的な需要増加見通しを踏まえ、戦略的な在庫バッファの保有及び計画的な生産キャパシティの増強に取り組んでいます。
財務面においては、半導体及びその関連装置市場の変動が短期間で複合的に顕在化する可能性がある事業環境を前提として、コスト構造の変動費化、資金調達枠の確保に係る契約の締結、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善等を通じ、半導体市場の減速局面における業績の下方耐性強化及び財政健全性の確保に平時より取り組んでいます。

b. 顧客からの信頼 ※

顧客対応が顧客の期待水準に達しない場合、当社グループに対する信頼が低下し、取引の継続や成長機会獲得が制約される可能性

当社グループが事業を展開する半導体製造装置市場は、技術革新のスピードが速く、顧客からは高い技術対応力や開発スピードに加え、顧客の新デバイスの量産立ち上げ段階における安定的なサービス能力や、導入後の継続的なサービス体制が求められています。このような環境下において、当社グループが顧客の期待に十分応える製品・サービスをタイムリーに提供できない場合、又は顧客の新デバイスの量産立ち上げに対する当社サービスが計画どおりに機能しない場合、若しくはポストセールスにおけるサービスが十分に提供できない場合、顧客からの評価と信頼の低下を招く恐れがあります。
顧客からの信頼が十分に確保されない状況が長期化した場合、既存顧客における取引継続や取引拡大が困難になるほか、新たなプロジェクトや次世代技術領域において当社製品・ソリューションが採用されにくくなる可能性があります。その結果、当社の市場シェアの維持・拡大が制約され、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
当社グループの主要な競合企業は、半導体テスタ市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. 及び EXICON Ltd. 等があります。テストハンドラでは、Hon. Precision, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc. 及び TechWing, Inc. 等、デバイスインタフェースでは、TSE Co., Ltd.、Inchange Semiconductor Company Limited(ISC) 及び BeLINK Co., Ltd. 等と競合しています。
〈リスク低減のための取り組み〉
顧客からの信頼を維持・向上させる基盤として、当社グループは、技術理解力及び顧客対応力の強化に取り組んでいます。具体的には、主要顧客と将来のテスト・ソリューションに関する技術情報交換の機会を設けることで、次世代半導体の技術、製品仕様、将来の顧客課題、及び顧客課題を解決するテスト・ソリューションの洞察に努めています。さらに、長期を見据えた要素技術の基礎研究や次期自社製品の量産技術の開発を並行して進めることで、顧客の期待に応える製品・ソリューションをタイムリーに提供する体制を構築しています。
また、顧客対応力を高めるためには、顧客のニーズをより的確に捕捉する能力の涵養と、汲み取ったニーズをソリューション提案として具現化する能力の実装が、ともに不可欠です。当社グループにおいて顧客に対し最も密な対応が求められるシステムエンジニア(SAE)に対しファシリテーション能力強化研修を実施しているほか、AIを活用した顧客対応能力や製品開発能力の拡充も推進しています。
これらの取り組みを通じ、当社グループは、半導体テスタを核とした当社のテスト・ソリューションの価値を、これまでより広い範囲の半導体バリューチェーンですでに訴求し始めています。直近事例としては、シリコン検証を自動化する画期的なソリューション「SiConicTM」の提供を開始しています。またプローブカード・メーカーやプローバ・メーカーなどの外部パートナーとの協業や技術提携を通じて、顧客課題を解決する新たな製品・ソリューションの開発に取り組んでいるほか、サービスの充実にも取り組んでいます。
これら製品・ソリューション群を拡充する取り組みを通じ、顧客製品の品質・信頼性向上や顧客の設計・製造オペレーションにおける生産性向上により多くの貢献を果たすことで、今後も業界で顧客から最も厚い信頼を寄せられる企業となることを目指しています。

c. 政治・地政学 ※

地政学的緊張や経済安全保障を背景とした各国の規制環境の変化により、当社グループの調達・製造・販売等の事業活動が制約を受ける可能性

当社グループは、世界各地において部材調達、製品の製造、販売及び保守サービス等の事業活動を展開しており、これらの遂行は各国・地域の政治・経済情勢や規制環境の影響を受けます。特に半導体製造装置は、国際的なサプライチェーンに依拠して事業が成り立っていることから、地政学環境の変化が事業活動に及ぼす影響は相対的に大きい特性があります。
近年、国際的な地政学的緊張の高まりや地域紛争の発生、経済安全保障を重視した政策の強化等を背景に、主要国において輸出管理規制や投資規制、先端技術に関する管理の厳格化が進展しています。当社グループが取り扱う半導体製造装置及び関連技術についても、各国の産業政策や国家安全保障上の観点から規制の対象となる可能性があり、こうした規制や政策動向の変化によっては、当社グループの事業運営、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば以下のような事象を通じて顕在化する可能性があります。
- 特定の国・地域に対する製品、技術、又は保守サービスの提供について、法令等に基づき制限又は禁止される場合
- 原材料や主要部材の調達先における政情不安、貿易制限措置その他の外部要因による調達コストの上昇、供給の遅延・停止が生じる場合
- 各国当局による投資規制、買収・出資に関する審査の厳格化、関税の引き上げ、又は現地での事業運営に影響を及ぼす制度変更等が行われる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
地政学的リスクの高まりに伴い、各国における貿易・投資・技術管理に関する規制環境が変化する可能性に備え、当社グループは、事業活動への影響を適切に把握し、必要な対応を講じています。
具体的には、関税、輸出管理規制、経済制裁等に関する動向について、信頼性の高い情報源を活用し、地政学動向を継続的にモニタリングしています。また、地政学的リスクが事業に与える影響を多面的に把握するため、地域別のリスクを踏まえたシナリオ分析を行い、事業への影響を評価しています。
さらに、業界団体や専門委員会等への参画を通じて、半導体産業を取り巻く政策動向や規制議論に関する情報収集及び意見交換を行うとともに、半導体産業に対する過度な規制の回避や影響の低減に向けた取り組みを行っています。

d. 成長投資

成長投資において想定した成果が十分に実現せず、中長期的な企業価値の向上が制約される可能性

半導体市場では、設計の大規模化、製造加工精度の向上、デバイス構造の高度化などの手段を通じ、デバイスの性能向上やコストパフォーマンス最適化に向けた取り組みが日進月歩で進捗しています。また、半導体メーカーの生産能力増強投資も旺盛に行われています。
変化の激しいこのような環境下、当社グループは、将来の業界トレンドや顧客のテストニーズの変化に先駆的に対応するために、研究開発や、製品出荷能力を含めた顧客対応能力の強化など、有形・無形の成長投資を継続的に実施しています。しかし当社グループが業界の方向性を的確に予測及び対応できず、顧客にとって価値のある試験・計測ソリューションを、顧客が求めるタイミングとボリュームで提供できなかった場合、当社の競争力が低下する可能性があります。またこのような事象が継続した場合、価格競争の激化や製品・ソリューションの販売機会が減少し、過去の投資を回収することができない、又は回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが実施する成長投資には企業買収や資本業務提携なども含まれますが、これらの投資において、当初想定したとおりの事業上又は技術上のシナジーが創出されない可能性があります。企業買収により生じたのれん及び無形資産においては、利上げなどの様々な要因に伴い割引率が上昇する場合、あるいは期待されるシナジーを出せない場合、減損損失を計上する可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、今後当社が有すべき技術若しくは事業ポートフォリオ、ビジネスモデル、オペレーティングモデルの方向性を、業界におけるテクノロジー・リーダー企業や有識者とのコミュニケーションを通じて把握することに努めています。また得られた知見をもとに、“Automation of Test”をキーワードとした提供ソリューション群の革新、近縁市場における成長機会の具体化、新たな半導体関連の事業領域の探索等、事業と収益源の拡充につながる取り組みを行うことで、当社グループの中長期的かつ持続的な発展に努めています。
さらに、投資判断プロセスにおける規律を整備することでも、投資計画の精度向上及び投資リスクの低減を図っています。特に研究開発投資は、将来の事業成長性と事業収益性を左右する重要な投資であり、顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定とそれに基づく人員計画の策定、製品のプラットフォーム化等による開発効率向上、ROICベースの投資効果予測と判断等により、投資回収率の向上と投資リスクの軽減を図っています。企業買収や資本業務提携についても、投資効果予測の他、対象企業の技術優位性、当社グループのコアコンピタンスとの整合性、企業カルチャーの親和性等を総合的に検討した後に投資判断を行っています。

e. 顧客ポートフォリオ ※

売上高において上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、大口顧客の投資判断や取引関係の変化が当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性

当社グループの売上高は、半導体製造装置市場の特性と過去の販売努力の結果、特定の大口顧客が占める割合が相対的に高い構造となっています。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約48%及び当連結会計年度の同約50%を占めています。このように売上高に占める上位顧客の集中度が高い状況において、個別顧客の事業動向や購買方針等の変化が当社グループの業績に与える影響は、場合によっては市場全体の変化率よりも大きくなる可能性があります。このため、上位顧客の事業戦略や設備投資計画に変化が生じた場合、あるいは大口顧客との取引関係が縮小又は終了した場合は、当社グループの業績にその影響が短期間で顕在化する恐れがあります。
また、半導体産業においては、次世代技術や次世代デバイスの市場創出に関与する多様なプレーヤーとの関係構築が、中長期的な成長機会の獲得において重要です。当社グループがこうした外部との連携や情報アクセスを十分に確立できない場合、将来的に有望な顧客や事業機会への関与が限定され、競争優位性の中長期的な確立が難しくなる可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、顧客ポートフォリオに起因する業績変動リスクを低減するため、既存顧客とのさらなる関係強化と将来の成長機会へのアクセスの両面から、収益機会の多様化と収益の安定拡大に努めています。
具体的には、既存顧客の満足度をさらに引き上げるべく、顧客ごとの中長期的な技術動向や事業戦略、設備投資計画に対する理解を継続的な対話を通じて深め、さらにそれらに対する適切な対応を行っています。あわせて、規模の大小を問わず多様な顧客の成長を支援する観点から、既存顧客に加えて将来の重要顧客に対しても専任体制の構築を含むサービス体制を整備し、顧客ごとの課題やニーズに応じたきめ細かなサービスの提供を通じて当社グループへの信認拡大に取り組んでいます。さらに顧客基盤の拡大に向け、成長が期待されるインド等の市場において現地法人のオペレーション体制を強化したほか、一部地域で外部パートナーとの戦略的な提携を通じ、有望顧客や新たな成長機会へのアクセス強化に取り組んでいます。

2. オペレーショナルリスク

a. 情報セキュリティ及び業務効率 ※

当社グループでは、ITが事業活動の基盤となっています。ITシステム及びそれらを活用した業務オペレーションにおいて、十分な正確性、可用性、安定性、安全性が確保されない場合、当社グループの競争力、業績、及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、当社グループの事業運営に支障が生じる可能性があります。

- サイバー攻撃、インフラ障害、又はIT障害により、基幹システムや主要なクラウドサービス等が停止又は性能低下を起こし、受発注・生産・出荷・請求・代金回収等の業務が中断することで、納期遅延や売上の減少、復旧コストの増加が生じる場合
- 現職又は元従業員の不正や誤謬、サイバー攻撃、その他類似の事象を通じ、当社グループの技術情報、知的財産、顧客情報が外部に持ち出される、又は漏洩する場合
- ITシステムやソフトウエア更新、AI技術の活用が遅滞し、それに付随して業務プロセス効率化が十分に進まない場合。また、AI技術の利用が新たなリスクをもたらす場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、情報セキュリティ対策の継続的な強化に取り組むとともに、業務オペレーションのデジタル化を通じて業務効率の更なる向上を図っています。
情報セキュリティ及びIT基盤の強化については、情報セキュリティ・マネジメント・システムを整備し、リスク管理、法令遵守及び社内規程の運用状況について継続的な見直しを行っています。また、重大なサイバー攻撃やインフラ障害に備え、ITシステムの予防的な管理を行うとともに、グローバルなセキュリティ監視体制を整備し、インシデント発生時の事業への影響の回避又は最小化に努めています。
サイバー攻撃リスクへの対応としては、常時監視による脅威検知の強化や定期的な情報セキュリティ教育を通じた役員及び従業員のリテラシー向上に取り組むとともに、Advantest CSIRT*を整備し、情報セキュリティインシデントに対する初動体制を確立しています。事業継続性及び業務運営の安定性確保の観点からは、コアプロセスと関連するITシステムを洗い出し、障害時にも業務を継続できる仕組みの構築や、新しいITシステムやツールへの代替を推進しています。
2026年2月に発生したサイバーセキュリティインシデントを受け、当社グループはセキュリティ強化のための一定の施策を実施しました。さらに、当社グループは、本インシデントから得られた教訓及び外部専門家の知見を踏まえ、セキュリティロードマップの見直し、改善、及び加速を含む、情報セキュリティ体制のより広範な強化を進めています。具体的には、予防・検知・対応の各領域における能力強化に向けた施策を実施しており、これら施策の適時性、正確性、及び有効性の向上に重点を置いています。重点領域には、ネットワークセキュリティ、アイデンティティ及びアクセス管理、エンドポイント保護、クラウド及びアプリケーションセキュリティ、並びにセキュリティオペレーションが含まれます。これらの取り組みを通じて、当社グループは、情報セキュリティ体制のレジリエンスを強化し、安定的かつ継続的な事業運営を支えるとともに、顧客をはじめとするステークホルダーからの信頼の維持を図っています。
AIは、他の多くの技術と同様、社会に大きな便益をもたらすと考えられています。当社グループは、AIの効果的な活用を通じて自社の業務効率を向上させる施策を実施することにより、持続可能な社会の発展に貢献するとともに、顧客のイノベーションをさらに支援することを目指しています。他方で、当社グループは、AIの利用には、偏った出力、不正確又は誤解を招く出力、データプライバシーに関するリスク、及び自動化された意思決定への過度の依存といった、内在リスクが伴う可能性があることを認識しています。これらのリスクに対処するため、当社グループは、AIポリシーに沿ったAI利用に関するガバナンス体制及び利用ガイドラインを定めています。この枠組みのもとで、当社グループは、適用される法令並びにデータ管理に関する社内ポリシーの遵守を確保しつつ、AI技術の適切かつ責任ある利用を推進しています。さらに、AIの開発及び利用において、倫理的配慮及び人による監督を組み込むための取り組みを実施しています。これらにより、当社グループにおけるAI利活用の取り組みが、業務効率の向上にとどまらず、社会への有益な貢献とステークホルダーからの信頼維持に資することを目指しています
*CSIRT: Computer Security Incident Response Team

b. サプライチェーン ※

当社グループは、製品をタイムリーに提供するため、部品・材料の調達から製品製造・物流まで、サプライヤー各社やアウトソース先企業と協業しながらサプライチェーンを編成しています。当社グループのサプライチェーンにおいて供給の安定性や柔軟性が十分に確保されない場合、当社グループの事業運営、競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 天災に伴うサプライチェーン寸断、サプライヤーの事業悪化、物流の逼迫や混乱、自社及びサプライヤーの供給能力を超えた当社製品需要の急伸等により、必要な部品、材料、生産スペース、人的リソースを確保できず、製品供給の遅延又は停止が生じる場合
- 当社製品需要や生産・調達計画等の不整合により、過剰在庫や陳腐化が発生する場合
- サプライチェーンにおける人権・環境・コンプライアンス上の問題の発生により、調達断絶や取引停止が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
主要サプライヤーにおける供給停止・寸断に備え、重要サプライヤーの事業継続計画(BCP)の確認や見直しを行うとともに、緊急時の代替供給ルートの検討、連絡・情報共有のプロトコル整備を行っています。あわせて、複線化を含めたサプライチェーンのグローバル最適化や、製品供給能力強化に向けたサプライヤーに対する様々な支援を通じ、当社グループ全体にわたるサプライチェーン強靭化施策を展開しています。
また当社製品の供給リードタイムをより安定的なものとするため、生産能力の拡張に加え関連部門が連携し、需要予測や生産・調達計画の高度化、在庫水準の適正管理を進めています。さらに、一部の材料・部品について、調達の安定化のために長期調達契約を締結しているほか、前工程加工を済ませたウェーハの状態で備蓄する「ダイバンク」等で中間品を確保することを通じて、供給の安定性向上を図っています。
サプライチェーンにおける人権、環境及びコンプライアンス上の課題については、当社の事業運営に影響を及ぼすことを認識し、サプライヤーに対する当社の方針を伝達し、必要に応じて改善要請や対話を行うことで、調達断絶や取引停止等のリスク低減に努めています。

c. 製品ライフサイクル

当社グループは、事業活動の一環として、将来の市場や顧客ニーズに対応した製品の企画・開発、現行製品の改良、製品の品質管理など、一連の製品ライフサイクル管理を行っています。これらの取り組みが十分に機能しない場合、製品競争力や収益性が低下し、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 市場・顧客インサイトの把握不足や組織横断連携の不十分さにより、顧客が求める性能や機能を備えた次世代製品の投入が遅れる、あるいは失敗する場合
- 顧客要件、各国法規制、各種指令等への対応に必要な開発リソースを十分に確保できず、開発遅延が生じる場合、あるいは競合他社に技術的に先行され製品競争力を失う場合
- 市場動向、競合環境、製造原価、開発コストを踏まえた価格設定が不適切なために収益性が低下する場合
- 製品の性能、品質又は信頼性が顧客の要求水準を満たさない場合や、製品に欠陥が生じ、また製造物責任賠償保険によって損害が十分に補償されない結果として、出荷停止、納期遅延、事故発生、顧客対応費用の増大や損害賠償を請求されるなどする場合

〈リスク低減のための取り組み〉
製品ライフサイクル管理に起因する競争力低下や収益性悪化のリスクを低減するため、当社グループは、市場・顧客ニーズを的確に捉えた製品企画から、研究開発、量産、品質管理に至るまでの一連のプロセスの強化に取り組んでいます。
具体的には、顧客との対話を通じ、市場動向、顧客ニーズ、競争環境に関する現在及び将来見通しの継続的な把握に努めるとともに、これらの情報に基づいた研究開発体制の整備や人財・スキルの確保を中長期的に進めています。「6.研究開発活動」に記載のとおり、当社グループは多様な分野で研究開発活動を推進していますが、中長期的な研究開発テーマを定期的に見直していくことで、付加価値の高い次世代製品を、常にタイムリーに市場投入することに努めています。
また、市場・競合・コスト等を踏まえた価格設定を行うとともに、需要予測と生産・調達計画の整合、在庫の適正管理を推進することで、製品ライフサイクル全体を通じた収益性の確保を図っています。
加えて、製品の安全性及び信頼性を確保するため、ステージゲートシステム等のプロジェクト管理手法を運用し、各開発フェーズにおいて品質を含む定期的な開発レビューを行っています。あわせて、生産過程において様々な品質確認に加え、品質保証部門によるクロスチェックにより品質の安定化に努めています。

d. 自社の事業継続 ※

重大な事故、自然災害、その他の危機事象が発生した場合に、事業継続に支障を来し、当社グループの業績及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 危機事象発生時における事業継続計画(BCP)や、緊急時の指揮命令・対応体制の不備により、初動対応や復旧対応が遅延し、操業停止や関係当局・顧客対応の混乱等が生じる場合
- 自社拠点における危機事象発生時に、資産の保全・適切な処理を行う体制、並びに指揮命令系統が機能せず、操業や事業継続に支障を来す場合
- 危機事象発生時における役職員の安全確保に関する責任や対応体制が不明確なために、初動対応の遅延や情報混乱が生じ、人身安全リスクや操業停止の長期化につながる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
重大な事故、自然災害等の危機事象が事業運営に与える影響を抑制するため、当社グループは、BCP及び事業継続マネジメントの整備・運用を通じて、危機対応力の向上に取り組んでいます。
具体的には、各拠点における危機対応手順や指揮命令系統を明確化するとともに、危機事象発生時の初動対応、復旧対応及び操業継続が円滑に行われる体制の構築に努めています。また、拠点における資産の保全及び適切な処理に関する体制を整備し、操業停止や事業中断が生じた場合においても、その影響を最小限に抑えることに努めています。さらに、役職員の安全確保を最優先事項として位置づけ、責任体制を明確化するとともに、訓練や検証を通じて、危機発生時における対応の遅延や情報混乱を防止し、事業及び信用への影響低減に取り組んでいます。

e. 人財 ※

事業戦略の遂行や競争力の維持・向上において、必要な人財の育成、配置及び経営体制の継続性が重要な要素となっています。これら人財に関する取り組みが十分に機能しなかった場合、当社の競争力及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 人財の育成・定着やリスキリングが十分に進まず、イノベーション力や労働生産性、従業員エンゲージメントが低下する場合
- 経営層・主要幹部の不測の不在やサクセッションプランの不備により、経営の安定性や意思決定の継続性が損なわれる場合
- 人財獲得の停滞や人員計画の不備により、成長領域への人財配置が適切に行えず、競争力や労働生産性が低下する場合

〈リスク低減のための取り組み〉
人財に起因する競争力低下や事業運営への影響を低減するため、当社グループは、人財の育成・定着及びリスキリングを重要な経営課題として位置づけ、計画的な人財育成施策や学習機会の提供を通じて、イノベーション力及び労働生産性の向上に取り組んでいます。また、経営層及び主要幹部の不測の事態に備え、サクセッションプランの策定・運用を進め、経営の安定性及び意思決定の継続性の確保に努めています。さらに、戦略や中長期的な成長領域を踏まえた人員計画のもと、成長領域への適切な人財配置や人員獲得を通じて、競争力及び労働生産性の維持・向上を図っています。なお、当社グループの人的資本強化に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本」に記載しております。

3. 財務リスク

a. 為替変動 ※

当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の97.8%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約75%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
為替変動が業績及び財政状態に及ぼす影響を抑制するため、当社グループは為替リスク管理に関するガイドラインを策定し、保有通貨のバランス調整や、為替予約取引等の金融商品を活用したヘッジを行っています。また、外貨建て金融資産及び負債が相殺されるようなバランスシート管理を通じて、為替変動による影響の低減に努めています。

b. 信用格付

当社グループでは、事業運営及び成長投資に必要な資金について、営業活動により創出されるキャッシュ・フローを中心に対応する一方、企業買収や急激な経済環境の変化等に備え、かつ資本効率性に鑑み、社債の発行や金融機関からの借入等を行う場合があります。
当社グループの信用格付が引き下げられた場合や金融市場が不安定化した場合には、資金調達コストの上昇、調達条件の悪化、又は必要なタイミングでの資金調達が制約される可能性があり、これらを通じて当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
信用格付の維持及び資金調達環境の安定を図るため、当社グループは安定的な収益力の確保及び健全な財務基盤の維持に努めています。資本構成、キャッシュ・フロー及び負債水準等について継続的なモニタリングを行うとともに、事業計画及び投資判断において財務規律を重視しています。また、資金調達枠の契約により、十分な流動性を確保するとともに、資金調達が必要となった場合には速やかに実行できる体制を構築しております。これにより、資金調達コストの上昇や調達制約、投資余力の低下による業績及び財政状態への影響の抑制に取り組んでいます。

c. 税務

当社グループでは、各国・地域で事業活動を展開していることから、税制、国際税務、移転価格、間接税等に関する法令や制度の適用を受けています。これらへの対応や内部統制が不十分な場合、二重課税や罰金等の発生による税負担増が生じ、当社のキャッシュ・フローや財務指標に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、各国の税制、国際税務、移転価格及び間接税等に関する動向を継続的に把握するとともに、適切な税務対応及び内部統制の整備に努めています。あわせて、外部専門家の活用を含めた情報収集・分析体制を構築し、税務リスクの低減を図ることで、税負担の増加によるキャッシュ・フロー及び財務指標への影響の抑制に取り組んでいます。

4. 法務・コンプライアンス・グループガバナンス・知的財産権リスク

a. 人権・ハラスメント・DEI

当社グループでは、人権が尊重され、多様性が適切に配慮された職場環境を確保することは、企業価値創出の根幹であり、持続的な成長を果たすために不可欠であると認識しています。しかしながら、これらに関する取り組みが十分に機能しない場合、人権侵害やハラスメント等が発生する恐れがあり、その結果として、当社グループの企業価値及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 公平性や多様性が十分に尊重されない組織風土により、従業員エンゲージメントの低下や人財流出等が生じる場合
- 人権尊重やハラスメント防止に係る管理・対応が不十分であることにより、職場における人権侵害やハラスメント等が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、これらのリスクを低減するため、健全な企業文化の醸成を基盤として、人権尊重及び多様性に配慮した職場環境の整備を、全社的かつ継続的に推進しています。具体的には、コア・バリューである「INTEGRITY」の浸透に向けて、「INTEGRITY」ワークショップや「The INTEGRITY Award」などの取り組みを継続しています。
また、役員及び従業員に対し、人権尊重やハラスメント防止、DEIに関する教育・周知を実施するとともに、管理職による適切な関与を通じて、エンゲージメント向上や職場環境の整備に取り組んでいます。さらに、人権侵害やハラスメント等の発生を防止し、早期に対応するため、相談・通報窓口を設置し、従業員が安心して相談できる体制を整備しています。

b. 倫理及びコンプライアンス

当社グループでは、倫理及び法令遵守は経営の根幹となる要素の一つであり、役員及び従業員一人ひとりが企業倫理に則った行動を取ることは、企業価値の毀損防止を図る上での基本的前提と考えています。しかしながら、役員又は従業員による不適切な行為、組織風土上の問題、又は管理・運用上の不備等が生じた場合、当社グループの企業価値、社会的信用及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 役員又は従業員の倫理意識の低下、組織風土の問題等により、法令違反や社内規程違反を含むコンプライアンス上の問題が発生する場合
- 機密情報・個人情報等が、法令又は社内規程に基づき適切に管理されないことにより、情報漏洩、不正利用、刑事罰又は行政上の制裁、損害賠償請求、又は信頼の低下等が生じる場合
- 贈収賄や取引先等との不適切な関係を含む不祥事、内部通報制度の運用不全、又は役員・管理職による重大なコンプライアンス上の問題等が生じた場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループでは、これらのリスクを低減し、企業としての信頼性及び透明性を維持・向上させるため、社内規程や制度の整備及びその実効的な運用を、全社的かつ継続的に推進しています。
具体的には、贈答・接待に関する基本方針を含む各種社内規程や運用上のルール等を整備し、グローバルに適用しています。また、役員・管理職を含む全従業員を対象として、コンプライアンス意識の向上及びルールの理解を目的とした教育を実施しています。あわせて、従業員コンプライアンス意識調査を定期的に実施し、その結果を踏まえて取り組みの改善を図っています。
さらに、不正又は不祥事の早期発見及び未然防止を目的として、社内及び社外に内部通報窓口(ヘルプライン)を設置し、匿名による通報を含めた制度を運用しています。
なお、役員倫理規程等で不祥事発生時等に役員に報酬を返還させる、いわゆるクローバック条項を定めることにより、これらの取り組みの実効性を確保しています。

c. 責任ある事業運営

当社グループでは、従業員の安全衛生の確保、環境への配慮、並びに気候変動やESGに関する要請への対応を含む、責任ある事業運営が重要であると認識しています。これらに関する管理体制や対応が十分でない場合、操業の継続性や当社グループの企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。具体的には、以下のような事象を通じて、リスクが顕在化する可能性があります。
- 従業員の安全衛生管理が不十分であったことにより、労働災害の発生、事業活動への制約や行政上の制裁が生じる場合
- 工場・事業所における環境管理や環境関連法令の遵守が不十分であったことにより、環境事故や行政上の制裁、評判の毀損が生じる場合
- 気候変動対策やESG関連の規制・基準への対応が遅れたことにより、事業活動への制約、追加コストの発生、企業評価への悪影響が生じる場合

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、事業運営の安定性及び企業価値の維持・向上を図るため、従業員の安全衛生の確保、環境関連法令の遵守、並びに気候変動関連リスクへの対応を含む、事業運営に関する管理体制の整備及び運用に、全社的かつ継続的に取り組んでいます。
労働安全衛生体制及びその実効性確保については、グループ全体で労働安全衛生に関する基本方針を定め、安全の確保及び従業員の健康保持を最優先事項としています。制度・組織面では、日本においては安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止や快適な職場環境の形成に向けた継続的な協議及び改善活動を行っています。また、労働安全衛生マネジメントシステムの整備や認証取得に取り組むことで、管理体制の体系化及び継続的な改善を図っています。グローバルで統一した基準に基づいた安全衛生活動を推進するため、海外各拠点でRBA行動規範(B.安全衛生)を参考とした現状分析を行い、具体的な目標及び重点テーマの設定、実行につなげる活動を推進しています。あわせて、従業員に対する安全衛生教育を継続的に実施し、安全意識の向上及び基本的なルールの理解の徹底に努めています。
また、環境管理及び化学物質管理については、環境関連法令や社内規程に基づく管理体制を整備し、化学物質管理システムを活用した管理を行うとともに、化学物質の危険有害性及び適切な取扱いに関する教育を実施することで、環境事故や法令違反の未然防止に取り組んでいます。
さらに、当社グループは、気候変動への対応やESGに関する規制・基準の強化を重要な経営課題の一つと認識し、関係部門が連携しながら、環境負荷低減に向けた取り組みや法令・規制動向への対応を進めています。これらの活動を通じて、操業の不安定化や追加コストの発生、企業評価への悪影響といったリスクの低減を図っています。なお、当社グループの気候変動に向けた取り組みは、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候関連の取り組み」に記載しております。

d. 貿易管理

当社グループでは、半導体製造装置及び関連技術を取り扱う事業特性上、各国・地域における輸出管理規制、経済制裁及びその他の貿易関連法令の適用を受けています。近年、経済安全保障を背景とした規制の強化や運用の厳格化が進展しており、貿易管理の重要性と複雑性が一層高まっています。
こうした環境下において、当社グループが貿易管理に関する法令や規制への対応を適切に行えなかった場合、罰則や行政上の制裁、製品の出荷停止・制限等の措置を受ける可能性があります。また、これらを通じて、サプライチェーンや取引関係に影響が生じ、当社グループの事業活動、業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、各国・地域における貿易関連法令や規制動向について、継続的かつタイムリーな情報収集を行っています。全世界の役員及び従業員を対象として、貿易管理に関する教育を継続的に実施し、関連法令や社内ルールの理解を促進し、貿易管理に関するコンプライアンスの徹底を図っています。

e. グループガバナンス及び内部統制

当社グループでは、国内外における事業拡大やM&Aの実施を含むグローバルな事業展開の進展に伴い、グループ全体としてのガバナンスや内部統制の重要性が一層高まっています。こうした環境下において、グループ内における内部統制の設計若しくは運用が十分でない場合、又は設計若しくは運用に不整合を来した場合、統制の形骸化が生じる可能性があります。このことは、不正や違反の防止若しくは早期把握ができない恐れをもたらし、また財務及び非財務情報の不正確な開示若しくは開示遅延につながる可能性があります。これらの結果、法令遵守体制や開示情報の信頼性が損なわれ、当社グループの業績及び企業価値に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、グループ全体における適切なガバナンス及び内部統制を確保することを重要な経営基盤の一つとし、組織及び権限を適切に設計するとともに、社内規程や子会社の意思決定機関に対する規律等を整備、運用しています。また、内部統制の設計及び運用の有効性に対してグループ全体を対象とした定期的な評価を行うとともに、不正や違反の予防、早期把握、継続的なモニタリングに向けた仕組みを整備することで内部統制の実効性の確保に取り組んでいます。
これらの内部統制を基盤として、財務情報及び非財務情報の正確性及び適時性の確保に努めています。

f. 知的財産権

当社グループは、第三者にその知的財産権を侵害したと主張される可能性、及び第三者により当社グループの知的財産権が侵害されるなどして、当社グループの製品の出荷ができなくなる可能性、又は当社グループの知的財産権を第三者に行使せざるを得なくなる可能性があります。これらの知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの製品・サービスの競争優位性が低下したと見なされる可能性、品質やブランド価値に対する評価が低下したと見なされる可能性、交渉や訴訟等に伴う追加費用が発生する可能性があります。これらは、当社グループの売上と収益性、又は今後の事業展開や研究開発活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、これらのリスクを軽減するため、製品開発時や製品出荷前において積極的かつ戦略的に特許申請を行うとともに、各国で特許権、実用新案権、意匠権、商標権等を取得することにより、当社グループの知的財産を保護しています。

g. 訴訟

当社グループの事業活動に関連して、訴訟その他の法的手続きが発生した場合、その進展や結果によっては、賠償金、和解費用、弁護士費用等の追加コストが発生し、当社グループの業績や財政状態、評判や信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

〈リスク低減のための取り組み〉
当社グループは、事業活動における法令遵守の徹底や契約・取引管理の強化、紛争化を未然に防ぐための当事者間の協議を通じて、紛争発生の予防及び影響の最小化に取り組んでいます。
また、訴訟その他の法的手続きに関するリスクに備え、個別の案件が生じた際には、案件の重要性や影響度を踏まえ、必要に応じて外部専門家を活用しつつ、適切な対応を行う体制を整えています。
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1) - a 業界特性

前年に記載されていた「業界特性」の項目(半導体産業の顕著な需要変動が事業・業績に影響するリスク、発生可能性「高」・影響度「大」)が、今年は同節から記載がなくなっている。前年は需要変動要因の列挙や、不況時の棚卸資産評価損の懸念、近縁市場への事業拡大などの対応策も記載していた。

前年 / 今年の本文を見る

前年

当社グループの事業と業績は半導体産業の顕著に変動する需要に影響されます。

発生可能性

影響度

高
大
当社グループの事業は、半導体設計製造会社(IDM)、ファブレス半導体企業、ファウンドリーおよびテストハウスの設備投資に大きく依存しております。これらの企業の設備投資および一般投資は、主に半導体に対する現在および将来の需要、ならびに半導体を利用した製品に対する需要によって決定されます。また、その需要は世界経済の全体的な状況の影響を大きく受けます。
今日までの経験として、半導体業界の不況時において、一般的に半導体メーカーのテストシステム投資を含む設備投資は、半導体の世界的な出荷額の減少率よりも大きく減少します。半導体業界では、過剰在庫の時期が繰返し発生するなど今まで周期的な動きを示しており、そのことが当社グループの製品を含め、半導体業界のテストシステムに対する需要にしばしば深刻な影響を与えてきました。
近年の半導体の複雑化に伴い、信頼性確保の必要性が増大し、同時にテスト効率改善の難易度も高くなる傾向にあり、テスタ需要は今後、持続的に増加することを予想しておりますが、国際政治情勢の大きな変化や深刻な感染症の蔓延等による世界経済への影響による半導体需要変動、テスタ需要変動のリスクは有しています。
半導体市場の顕著な需要の変動は、以下の様々な要因から影響を受けます。
・世界経済の全体的な状況
・半導体業界の動向
・AI・人工知能、画像認識、音声認識サービス拡大による高性能半導体市場の動向
・通信インフラ投資の水準およびスマートフォンやウエアラブル機器などの通信機器端末の需要の動向
・データセンタ、パソコンおよびサーバー業界の需要
・テレビ、ゲーム端末、VR(バーチャルリアリティ)/AR(拡張現実感)機器を含むデジタル・コンシューマー機器に対する消費者の需要
・自動車、ロボティックスおよび医療機器などの産業機器市場の動向

当連結会計年度における半導体市場の需要と当社グループの業績については、「4.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の分析」に記載のとおりであり、当社グループの業績は、引き続き半導体業界の顕著な需要変動に大きな影響を受けると考えられます。そのため、半導体業界における大規模な不況が発生した場合、過剰な在庫を抱えたことによる棚卸資産の評価損など当社グループの財務状況と事業成績に、悪影響を及ぼすこととなります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、半導体量産工程の前後にある、半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場への事業拡大を図るとともに、生産のアウトソース化推進、リカーリングビジネスを含むサービス他事業の強化により、需要の変動にも対応できる体制構築に取り組んでいます。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1) - b 外部環境への感度

前年に記載されていた「外部環境への感度」のうち、国際的な事業展開に伴うリスク項目が削除された。同項目では海外売上比率(アジア89.4%、米州6.0%、欧州2.6%)、米中貿易戦争や相互関税、カントリー・リスク、サプライチェーンのリスク等が挙げられていたが、今期の記載には当該項目が存在しない。

前年 / 今年の本文を見る

前年

当社グループの事業は、国際的な事業展開に伴う経済的、政治的またはその他のリスクを有します。

発生可能性

影響度

高
大
当社グループは世界中で部品の調達、製品の生産および販売を行うため、その事業は国際的な事業展開に伴うリスクを有しております。当社グループの当連結会計年度の総売上高に対し、台湾、中国および韓国への売上が大半を占めるアジア地域(日本を除く)は89.4%、米州は6.0%、欧州は2.6%を占めております。海外事業での売上高は、今後も継続して売上高全体の大きな割合を占めると予想されます。また、当社の販売・サポートの子会社は米州、欧州および台湾、シンガポール、韓国、中国等のアジア地域に展開し、サプライヤーや生産工場も韓国やマレーシア、アメリカなどの海外に展開しております。したがって、当社グループの将来の業績は、以下を含む様々な要因から悪影響を受ける可能性があります。

・ 米中貿易戦争および経済安全保障の影響による輸出入制限や許認可制度の歪みに加え、相互関税措置および報復措置により、当社製品の需要喪失や製品・サービスを供給できないリスクあるいは部品が調達できないことによる供給力低下リスク
・ 政治、経済、技術の覇権争いあるいはテロ・戦争等における国家間の関係悪化等による社会的・政治的混乱が発生するリスク
・ 部品を調達し、製品を生産および販売する国における政治的、経済的な混乱、紛争、自然災害、疫病またはその他のカントリー・リスク
・ 税法の改定または当局との見解相違による潜在的なマイナス影響
・ 移転価格税制等の国際税務に関するリスク
・ 事業展開が広範囲におよぶための人事・管理面の困難性
・ 異なる知的財産保護制度
・ 遠隔地であることおよび法規制が異なることによる売上債権回収の困難性
・ サプライヤーや生産工場が、機械加工および組立のインフラのレベルが発展途上の国にある場合の調達および生産における品質低下のリスク
・ 地球温暖化に伴う局所的な重大災害発生がサプライヤーや生産工場の操業停止を招き、製品製造や出荷が遅延・停滞するリスク
・ 各国、各地方環境当局の環境規制によるサプライヤーの生産停止リスク
・ サプライチェーンにおいて低品質品および模造品が混入した場合の、コストの増加や納期の遅延および商品修理費用が発生するリスク
・ サプライチェーンにおいて人権侵害に関与するリスク
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、世界中の幅広いリスクに関する情報収集をタイムリーに行うことに加え、顧客およびサプライヤーとの関係構築をより一層強化するとともに、サプライチェーンリスクの見える化、カスタム要素の高い専用部品の供給契約の締結、調達ルートや生産拠点の拡張を図りつつ、環境や人権などにも配慮したエシカルサプライチェーンの構築に向けての活動を進め、経済や政治動向に左右されにくい体制構築に取り組んでいます。またサプライチェーンにおける人権問題に関しては、調達方針を定めた上でサプライヤーに対して人権や労働安全に対する取り組みの理解を求める働きかけを行うことでリスクの軽減を行っています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1) - c 諸規則改変

前年に記載されていた「諸規則改変」のリスク項目(化学物質規制や環境関連法規制の厳格化により対策費用が発生する可能性、発生可能性・影響度ともに「中」)が、当年は記載されていない。鉛はんだやフッ素系液体の使用、温室効果ガス規制等への言及および代替技術の検討という対応策の記述も併せて削除されている。

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前年

利用している化学物質に対する規制の強化や環境関連の法規制の厳格化が行われた場合には、その対策に多額の費用が発生する可能性があります。

発生可能性

影響度

中
中
当社グループが利用している化学物質の中で、その製造、処理および販売に関し、日本の政府機関や外国の様々な業界組織、またはその他の規制機関の環境関連法と規則が適用されるものがあります。そしてこれらの規制機関は、当社グループが使用する化学物質に対して、適用される既存の規制強化や、新たな規制に乗り出す可能性があります。当社グループは、製品に組み込む部材に含まれる有害物質の排除を進めておりますが、製品の信頼性の確保を優先するため、電子部品の取付けにおいては、一部の製品を除き鉛の含まれるはんだを使用しております。また、半導体・部品テストシステムやメカトロニクス関連製品の冷却方式では、使用に関わる法的規制を受けていないフッ素系液体を一部使用しております。当社グループは、製品の安全性や信頼性の確保を第一に、製品の環境対策を進め、化学物質の使用における規制を遵守していると考えておりますが、特定の国において規制要件が変更された場合には、関連する変更に対応しなければなりません。新しい要件への対応のために多額の費用がかかる可能性があります。関連する政府または業界規制への対応ができない場合、販売の継続または拡大の妨げとなる可能性があります。地球環境問題については、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミーに関する規制、炭素税等の環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合に、その対応のため多額の費用が発生する可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、環境規制に係る化学物質の動向ならびに法規制についてモニターするとともに、化学物質については代替技術の検討を行っています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1) - d 競合他社

前年に記載されていたリスク項目「(1)-d 競合他社」(発生可能性は中、影響度は大)が、今年の記載では丸ごと削除されている。前年は、Teradyne等の主要競合企業の名称、テストコスト削減圧力や内製化、デバイス・インタフェースのコスト削減要求、新規参入企業による低価格テスタ投入への言及があったが、これらが今年の該当節には見当たらない。

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前年

当社グループは激しい競争に直面しており、シェアを維持、拡大できない場合は、ビジネスが損なわれる可能性があります。

発生可能性

影響度

中
大
当社グループは世界中で激しい競争に直面しております。当社グループの主要な競合企業は、半導体・部品テストシステムの市場においては、Teradyne, Inc.、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Beijing Huafeng Test & Control Technology Co., Ltd.(Accotest)、YC Corp.、Cohu, Inc.、UniTest Co., Ltd. および EXICON Ltd. 等があります。メカトロニクス関連の市場においては、テスト・ハンドラでは、Hangzhou Changchuan Technology Co., Ltd.(CCTech)、Cohu, Inc.、Hon. Precision, Inc. および TechWing Inc. 等、デバイス・インタフェースでは、TSE Co., Ltd.、ISC. Ltd. および BeLINK Co., Ltd. 等と競合しております。一部の競合企業は当社グループよりも多くの資金、その他の資源を有しております。
当社グループはその事業において、テストコストの削減につながる半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品を望む顧客からの圧力が強まるあるいは顧客によるテストシステムの内製化など、多くの課題に直面しております。デバイス・インタフェースについては、リカーリングビジネスである特性(顧客のランニングコストに相当)故、常に強いコスト削減要求を受けており、競合企業がビジネス確保のため、コア技術部品のベンダーを買収した場合や、高性能を実現する上で不可欠なPCBの設計/製造技術が競合企業に流出した場合、製品性能の優位性と価格決定主導権を喪失し、ビジネスの維持/確保が困難になります。
当社グループが競争に打ち勝ち、シェアを維持、拡大していくためには、継続的にそのビジネス・プロセスを改良して製品コストを削減する、あるいは全体的なテストコストを低減させる必要があります。また、競合他社が今後も価格と性能の向上した新製品を投入し、そのカスタマー・サービス/サポートの提供を増強し続けることや、新規参入企業による低価格テスタの投入などが予想されます。競争が大幅に激化した場合、当社グループの利益が減少する可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、顧客ニーズを把握した上で、競合についての情報収集・分析を行い、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、製品競争力が維持できるよう努めています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1) - e 災害・壊滅的損失(災害)

前年に記載されていた「災害・壊滅的損失(災害)」のリスク項目(発生可能性は低、影響度は大)が、当年の事業等のリスクの記載から削除されている。前年は群馬県・埼玉県の主要施設の地震・洪水等による被害、保険の限界、BCMの実施や拠点分散等の対応が記載されていたが、当年の対象箇所には該当する記載が見られない。

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前年

主要な研究開発施設、生産施設、情報技術関連施設、製造委託先またはサプライヤーの施設が巨大な損害を被った場合、業績に重大な打撃を受けることになります。

発生可能性

影響度

低
大
当社グループの半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連事業の国内の主要な研究開発施設、生産施設ならびにサービスの拠点は、群馬県および埼玉県にあります。また、主要な基幹システムサーバーとネットワークのハブは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の承認を受けたシステムセンタに設置され、さらに、日本の一部の事業所にもローカルにサーバーが設置されております。
日本は地震が起こる可能性の高い地域であり、これらの施設、特に半導体・部品テストシステムの工場が地震、洪水等による巨大な損害を受けた場合、事業に支障を来し、製造、出荷および収益に遅れが生じ、施設の修理または建て直しのために巨額の費用が発生する可能性があります。当社グループは、地震以外の原因によるほとんどの潜在的な損失をカバーする保険に加入しておりますが、これらの保険は起こり得る損失すべてを十分にカバーしない可能性があります。また、製造委託先、サプライヤーの施設、または情報サービス網の施設が同様の重大な損害を受けた場合も、当社グループの事業に支障を来す可能性があります。
当社グループは、大規模災害等の危機発生時に備え、各部門で対応手順書を定めておりますが、さらに、基幹事業を停止させないこと、停止した場合でも重要な設備を含め可能な限り短期間で再開させることを目的として、事業継続マネジメント(Business Continuity Management)を実施しております。しかしこのBCMが有効に機能しない場合には、大規模災害等の危機発生時に基幹業務が停止し、再開に長期間を要する可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、BCMを実施するとともに、生産拠点や外部サプライヤーの分散化、クラウドの活用によるデータの分散保存等により、事業運営に支障が出ないように努めています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - a 事業価値評価/投資判断(M&A/資本業務提携)

前年に記載されていた「企業買収により生じるのれんおよび無形資産の減損損失」に関するリスク項目(発生可能性は中、影響度は大)が、今年の報告書では事業等のリスクから削除された。前年は、割引率の上昇やシナジー未達による多額の減損損失の可能性と、投資判断およびPMI計画による対応が記載されていた。

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前年

企業買収により生じるのれんおよび無形資産は、多額の減損損失を計上し、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

中
大
有形固定資産、のれんおよび無形資産については、減損の兆候が存在する場合に、減損テストを行っております。のれんについては、減損の兆候の有無を問わず、年次での減損テストも行っております。
減損損失は、資産、資金生成単位(CGU)またはCGUグループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しております。特に企業買収により生じるのれんおよび無形資産においては、利上げに伴う割引率の上昇や、期待されるシナジー効果が出せずに多額の減損損失を計上した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、M&A等の事業取得に際しては、資本コストを意識した回収可能性を十分に考慮したうえで投資判断を行っています。また、M&A後に、戦略・販売網・管理体制・従業員意識・情報システム等を有機的に機能させるため、Post Merger Integration(PMI)計画を遂行し、シナジー効果の早期実現を目指しています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - b 製品ライフサイクル

前年に記載されていた「製品ライフサイクル」のリスク項目(発生可能性「低」・影響度「大」)が、今年は記載されていない。前年は、新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合に既存製品が陳腐化するリスクと、顧客との技術交流や要素技術の研究開発などの対応策を記載していた。

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前年

当社グループが顧客の技術面の要求を満たす新製品を競争力のある価格でタイムリーに投入できない場合、既存の製品が陳腐化し、財政状態および経営成績に影響を及ぼします。

発生可能性

影響度

低
大
当社グループは、急速な技術変化、新しい製品やサービスの頻繁な導入、変化する予測不可能なライフサイクル、進化する業界標準を特徴とするいくつかの産業界に向けて製品を販売しております。当社製品の将来の需要の大部分は、現在設置されている半導体テストシステムでは適切に対応されていない新しいテストニーズを生み出す半導体の技術革新によるものであると予測しております。これらの技術革新に対応する顧客のニーズ、および市場環境に対応したより高い費用効果と効率に対する顧客のニーズには、次のものが含まれます。
· より高度なメモリ半導体、ロジック、アナログまたはセンサ回路を搭載したSoC半導体に対応したソリューション
· 大小のモーター駆動を制御するパワー・デバイスのテスト・ソリューション
· 3D実装技術など先端パッケージ技術を用い、ロジックやメモリなどヘテロジニアス(異種)チップ同士を高度に集積した、複雑なSoCに対応するソリューション
· 電気的特性とタイミング特性を測定、評価することで最先端の半導体プロセスをモニターするパラメトリック試験ソリューション
· より高速に、正確に、安定的にデバイスやシリコンダイを搬送するメカトロニクス関連製品
· 半導体チップに組み込まれる自己診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション
· 試験チップ周辺回路に搭載される診断回路を用いた試験技術に対応したソリューション
· 最終製品の性能を保証するシステムレベルテストのソリューション
· 試験環境を動的かつ繊細にコントロールするテスト温度ソリューション
· 故障時の迅速な対応と修理に要する時間の最短化
· 顧客のテストコストを削減できるようなトータル・ソリューション
· 最先端フォトマスクのパターン寸法計測、および欠陥観察に対応したソリューション
· 顧客の最新のテスト対象デバイスとテスト仕様に合わせた治工具類
· 顧客の求める性能基準を満たし、エネルギー効率よく動作する製品
また、当社グループは、半導体・部品テストシステムをはじめとする当社製品の需要が、パソコンや高速無線および有線通信のデータ・サービスならびにデジタル・コンシューマー機器、EV自動車、先進運転支援システム(ADAS)、さらにスマートフォン、ウエアラブルおよびデータセンタなどの通信端末に対する需要レベルに、強く影響されると考えています。これらの製品とサービスに使用されている技術の発展により、新しいテストシステムが必要になると思われます。当社グループが新技術を用いて効果的にテストおよび測定できる半導体テストシステムをタイムリーに投入しなければ、既存の製品とサービスは時間の経過につれ技術的に陳腐化します。
当社グループが顧客の技術的要件を満たす製品を競争力のある価格であるいはタイムリーに供給できない場合、その製品が競合他社の製品または代替する技術ソリューションに置き換えられる可能性があります。さらに、当社グループが製品の価格競争力やタイムリーな供給に必要な人材を十分に確保できなかった場合や、顧客が要求する性能基準を満たし許容可能な価格で製品を提供できなかった場合、その顧客による評価を著しく損なうことになります。そのような評価の低下により、将来その顧客に対する製品やサービスの営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、主要な顧客との技術交流イベントを開催し、最先端ソリューションに関する情報交換の機会を設けることで、次の技術革新、新しい製品、および目まぐるしいスピードで創出される新市場を特定することに努めています。また、次世代や将来を見据えた要素技術の基礎的な研究や、製品開発の初期段階から量産に向けた生産技術の開発を行っています。さらに、半導体製造工程のデータ活用を目的としたアルゴリズムの開発に加え、プローブカード・メーカーとの戦略パートナーシップによる技術協力を通じて、潜在的な需要の掘り起こしに向けた製品開発を進めています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - c ビジネス・ポートフォリオ

前年に記載されていた「ビジネス・ポートフォリオ」に関するリスク項目(主力製品の市場が極めて集中し販売機会が限られ、売上を拡大できない可能性。発生可能性・影響度はいずれも中)が、今年の報告書では記載されていない。大口顧客への依存、半導体メーカーの統廃合、中古市場への設備流入への言及や対応策の記述も併せて削除されている。

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前年

当社グループの主な製品の市場は極めて集中しており、販売機会が限られているため、製品の売上を拡大できない可能性があります。

発生可能性

影響度

中
中
半導体・部品テストシステム事業の中でも、特にメモリ半導体用テストシステムの市場は極めて集中したものであり、少数の大きな半導体メーカーとファウンドリーおよびテストハウスが業界全体の売上に大きな割合を占めております。このような業界状況は、近年の半導体業界において、大手の半導体メーカー、ファウンドリーおよびテストハウスによる企業の買収や事業の統廃合などの再編が進むことにより、一層加速していると考えられます。当社グループの売上の増加は、大口顧客から受注を獲得し増加させることができるかどうかに大きく依存します。また、半導体メーカーの統廃合により過剰な設備が中古市場に流れた場合や、あるいは製品が個別仕様への対応に遅れをとった場合にも、製品の販売機会を失うリスクがあります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、様々なアプリケーションに対応した製品を展開することで、顧客とのパートナーシップを強化し、販売機会を逃さないよう努める一方で、近縁市場・新規事業領域への展開、M&A等により、事業領域の拡大を目指しています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - d 事業価値評価/投資判断(設備投資)

前年の事業等のリスクにあった「設備投資を回収できない可能性」の項目(発生可能性:低、影響度:中)が、今年は記載されていません。顧客の設備投資抑制や製品単価下落による回収遅延・減損の可能性、および資本コストに基づく投資判断などの対応策の記述も併せて削除されています。

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前年

当社グループは、設備投資を回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低
中
当社グループは、設備投資を継続的に行っています。設備投資に対して、顧客の設備投資の抑制により想定した販売規模を達成できない、あるいは競合他社との激しい競争による製品単価の下落などにより、設備投資を回収することができない、または回収できるとしても想定より長い期間を要する可能性があります。そのような場合、当該資産が減損の対象になり、当社グループの収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、資本コストをベースとした回収可能性を十分に吟味したうえで投資判断を行っています。また、投資後は事業成長率をベースにモニターし、資産の有効活用を図っています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - e 製品開発

前年に記載されていた「製品開発」に関するリスク項目(新製品の開発コストを回収できない可能性。発生可能性は低、影響度は中)が、当年の事業等のリスクから削除された。対応策として記載されていた製品ロードマップ策定、プラットフォーム化、ROICによる事前評価の記述も併せて無くなっている。

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前年

当社グループは新製品の開発コストを回収できない可能性があります。

発生可能性

影響度

低
中
既存製品の改良と新世代製品の開発は、ほとんどの場合多額な費用を必要とします。さらに、半導体・部品テストシステムおよびメカトロニクス関連製品の購入決定は高額な投資を伴うため、一般的に販売活動に要する期間が長く、販売に至るまで多大な支出と営業活動を必要とします。当社グループが製品を改良し新世代の製品を投入したとしても、顧客ニーズの変化、競合他社による新技術・新機能搭載製品の投入、顧客による異なる試験機能を必要とする新製品投入、または顧客の製品が当社グループの期待する速度、レベルで成長しないことにより短期間で時代遅れとなれば、開発と営業の費用を上回る売上高を達成できない可能性があります。場合によっては、業界動向を先取りし、顧客側の製品実用化よりも先に製品の開発を行わなければならないため、革新的技術によるビジネス上の実現可能性を判断する前に、多額の投資を行わなければなりません。したがって、顧客がそれらの製品を迅速に投入できない場合や、またはそれらの製品が市場に受け入れられない場合、当社グループは販売量の増加による製品開発投資のコストの回収に失敗する可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、技術交流会等を通じて顧客ニーズを満たす製品ロードマップの策定や、製品のプラットフォーム化による開発効率の向上、ROICによる投資効果の事前評価等により回収率の向上を図っています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(2) - f 価格設定

前年に記載されていた「価格設定」に関するリスク項目(製品価格低下圧力、部材コスト上昇、複数社ベンダー方式による価格圧力、発生可能性・影響度は中)が、今年の記載では削除されている。リスク項目としての記載自体が無くなっており、他の項目に統合されたかは提示された範囲からは確認できない。

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前年

当社グループの製品は価格低下圧力を受けております。

発生可能性

影響度

中
中
当社グループが事業において受けている部材コストアップ、製品価格低下圧力は、営業利益率に悪影響を及ぼします。昨今、多くの当社取引先部品メーカーが材料費の高騰を理由に部品価格の値上げを実施しています。一方で、当社顧客の半導体メーカーは材料費高騰を生産性の向上、テストコスト低減等で吸収しようと努力しており、当社製品価格低下への圧力は依然強い状況です。
また、近年、複数社ベンダー方式を導入する顧客の増加により、一層の価格低下圧力を受けています。今後、価格低下圧力がさらに強まれば、当社グループの将来の財務状況と事業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、独自技術、付加価値の高いソリューションを提供することで、顧客納得感のある製品価格が維持できるよう努めるとともに、生産コスト低減による利益率の向上にも継続的に取り組んでいます。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(3) - a 外国為替

前年に独立項目として記載されていた「(3)-a 外国為替」のリスク項目(発生可能性「高」・影響度「大」、売上高の98.0%が海外顧客向けで約80%が米ドル等の外貨建てである旨、為替予約等の対応策)が、当期の事業等のリスクの該当節では記載がなくなっている。他の項目への統合・移動の有無は提示された範囲では確認できない。

前年 / 今年の本文を見る

前年

為替変動が収益性に影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性

影響度

高
大
当社グループの売上高の大半は日本国外の顧客への販売によるものです。当連結会計年度の売上高の98.0%は、海外顧客への製品売上によるものです。当連結会計年度の売上高のうち約80%は、米ドルを主とする円以外の外貨によるものです。当社グループが販売にあたり使用する外貨(主に米ドル)が円高に転じた場合、必ずしも製品価格に転嫁することはできないため、当社グループの売上に悪影響を及ぼす可能性があります。なおユーロについては、現状ユーロ建ての売上よりも費用の発生額の方が大きいため、円安水準で推移した場合、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、円と外貨(主に米ドル)の間の大きな為替変動により、海外において円建てで販売される製品価格を引き下げなければならない場合や、また米ドルやその他の外貨建てで販売される製品売上の円相当額が減少した場合には、収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの変動により、製品価格が相対的に高くなり、潜在的な顧客による抑制または先送りが生じる可能性があります。過去において、当社グループが販売にあたり使用する外貨と円との間の為替レートに、大きな変動が生じたことがあります。
また、子会社の報告通貨の外国為替レートが円に対して変動した場合、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。外国為替レートの変動は、外貨建ての金額を連結財務諸表の報告通貨である円に換算する金額に影響し、為替変動の向きによっては当社グループの財政状態、経営成績および純資産の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、保有通貨のバランスを調整することに加え、為替予約取引等の金融商品を利用すること、外貨建て金融資産負債が相殺されるようなバランスシート管理を行うことで、為替変動による影響を少なくするよう努めています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(4) - a 市場の集中

前年に記載されていた「(4)-a 市場の集中」のリスク項目(上位顧客への売上依存、設備投資変動、売上債権回収リスク、上位5社の売上比率約29%→約48%への言及、新規顧客開拓による対応)が、今年の報告書では当該節から削除されている。

前年 / 今年の本文を見る

前年

当社グループの売上高は、上位顧客の数社が大きな割合を占めるため、これらの1社または数社を顧客として失うことや上位顧客の設備投資の変動が、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの上位顧客の財政状態が悪化した場合、売上債権の回収リスクが発生します。

発生可能性

影響度

中
大
当社グループの成功は、重要顧客との関係を継続的に発展させ管理することにかかっております。現在ではこれらの少数の顧客が売上高の大きな割合を占めております。顧客上位5社による売上高は、前連結会計年度の売上高全体の約29%および当連結会計年度の同約48%を占めております。これら主要顧客の1社または数社を失うことや主要顧客の設備投資の変動あるいは主要顧客の主要な製品の成否が、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、多額の債権を有する顧客の財政状態が悪化し、期限どおりの支払が得られない場合、当社グループの事業、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、営業効率に配慮しつつ、新領域の参入を含め、新興市場や新規顧客の開拓により、幅広い顧客層を獲得することを目指しています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(4) - b キャッシュ・フロー

前年に記載されていた「必要な時に資金調達ができないリスク」の項目(発生可能性は低、影響度は大)が、今年の記載からは削除されている。前年は金融市場の不安定化や信用格付の引き下げにより好条件での資金調達が保証されないことや、財務体質の強化・コミットメントラインの活用・複数金融機関との関係維持といった対応が記載されていた。

前年 / 今年の本文を見る

前年

当社グループは、必要な時に資金調達ができないリスクを有しています。

発生可能性

影響度

低
大
当社グループは、必要な運転資金について、営業活動により稼得した現預金を充当するほか、企業買収や急激な経済状況の悪化などで資金調達が必要になった場合には社債の発行や金融機関からの借入れ等を行うことがあります。金融市場の不安定化や、信用力悪化で当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
●対応
当社グループは、リスクを軽減するため、急激な需要変動に耐えられるよう堅固な財務体質を築くとともに、コミットメントラインの活用などを通じて十分な流動性を確保しています。また、資金調達が必要な場合に即時に実行できるよう、複数の金融機関と良好な関係を維持しています。

今年

(なし)
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
前文

KAMの対象が「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」から「R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価」に変更され、前年にあったEssai, Inc.に係る21,393百万円の減損損失や大口顧客依存・新規顧客獲得見込みに関する記載が削除された。R&D Altanovaののれんは27,479百万円から29,383百万円、無形資産は8,398百万円から8,126百万円となった。棚卸資産の評価では、前年の民生機器・自動車向け等の一部棚卸資産に絞った検討から棚卸資産全体の評価へ対象が拡大し、評価減は17,712百万円から16,006百万円に減少した。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。

システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価
R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、半導体バリューチェーンにおける試験・測定ソリューションを拡大するという戦略のもとで事業買収を進めてきた。システムレベルテストの主要な事業のうち、当連結会計年度末において、重要なのれん及び資産を有するCGUは、R&D Altanovaグループであり、のれんおよび無形資産としてそれぞれ27,479百万円、8,398百万円が計上されている。Essai, Inc.のCGUについては、当連結会計年度末において、のれんおよび無形資産について減損損失を計上しており、いずれも残高はない。

会社名
(資金生成単位)
取得年月
主な事業内容
のれん・無形資産残高
Essai, Inc.
2020年1月
テストソケット等の設計・製造・販売
のれん:-
無形資産:-
R&D Altanova, Inc.
2021年11月
テストインタフェースボード等の設計・製造・販売
のれん:27,479百万円
無形資産:8,398百万円

上記資産の合計は35,877百万円であり、総資産の約4%を占めている。上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」及び注記12.「のれんおよび無形資産」に開示されている。会社は、当連結会計年度末において、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産をそれぞれ29,383百万円、8,126百万円計上しており、これらの合計37,509百万円は総資産の約3.2%を占めている。
当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移している。上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び連結財務諸表注記12.「のれん及び無形資産」に開示されている。
減損テストを実施した結果、R&D Altanova, Inc.に係る資金生成単位については、概ね事業計画通りに進行しているため、減損損失は計上されていない。Essai, Inc.に係る資金生成単位については、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延している状況に伴い、使用価値が帳簿価額を下回ったため、21,393百万円の減損損失が計上されている。会社は、減損テストを実施した結果、R&D Altanova社グループに係る資金生成単位について減損損失を計上していない。
減損テストは各事業を資金生成単位として、各資金生成単位の使用価値を帳簿価額と比較することで実施される。各資金生成単位の使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、資本資産価格モデルに基づき貨幣の時間的価値及び事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引くことで算定されている。見積将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された3年間の事業計画と3年経過後の成長率を基礎としている。当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、3年経過後の成長率並びに割引率である。当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる売上予測及び割引率である。
上記事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。現状においては大口顧客に対する売上依存度が高く、会社の顧客基盤を活用することで新たな販売先を獲得することが事業計画の達成において重要である。そのため、事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、並びに3年経過後の成長率の予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。R&D Altanova社グループの事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。そのため、事業計画の基礎となる売上予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。
したがって、当監査法人は、これらの事業ののれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
したがって、当監査法人は、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応
当監査法人は、のれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(算定方法の評価)
・使用価値の算定方法を評価するために、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
(事業計画の合理性の評価)
・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画とを比較した。・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと事業計画を比較した。
・事業計画の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の予算と実績を比較した。
・事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測について、経営者及び各事業の責任者への質問、受注残との比較、市場レポートや顧客の公表情報といった外部データとの比較、及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・新規顧客の獲得見込みについて、経営者及び各事業の責任者への質問、新規商談の進捗状況の検討、過去の顧客獲得実績との比較を実施した。・事業計画の基礎となる売上予測について、経営者及び事業責任者への質問、受注残との比較、市場レポートといった外部データとの比較及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び各事業の責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。また、R&D Altanova, Inc.製品の生産能力拡大のために買収されたShin Puu Technology Co., Ltd.への技術移管や製造ラインの稼働状況について、現地への視察を実施し、事業の責任者に質問した。・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び事業責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。また、製造ラインの稼働状況について、現地の視察を実施し、事業責任者に質問した。
・売上予測の不確実性を反映した感応度分析を実施した。
(成長率及び割引率の合理性の評価)
・3年経過後の成長率について、経営者への質問、市場レポートとの比較、過去実績の趨勢分析を実施した。
(割引率の合理性の評価)
・割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。

棚卸資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、連結財務諸表上、棚卸資産を209,707百万円計上しており、総資産の約25%を占めている。このうち原材料および貯蔵品は128,752百万円計上されている。上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に開示されている。また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減17,712百万円を計上している。
会社は、棚卸資産の評価について、当初認識後、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価損計上の要否を検討している。会社は、当連結会計年度末において、棚卸資産を231,718百万円計上しており、これは総資産の約20%を占めている。会社は、製品の需要が急峻に増加した場合の供給対応力を高めるため、また中長期的な需要増加見通しを踏まえ、戦略的な在庫バッファの保有及び計画的な生産キャパシティの増強に取り組んでいる。
会社の事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。会社は、将来の急激な需要の変動に備え、戦略的に前倒しの発注を行っており、原材料を中心に高い水準で棚卸資産を確保している。上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に開示されている。また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減を16,006百万円計上している。
当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移しているため、これらの特定製品に関連する原材料の一部は、棚卸資産の回転期間が特に長期化しており、原材料および貯蔵品残高全体の約9%を占めている。棚卸資産の評価については、当初認識後において取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価減の要否を検討している。
品目別の需要予測は顧客の需要予測に基づいており不確実性が伴うことから、棚卸資産の評価には経営者の高度な判断が必要である。棚卸資産の評価にあたり、品目別の需要予測は不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。
したがって、当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。したがって、当監査法人は、棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応
当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。

前年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。

システムレベルテスト事業に係るのれん及び無形資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、半導体バリューチェーンにおける試験・測定ソリューションを拡大するという戦略のもとで事業買収を進めてきた。システムレベルテストの主要な事業のうち、当連結会計年度末において、重要なのれん及び資産を有するCGUは、R&D Altanovaグループであり、のれんおよび無形資産としてそれぞれ27,479百万円、8,398百万円が計上されている。Essai, Inc.のCGUについては、当連結会計年度末において、のれんおよび無形資産について減損損失を計上しており、いずれも残高はない。

会社名
(資金生成単位)
取得年月
主な事業内容
のれん・無形資産残高
Essai, Inc.
2020年1月
テストソケット等の設計・製造・販売
のれん:-
無形資産:-
R&D Altanova, Inc.
2021年11月
テストインタフェースボード等の設計・製造・販売
のれん:27,479百万円
無形資産:8,398百万円

上記資産の合計は35,877百万円であり、総資産の約4%を占めている。上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」及び注記12.「のれんおよび無形資産」に開示されている。
当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移している。
減損テストを実施した結果、R&D Altanova, Inc.に係る資金生成単位については、概ね事業計画通りに進行しているため、減損損失は計上されていない。Essai, Inc.に係る資金生成単位については、大口顧客向けの売上が低調に推移していることに加え、新規顧客への拡販が想定より遅延している状況に伴い、使用価値が帳簿価額を下回ったため、21,393百万円の減損損失が計上されている。
減損テストは各事業を資金生成単位として、各資金生成単位の使用価値を帳簿価額と比較することで実施される。各資金生成単位の使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、資本資産価格モデルに基づき貨幣の時間的価値及び事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引くことで算定されている。見積将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された3年間の事業計画と3年経過後の成長率を基礎としている。当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、3年経過後の成長率並びに割引率である。
上記事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。現状においては大口顧客に対する売上依存度が高く、会社の顧客基盤を活用することで新たな販売先を獲得することが事業計画の達成において重要である。そのため、事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測及び新規顧客の獲得見込み、並びに3年経過後の成長率の予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。
したがって、当監査法人は、これらの事業ののれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。

監査上の対応
当監査法人は、のれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(算定方法の評価)
・使用価値の算定方法を評価するために、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
(事業計画の合理性の評価)
・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと、事業計画とを比較した。
・事業計画の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の予算と実績を比較した。
・事業計画の基礎となる既存の大口顧客への売上予測について、経営者及び各事業の責任者への質問、受注残との比較、市場レポートや顧客の公表情報といった外部データとの比較、及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・新規顧客の獲得見込みについて、経営者及び各事業の責任者への質問、新規商談の進捗状況の検討、過去の顧客獲得実績との比較を実施した。
・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び各事業の責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。また、R&D Altanova, Inc.製品の生産能力拡大のために買収されたShin Puu Technology Co., Ltd.への技術移管や製造ラインの稼働状況について、現地への視察を実施し、事業の責任者に質問した。
・売上予測の不確実性を反映した感応度分析を実施した。
(成長率及び割引率の合理性の評価)
・3年経過後の成長率について、経営者への質問、市場レポートとの比較、過去実績の趨勢分析を実施した。
・割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。

棚卸資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、連結財務諸表上、棚卸資産を209,707百万円計上しており、総資産の約25%を占めている。このうち原材料および貯蔵品は128,752百万円計上されている。上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積りおよび仮定」に開示されている。また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減17,712百万円を計上している。
会社は、棚卸資産の評価について、当初認識後、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価損計上の要否を検討している。
会社の事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。会社は、将来の急激な需要の変動に備え、戦略的に前倒しの発注を行っており、原材料を中心に高い水準で棚卸資産を確保している。
当連結会計年度においては、AIの普及に関連する半導体の需要が半導体市場の伸びを牽引し、会社のAI関連の高性能半導体向け製品需要についても大幅に拡大した。一方、民生機器、自動車や産業機器向けなどのAI関連用途以外の製品需要は軟調に推移しているため、これらの特定製品に関連する原材料の一部は、棚卸資産の回転期間が特に長期化しており、原材料および貯蔵品残高全体の約9%を占めている。
品目別の需要予測は顧客の需要予測に基づいており不確実性が伴うことから、棚卸資産の評価には経営者の高度な判断が必要である。
したがって、当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応
当監査法人は、民生機器及び自動車部品等向けの一部棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。

今年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、当監査法人は、「R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価」及び「棚卸資産の評価」を監査上の主要な検討事項とした。

R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、当連結会計年度末において、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産をそれぞれ29,383百万円、8,126百万円計上しており、これらの合計37,509百万円は総資産の約3.2%を占めている。
上記金額並びに減損テストに用いた主要な仮定及び算定方法は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び連結財務諸表注記12.「のれん及び無形資産」に開示されている。
会社は、減損テストを実施した結果、R&D Altanova社グループに係る資金生成単位について減損損失を計上していない。
減損テストは各事業を資金生成単位として、各資金生成単位の使用価値を帳簿価額と比較することで実施される。各資金生成単位の使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを、資本資産価格モデルに基づき貨幣の時間的価値及び事業固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引くことで算定されている。見積将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された3年間の事業計画と3年経過後の成長率を基礎としている。当該使用価値の見積りにおける主要な仮定は、3年間の事業計画の基礎となる売上予測及び割引率である。
R&D Altanova社グループの事業は半導体産業に属しており、長期的には成長が見込まれる産業である一方、中期的には顧客である半導体メーカーの投資予算や地政学リスク等の影響により需要が顕著に変動する特徴がある。そのため、事業計画の基礎となる売上予測には不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。
したがって、当監査法人は、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応
当監査法人は、R&D Altanova社グループに係るのれん及び無形資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
(算定方法の評価)
・使用価値の算定方法を評価するために、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させた。
(事業計画の合理性の評価)
・経営者により承認された事業計画との整合性を評価するために、3年間の見積将来キャッシュ・フローと事業計画を比較した。
・事業計画の見積りプロセスの有効性を評価するために、過年度の予算と実績を比較した。
・事業計画の基礎となる売上予測について、経営者及び事業責任者への質問、受注残との比較、市場レポートといった外部データとの比較及び過去実績の趨勢分析を実施した。
・見積将来キャッシュ・フローにおいて見込まれている設備投資額について、経営者及び事業責任者への質問、売上予測との整合性を比較分析した。また、製造ラインの稼働状況について、現地の視察を実施し、事業責任者に質問した。
・売上予測の不確実性を反映した感応度分析を実施した。
(割引率の合理性の評価)
・割引率について、当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。

棚卸資産の評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、当連結会計年度末において、棚卸資産を231,718百万円計上しており、これは総資産の約20%を占めている。会社は、製品の需要が急峻に増加した場合の供給対応力を高めるため、また中長期的な需要増加見通しを踏まえ、戦略的な在庫バッファの保有及び計画的な生産キャパシティの増強に取り組んでいる。
上記金額並びに棚卸資産評価における見積り方法及び仮定は、連結財務諸表注記4.「重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に開示されている。また、連結財務諸表注記9.「棚卸資産」に記載のとおり、当連結会計年度において、棚卸資産の評価減を16,006百万円計上している。
棚卸資産の評価については、当初認識後において取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しており、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、その差額を評価減として費用認識している。また、品目別の需要予測に基づき、過剰な棚卸資産残高の有無を分析し、評価減の要否を検討している。
棚卸資産の評価にあたり、品目別の需要予測は不確実性が伴い、経営者の高度な判断が必要である。
したがって、当監査法人は、棚卸資産の評価を監査上の主要な検討事項と判断した。
監査上の対応
当監査法人は、棚卸資産の評価の検討にあたり、主として以下の監査手続を実施した。
重要度 2(注目)変更セグメント情報 / 内容更新

報告セグメントが従来の3区分(半導体・部品テストシステム、メカトロニクス関連、サービス他)から、当連結会計年度より「テストシステム事業」と「サービス他」の2区分に変更された。テスタに加え周辺機器等を含む包括的なテストソリューション提供を目指し、収益の源泉を再分類したと説明されており、メカトロニクス関連製品はテストシステム事業に統合され、ナノテクノロジー関連製品はサービス他に移った。比較対象期間のセグメント情報も変更後の区分で作成されている。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

当社グループは、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発およ及び保守・サービス等の事業活動を展開しております。
当社グループはの報告セグメントと事業は、従来、「半導体・部品テストシステム事業」、「メカトロニクス関連事業」、及び「サービス他」の3つを報告セグメントを同一の区分で管理しており、3としておりましたが、テスタのみならず周辺機器等を含めた包括的なテストソリューションの提供を目指す中で、マネジメントアプローチの視点により当社グループにおける収益の源泉を再分類し、当連結会計年度より、「テストシステム事業」及び「サービス他」という2つの報告セグメントを有しへと変更いたしました。なお、比較対象期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。当社グループは報告セグメントと事業セグメントを同一の区分で管理しており、これらの報告セグメントは、製品と市場の性質に基づいて決定され、経営者が経営意思決定のために使用する財務情報と同様の基礎情報を用いて作成されております。
半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテスト・システム、メモリ半導体デバイス向けのメモリ・テスト・システムなどの製品群を事業内容としております。
メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連などの製品群及び半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューションを事業内容としております。
サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューションナノテクノロジー関連の製品群、サポート・サービス、及び消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

前年

当社グループは、半導体・部品テストシステム製品群とテスト・ハンドラやデバイス・インタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発および保守・サービス等の事業活動を展開しております。当社グループは報告セグメントと事業セグメントを同一の区分で管理しており、3つの報告セグメントを有しております。これらの報告セグメントは、製品と市場の性質に基づいて決定され、経営者が経営意思決定のために使用する財務情報と同様の基礎情報を用いて作成されております。
半導体・部品テストシステム事業部門は、半導体・電子部品産業においてテストシステム製品を顧客に提供することを事業としております。この事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテスト・システム、メモリ半導体デバイス向けのメモリ・テスト・システムなどの製品群を事業内容としております。
メカトロニクス関連事業部門は、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテスト・ハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイス・インタフェースおよびナノテクノロジー関連の製品群を事業内容としております。
サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューション、サポート・サービス、消耗品販売、中古販売および装置リース事業等で構成されております。

今年

当社グループは、テストシステム製品群とテストハンドラやデバイスインタフェース等のメカトロニクス関連製品群の製造・販売を主な事業内容とし、その他にこれらに関連する研究開発及び保守・サービス等の事業活動を展開しております。
当社グループの報告セグメントは、従来、「半導体・部品テストシステム事業」、「メカトロニクス関連事業」、及び「サービス他」の3つを報告セグメントとしておりましたが、テスタのみならず周辺機器等を含めた包括的なテストソリューションの提供を目指す中で、マネジメントアプローチの視点により当社グループにおける収益の源泉を再分類し、当連結会計年度より、「テストシステム事業」及び「サービス他」という2つの報告セグメントへと変更いたしました。なお、比較対象期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。当社グループは報告セグメントと事業セグメントを同一の区分で管理しており、これらの報告セグメントは、製品と市場の性質に基づいて決定され、経営者が経営意思決定のために使用する財務情報と同様の基礎情報を用いて作成されております。
テストシステム事業部門は、SoC半導体デバイス向けのSoCテストシステム、メモリ半導体デバイス向けのメモリテストシステム、半導体デバイスをハンドリングするメカトロニクス応用製品のテストハンドラ、被測定物とのインタフェースであるデバイスインタフェースなどの製品群及び半導体やモジュールのシステムレベルテストのソリューションを事業内容としております。
サービス他部門の内容は、上記の事業に関連した総合的な顧客ソリューションの提供、ナノテクノロジー関連の製品群、サポート・サービス及び消耗品販売等で構成されております。
重要度 1(軽微)削除会計方針の変更 / リスク削除

前年に記載されていた、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等を当事業年度から適用した旨の会計方針変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、この変更による財務諸表への影響はないとされていた。

前年 / 今年の本文を見る

前年

企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年10月28日)等を当事業年度から適用しております。この変更による財務諸表への影響はありません。

今年

(なし)
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(1)当社グループのリスクマネジメント

リスクマネジメントの記載が全面的に書き換えられ、従前の「組織」「プロセス」の説明に代わり、位置づけ、考え方(法令・企業理念に反する行為はゼロトレランスとする方針など)、体制(全社的リスク、ユニットレベル、有事対応)の構成となった。経営会議による重要リスクの継続的モニタリングや、事業継続の観点から財務基盤・人財・知的財産・サプライチェーン等の経営資源の保全を含む体制高度化に取り組む旨が加わった。リスクマネジメント体制の構成要素や報告年2回等の基本的な枠組み自体は維持されている。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

① 組織
内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。その他、取締役会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。①リスクマネジメントの位置づけ
前述のとおり、半導体市場の拡大に加えて半導体の複雑性への対応が業界における構造課題となる中、当社グループの事業機会は中長期的に拡大するものと考えています。
また、有事の際に迅速に対応するため、Group COOを本部長とする危機管理本部も設置しています。一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新の加速、事業のグローバル化、地政学的・規制環境の変化、社会からのESG要請の高度化などにより、不確実性が常態化しています。
こうした環境下において当社グループは、リスクマネジメントを、単なるリスク把握や不祥事防止にとどまらず、経営判断の質を高め、事業の継続性と中長期的な価値創造を支える基盤として位置づけています。
② プロセス
取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。
内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。②リスクマネジメントに対する考え方
当社グループでは、コーポレート・ビジョンである「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ(Be the most trusted and valued test solution company in the semiconductor value chain)」の体現を阻害する要因をリスクファクターと定義し、その低減を図ることにより中長期的な企業価値向上を目指しています。
また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約され、CCOを通じて取締役会、経営会議に定期的に報告されています。コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。その中でも、各国法令及び企業理念「The Advantest Way」に反する行為については、当社グループの価値基盤を毀損するものとして許容しない(ゼロトレランス)方針を採っています。他方で、戦略目標の達成及び価値創造に資するリスクについては、許容可能な範囲を踏まえつつ、各ステークホルダーからの期待を経営会議における検討を通じて成長施策に落とし込み、当社として中長期的にありたい姿を実現することを重視しています。
緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。
③リスクマネジメント体制
当社グループのうち、グループ経営に重要な影響を及ぼし得るリスクについては、グループ全体戦略やグループ横断施策の方向性に関する議論の一環として経営執行役員が直接関与し、経営会議において対応方針及び対応状況を継続的にモニタリングしています。
ユニットレベル(各本部・事業部門及び主要な海外拠点)における事業遂行上のリスクについては、各ユニットが事業特性や環境に応じたリスクマネジメントを実施し、その状況を内部統制委員会が全社横断的な視点からモニタリングしています。
さらに、重要性が高いと判断した事項については、必要に応じて取締役会に随時報告し、取締役会による監督のもとで適切に対応しています。
(a) 全社的リスクのマネジメント
当社グループでは、価値創造に向けた戦略と企業価値に影響を与える主要リスク管理を相互に照合するアプローチにより、マクロ環境・市場環境の変化から各国法令・規制対応まで、また短期から長期まで、主要なリスクを幅広く認識することに努めています。これらのリスクは経営会議等において定期的に見直すとともに、リスクそれぞれに対応方針及び対応責任者を定めています。また対応方針に沿って担当部門が機動的にリスク低減策を実施し、その進捗を経営会議において継続的にモニタリングしています。
(b) ユニットレベルのリスクマネジメント
中期経営計画や事業進捗を踏まえ、各ユニットは年次の事業目標を立案し、その達成を阻害する可能性を有する事象をユニットレベルのリスクとして特定し、その低減に努めています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を年2回、内部統制委員会に報告し、内部統制委員会はその内容を確認の上、必要に応じてフィードバック及び改善提案を行っています。
(c) 有事のリスク対応
緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部が迅速かつ機動的な対応を通じて事業継続を図る体制としています。これにより、自社における損失低減とステークホルダーへの影響の最小化に努めています。

当社グループは、上記の体制でリスクマネジメントを実施しておりますが、世界政治・経済の動向、地政学的リスク、各国の政策・規制動向等を含め、当社グループを取り巻く事業環境は、従前以上に複雑さと不透明さを増しています。そうした環境を踏まえ、当社グループは、有事の際の即応性に加え、事業継続の観点から、財務基盤、人財、知的財産、サプライチェーン等の重要な経営資源の保全を含めたリスクマネジメント体制のさらなる高度化に取り組んでまいります。

前年

① 組織
内部統制委員会が定めたリスクマネジメント方針のもと、各ユニットがリスクマネジメントを行い、その状況を内部統制委員会が監督・評価してフィードバックを行います。コンプライアンスに関するリスクはChief Compliance Officer(CCO)に情報が集約されます。その他、取締役会、経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。
また、有事の際に迅速に対応するため、Group COOを本部長とする危機管理本部も設置しています。

② プロセス
取締役会、経営会議が策定した経営計画を、各ユニットが自部門の施策に落とし込みます。
内部統制委員会では、それらの施策達成を阻害する要因をリスクと定義し、各ユニット(各本部・事業部門・主要な海外拠点(6拠点))にリスクの特定およびリスク対応の報告を求めるとともに、全社的な視点から各ユニットのリスク分析およびユニット間の情報共有等をサポートしています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を、年2回内部統制委員会に報告します。内部統制委員会は各ユニットのリスクマネジメント状況を確認し、各ユニットに対してフィードバックを行います。内部統制委員会事務局から、各ユニットに対し、適宜、リスク分析・対応の提案、情報提供等の支援も行っています。
また、コンプライアンスに関するリスクはCCOに情報が集約され、CCOを通じて取締役会、経営会議に定期的に報告されています。コンプライアンスに関するインシデント発生時には、CCOが迅速に関連ユニットに対応を指示し、対応状況を取締役会・経営会議に報告しています。リスクの性質に応じて、取締役会または経営会議に直接報告されるリスク情報もあります。取締役会または経営会議では、適時に意思決定をして関連ユニットに指示を出す等、コーポレートレベルでのリスク対応を行っています。
緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部の指示のもと、より迅速な対応が可能となっています。

今年

①リスクマネジメントの位置づけ
前述のとおり、半導体市場の拡大に加えて半導体の複雑性への対応が業界における構造課題となる中、当社グループの事業機会は中長期的に拡大するものと考えています。
一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新の加速、事業のグローバル化、地政学的・規制環境の変化、社会からのESG要請の高度化などにより、不確実性が常態化しています。
こうした環境下において当社グループは、リスクマネジメントを、単なるリスク把握や不祥事防止にとどまらず、経営判断の質を高め、事業の継続性と中長期的な価値創造を支える基盤として位置づけています。

②リスクマネジメントに対する考え方
当社グループでは、コーポレート・ビジョンである「半導体バリューチェーンで最も信頼され、最も価値あるテスト・ソリューション・カンパニーへ(Be the most trusted and valued test solution company in the semiconductor value chain)」の体現を阻害する要因をリスクファクターと定義し、その低減を図ることにより中長期的な企業価値向上を目指しています。
その中でも、各国法令及び企業理念「The Advantest Way」に反する行為については、当社グループの価値基盤を毀損するものとして許容しない(ゼロトレランス)方針を採っています。他方で、戦略目標の達成及び価値創造に資するリスクについては、許容可能な範囲を踏まえつつ、各ステークホルダーからの期待を経営会議における検討を通じて成長施策に落とし込み、当社として中長期的にありたい姿を実現することを重視しています。

③リスクマネジメント体制
当社グループのうち、グループ経営に重要な影響を及ぼし得るリスクについては、グループ全体戦略やグループ横断施策の方向性に関する議論の一環として経営執行役員が直接関与し、経営会議において対応方針及び対応状況を継続的にモニタリングしています。
ユニットレベル(各本部・事業部門及び主要な海外拠点)における事業遂行上のリスクについては、各ユニットが事業特性や環境に応じたリスクマネジメントを実施し、その状況を内部統制委員会が全社横断的な視点からモニタリングしています。
さらに、重要性が高いと判断した事項については、必要に応じて取締役会に随時報告し、取締役会による監督のもとで適切に対応しています。
(a) 全社的リスクのマネジメント
当社グループでは、価値創造に向けた戦略と企業価値に影響を与える主要リスク管理を相互に照合するアプローチにより、マクロ環境・市場環境の変化から各国法令・規制対応まで、また短期から長期まで、主要なリスクを幅広く認識することに努めています。これらのリスクは経営会議等において定期的に見直すとともに、リスクそれぞれに対応方針及び対応責任者を定めています。また対応方針に沿って担当部門が機動的にリスク低減策を実施し、その進捗を経営会議において継続的にモニタリングしています。
(b) ユニットレベルのリスクマネジメント
中期経営計画や事業進捗を踏まえ、各ユニットは年次の事業目標を立案し、その達成を阻害する可能性を有する事象をユニットレベルのリスクとして特定し、その低減に努めています。各ユニットは、自部門におけるリスクマネジメントの状況を年2回、内部統制委員会に報告し、内部統制委員会はその内容を確認の上、必要に応じてフィードバック及び改善提案を行っています。
(c) 有事のリスク対応
緊急の案件が生じた場合には、危機管理本部が迅速かつ機動的な対応を通じて事業継続を図る体制としています。これにより、自社における損失低減とステークホルダーへの影響の最小化に努めています。

当社グループは、上記の体制でリスクマネジメントを実施しておりますが、世界政治・経済の動向、地政学的リスク、各国の政策・規制動向等を含め、当社グループを取り巻く事業環境は、従前以上に複雑さと不透明さを増しています。そうした環境を踏まえ、当社グループは、有事の際の即応性に加え、事業継続の観点から、財務基盤、人財、知的財産、サプライチェーン等の重要な経営資源の保全を含めたリスクマネジメント体制のさらなる高度化に取り組んでまいります。
重要度 1(軽微)削除事業等のリスク / その他
(1)外部環境リスク

前年に記載されていた「(1)外部環境リスク」という見出しが、今年の記載では削除されている。見出しのみの記載であり、具体的なリスク内容に関する記述は比較対象に含まれていない。

重要度 1(軽微)削除事業等のリスク / リスク削除
(2)意思決定リスク

前年の事業等のリスクに記載されていた「(2)意思決定リスク」という見出しが、当年では削除されている。前年側には見出しのみが記載されており、具体的なリスクの内容は抽出された範囲では確認できない。

重要度 1(軽微)削除事業等のリスク / リスク削除
(3) 財務 価格リスク

前年に存在した「(3) 財務 価格リスク」という見出しが、今年の事業等のリスクの記載から削除されている。本文の記載がなく見出しのみの比較であるため、具体的な内容の変化は確認できない。

重要度 1(軽微)削除事業等のリスク / リスク削除
(4) 財務 流動性リスク

前年の事業等のリスクに記載されていた「(4) 財務 流動性リスク」という見出しが、今年の報告書では削除されている。提示された範囲には見出しのみで本文の記載はなく、削除された具体的な内容は確認できない。

重要度 1(軽微)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)棚卸資産の評価の妥当性の検討

棚卸資産の評価に関するKAMの監査手続の記載が一部修正された。「機種別の需要予測」が「機種別の将来計画」へ言い換えられ、合理性の検討対象が品目別の需要予測から機種別の将来計画へ、照合先が過去の原材料使用実績から直近の販売実績へ変更された。また評価減計上残高の確認が機種別から品目別に変わった。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
・棚卸資産の評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の需要予測将来計画の整合性、及び機種別の需要予測将来計画と会社の事業計画の整合性を検討した。事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
・品目別の需要予測機種別の将来計画の合理性について、事業責任者等への質問及び過去の原材料使用直近の販売実績との整合性を検討した。
・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・機種品目別の評価減計上残高について、算出根拠資料との一致整合性を確認した。

前年

・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
・棚卸資産評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の需要予測の整合性、及び機種別の需要予測と会社の事業計画の整合性を検討した。事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
・品目別の需要予測の合理性について、事業責任者等への質問及び過去の原材料使用実績との整合性を検討した。
・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・機種別の評価減計上残高について、算出根拠資料との一致を確認した。

今年

・経営者に棚卸資産の評価の判断に関する質問を実施した。
・品目別の需要予測について、以下の手続を実施した。
・棚卸資産の評価に用いられた品目別の需要予測と機種別の将来計画の整合性、機種別の将来計画と会社の事業計画の整合性を検討した。事業計画の基礎となる各事業の需要予測について、経営者に質問するとともに、利用可能な外部データと比較した。
・品目別の需要予測の見積りプロセスの有効性を評価するために、前年度の機種別の将来計画の見積りと販売実績を比較した。
・機種別の将来計画の合理性について、事業責任者等への質問及び直近の販売実績との整合性を検討した。
・販売まで長期間を要する棚卸資産について、過剰在庫か否かの判断を事業責任者等に質問し、合理性を検討した。
・棚卸資産残高及び評価減計上残高について、機種別に分析的手続を実施した。
・品目別の評価減計上残高について、算出根拠資料との整合性を確認した。

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-25 13:29)

前年版がないため比較していません。