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株式会社IHI

証券コード 70130 / EDINET E02128 / 機械

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業績の推移

-0.500.511.52兆円2021/3期 売上高 1兆1,151億円2022/3期 売上高 1兆1,729億円2023/3期 売上高 1兆3,529億円2024/3期 売上高 1兆3,226億円2025/3期 売上高 1兆6,268億円2026/3期 売上高 1兆6,434億円2021/3期 純利益 29.2億円2022/3期 純利益 661億円2023/3期 純利益 445億円2024/3期 純利益 -682億円2025/3期 純利益 1,127億円2026/3期 純利益 1,610億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/3
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/31.120
2022/31.170.07
2023/31.350.04
2024/31.32-0.07
2025/31.630.11
2026/31.640.16

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
1,001万円(+23.0%)
女性管理職比率
6.1%(+0.3pt)
男性育休取得率
333.2%(-19.7pt)
男女賃金差異
68.4%(+1.4pt)
従業員数
8,199人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
3.23億円(前年比 +3.9%)
非監査報酬
—
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

提出者数
7
報告数
23
最大の保有者
キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニー(7.59%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 17 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 467,100株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-22 15:15)

重要度 2(注目)変更会計方針の変更 / 内容更新

前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)の適用で財務諸表への影響なしとされていたが、今年は航空・宇宙・防衛事業の管理部門費の一部を売上原価(製造間接費)から販売費及び一般管理費へ処理変更する記載に置き換わった。遡及適用は実務上不可能として将来にわたり適用し、当事業年度の売上総利益は6,870百万円増加、営業利益・税引前当期純利益は4,400百万円減少、当期純利益は4,384百万円減少、仕掛品は4,400百万円減少と記載されている。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

(会計方針販売費及び一般管理費の計上方法の変更)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当社は、当事業年度から、航空・宇宙・防衛事業の管理部門費の一部について、売上原価(製造間接費)から販売費及び一般管理費で処理する方法に変更しています。
事業環境の変化へ対応するため、当事業年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分に関する改正に当事業の管理部門の役割と業務プロセス・ITインフラを見直し、従来はコーポレート部門が担ってきた戦略、法務・リスク管理、人事等の機能の一部を追加し、経営管理機能を強化しました。この変更に合わせて、前事業年度まで当事業の補助部門費として売上原価(製造間接費)で処理してきた管理部門費の一部を、販売費及び一般管理費で処理する方法に見直しました。
この見直しについては、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きにある経過原価計算への影響が多岐にわたり、過年度の原価計算結果への遡及反映や合理的な仮定による影響額の算出が難しく、遡及適用に係る原則的な取り扱いに従っ扱いが実務上不可能であるため、当事業年度から将来にわたり適用しています。なお、これによる財務諸表に与える影響はありません
この結果、当事業年度の売上総利益は6,870百万円増加し、営業利益、税引前当期純利益は4,400百万円減少、当期純利益は4,384百万円減少、1株当たり当期純利益(※)は4.14円減少、潜在株式調整後1株当たり当期純利益(※)は4.14円減少、仕掛品は4,400百万円減少しています。
(※)当社は、2025年10月1日付けで普通株式1株につき7株の割合で株式分割を行なっており、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、株式分割後の株式数により算出しています。

前年

(会計方針の変更)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きにある経過的な取り扱いに従っています。なお、これによる財務諸表に与える影響はありません。

今年

(販売費及び一般管理費の計上方法の変更)
当社は、当事業年度から、航空・宇宙・防衛事業の管理部門費の一部について、売上原価(製造間接費)から販売費及び一般管理費で処理する方法に変更しています。
事業環境の変化へ対応するため、当事業年度の期首から当事業の管理部門の役割と業務プロセス・ITインフラを見直し、従来はコーポレート部門が担ってきた戦略、法務・リスク管理、人事等の機能の一部を追加し、経営管理機能を強化しました。この変更に合わせて、前事業年度まで当事業の補助部門費として売上原価(製造間接費)で処理してきた管理部門費の一部を、販売費及び一般管理費で処理する方法に見直しました。
この見直しについては、原価計算への影響が多岐にわたり、過年度の原価計算結果への遡及反映や合理的な仮定による影響額の算出が難しく、遡及適用に係る原則的な取扱いが実務上不可能であるため、当事業年度から将来にわたり適用しています。
この結果、当事業年度の売上総利益は6,870百万円増加し、営業利益、税引前当期純利益は4,400百万円減少、当期純利益は4,384百万円減少、1株当たり当期純利益(※)は4.14円減少、潜在株式調整後1株当たり当期純利益(※)は4.14円減少、仕掛品は4,400百万円減少しています。
(※)当社は、2025年10月1日付けで普通株式1株につき7株の割合で株式分割を行なっており、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、株式分割後の株式数により算出しています。
重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 内容更新
(3)2026年度のリスク管理活動

リスク管理活動の方針名が「2025年度の重点方針」から「2026年度の方針」に更新された。重点テーマは、コンプライアンス・品質保証・経済安全保障・情報セキュリティ・人権の尊重・人財リスク・エマージングリスク(巨大地震など)の7項目から、「コンプライアンス・品質保証」「貿易管理」「セキュリティ」の3項目に集約・再編された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

20256年度の「IHIグループリスク管理活動重点方針」では、重点テーマとして次の事項について注力することとしています。また、不安定さが常態化する社会環境のもと、当社グループ全体として対処すべき新たなリスクを適時に捉え、リスク管理会議で対応方針を検討し、能動的かつ組織的なリスク管理を行なってまいります。

・コンプライアンス
・品質保証
・経済安全保障
・情報貿易管理
・セキュリティ
・人権の尊重
・人財リスク
・エマージングリスク(巨大地震など)

前年

2025年度の「IHIグループリスク管理活動重点方針」では、重点テーマとして次の事項について注力することとしています。また、不安定さが常態化する社会環境のもと、当社グループ全体として対処すべき新たなリスクを適時に捉え、リスク管理会議で対応方針を検討し、能動的かつ組織的なリスク管理を行なってまいります。

・コンプライアンス
・品質保証
・経済安全保障
・情報セキュリティ
・人権の尊重
・人財リスク
・エマージングリスク(巨大地震など)

今年

2026年度の「IHIグループリスク管理活動方針」では、重点テーマとして次の事項について注力することとしています。また、不安定さが常態化する社会環境のもと、当社グループ全体として対処すべき新たなリスクを適時に捉え、リスク管理会議で対応方針を検討し、能動的かつ組織的なリスク管理を行なってまいります。

・コンプライアンス・品質保証
・貿易管理
・セキュリティ
重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 新規リスク
(4)事業等のリスク

コンプライアンス項目で、前年記載の株式会社IHI原動機・新潟トランシス・IHI運搬機械の個別事案の記述が削除され、新たに株式会社IHIエアロスペースがJAXAから受けた競争参加資格停止処分(事実と異なる報告・不当な費用請求)が追記された。あわせて、事業戦略項目ではアンモニアバリューチェーンに関する記述が「中長期の方向性」(3事業ドメイン)の記述に置き換わり、カントリーリスク・経済安全保障・人権・情報セキュリティ等の記載も具体化された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

事業の状況、設備の状況、経理の状況に記載した事項のうち、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。当社グループは、以下のリスクを認識した上で、必要なリスク管理体制を整え、リスク顕在化の回避及びリスク顕在化時の影響の極小化に最大限努めています。

① 社会的責任
a. コンプライアンス
当社グループは、社会とお客さまと共に持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得ることが重要と考えており、この考え方に基づいて、私たちが実践すべきことを「IHIグループ基本行動指針」にまとめ、役員・従業員の遵守を求めています。また、コンプライアンスの重要性を浸透させるため、毎年5月10日の「コンプライアンスの日」や社長年頭挨拶などで、社長をはじめとする経営幹部から繰り返し、コンプライアンスの徹底を求めるメッセージを発信しています。

体制面では、リスク管理会議の下部機関となる全社委員会組織としてコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関わる重要な方針を審議・立案し、活動を推進しています。
さらに、すべての役員・従業員などによる、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やそのおそれのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度として、「IHIグループ コンプライアンス・ホットライン」を運用しています。
しかしながら、一部の役員・従業員による法令・規制違反等が生じた場合、過料や課徴金、追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社子会社である株式会社IHI原動機においては、船舶用エンジン及び陸上用エンジンの試運転記録に不適切な修正が行なわれていたことが判明しました。弁護士をはじめとする外部有識者を中心とした特別調査委員会の調査結果及び提言を踏まえ、2024年10月30日に当社及び株式会社IHI原動機としての再発防止策を策定し、公表しました。しかしながら、一部の役員・従業員による法令違反等が生じた場合、過料や課徴金、追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社子会社である新潟トランシス株式会社においては、同社が製造及び販売した除雪車の一部が、お客さまに提示した仕様と異なっていたことが判明しました。事実関係及び原因究明の調査結果を踏まえ、対象機種の除雪性能試験を網羅的に実施した上で、お客さまへの対応並びに再発防止策の策定を行ないました。
また、2023年9月に公正取引委員会の立入検査を受けた、当社子会社であるIHI運搬機械株式会社の機械式駐車装置事業については、本年3月24日に、同委員会により、独占禁止法に違反する行為があったことが認定されました。同社は、公正取引委員会に対し、課徴金減免制度の適用申請を通じて自主的に違反行為を申告するとともに、その後一貫して同委員会の調査に協力してきたため、課徴金の免除が認められ、排除措置命令も受けていません。当社グループにおいては、2024年度に、当社子会社において相次いで不適切事案等が発覚しました。これを踏まえ、当社グループは、再発防止策の実行やコンプライアンスの徹底に取り組んでいるところでしたが、直近においても、株式会社IHIエアロスペースが、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)から受注した業務の一部において事実と異なる報告を行ない、不当な費用請求を行なったとして、JAXAより競争参加資格停止処分を受けました。

当社グループは、上記の不適切行為に対し、当社社長をはじめとする経営幹部からのメッセージ発信、社内規程の見直し、コンプライアンス教育の強化、人事ローテーションの推進、職場対話活動の実施等、再発防止の徹底に取り組み、不適切行為を起こさせない仕組み作りや組織風土の見直しなどの取り組みを進めてきました。今後とも、コンプライアンスが真の企業文化として定着するよう真摯に努め、ステークホルダーの皆さまからの信頼回復に一丸となって取り組んでまいります。新たに確認された事象を受け、改めて、当社グループとして、当社社長をはじめとする経営幹部からメッセージを発信し、経営層、管理職、新入社員など各層に合わせたコンプライアンス教育プログラムの展開、人財ローテーションの活性化、職場ごとの対話活動などを行ない、不適切行為に対して声が上がらない組織風土から、従業員一人ひとりがコンプライアンスを自分事として意識し、自律的に問題を解決できる組織風土へと変革していくことを目指して取り組んでまいります。

b. 環境保全
当社グループには、製造工程で、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い、万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. 人権・ダイバーシティ
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくために、バリューチェーン上のステークホルダーを対象とするグリーバンス(救済)メカニズムとして通報窓口を設置するなど、事業活動全般にわたり人権を尊重した上で、多様な個性や価値観を有する人財が活躍できる組織風土の醸成を図っています。当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくために、事業活動全般にわたり人権を尊重した上で、多様な個性や価値観を有する人財が活躍できる組織風土の醸成を図っています。また、人権諸課題の解決に向け、人権リスクを把握し、リスク低減策を講じてモニタリングする人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、当社グループのみならず、調達先や取引先における対応状況を確認しています。併せて、多様な人財が活躍できる働き方や職場づくりに向けたダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進活動を行なうとともに、社内におけるその取り組み状況をモニタリングしています。
しかしながら、当社グループの事業活動において、人権の侵害や人権を軽視した事象が発生した場合、社会的信用の喪失、あるいはお客さまとの取引停止や損害賠償責任が発生する可能性があります。また、経営における意思決定の場に多様性が欠如した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

d. 関係会社の統制
当社グループは、グループ経営を通じて、お客さまに対し、高い価値を提供することに取り組んでいます。そのためには、当社グループの各社が、各国、各地域の各種法令、社会的規範に従って事業を行なうだけでなく、適切なグループ経営を推進する必要があります。しかしながら、個社が、他のリスクに示す事項に対する不適切な対応や独自の経営判断により、お客さまに対して損害又は評価の低下を生じさせ、結果として当社グループの業績や社会的信用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、グループ経営を通じてお客さまに対し高い価値を提供することに取り組んでいます。そのためには、当社グループの各社が、各国・各地域の各種法令や社会的規範に従って事業を行なうだけでなく、適切なグループ経営を推進する必要があります。しかしながら、当社グループの各社が、他に示す各種のリスクに対する不適切な対応を行なうことにより、お客さまに対する損害又は当社グループへの評価の低下を生じさせ、結果として当社グループの業績や社会的信用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 安全衛生
当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが、大規模な事故や災害が生じた場合、損害のすべてを保険求償できない可能性があります。

② 外部環境変化への備え
a. 競争環境と事業戦略
当社グループは、中期経営計画「グループ経営方針2023」の下、不安定さが常態化する社会環境においても、成長・育成事業への大胆な経営資源のシフトを通じ、持続的な高成長を実現する取組みを推進しています。
育成事業の柱として事業開発を進めているアンモニアバリューチェーン事業においては、想定される燃料アンモニア需要量、普及タイミング等の前提条件に大幅な変化が生じた場合、将来的な当社グループの事業ポートフォリオに影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、本年5月8日に公表した「中長期の方向性」の中で、2040年に向けたIHIグループとしてのありたい姿を定義しました。当社グループが技術・事業の両面で強みを発揮できる分野としてエアロスペース、エネルギー、インフラの3つの事業ドメインを定め、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障に貢献することを目指していきます。

b. 他社との連携・M&A
当社グループは営業協力、技術協力、生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また、成長市場への事業展開の加速、要素技術の補完、シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし、経済環境の変化、法的規制、予期せぬ費用増加等の影響により、当初期待された効果を出せない可能性があります。また、当初期待した効果を享受できないと判断された場合は、他社との連携による共同事業の中断、解消を決断する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. カントリーリスク
当社グループの調達・生産・輸出・販売・建設等の諸活動はグローバルに展開されています。各国・各地域の政治・経済の混乱に起因する為替取引の凍結・債務不履行・投資資産の接収、想定していなかったテロ・労働争議の発生、政情不安、デフォルト等により、事業の継続や拠点経営が困難になった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、貿易保険の付保徹底やカントリーリスクに関する情報の収集とグループ内の啓蒙、情報共有の体制の見直し、事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めています。当社グループは、調達・生産・輸出・販売・建設等の事業活動をグローバルに展開しています。各国・各地域の政治・経済・社会状況等の変化に起因して、国家間や各国内における紛争の拡大、テロや労働争議の発生、政情不安、デフォルト等により事業の継続が困難になるリスクや、為替取引の凍結や送金停止、及びこれらの影響を受けた取引先等に対する債権の回収不能、投資資産の接収等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
本項目については、緊迫化する中東、ウクライナ、米中の政治上の確執、経済安全保障問題による影響の拡がり等、不確実性が高まっていると認識しています。当社グループは、これらのリスクに対し、個別のプロジェクト単位では貿易保険の付保を徹底するほか、グループ単位では、リスク情報の収集や情報共有の体制構築・見直し、事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めています。
本項目については、足元における中東情勢の悪化、長期化するロシアによるウクライナへの軍事侵攻、米中の政治的対立や経済安全保障問題の拡大等、不確実性が一層高まっていると認識しています。

d. 経済安全保障
中東・ウクライナ情勢の緊迫化や米中の政治上の確執に加え、米国トランプ政権発足後の各種政策の影響で同志国間の関係にも変化の兆しがみられるなど、国際関係が複雑化するなか、防衛装備品・社会インフラを提供する当社グループをとりまく事業環境は大きく変化しています。当社グループを取り巻く事業環境は、中東における軍事衝突や米中の政治的対立、輸出規制等による国家の経済的威圧や、関税措置等に伴う貿易環境の変化、サイバー攻撃の高度化などにより大きく変化しています。
このような環境の下、当社グループでは社内の取引審査や取引先スクリーニングにより経済安全保障に関するリスクの軽減に努めていますが、日本を含む各国の政策や法規制に反する取引を行なってしまった場合や、経済安全保障に関する課題への対応が不十分だった場合、当社グループの評価や社会的信用が損なわれ、販売機会の逸失や事業の停止につながり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、社内の取引審査や取引先スクリーニングにより経済安全保障に関するリスクの軽減に努めていますが、日本を含む各国の政策や法規制に反する取引を行なった場合や、経済安全保障に関する課題への対応が不十分であった場合には、当社グループの評価や社会的信用が棄損されるおそれがあります。
また国際関係の複雑化に伴い情報保全の重要性が高まっていることを受けて、当社グループは、従来のサイバーセキュリティ対策にとどまらない人的情報漏洩対策や、物理的セキュリティ対策の強化にも取り組んでいきます。加えて、複雑化する国際情勢の影響により、当社グループが輸出規制等の規制の対象となった場合には、販売機会の逸失や事業の停止、サプライチェーンの断絶が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経済安全保障に関するリスク軽減の一環としてセキュリティ強化に取り組んでおり、従来のサイバーセキュリティ対策にとどまらず、人的情報漏洩対策や物理的セキュリティ対策の強化も進めています。

e. 自然災害・疾病・紛争・テロ
当社グループは、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、地震・洪水等の激甚災害、テロ等の犯罪行為等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、規定や事業継続計画(BCP)を見直すとともに、必要に応じて非常時を想定した訓練等を実施するほか、適切な保険を付保しています。当社グループは、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、地震・洪水等の激甚災害、テロ等の犯罪行為等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、規定や事業継続計画(BCP)を見直すとともに、南海トラフ地震等による広域災害も想定した訓練等を実施するほか、適切な保険を付保しています。しかし、想定規模を超える災害が発生した際には事業を適切に遂行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 経営リソース
a. 人財リスク
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくためには、事業活動に必要な人財の獲得、定着、育成、適正配置が必要になります。外部人財の獲得や変革人財等のキーパーソンとなりうる人財の確保・育成ができなかった場合、適正な配置を実行できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 財務活動
(a)為替動向
外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし、下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼします。そのため、外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが、想定以上の為替変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)金利動向
金利が上昇した場合、当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また、財務活動において借入、又は社債発行の条件が悪化する可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)資金調達・格付
当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており、自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合、同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合、当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない、あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(d)保証債務等
当社グループは、事業活動を営む上で必要かつ合理的と確認したものについて、債務の保証等を行なっていますが、経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財政状態が悪化した場合、保証の履行を債権者より求められる可能性があります。
保証債務等に係る情報は、第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「41.偶発債務」に記載しています。

(e)税務
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国境をまたぐ当社グループ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局と見解の相違が生じた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(f)与信管理
当社グループは、世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており、その多くが掛売り又は手形取引となっています。当社グループは、世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており、その多くが掛売りとなっています。当社はこれに対し、グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの、重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2023年5月に航空会社が破産申請したことにより、当社が民間航空機エンジンの国際共同事業会社を通じて参画しているエンジンプログラムにおいて、当社が間接的に保有する営業債権の一部が回収不能となる可能性が生じました。2023年5月に航空会社が破産申請したことにより、当社が民間向け航空エンジンの国際共同事業会社を通じて参画しているエンジンプログラムにおいて、当社が間接的に保有する営業債権の一部が回収不能となる可能性が生じました。本件を受けて、当社グループでは、債権回収リスクを低減するため債権管理の高度化に向けた取り組みを進めています。

c. 情報セキュリティ
当社グループは、技術情報及び事務管理情報並びにそれらを処理するための情報システムを事業に活用する上で、相応の情報セキュリティ対策を講じるとともに、サイバー攻撃の巧妙化やテレワークの増加等を考慮した対策の強化、従業員への情報セキュリティ教育の徹底に努めています。しかし、サイバー攻撃、情報機器や文書の紛失・盗難、ネットワーク停止やハードウェア及びソフトウェアの不備により、情報漏洩や業務停止の事態が発生する可能性があり、それに伴い当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、技術情報及び事務管理情報並びにそれらを処理するための情報システムを、事業活動に不可欠な経営リソースの一つと認識し、情報セキュリティに関する各種規程の整備、技術的・組織的対策、従業員への教育・啓発等を通じて、情報セキュリティ対策の強化に継続的に取り組んでいます。しかしながら、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、情報機器や文書の紛失・盗難、委託先やサプライチェーンを起点としたセキュリティ事故及びシステム障害等により、情報漏洩や業務停止等の事態が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、損害賠償の発生、復旧対応に伴う費用の増加等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 企業活動・エンジニアリング
a. 研究開発
当社グループの研究開発活動に係る情報は、第2「事業の状況」6研究開発活動に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上、多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため、実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 知的財産管理
当社グループは保有する知的財産の適切な保全に努めています。しかし、第三者による当社グループ製品・サービスの模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。
また、当社グループが将来に向けて開発している製品・サービスが、意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や、従業員の発明に対して適切な対応を取らなかったとみなされた場合に損害賠償等を求められ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. プロジェクト管理
当社グループは、大型プロジェクト、大型投資のいずれも、初期計画がその後の成否に大きな影響を与えると考えています。特に新規性の高い事業やしばらく実施していなかった事業の場合、初期計画による影響は顕著です。それらのことを踏まえ、受注・投資前の審査プロセス体制を整備してプロジェクトクトリスク管理を行なっています。それらのことを踏まえ、受注・投資前の審査プロセス体制を整備してプロジェクトリスク管理を行なっています。
大型プロジェクトでは、個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし、契約締結後に当初想定できなかった資機材価格や輸送コストの急激な変動、サプライチェーンの途絶、為替相場の変動などの経済環境の変化や検討不足、予期しないトラブル、JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生、お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い、追加費用の発生等の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、契約締結後に当初想定できなかった紛争等の地政学リスクの顕在化によるエネルギー価格の高騰、資機材価格や輸送コストの急激な変動、サプライチェーンの途絶、為替相場の変動などの経済環境の変化や検討不足、予期しないトラブル、JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生、お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い、追加費用の発生等の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは、受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの、必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型投資では、投資前に採算性やリスクの観点から投資実行計画の社内審査を行なっています。しかし、投資の意思決定時に想定できなかった経済環境や市場の変化、自社やパートナーに起因するトラブル等による目標投資効率の未達や損失計上の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型プロジェクト、大型投資とも、受注・投資前の審査においては、社内・外の有識者と本社の審査部門との連携による多面的・複合的なリスクレビューの実施、受注後・投資開始後においては、各事業領域のリスク管理部門とも連携しながら、当初計画どおりに進んでいるか、新たな事象やリスクへの対応がなされているかなどのモニタリングの継続・強化に取り組むなど、引き続き徹底したプロジェクトリスクマネジメントを実施していきます。

d. 調達・物流
当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で、複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日頃から情報収集や調達先との対話を通じて安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存を避けるべく調達先の分散化等を進め、リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら、資機材価格の急激な変動、需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え、激甚災害や大規模な感染症の拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合、コストアップ、納期遅延等の問題が生じたり、人権尊重への取り組みや、サステナブルな社会を実現するためにCSR調達を推進していく過程で、調達コストが上昇したりする可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、資機材価格の急激な変動、需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え、激甚災害や大規模な感染症の拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合、コストアップ、納期遅延等の問題が生じる可能性があります。また、人権尊重への取り組みや、サステナブルな社会を実現するためにCSR調達を推進していく過程で、調達コストが上昇する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 設計・製造
当社グループは、各地に生産拠点を有しています。それらの拠点が所在する地域において、激甚災害、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、国際情勢の急激な変化に伴う生産遅延・停止・サプライチェーンの途絶、あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難・電力制限などが生じ、かつその影響がBCPの想定範囲を超えた場合、それらの拠点における生産能力が損なわれ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

f. 品質保証
当社グループは、お客さまの満足、安全、安心を実現する製品・サービスを提供するために、お客さま要求を含む要求事項の反映や計画段階で想定されるリスクへの対応も含んだ品質マネジメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しています。しかし、品質保証に関わる想定外の事態が発生した場合には、お客さまの評価や社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

前年

事業の状況、設備の状況、経理の状況に記載した事項のうち、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。当社グループは、以下のリスクを認識した上で、必要なリスク管理体制を整え、リスク顕在化の回避及びリスク顕在化時の影響の極小化に最大限努めています。

① 社会的責任
a. コンプライアンス
当社グループは、社会とお客さまと共に持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得ることが重要と考えており、この考え方に基づいて、私たちが実践すべきことを「IHIグループ基本行動指針」にまとめ、役員・従業員の遵守を求めています。また、コンプライアンスの重要性を浸透させるため、毎年5月10日の「コンプライアンスの日」や社長年頭挨拶などで、社長をはじめとする経営幹部から繰り返し、コンプライアンスの徹底を求めるメッセージを発信しています。

体制面では、リスク管理会議の下部機関となる全社委員会組織としてコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関わる重要な方針を審議・立案し、活動を推進しています。
さらに、すべての役員・従業員などによる、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やそのおそれのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度として、「IHIグループ コンプライアンス・ホットライン」を運用しています。
しかしながら、一部の役員・従業員による法令・規制違反等が生じた場合、過料や課徴金、追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社子会社である株式会社IHI原動機においては、船舶用エンジン及び陸上用エンジンの試運転記録に不適切な修正が行なわれていたことが判明しました。弁護士をはじめとする外部有識者を中心とした特別調査委員会の調査結果及び提言を踏まえ、2024年10月30日に当社及び株式会社IHI原動機としての再発防止策を策定し、公表しました。
当社子会社である新潟トランシス株式会社においては、同社が製造及び販売した除雪車の一部が、お客さまに提示した仕様と異なっていたことが判明しました。事実関係及び原因究明の調査結果を踏まえ、対象機種の除雪性能試験を網羅的に実施した上で、お客さまへの対応並びに再発防止策の策定を行ないました。
また、2023年9月に公正取引委員会の立入検査を受けた、当社子会社であるIHI運搬機械株式会社の機械式駐車装置事業については、本年3月24日に、同委員会により、独占禁止法に違反する行為があったことが認定されました。同社は、公正取引委員会に対し、課徴金減免制度の適用申請を通じて自主的に違反行為を申告するとともに、その後一貫して同委員会の調査に協力してきたため、課徴金の免除が認められ、排除措置命令も受けていません。

当社グループは、上記の不適切行為に対し、当社社長をはじめとする経営幹部からのメッセージ発信、社内規程の見直し、コンプライアンス教育の強化、人事ローテーションの推進、職場対話活動の実施等、再発防止の徹底に取り組み、不適切行為を起こさせない仕組み作りや組織風土の見直しなどの取り組みを進めてきました。今後とも、コンプライアンスが真の企業文化として定着するよう真摯に努め、ステークホルダーの皆さまからの信頼回復に一丸となって取り組んでまいります。

b. 環境保全
当社グループには、製造工程で、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い、万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. 人権・ダイバーシティ
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくために、バリューチェーン上のステークホルダーを対象とするグリーバンス(救済)メカニズムとして通報窓口を設置するなど、事業活動全般にわたり人権を尊重した上で、多様な個性や価値観を有する人財が活躍できる組織風土の醸成を図っています。しかしながら、当社グループの事業活動において、人権の侵害や人権を軽視した事象が発生した場合、社会的信用の喪失、あるいはお客さまとの取引停止や損害賠償責任が発生する可能性があります。また、経営における意思決定の場に多様性が欠如した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

d. 関係会社の統制
当社グループは、グループ経営を通じて、お客さまに対し、高い価値を提供することに取り組んでいます。そのためには、当社グループの各社が、各国、各地域の各種法令、社会的規範に従って事業を行なうだけでなく、適切なグループ経営を推進する必要があります。しかしながら、個社が、他のリスクに示す事項に対する不適切な対応や独自の経営判断により、お客さまに対して損害又は評価の低下を生じさせ、結果として当社グループの業績や社会的信用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 安全衛生
当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが、大規模な事故や災害が生じた場合、損害のすべてを保険求償できない可能性があります。

② 外部環境変化への備え
a. 競争環境と事業戦略
当社グループは、中期経営計画「グループ経営方針2023」の下、不安定さが常態化する社会環境においても、成長・育成事業への大胆な経営資源のシフトを通じ、持続的な高成長を実現する取組みを推進しています。
育成事業の柱として事業開発を進めているアンモニアバリューチェーン事業においては、想定される燃料アンモニア需要量、普及タイミング等の前提条件に大幅な変化が生じた場合、将来的な当社グループの事業ポートフォリオに影響を及ぼす可能性があります。

b. 他社との連携・M&A
当社グループは営業協力、技術協力、生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また、成長市場への事業展開の加速、要素技術の補完、シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし、経済環境の変化、法的規制、予期せぬ費用増加等の影響により、当初期待された効果を出せない可能性があります。また、当初期待した効果を享受できないと判断された場合は、他社との連携による共同事業の中断、解消を決断する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. カントリーリスク
当社グループの調達・生産・輸出・販売・建設等の諸活動はグローバルに展開されています。各国・各地域の政治・経済の混乱に起因する為替取引の凍結・債務不履行・投資資産の接収、想定していなかったテロ・労働争議の発生、政情不安、デフォルト等により、事業の継続や拠点経営が困難になった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対し、貿易保険の付保徹底やカントリーリスクに関する情報の収集とグループ内の啓蒙、情報共有の体制の見直し、事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めています。
本項目については、緊迫化する中東、ウクライナ、米中の政治上の確執、経済安全保障問題による影響の拡がり等、不確実性が高まっていると認識しています。

d. 経済安全保障
中東・ウクライナ情勢の緊迫化や米中の政治上の確執に加え、米国トランプ政権発足後の各種政策の影響で同志国間の関係にも変化の兆しがみられるなど、国際関係が複雑化するなか、防衛装備品・社会インフラを提供する当社グループをとりまく事業環境は大きく変化しています。
このような環境の下、当社グループでは社内の取引審査や取引先スクリーニングにより経済安全保障に関するリスクの軽減に努めていますが、日本を含む各国の政策や法規制に反する取引を行なってしまった場合や、経済安全保障に関する課題への対応が不十分だった場合、当社グループの評価や社会的信用が損なわれ、販売機会の逸失や事業の停止につながり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また国際関係の複雑化に伴い情報保全の重要性が高まっていることを受けて、当社グループは、従来のサイバーセキュリティ対策にとどまらない人的情報漏洩対策や、物理的セキュリティ対策の強化にも取り組んでいきます。

e. 自然災害・疾病・紛争・テロ
当社グループは、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、地震・洪水等の激甚災害、テロ等の犯罪行為等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、規定や事業継続計画(BCP)を見直すとともに、必要に応じて非常時を想定した訓練等を実施するほか、適切な保険を付保しています。しかし、想定規模を超える災害が発生した際には事業を適切に遂行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 経営リソース
a. 人財リスク
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくためには、事業活動に必要な人財の獲得、定着、育成、適正配置が必要になります。外部人財の獲得や変革人財等のキーパーソンとなりうる人財の確保・育成ができなかった場合、適正な配置を実行できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 財務活動
(a)為替動向
外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし、下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼします。そのため、外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが、想定以上の為替変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)金利動向
金利が上昇した場合、当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また、財務活動において借入、又は社債発行の条件が悪化する可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)資金調達・格付
当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており、自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合、同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合、当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない、あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(d)保証債務等
当社グループは、事業活動を営む上で必要かつ合理的と確認したものについて、債務の保証等を行なっていますが、経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財政状態が悪化した場合、保証の履行を債権者より求められる可能性があります。
保証債務等に係る情報は、第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「41.偶発債務」に記載しています。

(e)税務
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国境をまたぐ当社グループ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局と見解の相違が生じた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(f)与信管理
当社グループは、世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており、その多くが掛売り又は手形取引となっています。当社はこれに対し、グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの、重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2023年5月に航空会社が破産申請したことにより、当社が民間航空機エンジンの国際共同事業会社を通じて参画しているエンジンプログラムにおいて、当社が間接的に保有する営業債権の一部が回収不能となる可能性が生じました。本件を受けて、当社グループでは、債権回収リスクを低減するため債権管理の高度化に向けた取り組みを進めています。

c. 情報セキュリティ
当社グループは、技術情報及び事務管理情報並びにそれらを処理するための情報システムを事業に活用する上で、相応の情報セキュリティ対策を講じるとともに、サイバー攻撃の巧妙化やテレワークの増加等を考慮した対策の強化、従業員への情報セキュリティ教育の徹底に努めています。しかし、サイバー攻撃、情報機器や文書の紛失・盗難、ネットワーク停止やハードウェア及びソフトウェアの不備により、情報漏洩や業務停止の事態が発生する可能性があり、それに伴い当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 企業活動・エンジニアリング
a. 研究開発
当社グループの研究開発活動に係る情報は、第2「事業の状況」6研究開発活動に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上、多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため、実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 知的財産管理
当社グループは保有する知的財産の適切な保全に努めています。しかし、第三者による当社グループ製品・サービスの模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。
また、当社グループが将来に向けて開発している製品・サービスが、意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や、従業員の発明に対して適切な対応を取らなかったとみなされた場合に損害賠償等を求められ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. プロジェクト管理
当社グループは、大型プロジェクト、大型投資のいずれも、初期計画がその後の成否に大きな影響を与えると考えています。特に新規性の高い事業やしばらく実施していなかった事業の場合、初期計画による影響は顕著です。それらのことを踏まえ、受注・投資前の審査プロセス体制を整備してプロジェクトクトリスク管理を行なっています。
大型プロジェクトでは、個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし、契約締結後に当初想定できなかった資機材価格や輸送コストの急激な変動、サプライチェーンの途絶、為替相場の変動などの経済環境の変化や検討不足、予期しないトラブル、JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生、お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い、追加費用の発生等の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは、受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの、必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型投資では、投資前に採算性やリスクの観点から投資実行計画の社内審査を行なっています。しかし、投資の意思決定時に想定できなかった経済環境や市場の変化、自社やパートナーに起因するトラブル等による目標投資効率の未達や損失計上の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型プロジェクト、大型投資とも、受注・投資前の審査においては、社内・外の有識者と本社の審査部門との連携による多面的・複合的なリスクレビューの実施、受注後・投資開始後においては、各事業領域のリスク管理部門とも連携しながら、当初計画どおりに進んでいるか、新たな事象やリスクへの対応がなされているかなどのモニタリングの継続・強化に取り組むなど、引き続き徹底したプロジェクトリスクマネジメントを実施していきます。

d. 調達・物流
当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で、複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日頃から情報収集や調達先との対話を通じて安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存を避けるべく調達先の分散化等を進め、リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら、資機材価格の急激な変動、需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え、激甚災害や大規模な感染症の拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合、コストアップ、納期遅延等の問題が生じたり、人権尊重への取り組みや、サステナブルな社会を実現するためにCSR調達を推進していく過程で、調達コストが上昇したりする可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 設計・製造
当社グループは、各地に生産拠点を有しています。それらの拠点が所在する地域において、激甚災害、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、国際情勢の急激な変化に伴う生産遅延・停止・サプライチェーンの途絶、あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難・電力制限などが生じ、かつその影響がBCPの想定範囲を超えた場合、それらの拠点における生産能力が損なわれ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

f. 品質保証
当社グループは、お客さまの満足、安全、安心を実現する製品・サービスを提供するために、お客さま要求を含む要求事項の反映や計画段階で想定されるリスクへの対応も含んだ品質マネジメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しています。しかし、品質保証に関わる想定外の事態が発生した場合には、お客さまの評価や社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

今年

事業の状況、設備の状況、経理の状況に記載した事項のうち、当社グループの業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。当社グループは、以下のリスクを認識した上で、必要なリスク管理体制を整え、リスク顕在化の回避及びリスク顕在化時の影響の極小化に最大限努めています。

① 社会的責任
a. コンプライアンス
当社グループは、社会とお客さまと共に持続的な成長を遂げるためには、ステークホルダーからの期待に応え、信頼を得ることが重要と考えており、この考え方に基づいて、私たちが実践すべきことを「IHIグループ基本行動指針」にまとめ、役員・従業員の遵守を求めています。また、コンプライアンスの重要性を浸透させるため、毎年5月10日の「コンプライアンスの日」や社長年頭挨拶などで、社長をはじめとする経営幹部から繰り返し、コンプライアンスの徹底を求めるメッセージを発信しています。

体制面では、リスク管理会議の下部機関となる全社委員会組織としてコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関わる重要な方針を審議・立案し、活動を推進しています。
さらに、すべての役員・従業員などによる、法令、社内規定や社内外のルールに対する違反やそのおそれのある行為などを未然にあるいは早期に把握し、適切な是正を図るための内部通報制度として、「IHIグループ コンプライアンス・ホットライン」を運用しています。
しかしながら、一部の役員・従業員による法令違反等が生じた場合、過料や課徴金、追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループにおいては、2024年度に、当社子会社において相次いで不適切事案等が発覚しました。これを踏まえ、当社グループは、再発防止策の実行やコンプライアンスの徹底に取り組んでいるところでしたが、直近においても、株式会社IHIエアロスペースが、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、「JAXA」という。)から受注した業務の一部において事実と異なる報告を行ない、不当な費用請求を行なったとして、JAXAより競争参加資格停止処分を受けました。

新たに確認された事象を受け、改めて、当社グループとして、当社社長をはじめとする経営幹部からメッセージを発信し、経営層、管理職、新入社員など各層に合わせたコンプライアンス教育プログラムの展開、人財ローテーションの活性化、職場ごとの対話活動などを行ない、不適切行為に対して声が上がらない組織風土から、従業員一人ひとりがコンプライアンスを自分事として意識し、自律的に問題を解決できる組織風土へと変革していくことを目指して取り組んでまいります。

b. 環境保全
当社グループには、製造工程で、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い、万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら、想定外の事態が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. 人権・ダイバーシティ
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくために、事業活動全般にわたり人権を尊重した上で、多様な個性や価値観を有する人財が活躍できる組織風土の醸成を図っています。また、人権諸課題の解決に向け、人権リスクを把握し、リスク低減策を講じてモニタリングする人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、当社グループのみならず、調達先や取引先における対応状況を確認しています。併せて、多様な人財が活躍できる働き方や職場づくりに向けたダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進活動を行なうとともに、社内におけるその取り組み状況をモニタリングしています。
しかしながら、当社グループの事業活動において、人権の侵害や人権を軽視した事象が発生した場合、社会的信用の喪失、あるいはお客さまとの取引停止や損害賠償責任が発生する可能性があります。また、経営における意思決定の場に多様性が欠如した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

d. 関係会社の統制
当社グループは、グループ経営を通じてお客さまに対し高い価値を提供することに取り組んでいます。そのためには、当社グループの各社が、各国・各地域の各種法令や社会的規範に従って事業を行なうだけでなく、適切なグループ経営を推進する必要があります。しかしながら、当社グループの各社が、他に示す各種のリスクに対する不適切な対応を行なうことにより、お客さまに対する損害又は当社グループへの評価の低下を生じさせ、結果として当社グループの業績や社会的信用に対して悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 安全衛生
当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理に万全の対策を講じていますが、万一不測の事故・災害等が発生した場合には、生産活動に支障をきたし、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが、大規模な事故や災害が生じた場合、損害のすべてを保険求償できない可能性があります。

② 外部環境変化への備え
a. 競争環境と事業戦略
当社グループは、本年5月8日に公表した「中長期の方向性」の中で、2040年に向けたIHIグループとしてのありたい姿を定義しました。当社グループが技術・事業の両面で強みを発揮できる分野としてエアロスペース、エネルギー、インフラの3つの事業ドメインを定め、世界各国の経済・国家・エネルギーの安全保障に貢献することを目指していきます。

b. 他社との連携・M&A
当社グループは営業協力、技術協力、生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また、成長市場への事業展開の加速、要素技術の補完、シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし、経済環境の変化、法的規制、予期せぬ費用増加等の影響により、当初期待された効果を出せない可能性があります。また、当初期待した効果を享受できないと判断された場合は、他社との連携による共同事業の中断、解消を決断する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. カントリーリスク
当社グループは、調達・生産・輸出・販売・建設等の事業活動をグローバルに展開しています。各国・各地域の政治・経済・社会状況等の変化に起因して、国家間や各国内における紛争の拡大、テロや労働争議の発生、政情不安、デフォルト等により事業の継続が困難になるリスクや、為替取引の凍結や送金停止、及びこれらの影響を受けた取引先等に対する債権の回収不能、投資資産の接収等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対し、個別のプロジェクト単位では貿易保険の付保を徹底するほか、グループ単位では、リスク情報の収集や情報共有の体制構築・見直し、事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めています。
本項目については、足元における中東情勢の悪化、長期化するロシアによるウクライナへの軍事侵攻、米中の政治的対立や経済安全保障問題の拡大等、不確実性が一層高まっていると認識しています。

d. 経済安全保障
当社グループを取り巻く事業環境は、中東における軍事衝突や米中の政治的対立、輸出規制等による国家の経済的威圧や、関税措置等に伴う貿易環境の変化、サイバー攻撃の高度化などにより大きく変化しています。
当社グループは、社内の取引審査や取引先スクリーニングにより経済安全保障に関するリスクの軽減に努めていますが、日本を含む各国の政策や法規制に反する取引を行なった場合や、経済安全保障に関する課題への対応が不十分であった場合には、当社グループの評価や社会的信用が棄損されるおそれがあります。
加えて、複雑化する国際情勢の影響により、当社グループが輸出規制等の規制の対象となった場合には、販売機会の逸失や事業の停止、サプライチェーンの断絶が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経済安全保障に関するリスク軽減の一環としてセキュリティ強化に取り組んでおり、従来のサイバーセキュリティ対策にとどまらず、人的情報漏洩対策や物理的セキュリティ対策の強化も進めています。

e. 自然災害・疾病・紛争・テロ
当社グループは、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、地震・洪水等の激甚災害、テロ等の犯罪行為等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、規定や事業継続計画(BCP)を見直すとともに、南海トラフ地震等による広域災害も想定した訓練等を実施するほか、適切な保険を付保しています。しかし、想定規模を超える災害が発生した際には事業を適切に遂行できず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 経営リソース
a. 人財リスク
当社グループの事業基盤を維持し、将来の成長につなげていくためには、事業活動に必要な人財の獲得、定着、育成、適正配置が必要になります。外部人財の獲得や変革人財等のキーパーソンとなりうる人財の確保・育成ができなかった場合、適正な配置を実行できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 財務活動
(a)為替動向
外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし、下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼします。そのため、外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが、想定以上の為替変動が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(b)金利動向
金利が上昇した場合、当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また、財務活動において借入、又は社債発行の条件が悪化する可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(c)資金調達・格付
当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており、自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合、同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合、当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない、あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり、資金調達に悪影響を与え、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(d)保証債務等
当社グループは、事業活動を営む上で必要かつ合理的と確認したものについて、債務の保証等を行なっていますが、経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財政状態が悪化した場合、保証の履行を債権者より求められる可能性があります。
保証債務等に係る情報は、第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「41.偶発債務」に記載しています。

(e)税務
繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが、将来の課税所得の予測・仮定が変更され、繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国境をまたぐ当社グループ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局と見解の相違が生じた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(f)与信管理
当社グループは、世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており、その多くが掛売りとなっています。当社はこれに対し、グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの、重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
2023年5月に航空会社が破産申請したことにより、当社が民間向け航空エンジンの国際共同事業会社を通じて参画しているエンジンプログラムにおいて、当社が間接的に保有する営業債権の一部が回収不能となる可能性が生じました。本件を受けて、当社グループでは、債権回収リスクを低減するため債権管理の高度化に向けた取り組みを進めています。

c. 情報セキュリティ
当社グループは、技術情報及び事務管理情報並びにそれらを処理するための情報システムを、事業活動に不可欠な経営リソースの一つと認識し、情報セキュリティに関する各種規程の整備、技術的・組織的対策、従業員への教育・啓発等を通じて、情報セキュリティ対策の強化に継続的に取り組んでいます。しかしながら、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、情報機器や文書の紛失・盗難、委託先やサプライチェーンを起点としたセキュリティ事故及びシステム障害等により、情報漏洩や業務停止等の事態が発生する可能性があります。これらの事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下、損害賠償の発生、復旧対応に伴う費用の増加等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 企業活動・エンジニアリング
a. 研究開発
当社グループの研究開発活動に係る情報は、第2「事業の状況」6研究開発活動に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上、多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため、実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

b. 知的財産管理
当社グループは保有する知的財産の適切な保全に努めています。しかし、第三者による当社グループ製品・サービスの模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。
また、当社グループが将来に向けて開発している製品・サービスが、意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や、従業員の発明に対して適切な対応を取らなかったとみなされた場合に損害賠償等を求められ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

c. プロジェクト管理
当社グループは、大型プロジェクト、大型投資のいずれも、初期計画がその後の成否に大きな影響を与えると考えています。特に新規性の高い事業やしばらく実施していなかった事業の場合、初期計画による影響は顕著です。それらのことを踏まえ、受注・投資前の審査プロセス体制を整備してプロジェクトリスク管理を行なっています。
大型プロジェクトでは、個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし、契約締結後に当初想定できなかった紛争等の地政学リスクの顕在化によるエネルギー価格の高騰、資機材価格や輸送コストの急激な変動、サプライチェーンの途絶、為替相場の変動などの経済環境の変化や検討不足、予期しないトラブル、JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生、お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い、追加費用の発生等の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは、受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの、必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型投資では、投資前に採算性やリスクの観点から投資実行計画の社内審査を行なっています。しかし、投資の意思決定時に想定できなかった経済環境や市場の変化、自社やパートナーに起因するトラブル等による目標投資効率の未達や損失計上の可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
大型プロジェクト、大型投資とも、受注・投資前の審査においては、社内・外の有識者と本社の審査部門との連携による多面的・複合的なリスクレビューの実施、受注後・投資開始後においては、各事業領域のリスク管理部門とも連携しながら、当初計画どおりに進んでいるか、新たな事象やリスクへの対応がなされているかなどのモニタリングの継続・強化に取り組むなど、引き続き徹底したプロジェクトリスクマネジメントを実施していきます。

d. 調達・物流
当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で、複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日頃から情報収集や調達先との対話を通じて安定調達に努めるとともに、調達先の品質・納期等の管理を徹底し、特定の調達先への過度の集中・依存を避けるべく調達先の分散化等を進め、リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら、資機材価格の急激な変動、需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え、激甚災害や大規模な感染症の拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合、コストアップ、納期遅延等の問題が生じる可能性があります。また、人権尊重への取り組みや、サステナブルな社会を実現するためにCSR調達を推進していく過程で、調達コストが上昇する可能性があり、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

e. 設計・製造
当社グループは、各地に生産拠点を有しています。それらの拠点が所在する地域において、激甚災害、新型コロナウイルスのような大規模な感染症の拡大、国際情勢の急激な変化に伴う生産遅延・停止・サプライチェーンの途絶、あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難・電力制限などが生じ、かつその影響がBCPの想定範囲を超えた場合、それらの拠点における生産能力が損なわれ、その結果として当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

f. 品質保証
当社グループは、お客さまの満足、安全、安心を実現する製品・サービスを提供するために、お客さま要求を含む要求事項の反映や計画段階で想定されるリスクへの対応も含んだ品質マネジメントシステムを構築し品質を保証する仕組み・体制を整備しています。しかし、品質保証に関わる想定外の事態が発生した場合には、お客さまの評価や社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / リスク削除
③ 2024年から2026年までの期間に見込まれる平均の地上

前年に記載されていた「株式会社IHIにおける繰延税金資産の回収可能性」に関する監査上の主要な検討事項(KAM)が、当年は全文削除された。繰延税金資産119,535百万円の計上や、PW1100G-JM追加検査プログラムの仮定を踏まえた課税所得見積りに関する監査対応の記載がなくなり、PW1100G-JMエンジンの返金負債の見積りに関するKAMのみが残っている。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

駐機数
これらの仮定は不確実性を伴い、経営者による判断に依存する。また、仮定の状況変化が生じた場合の連結財務諸表に与える影響は大きい。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積りを検討するため、主として以下の手続を実施した。
・ 参画割合に応じた負担義務と会社のプログラムシェアを確かめるため、関連する契約書を閲覧した。
・ 疑義対象品に対する対応方針や対象部品以外での同様の問題の有無、同エンジンプログラム全体で負担すると見込んだ補償費用や追加整備費用等の見積総額、及び左記①から③の主要な仮定の合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 経営者との協議及び航空・宇宙・防衛事業領域管理部門への質問を実施した。
(2) 取締役会議事録を閲覧した。
(3) 同エンジンプログラムの取りまとめをしているInternational Aero Engines LLC(以下「IAE」)から提供された情報を閲覧した。
(4) P&W社の親会社であるRTX Corporationで開示された内容との整合性を確かめた。
・ 経営者の実施した当該返金負債の見積りプロセスの有効性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 当連結会計年度における顧客への補償の合意状況や追加整備の実施状況について、事前の見積額とその確定額を比較した。
(2) 未確定分について、事前の見積額と当連結会計年度の再見積額を比較するとともに、当連結会計年度末にIAEから提供された最新の情報を閲覧した。

株式会社IHIにおける繰延税金資産の回収可能性

監査上の主要な検討事項の
内容及び決定理由
監査上の対応
会社は、2025年3月31日現在、連結財政状態計算書上、繰延税金資産を119,535百万円(資産合計の5.3%)計上している。連結財務諸表注記「19.法人所得税」に記載のとおり、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は185,532百万円である。また、会社及び国内の100%出資子会社は、法人税及び地方法人税についてグループ通算制度を適用している。
連結財政状態計算書における繰延税金資産の主要な残高は株式会社IHIを通算親法人とした通算グループに係るものであり、その多くが株式会社IHIの将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産である。
連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおり、繰延税金資産は、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しており、課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積もっている。
会社は、民間向け航空エンジン事業で発生した出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムについての仮定や、「グループ経営方針2023」に掲げる変革実現のための各種投資と、ライフサイクルビジネスの拡大、収益基盤の強化等の施策の効果を踏まえて、2025年度以降の課税所得を見積もっている。
このうち最も重要な仮定と考えられる同プログラムについての主要な仮定は監査上の主要な検討事項「民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積り」に記載のとおり、不確実性を伴い、経営者による判断に依存する。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、株式会社IHIにおける繰延税金資産の回収可能性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。
・ 将来の課税所得の見積りの合理性を評価するため、
一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、税務の専門家を関与させるとともに、その解消見込年度のスケジューリングについて検討した。
・ 将来の課税所得の見積りについては、その基礎とな
る取締役会によって承認された事業計画との整合性を確認した。
・ 経営者の事業計画策定の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度の事業計画と当連結会計年度の実績を比較した。
・ 事業計画の策定に当たって採用された主要な仮定の
合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・ 経営者との協議及び航空・宇宙・防衛事業領域
管理部門への質問を実施した。
・ 民間向け航空エンジン事業で発生した出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの主要な仮定について、監査上の主要な検討事項「民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積り」の監査上の対応に記載の手続を実施した。
・ 将来の事業計画に一定のリスクを反映させた経営者による不確実性への評価について、過去実績からの趨勢分析を実施することにより評価した。
・ 上記の実施結果を考慮して事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来の課税所得額を監査人として独自に見積もり、会社の実施した繰延税金資産の回収可能性の判断に与える影響を検討した。

前年

駐機数
これらの仮定は不確実性を伴い、経営者による判断に依存する。また、仮定の状況変化が生じた場合の連結財務諸表に与える影響は大きい。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積りを検討するため、主として以下の手続を実施した。
・ 参画割合に応じた負担義務と会社のプログラムシェアを確かめるため、関連する契約書を閲覧した。
・ 疑義対象品に対する対応方針や対象部品以外での同様の問題の有無、同エンジンプログラム全体で負担すると見込んだ補償費用や追加整備費用等の見積総額、及び左記①から③の主要な仮定の合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 経営者との協議及び航空・宇宙・防衛事業領域管理部門への質問を実施した。
(2) 取締役会議事録を閲覧した。
(3) 同エンジンプログラムの取りまとめをしているInternational Aero Engines LLC(以下「IAE」)から提供された情報を閲覧した。
(4) P&W社の親会社であるRTX Corporationで開示された内容との整合性を確かめた。
・ 経営者の実施した当該返金負債の見積りプロセスの有効性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 当連結会計年度における顧客への補償の合意状況や追加整備の実施状況について、事前の見積額とその確定額を比較した。
(2) 未確定分について、事前の見積額と当連結会計年度の再見積額を比較するとともに、当連結会計年度末にIAEから提供された最新の情報を閲覧した。

株式会社IHIにおける繰延税金資産の回収可能性

監査上の主要な検討事項の
内容及び決定理由
監査上の対応
会社は、2025年3月31日現在、連結財政状態計算書上、繰延税金資産を119,535百万円(資産合計の5.3%)計上している。連結財務諸表注記「19.法人所得税」に記載のとおり、当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は185,532百万円である。また、会社及び国内の100%出資子会社は、法人税及び地方法人税についてグループ通算制度を適用している。
連結財政状態計算書における繰延税金資産の主要な残高は株式会社IHIを通算親法人とした通算グループに係るものであり、その多くが株式会社IHIの将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産である。
連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおり、繰延税金資産は、将来減算一時差異等を使用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しており、課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画に基づき課税所得の発生時期及び金額を見積もっている。
会社は、民間向け航空エンジン事業で発生した出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムについての仮定や、「グループ経営方針2023」に掲げる変革実現のための各種投資と、ライフサイクルビジネスの拡大、収益基盤の強化等の施策の効果を踏まえて、2025年度以降の課税所得を見積もっている。
このうち最も重要な仮定と考えられる同プログラムについての主要な仮定は監査上の主要な検討事項「民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積り」に記載のとおり、不確実性を伴い、経営者による判断に依存する。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、株式会社IHIにおける繰延税金資産の回収可能性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。
・ 将来の課税所得の見積りの合理性を評価するため、
一時差異及び税務上の繰越欠損金の残高について、税務の専門家を関与させるとともに、その解消見込年度のスケジューリングについて検討した。
・ 将来の課税所得の見積りについては、その基礎とな
る取締役会によって承認された事業計画との整合性を確認した。
・ 経営者の事業計画策定の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度の事業計画と当連結会計年度の実績を比較した。
・ 事業計画の策定に当たって採用された主要な仮定の
合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
・ 経営者との協議及び航空・宇宙・防衛事業領域
管理部門への質問を実施した。
・ 民間向け航空エンジン事業で発生した出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの主要な仮定について、監査上の主要な検討事項「民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積り」の監査上の対応に記載の手続を実施した。
・ 将来の事業計画に一定のリスクを反映させた経営者による不確実性への評価について、過去実績からの趨勢分析を実施することにより評価した。
・ 上記の実施結果を考慮して事業計画に一定の不確実性を織り込んだ場合の将来の課税所得額を監査人として独自に見積もり、会社の実施した繰延税金資産の回収可能性の判断に与える影響を検討した。

今年

駐機数
これらの仮定は不確実性を伴い、経営者による判断に依存する。また、仮定の状況変化が生じた場合の連結財務諸表に与える影響は大きい。
以上から、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、民間航空エンジン事業で参画するPW1100G-JMエンジンの追加検査プログラムに関する返金負債の見積りを検討するため、主として以下の手続を実施した。
・ 参画割合に応じた負担義務と会社のプログラムシェアを確かめるため、関連する契約書を閲覧した。
・ 疑義対象品に対する対応方針や対象部品以外での同様の問題の有無、同エンジンプログラム全体で負担すると見込んだ補償費用や追加整備費用等の見積総額、及び左記①から③の主要な仮定の合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 経営者との協議及び航空・宇宙・防衛事業領域管理部門への質問を実施した。
(2) 取締役会議事録を閲覧した。
(3) 同エンジンプログラムの取りまとめをしているInternational Aero Engines LLC(以下「IAE」)から提供された情報を閲覧した。
(4) P&W社の親会社であるRTX Corporationで開示された内容との整合性を確かめた。
・ 経営者の実施した当該返金負債の見積りプロセスの有効性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
(1) 当連結会計年度における顧客への補償の合意状況や追加整備の実施状況について、事前の見積額とその確定額を比較した。
(2) 未確定分について、事前の見積額と当連結会計年度の再見積額を比較するとともに、当連結会計年度末にIAEから提供された最新の情報を閲覧した。
重要度 2(注目)変更セグメント情報 / 内容更新

報告セグメントの事業一覧から、社会基盤の「都市開発(不動産販売・賃貸)」が削除された。また、交通システム(新潟トランシス株式会社の全株式譲渡)、コンクリート建材(株式会社IHI建材工業の全株式譲渡)、運搬機械(株式会社タダノへ譲渡)について、2025年に譲渡を行った旨の注記が追加された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行なう対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別のSBUを置き、それらを統括する事業領域を配置しています。各事業領域は、各SBUの事業戦略の実行を管理・監督し、SBUの事業戦略実行に必要な経営資源の配分を行なっています。SBUは事業領域の立案するビジョン・戦略に基づき、営業・開発・設計・生産・建設・サービスなどの一貫したビジネスプロセスを有する単位とし、SBUでの利益責任を負う事業遂行組織です。
従って、当社グループは事業領域別のセグメントから構成されており、「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域を報告セグメントとしています。上記の報告セグメントの決定に際して、集約された事業セグメントはありません。

各報告セグメントに属する主な事業、製品・サービスは以下のとおりです。

報告セグメント
主な事業、製品・サービス
資源・エネルギー・環境
原動機(陸用原動機プラント、舶用原動機)、カーボンソリューション、原子力(原子力機器)
社会基盤
橋梁・水門、交通システム(※1)、シールドシステム、コンクリート建材、都市開発(不動産販売・賃貸(※2)
産業システム・汎用機械
車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機、分離装置、舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械(※3)、物流・産業システム(物流システム、産業機械)
航空・宇宙・防衛
航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用、防衛機器システム
(※1)交通システム事業の主要な関係会社である新潟トランシス株式会社の全株式を、2025年12月30日に株式会社ジェイ・ケイ・エフへ譲渡しました。
(※2)コンクリート建材事業の主要な関係会社である株式会社IHI建材工業の全株式を、2025年10月1日に株式会社ベルテクスコーポレーションへ譲渡しました。
(※3)運搬機械事業は、2025年7月1日に株式会社タダノへ譲渡しました。

前年

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行なう対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別のSBUを置き、それらを統括する事業領域を配置しています。各事業領域は、各SBUの事業戦略の実行を管理・監督し、SBUの事業戦略実行に必要な経営資源の配分を行なっています。SBUは事業領域の立案するビジョン・戦略に基づき、営業・開発・設計・生産・建設・サービスなどの一貫したビジネスプロセスを有する単位とし、SBUでの利益責任を負う事業遂行組織です。
従って、当社グループは事業領域別のセグメントから構成されており、「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域を報告セグメントとしています。上記の報告セグメントの決定に際して、集約された事業セグメントはありません。

各報告セグメントに属する主な事業、製品・サービスは以下のとおりです。

報告セグメント
主な事業、製品・サービス
資源・エネルギー・環境
原動機(陸用原動機プラント、舶用原動機)、カーボンソリューション、原子力(原子力機器)
社会基盤
橋梁・水門、交通システム、シールドシステム、コンクリート建材、都市開発(不動産販売・賃貸)
産業システム・汎用機械
車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機、分離装置、舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械、物流・産業システム(物流システム、産業機械)
航空・宇宙・防衛
航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用、防衛機器システム

今年

当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行なう対象となっているものです。
当社グループは、製品・サービス別のSBUを置き、それらを統括する事業領域を配置しています。各事業領域は、各SBUの事業戦略の実行を管理・監督し、SBUの事業戦略実行に必要な経営資源の配分を行なっています。SBUは事業領域の立案するビジョン・戦略に基づき、営業・開発・設計・生産・建設・サービスなどの一貫したビジネスプロセスを有する単位とし、SBUでの利益責任を負う事業遂行組織です。
従って、当社グループは事業領域別のセグメントから構成されており、「資源・エネルギー・環境」「社会基盤」「産業システム・汎用機械」「航空・宇宙・防衛」の4事業領域を報告セグメントとしています。上記の報告セグメントの決定に際して、集約された事業セグメントはありません。

各報告セグメントに属する主な事業、製品・サービスは以下のとおりです。

報告セグメント
主な事業、製品・サービス
資源・エネルギー・環境
原動機(陸用原動機プラント、舶用原動機)、カーボンソリューション、原子力(原子力機器)
社会基盤
橋梁・水門、交通システム(※1)、シールドシステム、コンクリート建材(※2)
産業システム・汎用機械
車両過給機、パーキング、回転機械(圧縮機、分離装置、舶用過給機)、熱・表面処理、運搬機械(※3)、物流・産業システム(物流システム、産業機械)
航空・宇宙・防衛
航空エンジン、ロケットシステム・宇宙利用、防衛機器システム
(※1)交通システム事業の主要な関係会社である新潟トランシス株式会社の全株式を、2025年12月30日に株式会社ジェイ・ケイ・エフへ譲渡しました。
(※2)コンクリート建材事業の主要な関係会社である株式会社IHI建材工業の全株式を、2025年10月1日に株式会社ベルテクスコーポレーションへ譲渡しました。
(※3)運搬機械事業は、2025年7月1日に株式会社タダノへ譲渡しました。

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-23 15:28)

前年版がないため比較していません。