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NTT株式会社

証券コード 94320 / EDINET E04430 / 情報・通信業

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業績の推移

051015兆円2021/3期 売上高 11兆9,440億円2022/3期 売上高 12兆1,564億円2023/3期 売上高 13兆1,362億円2024/3期 売上高 13兆3,746億円2025/3期 売上高 13兆7,047億円2026/3期 売上高 14兆4,091億円2021/3期 純利益 9,162億円2022/3期 純利益 1兆1,811億円2023/3期 純利益 1兆2,131億円2024/3期 純利益 1兆2,795億円2025/3期 純利益 1兆円2026/3期 純利益 1兆370億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/3
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/311.940.92
2022/312.161.18
2023/313.141.21
2024/313.371.28
2025/313.71
2026/314.411.04

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
1,056万円(-1.2%)
女性管理職比率
12.7%(+1.1pt)
男性育休取得率
113.3%(+43.3pt)
男女賃金差異
79.1%(-2.5pt)
従業員数
2,606人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
3.44億円(前年比 +5.8%)
非監査報酬
—
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

大量保有報告は取り込まれていません

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 16 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 3,755,100株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-16 15:51)

重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 新規リスク
(3)リスクの内容及び対処策

事業成長リスクに、グループ各社の事業内容・地域が多様な中でガバナンスが意図どおり機能しない可能性という新たなリスクが追加され、対処策として内部監査・内部通報制度など具体的なガバナンス強化策が記載された。海外事業活動に関するリスクの段落は削除され、AI関連リスクにモデル開発の遅れが追加、IOWNリスクに競合他社の技術開発加速が追加されたほか、中期経営戦略の記載が2026年5月の見直し(AIOWN)に更新され、サプライチェーン強靭化の対処策も加わった。

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差分(削除 / 追加)

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであっても、NTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

○ 経営戦略に係るリスク

事業成長に関するリスク

市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が十分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、NTTグループは、活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅延などにより、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、NTTグループは、AI活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、市場やニーズの急速な変化に対して、モデル開発の遅れ、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅れ等により、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことにより、技術革新によるビジネスが拡大しないことや、IOWNを軸としたエネルギー効率化が図られないことで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことや、市場の競合他社における技術開発・ビジネス展開が加速することにより、当社の技術革新によるビジネスが拡大しない、あるいはIOWNを軸としたエネルギー効率化が図られない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。NTTグループは国内外で事業を展開しており、グループ各社の事業内容、規模、業態、地域特性等は様々です。このようなグループ構成のもと、NTTグループは、グループ全体のガバナンスの強化に努めていますが、事業内容の高度化や複雑化、海外事業や新規事業の拡大、委託先を含む事業関係の多様化等により、必ずしも意図したとおりにガバナンスが機能しない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、円滑な事業運営が阻害され、事業計画の見直しや取引関係の見直し、追加的なコストなどが発生し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、事業環境の変化を踏まえて戦略を一部見直し、2026年5月に発表した「中期的な利益成長に向けた取り組み『New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN』」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。
設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。
サプライチェーンの強靭化に向けては、供給制約や外部環境の変化による事業影響の最小化に向けた対策を検討・実施しています。また、リスク事象の発生に備え、パートナー動向に関する情報収集及び主要パートナーとの定期的なコミュニケーションを通じた課題・要望収集の運用体制確立に向けて取り組んでいます。
ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。
また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業を株式会社エヌ・ティ・ティ・データ傘下に集約し、2024年4月より、北米、EMEA・中南米、APACの3つのRegional Units、Global Technology Services、Business Solutionsの2つのGlobal Unitsの計5Unitsで構成される新オペレーティングモデルでの事業運営を本格的に開始しました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用や5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。NTTグループでは、ガバナンスの実効性向上を重要な課題の一つとして捉え、コーポレート・ガバナンス体制の強化を進めています。例えば以下の取り組みを行うことにより、グループ全体としてのガバナンスの実効性確保に努めています。
・グループ共通の方針や規程類の整備及び周知徹底
・子会社・関連会社の重要事項に関する協議・報告プロセスの明確化
・定期的及び重点的な内部監査の実施
・内部通報制度を含む不適切行為を早期に発見・把握する体制の整備
・グループ各社の事業特性・リスク特性を踏まえた管理・監督体制の整備・運用
コーポレート・ガバナンスの詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。
また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。

環境に関するリスク

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず、事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
気候変動や資源循環・自然資本等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。

お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
お客さまの新たな体験や感動創造の取り組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

従業員体験(EX)の高度化に関するリスク

情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した中期経営戦略の取り組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。情報通信及び関連する市場では、AIの急速な進展や、国際情勢を含む不確実性の高まりにより、事業環境はかつてないスピードで変化しています。企業には、自社の成長のみならず、社会や産業の持続性を支える役割が、これまで以上に求められていると考えています。また、2023年5月に発表(2026年5月一部見直し)した中期経営戦略では、国内外の法人事業や金融を中心としたスマートライフ事業におけるAIを軸とした利益成長の加速に加え、GPU・ネットワーク・電力といったリソースを最適化し、エッジを含めたオペレーションを担う、AI時代の次世代インフラ「AIOWN」への転換に向けた取り組みを進めることで、社会や産業の持続的な成長に貢献し、中長期的な企業価値の向上に努めています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業環境に係るリスク

金融市場に関するリスク

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。
また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。

偶発的な被害に関するリスク

地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

地政学に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。
また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。また、NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。

知的財産に関するリスク

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。
また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。
さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。
知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業活動に係るリスク

提供サービスの不具合に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。
これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等により、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。
システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

セキュリティインシデントに関するリスク

サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。
セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下や情報漏洩等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

広報活動に関するリスク

インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際に広報対応が遅れる、または誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。
ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

人権に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

コンプライアンスに関するリスク

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。
これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

契約締結に関するリスク

NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。

AIの不適切な利用等に関するリスク

多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、重大インシデントの防止及び確実なグループAIガバナンスの実行に向けて、AIガバナンスに関する規程類を制定しています。また、各事業会社においてAIリスクマネジメント責任者を定め、各AIプロジェクトに対するリスクの評価及びリスクヘッジのための対策をプロジェクトマネージャーとともに検討するAIマネジメントシステムを確立しています。持株会社においては、各事業会社における上記のAIマネジメントシステムが適切に運用されていることをモニタリングし、必要に応じて指導していきます。こうしたAIガバナンスを通してお客さまが安心してご利用いただけるAIサービスの提供に努めます。AIの不適切な利用等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク

NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。

日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。
政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。
スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下する、または追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。
さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制や金融ビジネス特有のリスク等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応等、金融ビジネス特有のリスクに適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応や金融ビジネス特有のリスク等に適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。

政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.28%(議決権比率35.28%)を保有しています。政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.83%(議決権比率35.83%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。

(参考情報)当社事業にかかる法規制等

前年

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

○ 経営戦略に係るリスク

事業成長に関するリスク

市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、NTTグループは、活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅延などにより、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことにより、技術革新によるビジネスが拡大しないことや、IOWNを軸としたエネルギー効率化が図られないことで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。
設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。
ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。
また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業を株式会社エヌ・ティ・ティ・データ傘下に集約し、2024年4月より、北米、EMEA・中南米、APACの3つのRegional Units、Global Technology Services、Business Solutionsの2つのGlobal Unitsの計5Unitsで構成される新オペレーティングモデルでの事業運営を本格的に開始しました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用や5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。
出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。
また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。

環境に関するリスク

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
気候変動や資源循環・自然資本等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。

お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
お客さまの新たな体験や感動創造の取り組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

従業員体験(EX)の高度化に関するリスク

情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した中期経営戦略の取り組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業環境に係るリスク

金融市場に関するリスク

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。
また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。

偶発的な被害に関するリスク

地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

地政学に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。
また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。

知的財産に関するリスク

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。
また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。
さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。
知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業活動に係るリスク

提供サービスの不具合に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。
これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。
システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

セキュリティインシデントに関するリスク

サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。
セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下や情報漏洩等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

広報活動に関するリスク

インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。
ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

人権に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

コンプライアンスに関するリスク

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。
これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

契約締結に関するリスク

NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。

AIの不適切な利用等に関するリスク

多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、重大インシデントの防止及び確実なグループAIガバナンスの実行に向けて、AIガバナンスに関する規程類を制定しています。また、各事業会社においてAIリスクマネジメント責任者を定め、各AIプロジェクトに対するリスクの評価及びリスクヘッジのための対策をプロジェクトマネージャーとともに検討するAIマネジメントシステムを確立しています。持株会社においては、各事業会社における上記のAIマネジメントシステムが適切に運用されていることをモニタリングし、必要に応じて指導していきます。こうしたAIガバナンスを通してお客さまが安心してご利用いただけるAIサービスの提供に努めます。

各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク

NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。

日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。
政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。
スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。
さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応等、金融ビジネス特有のリスクに適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。

政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.28%(議決権比率35.28%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。

(参考情報)当社事業にかかる法規制等

今年

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであっても、NTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。

○ 経営戦略に係るリスク

事業成長に関するリスク

市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が十分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、NTTグループは、AI活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、市場やニーズの急速な変化に対して、モデル開発の遅れ、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅れ等により、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことや、市場の競合他社における技術開発・ビジネス展開が加速することにより、当社の技術革新によるビジネスが拡大しない、あるいはIOWNを軸としたエネルギー効率化が図られない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
NTTグループは国内外で事業を展開しており、グループ各社の事業内容、規模、業態、地域特性等は様々です。このようなグループ構成のもと、NTTグループは、グループ全体のガバナンスの強化に努めていますが、事業内容の高度化や複雑化、海外事業や新規事業の拡大、委託先を含む事業関係の多様化等により、必ずしも意図したとおりにガバナンスが機能しない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、円滑な事業運営が阻害され、事業計画の見直しや取引関係の見直し、追加的なコストなどが発生し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、事業環境の変化を踏まえて戦略を一部見直し、2026年5月に発表した「中期的な利益成長に向けた取り組み『New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN』」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。
設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。
サプライチェーンの強靭化に向けては、供給制約や外部環境の変化による事業影響の最小化に向けた対策を検討・実施しています。また、リスク事象の発生に備え、パートナー動向に関する情報収集及び主要パートナーとの定期的なコミュニケーションを通じた課題・要望収集の運用体制確立に向けて取り組んでいます。
ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。
NTTグループでは、ガバナンスの実効性向上を重要な課題の一つとして捉え、コーポレート・ガバナンス体制の強化を進めています。例えば以下の取り組みを行うことにより、グループ全体としてのガバナンスの実効性確保に努めています。
・グループ共通の方針や規程類の整備及び周知徹底
・子会社・関連会社の重要事項に関する協議・報告プロセスの明確化
・定期的及び重点的な内部監査の実施
・内部通報制度を含む不適切行為を早期に発見・把握する体制の整備
・グループ各社の事業特性・リスク特性を踏まえた管理・監督体制の整備・運用
コーポレート・ガバナンスの詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。
また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。

環境に関するリスク

気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず、事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
気候変動や資源循環・自然資本等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。

お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク

NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
お客さまの新たな体験や感動創造の取り組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

従業員体験(EX)の高度化に関するリスク

情報通信及び関連する市場では、AIの急速な進展や、国際情勢を含む不確実性の高まりにより、事業環境はかつてないスピードで変化しています。企業には、自社の成長のみならず、社会や産業の持続性を支える役割が、これまで以上に求められていると考えています。また、2023年5月に発表(2026年5月一部見直し)した中期経営戦略では、国内外の法人事業や金融を中心としたスマートライフ事業におけるAIを軸とした利益成長の加速に加え、GPU・ネットワーク・電力といったリソースを最適化し、エッジを含めたオペレーションを担う、AI時代の次世代インフラ「AIOWN」への転換に向けた取り組みを進めることで、社会や産業の持続的な成長に貢献し、中長期的な企業価値の向上に努めています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業環境に係るリスク

金融市場に関するリスク

NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。
また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。

偶発的な被害に関するリスク

地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

地政学に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。
また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。

知的財産に関するリスク

NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。
また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。
さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。
知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

○ 事業活動に係るリスク

提供サービスの不具合に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。
これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等により、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。
システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

セキュリティインシデントに関するリスク

サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。
セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下や情報漏洩等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

広報活動に関するリスク

インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際に広報対応が遅れる、または誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。
ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

人権に関するリスク

NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。

コンプライアンスに関するリスク

NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。
これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。

契約締結に関するリスク

NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。

AIの不適切な利用等に関するリスク

多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。
AIの不適切な利用等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。

各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク

NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。

日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。
政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。
スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下する、または追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。
さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制や金融ビジネス特有のリスク等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応や金融ビジネス特有のリスク等に適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。

政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.83%(議決権比率35.83%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。
なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。

(参考情報)当社事業にかかる法規制等
重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 内容更新
(1)規制

電気通信事業法等の改正法について、前年は「施行予定」と記載していた内容の多くが2026年5月に施行された旨に更新されました。あわせて、プライスキャップ規制の廃止に伴う関連記述の削除、2025年度の交付金補填額(第一号65億円、第二号1億円)の追加、光ファイバ接続料の算定期間の2026〜2030年度への更新、会社名称変更への反映が行われています。禁止行為規制では、卸役務に関する情報の目的外利用禁止や役員・従業者の兼務禁止の範囲拡大など、施行済みの改正内容が追記されました。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。
当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。
なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布され、ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に、それ以外の改正は公布から1年以内に施行されます(施行までの間は、改正前の法令が適用されます)。
現行法および改正内容の概要は次のとおりです。なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布されました。(ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に施行予定、それ以外の改正は2026年5月に施行されました。)
現行法及び改正内容の概要は次のとおりです。

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)
電気通信事業法による規制は次のとおりです。
(a) 電気通信事業者に課される規制
a 基礎的電気通信役務の提供
・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)
基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。
・第一号基礎的電気通信役務
加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。
・第二号基礎的電気通信役務
FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービス
b 電気通信事業の開始等
・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)
ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。
・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
(2026年5月に施行された改正内容)
・登録の更新制の対象に、第一種指定電気通信設備設置事業者(NTT東日本およびNTT西日本(以下、東西地域会社)が指定)および総務大臣の指定を受けた第二種指定電気通信設備設置事業者(NTTドコモが指定)がグループ内の総務省令で定める特定電気通信事業を営む法人との間で合併や分割承継等を行った場合が追加(第12条の2)
・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)
c 利用者料金その他の提供条件の設定等
・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 消費者保護関連
電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。
(2026年5月に施行された改正内容)
・ 都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)
d 相互接続
・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)
e ユニバーサルサービス交付金制度
ユニバーサルサービス交付金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。
第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する第一種適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。
東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2023年度と2024年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、64億円となっています。東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2024年度と2025年度に認可された東西地域会社への補填額はそれぞれ64億円、65億円となっています。
第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。
東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されております。東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されており、2025年度に認可された東西地域会社への補填額は1億円となっています。
なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。
(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))
(2027年5月までに施行予定の改正内容(公布から2年以内に施行))
・同一区分の基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者がいない時に東西地域会社が最終保障電気通信事業者として基礎的電気通信役務の提供を行う最終保障提供義務へ見直し(第25条の2)
(あわせて、日本電信電話株式会社等に関する法律における電話の役務を全国あまねく提供する責務を廃止)

(b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制
(b) NTT東日本株式会社及びNTT西日本株式会社(東西地域会社)のみに課される規制
a 利用者料金その他の提供条件の設定
・指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)
第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・特定電気通信役務の料金の規制(第21条)
特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
・特定電気通信役務をプライスキャップ規制の対象外とする一方、都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)
(2026年5月に施行された改正内容)
・電報の事業に係る規程は廃止(附則第5条)
(電報については、その料金や契約約款を変更する際、総務大臣の認可が必要とされていました)

(注)
・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。
・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。
・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。

・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。
・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2023年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。
b 相互接続等
・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。

(電話接続料)
1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。
なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。
2025年度以降の接続料については、2024年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行後(2025年1月以降)はメタル収容装置とIP網を組み合わせた接続料を適用することとし、メタル収容装置等は引き続き長期増分費用方式、IP網は実際費用方式を適用することとされました。

(光ファイバ接続料)
東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。
加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2023年度から2025年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2026年度から2030年度までの5年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。
なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)
東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)
東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

c 禁止行為
東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたNTTドコモビジネス株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。
また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。
したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
(2026年5月に施行された改正内容)
・東西地域会社において、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。
・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの※)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)
・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの※)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの※)に従事させることを禁止。・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)
・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの)に従事させることを禁止。また、特定関係事業者については、東西地域会社の業務のうち、特定の業務に従事する者を、特定関係事業者の重要従業者として従事させることの禁止を追加(第31条)。
・東西地域会社と特定関係事業者との間で行う取引について、総務省令で定めるものについて、禁止することが新たに追加(第31条)。
※今後、総務省令等により、具体的内容を制定予定。

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制
a 相互接続等
・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)
株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)
株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

b 禁止行為
株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。
また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。
(注)
・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
(2026年5月に施行された改正内容)
・NTTドコモにおいて、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)
(a) 概要
1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。
なお、2025年5月に「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法(以下、「令和7年改正法」)が公布され、電話のあまねく提供責務の廃止(電気通信事業法での最終保障提供義務への見直し)や東西地域会社における業務範囲規制の見直し(県間通信業務を本来業務へ変更、目的達成業務の事後届出制への変更、活用業務に係る実施基準の届出および実施基準に対する遵守状況の事後検証制への変更)、自己設備設置義務の対象となる役務の例外(県間通信業務等)の追加、東西地域会社における合併・分割承継等の決議に係る認可制の緩和(認可が不要となる合併、分割承継等の例外追加)、重要設備譲渡認可制の対象となる設備・行為に土地・工作物および総務省令で定める処分の追加 等といった改正が行われました。
また令和7年度改正法の施行後3年後を目途として技術や利用動向、競争状況を踏まえ、引き続き、NTT法の改廃も含めてNTT、NTT東日本およびNTT西日本に係る制度の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずる旨、附則に規定されました。

(b) 目的・事業・責務
一 目的
日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。

一の二 定義
1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

(注)附則第4条第1項
日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。
(注)平成9年改正法附則第2条第1項
国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
(2026年5月に施行された改正内容)
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

前年

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。
当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。
なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布され、ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に、それ以外の改正は公布から1年以内に施行されます(施行までの間は、改正前の法令が適用されます)。
現行法および改正内容の概要は次のとおりです。

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)
電気通信事業法による規制は次のとおりです。
(a) 電気通信事業者に課される規制
a 基礎的電気通信役務の提供
・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)
基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。
・第一号基礎的電気通信役務
加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。
・第二号基礎的電気通信役務
FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービス
b 電気通信事業の開始等
・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)
ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。
・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
・登録の更新制の対象に、第一種指定電気通信設備設置事業者(NTT東日本およびNTT西日本(以下、東西地域会社)が指定)および総務大臣の指定を受けた第二種指定電気通信設備設置事業者(NTTドコモが指定)がグループ内の総務省令で定める特定電気通信事業を営む法人との間で合併や分割承継等を行った場合が追加(第12条の2)
・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)
c 利用者料金その他の提供条件の設定等
・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 消費者保護関連
電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。
d 相互接続
・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)
e ユニバーサルサービス交付金制度
ユニバーサルサービス交付金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。
第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する第一種適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。
東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2023年度と2024年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、64億円となっています。
第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。
東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されております。
なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。
(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))
・同一区分の基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者がいない時に東西地域会社が最終保障電気通信事業者として基礎的電気通信役務の提供を行う最終保障提供義務へ見直し(第25条の2)
(あわせて、日本電信電話株式会社等に関する法律における電話の役務を全国あまねく提供する責務を廃止)

(b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制
a 利用者料金その他の提供条件の設定
・指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)
第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・特定電気通信役務の料金の規制(第21条)
特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
・特定電気通信役務をプライスキャップ規制の対象外とする一方、都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)
・電報の事業に係る規程は廃止(附則第5条)
(電報については、その料金や契約約款を変更する際、総務大臣の認可が必要とされていました)

(注)
・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。
・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。
・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。

・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。
・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2023年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。
b 相互接続等
・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。

(電話接続料)
1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。
なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。
2025年度以降の接続料については、2024年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行後(2025年1月以降)はメタル収容装置とIP網を組み合わせた接続料を適用することとし、メタル収容装置等は引き続き長期増分費用方式、IP網は実際費用方式を適用することとされました。

(光ファイバ接続料)
東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。
加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2023年度から2025年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。
なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)
東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)
東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

c 禁止行為
東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。
また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。
したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
・東西地域会社において、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。
・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの※)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)
・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの※)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの※)に従事させることを禁止。また、特定関係事業者については、東西地域会社の業務のうち、特定の業務に従事する者を、特定関係事業者の重要従業者として従事させることの禁止を追加(第31条)。
・東西地域会社と特定関係事業者との間で行う取引について、総務省令で定めるものについて、禁止することが新たに追加(第31条)。
※今後、総務省令等により、具体的内容を制定予定。

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制
a 相互接続等
・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)
株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)
株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

b 禁止行為
株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。
また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。
(注)
・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。
(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
・NTTドコモにおいて、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)
(a) 概要
1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。
なお、2025年5月に「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法(以下、「令和7年改正法」)が公布され、電話のあまねく提供責務の廃止(電気通信事業法での最終保障提供義務への見直し)や東西地域会社における業務範囲規制の見直し(県間通信業務を本来業務へ変更、目的達成業務の事後届出制への変更、活用業務に係る実施基準の届出および実施基準に対する遵守状況の事後検証制への変更)、自己設備設置義務の対象となる役務の例外(県間通信業務等)の追加、東西地域会社における合併・分割承継等の決議に係る認可制の緩和(認可が不要となる合併、分割承継等の例外追加)、重要設備譲渡認可制の対象となる設備・行為に土地・工作物および総務省令で定める処分の追加 等といった改正が行われました。
また令和7年度改正法の施行後3年後を目途として技術や利用動向、競争状況を踏まえ、引き続き、NTT法の改廃も含めてNTT、NTT東日本およびNTT西日本に係る制度の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずる旨、附則に規定されました。

(b) 目的・事業・責務
一 目的
日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。

一の二 定義
1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

(注)附則第4条第1項
日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。
(注)平成9年改正法附則第2条第1項
国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

今年

情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。
当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。
なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布されました。(ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に施行予定、それ以外の改正は2026年5月に施行されました。)
現行法及び改正内容の概要は次のとおりです。

① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)
電気通信事業法による規制は次のとおりです。
(a) 電気通信事業者に課される規制
a 基礎的電気通信役務の提供
・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)
基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。
・第一号基礎的電気通信役務
加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。
・第二号基礎的電気通信役務
FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービス
b 電気通信事業の開始等
・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)
ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。
・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)
(2026年5月に施行された改正内容)
・登録の更新制の対象に、第一種指定電気通信設備設置事業者(NTT東日本およびNTT西日本(以下、東西地域会社)が指定)および総務大臣の指定を受けた第二種指定電気通信設備設置事業者(NTTドコモが指定)がグループ内の総務省令で定める特定電気通信事業を営む法人との間で合併や分割承継等を行った場合が追加(第12条の2)
・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)
c 利用者料金その他の提供条件の設定等
・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)
基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 消費者保護関連
電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。
(2026年5月に施行された改正内容)
・ 都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)
d 相互接続
・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)
e ユニバーサルサービス交付金制度
ユニバーサルサービス交付金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。
第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する第一種適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。
東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2024年度と2025年度に認可された東西地域会社への補填額はそれぞれ64億円、65億円となっています。
第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。
東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されており、2025年度に認可された東西地域会社への補填額は1億円となっています。
なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。
(2027年5月までに施行予定の改正内容(公布から2年以内に施行))
・同一区分の基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者がいない時に東西地域会社が最終保障電気通信事業者として基礎的電気通信役務の提供を行う最終保障提供義務へ見直し(第25条の2)
(あわせて、日本電信電話株式会社等に関する法律における電話の役務を全国あまねく提供する責務を廃止)

(b) NTT東日本株式会社及びNTT西日本株式会社(東西地域会社)のみに課される規制
a 利用者料金その他の提供条件の設定
・指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)
第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。

(2026年5月に施行された改正内容)
・電報の事業に係る規程は廃止(附則第5条)
(電報については、その料金や契約約款を変更する際、総務大臣の認可が必要とされていました)

(注)
・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。
・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。

b 相互接続等
・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。

(電話接続料)
1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。
なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。
2025年度以降の接続料については、2024年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行後(2025年1月以降)はメタル収容装置とIP網を組み合わせた接続料を適用することとし、メタル収容装置等は引き続き長期増分費用方式、IP網は実際費用方式を適用することとされました。

(光ファイバ接続料)
東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。
加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2026年度から2030年度までの5年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。
なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。

・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)
東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)
東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

c 禁止行為
東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたNTTドコモビジネス株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。
また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。
したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。
(2026年5月に施行された改正内容)
・東西地域会社において、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。
・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)
・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの)に従事させることを禁止。また、特定関係事業者については、東西地域会社の業務のうち、特定の業務に従事する者を、特定関係事業者の重要従業者として従事させることの禁止を追加(第31条)。
・東西地域会社と特定関係事業者との間で行う取引について、総務省令で定めるものについて、禁止することが新たに追加(第31条)。

(c) 株式会社NTTドコモに課される規制
a 相互接続等
・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)
株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。
・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)
株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。
・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)
株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。

なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。

b 禁止行為
株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。
また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。
(注)
・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。
(2026年5月に施行された改正内容)
・NTTドコモにおいて、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。

② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)
(a) 概要
1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。
なお、2025年5月に「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法(以下、「令和7年改正法」)が公布され、電話のあまねく提供責務の廃止(電気通信事業法での最終保障提供義務への見直し)や東西地域会社における業務範囲規制の見直し(県間通信業務を本来業務へ変更、目的達成業務の事後届出制への変更、活用業務に係る実施基準の届出および実施基準に対する遵守状況の事後検証制への変更)、自己設備設置義務の対象となる役務の例外(県間通信業務等)の追加、東西地域会社における合併・分割承継等の決議に係る認可制の緩和(認可が不要となる合併、分割承継等の例外追加)、重要設備譲渡認可制の対象となる設備・行為に土地・工作物および総務省令で定める処分の追加 等といった改正が行われました。
また令和7年度改正法の施行後3年後を目途として技術や利用動向、競争状況を踏まえ、引き続き、NTT法の改廃も含めてNTT、NTT東日本およびNTT西日本に係る制度の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずる旨、附則に規定されました。

(b) 目的・事業・責務
一 目的
日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。

一の二 定義
1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

(注)附則第4条第1項
日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。
(注)平成9年改正法附則第2条第1項
国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。

(2026年5月に施行された改正内容)
2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。
3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。

二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
前文

North Americaののれんの評価は引き続きKAMとして記載され、のれん総額は1,719,148百万円から2,079,718百万円、North America配分額は658,788百万円から718,405百万円へ更新され、公正価値の帳簿価額超過額は77,833百万円から74,679百万円に減少した。見積りの仮定は構造改革や米国経済に関する記述からAI領域等への成長投資による新規受注・収益性改善等に変わり、資金生成単位統合や長期金利上昇への言及は削除された。前年KAMだった通信サービスの収益認識及びポイントプログラムの契約負債の見積りの2項目は、リスク低下を理由に当年はKAMから外れた旨が追記された。

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差分(削除 / 追加)

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

なお、前連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項の一つとした「通信サービスに係る収益認識の正確性」のうち、「総合ICT事業のその他収入及び地域通信事業に含まれる通信サービスに係る収益認識の正確性」については相対的なリスクが低下したことから、当連結会計年度の連結財務諸表における監査上の主要な検討事項とはしていない。また、前連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項の一つとした「通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性」のうち、「通信サービスを主な対象とするポイントプログラムに係る契約負債の見積りの合理性」については相対的なリスクが低下したことから、当連結会計年度の連結財務諸表における監査上の主要な検討事項とはしていない。

North Americaののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん1,719,142,079,718百万円が計上されている。このうちNorth Americaの資金生成単位に配分されたのれんは、658,788718,405百万円である。なお、会社は、当連結会計年度において従来のNTT DATA Services配下の北米事業とNTT Ltd.配下の北米事業を統合し、North Americaを新たな資金生成単位としている。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるNorth Americaの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を77,8334,679百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、構造改革AI領域等への成長投資による新規受注の獲得と収益性改善の計画及び米国経済やの改善、及びITサービス産業の成長や各国経済の成長に関する予測等の仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。さらに、当連結会計年度において割引率の基礎となる長期金利が上昇しており、処分コスト控除後の公正価値に影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、 North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。

前年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

North Americaののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん1,719,148百万円が計上されている。このうちNorth Americaの資金生成単位に配分されたのれんは、658,788百万円である。なお、会社は、当連結会計年度において従来のNTT DATA Services配下の北米事業とNTT Ltd.配下の北米事業を統合し、North Americaを新たな資金生成単位としている。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるNorth Americaの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を77,833百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、構造改革による収益性改善の計画及び米国経済やITサービス産業の成長に関する予測等の仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。さらに、当連結会計年度において割引率の基礎となる長期金利が上昇しており、処分コスト控除後の公正価値に影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、 North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。

今年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
なお、前連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項の一つとした「通信サービスに係る収益認識の正確性」のうち、「総合ICT事業のその他収入及び地域通信事業に含まれる通信サービスに係る収益認識の正確性」については相対的なリスクが低下したことから、当連結会計年度の連結財務諸表における監査上の主要な検討事項とはしていない。また、前連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項の一つとした「通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性」のうち、「通信サービスを主な対象とするポイントプログラムに係る契約負債の見積りの合理性」については相対的なリスクが低下したことから、当連結会計年度の連結財務諸表における監査上の主要な検討事項とはしていない。

North Americaののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん2,079,718百万円が計上されている。このうちNorth Americaの資金生成単位に配分されたのれんは、718,405百万円である。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるNorth Americaの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を74,679百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、AI領域等への成長投資による新規受注の獲得と収益性の改善、及びITサービス産業の成長や各国経済の成長に関する予測等の仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。
以上から、当監査法人は、 North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、North Americaののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性の

Global Technology Servicesののれん評価に関するKAMで、のれん残高が1,719,148百万円から2,079,718百万円へ、同資金生成単位ののれんが377,950百万円から427,629百万円へ増加し、公正価値の帳簿価額超過額も326,156百万円から535,198百万円に拡大した。主要な仮定の記載は、構造改革による収益性改善から、第三者資本も活用した設備投資やデータセンターへの成長投資による新規受注獲得・AI領域等による収益性改善へ変更され、割引率の基礎となる長期金利上昇への言及は削除された。監査手続には、翌連結会計年度収益に対応する受注を主要顧客との契約書と突合する手続が追加された。

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差分(削除 / 追加)

評価
将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるNorth Americaの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について北米事業を管轄する最高財務責任者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、将来の事業計画に含まれるITサービス産業の成長に関する予測について、外部調査機関による当該産業に関連する将来収益の市場予測と比較した。● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、将来の事業計画に含まれる収益の成長率について、外部調査機関によるITサービス産業に関連する将来収益の市場予測と比較した。
● 将来の事業計画において見込まれている構造改革による収益性の改善効果の合理性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。● 将来の事業計画において見込まれている翌連結会計年度の収益の稼得可能性を確かめるため、直近の受注情報から翌連結会計年度の収益に対応する受注を抽出し、サンプルベースで主要な顧客等との契約書と突合した。
● 将来の事業計画において見込まれているAI領域等による収益性改善に係る仮定の適切性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、米国経済やITサービス産業の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。● 永久成長率について、ITサービス産業や米国経済の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

Global Technology Servicesののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん1,719,148百万円が計上されている。このうちGlobal Technology Servicesの資金生成単位に配分されたのれんは、377,950百万円である。なお、当連結会計年度より従来のLtd. – ServicesをGlobal Technology Servicesに名称変更している。注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん2,079,718百万円が計上されている。このうちGlobal Technology Servicesの資金生成単位に配分されたのれんは、427,629百万円である。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるGlobal Technology Servicesの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を326,156百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。当連結会計年度におけるGlobal Technology Servicesの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を535,198百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、関連するITサービス産業の成長に関する予測や設備投資による将来の収益拡大の見込み、構造改革による収益性改善といった仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。この見積りには、関連するITサービス産業の成長に関する予測や第三者資本も活用した設備投資による将来の収益拡大の見込み、データセンターへの成長投資による新規受注の獲得と収益性の改善といった仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。さらに、当連結会計年度において割引率の基礎となる長期金利が上昇しており、処分コスト控除後の公正価値に影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。

前年

評価
将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるNorth Americaの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について北米事業を管轄する最高財務責任者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、将来の事業計画に含まれるITサービス産業の成長に関する予測について、外部調査機関による当該産業に関連する将来収益の市場予測と比較した。
● 将来の事業計画において見込まれている構造改革による収益性の改善効果の合理性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、米国経済やITサービス産業の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

Global Technology Servicesののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん1,719,148百万円が計上されている。このうちGlobal Technology Servicesの資金生成単位に配分されたのれんは、377,950百万円である。なお、当連結会計年度より従来のLtd. – ServicesをGlobal Technology Servicesに名称変更している。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるGlobal Technology Servicesの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を326,156百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、関連するITサービス産業の成長に関する予測や設備投資による将来の収益拡大の見込み、構造改革による収益性改善といった仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。さらに、当連結会計年度において割引率の基礎となる長期金利が上昇しており、処分コスト控除後の公正価値に影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。

今年

評価
将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるNorth Americaの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について北米事業を管轄する最高財務責任者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、将来の事業計画に含まれる収益の成長率について、外部調査機関によるITサービス産業に関連する将来収益の市場予測と比較した。
● 将来の事業計画において見込まれている翌連結会計年度の収益の稼得可能性を確かめるため、直近の受注情報から翌連結会計年度の収益に対応する受注を抽出し、サンプルベースで主要な顧客等との契約書と突合した。
● 将来の事業計画において見込まれているAI領域等による収益性改善に係る仮定の適切性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、ITサービス産業や米国経済の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

Global Technology Servicesののれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応

注記3.7.に記載のとおり、会社の当連結会計年度末の連結財政状態計算書には、のれん2,079,718百万円が計上されている。このうちGlobal Technology Servicesの資金生成単位に配分されたのれんは、427,629百万円である。
のれんについては、減損の兆候がある場合に加え、毎連結会計年度の一定の時期に年次の減損テストを実施することが求められている。のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額がその回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。なお、回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。
当連結会計年度におけるGlobal Technology Servicesの資金生成単位に係る年次の減損テストでは、資金生成単位の回収可能価額として用いられた処分コスト控除後の公正価値が帳簿価額を535,198百万円上回ったことから、減損損失の計上は不要と判断されている。
会社は、処分コスト控除後の公正価値の評価技法として割引キャッシュ・フロー法を採用している。この方法で用いられる将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画を基礎にして、市場参加者の予想を織り込むことで見積もられる。この見積りには、関連するITサービス産業の成長に関する予測や第三者資本も活用した設備投資による将来の収益拡大の見込み、データセンターへの成長投資による新規受注の獲得と収益性の改善といった仮定が含まれており、高い不確実性を伴う。
また、割引キャッシュ・フロー法で用いられる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に際して、評価に関する高度な専門知識を必要とする。
以上から、当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、Global Technology Servicesののれんを含む資金生成単位に係る処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性を評価するために、主に以下の手続を実施した。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)処分コスト控除後の公正価値の見積りの合理性の評価

Global Technology Servicesの公正価値評価に関するKAMで、第三者資本を活用した設備投資の実行可能性、データセンターの受電容量拡張計画の分析、第三者資本活用見込みの検証手続が新たに追加され、構造改革への言及がデータセンターへの成長投資に置き換わった。収益認識のKAMは、通信サービス全般から株式会社NTTドコモのモバイル通信サービスに対象が絞られ、営業収益額や関連収益の内訳も更新された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるGlobal Technology Servicesの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について、特に設備投資の実行可能性や具体的な収益及び利益の稼得シナリオの内容を経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるGlobal Technology Servicesの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について、特に第三者資本も活用した設備投資の実行可能性や具体的な収益及び利益の稼得シナリオの内容を経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の設備投資計画に含まれる当期計画と実績の比較により、設備投資計画の実行可能性を評価した。また、データセンターの受電容量の拡張計画を入手し、設備投資計画に対して確保可能な受電容量の割合及び当該受電容量に対する将来の収益見込みの割合について、過去の実績を踏まえた分析を実施し、それぞれの合理性を検証した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、関連するITサービス産業の成長に関する予測や設備投資による将来の収益拡大の見込みの仮定について、外部調査機関による関連するITサービス産業に関する将来収益及び設備投資の市場予測と比較した。
● 将来の収益及び利益の稼得可能性の確度を評価するために、現在の顧客との契約書を入手し、長期の契約期間が収益及び利益の稼得に貢献することを確認した。● 将来の収益及び利益の稼得可能性の確度を評価するために、新規受注に係る顧客との契約書を入手し、長期の契約が収益及び利益の稼得に貢献することを確認した。
● 将来の事業計画において見込まれている構造改革による収益性の改善効果の合理性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。● 将来の事業計画において見込まれているデータセンターへの成長投資による収益性の改善効果に係る仮定の適切性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
● 第三者資本の活用による見込みについて、将来キャッシュ・フローに含まれる第三者資本の活用が見込まれる個々のデータセンターに係る計画を入手し、当該計画について、データセンターの受電容量及び収益性の実績と将来計画の比較、並びに過去の譲渡実績とその計画の比較等を実施し、その合理性を検証した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、各国経済やITサービス産業の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。● 永久成長率について、ITサービス産業や各国経済の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。加えて、割引率や第三者資本の活用を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

通信サービス及び通信端末機器販売に係る収益認識
モバイル通信サービス及び通信端末機器販売に係る収益認識

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
<通信サービスに係る収益認識の正確性>

注記2.2.に記載のとおり、会社の当連結会計年度の連結損益計算書に計上された営業収益13,704,727百万円には、以下の通信サービスに係る収益が含まれている。<株式会社NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性>

注記2.2.に記載のとおり、会社の当連結会計年度の連結損益計算書に計上された営業収益14,409,121百万円には、以下のモバイル通信サービスに係る収益が含まれている。
固定音声関連サービス
746,617百万円
移動音声関連サービス
954,287百万円
IP系・パケット通信サービス
3,396,016百万円
また、営業収益には、通信端末機器販売に係る収益852,287百万円も含まれている。
会社及びその子会社(以下「NTTグループ」と総称する。)が提供する通信サービスは、固定額の基本料金や使用量に応じた変動額のパケット通信料及び通話料等、計算構造が異なる複数の料金から構成され、これらの組合せからなる料金体系は多岐にわたり、かつ複雑である。さらに、通信サービスの取引量は非常に多く、取引の開始から料金の確定と請求に至るまでの処理も複雑であることから、収益認識のプロセスの全体がITシステムに高度に依存している。モバイル通信サービス収入
2,435,850百万円
連結子会社である株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」という。)が提供するモバイル通信サービスは、固定額の基本料金や使用量に応じた変動額のパケット通信料及び通話料等、計算構造が異なる複数の料金から構成され、これらの組合せからなる料金体系は多岐にわたり複雑である。さらに、モバイル通信サービスの取引量は非常に多く、取引の開始から料金の確定、請求及び収納に至る収益認識プロセスの全体が複数のITシステムに高度に依存しており、その処理も複雑である。
その中でも、特に以下の業務処理は複雑性が高く、プロセスに含まれる自動処理やデータ連携が適切に行われないリスクがある。
● 通話記録の作成、通信料と割引額の計算、請求額の算定、収益計上額の算定及び会計仕訳の生成に関する自動化された業務処理
● パケット通信及び通話記録の作成、パケット通信料及び通話料等と割引額の計算、契約・利用実績に対応する基本料の算定、請求額の算定、収益計上額の算定及び会計仕訳の生成に関する自動化された業務処理
● システム間のデータ連携に関する自動化された業務処理
以上から、当監査法人は、通信サービスに係る収益認識の正確性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。以上から、当監査法人は、NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、通信サービスに係る収益認識の正確性を検討するため、主に以下の手続を実施した。当監査法人は、NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検討するため、主に以下の手続を実施した。

前年

将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるGlobal Technology Servicesの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について、特に設備投資の実行可能性や具体的な収益及び利益の稼得シナリオの内容を経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、関連するITサービス産業の成長に関する予測や設備投資による将来の収益拡大の見込みの仮定について、外部調査機関による関連するITサービス産業に関する将来収益及び設備投資の市場予測と比較した。
● 将来の収益及び利益の稼得可能性の確度を評価するために、現在の顧客との契約書を入手し、長期の契約期間が収益及び利益の稼得に貢献することを確認した。
● 将来の事業計画において見込まれている構造改革による収益性の改善効果の合理性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、各国経済やITサービス産業の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

通信サービス及び通信端末機器販売に係る収益認識

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
<通信サービスに係る収益認識の正確性>

注記2.2.に記載のとおり、会社の当連結会計年度の連結損益計算書に計上された営業収益13,704,727百万円には、以下の通信サービスに係る収益が含まれている。

固定音声関連サービス
746,617百万円
移動音声関連サービス
954,287百万円
IP系・パケット通信サービス
3,396,016百万円
また、営業収益には、通信端末機器販売に係る収益852,287百万円も含まれている。
会社及びその子会社(以下「NTTグループ」と総称する。)が提供する通信サービスは、固定額の基本料金や使用量に応じた変動額のパケット通信料及び通話料等、計算構造が異なる複数の料金から構成され、これらの組合せからなる料金体系は多岐にわたり、かつ複雑である。さらに、通信サービスの取引量は非常に多く、取引の開始から料金の確定と請求に至るまでの処理も複雑であることから、収益認識のプロセスの全体がITシステムに高度に依存している。
その中でも、特に以下の業務処理は複雑性が高く、プロセスに含まれる自動処理やデータ連携が適切に行われないリスクがある。
● 通話記録の作成、通信料と割引額の計算、請求額の算定、収益計上額の算定及び会計仕訳の生成に関する自動化された業務処理
● システム間のデータ連携に関する自動化された業務処理
以上から、当監査法人は、通信サービスに係る収益認識の正確性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、通信サービスに係る収益認識の正確性を検討するため、主に以下の手続を実施した。

今年

将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となるGlobal Technology Servicesの将来の事業計画に含まれる主要な仮定の適切性を評価するため、その根拠について、特に第三者資本も活用した設備投資の実行可能性や具体的な収益及び利益の稼得シナリオの内容を経営者に対して質問するとともに、主に以下の手続を実施した。
● 過年度の設備投資計画に含まれる当期計画と実績の比較により、設備投資計画の実行可能性を評価した。また、データセンターの受電容量の拡張計画を入手し、設備投資計画に対して確保可能な受電容量の割合及び当該受電容量に対する将来の収益見込みの割合について、過去の実績を踏まえた分析を実施し、それぞれの合理性を検証した。
● 過年度の事業計画と実績との比較により見積りの精度を勘案した上で、関連するITサービス産業の成長に関する予測や設備投資による将来の収益拡大の見込みの仮定について、外部調査機関による関連するITサービス産業に関する将来収益及び設備投資の市場予測と比較した。
● 将来の収益及び利益の稼得可能性の確度を評価するために、新規受注に係る顧客との契約書を入手し、長期の契約が収益及び利益の稼得に貢献することを確認した。
● 将来の事業計画において見込まれているデータセンターへの成長投資による収益性の改善効果に係る仮定の適切性を評価するため、事業計画上の利益率を類似企業の利益率と比較した。
● 第三者資本の活用による見込みについて、将来キャッシュ・フローに含まれる第三者資本の活用が見込まれる個々のデータセンターに係る計画を入手し、当該計画について、データセンターの受電容量及び収益性の実績と将来計画の比較、並びに過去の譲渡実績とその計画の比較等を実施し、その合理性を検証した。
また、当監査法人が属する海外ネットワークファームの企業価値評価の専門家を利用し、主に以下の手続を実施した。
● 経営者が採用した評価技法及び計算手法の妥当性を評価した。
● 永久成長率について、ITサービス産業や各国経済の長期成長率及びインフレ予想との比較により妥当性を評価した。
● 割引率について、その計算手法の適切性を評価するとともに、外部データとの比較により各計算要素の妥当性を評価した。
加えて、割引率や第三者資本の活用を含む各計算要素を変動させた場合に処分コスト控除後の公正価値に与える影響を分析し、減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討した。

モバイル通信サービス及び通信端末機器販売に係る収益認識

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
<株式会社NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性>

注記2.2.に記載のとおり、会社の当連結会計年度の連結損益計算書に計上された営業収益14,409,121百万円には、以下のモバイル通信サービスに係る収益が含まれている。

モバイル通信サービス収入
2,435,850百万円
連結子会社である株式会社NTTドコモ(以下「NTTドコモ」という。)が提供するモバイル通信サービスは、固定額の基本料金や使用量に応じた変動額のパケット通信料及び通話料等、計算構造が異なる複数の料金から構成され、これらの組合せからなる料金体系は多岐にわたり複雑である。さらに、モバイル通信サービスの取引量は非常に多く、取引の開始から料金の確定、請求及び収納に至る収益認識プロセスの全体が複数のITシステムに高度に依存しており、その処理も複雑である。
その中でも、特に以下の業務処理は複雑性が高く、プロセスに含まれる自動処理やデータ連携が適切に行われないリスクがある。
● パケット通信及び通話記録の作成、パケット通信料及び通話料等と割引額の計算、契約・利用実績に対応する基本料の算定、請求額の算定、収益計上額の算定及び会計仕訳の生成に関する自動化された業務処理
● システム間のデータ連携に関する自動化された業務処理
以上から、当監査法人は、NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、NTTドコモのモバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検討するため、主に以下の手続を実施した。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(1)内部統制の評価

監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制評価の記載で、対象が「通信サービス」から「モバイル通信サービス」に限定された。自動化された業務処理統制の例示も、パケット通信料・通話料等や基本料の算定を含む表現に詳細化され、システム名が「契約管理システム、従量計算システム」から「顧客管理システム、交換機」に変更された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

モバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、当監査法人内のIT専門家を利用して、モバイル通信サービスの料金計算に係るITシステムを理解した。その上で、データの正確性、完全性及び正当性を担保するための内部統制として、以下を含む自動化された業務処理統制の整備状況及び運用状況を評価した。
● 料金計算システムにおけるパケット通信、及び通話データ及び並びに単価データに基づくパケット通信料・及び通話料等と割引額の自動計算、契約・利用実績に対応する基本料の算定並びに請求処理
● 契約顧客管理システム、従量計算システム交換機、料金計算システム、会計システム等のシステム間データインターフェース処理
加えて、自動化された業務処理統制の評価対象となるシステムについて、プログラム開発変更管理やシステム運用管理等、自動処理の一貫性を担保するための全般統制を特定し、その整備状況及び運用状況を評価した。

前年

通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、当監査法人内のIT専門家を利用して、通信サービスの料金計算に係るITシステムを理解した。その上で、データの正確性、完全性及び正当性を担保するための内部統制として、以下を含む自動化された業務処理統制の整備及び運用状況を評価した。
● 料金計算システムにおけるパケット通信、通話データ及び単価データに基づく通信料・割引額の自動計算並びに請求処理
● 契約管理システム、従量計算システム、料金計算システム、会計システム等のシステム間データインターフェース処理
加えて、自動化された業務処理統制の評価対象となるシステムについて、プログラム開発変更管理やシステム運用管理等自動処理の一貫性を担保するための全般統制を特定し、その整備及び運用状況を評価した。

今年

モバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、当監査法人内のIT専門家を利用して、モバイル通信サービスの料金計算に係るITシステムを理解した。その上で、データの正確性、完全性及び正当性を担保するための内部統制として、以下を含む自動化された業務処理統制の整備状況及び運用状況を評価した。
● 料金計算システムにおけるパケット通信及び通話データ並びに単価データに基づくパケット通信料及び通話料等と割引額の自動計算、契約・利用実績に対応する基本料の算定並びに請求処理
● 顧客管理システム、交換機、料金計算システム、会計システムのシステム間データインターフェース処理
加えて、自動化された業務処理統制の評価対象となるシステムについて、プログラム開発変更管理やシステム運用管理等、自動処理の一貫性を担保するための全般統制を特定し、その整備状況及び運用状況を評価した。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)収益認識の正確性の検証

KAMの収益認識の検証対象が「通信サービス」から「モバイル通信サービス」に絞られ、見積りの合理性の対象もNTTドコモの通信端末機器販売のみとなった。ポイントプログラムに係る契約負債の見積り(独立販売価格・ポイント失効見込み)の記載が削除され、返金負債は78,478百万円から174,199百万円に増加し、返却率の仮定に焦点が移った。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

モバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、主に以下の手続を実施した。
● 総務省が公表した全国契約数やシェアに基づいたデータ又は業務処理システムから出力された契約数と、過去からの料金推移を基礎として算定される売上高の推定値を算定した上で、実際の計上額と比較した。
● 請求額に基づき計上されたモバイル通信サービスに係る収益の額を対象として、通信サービスに含まれる各種サービスの契約単位ごとに、サンプルベースでを抽出し、契約料金プラン及び利用量データに基づいてき収益額の再計算を行った。
● 通信サービスの一部の取引抽出されたサンプルについては、契約単位ごとに、請求額に基づいて計上された収益の額を入金情報等と照合した。

<通信● 過去の料金推移及び請求額の基となる顧客管理システムから出力された契約数を基礎として一定のサービス及びごとに収益額の推定値を算定し、その結果を実際の収益計上額と比較した。

<株式会社NTTドコモの通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性>

注記2.2.に記載のとおり、NTTグループは通信サービスを主な対象とするポイントプログラムを導入しており、このポイントプログラムに係る契約負債が、契約負債残高1,002,269営業収益のうち、総合ICT事業の「端末機器、SI、その他収入」3,710,382百万円の一部を構成しには、通信端末機器販売に係る収益が含まれている。また、注記2.2.及び注記3.13.に記載のとおり、NTTグループは、ドコモは、プログラム加入者に対する通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムを提供しており、このプログラムに係る返金負債78,478174,199百万円が計上されている。
通信サービスの提供の際にポイントが付与された場合には、通信サービスに係る取引価格を、通信サービスの収益とポイントの収益に対し、それぞれの独立販売価格の比率に基づいて配分する。ポイントに配分された額のうち、未使用のポイントに係る金額は契約負債として認識され、使用に従って収益として認識される。この独立販売価格の見積りには、ポイント失効の見込みやポイントの交換対象となる商品・サービスの価値等の経営者の判断を伴う仮定が含まれている。
さらに、通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムにおいては、免除されると見込まれる額は、通信端末機器販売に係る収益を減額する形で返金負債として計上されるが、翌年度以降に重大な収益の戻入れが生じないように、返金負債を見積もる必要がある。このため、顧客プログラム加入者の当該プログラムの利用による通信端末機器の返品割合や返品時期に関する見込み等返却率の仮定については、複雑であり不確実性が伴うことから、当該仮定に対する経営者の判断が重要にとなる。
以上から、当監査法人は、通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性の評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

前年

通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、主に以下の手続を実施した。
● 総務省が公表した全国契約数やシェアに基づいたデータ又は業務処理システムから出力された契約数と、過去からの料金推移を基礎として算定される売上高の推定値を算定した上で、実際の計上額と比較した。
● 請求額に基づき計上される収益の額を対象として、通信サービスに含まれる各種サービスの契約単位ごとに、サンプルベースで契約料金プラン及び利用量データに基づいて再計算を行った。
● 通信サービスの一部の取引については、契約単位ごとに、請求額に基づいて計上された収益の額を入金情報と照合した。

<通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性>

注記2.2.に記載のとおり、NTTグループは通信サービスを主な対象とするポイントプログラムを導入しており、このポイントプログラムに係る契約負債が、契約負債残高1,002,269百万円の一部を構成している。また、注記2.2.及び注記3.13.に記載のとおり、NTTグループは、通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムを提供しており、このプログラムに係る返金負債78,478百万円が計上されている。
通信サービスの提供の際にポイントが付与された場合には、通信サービスに係る取引価格を、通信サービスの収益とポイントの収益に対し、それぞれの独立販売価格の比率に基づいて配分する。ポイントに配分された額のうち、未使用のポイントに係る金額は契約負債として認識され、使用に従って収益として認識される。この独立販売価格の見積りには、ポイント失効の見込みやポイントの交換対象となる商品・サービスの価値等の経営者の判断を伴う仮定が含まれている。
さらに、通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムにおいては、免除されると見込まれる額は、通信端末機器販売に係る収益を減額する形で返金負債として計上されるが、翌年度以降に重大な収益の戻入れが生じないように、返金負債を見積もる必要がある。このため、顧客による通信端末機器の返品割合や返品時期に関する見込み等の仮定に対する経営者の判断が重要になる。
以上から、当監査法人は、通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性の評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、通信サービス及び通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。

今年

モバイル通信サービスに係る収益認識の正確性を検証するため、主に以下の手続を実施した。
● 請求額に基づき計上されたモバイル通信サービスに係る収益の額を対象として、各種サービスの契約単位ごとにサンプルを抽出し、契約料金プラン及び利用量データに基づき収益額の再計算を行った。
● 抽出されたサンプルについては、契約単位ごとに、請求額に基づいて計上された収益の額を入金情報等と照合した。
● 過去の料金推移及び請求額の基となる顧客管理システムから出力された契約数を基礎として一定のサービスごとに収益額の推定値を算定し、その結果を実際の収益計上額と比較した。

<株式会社NTTドコモの通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性>

注記2.2.に記載のとおり、営業収益のうち、総合ICT事業の「端末機器、SI、その他収入」3,710,382百万円には、通信端末機器販売に係る収益が含まれている。また、注記2.2.及び注記3.13.に記載のとおり、NTTドコモは、プログラム加入者に対する通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムを提供しており、このプログラムに係る返金負債174,199百万円が計上されている。
通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムにおいては、免除されると見込まれる額は、通信端末機器販売に係る収益を減額する形で返金負債として計上されるが、翌年度以降に重大な収益の戻入れが生じないように、返金負債を見積もる必要がある。このため、プログラム加入者の当該プログラムの利用による返却率の仮定については、複雑であり不確実性が伴うことから、当該仮定に対する経営者の判断が重要となる。
以上から、当監査法人は、通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性の評価が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項の一つに該当すると判断した。
当監査法人は、通信端末機器販売の会計処理に含まれる見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)収益認識に係る見積りの合理性の評価

KAM「収益認識に係る見積りの合理性の評価」において、前年にあったポイントプログラムに係る契約負債の見積りに関する監査手続の記載が削除された。返金負債に関する手続も、過去実績との比較対象が「返品割合や返品時期の見込み」から「返却率」に簡素化され、仮定変動の余裕度の検討が、代替的仮定による監査人見積額と経営者見積額の差異の検討に置き換わった。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

ポイントプログラムに係る契約負債の見積りに用いられた主要な仮定の適切性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
● ポイント失効の見積りについて、過去のポイント利用実績率及び失効率と比較した。その上で、今後のポイントプログラムの施策について経営者に質問するとともに、関連する資料を閲覧することで、将来の失効に関する予測の合理性を評価した。
● 交換対象の内容を含めて、ポイントの利用状況について経営者に質問したほか、ポイントが使用される提携先との間で締結された契約又は関連資料を閲覧した。
また、通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムに関して、返金負債の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
● 返金負債の見積りの基礎となる、顧客プログラム加入者の当該プログラムの利用による通信端末機器の返品割合や返品時期の見込み返却率について、当該プログラムの過去実績及び類似する取引の過去の実績データと比較した。
● 返金負債の見積りに含まれる、翌年度以降に重大な収益の戻入れが事後的に生じないという経営者の判断に関する仮定について、経営者に質問するとともに関連資料を閲覧した。また、当該プログラムの過去の返金負債と返品利用による割賦債権の免除額を比較した上で、当該返却率に代替的な仮定を変動させた場合に戻入れの可能性に与える余裕使用した監査人見積額を設定し、経営者による見積額との差異の程度を検討することで、その合理性を評価した。

前年

ポイントプログラムに係る契約負債の見積りに用いられた主要な仮定の適切性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
● ポイント失効の見積りについて、過去のポイント利用実績率及び失効率と比較した。その上で、今後のポイントプログラムの施策について経営者に質問するとともに、関連する資料を閲覧することで、将来の失効に関する予測の合理性を評価した。
● 交換対象の内容を含めて、ポイントの利用状況について経営者に質問したほか、ポイントが使用される提携先との間で締結された契約又は関連資料を閲覧した。
また、通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムに関して、返金負債の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
● 返金負債の見積りの基礎となる、顧客による通信端末機器の返品割合や返品時期の見込みについて、当該プログラムの過去実績及び類似する取引の過去の実績データと比較した。
● 返金負債の見積りに含まれる、翌年度以降に重大な収益の戻入れが事後的に生じないという経営者の判断に関する仮定について、経営者に質問するとともに関連資料を閲覧した。また、当該プログラムの過去の返金負債と返品による割賦債権の免除額を比較した上で、当該仮定を変動させた場合に戻入れの可能性に与える余裕度を検討した。

今年

通信端末機器販売の割賦債権の一部を機器の返品を条件として免除するプログラムに関して、返金負債の見積りの合理性を評価するため、主に以下の手続を実施した。
● 返金負債の見積りの基礎となる、プログラム加入者の当該プログラムの利用による返却率について、当該プログラムの過去実績と比較した。
● 返金負債の見積りに含まれる、翌年度以降に重大な収益の戻入れが事後的に生じないという経営者の判断に関する仮定について、経営者に質問するとともに関連資料を閲覧した。また、当該プログラムの利用による返却率に代替的な仮定を使用した監査人見積額を設定し、経営者による見積額との差異の程度を検討することで、その合理性を評価した。
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務

地域電気通信業務の区域に関する記載で、会社名の表記が「東日本電信電話株式会社」「西日本電信電話株式会社」から「NTT東日本株式会社」「NTT西日本株式会社」に変更された。対象となる都道府県の範囲に変更はない。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

イ NTT東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県
ロ NTT西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県

前年

イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県
ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県

今年

イ NTT東日本株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県
ロ NTT西日本株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務

NTT法の改正内容に関する注記が、「今回の改正内容(公布から1年以内に施行)」から「2026年5月に施行された改正内容」へ更新され、改正が施行済みである旨の記載に変わった。第5項・第6項などの条文本文に変更はない。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。
6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

(今回の改正内容(公布から1年以内2026年5月に施行された改正内容。第5項のうち<>内は公布から2年以内に削除。)
二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

前年

5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。
6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

(今回の改正内容(公布から1年以内に施行。第5項のうち<>内は公布から2年以内に削除。)
二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

今年

5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。
6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。

(2026年5月に施行された改正内容。第5項のうち<>内は公布から2年以内に削除。)
二 事業
1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-20 15:30)

前年版がないため比較していません。