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三菱マテリアル株式会社

証券コード 57110 / EDINET E00021 / 非鉄金属

危険信号

重要度 1(軽微)臨時報告書2025-04-01 16:00
代表取締役の異動

臨時報告書で代表取締役の交代が開示されました。

業績の推移

00.511.52兆円2021/3期 売上高 1兆4,851億円2022/3期 売上高 1兆8,118億円2023/3期 売上高 1兆6,259億円2024/3期 売上高 1兆5,406億円2025/3期 売上高 1兆9,621億円2026/3期 売上高 1兆8,441億円2021/3期 純利益 244億円2022/3期 純利益 450億円2023/3期 純利益 203億円2024/3期 純利益 298億円2025/3期 純利益 341億円2026/3期 純利益 406億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/32025-04-01 臨時報告書:代表取締役の異動(重要度 1)
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・日本基準 · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/31.490.02
2022/31.810.05
2023/31.630.02
2024/31.540.03
2025/31.960.03
2026/31.840.04

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
733万円(+2.6%)
女性管理職比率
4.7%(+0.8pt)
男性育休取得率
81.5%(+2.0pt)
男女賃金差異
65.4%(+1.6pt)
従業員数
5,084人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
2.35億円(前年比 +14.1%)
非監査報酬
300万円(比率 1.3%)
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

提出者数
1
報告数
4
最大の保有者
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社(5.13%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 10 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 120,309株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-22 10:29)

重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 新規リスク
3.事業等のリスク

リスク項目が再編され、「コミュニケーションの活性化」「情報セキュリティの強化」「持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化」の独立項目が削除された一方、「高付加価値製品・ソリューション提供」「開発・生産技術力の強化」「デジタル戦略の強化」が新設された。中期経営戦略の対象期間が2023〜2030年度から2026〜2028年度に改められ、人的資本の発生可能性が「中」から「高」に引き上げられ、情報セキュリティはデジタル戦略に統合された。

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差分(削除 / 追加)

当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。
これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2025年6月24日現在において判断したものです。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年6月22日現在において判断したものです。

また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。

(1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大)
世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。
限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略において、強みをもとに金属資源の循環を強化し、対象範囲、展開地域、規模の拡大によりバリューチェーン全体での成長実現に取り組むこととしています。強みである、E-Scrap、家電、超硬工具等の高度なリサイクル技術による資源循環の推進と、リサイクル可能な製品の開発・提供により、資源循環を実践するとともに、欧州を中心とした地域軸での資源循環戦略を立案・実行することで、中長期的な競争力の強化につなげていきます。こうした状況を踏まえ、当社グループは、2026年度から2028年度までを対象とする中期経営戦略において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、二次原料製錬の拡大(グローバル展開)やタングステンリサイクル率の向上に取り組みます。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。

(2)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
(2)人的資本の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。中期経営戦略においては、これまでに取り組んできた「人材の価値最大化」と「共創と成長」をさらに進化させ、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を通じて当社グループの企業価値向上につなげていきます。

(3)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。
これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。
当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。
一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。

(3)人的資本の強化 (発生可能性:中、影響度:大)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、一人ひとりの従業員の価値の最大化と、多様な人材による共創と成長を生み出す基盤構築につながる人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。
また、当社は国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害(強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等)が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながる可能性があります。
このため、当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にするとともに、「人権方針」を制定し、こうしたリスクの低減に向けた取り組みを推進しています。

(4)コミュニケーションの活性化 (発生可能性:中、影響度:中)
株主、従業員、顧客、サプライヤー、地域住民、NGO、政府機関等のステークホルダーとのコミュニケーションや対話等を通じて、信頼関係を構築すること、要望や問題を理解し、企業活動に活かしていくことは、企業価値向上に欠かせない重要な取り組みです。ステークホルダーとのエンゲージメントが低下することで、適正な株価形成の妨げになるだけでなく、従業員のモチベーションやコンプライアンス意識の低下、顧客ロイヤルティの低下、ブランドの毀損などにつながる可能性があります。
当社では、株主、投資家との建設的な対話に関する方針を策定し、対話を充実させるだけではなく、各種の説明会を開催し、株主、投資家から得られた意見等は集約・分析の上、取締役会及び経営陣に対してフィードバックを行うこととしています。
従業員のエンゲージメントの向上は、従業員がその能力を最大限に発揮することにつながり、当社グループの企業価値向上につながるものと考えています。また、自由闊達なコミュニケーションができる風通しの良い組織風土を構築することがガバナンス強化、コンプライアンス違反の防止につながるという認識のもと、経営陣と従業員の直接対話の場や研修等を通じたコミュニケーションの深化を図っています。
また、顧客の多様な要望にお応えするため、当社グループでは、品質マネジメント活動の一環として、クレーム情報の分析や、顧客満足度調査を実施しています。顧客の声を真摯に受け止め、経営陣とも共有し、より良い製品とサービスの提供に向けた改善に反映しています。
加えて、当社は、「地域社会貢献活動方針」を制定し、地域での自然保護、次世代教育支援やマイノリティ支援を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等の社会における課題を解決するための貢献活動を積極的に行い、地域社会との共生に取り組んでいます。

(5)情報セキュリティの強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、情報漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
このため、ITリテラシーを含むITグローバルガバナンスの強化として、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、情報漏洩防止のためにIT資産管理を強化するとともに、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。

(6)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、SCQ課題への対応強化のために、「SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署の部長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。

S:Safety & Health(安全・健康最優先)については、グループ内の労働災害の発生状況等の分析、重点的に取り組むべき課題の抽出、具体的な施策の立案を行い、各施策の進捗の定期的な情報共有や解決策の協議等も行っています。また、安全責任者会議、安全担当者・安全指導員会議を定期的に開催し、幅広い業種を抱える当社グループ内での多様な災害情報や安全衛生活動に関する情報交換を行い、安全衛生水準の向上に取り組んでいます。さらに、従業員の健康管理を重要な経営課題と位置付け、SCQ推進本部下に健康経営推進部会を設置し、健康保持・増進に関するさまざまな取り組みを全社で実施しています。

C:Compliance & Environment (法令遵守、公正な活動、環境保全)については、コンプライアンスを、法令遵守はもとより企業倫理や社会規範を含む広い概念として捉え、ステークホルダーの期待に誠実に応えていくことと考えています。当社グループ全体のコンプライアンス体制強化に向け、国内外での研修等、さまざまな施策を通じ、グループの従業員一人ひとりのコンプライアンス意識を向上させる取り組みを継続しています。また、当社グループ内で発生したコンプライアンス違反に関する情報を、的確且つ迅速に収集・共有することにより、違反案件への適切な対応やリスクマネジメント活動及び教育・研修等への反映を通じた再発防止に繋げています。環境については、関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守した事業活動を行っています。また、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応のために、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。

Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)については、2017年11月以降の一連の品質問題の再発防止を徹底するため、品質問題に係る再発防止策の継続実施、品質振り返りの日の設定等による品質問題の風化防止、及び「攻めの品質」による規格外品を発生させない仕組みづくりを行っています。

(7)持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化 (発生可能性:中、影響度:大)
近年は、パンデミックや自然災害を含め、世界規模でサプライチェーンの混乱・途絶を招く事象が頻発しています。また、国家による希少鉱物への各種規制が、サプライチェーンを脅かすリスクとして懸念されています。銅製錬の主原料である銅精鉱は地球上での産出地域が限られており、近年では、資源保有国における自国資源保護の政策や環境意識の高まりによる開発反対運動等が増加しています。新規に開発される銅鉱山は高所や深部での採掘の必要性が高まり、品位も低下し、不純物も増加しています。そのため、クリーンな銅精鉱の安定した調達ができなければ、銅製錬所の操業に大きな支障をきたすことにつながりかねません。
さらに、資源循環の重要性が高まっており、特に、銅・金・銀・白金・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有するE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとしたリサイクル原料の集荷についても競争激化が見込まれます。当社は、独自の銅製錬プロセス「三菱連続製銅法」の技術的な優位性と高度な操業ノウハウを有し、グローバルなE-Scrap集荷体制を構築するとともに処理能力の強化を進めていますが、E-Scrapの安定した調達基盤の強化ができなければ、中経2030で掲げている資源循環の拡大が停滞する恐れがあります。製錬マージンであるTC/RCが足もとで大きく低下し、製錬事業の収益性悪化が見込まれるなかで、リサイクル原料を中心とした製錬ビジネスへのシフトや資源循環ループの早期構築を実現することは、当社グループの収益性向上にもつながります。
当社グループにおけるクリーンな銅精鉱の安定調達に向けては、30%の権益を保有するマントベルデ銅鉱山が2024年に硫化鉱の商業生産を開始したほか、20%の権益を保有するサフラナル銅鉱山は投資判断に向けた調査・分析等が進行しています。さらに、次の新規投資候補として、2023年4月にWestern Copper and Gold Corporation社への資本参加を通じてカジノ銅鉱山プロジェクトに参画しています。
また、E-Scrapビジネスの拡大を目指し、2023年3月に米国インディアナ州において新規リサイクルプラントの建設を予定している英国Exurban社へ出資しました。同社は、E-Scrapをはじめとするリサイクル原料に特化した世界初の廃棄物ゼロのリサイクルプラントの実現に取り組んでいます。これを足掛かりに米国における金属資源循環事業拡大の機会を創出し、将来的にはアジア・欧州など世界に向けた拡大も目指します。
グローバル化による経済発展の一方で、サプライチェーンが複雑化しており、調達先において、劣悪な労働環境や児童労働、強制的な立ち退きなどの人権を侵害するような行為が行われていることが把握できない可能性もあります。また、国際連合人権理事会の「ビジネスと人権に関する指導原則」や英国の現代奴隷法など、欧州各国でも人権デューデリジェンスを義務付ける法制化が進むなど、企業は人権に関するリスクマネジメントや取り組みを求められており、人権リスクは非常に重要な課題となっています。
当社グループは、原材料調達から素材・製品の開発、生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動領域において、当社グループのビジネスが直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解し、当社グループの「人権方針」「調達方針」等の実効性確保に向けた啓発活動、デューデリジェンス、救済措置の確保等の多層的な取り組みの展開や責任ある鉱物調達の認証維持(金、銀、錫、タングステン)や実践(銅、鉛)等、サプライチェーンでの人権尊重の取り組みを進めています。
加えて、予測不可能なリスクを伴うパンデミックや自然災害に対しても、オールハザード型BCPの整備等、事前の備えを進めています。
(8)DXの深化 (発生可能性:中、影響度:大)
IT、通信、エネルギーなどの分野で大きく技術が発達し、世界規模での経済環境は大きく変化し、また、デジタル化の急速な進展により、社会が大きく変わっています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループは、グローバル競争に勝ち抜くための基盤づくりとして、DX戦略(MMDX)に取り組んでおり、データとデジタル技術の活用を通じたビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱を強力に推進しています。

(9)価値創造の追求 (発生可能性:中、影響度:大)
(4)高付加価値製品・ソリューション提供 (発生可能性:高、影響度:大)
持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループは価値創造の追求に向け、収益に結び付く競争優位性を構築するべく、ものづくり力、マーケティング力と販売力を強化することで、厳しい外部環境の中においても収益を上げられるように取り組んでいます。また、社外リソースを活用した事業開発の加速、M&Aや出資等の投融資戦略を組み合わせる等、新規事業のアイデアをより早く確実に実現するための施策を展開しています。

(10)地政学、地経学リスク (発生可能性:高、影響度:大)
当社グループは、海外32の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。
当社グループが進出する国、地域等において、政情不安、国家間の紛争や一方的な侵攻、政変等の地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
また、上記リスクのほか、グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の経済情勢、予期しない政策や規制、取引先の事業戦略や商品展開の変更等も想定されます。
これらのリスクに対しては、常に情勢を注視・モニタリングし、事業戦略、海外投資等の見直しを行います。また、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。さらに、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。そのうえで、従来からのリスク低減回避策やBCPを策定し、定期的に見直していくこととしています。当社グループでは、中期経営戦略において高付加価値製品・ソリューションを提供することを掲げています。超硬製品事業においては、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションを提供していきます。電子材料事業においては、半導体、xEV、ヘルスケア領域に向けて、コンセプト・インによる高付加価値な製品とソリューションを提供し、また、ソリューション型営業の強化を進めていきます。
特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。これらに対しては、持続可能な原料調達のポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保しています。
(5)開発・生産技術力の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
経営環境が急速に変化する中、持続的成長のためには、開発・生産技術力を強化し、製品の高付加価値化や生産効率の向上を図り、市場競争力を維持・拡大していくことが不可欠です。十分な開発・生産技術力の強化ができない場合、競合他社に技術的優位性を奪われ、市場シェアの縮小や収益基盤の弱体化を招くおそれがあります。
(11)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大)
1)有利子負債
当社グループの有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)は、2025年3月期においては5,930億円、総資産に対する割合は25.0%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、中期経営戦略において、サーキュラーエコノミーとGHG削減分野を注力分野として、基盤技術の強化や新規事業・新技術の創出に取り組みます。リサイクルやGHG削減技術の基盤強化、サーキュラーエコノミーに貢献する新たなマテリアルの創出、オープンイノベーションの活用による新規事業創出の推進を進めていきます。また、自律化をベースにした現場力強化によるものづくり基盤強化、5Sマネジメント、生産性向上、品質安定化やグローバルエンジニアリング人材の育成を通じたものづくり力とエンジニアリング力の強化にも取り組みます。
このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。
(6)デジタル戦略の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループでは、AIの活用を加速し、中期経営戦略で掲げる資源循環ビジネスの拡大に向けて、MMDX(※)の効果拡大・発展を進めています。IT、通信などの分野で技術が大きく発達し、また、デジタル化の急速な進展により、世界規模で経済環境や社会が大きく変化し続けています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
2)保有資産の時価の変動
当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。そのため、グローバル標準のIT基盤やセキュリティの整備、将来に向けた人材育成を通じて、経営基盤の強化に取り組みます。

3)金属価格上昇による運転資本増加及び資本効率悪化への対応
銅をはじめとした金属価格の上昇は、鉱山配当の増加等の恩恵につながる一方で当社グループの運転資本の増加及び資本効率の悪化につながる可能性があります。※MMDX:三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション

このため、棚卸資産の圧縮等による資本効率の向上に取り組んでいます。(7)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、当社グループの行動規範を補足する指針・業務遂行上の優先順位として、SCQDE(※)を定めるとともに、SCQ課題への対応強化のために、「サステナビリティ・SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。
4)退職給付費用及び債務
従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。※業務を行ううえでの判断の優先順位であり、行動規範を補足する指針
S:Safety & Health(安全・健康最優先)、C:Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)、D:Delivery(納期厳守)、E:Earnings(適正利益)

前年

当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。
これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2025年6月24日現在において判断したものです。

また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。

(1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大)
世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。
限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略において、強みをもとに金属資源の循環を強化し、対象範囲、展開地域、規模の拡大によりバリューチェーン全体での成長実現に取り組むこととしています。強みである、E-Scrap、家電、超硬工具等の高度なリサイクル技術による資源循環の推進と、リサイクル可能な製品の開発・提供により、資源循環を実践するとともに、欧州を中心とした地域軸での資源循環戦略を立案・実行することで、中長期的な競争力の強化につなげていきます。

(2)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。
これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。
当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。
一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。

(3)人的資本の強化 (発生可能性:中、影響度:大)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、一人ひとりの従業員の価値の最大化と、多様な人材による共創と成長を生み出す基盤構築につながる人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。
また、当社は国内外に事業拠点を持ち、原材料や資材を調達するサプライヤーも多数の国や地域に及びます。自らの事業またはサプライチェーンにおいて、人権侵害(強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等)が発生した場合、生産や調達への影響に加え、当社グループの社会的信用・レピュテーションの棄損につながる可能性があります。
このため、当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」を制定し、人権尊重は事業活動の基盤となるという考えのもと、国際的に宣言されている人権の原則を尊重することを明確にするとともに、「人権方針」を制定し、こうしたリスクの低減に向けた取り組みを推進しています。

(4)コミュニケーションの活性化 (発生可能性:中、影響度:中)
株主、従業員、顧客、サプライヤー、地域住民、NGO、政府機関等のステークホルダーとのコミュニケーションや対話等を通じて、信頼関係を構築すること、要望や問題を理解し、企業活動に活かしていくことは、企業価値向上に欠かせない重要な取り組みです。ステークホルダーとのエンゲージメントが低下することで、適正な株価形成の妨げになるだけでなく、従業員のモチベーションやコンプライアンス意識の低下、顧客ロイヤルティの低下、ブランドの毀損などにつながる可能性があります。
当社では、株主、投資家との建設的な対話に関する方針を策定し、対話を充実させるだけではなく、各種の説明会を開催し、株主、投資家から得られた意見等は集約・分析の上、取締役会及び経営陣に対してフィードバックを行うこととしています。
従業員のエンゲージメントの向上は、従業員がその能力を最大限に発揮することにつながり、当社グループの企業価値向上につながるものと考えています。また、自由闊達なコミュニケーションができる風通しの良い組織風土を構築することがガバナンス強化、コンプライアンス違反の防止につながるという認識のもと、経営陣と従業員の直接対話の場や研修等を通じたコミュニケーションの深化を図っています。
また、顧客の多様な要望にお応えするため、当社グループでは、品質マネジメント活動の一環として、クレーム情報の分析や、顧客満足度調査を実施しています。顧客の声を真摯に受け止め、経営陣とも共有し、より良い製品とサービスの提供に向けた改善に反映しています。
加えて、当社は、「地域社会貢献活動方針」を制定し、地域での自然保護、次世代教育支援やマイノリティ支援を含むダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン等の社会における課題を解決するための貢献活動を積極的に行い、地域社会との共生に取り組んでいます。

(5)情報セキュリティの強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループは、情報セキュリティをリスクマネジメント上の重要課題の一つに位置付けており、特に顧客及び取引先の個人情報については最重要情報資産の一つと認識して、情報漏えいや滅失、破損のリスク低減に取り組んでいます。重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、また、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
このため、ITリテラシーを含むITグローバルガバナンスの強化として、重要な情報インフラとネットワークに関しては、適切な設備投資等を行い、機器の更新や冗長化等を適宜実施しています。更に、情報漏洩防止のためにIT資産管理を強化するとともに、セキュリティ対策を効果的に実施していくために、ガバナンス、セキュリティ向上、予兆検知・早期発見、迅速な対処の4領域毎に対策・強化を進めることでリスク低減を図っています。

(6)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、SCQ課題への対応強化のために、「SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署の部長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。

S:Safety & Health(安全・健康最優先)については、グループ内の労働災害の発生状況等の分析、重点的に取り組むべき課題の抽出、具体的な施策の立案を行い、各施策の進捗の定期的な情報共有や解決策の協議等も行っています。また、安全責任者会議、安全担当者・安全指導員会議を定期的に開催し、幅広い業種を抱える当社グループ内での多様な災害情報や安全衛生活動に関する情報交換を行い、安全衛生水準の向上に取り組んでいます。さらに、従業員の健康管理を重要な経営課題と位置付け、SCQ推進本部下に健康経営推進部会を設置し、健康保持・増進に関するさまざまな取り組みを全社で実施しています。

C:Compliance & Environment (法令遵守、公正な活動、環境保全)については、コンプライアンスを、法令遵守はもとより企業倫理や社会規範を含む広い概念として捉え、ステークホルダーの期待に誠実に応えていくことと考えています。当社グループ全体のコンプライアンス体制強化に向け、国内外での研修等、さまざまな施策を通じ、グループの従業員一人ひとりのコンプライアンス意識を向上させる取り組みを継続しています。また、当社グループ内で発生したコンプライアンス違反に関する情報を、的確且つ迅速に収集・共有することにより、違反案件への適切な対応やリスクマネジメント活動及び教育・研修等への反映を通じた再発防止に繋げています。環境については、関連法令に基づき、大気、水質、土壌等の汚染防止に努め、また、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等を遵守した事業活動を行っています。また、国内外での環境法令の厳格化が進む中、法令改正・環境基準の変更への対応のために、適用される法令の改正情報の共有、研修・教育等の徹底のほか、設備強化も含めリスクの回避・低減・移転を全社グループで進める等の施策を推進しています。

Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)については、2017年11月以降の一連の品質問題の再発防止を徹底するため、品質問題に係る再発防止策の継続実施、品質振り返りの日の設定等による品質問題の風化防止、及び「攻めの品質」による規格外品を発生させない仕組みづくりを行っています。

(7)持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化 (発生可能性:中、影響度:大)
近年は、パンデミックや自然災害を含め、世界規模でサプライチェーンの混乱・途絶を招く事象が頻発しています。また、国家による希少鉱物への各種規制が、サプライチェーンを脅かすリスクとして懸念されています。銅製錬の主原料である銅精鉱は地球上での産出地域が限られており、近年では、資源保有国における自国資源保護の政策や環境意識の高まりによる開発反対運動等が増加しています。新規に開発される銅鉱山は高所や深部での採掘の必要性が高まり、品位も低下し、不純物も増加しています。そのため、クリーンな銅精鉱の安定した調達ができなければ、銅製錬所の操業に大きな支障をきたすことにつながりかねません。
さらに、資源循環の重要性が高まっており、特に、銅・金・銀・白金・パラジウムなどの有価金属を高濃度に含有するE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとしたリサイクル原料の集荷についても競争激化が見込まれます。当社は、独自の銅製錬プロセス「三菱連続製銅法」の技術的な優位性と高度な操業ノウハウを有し、グローバルなE-Scrap集荷体制を構築するとともに処理能力の強化を進めていますが、E-Scrapの安定した調達基盤の強化ができなければ、中経2030で掲げている資源循環の拡大が停滞する恐れがあります。製錬マージンであるTC/RCが足もとで大きく低下し、製錬事業の収益性悪化が見込まれるなかで、リサイクル原料を中心とした製錬ビジネスへのシフトや資源循環ループの早期構築を実現することは、当社グループの収益性向上にもつながります。
当社グループにおけるクリーンな銅精鉱の安定調達に向けては、30%の権益を保有するマントベルデ銅鉱山が2024年に硫化鉱の商業生産を開始したほか、20%の権益を保有するサフラナル銅鉱山は投資判断に向けた調査・分析等が進行しています。さらに、次の新規投資候補として、2023年4月にWestern Copper and Gold Corporation社への資本参加を通じてカジノ銅鉱山プロジェクトに参画しています。
また、E-Scrapビジネスの拡大を目指し、2023年3月に米国インディアナ州において新規リサイクルプラントの建設を予定している英国Exurban社へ出資しました。同社は、E-Scrapをはじめとするリサイクル原料に特化した世界初の廃棄物ゼロのリサイクルプラントの実現に取り組んでいます。これを足掛かりに米国における金属資源循環事業拡大の機会を創出し、将来的にはアジア・欧州など世界に向けた拡大も目指します。
グローバル化による経済発展の一方で、サプライチェーンが複雑化しており、調達先において、劣悪な労働環境や児童労働、強制的な立ち退きなどの人権を侵害するような行為が行われていることが把握できない可能性もあります。また、国際連合人権理事会の「ビジネスと人権に関する指導原則」や英国の現代奴隷法など、欧州各国でも人権デューデリジェンスを義務付ける法制化が進むなど、企業は人権に関するリスクマネジメントや取り組みを求められており、人権リスクは非常に重要な課題となっています。
当社グループは、原材料調達から素材・製品の開発、生産、流通、消費、廃棄そして再資源化を含むすべての事業活動領域において、当社グループのビジネスが直接または間接的に人権に影響を及ぼす可能性があることを理解し、当社グループの「人権方針」「調達方針」等の実効性確保に向けた啓発活動、デューデリジェンス、救済措置の確保等の多層的な取り組みの展開や責任ある鉱物調達の認証維持(金、銀、錫、タングステン)や実践(銅、鉛)等、サプライチェーンでの人権尊重の取り組みを進めています。
加えて、予測不可能なリスクを伴うパンデミックや自然災害に対しても、オールハザード型BCPの整備等、事前の備えを進めています。
(8)DXの深化 (発生可能性:中、影響度:大)
IT、通信、エネルギーなどの分野で大きく技術が発達し、世界規模での経済環境は大きく変化し、また、デジタル化の急速な進展により、社会が大きく変わっています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループは、グローバル競争に勝ち抜くための基盤づくりとして、DX戦略(MMDX)に取り組んでおり、データとデジタル技術の活用を通じたビジネス付加価値向上、オペレーション競争力向上、経営スピード向上の3本柱を強力に推進しています。

(9)価値創造の追求 (発生可能性:中、影響度:大)
持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループは価値創造の追求に向け、収益に結び付く競争優位性を構築するべく、ものづくり力、マーケティング力と販売力を強化することで、厳しい外部環境の中においても収益を上げられるように取り組んでいます。また、社外リソースを活用した事業開発の加速、M&Aや出資等の投融資戦略を組み合わせる等、新規事業のアイデアをより早く確実に実現するための施策を展開しています。

(10)地政学、地経学リスク (発生可能性:高、影響度:大)
当社グループは、海外32の国・地域に生産及び販売拠点等を有し、海外事業は当社グループの事業成長の重要な基盤と位置付けています。
当社グループが進出する国、地域等において、政情不安、国家間の紛争や一方的な侵攻、政変等の地政学リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。
また、上記リスクのほか、グローバルな事業展開に関するリスクとして、各国・地域の経済情勢、予期しない政策や規制、取引先の事業戦略や商品展開の変更等も想定されます。
これらのリスクに対しては、常に情勢を注視・モニタリングし、事業戦略、海外投資等の見直しを行います。また、現地拠点からの情報共有や各事業間の連携により、これら情勢の変化に適切に対応しています。さらに、海外における法的規制等個別のカントリーリスクに関する情報収集とグループ内の共有、周知に努めています。そのうえで、従来からのリスク低減回避策やBCPを策定し、定期的に見直していくこととしています。
特に、金属事業においては、銅生産国における国家や地方政府による資源事業への介入、銅精鉱の世界的な需給バランスの変動、銅精鉱の品位低下等、当社グループの管理が及ばない事象による影響を受けるリスクがあります。これらに対しては、持続可能な原料調達のポートフォリオの形成の一環として、銅精鉱買鉱先の国・地域の分散、効果的な優良鉱山プロジェクトへの投資を推進しつつ、一方でE-Scrap(各種電子機器類の廃基板)をはじめとするリサイクル原料を積極的に利用することで、原料を安定的に確保しています。

(11)財務リスク (発生可能性:中、影響度:大)
1)有利子負債
当社グループの有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債、長期借入金の合計額。注記なき場合は以下同様)は、2025年3月期においては5,930億円、総資産に対する割合は25.0%となっています。棚卸資産圧縮、資産売却等により財務体質改善に努めていますが、今後の金融情勢の変化により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、有利子負債残高及びネットD/Eレシオを適切な水準に維持し、多様な資金調達方法の確保、適時適切な資金調達を実施し、調達コストの低減に努めています。また、グループ各社における余剰資金の一元管理を図るためのキャッシュマネジメントシステムの導入等により、資金効率の向上に努めています。

2)保有資産の時価の変動
当社グループが保有する有価証券、土地、その他資産の時価の変動等が、その業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、有価証券に関しては、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。また、固定資産の減損に関しては、遊休地の売却を進めるとともに、事業用資産については、適宜不動産鑑定を取得するなどし、減損の兆候の有無について確認しています。

3)金属価格上昇による運転資本増加及び資本効率悪化への対応
銅をはじめとした金属価格の上昇は、鉱山配当の増加等の恩恵につながる一方で当社グループの運転資本の増加及び資本効率の悪化につながる可能性があります。
このため、棚卸資産の圧縮等による資本効率の向上に取り組んでいます。

4)退職給付費用及び債務
従業員の退職給付費用及び債務は主に数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しています。これらの前提条件は、従業員の平均残存勤務期間や日本国債の長期利回り、更に信託拠出株式を含む年金資産運用状況を勘案したものですが、割引率の低下や年金資産運用によって発生した損失が、将来の当社グループの費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
このため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度の導入や、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。

今年

当社グループは、当社グループそのものが持続可能であり続けるという「自社のサステナビリティ」とともに、事業活動を通して環境や社会を持続可能なものにしていくという「環境・社会のサステナビリティ」の両面を実現するために、サステナビリティ課題を特定しています。サステナビリティ課題に適切に対応していくことで、経済的価値と社会的価値の両立による企業価値の向上、及び当社グループにおける様々なリスクの低減につながると考えています。
これを踏まえて、当社グループの経営陣が、当社グループのサステナビリティ課題及びそれに関連する主要なリスクとして認識している事項は、以下のとおりです。
なお、以下の内容は、当社グループの全てのリスクを網羅するものではありません。本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は2026年6月22日現在において判断したものです。

また、当社グループのサステナビリティに関するガバナンスやリスク管理の考え方等については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理に関する事項」をご参照下さい。

(1)資源循環の推進 (発生可能性:高、影響度:大)
世界的な人口増加・経済成長に伴い、資源・エネルギー消費量等の増大や廃棄物量の増加、地球温暖化をはじめとする環境問題は深刻度を増しています。今後、大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルは立ち行かなくなる可能性があり、資源枯渇を含む原材料の調達リスク、廃棄物処理の困難性が増大することが考えられます。
限りある資源を消費し続ける社会から、廃棄物の発生を抑制するとともに、資源を循環させて有効活用する社会への移行が求められるなか、当社グループの各事業においても資源循環を推進していかなければ、成長機会の逸失や産業界からの排除のリスクにつながりかねません。
こうした状況を踏まえ、当社グループは、2026年度から2028年度までを対象とする中期経営戦略において、「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」という基本方針を掲げ、二次原料製錬の拡大(グローバル展開)やタングステンリサイクル率の向上に取り組みます。資源循環ビジネスを通じ、限りある資源を最大限に活用、廃棄物を新たな価値へと転換することで、環境負荷の低減と経済的価値の両立を目指します。

(2)人的資本の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリア・働き方に対するニーズの多様化により、人材の確保や中長期的な専門人材の育成が困難になってきています。海外への事業展開を強化するにあたっては、公平性を担保し、文化や価値観の多様性を認めながら個々の個性を尊重し、協働することが求められています。
このようななか、柔軟な働き方を支援する施策や人事制度等の設計・運用が不十分である場合、従業員エンゲージメントの低下や企業成長に必要な人材を確保することが困難となる可能性があります。
当社では、「人こそが新しい価値を創造し、当社グループの持続的成長の源泉である」という考えのもと、人材を資源やコストではなく資本として捉え、人事施策を通じて人的資本の強化を行っています。中期経営戦略においては、これまでに取り組んできた「人材の価値最大化」と「共創と成長」をさらに進化させ、「戦略的人材の採用・育成・配置」、「生産性と資本効率を高める変革」、「共創と成長を生み出す基盤づくり」を通じて当社グループの企業価値向上につなげていきます。

(3)地球環境問題対応の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
気候変動に関しては、全世界的にカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、日本を含む多くの国で2050年のカーボンニュートラル実現への取り組みが宣言されています。気候変動に対する政策及び法規制が強化され、炭素価格制度(排出権取引制度や炭素税)が導入、強化された場合など、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量に応じたコストが発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、カーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、エネルギー分野では、再生可能エネルギーの積極的な活用も求められており、このような事業拡大の機会を逃すことで、当社グループの成長機会を逸失する可能性があります。
これらに加えて、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させるネイチャーポジティブの取り組みへの注目も高まっており、自然環境に配慮した事業活動が求められています。
当社グループでは、2045年度のカーボンニュートラル実現という目標を掲げ、2030年度に向けたGHG削減目標においては、省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの使用を拡大することにより、当社グループの事業活動により排出されるGHGの削減に取り組んでいます。また、当社グループ製品の市場競争力を向上するため、製造プロセスの改善や環境配慮型製品の開発、CO2回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)など環境負荷を低減する技術開発を推進しています。
一方、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大することが予想され、ビジネス機会が増大すると想定しています。当社グループでは、脱炭素化に貢献する素材・製品・技術の開発、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・利用に関する実証試験・技術開発の推進、保有する山林の保全活動等に取り組んでいます。

(4)高付加価値製品・ソリューション提供 (発生可能性:高、影響度:大)
持続的な企業価値向上にむけた競争力を高めるためには、コスト削減や人件費削減などによる一時的な利益率の向上ではなく、長期目線で競争力のある事業に経営資源を集中させることや技術革新による事業・製品を生み出していくことが必要となります。中長期的な成長投資を含む価値創造の追求を推進していかなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
当社グループでは、中期経営戦略において高付加価値製品・ソリューションを提供することを掲げています。超硬製品事業においては、航空・宇宙・医療・半導体分野に、より高付加価値な製品とソリューションを提供していきます。電子材料事業においては、半導体、xEV、ヘルスケア領域に向けて、コンセプト・インによる高付加価値な製品とソリューションを提供し、また、ソリューション型営業の強化を進めていきます。

(5)開発・生産技術力の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
経営環境が急速に変化する中、持続的成長のためには、開発・生産技術力を強化し、製品の高付加価値化や生産効率の向上を図り、市場競争力を維持・拡大していくことが不可欠です。十分な開発・生産技術力の強化ができない場合、競合他社に技術的優位性を奪われ、市場シェアの縮小や収益基盤の弱体化を招くおそれがあります。
当社グループは、中期経営戦略において、サーキュラーエコノミーとGHG削減分野を注力分野として、基盤技術の強化や新規事業・新技術の創出に取り組みます。リサイクルやGHG削減技術の基盤強化、サーキュラーエコノミーに貢献する新たなマテリアルの創出、オープンイノベーションの活用による新規事業創出の推進を進めていきます。また、自律化をベースにした現場力強化によるものづくり基盤強化、5Sマネジメント、生産性向上、品質安定化やグローバルエンジニアリング人材の育成を通じたものづくり力とエンジニアリング力の強化にも取り組みます。

(6)デジタル戦略の強化 (発生可能性:高、影響度:中)
当社グループでは、AIの活用を加速し、中期経営戦略で掲げる資源循環ビジネスの拡大に向けて、MMDX(※)の効果拡大・発展を進めています。IT、通信などの分野で技術が大きく発達し、また、デジタル化の急速な進展により、世界規模で経済環境や社会が大きく変化し続けています。このような中で事業活動を行い、企業価値を向上するにはデジタル技術の活用が必須となっています。アナログ業務をIT化するだけでなく、ビジネス変革につなげることができなければ、企業としての競争力が損なわれる可能性があります。
また、重要な情報インフラとネットワークの故障、サイバー攻撃(サイバーテロ)等の不測の事態、情報の不正持ち出し、コンピュータシステムの不備や管理不十分、コンピュータウイルスや不正ソフトの関与による個人情報等の漏えいが発生した場合は、社会的信用の失墜等につながる可能性があります。
そのため、グローバル標準のIT基盤やセキュリティの整備、将来に向けた人材育成を通じて、経営基盤の強化に取り組みます。

※MMDX:三菱マテリアル・デジタル・ビジネス・トランスフォーメーション

(7)SCQ課題への対応強化 (発生可能性:高、影響度:大)
利益(E)だけを追求し、製造現場の安全・健康(S)を軽視し、法令遵守・環境保全(C)を怠り、基準に満たない品質の製品(Q)の供給を行った場合、法的な制裁だけでなく、社会的な信用の低下により、企業価値の低下につながる可能性があります。
当社グループは、当社グループの行動規範を補足する指針・業務遂行上の優先順位として、SCQDE(※)を定めるとともに、SCQ課題への対応強化のために、「サステナビリティ・SCQ推進本部」(本部長:執行役社長)を設置し、関係部署長等で構成する部会を設け、「安全・健康」「コンプライアンス遵守」「品質」などの企業活動の根幹となる部分に集中して取り組みを進めています。

※業務を行ううえでの判断の優先順位であり、行動規範を補足する指針
S:Safety & Health(安全・健康最優先)、C:Compliance & Environment(法令遵守、公正な活動、環境保全)、Q:Quality(「顧客」に提供する製品・サービス等の品質)、D:Delivery(納期厳守)、E:Earnings(適正利益)
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
前文

HCS社に関するKAMの対象が、前年の「株式取得に係る企業価値算定の妥当性」から、当年は「のれんの評価における将来キャッシュ・フロー見積りの妥当性」へ変更された。取得原価の配分が完了しのれんは27,319百万円(暫定)から19,191百万円となり、のれんに減損の兆候があると判断して割引前将来キャッシュ・フローによる減損認識の要否判定を行っている旨が記載されている。事業計画の重要な仮定として、欧米拠点のスクラップ利用率増加に伴う原価低減や将来の中国での販売数量増加が挙げられている。

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監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

エイチ・シー・スタルク・ホールディング社の株式取得に係る企業価値算定のれんの評価における将来キャッシュ・フロー見積りの妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
注記事項「(企業結合等関係)重要な会計上の見積り)1.固定資産の減損」に記載されているとおり、会社は連結子会社である三菱マテリアルヨーロッパ社を通じて2024年12月17日付で、タングステン事業を営むエイチ・シー・スタルク・ホールディング社(以下「HCS社」という。)の全株式を21,197百万円で取得し、これに伴う前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていたが、当連結会計年度において取得原価の配分を完了した。この結果、当連結会計年度末時点で連結貸借対照表にのれんを27,31919,191百万円計上しが計上されている。
会社は、みなし取得日である2024年12月31日時点におけるHCS社の連結財務諸表について、外部の専門家を利用して識別可能な資産及び負債の時価を算定し、これを基礎として、当該資産及び負債に対して取得原価の配分を行い、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過金額をのれんとして認識することとなる。
当連結会計年度末時点では識別可能な資産及び負債の特定並びに時価の算定が未了でありした。会社は、取得原価の配分が完了していないため、会社は当連結会計年度末時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っている。
会社はHCS社の株式取得にあたり、外部専門家を利用して各種デューデリジェンスを実施うち当該のれんを含む無形資産に配分された金額が相対的に多額であるため、のれんに減損の兆候が存在するとともに、HCS社の事業計画に基づく判断し、割引前将来キャッシュ・フローをの総額と帳簿価額を比較することで、減損損失の認識の要否を判定している。
減損損失の認識要否に用いたディスカウント・将来キャッシュ・フロー法とマルチプル法の組み合わせの見積は、経営者により企業価値を算定し、株式取得価額決定の基礎算定されたHCS社の事業計画を前提としている。
HCS社の事業計画には、欧米の製造拠点におけるタングステン生産におけるスクラップ利用率の増加や生産の効率化によるそれに伴う原価低減、三菱マテリアルグループのバリューチェーンを活用することによるシナジー効果将来の中国における販売数量の増加等の重要な仮定が含まれており、経営者の判断により影響を受ける。また、割引率の見積りには高度な専門知識を必要とする。
本企業結合は金額的に重要不確実性が高く、当該規模の企業結合取引は経常的に発生するものではない。また、事業計画に含まれる仮定や適用する割引率にその予測は経営者の見積りや判断が伴う。さらに、株式取得価額決定の基礎とした企業価値は、翌連結会計年度において完了する識別可能な資産及び負債に対する取得原価の配分及びその結果として算定されるのれんの計上額に重要な判断により影響を与え受ける。
以上からより、当監査法人は、HCS社の株式取得に係る企業価値算定ののれんの評価における将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、HCS社の株式取得に係る企業価値算定のれんの評価における将来キャッシュ・フロー見積りの妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。これには、HCS社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め実施した監査手続が含まれる。

前年

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

エイチ・シー・スタルク・ホールディング社の株式取得に係る企業価値算定の妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
注記事項「(企業結合等関係)」に記載されているとおり、会社は連結子会社である三菱マテリアルヨーロッパ社を通じて2024年12月17日付で、タングステン事業を営むエイチ・シー・スタルク・ホールディング社(以下「HCS社」という。)の全株式を21,197百万円で取得し、これに伴うのれんを27,319百万円計上している。
会社は、みなし取得日である2024年12月31日時点におけるHCS社の連結財務諸表について、識別可能な資産及び負債の時価を基礎として、当該資産及び負債に対して取得原価の配分を行い、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る場合、その超過額をのれんとして認識することとなる。
当連結会計年度末時点では識別可能な資産及び負債の特定並びに時価の算定が未了であり取得原価の配分が完了していないため、会社は当連結会計年度末時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っている。
会社はHCS社の株式取得にあたり、外部専門家を利用して各種デューデリジェンスを実施するとともに、HCS社の事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを用いたディスカウント・キャッシュ・フロー法とマルチプル法の組み合わせにより企業価値を算定し、株式取得価額決定の基礎としている。
HCS社の事業計画には、タングステン生産におけるスクラップ利用率の増加や生産の効率化による原価低減、三菱マテリアルグループのバリューチェーンを活用することによるシナジー効果等の重要な仮定が含まれており、経営者の判断により影響を受ける。また、割引率の見積りには高度な専門知識を必要とする。
本企業結合は金額的に重要性が高く、当該規模の企業結合取引は経常的に発生するものではない。また、事業計画に含まれる仮定や適用する割引率には経営者の見積りや判断が伴う。さらに、株式取得価額決定の基礎とした企業価値は、翌連結会計年度において完了する識別可能な資産及び負債に対する取得原価の配分及びその結果として算定されるのれんの計上額に重要な影響を与える。
以上から、当監査法人は、HCS社の株式取得に係る企業価値算定の妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、HCS社の株式取得に係る企業価値算定の妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。これには、HCS社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め実施した監査手続が含まれる。

今年

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

エイチ・シー・スタルク・ホールディング社ののれんの評価における将来キャッシュ・フロー見積りの妥当性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
注記事項「(重要な会計上の見積り)1.固定資産の減損」に記載されているとおり、会社は2024年12月17日付で、エイチ・シー・スタルク・ホールディング社(以下「HCS社」という。)の全株式を21,197百万円で取得し、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っていたが、当連結会計年度において取得原価の配分を完了した。この結果、当連結会計年度末時点で連結貸借対照表にのれん19,191百万円が計上されている。
会社は、みなし取得日である2024年12月31日時点におけるHCS社の財務諸表について、外部の専門家を利用して識別可能な資産及び負債の時価を算定し、これを基礎として当該資産及び負債に対して取得原価の配分を行い、取得原価が識別可能な資産及び負債に配分された純額を上回る金額をのれんとして認識した。会社は、取得原価のうち当該のれんを含む無形資産に配分された金額が相対的に多額であるため、のれんに減損の兆候が存在すると判断し、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することで、減損損失の認識の要否を判定している。
減損損失の認識要否に用いた将来キャッシュ・フローの見積は、経営者により算定されたHCS社の事業計画を前提としている。HCS社の事業計画には、欧米の製造拠点におけるタングステン生産におけるスクラップ利用率の増加やそれに伴う原価低減、将来の中国における販売数量の増加等の重要な仮定が含まれており、不確実性が高く、その予測は経営者の判断により影響を受ける。
以上より、当監査法人は、HCS社ののれんの評価における将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、HCS社ののれんの評価における将来キャッシュ・フロー見積りの妥当性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。これには、HCS社の監査人を関与させ、同監査人への指揮、監督及びその作業の査閲を含め実施した監査手続が含まれる。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(1)内部統制の評価

監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価手続の記載が変更された。前年は固定資産の評価に関する内部統制の運用状況の有効性評価であったが、今年は事業計画の仮定の検討やのれんの減損要否の決定等に係る内部統制の整備状況の評価となり、焦点も減損損失の認識判定および割引前将来キャッシュ・フローの見積りプロセスの統制に変わった。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

固定資産の評価に関連す事業計画に含まれる仮定の検討、のれんの減損要否の決定等に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性状況を評価した。評価にあたっては、特に減損損失の認識の判定プロセス及びその判定に影響する割引前将来キャッシュ・フローの見積りにおいて不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するためのプロセスに関する統制に焦点を当てた。

前年

固定資産の評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては、特に将来キャッシュ・フローの見積りにおいて不合理な仮定が採用されることを防止又は発見するための統制に焦点を当てた。

今年

事業計画に含まれる仮定の検討、のれんの減損要否の決定等に係る内部統制の整備状況を評価した。評価にあたっては、特に減損損失の認識の判定プロセス及びその判定に影響する割引前将来キャッシュ・フローの見積りプロセスに関する統制に焦点を当てた。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新
(2)将来キャッシュ・フローの合理性の評価

KAMの将来キャッシュ・フローの合理性評価に関する監査手続の記載が全面的に差し替えられた。前年は予算・中期経営計画の閲覧、需要見通しの外部データ照合、割引率の評価専門家の関与等が中心だったが、今年は取締役会等の議事録の閲覧、タングステン生産におけるスクラップ利用率の増加と原価低減などの重要な仮定の検証、スクラップ回収量・販売量に関する感応度分析が記載されている。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

●経営者により承認された予算及び中期経営計画を閲覧するとともに経営者へ質問した。また、過年度における予算と実績の比較分析を実施した。
●販売数量予測の合理性を検討重要な仮定を理解するため、将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした製品の需要見通しなる事業内容及び事業環境等について、外部機関が公表しているデータとの整合性を確かめた。
●製造原価の想定の合理性を検討するため、過年度実績データを利用した趨勢分析を実施し経営者への質問を行った。
●販売数量の予測、製造原価の想定等の当該重要な仮定について、将来の不確実性を考慮した将来キャッシュ・フローの十分性の判定を行うため、感応度分析を実施した。
●将来キャッシュ・フローの見積り期間のの合理性を検討するため、主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。
●経済的残存使用年数経過時点における当該資産グループの構成資産の正味売却価額の算定基礎に含まれる不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額を検討評価するため、当監査法人が属するネットワークファームの評価の専門家を関与させ、その評価技法、評価結果を検討した。
●割引率について、当監査法人が属するネットワークファームの評価の専門家を関与させ取締役会をはじめとする各種重要会議体における議事録を閲覧し、経営者の採用した割引率の算定方法の適切性の評価及び評価専門家が独自の見積りへの質問により算出した割引率と経営者が採用した割引率との比較を実施した。

ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
注記事項「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、会社の連結貸借対照表に計上されているのれん32,823百万円には、高機能製品セグメントに属する連結子会社であり、銅加工品の製造・販売を行うルバタ社で計上されているのれん5,075百万円が含まれている。こののれんは、2017年5月に会社が連結子会社のMMC カッパープロダクツ社(現ルバタ社)を通じて、ルバタ・ポリ社を中核とするルバタ Special Products 事業(以下「ルバタグループ」という。)の持分を取得した際に生じたものである。
ルバタ社は国際財務報告基準を適用しており、のれんを含む資金生成単位グループについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストが実施され、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。当連結会計年度においてルバタ社は、減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため減損損失1,135百万円を計上得られた回答内容との整合性を確かめるとともに、外部データ等の観察可能な情報と比較を行った。特に、タングステン生産におけるスクラップ利用率の増加とそれに伴う原価低減、将来の販売数量等の重要な仮定について、外部機関が公表している。
ルバタ社はのれんの減損テストにおける回収可能価額として使用価値を用いている。当該使用価値の算定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者により承認されたルバタグループの中期経営計画を基礎として見積もられる。ルバタグループの中期経営計画には、ルバタグループの製品が対象とする自動車及び、医療向けMRI等の市場の今後の成長率、電気自動車向けを含む拡販施策によるマーケットシェアの拡大見込み、顧客との商談の状況を踏まえた製品今後の市場環境の予測との整合性を確かめるとともに、過年度の業績との比較及び経営者等への質問や議事録等の資料を閲覧し、その合理性を検討した。
●スクラップ利用率の増加の前提となるスクラップの回収量や将来の販売数量及び販売価格等の量等に関する重要な仮定が用いられている。ルバタグループの業績は、半導体市況の低迷や、物流費、人件費及びエネルギーコストの高騰等の影響で将来の見通しの不確実性が高まっている。そのため、これらに係る経営者による判断がについて、合理的に起こりうる変化により、割引前将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
また、ルバタグループ各社が所在する国の政策金利が高い水準で推移している状況にあり、使用価値の算定に用いる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。
以上から、当監査法人は、ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理が帳簿価額を下回る可能性を評価するため、主として以下の監査手続感応度分析を実施した。これには、連結子会社の監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。

前年

●経営者により承認された予算及び中期経営計画を閲覧するとともに経営者へ質問した。また、過年度における予算と実績の比較分析を実施した。
●販売数量予測の合理性を検討するため、将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした製品の需要見通しについて、外部機関が公表しているデータとの整合性を確かめた。
●製造原価の想定の合理性を検討するため、過年度実績データを利用した趨勢分析を実施した。
●販売数量の予測、製造原価の想定等の重要な仮定について、将来の不確実性を考慮した将来キャッシュ・フローの十分性の判定を行うため、感応度分析を実施した。
●将来キャッシュ・フローの見積り期間の合理性を検討するため、主要な資産の経済的残存使用年数と比較した。
●経済的残存使用年数経過時点における当該資産グループの構成資産の正味売却価額の算定基礎に含まれる不動産鑑定評価基準に基づく鑑定評価額を検討するため、当監査法人が属するネットワークファームの評価の専門家を関与させ、その評価技法、評価結果を検討した。
●割引率について、当監査法人が属するネットワークファームの評価の専門家を関与させ、経営者の採用した割引率の算定方法の適切性の評価及び評価専門家が独自の見積りにより算出した割引率と経営者が採用した割引率との比較を実施した。

ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
注記事項「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、会社の連結貸借対照表に計上されているのれん32,823百万円には、高機能製品セグメントに属する連結子会社であり、銅加工品の製造・販売を行うルバタ社で計上されているのれん5,075百万円が含まれている。こののれんは、2017年5月に会社が連結子会社のMMC カッパープロダクツ社(現ルバタ社)を通じて、ルバタ・ポリ社を中核とするルバタ Special Products 事業(以下「ルバタグループ」という。)の持分を取得した際に生じたものである。
ルバタ社は国際財務報告基準を適用しており、のれんを含む資金生成単位グループについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストが実施され、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額が回収可能価額まで減額され、帳簿価額の減少額は減損損失として認識される。回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方として算定される。当連結会計年度においてルバタ社は、減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため減損損失1,135百万円を計上している。
ルバタ社はのれんの減損テストにおける回収可能価額として使用価値を用いている。当該使用価値の算定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者により承認されたルバタグループの中期経営計画を基礎として見積もられる。ルバタグループの中期経営計画には、ルバタグループの製品が対象とする自動車及び、医療向けMRI等の市場の今後の成長率、電気自動車向けを含む拡販施策によるマーケットシェアの拡大見込み、顧客との商談の状況を踏まえた製品の販売数量及び販売価格等の重要な仮定が用いられている。ルバタグループの業績は、半導体市況の低迷や、物流費、人件費及びエネルギーコストの高騰等の影響で将来の見通しの不確実性が高まっている。そのため、これらに係る経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
また、ルバタグループ各社が所在する国の政策金利が高い水準で推移している状況にあり、使用価値の算定に用いる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択にあたり、評価に関する高度な専門知識を必要とする。
以上から、当監査法人は、ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、ルバタ社で計上されているのれんの評価に関連する使用価値の見積りの合理性を評価するため、主として以下の監査手続を実施した。これには、連結子会社の監査人に指示して実施した監査手続が含まれる。

今年

●重要な仮定を理解するため、将来キャッシュ・フローの前提となる事業内容及び事業環境等について、経営者への質問を行った。
●当該重要な仮定の合理性を評価するため、取締役会をはじめとする各種重要会議体における議事録を閲覧し、経営者への質問により得られた回答内容との整合性を確かめるとともに、外部データ等の観察可能な情報と比較を行った。特に、タングステン生産におけるスクラップ利用率の増加とそれに伴う原価低減、将来の販売数量等の重要な仮定について、外部機関が公表している今後の市場環境の予測との整合性を確かめるとともに、過年度の業績との比較及び経営者等への質問や議事録等の資料を閲覧し、その合理性を検討した。
●スクラップ利用率の増加の前提となるスクラップの回収量や将来の販売量等に関する重要な仮定について、合理的に起こりうる変化により、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る可能性を評価するため、感応度分析を実施した。
重要度 2(注目)削除監査上の主要な検討事項(KAM) / リスク削除
(1)内部統制の評価

前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「内部統制の評価」の記載が今年は削除された。前年は株式取得の決定プロセス(デューデリジェンス、割引率や事業計画の仮定の検討、買収価額の決定)に係る内部統制の整備状況の評価が記載されていた。

前年 / 今年の本文を見る

前年

会社の事業戦略に基づく株式取得の決定プロセスとして、デューデリジェンス、割引率や事業計画に含まれる仮定の検討、買収価額の決定等に係る内部統制の整備状況を評価した。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除監査上の主要な検討事項(KAM) / リスク削除
(2)企業価値算定の妥当性の評価

前期のKAMに記載されていた「企業価値算定の妥当性の評価」の監査対応(株式取得に係る事業計画・割引率等の検討)と、「若松製作所の固定資産の評価に係る将来キャッシュ・フローの見積りの合理性」(減損損失8,807百万円を計上)の項目が、当期の記載からは削除されている。当期のKAMとしては同内容の記載が見当たらない。

前年 / 今年の本文を見る

前年

●株式取得の目的、被取得企業の事業内容及び事業環境等を理解するため、経営者等への質問及び関連する議事録の閲覧を行った。
●企業価値算定の基礎とした事業計画の策定において考慮した重要な仮定を検討するため、関連する議事録の閲覧や経営者等への質問を実施した。特に、タングステン生産におけるスクラップ利用率の増加や生産の効率化による原価低減、三菱マテリアルグループのバリューチェーンを活用することによるシナジー効果等の重要な仮定について、外部機関が公表している今後の市場環境の予測との整合性を確かめるとともに、過年度の業績との比較及び経営者等への質問や議事録の閲覧等を実施し、その合理性を検討した。
●企業価値算定計算の妥当性を評価するため、当監査法人のネットワークファームの内部専門家を関与させ、割引率等の主要な前提条件について、利用可能な外部データとの比較や内部専門家独自の再計算による感応度分析を実施した。

若松製作所の固定資産の評価に係る将来キャッシュ・フローの見積りの合理性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
監査上の対応
会社の連結貸借対照表に計上されている有形固定資産及び無形固定資産の合計491,561百万円のうち、9,912百万円が高機能製品セグメント銅加工事業に属する若松製作所の固定資産(以下、「当該資産グループ」という。)である。また、注記事項「(連結損益計算書関係)」の「※7減損損失」に記載されているとおり、当該資産グループについて、減損損失8,807百万円を計上している。
当連結会計年度末において、会社は資産グループごとに減損の兆候の把握を行っており、当該資産グループについて事業環境の著しい悪化により当初事業計画で見込んだ生産販売数量から大幅に下方乖離し収益性が低下したため、減損の兆候があると判断した。減損損失の認識の判定において、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額とを比較した結果、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回ったことから、減損損失の測定において、帳簿価額を回収可能価額まで減額し8,807百万円の減損損失を計上した。なお、会社は当該資産グループの回収可能価額として、将来キャッシュ・フローを割り引いて算定した使用価値を用いている。
当該資産グループについて、減損損失を認識するかどうかの判定及び減損損失の測定のための事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りには重要な仮定が含まれる。この重要な仮定は、主に、製品の需要見通しに基づく販売数量の予測、製造原価の想定及び経済的残存使用年数経過時点における当該資産グループの構成資産の正味売却価額である。会社の銅加工事業の業績は、主に自動車関連の需要低迷、物流費、人件費及びエネルギーコストの高騰等の影響を受けており、将来の見通しの不確実性が高まっている。そのため、これらに係る経営者の判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす。
以上から、当監査法人は、当該資産グループに係る固定資産の評価に係る将来キャッシュ・フローの見積りの合理性が、当連結会計年度の連結財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。
当監査法人は、若松製作所の固定資産の評価に係る将来キャッシュ・フローの見積りの合理性を検討するため、主として以下の監査手続を実施した。

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除監査上の主要な検討事項(KAM) / リスク削除
(1)内部統制の評価

監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、のれんの評価に関する内部統制の評価の記載(減損テストにおける将来キャッシュ・フロー見積りの重要な仮定や割引率の合理性を経営者が検証・承認する統制への焦点)が、今年は記載されていない。KAM項目自体、または監査手続の記述が削除されたことを示す。

前年 / 今年の本文を見る

前年

のれんの評価に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価にあたっては特に以下の統制に焦点を当てた。
●減損テストにおける将来キャッシュ・フローの見積りに用いられている重要な仮定について、利用可能なマーケット情報等との比較により合理的であることを経営者が検証し、承認する統制
●減損テストにおける回収可能価額の算定に用いられている割引率について、外部の評価専門家により算定され、その算定結果が合理的であることを経営者が検証し、承認する統制

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除監査上の主要な検討事項(KAM) / リスク削除
(2)使用価値の見積りの合理性の評価

前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「使用価値の見積りの合理性の評価」の監査上の対応項目が、今年は記載されていない。中期経営計画、自動車・医療向けMRI等の市場成長率、電気自動車の動向、割引率に関する監査手続の記述がなくなった。

前年 / 今年の本文を見る

前年

●経営者により承認された中期経営計画を閲覧するとともに経営者と協議した。また、過年度における中期経営計画と実績の比較分析を実施した。
●中期経営計画に反映されている自動車及び医療向けMRI等の市場の成長率について、外部機関が公表しているデータとの整合性を確認した。
●マーケットシェア拡大の前提となっている新規参入予定の電気自動車の将来動向に関する経営者予測について、外部機関が公表している予測レポートの内容との整合性を確認した。
●将来の製品販売量及び販売価格について、顧客との商談の状況を示す契約書等を確認した。
●割引率について、当監査法人が属するネットワークファームの評価の専門家を関与させ、経営者の採用した割引率の算定方法の適切性の評価及び評価専門家が独自の見積りにより算出した割引率と経営者が採用した割引率との比較を実施した。
●中期経営計画、成長率及び割引率等の重要な仮定について、感応度分析を実施した。

今年

(なし)
重要度 1(軽微)削除会計方針の変更 / 内容更新

前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針変更の記載が、当年では削除されている。前年の記載でも連結財務諸表・財務諸表に与える影響はないとされていた。

前年 / 今年の本文を見る

前年

(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計
基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項
ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号
2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従って
おります。なお、これによる連結財務諸表に与える影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しております。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっております。なお、これによる前連結会計年度の連結財務諸表に与える影響はありません。

(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。
法人税等の計上区分に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っております。なお、これによる財務諸表に与える影響はありません。

今年

(なし)
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
1.重大リスクの選定プロセス

重大リスクの選定プロセスにおいて、洗い出し・評価を担う部署の呼称が「本社管理部門」から「本社コーポレート部門」に変更された。選定の手順や審議体制(サステナビリティ審議会)に変更はない。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社管理コーポレート部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。

前年

当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社管理部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。

今年

当社グループでは、経営上、事業運営上の重大なリスクを、社会情勢や経営環境及びグループの経営課題等を踏まえ、執行役及び本社コーポレート部門にて毎年度網羅的に洗い出し評価しています。また、事業固有の重大なリスクについても、本社事業部門にて毎年度、洗い出し評価したうえで、全執行役が参加するサステナビリティ審議会を経て決定しています。
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
2.当社グループのリスクマネジメント体制及び運用状況

リスクマネジメント体制の記述が更新され、活動状況の報告先がサステナビリティ審議会等から、サステナビリティ・SCQ推進本部、戦略経営会議及び取締役会への定期報告に変更された。重大リスクの区分に「グループ内の一定範囲に共通するリスク」が追加され、本社部門の呼称変更や図表の番号・構成(図4点から3点)の整理も行われた。

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上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、定期的にサステナビリティ審議会等において半期ごとにモニタリング/レビューし、その結果は・SCQ推進本部及び、戦略経営会議及び取締役会に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。
重大リスクをグループ全体のに共通するリスク、グループ内の一定範囲に共通するリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています(図2参照)。特に本社の管理コーポレート部門/事業部門は、事業拠点本社・直轄拠点・グループ会社で確実に対策が実行されるよう、半期ごとに事業拠点とリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図32参照)。
また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図43参照)。

図1:リスクマネジメント体制

図2:重大リスクの位置づけ

図3:リスクマネジメントサイクル

図43:リスクの評価基準

前年

上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、サステナビリティ審議会等において半期ごとにモニタリング/レビューし、その結果はSCQ推進本部及び戦略経営会議に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。
重大リスクをグループ全体のリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています(図2参照)。特に本社の管理部門/事業部門は、事業拠点で確実に対策が実行されるよう、半期ごとに事業拠点とリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図3参照)。
また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図4参照)。

図1:リスクマネジメント体制

図2:重大リスクの位置づけ

図3:リスクマネジメントサイクル

図4:リスクの評価基準

今年

上記の重大リスクに、拠点で事業拠点固有のリスクを洗い出し、評価したものを加え、各拠点で実施計画を策定のうえ、リスクマネジメント活動を行っています。活動状況については、定期的にサステナビリティ・SCQ推進本部、戦略経営会議及び取締役会に報告され、リスクの状況を経営層でモニタリング/レビューしています。また、重大リスクは取締役会に報告され、取締役会はリスクマネジメントを含むリスクの状況を監督しています(図1参照)。
重大リスクをグループ全体に共通するリスク、グループ内の一定範囲に共通するリスク、事業固有のリスク(事業全体の運営に重大な影響を及ぼすリスク)、及び事業拠点固有のリスク(拠点運営に重大な影響を及ぼすリスク)として、各階層が担うべき役割(計画の策定、実行、支援、モニタリング/レビュー)を明確にしています。特に本社のコーポレート部門/事業部門は、本社・直轄拠点・グループ会社で確実に対策が実行されるよう、半期ごとにリスクコミュニケーションを図り、実施状況や課題を共有し必要な支援を協議のうえ実施しています(図2参照)。
また、個々の重大リスクのシナリオを策定し、統一化した評価基準に基づく、影響度と発生可能性の定量的/定性的な評価を行い、リスク発現時のイメージを具体化し、共有しています(図3参照)。

図1:リスクマネジメント体制

図2:リスクマネジメントサイクル

図3:リスクの評価基準

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-24 10:08)

前年版がないため比較していません。