事業戦略上のリスクの記載が大幅に拡充された。感染症領域に加え、QOL疾患領域(うつ、睡眠障害、難聴)と希少疾患領域を成長対象として明記し、鳥居薬品・JT医薬事業・田辺ファーマ(エダラボン事業)の買収に伴うPMIや米国の薬価政策によるエダラボン事業の成長未達など、具体的なリスク認識と対応が追加された。また、人的資本(M&A後の組織融合)、DX(AI/IT活用の個別効率化にとどまるリスク等)、新規の「地政学・地経学的不確実性への対応」の項目が追加された。
塩野義製薬株式会社
証券コード 45070 / EDINET E00923 / 医薬品
危険信号
業績の推移
数値を表で見る
| 決算期 | 売上高(億円) | 純利益(億円) |
|---|---|---|
| 2021/3 | 2,972 | 1,119 |
| 2022/3 | 3,351 | 1,142 |
| 2023/3 | 4,267 | 1,850 |
| 2024/3 | 4,101 | 1,620 |
| 2025/3 | 4,383 | 1,704 |
| 2026/3 | 4,997 | 2,052 |
開示データの要約
人的資本
- 平均年収
- 1,030万円
- 女性管理職比率
- 17.1%
- 男性育休取得率
- 74.0%
- 男女賃金差異
- 80.6%
- 従業員数
- 2,808人
監査
- 監査報酬
- 1.48億円
- 非監査報酬
- —
- 内部統制
- 重要な不備なし
大量保有
- 提出者数
- 1
- 報告数
- 1
- 最大の保有者
- 三井住友信託銀行株式会社
大株主(法人)
| 株主 | 区分 | 株数 | 割合 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 信託口 | 157,523,000株 | 18.31% | ▲ +0.30pt |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 信託口 | 67,193,000株 | 7.81% | ▼ -0.10pt |
| 住友生命保険相互会社 | 法人 | 55,812,000株 | 6.48% | ▼ -0.01pt |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 35,504,000株 | 4.12% | ▲ +2.72pt |
| 株式会社SMBC信託銀行(株式会社三井住友銀行退職給付信託口) | 信託口 | 28,455,000株 | 3.30% | 変化なし |
| 日本生命保険相互会社 | 法人 | 25,227,000株 | 2.93% | 変化なし |
| JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 11,142,000株 | 1.29% | ▲ +0.02pt |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人:株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 9,733,000株 | 1.13% | ▼ -0.10pt |
| 株式会社三井住友銀行 | 法人 | 9,651,000株 | 1.12% | 新規 |
| HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES (常任代理人:香港上海銀行東京支店 セキュリティーズ・サービシズ・オペレーションズ) | 信託口 | 8,774,000株 | 1.02% | 新規 |
個人株主の内訳は非表示
役員 11 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 446,000株
2026-03-31 期 (提出日 2026-06-19 11:58)
事業戦略上のリスクが再編され、(1)が「感染症領域を中心とした成長」から「感染症・QOL疾患・希少疾患領域を中心としたグローバルな成長」に拡大し、鳥居薬品・JT医薬事業・エダラボン事業の買収に伴うPMIや米国の医薬関連政策による薬価・市場環境の変化など具体的なリスク認識が追加された。人的資本ではM&A後の人材融合・エンゲージメント低下リスク、パイプライン・DXにも「主なリスク認識」が新設され、新たに(5)地政学・地経学的不確実性への対応が追加された。
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(1)感染症領域を中心としたグローバルな成長(1) 感染症領域・QOL疾患領域・希少疾患領域を中心としたグローバルな成長 <概要>感染症領域は収益が流行に左右されやすく、他の疾患領域と比較して市場の予見性が低く、薬剤の開発に成功しても投資回収に至らないケースがあります。また、耐性菌の発現率を減少させることを目的とし、治療選択肢が限られている場合にのみ新規抗菌薬を使用することに主眼が置かれており、抗菌薬の将来的な市場予測が非常に難しくなっております。一方、昨今の感染症に対する社会的関心の高まりから、SHIONOGIではこれらを機会として捉えており、マテリアリティにも「感染症の脅威からの解放」を定めております。感染症領域は、人々の生命を脅かす深刻な課題であり、社会的意義が極めて高い一方で、感染症の流行状況や公衆衛生政策、適正使用の要請等により収益が変動しやすく、市場の予見性が相対的に低い特性があります。SHIONOGIは、「薬剤耐性(AMR)治療薬」、「HIV治療薬」、「ワクチン」、「急性呼吸器感染症治療薬」を組み合わせ、最適な収益モデルを構築することで、疾患トータルとしてサステイナブルなビジネスとすることに取り組んでおります。特に急性呼吸器感染症においては、インフルエンザ・COVID-19、RSウイルス感染症の治療・予防薬をグローバルに展開することで、安定から“成長”ステージへの進展を目指しています。SHIONOGIでは、このような特性を踏まえ、マテリアリティに「感染症の脅威からの解放」を定め、感染症領域をグローバルにおける中核事業として継続的に成長させることに取り組んでおります。同時に、超高齢社会の進展やライフスタイルの変化を背景として、人々の健康寿命の延伸や生活の質(QOL;Quality of Life)の向上に対するニーズの高まりを重要な社会課題と捉え、マテリアリティに「健やかで豊かな人生への貢献」を定めております。このマテリアリティの実現に向けて、グローバルでの事業拡大を加速させております。 SHIONOGIは、感染症領域における「薬剤耐性(AMR)」、「HIV」、「急性呼吸器感染症」、QOL疾患領域における「うつ」、「睡眠障害」、「難聴」、希少疾患領域における「脆弱X症候群」、「ポンペ病」、「筋萎縮性側索硬化症」等において、医薬品を起点としながら、疾病の予防、診断、治療、予後管理等を包括的に支えるヘルスケアソリューションの創出に取り組むことで、感染症の流行に左右されにくい、より安定的かつ持続可能な収益基盤の構築を目指しております。 これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請並びに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動をSHIONOGIが主体となって取り組んで行けるよう、グローバル展開を強化する必要があります。ViiV Healthcareへの追加出資を行うなど、HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請ならびに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低・中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動を行うことで、感染症領域でのグローバル展開を強化しております。しかしながら、当初想定していた開発計画や販売戦略が遅延・失敗した場合、将来に期待されていた治療薬やワクチンの創出や売上収益が実現できない場合など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。こうした活動に加えて、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、田辺ファーマからの筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業の買収等を通じて、製品ポートフォリオの拡充、研究開発力および販売力の強化を進めるとともに、さらなる欧米を中心としたグローバル展開を見据えた事業基盤整備を進めております。 しかしながら、これら注力する疾患領域における成長戦略が当初計画通りに進捗しない場合、将来に期待されていた収益成長が実現しない可能性があり、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・感染症領域において、HIV領域やAMR領域等の売上が競争環境の変化や市場構造の変化により低下し、成長力が低下するリスク ・ワクチンや新規治療薬の研究開発が遅延または失敗し、感染症およびQOL疾患領域双方で販売計画が後倒しとなるリスク ・米国での医薬関連政策の実行による薬価や市場環境の変化により、期待したエダラボン事業の成長が実現されないリスク ・QOL疾患領域において実施したM&Aに関し、統合(PMI)が計画通りに進まない、または期待した事業価値・シナジーが創出できないリスク ・HaaS(Healthcare as a Service)ソリューションの開発・社会実装が想定通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域における販売シナジーが十分に発揮されないリスク ・米国をはじめとする海外市場において、販売体制の構築や人材確保が計画通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域での販売機会を逸失するリスク <主な対応・取り組み>・COVID-19、インフルエンザ治療薬の販売と適正使用の推進 ・薬剤耐性(AMR)治療薬セフィデロコルの販売拡大 ・COVID-19、インフルエンザ予防ワクチンの開発 ・HIVとともに生きる人々のQOLを高める長時間作用型の治療・予防薬の研究開発 ・アンメットニーズの高い感染症(結核・マラリア・非結核性抗酸菌症等)における新たな治療の研究開発 ・治療に加え、未病、予防、検査、診断、予後なども含めた疾患のトータルケアを実現する製品・サービスの創出 ・海外展開品目のグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備・鳥居薬品およびJT医薬事業、エダラボン事業等の買収に伴うPMIの着実な推進と、感染症およびQOL疾患領域双方における事業価値最大化 ・ViiV Healthcareへの増資を通じたHIV領域への継続的なコミットメント強化 ・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉 ・感染症およびQOL疾患領域におけるワクチン・新規治療薬開発への重点的なリソース配分 ・複数疾患領域を横断した疾患戦略の見直しによるシナジー創出 ・HaaSソリューションの開発・拡充に向けた社内外連携の強化 ・欧米を中心としたグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備 ・日本市場における主力製品の販売拡大 (2) パイプラインの拡充 <概要>SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、薬剤をはじめとした人々の困りごとを解決するヘルスケアソリューションの研究開発に取り組んでおります。SHIONOGIは、マテリアリティとして「感染症の脅威からの解放」および「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げ、これら2つの社会課題の解決と持続的な成長の両立に向けて、研究開発パイプラインの拡充と質的高度化に取り組んでおります。医薬品の研究開発においては長い期間と多額の投資を必要とするうえに、臨床試験で期待した効果を得られず、承認が得られない可能性があります。感染症領域においては、米国にShionogi Qpex lab.を開設し、細菌感染症治療薬を中心とした研究体制を強化するとともに、アカデミアやベンチャー企業、米国政府機関等との連携を通じて、外部知を積極的に取り込み、創薬のスピードおよび成功確率の向上を図っております。これにより、AMRを含む感染症領域における中長期的な研究開発基盤の強化を進めております。このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や外部ネットワークの活用、積極的な投資による外部からの成長ドライバーの獲得、それらに対応する人材の育成が不可欠です。また、医薬品のみでは解決しきれない患者さまや社会が抱える多様な困りごとを解決する機会と捉え、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチン及び新しいヘルスケアサービスの提供にも挑戦しております。医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えております。一方で、近年実施してきたM&Aやイン・アウトライセンス等を通じて一定の事業成長の道筋が見えつつある中、既存の研究資産や人材のシナジーを最大化し、全体最適の視点でパイプラインおよび創薬プログラムを見直し、強靭で持続可能なポートフォリオへと進化させていくことが重要であると認識しております。 特に、QOL疾患領域および希少疾患領域の強化を進めるとともに、HIV領域における競争優位性の維持・強化、ならびに感染症領域全体におけるパイプラインの強化が重要な課題となっております。 また、このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチンおよび舌下免疫療法の強化や新しいヘルスケアサービスの提供に挑戦することが重要と認識しております。さらに、それらを支える基盤として、専門性を有する人材の継続的な育成と、領域横断的な知見の蓄積が不可欠であることから、人材ローテーション等を通じて、創薬力および開発力の底上げにも取り組んでおります。 医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えておりますが、これらの取り組みが十分に進まない場合、それを担う人材育成が想定通りに進まない場合には、中長期的な成長力の低下や将来の競争優位性の確立が困難となり、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・希少疾患領域やHIV領域等におけるパイプラインが戦略的に連結されず、当社ならではの中長期的な強みや競争優位性が構築できないリスク ・外部連携や研究体制強化が想定した成果に結びつかず、研究開発のスピードや成功確率が向上しないリスク ・研究開発を担う専門人材が特定領域に固定化することにより、次世代を担う人材が育成されず、パイプラインの進化や新規価値創出が停滞するリスク ・既存技術の陳腐化により競争優位性のあるパイプラインの拡充が図られないリスク <主な対応・取り組み> ・M&Aおよび提携案件を踏まえた、パイプラインおよび創薬プログラムの全体最適化に向けた戦略の見直しの実施 ・HIV領域における競争優位性維持に向けた継続的な研究開発投資 ・QOL疾患領域における重点テーマの明確化と、ポートフォリオ再構築による研究開発資源の最適配分 ・Shionogi Qpex lab.を含む感染症研究体制の強化と、アカデミア・ベンチャー企業・政府機関等との連携推進 ・ワクチン事業を含む複数の研究開発領域における人材ローテーションを通じた、専門性と領域横断的視点を併せ持つ人材の育成 ・新たなモダリティ・技術への挑戦・外部との協創によるものづくりの推進 ・インライセンスなど成長ドライバーへの積極投資 ・最先端の研究開発能力を確保するための人材育成 ・高い自社創薬比率の維持 ・デジタルアプリなど、従来の治療薬にとどまらない革新的な治療選択肢の開発 ・すべての人々が活躍できる環境整備に必要なサービスの開発(3) 人的資本マネジメント <概要> SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。そのために2030年のVision達成に向けた人的資本マネジメントを事業機会と捉え、戦略上の主要テーマとして設定しております。外部人材の登用や能力重視の人材登用を進めることで人材ポートフォリオの変革を行い、多様な価値観を持った人材の融合を実現し、2030年Visionの実現を目指しています。従業員が目指すべき人材像を「Shionogi Way:他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定め、様々な施策を通じて、全員が備えるべき能力や個々の役割ごとに求められる能力の獲得を促しております。また、キャリア採用を強化し、不足している専門性を獲得していきます。加えて、各種制度や仕組みを整備することで、多様な人材がエンゲージメントを高め、活躍できる環境の整備も進めております。さらに、それらの取り組みを行う上で必要な従業員の健康や作業者の安全の確保にも努めております。しかしながら、施策や人材獲得の失敗、従業員の健康や安全に影響を及ぼす事象の発生などの阻害要因が生じた場合には、SHIONOGIの人的資本の価値が毀損され、SHIONOGIの変革が停滞し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。近年、M&Aや事業提携等を通じて組織が拡大する中で、より一層多様な価値観、経験、専門性を持つ人材がSHIONOGIグループに加わっており、これらの人材を融合させ、一体感のある組織として機能させていくことが重要な経営課題となっております。特に、再統合を予定しているシオノギファーマや、新たに加わる鳥居薬品、JT医薬事業、田辺ファーマ等の従業員が安心して能力を発揮できる環境を整備するとともに、SHIONOGIファミリーとしての一体感の醸成や、新たな文化・風土の形成を進めていくことが、今後の成長において一層重要となっております。 また、事業成長を図る過程においては、これまでに経験のない領域への挑戦や、新たなケイパビリティの獲得が不可欠であり、従業員一人ひとりが変化を前向きに捉え、自律的に挑戦し続けられる組織であることが求められております。そのため、専門性や役割に応じた能力開発に加え、柔軟な人材登用や、挑戦を後押しする風土の醸成にも取り組んでおります。 さらに、これらすべての取り組みの基盤として、従業員の心身の健康の維持・向上や、研究・製造現場における作業者の安全確保が重要であると認識しており、安心して働き続けられる環境整備を継続的に推進しております。 しかしながら、人的資本マネジメントの取り組みが十分に機能せず、人材の融合や育成、挑戦する文化の定着が進まない場合には、事業戦略の実行力が低下し、将来的な成長力や競争優位性が損なわれる可能性があります。 <主なリスク認識> ・M&A等を契機として組織構造や文化が変化する中で、従業員エンゲージメントが低下し、組織の一体感が損なわれるリスク ・多様な人材が有する専門性や強みが十分に発揮されず、個人および組織全体のパフォーマンスが低下するリスク ・将来のSHIONOGIを担うコア人材の計画的な育成・輩出が進まず、事業成長の遅れや中長期的な事業停滞に陥るリスク ・優秀な人材が成長機会や挑戦機会を見いだせず、流出してしまうリスク ・失敗を恐れて挑戦を避ける風土が定着し、変化への適応力を失うリスク <主な対応・取り組み>・キャリア採用強化 ・人事制度の改定 ・様々な属性が活躍できる働き方改革 ・チャレンジを歓迎し賞賛するイベントの実施 ・各事業所におけるEHSマネジメントシステムの運用強化 ・原薬の作業者暴露に関する暴露基準(OEL)設定の推進 ・作業者暴露に関する取扱い基準の設定と運用・継続的なエンゲージメントサーベイの実施と、その結果を踏まえた改善施策の推進 ・M&A後の人材融合を意識した社内コミュニケーションの活性化と、相互理解を促進する取り組み ・専門性の深化と領域横断的な経験の両立を目的とした人材配置・育成施策の推進 ・挑戦を評価し、学びにつなげる人事制度・評価制度・表彰イベントの運用 ・従業員の健康維持・増進に向けた取り組みおよび作業者の安全確保を目的としたEHSマネジメントの継続的な強化 (4) DX変革の実現 <概要> SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・AIやIT活用が個別業務の効率化にとどまり、業務プロセス全体の変革や意思決定の高度化につながらないリスク ・DX推進を担う人材やデジタルケイパビリティが十分に育成・確保できず、変革が停滞するリスク ・グローバルで統一されたIT基盤やデータ利活用基盤の整備が遅れ、事業間・地域間での連携やシナジーが創出できないリスク ・既存業務や従来のやり方への依存から変革が進まず、競争力のある業務プロセスへの転換が実現できないリスク <主な対応・取り組み> ・グローバルIT基盤の構築 ・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革 ・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発 ・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施 (5) 地政学・地経学的不確実性への対応 <概要> SHIONOGIは、STS2030 Revisionの実現に向けてグローバル化を推進しており、グローバル開発の推進、販売国・地域の拡大、イン・アウトライセンスの実行など、事業活動のグローバルな広がりと複雑化が進んでおります。 一方で、世界的な政治・社会情勢の変化を背景として、各国における政治不安や経済情勢の悪化、社会的混乱、地域紛争の発生や長期化、さらには各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、投資や輸出入に関する規制、関税や通商政策の変更、各種取引に関する規制強化など、事業活動を取り巻く不確実性が増大しております。 SHIONOGIは、こうした地政学あるいは地経学的な不確実性の高まりを経営上の重要なリスク要因として認識しており、社会情勢や政策動向を的確に把握し、その事業への影響を評価するとともに、必要な対策を迅速に講じることで、グローバルな事業運営の継続性を確保し、患者さまへの医薬品への安定的なアクセス確保に努めております。 しかしながら、想定を超える不測の事態が生じた場合には、研究開発、製造、物流、販売等の事業活動に影響を及ぼし、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。 <主なリスク認識> ・各国・地域における政治・経済情勢の急激な変化や社会的混乱、紛争の発生・拡大により、事業活動の継続や拡大が制約されるリスク ・地政学・地経学的緊張の高まりに伴う投資規制や経済制裁、各種取引規制の強化により、導出入や提携を含む事業戦略の実行が遅延または困難となる、あるいはコスト増加や供給制約が生じるリスク ・物流の混乱や供給網の分断等により、医薬品の安定供給や患者さまへのアクセス確保に支障を来すリスク <主な対応・取り組み> ・世界各国・地域における政治、経済、社会情勢や地政学的動向に関する継続的なモニタリングと、その事業影響の評価 ・地政学的リスクを踏まえた事業計画・投資計画の柔軟な見直しと、リスク顕在化時における迅速な意思決定体制の維持・強化 ・研究開発、製造、物流、販売におけるグローバルな事業運営体制の強靭化を通じた、医薬品の安定供給および患者さまへのアクセス確保
前年
(1)感染症領域を中心としたグローバルな成長 <概要> 感染症領域は収益が流行に左右されやすく、他の疾患領域と比較して市場の予見性が低く、薬剤の開発に成功しても投資回収に至らないケースがあります。また、耐性菌の発現率を減少させることを目的とし、治療選択肢が限られている場合にのみ新規抗菌薬を使用することに主眼が置かれており、抗菌薬の将来的な市場予測が非常に難しくなっております。一方、昨今の感染症に対する社会的関心の高まりから、SHIONOGIではこれらを機会として捉えており、マテリアリティにも「感染症の脅威からの解放」を定めております。 SHIONOGIは、「薬剤耐性(AMR)治療薬」、「HIV治療薬」、「ワクチン」、「急性呼吸器感染症治療薬」を組み合わせ、最適な収益モデルを構築することで、疾患トータルとしてサステイナブルなビジネスとすることに取り組んでおります。特に急性呼吸器感染症においては、インフルエンザ・COVID-19、RSウイルス感染症の治療・予防薬をグローバルに展開することで、安定から“成長”ステージへの進展を目指しています。 これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請並びに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動をSHIONOGIが主体となって取り組んで行けるよう、グローバル展開を強化する必要があります。 しかしながら、当初想定していた開発計画や販売戦略が遅延・失敗した場合、将来に期待されていた治療薬やワクチンの創出や売上収益が実現できない場合など、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主な対応・取り組み> ・COVID-19、インフルエンザ治療薬の販売と適正使用の推進 ・薬剤耐性(AMR)治療薬セフィデロコルの販売拡大 ・COVID-19、インフルエンザ予防ワクチンの開発 ・HIVとともに生きる人々のQOLを高める長時間作用型の治療・予防薬の研究開発 ・アンメットニーズの高い感染症(結核・マラリア・非結核性抗酸菌症等)における新たな治療の研究開発 ・治療に加え、未病、予防、検査、診断、予後なども含めた疾患のトータルケアを実現する製品・サービスの創出 ・海外展開品目のグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備 ・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉 (2) パイプラインの拡充 <概要> SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、薬剤をはじめとした人々の困りごとを解決するヘルスケアソリューションの研究開発に取り組んでおります。 医薬品の研究開発においては長い期間と多額の投資を必要とするうえに、臨床試験で期待した効果を得られず、承認が得られない可能性があります。 このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や外部ネットワークの活用、積極的な投資による外部からの成長ドライバーの獲得、それらに対応する人材の育成が不可欠です。また、医薬品のみでは解決しきれない患者さまや社会が抱える多様な困りごとを解決する機会と捉え、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチン及び新しいヘルスケアサービスの提供にも挑戦しております。医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えております。 <主な対応・取り組み> ・新たなモダリティ・技術への挑戦 ・外部との協創によるものづくりの推進 ・インライセンスなど成長ドライバーへの積極投資 ・最先端の研究開発能力を確保するための人材育成 ・高い自社創薬比率の維持 ・デジタルアプリなど、従来の治療薬にとどまらない革新的な治療選択肢の開発 ・すべての人々が活躍できる環境整備に必要なサービスの開発 (3) 人的資本マネジメント <概要> SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。そのために2030年のVision達成に向けた人的資本マネジメントを事業機会と捉え、戦略上の主要テーマとして設定しております。外部人材の登用や能力重視の人材登用を進めることで人材ポートフォリオの変革を行い、多様な価値観を持った人材の融合を実現し、2030年Visionの実現を目指しています。従業員が目指すべき人材像を「Shionogi Way:他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定め、様々な施策を通じて、全員が備えるべき能力や個々の役割ごとに求められる能力の獲得を促しております。また、キャリア採用を強化し、不足している専門性を獲得していきます。加えて、各種制度や仕組みを整備することで、多様な人材がエンゲージメントを高め、活躍できる環境の整備も進めております。さらに、それらの取り組みを行う上で必要な従業員の健康や作業者の安全の確保にも努めております。 しかしながら、施策や人材獲得の失敗、従業員の健康や安全に影響を及ぼす事象の発生などの阻害要因が生じた場合には、SHIONOGIの人的資本の価値が毀損され、SHIONOGIの変革が停滞し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主な対応・取り組み> ・キャリア採用強化 ・人事制度の改定 ・様々な属性が活躍できる働き方改革 ・チャレンジを歓迎し賞賛するイベントの実施 ・各事業所におけるEHSマネジメントシステムの運用強化 ・原薬の作業者暴露に関する暴露基準(OEL)設定の推進 ・作業者暴露に関する取扱い基準の設定と運用 (4) DX変革の実現 <概要> SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主な対応・取り組み> ・グローバルIT基盤の構築 ・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革 ・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発 ・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備 ・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施
今年
(1) 感染症領域・QOL疾患領域・希少疾患領域を中心としたグローバルな成長 <概要> 感染症領域は、人々の生命を脅かす深刻な課題であり、社会的意義が極めて高い一方で、感染症の流行状況や公衆衛生政策、適正使用の要請等により収益が変動しやすく、市場の予見性が相対的に低い特性があります。 SHIONOGIでは、このような特性を踏まえ、マテリアリティに「感染症の脅威からの解放」を定め、感染症領域をグローバルにおける中核事業として継続的に成長させることに取り組んでおります。同時に、超高齢社会の進展やライフスタイルの変化を背景として、人々の健康寿命の延伸や生活の質(QOL;Quality of Life)の向上に対するニーズの高まりを重要な社会課題と捉え、マテリアリティに「健やかで豊かな人生への貢献」を定めております。このマテリアリティの実現に向けて、グローバルでの事業拡大を加速させております。 SHIONOGIは、感染症領域における「薬剤耐性(AMR)」、「HIV」、「急性呼吸器感染症」、QOL疾患領域における「うつ」、「睡眠障害」、「難聴」、希少疾患領域における「脆弱X症候群」、「ポンペ病」、「筋萎縮性側索硬化症」等において、医薬品を起点としながら、疾病の予防、診断、治療、予後管理等を包括的に支えるヘルスケアソリューションの創出に取り組むことで、感染症の流行に左右されにくい、より安定的かつ持続可能な収益基盤の構築を目指しております。 これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。ViiV Healthcareへの追加出資を行うなど、HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請ならびに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低・中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動を行うことで、感染症領域でのグローバル展開を強化しております。 こうした活動に加えて、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、田辺ファーマからの筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業の買収等を通じて、製品ポートフォリオの拡充、研究開発力および販売力の強化を進めるとともに、さらなる欧米を中心としたグローバル展開を見据えた事業基盤整備を進めております。 しかしながら、これら注力する疾患領域における成長戦略が当初計画通りに進捗しない場合、将来に期待されていた収益成長が実現しない可能性があり、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・感染症領域において、HIV領域やAMR領域等の売上が競争環境の変化や市場構造の変化により低下し、成長力が低下するリスク ・ワクチンや新規治療薬の研究開発が遅延または失敗し、感染症およびQOL疾患領域双方で販売計画が後倒しとなるリスク ・米国での医薬関連政策の実行による薬価や市場環境の変化により、期待したエダラボン事業の成長が実現されないリスク ・QOL疾患領域において実施したM&Aに関し、統合(PMI)が計画通りに進まない、または期待した事業価値・シナジーが創出できないリスク ・HaaS(Healthcare as a Service)ソリューションの開発・社会実装が想定通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域における販売シナジーが十分に発揮されないリスク ・米国をはじめとする海外市場において、販売体制の構築や人材確保が計画通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域での販売機会を逸失するリスク <主な対応・取り組み> ・鳥居薬品およびJT医薬事業、エダラボン事業等の買収に伴うPMIの着実な推進と、感染症およびQOL疾患領域双方における事業価値最大化 ・ViiV Healthcareへの増資を通じたHIV領域への継続的なコミットメント強化 ・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉 ・感染症およびQOL疾患領域におけるワクチン・新規治療薬開発への重点的なリソース配分 ・複数疾患領域を横断した疾患戦略の見直しによるシナジー創出 ・HaaSソリューションの開発・拡充に向けた社内外連携の強化 ・欧米を中心としたグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備 ・日本市場における主力製品の販売拡大 (2) パイプラインの拡充 <概要> SHIONOGIは、マテリアリティとして「感染症の脅威からの解放」および「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げ、これら2つの社会課題の解決と持続的な成長の両立に向けて、研究開発パイプラインの拡充と質的高度化に取り組んでおります。 感染症領域においては、米国にShionogi Qpex lab.を開設し、細菌感染症治療薬を中心とした研究体制を強化するとともに、アカデミアやベンチャー企業、米国政府機関等との連携を通じて、外部知を積極的に取り込み、創薬のスピードおよび成功確率の向上を図っております。これにより、AMRを含む感染症領域における中長期的な研究開発基盤の強化を進めております。 一方で、近年実施してきたM&Aやイン・アウトライセンス等を通じて一定の事業成長の道筋が見えつつある中、既存の研究資産や人材のシナジーを最大化し、全体最適の視点でパイプラインおよび創薬プログラムを見直し、強靭で持続可能なポートフォリオへと進化させていくことが重要であると認識しております。 特に、QOL疾患領域および希少疾患領域の強化を進めるとともに、HIV領域における競争優位性の維持・強化、ならびに感染症領域全体におけるパイプラインの強化が重要な課題となっております。 また、このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチンおよび舌下免疫療法の強化や新しいヘルスケアサービスの提供に挑戦することが重要と認識しております。さらに、それらを支える基盤として、専門性を有する人材の継続的な育成と、領域横断的な知見の蓄積が不可欠であることから、人材ローテーション等を通じて、創薬力および開発力の底上げにも取り組んでおります。 医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えておりますが、これらの取り組みが十分に進まない場合、それを担う人材育成が想定通りに進まない場合には、中長期的な成長力の低下や将来の競争優位性の確立が困難となり、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・希少疾患領域やHIV領域等におけるパイプラインが戦略的に連結されず、当社ならではの中長期的な強みや競争優位性が構築できないリスク ・外部連携や研究体制強化が想定した成果に結びつかず、研究開発のスピードや成功確率が向上しないリスク ・研究開発を担う専門人材が特定領域に固定化することにより、次世代を担う人材が育成されず、パイプラインの進化や新規価値創出が停滞するリスク ・既存技術の陳腐化により競争優位性のあるパイプラインの拡充が図られないリスク <主な対応・取り組み> ・M&Aおよび提携案件を踏まえた、パイプラインおよび創薬プログラムの全体最適化に向けた戦略の見直しの実施 ・HIV領域における競争優位性維持に向けた継続的な研究開発投資 ・QOL疾患領域における重点テーマの明確化と、ポートフォリオ再構築による研究開発資源の最適配分 ・Shionogi Qpex lab.を含む感染症研究体制の強化と、アカデミア・ベンチャー企業・政府機関等との連携推進 ・ワクチン事業を含む複数の研究開発領域における人材ローテーションを通じた、専門性と領域横断的視点を併せ持つ人材の育成 ・新たなモダリティ・技術への挑戦 (3) 人的資本マネジメント <概要> SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。 近年、M&Aや事業提携等を通じて組織が拡大する中で、より一層多様な価値観、経験、専門性を持つ人材がSHIONOGIグループに加わっており、これらの人材を融合させ、一体感のある組織として機能させていくことが重要な経営課題となっております。特に、再統合を予定しているシオノギファーマや、新たに加わる鳥居薬品、JT医薬事業、田辺ファーマ等の従業員が安心して能力を発揮できる環境を整備するとともに、SHIONOGIファミリーとしての一体感の醸成や、新たな文化・風土の形成を進めていくことが、今後の成長において一層重要となっております。 また、事業成長を図る過程においては、これまでに経験のない領域への挑戦や、新たなケイパビリティの獲得が不可欠であり、従業員一人ひとりが変化を前向きに捉え、自律的に挑戦し続けられる組織であることが求められております。そのため、専門性や役割に応じた能力開発に加え、柔軟な人材登用や、挑戦を後押しする風土の醸成にも取り組んでおります。 さらに、これらすべての取り組みの基盤として、従業員の心身の健康の維持・向上や、研究・製造現場における作業者の安全確保が重要であると認識しており、安心して働き続けられる環境整備を継続的に推進しております。 しかしながら、人的資本マネジメントの取り組みが十分に機能せず、人材の融合や育成、挑戦する文化の定着が進まない場合には、事業戦略の実行力が低下し、将来的な成長力や競争優位性が損なわれる可能性があります。 <主なリスク認識> ・M&A等を契機として組織構造や文化が変化する中で、従業員エンゲージメントが低下し、組織の一体感が損なわれるリスク ・多様な人材が有する専門性や強みが十分に発揮されず、個人および組織全体のパフォーマンスが低下するリスク ・将来のSHIONOGIを担うコア人材の計画的な育成・輩出が進まず、事業成長の遅れや中長期的な事業停滞に陥るリスク ・優秀な人材が成長機会や挑戦機会を見いだせず、流出してしまうリスク ・失敗を恐れて挑戦を避ける風土が定着し、変化への適応力を失うリスク <主な対応・取り組み> ・継続的なエンゲージメントサーベイの実施と、その結果を踏まえた改善施策の推進 ・M&A後の人材融合を意識した社内コミュニケーションの活性化と、相互理解を促進する取り組み ・専門性の深化と領域横断的な経験の両立を目的とした人材配置・育成施策の推進 ・挑戦を評価し、学びにつなげる人事制度・評価制度・表彰イベントの運用 ・従業員の健康維持・増進に向けた取り組みおよび作業者の安全確保を目的としたEHSマネジメントの継続的な強化 (4) DX変革の実現 <概要> SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。 <主なリスク認識> ・AIやIT活用が個別業務の効率化にとどまり、業務プロセス全体の変革や意思決定の高度化につながらないリスク ・DX推進を担う人材やデジタルケイパビリティが十分に育成・確保できず、変革が停滞するリスク ・グローバルで統一されたIT基盤やデータ利活用基盤の整備が遅れ、事業間・地域間での連携やシナジーが創出できないリスク ・既存業務や従来のやり方への依存から変革が進まず、競争力のある業務プロセスへの転換が実現できないリスク <主な対応・取り組み> ・グローバルIT基盤の構築 ・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革 ・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発 ・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備 ・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施 (5) 地政学・地経学的不確実性への対応 <概要> SHIONOGIは、STS2030 Revisionの実現に向けてグローバル化を推進しており、グローバル開発の推進、販売国・地域の拡大、イン・アウトライセンスの実行など、事業活動のグローバルな広がりと複雑化が進んでおります。 一方で、世界的な政治・社会情勢の変化を背景として、各国における政治不安や経済情勢の悪化、社会的混乱、地域紛争の発生や長期化、さらには各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、投資や輸出入に関する規制、関税や通商政策の変更、各種取引に関する規制強化など、事業活動を取り巻く不確実性が増大しております。 SHIONOGIは、こうした地政学あるいは地経学的な不確実性の高まりを経営上の重要なリスク要因として認識しており、社会情勢や政策動向を的確に把握し、その事業への影響を評価するとともに、必要な対策を迅速に講じることで、グローバルな事業運営の継続性を確保し、患者さまへの医薬品への安定的なアクセス確保に努めております。 しかしながら、想定を超える不測の事態が生じた場合には、研究開発、製造、物流、販売等の事業活動に影響を及ぼし、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。 <主なリスク認識> ・各国・地域における政治・経済情勢の急激な変化や社会的混乱、紛争の発生・拡大により、事業活動の継続や拡大が制約されるリスク ・地政学・地経学的緊張の高まりに伴う投資規制や経済制裁、各種取引規制の強化により、導出入や提携を含む事業戦略の実行が遅延または困難となる、あるいはコスト増加や供給制約が生じるリスク ・物流の混乱や供給網の分断等により、医薬品の安定供給や患者さまへのアクセス確保に支障を来すリスク <主な対応・取り組み> ・世界各国・地域における政治、経済、社会情勢や地政学的動向に関する継続的なモニタリングと、その事業影響の評価 ・地政学的リスクを踏まえた事業計画・投資計画の柔軟な見直しと、リスク顕在化時における迅速な意思決定体制の維持・強化 ・研究開発、製造、物流、販売におけるグローバルな事業運営体制の強靭化を通じた、医薬品の安定供給および患者さまへのアクセス確保
事業遂行上のリスクの構成が再編され、品質と製品安全が統合されたほか、環境・人権が独立項目として拡充された(人権は新設)。サプライチェーンでは米国バイオセキュア法の成立に言及し、過剰在庫やコスト負担増加による収益性・資本効率の低下を新たなリスクとして追加した。ITセキュリティでは日本企業を標的としたサイバー攻撃の増加・高度化を背景に、コンプライアンスでも環境変化を踏まえてそれぞれ記述が大幅に拡充された。
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(1) 品質(1) 品質 ・製品安全 <概要>SHIONOGIは医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造及び委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しておりますが、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは医薬品等の製造管理および品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造および委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を実施しておりますが、製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性の確保に努めております。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用していただくことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しております。しかし、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生および副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。・製品由来のレピュテーションの低下・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等 ・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘・企業の信頼低下・製品の販売中止や回収 ・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起 ・業績やレピュテーションへの影響 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進・社内における教育イベント等の開催による品質の重要性の理解浸透・Quality Cultureの醸成活動等の推進 ・製造所監査等を通じた管理監督活動・社内関連部署との連携会議等によるBad News Fast/Firstの体制強化・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化およびシステムの構築 ・全従業員・経営陣を対象とした品質・製品安全に関する教育の実施 (2) グローバルサプライチェーンマネジメント <概要>大地震や暴風雨、洪水などの自然災害やパンデミックの発生、または米中経済対立や台湾有事などの地政学的影響や人権・環境などのサステイナビリティの観点による影響などでサプライチェーンに問題が生じた場合、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは、医薬品の安定供給を通じて社会的責任を果たすとともに、事業活動を安定的に遂行するため、グローバルに展開するサプライチェーンの強靭化に取り組んでおります。 大地震や暴風雨、洪水等の自然災害やパンデミックの発生、さらには米国におけるバイオセキュア法の成立や地政学的緊張の高まり等により、原材料や製商品を取り巻くサプライチェーン環境は不確実性を増しております。また、人権や環境に対する社会的要請の高まりを背景に、サプライヤーを含めたサプライチェーン全体におけるサステイナビリティへの配慮が一層重要となっております。 こうした環境変化を踏まえ、SHIONOGIでは、安定的な原材料調達の確保、代替サプライヤーの選定、適切な在庫水準の確保等を通じて供給途絶リスクの低減を図っております。一方で、過剰な在庫の積み上げや調達コストの急激な上昇は、事業収益や資本効率に影響を及ぼす可能性があることから、安定供給の確保とコストコントロールの両立が重要な経営課題であると認識しております。 SHIONOGIは、サプライチェーン上のリスクを多面的に把握し、事業上の影響と社会的影響の双方を考慮した対応を進めることで、環境・人権への配慮と事業の持続可能性を両立させたグローバルサプライチェーンマネジメントを推進しております。 しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、外部環境の急激な変化に対応できない場合には、以下のリスクが想定されます。 ・工場の操業停止 ・原材料や製商品の調達困難・卸物流網の寸断並びに情報の停滞 ・医薬品の安定供給に対する重大な影響 ・社会や公衆衛生への悪影響・卸物流網の寸断ならびに情報の停滞 ・医薬品の安定供給に対する重大な影響・過剰在庫やコスト負担増加による収益性や資本効率の低下 ・社会的評価やレピュテーションの毀損 <主な対応・取り組み>・保有在庫量の独自基準に基づく在庫管理・保有在庫量の適正化の推進 ・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築 ・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定)・優先して供給すべきBCP品目の設定及び定期的な見直し ・サプライヤーに対するデューディリジェンス並びに監査の実施と改善要求 ・サプライヤーに対する「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」への同意取得 ・「マルチステークホルダー方針」に則った取引先への配慮 ・取引卸との円滑な連携と災害時対策の協議・立案 ・卸並びに市中在庫の透明化 ・危機管理体制及び危機管理規程類の見直し・優先して供給すべきBCP品目の設定および定期的な見直し ・サプライヤーに対するデューディリジェンスならびに監査の実施と改善要求 (3) ITセキュリティ・情報管理 <概要>個人情報を含む多くの機密情報を保有し、アウトソーシング先を含めて各種ITシステムを利活用している中、従業員及びアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、ITセキュリティが脅かされた場合、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは、医薬品の研究開発、製造、供給および医薬品情報の適切な情報の提供を通じて、人々の生命と健康を支える社会的責任を担っております。これらの事業活動を安定的かつ継続的に遂行するためには、個人情報を含む機密情報の適切な管理と、ITシステムの安全かつ安定した運用が不可欠です。当社は、グローバルで事業を展開する中、アウトソーシング先を含め多様なITシステムやデジタル基盤を利活用しておりますが、近年、日本企業を標的としたサイバー攻撃は増加・高度化しており、医療・製薬業界においても基幹システムの停止や情報漏洩を狙った攻撃が顕在化しております。・重要システム停止による事業の継続困難 ・個人情報を含む機密情報の流出 ・損害賠償請求などの法的な損害や事後対応に係る費用などの発生 ・業績やレピュテーションの低下医薬品は社会に不可欠なインフラであり、製品の供給や医薬品情報、個人情報の提供・収集が停止した場合、患者さまや医療現場に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、サイバーセキュリティ上の脅威は、単なるITリスクの課題にとどまらず、事業継続や社会的信頼に直結するリスクであると認識しております。このようなリスク認識のもと、グループ全体で強固かつ信頼性の高いITセキュリティ体制の構築・運用や情報管理および内部統制の強化に継続的に取り組んでおります。 しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、従業員およびアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃や不正アクセス等が発生した場合以下のリスクが想定されます。 ・基幹システムや重要システム停止による事業の継続困難 ・個人情報を含む機密情報の流出・毀損 ・損害賠償請求や行政対応等の法的・社会的責任の発生、事後対応に関わる費用負担増加 ・医薬品の供給や情報提供への影響による社会的信頼・レピュテーションの低下 ・上記に伴う業績への悪影響 <主な対応・取り組み>・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性及びSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育の徹底 ・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制構築プロジェクトの推進 ・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性およびSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育・啓発の徹底 ・セキュリティおよび内部不正防止を含む情報セキュリティ管理体制の継続的な強化 ・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制のさらなる強化 ・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用プロセスの改善 ・グローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の強化(4) 製品安全(4) コンプライアンス <概要>医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け販売しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保及び適正使用のために必要な対策を実施しております。また、当社はHaaS企業として医薬品以外の製品・サービスの販売を拡充しております。製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性を確保することが重要です。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用して頂くことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しています。医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生及び副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは、コンプライアンスを企業の存続と持続的成長を支える根幹と捉え、すべての事業活動の基盤に据えております。また、法律、規則および規制の遵守にとどまらず、社会規範の遵守や企業・社会人としての倫理的行動を含むものと捉え、グループ全体でその徹底を図っております。近年、事業のグローバル化や事業領域の拡大、組織構造の複雑化に加え、社会やステークホルダーから企業行動に対する目線が一層厳しくなる中、今後、コンプライアンス上の問題がより顕在化しやすい環境になることが予想されます。・製品の販売中止や回収 ・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起 ・業績やレピュテーションへの影響 <主な対応・取り組み> ・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化及びシステムの構築 ・副作用や不具合等の拡大や被害の抑制につながる全従業員教育の実施 ・経営層を対象とした製品安全に関する教育の実施 ・医薬品の副作用等に基づく医療被害補償の保険加入 ・提供情報や啓発内容に対する専門家による監修及び社内審査の実施、内容の定期更新の実施このような環境下において、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動が生じた場合には、社会的評価やステークホルダーからの信頼を損なうのみならず、事業の継続や企業価値に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、これらを重要な経営リスクとして認識しております。(5) コンプライアンス <概要> SHIONOGIではコンプライアンスを法律、規則、規制等の遵守に留まらず、社会規範の遵守、更には企業・社会人としての倫理的行動を含むという認識のもと、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動を重要なリスクと捉えており、当該リスクが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。具体的には、ビジネスプロセス全体を通じて潜在的なコンプライアンスリスクを把握し、各組織が主体的に対応する体制を整備するとともに、健全で透明性の高い企業風土の醸成に継続的に取り組んでおります。 しかしながら、内外の環境変化や不正・不祥事の兆候の早期把握の遅れ等によるコンプライアンス上の問題が顕在化した場合等は、以下のリスクが想定されます。 ・レピュテーションの低下 ・ステークホルダーからの信頼の失墜・経営成績及び財政状態の悪化・経営成績および財政状態の悪化 <主な対応・取り組み>・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進・浸透 ・Global Compliance & Quality Weekを通じた、グループ全従業員のコンプライアンス意識の強化 ・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用・代表取締役会長兼社長CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回)・代表取締役会長兼社長 CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回) ・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回) ・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全社員への教育の実施・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全従業員への教育の実施 ・執行役員、本部長・グループ会社社長、組織長等を対象とした階層別研修の実施(6) 環境(5) 環境 <概要>医薬品の研究、開発、製造等の事業活動を行う過程において、環境や生態系などに影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。それらによる被害が顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに行う過程において施設・設備の使用や原材料・エネルギーの消費等を通じて環境や生態系に影響を及ぼす可能性があることを認識しております。また、近年の気候変動の進行や自然災害の激甚化は、事業活動そのものに影響を及ぼすリスク要因を伴っており、これらの環境課題への対応を適切に行うことは、安定的な事業運営を維持する上で重要な前提条件となっております。さらに、原材料調達や取引先を含むバリューチェーン全体においても環境への負の影響が生じる可能性があり、調達・取引の側面からも環境配慮が重要であると認識しております。自社を含むバリューチェーンでの環境関連の事故や規制違反、ならびに環境負荷低減の対応の遅れは、操業停止や追加的な対策費用の発生、法的責任の拡大、さらには社会的評価の低下を通じてSHIONOGIグループの業績や企業価値に影響を及ぼす恐れがあることから、環境に関するリスクを重要な経営リスクとして認識しております。このような背景を受け、EHSガバナンス体制のもと、「SHIONOGIグループEHS行動目標」を中長期目標として掲げ、バリューチェーン全体で「気候変動」「省資源・資源循環」「水」「AMR」を中心に、環境負荷低減の活動を推進しております。合わせて「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定の上、サプライヤーと協働したエンゲージメントを通じて環境リスクの低減に継続して取り組んでおります。・施設や設備の稼働停止や対策・復旧/改修費用の発生しかしながら、環境に関する事故やステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化や社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。 ・重大な環境事故や人権侵害、法令違反等に伴う、施設・設備の稼働停止や操業制限 ・対策・復旧/改修費用の発生、増加 ・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い・業績やレピュテーションの低下・規制対応や追加的コストの増加による収益性の低下 ・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響 <主な対応・取り組み>・EHSポリシー・EHS行動規範の制定によるガバナンスの強化 ・環境及び安全衛生(EHS)統括管理体制の整備 ・環境マテリアリティ並びにEHSに関する中期行動計画の推進 ・各事業所における、ISO14001、ISO45001並びにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化 ・関連法令を遵守するとともに、より厳しい自主管理基準・目標を策定して対応を実施・SHIONOGIグループのポリシーの制定・運用による環境および人権に関するガバナンスの強化 ・環境および安全衛生(EHS)統括管理体制の整備 ・環境マテリアリティならびにEHSに関する中期行動計画の推進 ・各事業所における、ISO14001、ISO45001ならびにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化 ・関連法令の遵守に加え、より厳しい自主管理基準・目標を策定した環境対応の取り組み推進 ・取引先への環境リスクの評価ならびにエンゲージメント・監査を通じた改善要請の実施 (6) 人権 <概要> SHIONOGIの価値創造の源泉は、SHIONOGIグループで働く人材にほかなりません。多様な個性と価値観を尊重し合い、互いに切磋琢磨できる環境を整えることが、イノベーションの創出と持続的な成長につながると考えております。この認識のもと、適正な労働慣行の確立や機会均等の取り組み推進、安全で公正な職場環境の整備等の人権課題に取り組むことが、企業成長を支える人材の確保につながります。 合わせて、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに展開する中で、取引先や地域社会を含むバリューチェーン全体においても人権への影響が生じる可能性があります。これらの影響を適切にマネジメントすることが、事業継続・成長には不可欠であると認識しております。 近年の事業のグローバル化やサプライチェーンの複雑化に伴い、人権インシデント発生時の影響範囲が拡大する可能性があります。加えて、種々の事業投資により事業領域が拡大する中で、新たな人権リスクが顕在化する可能性も高まっております。従業員に関しては、ハラスメントや差別、長時間労働、安全配慮の不足等の発生が、人材のエンゲージメント低下や人材流出につながり、事業運営・成長に影響を及ぼすリスクとなり得ます。このため、当社グループでは、従業員および取引先や委託先を含めたバリューチェーン全体での人権配慮の重要性を一層強く認識しております。 具体的には、強制労働や児童労働の排除、差別の防止、多様性を尊重した公正な処遇、安全で健康的な労働環境の確保、地域社会への配慮を含む、様々な人権課題への対応が求められております。これらへの対応が不十分であった場合、法令違反や社会的信頼の低下を通じて、事業継続および企業価値に影響を及ぼす可能性があります。 このような認識のもと、当社は、「SHIONOGIグループ人権ポリシー」を策定し、事業活動を通じて影響を受ける可能性のあるすべての人々を対象とした人権尊重に取り組むとともに、「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定し、ビジネスパートナーとの継続的なエンゲージメントにより、人権侵害リスクの低減を図っております。 しかしながら、人権侵害に関わる事象の発生やそれに伴うステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化および社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。 ・人権侵害、法令違反等に伴う操業制限・停止 ・損害賠償訴訟の提起などの法的リスクの顕在化 ・顧客・提携先からの是正要求、取引条件の悪化、選定除外により事業機会の減少 ・労務慣行違反の発生による従業員のエンゲージメント低下、人材流出、人材確保の困難化 ・人材成長や能力発揮の阻害によるイノベーション創出力や中長期的な競争力の低下 ・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響 <主な対応・取り組み> ・「SHIONOGIグループ人権ポリシー」の制定・運用による人権に関するガバナンスの強化 ・公正・適正な評価・報酬制度の確立 ・同一労働同一賃金をベースとした人事制度の運用 ・各地域での定められた最低賃金を上回る生活賃金の提供 ・フレックスタイム制度、在宅勤務制度等多様な働き方が可能な環境支援 ・安全で健康な職場環境の整備 ・サプライヤーを含むバリューチェーン全体における人権課題リスクアセスメントの実施 ・サプライヤーとの定期的なエンゲージメントや監査、改善要請の実施 (7) 他社とのパートナーシップ <概要>事業パートナーとの協業は、経営資源や内部情報を互いに提供し、相互の強みを活かして事業強化を図ることが目的ですが、以下のリスクが想定されます。SHIONOGIは事業価値を最大化していく上で、他社とのパートナーシップを重要な経営戦略の1つとして位置付けております。・パートナーによる自社技術やノウハウの業務提携目的外の利用感染症領域においては、HIVやAMRをはじめとする分野で、研究開発、製造、販売、アクセス拡大に至るまで、自社単独では実現が困難な価値創出を、製薬企業、バイオベンチャー、各国政府や国際機関等との協業を通じて推進しております。また、QOL疾患領域においては、エダラボン事業の買収や希少疾患パイプラインの進展を背景に、専門性や技術を有する外部パートナーとの連携を通じて、研究開発力や事業展開力の強化を図っております。 近年、事業領域の拡大やM&Aの進展に伴い、パートナーの種類や関係性は一層多様化しており、共同研究やライセンス契約に加え、事業提携、アライアンス、政府・公的機関との協働など、協業の形態も複雑化しております。こうしたパートナーシップを適切にマネジメントし、相互の強みを活かしながら価値の最大化を図ることが、感染症領域およびQOL疾患領域の双方でのグローバルな成長において重要であると認識しております。 しかしながら、パートナーとの役割分担や責任範囲の認識の齟齬、情報管理の不備、協業関係の変化等により、下記のリスクが想定されます。 ・事業成果やシナジーの低下 ・自社の技術、ノウハウ、機密情報の外部流出 ・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟・自社による機密情報の漏洩・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下 <主な対応・取り組み>・パートナーとコミュニケーションを充実させることによる認識の齟齬の解消、信頼関係の維持・向上 ・想定されるリスクを織り込んだ秘密保持契約の締結 ・知的財産権の取り扱いや損害賠償に関する事項などを明確化した契約の締結 ・問題点や侵害リスクの調査を目的とした知的財産の定期的な点検による訴訟リスクの回避 ・データの適切な暗号化やアクセス制御の強化、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、セキュリティ監視体制の整備などによる情報管理体制の構築 ・パートナーへ共有する情報の最小化と情報共有ルールの整備 ・共有する情報の使用状況やアクセスログを監視する体制の整備 ・パートナー企業の情報管理体制の定期的な監査と評価 ・パートナー企業の信頼性や財務状況、法的な問題などについて多角的な観点からのデューディリジェンスの実施 ・問題点や改善点の早期発見を目的としたパートナーシップの定期的な監査と評価の実施・パートナーとのコミュニケーションを通じた、戦略・役割分担の明確化と信頼関係の維持・強化・秘密保持契約やライセンス契約等における知的財産権、情報管理、損害賠償に関する条件の明確化 ・導出入やM&A、アライアンス等における知的財産・法務・財務の観点を含めたデューディリジェンスの実施 ・情報の最小化やアクセス制御等を通じたデータ・情報管理体制の強化 ・パートナー企業のガバナンス、財務状況、コンプライアンス体制等に関する定期的な評価・監査の実施 ・課題やリスクの早期把握を目的としたパートナーシップ全体のモニタリング体制の構築 (8) 知的財産 <概要>SHIONOGIの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、グループ会社の増加や事業領域の変化・拡大等の要因により種々の知的財産が充分に保護できない恐れや、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。SHIONOGIの製品や研究開発成果は、知的財産権(特許権等)や技術、ノウハウ等の無形資産によって保護されることで、競争優位性を確保し、将来の収益創出につながっております。SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。現在、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、エダラボン事業の買収等により、事業領域や研究開発の形態が多様化しており、今後、保有する知的財産の十分な保護が困難となるおそれや、第三者の知的財産権を侵害する可能性も高まっております。また近年、事業買収や共同研究、ライセンス取引等を通じたオープンイノベーションの進展やグローバル市場における競争の激化により、知的財産を巡る権利関係や契約関係が一層複雑化している傾向にあります。それに伴い、知的財産権の帰属や有効性を巡る係争・紛争リスクが高まるとともに、想定外の知的財産侵害が生じる可能性も増加しております。このような認識のもと、知的財産を中長期的な価値創造を支える技術資本の1つとして位置付け、その適切な保護・活用と侵害リスクの低減に取り組んでおります。・期待される収益が失われることによる経営成績及び財政状態の悪化 ・知的財産権保護のための係争や訴訟しかしながら、SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。 ・知的財産権による保護が失われることによる競争優位性の低下、期待される収益の減少 ・知的財産権をめぐる係争や訴訟の発生および対応にかかる費用の発生・増加 ・損害賠償金の支払い・当該製品の製造販売の差止め ・企業ブランドやレピュテーションの低下・当該製品の製造販売の差止めや事業活動の制約 ・これらに伴う企業ブランドやレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み> ・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視・事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施 ・導出入活動における知財デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備 ・e-Learning等による従業員教育の定期的な実施・事業活動における、侵害予防調査の実施 ・導出入やアライアンス活動における知的財産デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備 ・IPランドスケープの活用による知的財産情報の分析・利活用を通じた、事業戦略および研究開発戦略の高度化 ・知的財産および無形資産に関するe-learning等を通じた従業員教育の継続的な実施 (9) 制度・行政 <概要> 医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国を始めとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)や最恵国待遇政策(MFN)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国をはじめとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革や毎年の薬価改定など、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更、事業活動および社会的責任に対する情報開示に関わる法制化により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。 ・医療用医薬品事業の予見性の低下 ・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定 ・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安 ・医薬品、ワクチン等の売上高・利益の減少 ・レピュテーションや投資家からの信頼の低下 <主な対応・取り組み> ・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供 ・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築 ・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進 ・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 ・説明責任を果たすための取り組みの推進と情報開示の強化上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
前年
(1) 品質 <概要> SHIONOGIは医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造及び委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しておりますが、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、以下のリスクが想定されます。 ・製品由来のレピュテーションの低下 ・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等 ・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘 ・企業の信頼低下 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進 ・社内における教育イベント等の開催による品質の重要性の理解浸透 ・Quality Cultureの醸成活動等の推進 ・製造所監査等を通じた管理監督活動 ・社内関連部署との連携会議等によるBad News Fast/Firstの体制強化 (2) グローバルサプライチェーンマネジメント <概要> 大地震や暴風雨、洪水などの自然災害やパンデミックの発生、または米中経済対立や台湾有事などの地政学的影響や人権・環境などのサステイナビリティの観点による影響などでサプライチェーンに問題が生じた場合、以下のリスクが想定されます。 ・工場の操業停止 ・原材料や製商品の調達困難 ・卸物流網の寸断並びに情報の停滞 ・医薬品の安定供給に対する重大な影響 ・社会や公衆衛生への悪影響 <主な対応・取り組み> ・保有在庫量の独自基準に基づく在庫管理 ・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築 ・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定) ・優先して供給すべきBCP品目の設定及び定期的な見直し ・サプライヤーに対するデューディリジェンス並びに監査の実施と改善要求 ・サプライヤーに対する「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」への同意取得 ・「マルチステークホルダー方針」に則った取引先への配慮 ・取引卸との円滑な連携と災害時対策の協議・立案 ・卸並びに市中在庫の透明化 ・危機管理体制及び危機管理規程類の見直し (3) ITセキュリティ・情報管理 <概要> 個人情報を含む多くの機密情報を保有し、アウトソーシング先を含めて各種ITシステムを利活用している中、従業員及びアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃などにより、ITセキュリティが脅かされた場合、以下のリスクが想定されます。 ・重要システム停止による事業の継続困難 ・個人情報を含む機密情報の流出 ・損害賠償請求などの法的な損害や事後対応に係る費用などの発生 ・業績やレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み> ・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性及びSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育の徹底 ・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制構築プロジェクトの推進 ・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用の改善 ・グローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の強化 (4) 製品安全 <概要> 医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て承認を受け販売しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保及び適正使用のために必要な対策を実施しております。また、当社はHaaS企業として医薬品以外の製品・サービスの販売を拡充しております。製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性を確保することが重要です。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用して頂くことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しています。医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生及び副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。 ・製品の販売中止や回収 ・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起 ・業績やレピュテーションへの影響 <主な対応・取り組み> ・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化及びシステムの構築 ・副作用や不具合等の拡大や被害の抑制につながる全従業員教育の実施 ・経営層を対象とした製品安全に関する教育の実施 ・医薬品の副作用等に基づく医療被害補償の保険加入 ・提供情報や啓発内容に対する専門家による監修及び社内審査の実施、内容の定期更新の実施 (5) コンプライアンス <概要> SHIONOGIではコンプライアンスを法律、規則、規制等の遵守に留まらず、社会規範の遵守、更には企業・社会人としての倫理的行動を含むという認識のもと、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動を重要なリスクと捉えており、当該リスクが顕在化した場合、以下の影響が想定されます。 ・レピュテーションの低下 ・ステークホルダーからの信頼の失墜 ・経営成績及び財政状態の悪化 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進 ・Global Compliance & Quality Weekを通じた、グループ全従業員のコンプライアンス意識の強化 ・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用 ・代表取締役会長兼社長CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回) ・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回) ・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック ・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全社員への教育の実施 (6) 環境 <概要> 医薬品の研究、開発、製造等の事業活動を行う過程において、環境や生態系などに影響を及ぼす事象が発生する可能性があります。それらによる被害が顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。 ・施設や設備の稼働停止や対策・復旧/改修費用の発生 ・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い ・業績やレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み> ・EHSポリシー・EHS行動規範の制定によるガバナンスの強化 ・環境及び安全衛生(EHS)統括管理体制の整備 ・環境マテリアリティ並びにEHSに関する中期行動計画の推進 ・各事業所における、ISO14001、ISO45001並びにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化 ・関連法令を遵守するとともに、より厳しい自主管理基準・目標を策定して対応を実施 (7) 他社とのパートナーシップ <概要> 事業パートナーとの協業は、経営資源や内部情報を互いに提供し、相互の強みを活かして事業強化を図ることが目的ですが、以下のリスクが想定されます。 ・パートナーによる自社技術やノウハウの業務提携目的外の利用 ・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟 ・自社による機密情報の漏洩 ・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下 <主な対応・取り組み> ・パートナーとコミュニケーションを充実させることによる認識の齟齬の解消、信頼関係の維持・向上 ・想定されるリスクを織り込んだ秘密保持契約の締結 ・知的財産権の取り扱いや損害賠償に関する事項などを明確化した契約の締結 ・問題点や侵害リスクの調査を目的とした知的財産の定期的な点検による訴訟リスクの回避 ・データの適切な暗号化やアクセス制御の強化、ファイヤーウォールによる外部からの不正アクセスの防止、セキュリティ監視体制の整備などによる情報管理体制の構築 ・パートナーへ共有する情報の最小化と情報共有ルールの整備 ・共有する情報の使用状況やアクセスログを監視する体制の整備 ・パートナー企業の情報管理体制の定期的な監査と評価 ・パートナー企業の信頼性や財務状況、法的な問題などについて多角的な観点からのデューディリジェンスの実施 ・問題点や改善点の早期発見を目的としたパートナーシップの定期的な監査と評価の実施 (8) 知的財産 <概要> SHIONOGIの製品は、知的財産権(特許権等)により保護されて利益を生み出しますが、グループ会社の増加や事業領域の変化・拡大等の要因により種々の知的財産が充分に保護できない恐れや、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。 SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。 ・期待される収益が失われることによる経営成績及び財政状態の悪化 ・知的財産権保護のための係争や訴訟 ・損害賠償金の支払い ・当該製品の製造販売の差止め ・企業ブランドやレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み> ・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視 ・事業活動にあたっては、侵害予防調査の実施 ・導出入活動における知財デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備 ・e-Learning等による従業員教育の定期的な実施 (9) 制度・行政 <概要> 医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国を始めとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革や毎年の薬価改定など、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。 ・医療用医薬品事業の予見性の低下 ・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定 ・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安 ・医薬品、ワクチン等の売上高・利益の減少 <主な対応・取り組み> ・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供 ・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築 ・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進 ・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
今年
(1) 品質 ・製品安全 <概要> SHIONOGIは医薬品等の製造管理および品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造および委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を実施しておりますが、製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性の確保に努めております。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用していただくことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しております。しかし、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生および副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。 ・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等 ・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘 ・製品の販売中止や回収 ・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起 ・業績やレピュテーションへの影響 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進 ・Quality Cultureの醸成活動等の推進 ・製造所監査等を通じた管理監督活動 ・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化およびシステムの構築 ・全従業員・経営陣を対象とした品質・製品安全に関する教育の実施 (2) グローバルサプライチェーンマネジメント <概要> SHIONOGIは、医薬品の安定供給を通じて社会的責任を果たすとともに、事業活動を安定的に遂行するため、グローバルに展開するサプライチェーンの強靭化に取り組んでおります。 大地震や暴風雨、洪水等の自然災害やパンデミックの発生、さらには米国におけるバイオセキュア法の成立や地政学的緊張の高まり等により、原材料や製商品を取り巻くサプライチェーン環境は不確実性を増しております。また、人権や環境に対する社会的要請の高まりを背景に、サプライヤーを含めたサプライチェーン全体におけるサステイナビリティへの配慮が一層重要となっております。 こうした環境変化を踏まえ、SHIONOGIでは、安定的な原材料調達の確保、代替サプライヤーの選定、適切な在庫水準の確保等を通じて供給途絶リスクの低減を図っております。一方で、過剰な在庫の積み上げや調達コストの急激な上昇は、事業収益や資本効率に影響を及ぼす可能性があることから、安定供給の確保とコストコントロールの両立が重要な経営課題であると認識しております。 SHIONOGIは、サプライチェーン上のリスクを多面的に把握し、事業上の影響と社会的影響の双方を考慮した対応を進めることで、環境・人権への配慮と事業の持続可能性を両立させたグローバルサプライチェーンマネジメントを推進しております。 しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、外部環境の急激な変化に対応できない場合には、以下のリスクが想定されます。 ・工場の操業停止 ・原材料や製商品の調達困難 ・卸物流網の寸断ならびに情報の停滞 ・医薬品の安定供給に対する重大な影響・過剰在庫やコスト負担増加による収益性や資本効率の低下 ・社会的評価やレピュテーションの毀損 <主な対応・取り組み> ・保有在庫量の適正化の推進 ・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築 ・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定) ・優先して供給すべきBCP品目の設定および定期的な見直し ・サプライヤーに対するデューディリジェンスならびに監査の実施と改善要求 (3) ITセキュリティ・情報管理 <概要> SHIONOGIは、医薬品の研究開発、製造、供給および医薬品情報の適切な情報の提供を通じて、人々の生命と健康を支える社会的責任を担っております。これらの事業活動を安定的かつ継続的に遂行するためには、個人情報を含む機密情報の適切な管理と、ITシステムの安全かつ安定した運用が不可欠です。当社は、グローバルで事業を展開する中、アウトソーシング先を含め多様なITシステムやデジタル基盤を利活用しておりますが、近年、日本企業を標的としたサイバー攻撃は増加・高度化しており、医療・製薬業界においても基幹システムの停止や情報漏洩を狙った攻撃が顕在化しております。 医薬品は社会に不可欠なインフラであり、製品の供給や医薬品情報、個人情報の提供・収集が停止した場合、患者さまや医療現場に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、サイバーセキュリティ上の脅威は、単なるITリスクの課題にとどまらず、事業継続や社会的信頼に直結するリスクであると認識しております。このようなリスク認識のもと、グループ全体で強固かつ信頼性の高いITセキュリティ体制の構築・運用や情報管理および内部統制の強化に継続的に取り組んでおります。 しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、従業員およびアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃や不正アクセス等が発生した場合以下のリスクが想定されます。 ・基幹システムや重要システム停止による事業の継続困難 ・個人情報を含む機密情報の流出・毀損 ・損害賠償請求や行政対応等の法的・社会的責任の発生、事後対応に関わる費用負担増加 ・医薬品の供給や情報提供への影響による社会的信頼・レピュテーションの低下 ・上記に伴う業績への悪影響 <主な対応・取り組み> ・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性およびSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育・啓発の徹底 ・セキュリティおよび内部不正防止を含む情報セキュリティ管理体制の継続的な強化 ・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制のさらなる強化 ・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用プロセスの改善 ・グローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の強化 (4) コンプライアンス <概要> SHIONOGIは、コンプライアンスを企業の存続と持続的成長を支える根幹と捉え、すべての事業活動の基盤に据えております。また、法律、規則および規制の遵守にとどまらず、社会規範の遵守や企業・社会人としての倫理的行動を含むものと捉え、グループ全体でその徹底を図っております。近年、事業のグローバル化や事業領域の拡大、組織構造の複雑化に加え、社会やステークホルダーから企業行動に対する目線が一層厳しくなる中、今後、コンプライアンス上の問題がより顕在化しやすい環境になることが予想されます。 このような環境下において、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動が生じた場合には、社会的評価やステークホルダーからの信頼を損なうのみならず、事業の継続や企業価値に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、これらを重要な経営リスクとして認識しております。 具体的には、ビジネスプロセス全体を通じて潜在的なコンプライアンスリスクを把握し、各組織が主体的に対応する体制を整備するとともに、健全で透明性の高い企業風土の醸成に継続的に取り組んでおります。 しかしながら、内外の環境変化や不正・不祥事の兆候の早期把握の遅れ等によるコンプライアンス上の問題が顕在化した場合等は、以下のリスクが想定されます。 ・レピュテーションの低下 ・ステークホルダーからの信頼の失墜 ・経営成績および財政状態の悪化 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進・浸透 ・Global Compliance & Quality Weekを通じた、グループ全従業員のコンプライアンス意識の強化 ・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用 ・代表取締役会長兼社長 CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回) ・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回) ・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック ・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全従業員への教育の実施 ・執行役員、本部長・グループ会社社長、組織長等を対象とした階層別研修の実施 (5) 環境 <概要> SHIONOGIは、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに行う過程において施設・設備の使用や原材料・エネルギーの消費等を通じて環境や生態系に影響を及ぼす可能性があることを認識しております。また、近年の気候変動の進行や自然災害の激甚化は、事業活動そのものに影響を及ぼすリスク要因を伴っており、これらの環境課題への対応を適切に行うことは、安定的な事業運営を維持する上で重要な前提条件となっております。さらに、原材料調達や取引先を含むバリューチェーン全体においても環境への負の影響が生じる可能性があり、調達・取引の側面からも環境配慮が重要であると認識しております。自社を含むバリューチェーンでの環境関連の事故や規制違反、ならびに環境負荷低減の対応の遅れは、操業停止や追加的な対策費用の発生、法的責任の拡大、さらには社会的評価の低下を通じてSHIONOGIグループの業績や企業価値に影響を及ぼす恐れがあることから、環境に関するリスクを重要な経営リスクとして認識しております。このような背景を受け、EHSガバナンス体制のもと、「SHIONOGIグループEHS行動目標」を中長期目標として掲げ、バリューチェーン全体で「気候変動」「省資源・資源循環」「水」「AMR」を中心に、環境負荷低減の活動を推進しております。合わせて「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定の上、サプライヤーと協働したエンゲージメントを通じて環境リスクの低減に継続して取り組んでおります。 しかしながら、環境に関する事故やステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化や社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。 ・重大な環境事故や人権侵害、法令違反等に伴う、施設・設備の稼働停止や操業制限 ・対策・復旧/改修費用の発生、増加 ・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い ・規制対応や追加的コストの増加による収益性の低下 ・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響 <主な対応・取り組み> ・SHIONOGIグループのポリシーの制定・運用による環境および人権に関するガバナンスの強化 ・環境および安全衛生(EHS)統括管理体制の整備 ・環境マテリアリティならびにEHSに関する中期行動計画の推進 ・各事業所における、ISO14001、ISO45001ならびにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化 ・関連法令の遵守に加え、より厳しい自主管理基準・目標を策定した環境対応の取り組み推進 ・取引先への環境リスクの評価ならびにエンゲージメント・監査を通じた改善要請の実施 (6) 人権 <概要> SHIONOGIの価値創造の源泉は、SHIONOGIグループで働く人材にほかなりません。多様な個性と価値観を尊重し合い、互いに切磋琢磨できる環境を整えることが、イノベーションの創出と持続的な成長につながると考えております。この認識のもと、適正な労働慣行の確立や機会均等の取り組み推進、安全で公正な職場環境の整備等の人権課題に取り組むことが、企業成長を支える人材の確保につながります。 合わせて、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに展開する中で、取引先や地域社会を含むバリューチェーン全体においても人権への影響が生じる可能性があります。これらの影響を適切にマネジメントすることが、事業継続・成長には不可欠であると認識しております。 近年の事業のグローバル化やサプライチェーンの複雑化に伴い、人権インシデント発生時の影響範囲が拡大する可能性があります。加えて、種々の事業投資により事業領域が拡大する中で、新たな人権リスクが顕在化する可能性も高まっております。従業員に関しては、ハラスメントや差別、長時間労働、安全配慮の不足等の発生が、人材のエンゲージメント低下や人材流出につながり、事業運営・成長に影響を及ぼすリスクとなり得ます。このため、当社グループでは、従業員および取引先や委託先を含めたバリューチェーン全体での人権配慮の重要性を一層強く認識しております。 具体的には、強制労働や児童労働の排除、差別の防止、多様性を尊重した公正な処遇、安全で健康的な労働環境の確保、地域社会への配慮を含む、様々な人権課題への対応が求められております。これらへの対応が不十分であった場合、法令違反や社会的信頼の低下を通じて、事業継続および企業価値に影響を及ぼす可能性があります。 このような認識のもと、当社は、「SHIONOGIグループ人権ポリシー」を策定し、事業活動を通じて影響を受ける可能性のあるすべての人々を対象とした人権尊重に取り組むとともに、「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定し、ビジネスパートナーとの継続的なエンゲージメントにより、人権侵害リスクの低減を図っております。 しかしながら、人権侵害に関わる事象の発生やそれに伴うステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化および社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。 ・人権侵害、法令違反等に伴う操業制限・停止 ・損害賠償訴訟の提起などの法的リスクの顕在化 ・顧客・提携先からの是正要求、取引条件の悪化、選定除外により事業機会の減少 ・労務慣行違反の発生による従業員のエンゲージメント低下、人材流出、人材確保の困難化 ・人材成長や能力発揮の阻害によるイノベーション創出力や中長期的な競争力の低下 ・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響 <主な対応・取り組み> ・「SHIONOGIグループ人権ポリシー」の制定・運用による人権に関するガバナンスの強化 ・公正・適正な評価・報酬制度の確立 ・同一労働同一賃金をベースとした人事制度の運用 ・各地域での定められた最低賃金を上回る生活賃金の提供 ・フレックスタイム制度、在宅勤務制度等多様な働き方が可能な環境支援 ・安全で健康な職場環境の整備 ・サプライヤーを含むバリューチェーン全体における人権課題リスクアセスメントの実施 ・サプライヤーとの定期的なエンゲージメントや監査、改善要請の実施 (7) 他社とのパートナーシップ <概要> SHIONOGIは事業価値を最大化していく上で、他社とのパートナーシップを重要な経営戦略の1つとして位置付けております。 感染症領域においては、HIVやAMRをはじめとする分野で、研究開発、製造、販売、アクセス拡大に至るまで、自社単独では実現が困難な価値創出を、製薬企業、バイオベンチャー、各国政府や国際機関等との協業を通じて推進しております。また、QOL疾患領域においては、エダラボン事業の買収や希少疾患パイプラインの進展を背景に、専門性や技術を有する外部パートナーとの連携を通じて、研究開発力や事業展開力の強化を図っております。 近年、事業領域の拡大やM&Aの進展に伴い、パートナーの種類や関係性は一層多様化しており、共同研究やライセンス契約に加え、事業提携、アライアンス、政府・公的機関との協働など、協業の形態も複雑化しております。こうしたパートナーシップを適切にマネジメントし、相互の強みを活かしながら価値の最大化を図ることが、感染症領域およびQOL疾患領域の双方でのグローバルな成長において重要であると認識しております。 しかしながら、パートナーとの役割分担や責任範囲の認識の齟齬、情報管理の不備、協業関係の変化等により、下記のリスクが想定されます。 ・事業成果やシナジーの低下 ・自社の技術、ノウハウ、機密情報の外部流出 ・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟 ・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下 <主な対応・取り組み> ・パートナーとのコミュニケーションを通じた、戦略・役割分担の明確化と信頼関係の維持・強化・秘密保持契約やライセンス契約等における知的財産権、情報管理、損害賠償に関する条件の明確化 ・導出入やM&A、アライアンス等における知的財産・法務・財務の観点を含めたデューディリジェンスの実施 ・情報の最小化やアクセス制御等を通じたデータ・情報管理体制の強化 ・パートナー企業のガバナンス、財務状況、コンプライアンス体制等に関する定期的な評価・監査の実施 ・課題やリスクの早期把握を目的としたパートナーシップ全体のモニタリング体制の構築 (8) 知的財産 <概要> SHIONOGIの製品や研究開発成果は、知的財産権(特許権等)や技術、ノウハウ等の無形資産によって保護されることで、競争優位性を確保し、将来の収益創出につながっております。 現在、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、エダラボン事業の買収等により、事業領域や研究開発の形態が多様化しており、今後、保有する知的財産の十分な保護が困難となるおそれや、第三者の知的財産権を侵害する可能性も高まっております。また近年、事業買収や共同研究、ライセンス取引等を通じたオープンイノベーションの進展やグローバル市場における競争の激化により、知的財産を巡る権利関係や契約関係が一層複雑化している傾向にあります。それに伴い、知的財産権の帰属や有効性を巡る係争・紛争リスクが高まるとともに、想定外の知的財産侵害が生じる可能性も増加しております。このような認識のもと、知的財産を中長期的な価値創造を支える技術資本の1つとして位置付け、その適切な保護・活用と侵害リスクの低減に取り組んでおります。 しかしながら、SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。 ・知的財産権による保護が失われることによる競争優位性の低下、期待される収益の減少 ・知的財産権をめぐる係争や訴訟の発生および対応にかかる費用の発生・増加 ・損害賠償金の支払い ・当該製品の製造販売の差止めや事業活動の制約 ・これらに伴う企業ブランドやレピュテーションの低下 <主な対応・取り組み> ・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視 ・事業活動における、侵害予防調査の実施 ・導出入やアライアンス活動における知的財産デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備 ・IPランドスケープの活用による知的財産情報の分析・利活用を通じた、事業戦略および研究開発戦略の高度化 ・知的財産および無形資産に関するe-learning等を通じた従業員教育の継続的な実施 (9) 制度・行政 <概要> 医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)や最恵国待遇政策(MFN)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国をはじめとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革や毎年の薬価改定など、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更、事業活動および社会的責任に対する情報開示に関わる法制化により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。 ・医療用医薬品事業の予見性の低下 ・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定 ・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安 ・医薬品、ワクチン等の売上高・利益の減少 ・レピュテーションや投資家からの信頼の低下 <主な対応・取り組み> ・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供 ・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築 ・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進 ・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処 ・説明責任を果たすための取り組みの推進と情報開示の強化 上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
前年のKAMであったViiV社株式の公正価値測定およびTetra社企業結合で識別した仕掛研究開発資産(zatolmilast)の評価が記載から無くなり、新たに日本たばこ産業の医薬事業を会社分割で承継した企業結合の会計処理がKAMとして記載された。当該企業結合では取得資産97,049百万円・引受負債48,996百万円を暫定測定し、負ののれん発生益43,781百万円(税引前利益の約18.3%)を計上している。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。非上場株式(ViiV Healthcare Ltd.)の公正価値測定 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表の「注記17. その他の金融資産」に記載されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として、ViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」という。)の株式を229,993百万円計上しており、連結財政状態計算書において、資産合計の15.0%と重要な割合を占めている。評価対象であるViiV社は、抗HIV薬の開発、製造及び販売を行う非上場企業であり、過年度に会社から導出したHIVフランチャイズの売上に応じたロイヤリティー収入を受領している相手先である。 会社は、ヘルスケア社会課題解決を通じた価値創造として「感染症の脅威からの解放」を重要課題(マテリアリティ)の一つに特定している。その中において、世界三大感染症の一つであり、治療に長時間を要する感染症であるHIV感染症の治療薬及び予防薬を手掛けるViiV社株式の公正価値は、財務諸表利用者が連結財務諸表を理解するうえで重要である。 ViiV社株式の公正価値は、連結財務諸表の「注記2. 作成の基礎」及び「注記30. 金融商品」に記載されているとおり、将来キャッシュ・フロー及び割引率等の観察可能な市場データに基づかないインプットを利用する評価技法によって測定されており、その測定には多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、以下の理由により各製品のピークセールス及び割引率である。 ・HIV感染症については、抗HIV薬の改良により抗ウイルス効果や安全性、耐性バリアは高水準となり、HIV感染症の感染者数は増加する一方で死亡率は大きく改善している。しかしながら、体内の血中ウイルス量を低く維持するために、薬剤を服用し続けなければならないなど治療は長時間を要するため、更なるQOL(Quality of Life)が求められており、①毎日の服薬への負担と不安を解消、②HIVを意識しない生活等、従来の経口剤で満たせないアンメットニーズが存在する。これらのアンメットニーズを満たす製品群として、ViiV社は2か月に1回の長期間作用型製剤として、治療薬のCabenuvaや、予防薬のApretudeを開発、上市した。そのため、これらの製品群を含む、上市後未だ導入期・成長期にある製品の将来のピークセールスの経営者による見積りは、将来キャッシュ・フローに大きな影響を与え、かつこれらは競合製品の販売動向及び販売戦略の影響を受けるため、経営者の主観性及び不確実性が伴う。以上より、各製品のピークセールスについて経営者による重要な判断が必要になる。 ・割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識が必要になる。 以上より、ViiV社株式の公正価値測定は、各製品のピークセールス及び割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる重要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を連結財務諸表の監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 監査上の対応 当監査法人は、ViiV社株式の公正価値測定を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、金融商品の公正価値の測定における評価技法を検証した。 ・各製品のピークセールスについては、経営者と競合製品の販売動向及び販売戦略を踏まえて議論し、過去実績やアナリストによる客観的なレポートといった利用可能な外部データとの整合性を検討した。 ・割引率を含む公正価値の測定結果については、利用可能な外部データを用いた当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。 ・公正価値の測定結果に対して感応度の高い仮定である割引率について感応度分析を実施し、公正価値に与える影響を検討した。 Tetra Therapeutics Inc.の企業結合から識別した無形資産(仕掛研究開発資産)の評価日本たばこ産業株式会社の医薬事業を会社分割により承継することによる企業結合に伴う会計処理 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由連結財務諸表の「注記2. 作成の基礎」に記載されているとおり、会社は製品及び技術の導入契約や企業結合に伴い取得した製品や研究開発にかかる権利のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、仕掛研究開発資産として「製品に係る無形資産」に含めて計上している。 このうち、過年度にTetra Therapeutics Inc. (以下「Tetra社」という。)の企業結合から識別した脆弱X症候群治療薬として第II/III相試験段階にあるzatolmilastについては、2025年3月31日現在、連結財政状態計算書において無形資産として11,892百万円を計上している。 仕掛研究開発資産として計上された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、規制当局からの販売承認を得て、使用可能な状態になるまで償却をせず、減損の兆候がある場合にはその都度及び減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施している。会社は、zatolmilastの減損テストを実施するに当たり、回収可能価額を処分費用控除後の公正価値により測定している。公正価値は超過収益法により算定しており、公正価値の測定において、多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、以下の理由により上市前の製品についての規制当局による販売承認の可能性、上市後の販売予測の構成要素である想定販売単価、マーケットシェアを加味した想定患者数及び、割引率である。 ・医薬品の創製は、一般に、1. 新薬候補化合物であるリード化合物の発見や、リード化合物の薬効と安全性を高めていくリード化合物の最適化といった基礎研究から、2. ヒトを対象とせず、候補化合物の有効性・安全性・体内動態などを評価する非臨床研究、3. ヒトを対象として、候補化合物の有効性や安全性などを確認する試験である臨床研究(治験)といったプロセスがあり、さらに臨床研究は、(1)初めてヒトに投与し安全性を確認する第I相試験、(2)比較的少人数の患者に対して投与して有効性・安全性を検証すると共に有効な用法を見極める第II相試験、(3)より多数の患者に投与して有効性・安全性を検証する第III相試験に分かれる。これらの研究開発活動は、一般に10年以上の年月をかけて実施され、多額の費用が必要となり、かつ各段階での研究開発活動の成果及び規制当局からの販売承認取得可否には、不確実性を伴うため、販売承認の可能性の変化に伴い、回収可能価額が低下する場合には、減損損失を計上する可能性がある。 会社は、ヘルスケア社会課題解決を通じた価値創造として「健やかで豊かな人生への貢献」を重要課題(マテリアリティ)の一つに特定しており、中期経営計画であるSTS2030 Phase2においても、アンメットニーズに応えるべく、社会的影響度の高いQOL(Quality of Life)疾患への挑戦に取り組むことを表明しており、具体的に検討中の疾患例として認知症や子どもの疾患などを掲げ、製品ポートフォリオの拡充、強化を加速している。その中で、会社は、有症者数が1万人に1人程度と少なく、承認された薬剤がない脆弱X症候群治療薬の新たな選択肢として、zatolmilastの研究開発を引き続き検討している。また、このzatolmilastはSTS2030 Revisionにおける注力パイプラインの1つである。 ・zatolmilastは、現在、脆弱X症候群治療薬としての第II/III相試験を実施していることから、今後の規制当局からの販売承認取得の可能性にかかる見積りは重要であり、製品の開発状況及び規制当局との協議状況等を踏まえた上で、経営者による重要な判断が必要になる。連結財務諸表の「注記37.企業結合」に記載されているとおり、会社は、2025年12月1日に、日本たばこ産業株式会社の医薬事業(以下「JT医薬事業」)を会社分割により会社へ承継している。当連結会計年度において、会社は、識別可能な取得資産及び引受負債を取得日時点の公正価値により測定しており、取得資産、引受負債はそれぞれ97,049百万円、48,996百万円と暫定的に測定している。この結果として、負ののれん発生益43,781百万円が計上されており、税引前利益の約18.3%を占めている。当該企業結合における取得資産の大半は、導出契約から生じるロイヤリティー収入に係る無形資産45,532百万円である。・想定販売単価は競合品の出現等の状況の変化に応じて変動することから、上市後の販売予測の構成要素である想定販売単価の見積りについて、不確実性が伴う。そのため、想定販売単価の見積りは重要であり、競合品の出現の状況等を踏まえた上で経営者による重要な判断が必要になる。会社は、「日本発の革新的な医薬品を世界に届けるリーディング・カンパニー」を誕生させ、持続可能で健全な社会の実現に寄与するものとして、低分子創薬に強みを持ち、高い研究開発技術を持つJT医薬事業を承継することにより、両社が保有する有力なパイプライン開発の加速及び会社の医薬品製造機能と連携体制構築による効率的かつスピーディーな事業運営が可能になると考えている。・脆弱X症候群は、発達遅延、知的障害を特徴とする遺伝性の疾患であり、対症療法が中心となっている。有症者数が少なくマーケットシェアを加味した想定患者数の変動が減損テストの結果に与える影響は大きい。そのため、特に当該領域における想定患者数の見積りは不確実性が伴う。また、現時点の製品の開発状況及び規制当局との協議状況等を考慮し、外部データを踏まえて、上市後の患者数を見積る必要があるため、不確実性が伴う。そのため、当治療薬の投与対象となる想定患者数の見積りは重要であり、上市後の患者数について経営者による重要な判断が必要になる。当該無形資産の公正価値測定により、会社が認識した負ののれん発生益の金額が変動する可能性があり、無形資産の公正価値測定は、財務諸表利用者が連結財務諸表を理解するうえで重要である。・割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識が必要になる。無形資産の公正価値測定には多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、各製品の将来売上予測である。以上より、Tetra社の企業結合から識別した脆弱X症候群治療薬としてのzatolmilastの回収可能価額は、販売承認の可能性、想定販売単価、マーケットシェアを加味した想定患者数、割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる重要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を連結財務諸表の監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。・各製品の将来売上予測は、競合品の販売動向、競争環境の変化及び導出先の販売戦略の影響等に応じて変動し、見積りには不確実性が伴う。そのため、各製品の将来売上予測の見積りは重要であり、経営者による重要な判断が必要となる。 以上より、当監査法人は、JT医薬事業を会社分割により承継することによる企業結合に伴う会計処理のうち、暫定的な無形資産の公正価値測定及び負ののれん発生益の計上額を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 監査上の対応当監査法人は、仕掛研究開発資産の減損テストを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、暫定的な無形資産の公正価値測定及び負ののれん発生益の計上額を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、公正価値の測定における評価技法を検証した。・取引の概要、取得価額の決定の経緯及び負ののれん発生益の発生要因を理解するため、取締役会議事録、財務調査報告書を含む関連資料の閲覧及び経営者への質問を実施した。・規制当局による販売承認の可能性については、製品の開発状況及び成功確率に関して経営者及び担当部門責任者と議論し、研究開発の各段階における成功確率に関して利用可能な外部データとの整合性を検討した。・負債が網羅的に識別されていることを検討するために、吸収分割に関する合意書、財務調査報告書、税務調査報告書及び法務調査報告書を閲覧するとともに、経営管理者への質問を実施した。・想定販売単価及びマーケットシェアを加味した想定患者数については、治療薬の有効性や競合品の状況に関して、製品の開発状況及び競合品の状況を踏まえて経営者及び担当部門責任者と議論し、想定販売単価及びマーケットシェアを加味した想定患者数の基礎となる利用可能な外部データを考慮して評価した。・無形資産の公正価値測定に係る各製品の将来売上予測については、経営者に質問をするとともに、過去実績や利用可能な外部データを考慮して検討した。・割引率については、利用可能な外部データを用いた当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を利用して、割引率の算定方法の適切性を評価するとともに、インプットデータを外部の情報源と照合した。・無形資産及び負ののれん発生益の計上額の正確性を検討するため、無形資産については公正価値の算定資料について、また、負ののれん発生益については取得原価と識別可能な取得資産及び引受負債との差額として計上されていることについて再計算した。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 非上場株式(ViiV Healthcare Ltd.)の公正価値測定 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表の「注記17. その他の金融資産」に記載されているとおり、会社は、2025年3月31日現在、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として、ViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」という。)の株式を229,993百万円計上しており、連結財政状態計算書において、資産合計の15.0%と重要な割合を占めている。評価対象であるViiV社は、抗HIV薬の開発、製造及び販売を行う非上場企業であり、過年度に会社から導出したHIVフランチャイズの売上に応じたロイヤリティー収入を受領している相手先である。 会社は、ヘルスケア社会課題解決を通じた価値創造として「感染症の脅威からの解放」を重要課題(マテリアリティ)の一つに特定している。その中において、世界三大感染症の一つであり、治療に長時間を要する感染症であるHIV感染症の治療薬及び予防薬を手掛けるViiV社株式の公正価値は、財務諸表利用者が連結財務諸表を理解するうえで重要である。 ViiV社株式の公正価値は、連結財務諸表の「注記2. 作成の基礎」及び「注記30. 金融商品」に記載されているとおり、将来キャッシュ・フロー及び割引率等の観察可能な市場データに基づかないインプットを利用する評価技法によって測定されており、その測定には多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、以下の理由により各製品のピークセールス及び割引率である。 ・HIV感染症については、抗HIV薬の改良により抗ウイルス効果や安全性、耐性バリアは高水準となり、HIV感染症の感染者数は増加する一方で死亡率は大きく改善している。しかしながら、体内の血中ウイルス量を低く維持するために、薬剤を服用し続けなければならないなど治療は長時間を要するため、更なるQOL(Quality of Life)が求められており、①毎日の服薬への負担と不安を解消、②HIVを意識しない生活等、従来の経口剤で満たせないアンメットニーズが存在する。これらのアンメットニーズを満たす製品群として、ViiV社は2か月に1回の長期間作用型製剤として、治療薬のCabenuvaや、予防薬のApretudeを開発、上市した。そのため、これらの製品群を含む、上市後未だ導入期・成長期にある製品の将来のピークセールスの経営者による見積りは、将来キャッシュ・フローに大きな影響を与え、かつこれらは競合製品の販売動向及び販売戦略の影響を受けるため、経営者の主観性及び不確実性が伴う。以上より、各製品のピークセールスについて経営者による重要な判断が必要になる。 ・割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識が必要になる。 以上より、ViiV社株式の公正価値測定は、各製品のピークセールス及び割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる重要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を連結財務諸表の監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 監査上の対応 当監査法人は、ViiV社株式の公正価値測定を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、金融商品の公正価値の測定における評価技法を検証した。 ・各製品のピークセールスについては、経営者と競合製品の販売動向及び販売戦略を踏まえて議論し、過去実績やアナリストによる客観的なレポートといった利用可能な外部データとの整合性を検討した。 ・割引率を含む公正価値の測定結果については、利用可能な外部データを用いた当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家による見積りと比較した。 ・公正価値の測定結果に対して感応度の高い仮定である割引率について感応度分析を実施し、公正価値に与える影響を検討した。 Tetra Therapeutics Inc.の企業結合から識別した無形資産(仕掛研究開発資産)の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表の「注記2. 作成の基礎」に記載されているとおり、会社は製品及び技術の導入契約や企業結合に伴い取得した製品や研究開発にかかる権利のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、仕掛研究開発資産として「製品に係る無形資産」に含めて計上している。 このうち、過年度にTetra Therapeutics Inc. (以下「Tetra社」という。)の企業結合から識別した脆弱X症候群治療薬として第II/III相試験段階にあるzatolmilastについては、2025年3月31日現在、連結財政状態計算書において無形資産として11,892百万円を計上している。 仕掛研究開発資産として計上された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、規制当局からの販売承認を得て、使用可能な状態になるまで償却をせず、減損の兆候がある場合にはその都度及び減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施している。会社は、zatolmilastの減損テストを実施するに当たり、回収可能価額を処分費用控除後の公正価値により測定している。公正価値は超過収益法により算定しており、公正価値の測定において、多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、以下の理由により上市前の製品についての規制当局による販売承認の可能性、上市後の販売予測の構成要素である想定販売単価、マーケットシェアを加味した想定患者数及び、割引率である。 ・医薬品の創製は、一般に、1. 新薬候補化合物であるリード化合物の発見や、リード化合物の薬効と安全性を高めていくリード化合物の最適化といった基礎研究から、2. ヒトを対象とせず、候補化合物の有効性・安全性・体内動態などを評価する非臨床研究、3. ヒトを対象として、候補化合物の有効性や安全性などを確認する試験である臨床研究(治験)といったプロセスがあり、さらに臨床研究は、(1)初めてヒトに投与し安全性を確認する第I相試験、(2)比較的少人数の患者に対して投与して有効性・安全性を検証すると共に有効な用法を見極める第II相試験、(3)より多数の患者に投与して有効性・安全性を検証する第III相試験に分かれる。これらの研究開発活動は、一般に10年以上の年月をかけて実施され、多額の費用が必要となり、かつ各段階での研究開発活動の成果及び規制当局からの販売承認取得可否には、不確実性を伴うため、販売承認の可能性の変化に伴い、回収可能価額が低下する場合には、減損損失を計上する可能性がある。 会社は、ヘルスケア社会課題解決を通じた価値創造として「健やかで豊かな人生への貢献」を重要課題(マテリアリティ)の一つに特定しており、中期経営計画であるSTS2030 Phase2においても、アンメットニーズに応えるべく、社会的影響度の高いQOL(Quality of Life)疾患への挑戦に取り組むことを表明しており、具体的に検討中の疾患例として認知症や子どもの疾患などを掲げ、製品ポートフォリオの拡充、強化を加速している。その中で、会社は、有症者数が1万人に1人程度と少なく、承認された薬剤がない脆弱X症候群治療薬の新たな選択肢として、zatolmilastの研究開発を引き続き検討している。また、このzatolmilastはSTS2030 Revisionにおける注力パイプラインの1つである。 ・zatolmilastは、現在、脆弱X症候群治療薬としての第II/III相試験を実施していることから、今後の規制当局からの販売承認取得の可能性にかかる見積りは重要であり、製品の開発状況及び規制当局との協議状況等を踏まえた上で、経営者による重要な判断が必要になる。 ・想定販売単価は競合品の出現等の状況の変化に応じて変動することから、上市後の販売予測の構成要素である想定販売単価の見積りについて、不確実性が伴う。そのため、想定販売単価の見積りは重要であり、競合品の出現の状況等を踏まえた上で経営者による重要な判断が必要になる。 ・脆弱X症候群は、発達遅延、知的障害を特徴とする遺伝性の疾患であり、対症療法が中心となっている。有症者数が少なくマーケットシェアを加味した想定患者数の変動が減損テストの結果に与える影響は大きい。そのため、特に当該領域における想定患者数の見積りは不確実性が伴う。また、現時点の製品の開発状況及び規制当局との協議状況等を考慮し、外部データを踏まえて、上市後の患者数を見積る必要があるため、不確実性が伴う。そのため、当治療薬の投与対象となる想定患者数の見積りは重要であり、上市後の患者数について経営者による重要な判断が必要になる。 ・割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり評価に関する高度な専門知識が必要になる。 以上より、Tetra社の企業結合から識別した脆弱X症候群治療薬としてのzatolmilastの回収可能価額は、販売承認の可能性、想定販売単価、マーケットシェアを加味した想定患者数、割引率といった経営者の判断若しくは高度な専門知識が含まれる重要な仮定による影響を受けることから、当監査法人は当該事項を連結財務諸表の監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 監査上の対応 当監査法人は、仕掛研究開発資産の減損テストを検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、公正価値の測定における評価技法を検証した。 ・規制当局による販売承認の可能性については、製品の開発状況及び成功確率に関して経営者及び担当部門責任者と議論し、研究開発の各段階における成功確率に関して利用可能な外部データとの整合性を検討した。 ・想定販売単価及びマーケットシェアを加味した想定患者数については、治療薬の有効性や競合品の状況に関して、製品の開発状況及び競合品の状況を踏まえて経営者及び担当部門責任者と議論し、想定販売単価及びマーケットシェアを加味した想定患者数の基礎となる利用可能な外部データを考慮して評価した。 ・割引率については、利用可能な外部データを用いた当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を利用して、割引率の算定方法の適切性を評価するとともに、インプットデータを外部の情報源と照合した。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 日本たばこ産業株式会社の医薬事業を会社分割により承継することによる企業結合に伴う会計処理 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 連結財務諸表の「注記37.企業結合」に記載されているとおり、会社は、2025年12月1日に、日本たばこ産業株式会社の医薬事業(以下「JT医薬事業」)を会社分割により会社へ承継している。当連結会計年度において、会社は、識別可能な取得資産及び引受負債を取得日時点の公正価値により測定しており、取得資産、引受負債はそれぞれ97,049百万円、48,996百万円と暫定的に測定している。この結果として、負ののれん発生益43,781百万円が計上されており、税引前利益の約18.3%を占めている。当該企業結合における取得資産の大半は、導出契約から生じるロイヤリティー収入に係る無形資産45,532百万円である。 会社は、「日本発の革新的な医薬品を世界に届けるリーディング・カンパニー」を誕生させ、持続可能で健全な社会の実現に寄与するものとして、低分子創薬に強みを持ち、高い研究開発技術を持つJT医薬事業を承継することにより、両社が保有する有力なパイプライン開発の加速及び会社の医薬品製造機能と連携体制構築による効率的かつスピーディーな事業運営が可能になると考えている。 当該無形資産の公正価値測定により、会社が認識した負ののれん発生益の金額が変動する可能性があり、無形資産の公正価値測定は、財務諸表利用者が連結財務諸表を理解するうえで重要である。 無形資産の公正価値測定には多くの仮定が織り込まれているが、重要な仮定は、各製品の将来売上予測である。 ・各製品の将来売上予測は、競合品の販売動向、競争環境の変化及び導出先の販売戦略の影響等に応じて変動し、見積りには不確実性が伴う。そのため、各製品の将来売上予測の見積りは重要であり、経営者による重要な判断が必要となる。 以上より、当監査法人は、JT医薬事業を会社分割により承継することによる企業結合に伴う会計処理のうち、暫定的な無形資産の公正価値測定及び負ののれん発生益の計上額を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 監査上の対応 当監査法人は、暫定的な無形資産の公正価値測定及び負ののれん発生益の計上額を検討するに当たり、主として以下の監査手続を実施した。 ・取引の概要、取得価額の決定の経緯及び負ののれん発生益の発生要因を理解するため、取締役会議事録、財務調査報告書を含む関連資料の閲覧及び経営者への質問を実施した。 ・負債が網羅的に識別されていることを検討するために、吸収分割に関する合意書、財務調査報告書、税務調査報告書及び法務調査報告書を閲覧するとともに、経営管理者への質問を実施した。 ・無形資産の公正価値測定に係る各製品の将来売上予測については、経営者に質問をするとともに、過去実績や利用可能な外部データを考慮して検討した。 ・無形資産及び負ののれん発生益の計上額の正確性を検討するため、無形資産については公正価値の算定資料について、また、負ののれん発生益については取得原価と識別可能な取得資産及び引受負債との差額として計上されていることについて再計算した。
リスクマネジメント体制の記述が再構成され、トップダウンとボトムアップの両面運用、事業遂行上のリスクは各組織がリスクオーナーとなり自律的に推進する点、外部トレンドの兆候把握、リスクマネジメント事務局の役割が新たに記載された。経営会議・取締役会での確認・モニタリングは半期に一度と明記され、クライシスマネジメント/BCPは別見出しに整理された。リスク項目そのものの追加・削除はなく、体制・運用の説明の更新にとどまる。
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3 【事業等のリスク】SHIONOGIは、事業機会の創出及びリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。リスクマネジメント体制 SHIONOGIは、事業機会の創出およびリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。全社的リスクマネジメントの運用・管理は、業績及び経営に重大な影響を及ぼす可能性があると評価した重要なリスクを、戦略の意思決定に内在及び戦略の遂行を阻害する「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与える「事業遂行上のリスク」の2つに分類し、責任の明確化及び対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っています。これらのリスクは経営会議及び取締役会にて審議・承認されています。全社的リスクマネジメントの運用・管理は、トップダウンおよびボトムアップの両面から実施しております。戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスクを「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与えるリスクを「事業遂行上のリスク」と分類し、責任の明確化および対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っております。「事業戦略上のリスク及び事業遂行上のリスク」については、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定及び責任管掌の任命を行っています。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながら、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための 対応計画の立案・推進を行い、経営会議で進捗状況をモニタリングしています。「事業戦略上のリスク」は、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定および責任管掌の任命を行うことで対応しております。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながらリスク対応計画の立案・推進を行い、経営会議へ進捗状況を報告しております。また、変化のスピードが速くリスクの全容や当社への影響が明確ではない外部トレンドについては、継続的な情報収集とタイムリーな議論を通じてリスクの兆しを捉え、対応すべきリスクの特定や責任管掌の任命に繋げております。また、管掌は自管掌下におけるリスクにリスクオーナーを任命して モニタリングし、リスクの影響度や発生可能性を勘案した上で、必要に応じて「事業戦略上のリスクまたは事業遂行上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っています。この管掌を中心としたリスク管理体制を取ることで、期中においても迅速かつ柔軟に課題の抽出、対応計画 の立案・推進を行っております。「事業遂行上のリスク」は、各組織がリスクオーナーとなり、組織の目標達成に向けた計画立案・推進を自律的に推進しております。各管掌は自管掌下の重要リスク状況をモニタリングするとともに、必要に応じて「事業戦略上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っております。クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献及び企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。リスクマネジメント事務局は経営会議でのリスクマネジメント運営事務局として、国内外の主要子会社を含む重要リスクおよび対応状況の取りまとめ、事業戦略上のリスクのうち特に経営への影響の大きな最重要リスクの特定などの議題設定に関わる事務的機能を担うとともに、外部トレンドや環境変化のリサーチおよび経営陣へのタイムリーな提供を通じて、リスクマネジメント議論の高度化と活性化を図っております。 これらSHIONOGIが対応すべき事業戦略上のリスクやそれらへの対応状況は、半期に一度、経営会議・取締役会にて確認・モニタリングを行うことで、実効性を確保しております。 クライシスマネジメント/BCP クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献および企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。 また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。これらの活動は定期的に経営会議及び取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しています。これらの活動は定期的に経営会議および取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しております。なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。なお、文中の将来に関する事項およびリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。
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3 【事業等のリスク】 SHIONOGIは、事業機会の創出及びリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。 全社的リスクマネジメントの運用・管理は、業績及び経営に重大な影響を及ぼす可能性があると評価した重要なリスクを、戦略の意思決定に内在及び戦略の遂行を阻害する「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与える「事業遂行上のリスク」の2つに分類し、責任の明確化及び対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っています。これらのリスクは経営会議及び取締役会にて審議・承認されています。 「事業戦略上のリスク及び事業遂行上のリスク」については、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定及び責任管掌の任命を行っています。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながら、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための 対応計画の立案・推進を行い、経営会議で進捗状況をモニタリングしています。 また、管掌は自管掌下におけるリスクにリスクオーナーを任命して モニタリングし、リスクの影響度や発生可能性を勘案した上で、必要に応じて「事業戦略上のリスクまたは事業遂行上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っています。この管掌を中心としたリスク管理体制を取ることで、期中においても迅速かつ柔軟に課題の抽出、対応計画 の立案・推進を行っております。 クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献及び企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。 また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。 これらの活動は定期的に経営会議及び取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しています。 なお、文中の将来に関する事項及びリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。
今年
3 【事業等のリスク】 リスクマネジメント体制 SHIONOGIは、事業機会の創出およびリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。 全社的リスクマネジメントの運用・管理は、トップダウンおよびボトムアップの両面から実施しております。戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスクを「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与えるリスクを「事業遂行上のリスク」と分類し、責任の明確化および対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っております。 「事業戦略上のリスク」は、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定および責任管掌の任命を行うことで対応しております。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながらリスク対応計画の立案・推進を行い、経営会議へ進捗状況を報告しております。また、変化のスピードが速くリスクの全容や当社への影響が明確ではない外部トレンドについては、継続的な情報収集とタイムリーな議論を通じてリスクの兆しを捉え、対応すべきリスクの特定や責任管掌の任命に繋げております。 「事業遂行上のリスク」は、各組織がリスクオーナーとなり、組織の目標達成に向けた計画立案・推進を自律的に推進しております。各管掌は自管掌下の重要リスク状況をモニタリングするとともに、必要に応じて「事業戦略上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っております。 リスクマネジメント事務局は経営会議でのリスクマネジメント運営事務局として、国内外の主要子会社を含む重要リスクおよび対応状況の取りまとめ、事業戦略上のリスクのうち特に経営への影響の大きな最重要リスクの特定などの議題設定に関わる事務的機能を担うとともに、外部トレンドや環境変化のリサーチおよび経営陣へのタイムリーな提供を通じて、リスクマネジメント議論の高度化と活性化を図っております。 これらSHIONOGIが対応すべき事業戦略上のリスクやそれらへの対応状況は、半期に一度、経営会議・取締役会にて確認・モニタリングを行うことで、実効性を確保しております。 クライシスマネジメント/BCP クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献および企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。 また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。 これらの活動は定期的に経営会議および取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しております。 なお、文中の将来に関する事項およびリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。
2025-03-31 期 (提出日 2025-06-19 16:10)
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