保有割合が前回の9.45%から0%へ大幅に減少(-9.45pt)。保有目的: 経営参加
出光興産株式会社
証券コード 50190 / EDINET E01084 / 石油・石炭製品
危険信号
提出会社の監査報酬が前年の2.8億円から4.7億円に増加しました(+71%)。
前年の記載にはなかった「(1) 当社グループのリスク管理」の項目が新設された。中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡を含む海上輸送の情勢変化が原油調達・物流・エネルギー価格等に影響しうるとして重要な経営上のリスクと記載され、ERM(統合的リスクマネジメント)の考え方、リスク・コンプライアンス委員会・リスク経営委員会を中心とした体制、重要リスクの選定とPDCAによる運用が説明されている。
千葉労働局が公表した労働基準関係法令違反(書類送検)事案。違反法条: 労働安全衛生法31条の2 / 労働安全衛生規則第662条の4。事案概要: 安全に必要な情報を記載した書面を一部交付しなかったもの
臨時報告書で主要株主の異動が開示されました。主要株主でなくなる者: 日章興産株式会社(議決権割合 10.40%→8.92%)(2025-10-17)
臨時報告書で主要株主の異動が開示されました。新たに主要株主となる者: 日章興産株式会社(議決権割合 9.56%→10.39%)(2025-03-31)
業績の推移
数値を表で見る
| 決算期 | 売上高(兆円) | 純利益(兆円) |
|---|---|---|
| 2021/3 | 4.56 | 0.03 |
| 2022/3 | 6.69 | 0.28 |
| 2023/3 | 9.46 | 0.25 |
| 2024/3 | 8.72 | 0.23 |
| 2025/3 | 9.19 | 0.1 |
| 2026/3 | 8.11 | 0.17 |
開示データの要約
人的資本
- 平均年収
- 995万円
- 女性管理職比率
- 6.0%
- 男性育休取得率
- 98.0%
- 男女賃金差異
- 75.9%
- 従業員数
- 5,120人
監査
- 監査報酬
- 4.69億円
- 非監査報酬
- 2,000万円
- 内部統制
- 重要な不備なし
大量保有
- 提出者数
- 5
- 報告数
- 13
- 最大の保有者
- 日章興産株式会社
大株主(法人)
| 株主 | 区分 | 株数 | 割合 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) | 信託口 | 148,938,400株 | 12.19% | ▲ +1.42pt |
| Aramco Overseas Company B.V. (常任代理人 アンダーソン・毛利・友常法律事務所) | 法人 | 115,579,000株 | 9.46% | ▲ +0.05pt |
| 日章興産株式会社 | 法人 | 109,520,390株 | 8.97% | ▼ -1.42pt |
| 公益財団法人出光美術館 | 法人 | 101,962,000株 | 8.35% | ▲ +0.05pt |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 信託口 | 72,561,000株 | 5.94% | ▲ +2.70pt |
| 正和興産株式会社 | 法人 | 24,872,000株 | 2.04% | ▲ +0.01pt |
| 出光興産社員持株会 | 法人 | 23,944,430株 | 1.96% | ▲ +0.03pt |
| 株式会社善 | 法人 | 17,807,169株 | 1.46% | 新規 |
| 株式会社縁 | 法人 | 17,591,841株 | 1.44% | 新規 |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行) | 信託口 | 16,854,124株 | 1.38% | ▼ -0.18pt |
個人株主の内訳は非表示
役員 14 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 491,546株
2026-03-31 期 (提出日 2026-06-17 16:08)
事業等のリスクの冒頭に「当社グループのリスク管理」の節が新設され、リスクに対する考え方、ERM体制(リスク経営委員会・リスク・コンプライアンス委員会)、ERMの運用(重要リスクの選定、PDCA運用)が記載された。中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡を含む海上輸送を巡る情勢変化が、原油調達・物流・エネルギー価格等に影響し得る重要な経営上のリスクと明記された。
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前年
(なし)
今年
① リスクに対する考え方 当社グループを取り巻く事業環境は、地政学リスクの高まりや経済・社会構造の変化により、不確実性の高い状況が続いています。特に、中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡を含む海上輸送を巡る情勢の変化は、原油調達、物流、サプライチェーン及びエネルギー価格等に影響を及ぼす可能性があり、石油産業を主たる事業とする当社にとって重要な経営上のリスクとなっています。また、気候変動への対応、規制動向、技術革新の進展等により、事業を取り巻くリスクは多様化・複雑化しています。 このような環境のもと、当社では統合的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)を導入し、全社的な視点からリスクの把握、評価及び管理に取り組んでいます。 ② ERM体制 当社は、リスク経営委員会のもと、リスク・コンプライアンス委員会を中心とする統合的リスクマネジメント体制を整備しています。 事業部門及びコーポレート部門は、リスクへの対応状況や課題に加え、環境変化に起因する新たなリスクについてリスク・コンプライアンス委員会に報告しています。 リスク・コンプライアンス委員会は、これらの情報を踏まえて、全社的なリスクの対応状況の報告及び重要リスクの選定や早急に対応すべき個別課題の提言を、リスク経営委員会に行います。リスク経営委員会は、当該報告を踏まえ、必要な経営判断及び指示を行います。 ③ ERMの運用 当社は、ERMの枠組みに基づき、全社的な視点から抽出したリスクを、リスクシナリオ等を用いて整理し影響度や発生可能性などの観点から評価しています。そのうえで、経営として優先的に対応及びモニタリングを行う重要リスクを選定しています。選定した重要リスクについては、対応策の実施状況やリスク環境の変化を継続的に確認し、必要に応じて対応方針の見直しを行っています。 また、これらの取り組みはPDCAサイクルに基づき運用しており、事業環境の変化等を踏まえ、リスクシナリオの見直しやリスク評価の更新を継続的に実施することで、全社的なリスクマネジメントの高度化に取り組んでいます。 重要リスクの選定イメージ 統合的リスクマネジメントの活動サイクル
リスク項目の構成が大幅に再編され、「国際情勢や経済環境等の変化によるリスク」が新設されるとともに、中東情勢への具体的言及(原油・ナフサの調達、商品市況、基礎化学品)が追加された。また営業利益感応度の記載が税引前利益へ変更され、原油1ドル変動で年間100億円から80億円、為替1円変動で50億円から40億円となった。さらに気候変動・環境規制・事業投資(ニソン製油所プロジェクト)・人権・コンプライアンス・知的財産・自然災害等の項目が個別リスクの節に含まれる構成となった。
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差分(削除 / 追加)
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。以下の事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断した記載です。 ① 国際情勢や経済環境等の変化によるリスク 当社グループは日本及び世界各地に事業を展開しており、各々の地域の政治動向、景気動向及び経済情勢による影響を受ける可能性があります。特に足元の中東情勢や長期化するウクライナ情勢のほか、海外諸国の政治的要因又は経済的要因に起因する世界景気の減速や日本国内における人口構成の変化等により、エネルギー資源及び製品需要の変動や価格に大幅な変動が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 事業を取り巻く外部環境の変化によるリスク 調達リスク 当社グループは、原油・ナフサ輸入の大宗を中東地域に依存していますが、安定調達を目的として主要な中東産油国と長期の輸入契約を締結し、同地域内におけるリスクの分散を図っています。しかしながら、これらの地域における政情不安、原油の生産調整、石油関連施設の事故並びにシーレーンにおける海上輸送リスクの上昇等により、長期にわたり原油・ナフサの輸入に制約が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 商品市況リスク (燃料油セグメント)当社グループは、石油製品の生産に必要な原油の殆どを輸入していますが、原油価格は過去においても大きく変動しており、2022年から続くウクライナ情勢のほか、米国を始めとした世界各国の金融政策の動向、アジアにおける原油需要の変動、中東やアフリカの産油国の政情不安、米国を始め石油消費国における環境規制・税制の動向、投機的な石油取引等により、今後も大きく変動することが懸念されます。当社グループは、石油製品の生産に必要な原油の大部分を輸入していますが、原油価格は足元の中東情勢の影響により激しく変動しているように、産油国の政情不安の影響を大きく受けます。また、米国を始めとした世界各国の金融政策の動向、主要石油消費国における需要・環境規制・税制の動向、投機的な石油取引等により、今後も大きく変動することが懸念されます。当社グループは、石油製品価格を国内の市場価格に連動させることによりマージンを確保することに努めていますが、原油価格の変動が大きい場合や国内石油市場の激しい競争等により国内の市場価格が低迷した場合、財政状態及び経営成績は重大な影響を受ける可能性があります。当社グループは、石油製品価格を国内の市場価格に連動させることでマージンを確保することに努めていますが、原油価格の変動が大きい場合や国内石油市場の激しい競争等により国内の市場価格が低迷した場合、財政状態及び経営成績は重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、棚卸資産を総平均法により評価しています。一般的に総平均法は、原油価格が上昇する局面では、期初の相対的に安価な棚卸資産による売上原価押し下げ影響により損益の改善要因となります。一方、原油価格が下落する局面では、期初の相対的に高価な棚卸資産による売上原価の押し上げ影響により損益の悪化要因となります。なお、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、当社の営業利益は年間100億円増減する可能性があります。なお、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、当社の税引前利益は年間80億円増減する可能性があります。 (基礎化学品セグメント)①原料コストの変動について 当社グループは、基礎化学品の原料であるナフサを自社製油所で生産するとともに市場から調達しています。ナフサ価格は、原油価格や、ガソリンの需要・価格動向、政治経済情勢あるいはその他の要因、また中国等において進められている石油化学設備の新設による需要増加の影響を受けることがあります。市場における激しい競争等の要因により、ナフサ価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。ア 原料コストの変動について 当社グループは、基礎化学品の原料であるナフサを自社製油所で生産するとともに中東地域をはじめとする海外から調達しています。ナフサ価格は、原油・ガソリンの価格動向に加え、足元の中東情勢等による需給バランスの影響を大きく受けます。市場における激しい競争等の要因により、ナフサ価格変動の製品価格への反映が限定的となる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。②製品市況の変動についてイ 製品市況の変動について 日本を含むアジアの基礎化学品市場は激しい競争状況にあり、需要の変動や供給の増加の影響を受けます。アジアでは経済成長に伴う需要の増加が見込まれますが、近年中国を中心とした基礎化学品を製造する大型の新設プラントが急増しており、アジア市場における供給過多や、新興国の経済成長鈍化に伴う需要低迷の可能性があります。このような市場における競争の激化や需要の低迷や、政治経済情勢あるいはその他の要因により、当社グループの財政状態及び営業利益は影響を受ける可能性があります。アジアでは経済成長に伴う需要の増加が見込まれますが、近年は中国を中心に基礎化学品を製造する大型プラントの新増設が急増しており、アジア市場における供給過多や、新興国の経済成長鈍化に伴う需要低迷の可能性があります。このような市場における競争の激化や需要の低迷、政治経済情勢あるいは中東情勢等のその他の要因により、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (高機能材セグメント) 当社グループは、潤滑油の原料であるベースオイル・添加剤を自社事業所で生産するとともに国内外の市場から調達しています。ベースオイル・添加剤の価格は原油価格のほか、潤滑油需給バランス等の影響を受けることがあります。また、市場における激しい競争等により、原料価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。ベースオイル・添加剤の価格は原油価格のほか、潤滑油の需給バランス等の影響を受けることがあります。また、市場における競争激化等により、原料価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (電力・再生可能エネルギーセグメント) 当社グループでは、卸電力取引市場を通じた電力取引を行っています。この取引価格は、燃料価格や国内の電力需要及び発電所稼働状況の影響を受け変動する可能性があります。この取引価格は、燃料価格や国内の電力需要及び発電所稼働状況の影響を受けて変動する可能性があります。また、燃料価格については、当社グループが保有する発電所の発電コストや、当社の電力小売価格における燃料費調整単価に影響を与える可能性があります。これらの影響により、当社の電力取引価格や発電コスト、燃料費調整単価が大きく変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (資源セグメント) 石油・天然ガス開発事業においては、原油・天然ガスを生産し販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により将来的に原油・天然ガス価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 石炭事業においては、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により石炭価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。調達リスク 当社グループは、原油輸入の大宗を中東地域に依存していますが、原油の安定調達を目的として主要な中東産油国と長期の原油輸入契約を締結し、同地域内におけるリスクの分散を図っています。しかしながら、これらの地域における政情不安、原油の生産調整、石油関連施設の事故並びにシーレーンにおける海上輸送リスクの上昇等により、長期にわたって原油の輸入に制約が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績は重大な影響を受ける可能性があります。カントリーリスク (基礎化学品・高機能材セグメント) 当社グループは、主にアジア市場を中心とした基礎化学品の販売及び、潤滑油分野においてはグローバルで事業展開をしていますが、経済の低迷や政治リスク等の要因により市場成長が鈍化する可能性があります。 このような経済環境の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (資源セグメント)当社グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア及びノルウェーを中心に、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(油ガス田開発)プロジェクトを推進しており、これらの地域における政治経済情勢、税制、規制方針やそのほかの不確定要因の影響を受けることがあります。当社グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア及びノルウェーを中心に、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(油ガス田開発)プロジェクトを推進しており、これらの地域における政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 また、当社グループは、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売しています。石炭鉱山事業につきましても、政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 為替リスク 当社グループは、多額の外貨建取引を行い、また外貨建の資産及び負債を有しています。このため、為替相場の変動は外貨建取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。 また、原油輸入を米ドル建てで行っているため、原油の調達コストは円の米ドルに対する為替相場の影響を受けるほか、燃料油セグメントにおける在庫評価も影響を受けます。なお、1米ドル当たり1円変動すると、当社の営業利益は年間50億円増減する可能性があります。なお、1米ドル当たり1円変動すると、当社の税引前利益は年間40億円増減する可能性があります。 ③ 気候変動に関するリスク 上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 戦略 ② 気候関連の戦略」に記載のとおりです。 ④ 環境規制に関するリスク 当社グループは、事業展開する日本やその他の国における広範な環境保全やその他の法的規制の下にあります。例えば、当社グループは、製油所や工場からの汚染物質の排出、廃棄物の処理等について規制を受け、基準を超える環境汚染発生に伴う罰則を受ける可能性もあります。また、日本や他の国の当局が新たな規制を行うこと、あるいは現在や将来の環境規制を遵守することにより多額の支出を伴う可能性があります。 ⑤ 事業投資に関するリスク 当社グループは、事業資産の規模が大きく、既存の製油所・工場や販売設備等の維持更新、油田の権益取得や探鉱開発等の国内外の事業活動に多額の投資を必要とします。今後も石油、石油化学、資源事業など、既存事業の競争力維持には投資を継続する予定です。一方で、より実践的なアプローチで「稼ぐ力」を強化するため、中長期的に成長が見込まれる領域として「電化・電動化/ICT」、「グローバル展開」、「モビリティ/サーキュラー」などの領域での戦略投資、更には水素・アンモニア・SAF・合成燃料といった新たなエネルギー開発など、事業拡大へ向けた戦略投資を行っていく計画です。このような成長分野への投資においては、経営環境の不確実性の高まりにより意思決定時の事業前提から変化が生じた場合は、期待された収益機会を失う可能性があります。更に国内外における経済情勢や政治動向、市場拡大の遅れ、新素材を含む他社との開発競争等によりこれらの投資が計画どおりの収益をあげられない場合は固定資産の減損損失を計上する可能性もあります。なお、投資の意思決定プロセスにおいて、投資金額をはじめとする様々なリスクの多寡に応じた投資審議を設計することで、投資リスク低減と意思決定の迅速化の両立に努めています。 また、当社グループは、アジア市場における石油及び石油化学事業の海外展開の一環として、クウェート国際石油、ペトロベトナム及び三井化学(株)(以下当社を含め、「スポンサー」という。)と共同でニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(以下「NSRP」という。)を設立し、ベトナム社会主義共和国タインホア省ニソン経済区に20万バレル/日の石油精製設備とパラキシレンをはじめとする石油化学品製造設備を有するニソン製油所・石油化学コンプレックスを操業しています。プロジェクトの総事業費は約90億米ドルであり、このうち50億米ドルは国際協力銀行をはじめとする銀行団によるプロジェクト・ファイナンスにより調達し、約40億米ドルはスポンサーによる出資及び貸付で調達しています。プロジェクト・ファイナンスによる調達額について銀行団に対し行っている債務保証及びスポンサーによる出資・貸付のうち、NSRPへの当社グループ出資比率相当の35.1%については、ベトナムにおける政治経済情勢、法律や規制及び雇用環境の変化等からプロジェクトが計画どおりに進展しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 ⑥ その他経営全般に係るリスク 人権に関するリスク 当社グループは、人権の尊重は欠くことのできない経営の根幹であり、全ての判断や行動において最優先させるべきことと考え、世界人権宣言やILO宣言で国際的に認められた人権を尊重することを基本方針として定めています。当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたることから、「ビジネスと人権」に関する意識を国際基準で高く持ち、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減を進めるとともに、ビジネスパートナーにも方針の理解と遵守を要請しています。 しかしながら、事業活動の領域で人権の侵害等が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を及ぼす可能性があります。 コンプライアンスに関するリスク 当社グループでは、コンプライアンス規程等に基づき、国内外の法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス推進体制及び内部統制の強化に努めています。しかしながら、当社グループにおいて法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、又は内部統制システムが有効に機能せずコンプライアンス上の問題が完全に回避できない事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループのレピュテーションを損ね、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは確実性の高い品質マネジメントシステムに基づき製品を製造していますが、予期せぬ事情で大規模なリコールや訴訟が発生した場合に備え保険を手当てしています。しかしながら、それに伴い法的責任が発生する可能性や、直接的な責任を負わずともバリュー・チェーンの一部を担う者としてブランドイメージやレピュテーションの低下を回避できない可能性があり、ひいては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。 知的財産に関するリスク 当社グループは、事業の遂行のために知的財産権を活用しており、特に石油精製技術や、リチウム電池向け固体電解質、潤滑油、機能化学品、電子材料等の付加価値の高い製品・サービスにおいて特許や営業秘密の位置づけは重要な役割を果たしています。また、当社グループは、ブランドを商標登録しています。しかしながら、これらに関して紛争が生じたり、無効にされたりする可能性があります。また、当社グループが保有する特許、営業秘密、商標が当社の知的財産を保護するうえで十分であるとは限りません。 また、当社グループの営業秘密が、従業員や取引先、その他の関係者によって不適切に取り扱われる可能性があります。更に、当社グループの製品やサービスが第三者から知的財産権を侵害しているという主張がなされ、あるいは当社グループが第三者から供与されている技術ライセンスが更新されない可能性があります。当社グループが事業遂行に必要な知的財産権を十分に保護又は活用できない場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 自然災害・事故等によるリスク 当社グループの事業は、地震、津波、台風、豪雨豪雪、火山爆発等の自然災害やこれらに起因する製油所・工場における火災、爆発、油の大規模流出等の事故といったリスクを有しています。また当社グループが保有する大型タンカーを含む原油や石油製品の輸送は、海賊や悪天候による転覆、衝突、非友好国による拿捕、撃沈等の危険にさらされています。更に当社グループは、労働争議やサイバー攻撃等によるシステムダウンや情報漏洩、感染症の大規模蔓延による事業中断のリスクにもさらされています。 これらのリスクを会社としていち早く認識し、全社を挙げて被害の拡大防止を図るため、「危機発生時の対応規程」を策定し、予兆を含めたトラブルの早期共有のための連絡系統、対応時の優先順位、危機レベルの設定とそれに応じた対策本部の体制等を定めています。事業継続計画(BCP : Business Continuity Plan)については、2006年度に首都直下地震版、2009年度には新型インフルエンザ版、2010年度には南海トラフ巨大地震版(2021年度に「南海トラフ含む地域的地震津波版」に拡充)を制定しました。更に2015年度に内閣府より「指定公共機関」に指定されたことを受け、「防災業務計画」を作成しています。BCPに基づく総合防災訓練を毎年実施し、各拠点との連携やリモートを含む本部運用等についての課題を抽出し、実効力の強化に努めるとともにBCPの改定に反映しています。製油所・事業所・工場等においては、各々の危機対応規程類に基づき、拠点ごとに又は相互連携の上、防災訓練を定期的に実施しています。 当社グループは、事故や災害で想定される多額の損失に備え、自家再保険子会社を活用し適正な損害保険や損害保険サービスをグローバルに調達しています。 個人情報管理に関するリスク 当社グループは、石油製品販売、電力小売り、クレジットカード事業等で顧客の個人情報を多数取り扱っています。当社グループは、これらの情報の管理不徹底や外部からの不正な搾取、それによってもたらされる問題への対処のために、多額の費用を負担する可能性があります。また、昨今の日本国や欧州を始めとする個人情報保護関連法令の適用拡大・厳格化に対する必要な対応の不備・不足により、多額の制裁金、賠償金の発生、当社グループの信用低下、クレームや訴訟等に繋がった場合、当社グループの事業や経営成績が影響を受ける可能性があります。 ⑦ 事業等のリスク管理 上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) リスク管理」に記載のとおりです。
前年
商品市況リスク (燃料油セグメント) 当社グループは、石油製品の生産に必要な原油の殆どを輸入していますが、原油価格は過去においても大きく変動しており、2022年から続くウクライナ情勢のほか、米国を始めとした世界各国の金融政策の動向、アジアにおける原油需要の変動、中東やアフリカの産油国の政情不安、米国を始め石油消費国における環境規制・税制の動向、投機的な石油取引等により、今後も大きく変動することが懸念されます。 当社グループは、石油製品価格を国内の市場価格に連動させることによりマージンを確保することに努めていますが、原油価格の変動が大きい場合や国内石油市場の激しい競争等により国内の市場価格が低迷した場合、財政状態及び経営成績は重大な影響を受ける可能性があります。 また、当社グループは、棚卸資産を総平均法により評価しています。一般的に総平均法は、原油価格が上昇する局面では、期初の相対的に安価な棚卸資産による売上原価押し下げ影響により損益の改善要因となります。一方、原油価格が下落する局面では、期初の相対的に高価な棚卸資産による売上原価の押し上げ影響により損益の悪化要因となります。 なお、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、当社の営業利益は年間100億円増減する可能性があります。 (基礎化学品セグメント) ①原料コストの変動について 当社グループは、基礎化学品の原料であるナフサを自社製油所で生産するとともに市場から調達しています。ナフサ価格は、原油価格や、ガソリンの需要・価格動向、政治経済情勢あるいはその他の要因、また中国等において進められている石油化学設備の新設による需要増加の影響を受けることがあります。市場における激しい競争等の要因により、ナフサ価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 ②製品市況の変動について 日本を含むアジアの基礎化学品市場は激しい競争状況にあり、需要の変動や供給の増加の影響を受けます。アジアでは経済成長に伴う需要の増加が見込まれますが、近年中国を中心とした基礎化学品を製造する大型の新設プラントが急増しており、アジア市場における供給過多や、新興国の経済成長鈍化に伴う需要低迷の可能性があります。このような市場における競争の激化や需要の低迷や、政治経済情勢あるいはその他の要因により、当社グループの財政状態及び営業利益は影響を受ける可能性があります。 (高機能材セグメント) 当社グループは、潤滑油の原料であるベースオイル・添加剤を自社事業所で生産するとともに国内外の市場から調達しています。ベースオイル・添加剤の価格は原油価格のほか、潤滑油需給バランス等の影響を受けることがあります。また、市場における激しい競争等により、原料価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (電力・再生可能エネルギーセグメント) 当社グループでは、卸電力取引市場を通じた電力取引を行っています。この取引価格は、燃料価格や国内の電力需要及び発電所稼働状況の影響を受け変動する可能性があります。また、燃料価格については、当社グループが保有する発電所の発電コストや、当社の電力小売価格における燃料費調整単価に影響を与える可能性があります。これらの影響により、当社の電力取引価格や発電コスト、燃料費調整単価が大きく変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (資源セグメント) 石油・天然ガス開発事業においては、原油・天然ガスを生産し販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により将来的に原油・天然ガス価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 石炭事業においては、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により石炭価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 調達リスク 当社グループは、原油輸入の大宗を中東地域に依存していますが、原油の安定調達を目的として主要な中東産油国と長期の原油輸入契約を締結し、同地域内におけるリスクの分散を図っています。しかしながら、これらの地域における政情不安、原油の生産調整、石油関連施設の事故並びにシーレーンにおける海上輸送リスクの上昇等により、長期にわたって原油の輸入に制約が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績は重大な影響を受ける可能性があります。 カントリーリスク (基礎化学品・高機能材セグメント) 当社グループは、主にアジア市場を中心とした基礎化学品の販売及び、潤滑油分野においてはグローバルで事業展開をしていますが、経済の低迷や政治リスク等の要因により市場成長が鈍化する可能性があります。 このような経済環境の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (資源セグメント) 当社グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア及びノルウェーを中心に、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(油ガス田開発)プロジェクトを推進しており、これらの地域における政治経済情勢、税制、規制方針やそのほかの不確定要因の影響を受けることがあります。 また、当社グループは、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売しています。石炭鉱山事業につきましても、政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 為替リスク 当社グループは、多額の外貨建取引を行い、また外貨建の資産及び負債を有しています。このため、為替相場の変動は外貨建取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。 また、原油輸入を米ドル建てで行っているため、原油の調達コストは円の米ドルに対する為替相場の影響を受けるほか、燃料油セグメントにおける在庫評価も影響を受けます。なお、1米ドル当たり1円変動すると、当社の営業利益は年間50億円増減する可能性があります。
今年
当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。以下の事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断した記載です。 ① 国際情勢や経済環境等の変化によるリスク 当社グループは日本及び世界各地に事業を展開しており、各々の地域の政治動向、景気動向及び経済情勢による影響を受ける可能性があります。特に足元の中東情勢や長期化するウクライナ情勢のほか、海外諸国の政治的要因又は経済的要因に起因する世界景気の減速や日本国内における人口構成の変化等により、エネルギー資源及び製品需要の変動や価格に大幅な変動が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 事業を取り巻く外部環境の変化によるリスク 調達リスク 当社グループは、原油・ナフサ輸入の大宗を中東地域に依存していますが、安定調達を目的として主要な中東産油国と長期の輸入契約を締結し、同地域内におけるリスクの分散を図っています。しかしながら、これらの地域における政情不安、原油の生産調整、石油関連施設の事故並びにシーレーンにおける海上輸送リスクの上昇等により、長期にわたり原油・ナフサの輸入に制約が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 商品市況リスク (燃料油セグメント) 当社グループは、石油製品の生産に必要な原油の大部分を輸入していますが、原油価格は足元の中東情勢の影響により激しく変動しているように、産油国の政情不安の影響を大きく受けます。また、米国を始めとした世界各国の金融政策の動向、主要石油消費国における需要・環境規制・税制の動向、投機的な石油取引等により、今後も大きく変動することが懸念されます。 当社グループは、石油製品価格を国内の市場価格に連動させることでマージンを確保することに努めていますが、原油価格の変動が大きい場合や国内石油市場の激しい競争等により国内の市場価格が低迷した場合、財政状態及び経営成績は重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、棚卸資産を総平均法により評価しています。一般的に総平均法は、原油価格が上昇する局面では、期初の相対的に安価な棚卸資産による売上原価押し下げ影響により損益の改善要因となります。一方、原油価格が下落する局面では、期初の相対的に高価な棚卸資産による売上原価の押し上げ影響により損益の悪化要因となります。 なお、1バレル当たりのドバイ原油価格が1米ドル変動すると、当社の税引前利益は年間80億円増減する可能性があります。 (基礎化学品セグメント) ア 原料コストの変動について 当社グループは、基礎化学品の原料であるナフサを自社製油所で生産するとともに中東地域をはじめとする海外から調達しています。ナフサ価格は、原油・ガソリンの価格動向に加え、足元の中東情勢等による需給バランスの影響を大きく受けます。市場における激しい競争等の要因により、ナフサ価格変動の製品価格への反映が限定的となる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 イ 製品市況の変動について 日本を含むアジアの基礎化学品市場は激しい競争状況にあり、需要の変動や供給の増加の影響を受けます。アジアでは経済成長に伴う需要の増加が見込まれますが、近年は中国を中心に基礎化学品を製造する大型プラントの新増設が急増しており、アジア市場における供給過多や、新興国の経済成長鈍化に伴う需要低迷の可能性があります。このような市場における競争の激化や需要の低迷、政治経済情勢あるいは中東情勢等のその他の要因により、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (高機能材セグメント) 当社グループは、潤滑油の原料であるベースオイル・添加剤を自社事業所で生産するとともに国内外の市場から調達しています。ベースオイル・添加剤の価格は原油価格のほか、潤滑油の需給バランス等の影響を受けることがあります。また、市場における競争激化等により、原料価格の変動を製品価格に適切に転嫁できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (電力・再生可能エネルギーセグメント) 当社グループでは、卸電力取引市場を通じた電力取引を行っています。この取引価格は、燃料価格や国内の電力需要及び発電所稼働状況の影響を受けて変動する可能性があります。また、燃料価格については、当社グループが保有する発電所の発電コストや、当社の電力小売価格における燃料費調整単価に影響を与える可能性があります。これらの影響により、当社の電力取引価格や発電コスト、燃料費調整単価が大きく変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (資源セグメント) 石油・天然ガス開発事業においては、原油・天然ガスを生産し販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により将来的に原油・天然ガス価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 石炭事業においては、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売していますが、政治経済情勢あるいはその他の要因により石炭価格が下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 カントリーリスク (基礎化学品・高機能材セグメント) 当社グループは、主にアジア市場を中心とした基礎化学品の販売及び、潤滑油分野においてはグローバルで事業展開をしていますが、経済の低迷や政治リスク等の要因により市場成長が鈍化する可能性があります。 このような経済環境の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 (資源セグメント) 当社グループは、ベトナムをはじめとする東南アジア及びノルウェーを中心に、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産(油ガス田開発)プロジェクトを推進しており、これらの地域における政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 また、当社グループは、オーストラリアの自社鉱山で石炭を生産し、主に日本向けに販売しています。石炭鉱山事業につきましても、政治経済情勢、税制、規制方針やその他の不確定要因の影響を受けることがあります。 為替リスク 当社グループは、多額の外貨建取引を行い、また外貨建の資産及び負債を有しています。このため、為替相場の変動は外貨建取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。 また、原油輸入を米ドル建てで行っているため、原油の調達コストは円の米ドルに対する為替相場の影響を受けるほか、燃料油セグメントにおける在庫評価も影響を受けます。なお、1米ドル当たり1円変動すると、当社の税引前利益は年間40億円増減する可能性があります。 ③ 気候変動に関するリスク 上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 戦略 ② 気候関連の戦略」に記載のとおりです。 ④ 環境規制に関するリスク 当社グループは、事業展開する日本やその他の国における広範な環境保全やその他の法的規制の下にあります。例えば、当社グループは、製油所や工場からの汚染物質の排出、廃棄物の処理等について規制を受け、基準を超える環境汚染発生に伴う罰則を受ける可能性もあります。また、日本や他の国の当局が新たな規制を行うこと、あるいは現在や将来の環境規制を遵守することにより多額の支出を伴う可能性があります。 ⑤ 事業投資に関するリスク 当社グループは、事業資産の規模が大きく、既存の製油所・工場や販売設備等の維持更新、油田の権益取得や探鉱開発等の国内外の事業活動に多額の投資を必要とします。今後も石油、石油化学、資源事業など、既存事業の競争力維持には投資を継続する予定です。一方で、より実践的なアプローチで「稼ぐ力」を強化するため、中長期的に成長が見込まれる領域として「電化・電動化/ICT」、「グローバル展開」、「モビリティ/サーキュラー」などの領域での戦略投資、更には水素・アンモニア・SAF・合成燃料といった新たなエネルギー開発など、事業拡大へ向けた戦略投資を行っていく計画です。このような成長分野への投資においては、経営環境の不確実性の高まりにより意思決定時の事業前提から変化が生じた場合は、期待された収益機会を失う可能性があります。更に国内外における経済情勢や政治動向、市場拡大の遅れ、新素材を含む他社との開発競争等によりこれらの投資が計画どおりの収益をあげられない場合は固定資産の減損損失を計上する可能性もあります。なお、投資の意思決定プロセスにおいて、投資金額をはじめとする様々なリスクの多寡に応じた投資審議を設計することで、投資リスク低減と意思決定の迅速化の両立に努めています。 また、当社グループは、アジア市場における石油及び石油化学事業の海外展開の一環として、クウェート国際石油、ペトロベトナム及び三井化学(株)(以下当社を含め、「スポンサー」という。)と共同でニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(以下「NSRP」という。)を設立し、ベトナム社会主義共和国タインホア省ニソン経済区に20万バレル/日の石油精製設備とパラキシレンをはじめとする石油化学品製造設備を有するニソン製油所・石油化学コンプレックスを操業しています。プロジェクトの総事業費は約90億米ドルであり、このうち50億米ドルは国際協力銀行をはじめとする銀行団によるプロジェクト・ファイナンスにより調達し、約40億米ドルはスポンサーによる出資及び貸付で調達しています。プロジェクト・ファイナンスによる調達額について銀行団に対し行っている債務保証及びスポンサーによる出資・貸付のうち、NSRPへの当社グループ出資比率相当の35.1%については、ベトナムにおける政治経済情勢、法律や規制及び雇用環境の変化等からプロジェクトが計画どおりに進展しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 ⑥ その他経営全般に係るリスク 人権に関するリスク 当社グループは、人権の尊重は欠くことのできない経営の根幹であり、全ての判断や行動において最優先させるべきことと考え、世界人権宣言やILO宣言で国際的に認められた人権を尊重することを基本方針として定めています。当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたることから、「ビジネスと人権」に関する意識を国際基準で高く持ち、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減を進めるとともに、ビジネスパートナーにも方針の理解と遵守を要請しています。 しかしながら、事業活動の領域で人権の侵害等が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を及ぼす可能性があります。 コンプライアンスに関するリスク 当社グループでは、コンプライアンス規程等に基づき、国内外の法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス推進体制及び内部統制の強化に努めています。しかしながら、当社グループにおいて法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、又は内部統制システムが有効に機能せずコンプライアンス上の問題が完全に回避できない事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループのレピュテーションを損ね、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは確実性の高い品質マネジメントシステムに基づき製品を製造していますが、予期せぬ事情で大規模なリコールや訴訟が発生した場合に備え保険を手当てしています。しかしながら、それに伴い法的責任が発生する可能性や、直接的な責任を負わずともバリュー・チェーンの一部を担う者としてブランドイメージやレピュテーションの低下を回避できない可能性があり、ひいては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。 知的財産に関するリスク 当社グループは、事業の遂行のために知的財産権を活用しており、特に石油精製技術や、リチウム電池向け固体電解質、潤滑油、機能化学品、電子材料等の付加価値の高い製品・サービスにおいて特許や営業秘密の位置づけは重要な役割を果たしています。また、当社グループは、ブランドを商標登録しています。しかしながら、これらに関して紛争が生じたり、無効にされたりする可能性があります。また、当社グループが保有する特許、営業秘密、商標が当社の知的財産を保護するうえで十分であるとは限りません。 また、当社グループの営業秘密が、従業員や取引先、その他の関係者によって不適切に取り扱われる可能性があります。更に、当社グループの製品やサービスが第三者から知的財産権を侵害しているという主張がなされ、あるいは当社グループが第三者から供与されている技術ライセンスが更新されない可能性があります。当社グループが事業遂行に必要な知的財産権を十分に保護又は活用できない場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 自然災害・事故等によるリスク 当社グループの事業は、地震、津波、台風、豪雨豪雪、火山爆発等の自然災害やこれらに起因する製油所・工場における火災、爆発、油の大規模流出等の事故といったリスクを有しています。また当社グループが保有する大型タンカーを含む原油や石油製品の輸送は、海賊や悪天候による転覆、衝突、非友好国による拿捕、撃沈等の危険にさらされています。更に当社グループは、労働争議やサイバー攻撃等によるシステムダウンや情報漏洩、感染症の大規模蔓延による事業中断のリスクにもさらされています。 これらのリスクを会社としていち早く認識し、全社を挙げて被害の拡大防止を図るため、「危機発生時の対応規程」を策定し、予兆を含めたトラブルの早期共有のための連絡系統、対応時の優先順位、危機レベルの設定とそれに応じた対策本部の体制等を定めています。事業継続計画(BCP : Business Continuity Plan)については、2006年度に首都直下地震版、2009年度には新型インフルエンザ版、2010年度には南海トラフ巨大地震版(2021年度に「南海トラフ含む地域的地震津波版」に拡充)を制定しました。更に2015年度に内閣府より「指定公共機関」に指定されたことを受け、「防災業務計画」を作成しています。BCPに基づく総合防災訓練を毎年実施し、各拠点との連携やリモートを含む本部運用等についての課題を抽出し、実効力の強化に努めるとともにBCPの改定に反映しています。製油所・事業所・工場等においては、各々の危機対応規程類に基づき、拠点ごとに又は相互連携の上、防災訓練を定期的に実施しています。 当社グループは、事故や災害で想定される多額の損失に備え、自家再保険子会社を活用し適正な損害保険や損害保険サービスをグローバルに調達しています。 個人情報管理に関するリスク 当社グループは、石油製品販売、電力小売り、クレジットカード事業等で顧客の個人情報を多数取り扱っています。当社グループは、これらの情報の管理不徹底や外部からの不正な搾取、それによってもたらされる問題への対処のために、多額の費用を負担する可能性があります。また、昨今の日本国や欧州を始めとする個人情報保護関連法令の適用拡大・厳格化に対する必要な対応の不備・不足により、多額の制裁金、賠償金の発生、当社グループの信用低下、クレームや訴訟等に繋がった場合、当社グループの事業や経営成績が影響を受ける可能性があります。 ⑦ 事業等のリスク管理 上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) リスク管理」に記載のとおりです。
前年に記載されていた「国際情勢や経済環境等の変化によるリスク」の項目が今年は記載されていない。前年はウクライナ・中東情勢の緊迫化、米国新政権の関税政策、世界景気の減速や国内人口構成の変化によるエネルギー需要・価格変動が業績に影響する可能性を挙げていた。
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前年
当社グループは日本及び世界各地にビジネスを展開しており、各々の地域の政治動向、景気動向及び経済情勢による影響を受ける可能性があります。特に、ウクライナや中東情勢の緊迫化、米国新政権の関税政策をはじめ、海外諸国の政治的要因又は経済的要因に起因する世界景気の減速及び日本国内における人口構成の変化等がもたらすエネルギー資源及び製品需要の変動や価格の乱高下は、当社の業績へ影響を与える可能性があります。
今年
(なし)
前年に記載されていた「(4)環境規制に関するリスク」の項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、製油所・工場からの汚染物質排出や廃棄物処理に関する規制、基準超過時の罰則、新たな環境規制の導入・遵守に伴う多額の支出の可能性が記載されていた。
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前年
当社グループは、事業展開する日本やその他の国における広範な環境保全やその他の法的規制の下にあります。例えば、当社グループは、製油所や工場からの汚染物質の排出、廃棄物の処理等について規制を受け、基準を超える環境汚染発生に伴う罰則を受ける可能性もあります。また、日本や他の国の当局が新たな規制を行うこと、あるいは現在や将来の環境規制を遵守することにより多額の支出を伴う可能性があります。
今年
(なし)
前年に記載されていた「(5)事業投資に関するリスク」の項目全体が、今年は記載されていない。前年には、既存設備の維持更新や成長分野への戦略投資に伴う減損損失計上の可能性、およびベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックス(NSRP)への債務保証・出資に関するリスクが記載されていた。
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前年
当社グループは、事業資産の規模が大きく、既存の製油所・工場や販売設備等の維持更新、油田の権益取得や探鉱開発等の国内外の事業活動に多額の投資を必要とします。今後も石油、石油化学、資源事業等、既存事業の競争力維持には投資を継続する予定です。一方で、カーボンニュートラル実現に向けて、製油所・工場の機能を低炭素で循環型の事業にシフトするための投資や、潤滑油、機能化学品、電子材料、固体電解質等の高付加価値製品の開発投資、更には水素・アンモニア・SAF・合成燃料といった新たなエネルギーの事業開発投資等、化石燃料以外の新しい事業拡大へ向けた戦略投資を行っていく計画です。このような成長分野への投資においては、必要なキャッシュ・フローを生み出すまでに一定の時間を要するため、期待された収益機会を失う可能性があります。更に国内外における経済情勢や政治動向、市場拡大の遅れ、新素材を含む他社との開発競争等によりこれらの投資が計画どおりの収益をあげられない場合は固定資産の減損損失を計上する可能性もあります。なお、投資の意思決定プロセスにおいて、投資金額をはじめとする様々なリスクの多寡に応じた投資審議を設計することで、投資リスク低減と意思決定の迅速化の両立に努めています。 また、当社グループは、アジア市場における石油及び石油化学事業の海外展開の一環として、クウェート国際石油、ペトロベトナム及び三井化学(株)(以下当社を含め、「スポンサー」という。)と共同でニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(以下「NSRP」という。)を設立し、ベトナム社会主義共和国タインホア省ニソン経済区に20万バレル/日の石油精製設備とパラキシレンをはじめとする石油化学品製造設備を有するニソン製油所・石油化学コンプレックスを操業しています。プロジェクトの総事業費は約90億米ドルであり、このうち50億米ドルは国際協力銀行をはじめとする銀行団によるプロジェクト・ファイナンスにより調達し、約40億米ドルはスポンサーによる出資及び貸付で調達しています。プロジェクト・ファイナンスによる調達額について銀行団に対し行っている債務保証及びスポンサーによる出資・貸付のうち、NSRPへの当社グループ出資比率相当の35.1%については、ベトナムにおける政治経済情勢、法律や規制及び雇用環境の変化等からプロジェクトが計画どおりに進展しない場合、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。
今年
(なし)
「(6)その他経営全般に係るリスク」の項目が今年の記載では確認できず、前年に記載のあった人権、コンプライアンス、知的財産、自然災害・事故等、個人情報管理の各リスクの記述がまとめて削除されている。これらが他の項目へ移動・統合されたかどうかは、提示された範囲からは判断できない。
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前年
人権に関するリスク 当社グループは、人権の尊重は欠くことのできない経営の根幹であり、全ての判断や行動において最優先させるべきことと考え、世界人権宣言やILO宣言で国際的に認められた人権を尊重することを基本方針として定めています。当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたることから、「ビジネスと人権」に関する意識を国際基準で高く持ち、人権デューデリジェンスを通じたリスクの軽減を進めるとともに、ビジネスパートナーにも方針の理解と遵守を要請しています。 しかしながら、事業活動の領域で人権の侵害等が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。 コンプライアンスに関するリスク 当社グループでは、コンプライアンス規程等に基づき、国内外の法令その他諸規則等を遵守すべく、コンプライアンス推進体制及び内部統制の強化に努めています。しかしながら、当社グループにおいて法令その他諸規則等を遵守できなかった場合、又は内部統制システムが有効に機能せずコンプライアンス上の問題が完全に回避できない事態が生じた場合には、ステークホルダーの信頼を失い、当社グループのレピュテーションを損ね、当社グループの財政状態及び経営成績が影響を受ける可能性があります。 また、当社グループは確実性の高い品質マネジメントシステムに則り製品を製造していますが、予期せぬ事情で大規模なリコールや訴訟が発生した場合に備え保険を手当てしています。しかしながら、それに伴い法的責任が発生する可能性や、直接的な責任を負わずともバリューチェーンの一部を担う者としてブランドイメージやレピュテーションの低下を回避できない場合もあり、ひいては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性もあります。 知的財産に関するリスク 当社グループは、事業の遂行のために知的財産権を活用しており、特に石油精製技術や、リチウム電池向け固体電解質、潤滑油、機能化学品、電子材料等の付加価値の高い製品・サービスにおいて特許や企業秘密の位置づけは重要です。また、当社グループは、ブランドを商標登録しています。しかしながら、当社グループの知的財産権は、これらに関して紛争が生じたり、無効にされたりする可能性があります。また、当社グループが保有する特許、企業秘密、商標が当社の知的財産を保護するために十分であるとは限りません。 また、当社グループの企業秘密が、従業員や取引先、その他の関係者によって不適切に取り扱われる可能性があります。更に、当社グループの製品やサービスが第三者から知的財産権を侵害しているという主張がなされ、あるいは当社グループが第三者から供与されている技術ライセンスが更新されない可能性があります。当社グループが、事業遂行に必要な知的財産権を保護できない、あるいは全面的に活用できない場合、当社グループの事業や経営成績は影響を受ける可能性があります。 自然災害・事故等によるリスク 当社グループの事業は、地震、津波、台風、豪雨豪雪、火山爆発等の自然災害やこれらに起因する製油所・工場における火災、爆発、油の大規模流出等の事故といったリスクを有しています。また保有する大型タンカーを含む原油や石油製品の輸送は、海賊や悪天候による転覆、衝突、非友好国による拿捕、撃沈等の危険にさらされています。更に当社グループは、労働争議やサイバー攻撃等によるシステムダウンや情報漏洩、感染症の大規模蔓延による事業中断のリスクにも晒されています。 これらのリスクを会社としていち早く認識し、全社を挙げて被害の拡大防止を図るため、「危機発生時の対応規程」を策定し、予兆を含めたトラブルの早期共有のための連絡系統、対応時の優先順位、危機レベルの設定とそれに応じた対策本部の体制等についてまとめています。事業継続計画(BCP : Business Continuity Plan)については、2006年度に首都直下地震版、2009年度には新型インフルエンザ版、2010年度には南海トラフ巨大地震版(2021年度に「南海トラフ含む地域的地震津波版」に拡充)を制定しました。更に2015年度に内閣府より「指定公共機関」に指定されたことを受け、「防災業務計画」を作成しました。BCPに基づく総合防災訓練を毎年実施し、各拠点との連携やリモートを含む本部運用等についての課題を抽出し、実効力の強化に努めるとともにBCPの改定に反映しています。製油所・事業所・工場等においては、各々の危機対応規程類に基づき、拠点ごとに又は相互連携の上、防災訓練を定期的に実施しています。 当社グループは、事故や災害で想定される多額の損失に対し、自家再保険子会社を活用し適正な損害保険や損害保険サービスをグローバルに調達しています。 個人情報管理に関するリスク 当社グループは、石油製品販売、電力小売り、クレジットカード事業等で顧客の個人情報を多数取り扱っています。当社グループは、これらの情報の管理不徹底や外部からの不正な搾取、それによってもたらされる問題への対処のために、多額の費用を負担する可能性があります。また、昨今の日本国や欧州を始めとする個人情報保護関連法令の適用拡大・厳格化に対する必要な対応の不備・不足により、多額の制裁金、賠償金の発生、当社グループの信用低下、クレームや訴訟等に繋がった場合、当社グループの事業や経営成績が影響を受ける可能性があります。
今年
(なし)
NSRPへの投融資に関するKAMで、計上額が更新された(長期貸付金94,477百万円、貸倒引当金△57,649百万円、未収入金159,809百万円、完工保証84,801百万円)。割引率の判断要素として中東地域の地政学的緊張の高まりが新たに追加され、監査上の対応にも、同緊張が2026年後半までに解消するとの会社の前提の合理性検討や、装置稼働率へのサプライチェーンの影響をリスクプレミアムで検証する手続が加わった。
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差分(削除 / 追加)
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 NSRPに対する投融資の評価に使用される仮定 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応 出光興産株式会社(以下、会社)はベトナムでニソン製油所を運営するNghi Son Refinery and Petrochemical LLC(以下、NSRP)に対して35.1%の出資と融資を行うとともに、NSRPのプロジェクト・ファイナンスに完工保証(債務保証)を実施している。また、連結子会社のIdemitsu Asia Pacific Pte. Ltd.を通じて融資と資金の立替を行っている。出光興産株式会社(以下、会社)はNghi Son Refinery and Petrochemical LLC(以下、NSRP)に対して出資と融資を行うとともに、NSRPの銀行借入に対して完工保証(債務保証)を実施している。また、連結子会社を通じて融資と資金の立替を行っている。NSRPへの出資には持分法が適用されており、融資・資金の立替については、関連する会計基準に従い公正価値の測定または回収可能価額の測定が実施されている。注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているように、出光興産グループのNSRPへの投融資の2025年3月31日時点の連結貸借対照表における計上額は以下の通りであり、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。 連結貸借対照表上の勘定科目注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているように、NSRPに対する投融資の2026年3月31日時点の連結貸借対照表における計上額は以下の通りであり、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。連結貸借対照表科目 計上額(百万円)出資投資有価証券-融資長期貸付金53,91294,477 貸倒引当金△53,912 -△57,649 36,828 資金の立替未収入金143,739 また、上記のほか、注記事項(連結貸借対照表関係)に記載のとおり、会社は、NSRPの銀行借入に対して完工保証110,272百万円(会社負担分)を実施している。159,809 上記のほか、会社は、NSRPの銀行借入に対して完工保証84,801百万円(会社負担分)を実施している。会社は出光興産グループがNSRPに対して保有する長期貸付金の公正価値と回収可能価額の測定、未収入金の回収可能価額の測定、及び、債務保証損失引当金の計上要否の検討を実施している。会社は、NSRPに対して保有する長期貸付金の公正価値と回収可能価額の測定、未収入金の回収可能価額の測定、及び、債務保証損失引当金の計上要否の検討を実施している。これら会計上の見積りは、NSRPの継続企業の前提を基礎としたうえで、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く、割引キャッシュ・フロー法により行われている。将来キャッシュ・フローの見積りは、装置稼働率等の仮定が含まれるNSRPの将来事業計画に最新の製品マージンを反映して作成しており、これらの仮定はNSRPの当連結会計年度までの実績や外部環境に対する将来予測(需給動向及び製品マージン、地政学的リスク、気候変動対応等)を踏まえて決定されている。また、割引率は、NSRPへの投融資の固有リスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取組みや各国の通商政策に起因する不確実性を反映した期待収益率が用いられている。 会社が公正価値及び回収可能価額の測定を実施した結果、当連結会計年度において長期貸付金に対して、貸倒引当金繰入額12,870百万円を計上している。完工保証については、債務保証損失引当金の計上は行われていない。 【監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由】 当監査法人は、上記会計上の見積りのために使用されたNSRPの見積将来キャッシュ・フローに含まれる経営者の仮定を評価した。その結果、「製品マージン」、「装置稼働率」及び「割引率」を最も重要なインプットであると判断し、監査上の主要な検討事項に決定した。これらのインプットに対する割引後将来キャッシュ・フローの感応度は、他のインプットと比較して極めて高く、また、以下の経営者の重要な判断を伴うためである。 ① 「製品マージン」は、長期間にわたる将来のアジア地域における原油及び石油製品の需要予測及び各製油所の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づいて決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた社会的な取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が高い。将来キャッシュ・フローの見積りに使用されている、製品マージン、装置稼働率、及び割引率には以下の経営者の重要な判断を伴っており、これらの仮定が有する割引後将来キャッシュ・フローの金額に対する感応度は極めて高い。従って、当監査法人は経営者によって設定された「製品マージン」、「装置稼働率」及び「割引率」の合理性を監査上の主要な検討事項とした。② 「装置稼働率」は、外部機関のデータが存在しない見積りであり、経営者による偏向が特に介在しやすい。装置稼働率の見積りは、稼働の実績を基礎として作成される一方で、長期間にわたる将来のベトナム国内における石油製品の需要予測に加え、製油所の技術的な稼働の安定性などの複数の不確実性が存在する。また、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給バランス等の外部環境の変化やNSRPの足元の財政状態が装置稼働率に影響を与えるか否かの評価も求められる。①「製品マージン」は、アジア地域における原油及び石油製品の需要及び各製油所の生産数量やコストに関する専門知識に基づく長期間にわたる将来予測に基づいて決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた社会的な取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含んでおり、不確実性が高い。 ②「装置稼働率」は、外部機関のデータが存在せず、経営者による偏向が特に介在しやすい。装置稼働率の見積りは、稼働の実績を基礎として作成される一方で、ベトナム国内における石油製品需要の長期間にわたる将来予測に加え、製油所の技術的な稼働の安定性などの複数の不確実性が存在する。また、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給等の外部環境の変化の評価も必要であり、不確実性が高い。③ 「割引率」は、資本資産価格モデル(CAPM)で計算されており、NSRPの足元の財政状態に起因する投融資の固有のリスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取組みや各国の通商政策に起因する不確実性に起因するリスクプレミアムの見積りに、経営者による偏向が介在しやすい。③「割引率」は、資本資産価格モデル(CAPM)で計算されており、NSRPに対する投融資の固有リスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取り組みや、中東地域における地政学的緊張の高まりに起因する製品マージンや装置稼働率の不確実性や業績悪化のリスクをリスクプレミアムとして反映しており、不確実性が高い。当監査法人は、会社が行うNSRPに対する投融資の評価に使用される仮定について、必要に応じてNSRPの監査人に指示し、その作業結果を監督・査閲することも含めて、主に以下の監査手続を実施した。監査上の対応 当監査法人は、会社が行ったNSRPに対する投融資の評価に使用された仮定を検討するため、必要に応じてNSRPの監査人に監査手続を指示及び監督し、その作業結果を査閲した上で、主に以下の監査手続を実施した。 <製品マージン>・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、製品マージンの見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ・会社が利用しているものを含めて、将来製品マージンに関する複数の外部機関による予測レポートについて、将来キャッシュ・フロー作成時点でそれぞれ最新のものを入手した。そのうえで、評価専門家の助言に基づき、会社が利用している外部機関による予測レポートについて、市場の長期にわたる需給動向や、脱炭素社会への移行に向けた取り組み等の外部環境の変化を反映できているかを含めた、外部情報としての信頼性を評価した。● 会社責任者への質問及び関連資料の閲覧を実施し、製品マージンの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 会社が利用しているものを含む複数の外部機関の将来製品マージンに関する予測レポートを入手し、監査人の起用する評価専門家の助言を得た上で、市場の長期にわたる需給動向や、脱炭素社会への移行に向けた取り組み等の外部環境の変化を反映できているかどうかを含め、外部情報としての信頼性を評価した。・さらに、会社が見積将来キャッシュ・フローに使用した製品マージンの将来予測数値と外部機関による将来製品マージンが整合しているかどうかを検証した。● 会社が見積将来キャッシュ・フローに使用した製品マージンと外部機関による将来製品マージンの予測が整合しているか否かを検証した。 <装置稼働率>・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、装置稼働率の見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ・2023年度のNSRPの将来事業計画における2024年度の計画稼働率と実績稼働率の比較により、経営者の見積りの精度を検証した。 ・具体的には、2024年度の実績稼働率が計画と乖離している場合には、その乖離要因を理解した。 ・また、2024年度の将来事業計画における装置稼働率の見積りに反映するべきであった不利な乖離要因があるかどうかを検討した。● 会社責任者への質問及び関連資料の閲覧を実施し、装置稼働率の決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 前年度に策定したNSRPの事業計画における当年度の計画稼働率と実績の稼働率を比較し、経営者による見積りの精度を検証した。・NSRPの経営者への質問の実施やマーケットに関する外部レポートを閲覧することで、ベトナム国内の需給動向、製油所の技術的な稼働の安定性、及び、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給バランスを検討し、将来事業計画に織り込まれた装置稼働率と不整合がないかを検証した。● 会社責任者への質問及びマーケットに関する外部レポートの閲覧を通じて、ベトナム国内の需給動向、製油所の技術的な稼働安定性、並びに、気候変動対応の影響を踏まえた製品需給バランスを検討し、将来事業計画に織り込まれた装置稼働率との整合性を検証した。 <割引率>・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、割引率の見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。● 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、割引率の決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 監査人の起用する評価専門家の助言に基づき、CAPMによる評価技法の妥当性や参照データの合理性を検証した。・評価専門家の助言に基づき、CAPMによる評価技法の妥当性や参照している基礎データの合理性を検証した。また、NSRPの足元の財政状態や各国の通商政策による製品マージンへの影響等の重要な不確実性に起因する、見積将来キャッシュ・フローの悪化のリスクが割引率に適切に反映されていることを確認した。● 見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取り組みに加えて、中東地域における地政学的緊張の高まりについては、2026年後半までに解消し、それに伴い原油及び石油製品価格への影響もその後徐々に解消していくとの会社の前提の合理性を検討した。その際、会社が利用しているものを含む複数の外部機関の予測レポートを入手し、外部情報としての信頼性を評価したうえで、会社の前提が他の市場参加者によるシナリオと整合しているか検討した。そのうえで、中東地域における地政学的緊張の高まりに起因する不確実性や業績悪化のリスクについて、短期的な製品マージンや原油調達コストの上昇に加えて、原油及び石油製品のサプライチェーンの状況が装置稼働率へ与える影響がリスクプレミアムとして割引率に適切に反映されているか検証した。・上記の各インプットの検討に加え、監査人として独自に決定した製品マージンの将来予測や割引率を使用し、監査上の重要性を考慮の上で、監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が計算した割引後の見積将来キャッシュ・フローが当該範囲内にあるかどうかを検証した。その際、マージンについては複数の外部機関が公表する製品マージン見通しの分散の程度や将来キャッシュ・フロー作成時点における先物価格の変動性を考慮の上で、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い許容範囲を定めた。上記の各インプットの検討に加えて、監査人として独自に見積った製品マージンや装置稼働率、割引率を使用して、監査上の重要性を考慮の上で、監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が計算した割引後の見積将来キャッシュ・フローが当該範囲内にあるかどうかを検証した。その際、製品マージンについては、複数の外部機関が公表する予測の分散の程度を考慮の上で、予測の上限値と下限値のレンジよりも狭い許容範囲を定めた。割引率は、評価専門家の助言に基づき、監査上の重要性、公正価値および回収可能価額に対する感応度を考慮の上で許容範囲を定めた。・さらに、注記事項(重要な会計上の見積り)における、重要なインプットとしての仮定の開示について、上記で検証した仮定との整合性を確認するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。さらに、注記事項(重要な会計上の見積り)における、重要なインプットとしての仮定の開示について、上記で検証した仮定との整合性を確認するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。
前年
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 NSRPに対する投融資の評価に使用される仮定 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 出光興産株式会社(以下、会社)はベトナムでニソン製油所を運営するNghi Son Refinery and Petrochemical LLC(以下、NSRP)に対して35.1%の出資と融資を行うとともに、NSRPのプロジェクト・ファイナンスに完工保証(債務保証)を実施している。また、連結子会社のIdemitsu Asia Pacific Pte. Ltd.を通じて融資と資金の立替を行っている。NSRPへの出資には持分法が適用されており、融資・資金の立替については、関連する会計基準に従い公正価値の測定または回収可能価額の測定が実施されている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているように、出光興産グループのNSRPへの投融資の2025年3月31日時点の連結貸借対照表における計上額は以下の通りであり、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。 連結貸借対照表上の勘定科目 連結貸借対照表 計上額(百万円) 出資 投資有価証券 - 融資 長期貸付金 53,912 貸倒引当金 △53,912 - 資金の立替 未収入金 143,739 また、上記のほか、注記事項(連結貸借対照表関係)に記載のとおり、会社は、NSRPの銀行借入に対して完工保証110,272百万円(会社負担分)を実施している。 会社は出光興産グループがNSRPに対して保有する長期貸付金の公正価値と回収可能価額の測定、未収入金の回収可能価額の測定、及び、債務保証損失引当金の計上要否の検討を実施している。これら会計上の見積りは、NSRPの継続企業の前提を基礎としたうえで、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く、割引キャッシュ・フロー法により行われている。 将来キャッシュ・フローの見積りは、装置稼働率等の仮定が含まれるNSRPの将来事業計画に最新の製品マージンを反映して作成しており、これらの仮定はNSRPの当連結会計年度までの実績や外部環境に対する将来予測(需給動向及び製品マージン、地政学的リスク、気候変動対応等)を踏まえて決定されている。また、割引率は、NSRPへの投融資の固有リスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取組みや各国の通商政策に起因する不確実性を反映した期待収益率が用いられている。 会社が公正価値及び回収可能価額の測定を実施した結果、当連結会計年度において長期貸付金に対して、貸倒引当金繰入額12,870百万円を計上している。完工保証については、債務保証損失引当金の計上は行われていない。 【監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由】 当監査法人は、上記会計上の見積りのために使用されたNSRPの見積将来キャッシュ・フローに含まれる経営者の仮定を評価した。その結果、「製品マージン」、「装置稼働率」及び「割引率」を最も重要なインプットであると判断し、監査上の主要な検討事項に決定した。これらのインプットに対する割引後将来キャッシュ・フローの感応度は、他のインプットと比較して極めて高く、また、以下の経営者の重要な判断を伴うためである。 ① 「製品マージン」は、長期間にわたる将来のアジア地域における原油及び石油製品の需要予測及び各製油所の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づいて決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた社会的な取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が高い。 ② 「装置稼働率」は、外部機関のデータが存在しない見積りであり、経営者による偏向が特に介在しやすい。装置稼働率の見積りは、稼働の実績を基礎として作成される一方で、長期間にわたる将来のベトナム国内における石油製品の需要予測に加え、製油所の技術的な稼働の安定性などの複数の不確実性が存在する。また、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給バランス等の外部環境の変化やNSRPの足元の財政状態が装置稼働率に影響を与えるか否かの評価も求められる。 ③ 「割引率」は、資本資産価格モデル(CAPM)で計算されており、NSRPの足元の財政状態に起因する投融資の固有のリスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取組みや各国の通商政策に起因する不確実性に起因するリスクプレミアムの見積りに、経営者による偏向が介在しやすい。 当監査法人は、会社が行うNSRPに対する投融資の評価に使用される仮定について、必要に応じてNSRPの監査人に指示し、その作業結果を監督・査閲することも含めて、主に以下の監査手続を実施した。 <製品マージン> ・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、製品マージンの見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ・会社が利用しているものを含めて、将来製品マージンに関する複数の外部機関による予測レポートについて、将来キャッシュ・フロー作成時点でそれぞれ最新のものを入手した。そのうえで、評価専門家の助言に基づき、会社が利用している外部機関による予測レポートについて、市場の長期にわたる需給動向や、脱炭素社会への移行に向けた取り組み等の外部環境の変化を反映できているかを含めた、外部情報としての信頼性を評価した。 ・さらに、会社が見積将来キャッシュ・フローに使用した製品マージンの将来予測数値と外部機関による将来製品マージンが整合しているかどうかを検証した。 <装置稼働率> ・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、装置稼働率の見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ・2023年度のNSRPの将来事業計画における2024年度の計画稼働率と実績稼働率の比較により、経営者の見積りの精度を検証した。 ・具体的には、2024年度の実績稼働率が計画と乖離している場合には、その乖離要因を理解した。 ・また、2024年度の将来事業計画における装置稼働率の見積りに反映するべきであった不利な乖離要因があるかどうかを検討した。 ・NSRPの経営者への質問の実施やマーケットに関する外部レポートを閲覧することで、ベトナム国内の需給動向、製油所の技術的な稼働の安定性、及び、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給バランスを検討し、将来事業計画に織り込まれた装置稼働率と不整合がないかを検証した。 <割引率> ・会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、割引率の見積りの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ・評価専門家の助言に基づき、CAPMによる評価技法の妥当性や参照している基礎データの合理性を検証した。また、NSRPの足元の財政状態や各国の通商政策による製品マージンへの影響等の重要な不確実性に起因する、見積将来キャッシュ・フローの悪化のリスクが割引率に適切に反映されていることを確認した。 ・上記の各インプットの検討に加え、監査人として独自に決定した製品マージンの将来予測や割引率を使用し、監査上の重要性を考慮の上で、監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が計算した割引後の見積将来キャッシュ・フローが当該範囲内にあるかどうかを検証した。その際、マージンについては複数の外部機関が公表する製品マージン見通しの分散の程度や将来キャッシュ・フロー作成時点における先物価格の変動性を考慮の上で、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い許容範囲を定めた。割引率は、評価専門家の助言に基づき、監査上の重要性、公正価値および回収可能価額に対する感応度を考慮の上で許容範囲を定めた。 ・さらに、注記事項(重要な会計上の見積り)における、重要なインプットとしての仮定の開示について、上記で検証した仮定との整合性を確認するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。
今年
監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 NSRPに対する投融資の評価に使用される仮定 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 出光興産株式会社(以下、会社)はNghi Son Refinery and Petrochemical LLC(以下、NSRP)に対して出資と融資を行うとともに、NSRPの銀行借入に対して完工保証(債務保証)を実施している。また、連結子会社を通じて融資と資金の立替を行っている。NSRPへの出資には持分法が適用されており、融資・資金の立替については、関連する会計基準に従い公正価値の測定または回収可能価額の測定が実施されている。 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載されているように、NSRPに対する投融資の2026年3月31日時点の連結貸借対照表における計上額は以下の通りであり、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。 科目 計上額(百万円) 出資 投資有価証券 - 融資 長期貸付金 94,477 貸倒引当金 △57,649 36,828 資金の立替 未収入金 159,809 上記のほか、会社は、NSRPの銀行借入に対して完工保証84,801百万円(会社負担分)を実施している。 会社は、NSRPに対して保有する長期貸付金の公正価値と回収可能価額の測定、未収入金の回収可能価額の測定、及び、債務保証損失引当金の計上要否の検討を実施している。これら会計上の見積りは、NSRPの継続企業の前提を基礎としたうえで、見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く、割引キャッシュ・フロー法により行われている。 将来キャッシュ・フローの見積りに使用されている、製品マージン、装置稼働率、及び割引率には以下の経営者の重要な判断を伴っており、これらの仮定が有する割引後将来キャッシュ・フローの金額に対する感応度は極めて高い。従って、当監査法人は経営者によって設定された「製品マージン」、「装置稼働率」及び「割引率」の合理性を監査上の主要な検討事項とした。 ①「製品マージン」は、アジア地域における原油及び石油製品の需要及び各製油所の生産数量やコストに関する専門知識に基づく長期間にわたる将来予測に基づいて決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた社会的な取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含んでおり、不確実性が高い。 ②「装置稼働率」は、外部機関のデータが存在せず、経営者による偏向が特に介在しやすい。装置稼働率の見積りは、稼働の実績を基礎として作成される一方で、ベトナム国内における石油製品需要の長期間にわたる将来予測に加え、製油所の技術的な稼働の安定性などの複数の不確実性が存在する。また、気候変動対応の影響も踏まえた製品需給等の外部環境の変化の評価も必要であり、不確実性が高い。 ③「割引率」は、資本資産価格モデル(CAPM)で計算されており、NSRPに対する投融資の固有リスクに加えて、見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取り組みや、中東地域における地政学的緊張の高まりに起因する製品マージンや装置稼働率の不確実性や業績悪化のリスクをリスクプレミアムとして反映しており、不確実性が高い。 監査上の対応 当監査法人は、会社が行ったNSRPに対する投融資の評価に使用された仮定を検討するため、必要に応じてNSRPの監査人に監査手続を指示及び監督し、その作業結果を査閲した上で、主に以下の監査手続を実施した。 <製品マージン> ● 会社責任者への質問及び関連資料の閲覧を実施し、製品マージンの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 会社が利用しているものを含む複数の外部機関の将来製品マージンに関する予測レポートを入手し、監査人の起用する評価専門家の助言を得た上で、市場の長期にわたる需給動向や、脱炭素社会への移行に向けた取り組み等の外部環境の変化を反映できているかどうかを含め、外部情報としての信頼性を評価した。 ● 会社が見積将来キャッシュ・フローに使用した製品マージンと外部機関による将来製品マージンの予測が整合しているか否かを検証した。 <装置稼働率> ● 会社責任者への質問及び関連資料の閲覧を実施し、装置稼働率の決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 前年度に策定したNSRPの事業計画における当年度の計画稼働率と実績の稼働率を比較し、経営者による見積りの精度を検証した。 ● 会社責任者への質問及びマーケットに関する外部レポートの閲覧を通じて、ベトナム国内の需給動向、製油所の技術的な稼働安定性、並びに、気候変動対応の影響を踏まえた製品需給バランスを検討し、将来事業計画に織り込まれた装置稼働率との整合性を検証した。 <割引率> ● 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、割引率の決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。 ● 監査人の起用する評価専門家の助言に基づき、CAPMによる評価技法の妥当性や参照データの合理性を検証した。 ● 見積将来キャッシュ・フローに反映されていない脱炭素への世界的な取り組みに加えて、中東地域における地政学的緊張の高まりについては、2026年後半までに解消し、それに伴い原油及び石油製品価格への影響もその後徐々に解消していくとの会社の前提の合理性を検討した。その際、会社が利用しているものを含む複数の外部機関の予測レポートを入手し、外部情報としての信頼性を評価したうえで、会社の前提が他の市場参加者によるシナリオと整合しているか検討した。そのうえで、中東地域における地政学的緊張の高まりに起因する不確実性や業績悪化のリスクについて、短期的な製品マージンや原油調達コストの上昇に加えて、原油及び石油製品のサプライチェーンの状況が装置稼働率へ与える影響がリスクプレミアムとして割引率に適切に反映されているか検証した。 上記の各インプットの検討に加えて、監査人として独自に見積った製品マージンや装置稼働率、割引率を使用して、監査上の重要性を考慮の上で、監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が計算した割引後の見積将来キャッシュ・フローが当該範囲内にあるかどうかを検証した。その際、製品マージンについては、複数の外部機関が公表する予測の分散の程度を考慮の上で、予測の上限値と下限値のレンジよりも狭い許容範囲を定めた。割引率は、評価専門家の助言に基づき、監査上の重要性、公正価値および回収可能価額に対する感応度を考慮の上で許容範囲を定めた。 さらに、注記事項(重要な会計上の見積り)における、重要なインプットとしての仮定の開示について、上記で検証した仮定との整合性を確認するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。
「事業等のリスク」の前文が削除され、見出しのみとなった。リスクマネジメントの強化(2025年度からの本格運用)、重要な影響を及ぼす可能性のある事項の説明、セグメント別記載および将来に関する記述の判断時点に関する説明文が記載から無くなった。個別のリスク項目自体の変更は本項目からは確認できない。
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差分(削除 / 追加)
3【事業等のリスク】当社グループは、事業活動に関わる様々なリスクを未然に認知・評価し、リスクに応じた適切な対応を講じることで、経営の安定を図っています。経営を取り巻く環境が大きく変化する中で事業構造改革を推進するためには、リスクの予防強化に向けてリスクマネジメントをより全社的、統合的に高めていく必要があり、2025年度からの本格運用に向け統合的なリスクマネジメントの強化を図っています。 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態・経営成績及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社の業績に特に大きな影響を与える商品分野につきましては、セグメント別に記載しています。文中の将来に関する部分は、当社が有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
前年
3【事業等のリスク】 当社グループは、事業活動に関わる様々なリスクを未然に認知・評価し、リスクに応じた適切な対応を講じることで、経営の安定を図っています。経営を取り巻く環境が大きく変化する中で事業構造改革を推進するためには、リスクの予防強化に向けてリスクマネジメントをより全社的、統合的に高めていく必要があり、2025年度からの本格運用に向け統合的なリスクマネジメントの強化を図っています。 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態・経営成績及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。当社の業績に特に大きな影響を与える商品分野につきましては、セグメント別に記載しています。文中の将来に関する部分は、当社が有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
今年
3【事業等のリスク】
前年に存在した「(3)気候変動に関するリスク」の項目が削除された。前年の記載は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動対応」を参照する旨のみで、独立した記載内容は無かった。
前年 / 今年の本文を見る
前年
上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動対応」に記載のとおりです。
今年
(なし)
前年は「(7)事業等のリスク管理」の見出しで、サステナビリティ(ESG)共通のリスク管理の記載を参照する旨のみが記載されていたが、今年はこの項目自体が削除された。参照先の記載の有無や内容は、この項目からは確認できない。
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前年
上記の「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ(ESG)共通 ③リスク管理」に記載のとおりです。
今年
(なし)
2025-03-31 期 (提出日 2025-06-19 15:33)
前年版がないため比較していません。