前年は2025年3月期のリスク状況を記載していたが、今年は2026年3月期のリスク状況に更新されている。リスクカテゴリー「オペレーション&製品」の傾向は「変化なし」から「上昇」に変更され、中東地域を含む地政学的緊張、重要原材料(半導体を含む)の需給逼迫、単一サプライヤー依存、第三者サービス提供者のセキュリティ侵害、デジタル技術・人工知能導入に伴う組織変革などのリスクシナリオが新たに具体的に記載された。対応策として、BCP・安全在庫・第三者リスクマネジメント・BCM枠組みの導入等が追加されている。
オリンパス株式会社
証券コード 77330 / EDINET E02272 / 精密機器
危険信号
臨時報告書で代表取締役の就任が開示されました。
業績の推移
数値を表で見る
| 決算期 | 売上高(兆円) | 純利益(兆円) |
|---|---|---|
| 2021/3 | 0.73 | 0.01 |
| 2022/3 | 0.75 | 0.12 |
| 2023/3 | 0.88 | 0.14 |
| 2024/3 | 0.93 | 0.24 |
| 2025/3 | 1 | 0.12 |
| 2026/3 | 1.01 | 0.07 |
開示データの要約
人的資本
- 平均年収
- 1,006万円
- 女性管理職比率
- 11.9%
- 男性育休取得率
- 101.4%
- 男女賃金差異
- 74.6%
- 従業員数
- 2,469人
監査
- 監査報酬
- 2.47億円
- 非監査報酬
- 1,900万円
- 内部統制
- 重要な不備なし
大量保有
- 提出者数
- 2
- 報告数
- 2
- 最大の保有者
- 三井住友信託銀行株式会社
大株主(法人)
| 株主 | 区分 | 株数 | 割合 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) | 信託口 | 210,749,500株 | 19.14% | ▼ -0.78pt |
| (株)日本カストディ銀行(信託口) | 信託口 | 73,848,800株 | 6.71% | ▼ -0.70pt |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 (株)みずほ銀行) | 信託口 | 57,412,385株 | 5.21% | ▲ +0.35pt |
| JP MORGAN CHASE BANK 385839(常任代理人 (株)みずほ銀行) | 信託口 | 40,984,300株 | 3.72% | 新規 |
| (株)SMBC信託銀行((株)三井住友銀行退職給付信託口) | 信託口 | 39,509,300株 | 3.59% | ▲ +0.09pt |
| モルガン・スタンレーMUFG証券(株) | 法人 | 27,002,882株 | 2.45% | ▼ -0.42pt |
| 日本生命保険(相) | 法人 | 21,258,572株 | 1.93% | ▲ +0.05pt |
| THE CHASE MANHATTAN BANK, N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT(常任代理人 (株)みずほ銀行) | 信託口 | 20,359,229株 | 1.85% | 新規 |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 (株)みずほ銀行) | 信託口 | 18,456,044株 | 1.68% | ▼ -0.06pt |
| JP MORGAN CHASE BANK 385642(常任代理人 (株)みずほ銀行) | 信託口 | 17,084,533株 | 1.55% | 新規 |
個人株主の内訳は非表示
役員 11 名(うち社外 8 名)、役員の持株合計 637,392株
2026-03-31 期 (提出日 2026-06-18 15:34)
リスク評価手法・プロセス・マクロ/業界環境・トップリスクの記載が全面的に更新され、対象期が2026年3月期となった。オペレーション&製品のリスク傾向が「変化なし」から「上昇」に変わり、中東情勢に起因する調達障害、半導体など重要原材料の供給制約、単一サプライヤー依存、第三者のセキュリティ侵害、デジタル・AI導入に伴う運営モデル変革といった具体的リスクと対応策が追加された。戦略カテゴリーでも市場情報の不足・誤判断に関するリスクが新たに加わった。
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3【事業等のリスク】 当社グループの業績は、今後起こりうる様々なリスク(不確実性)によって大きな影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営理念や基本的な指針を含む事業目標を達成するために、グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメントの枠組みを構築しています。この体制は、「リスクマネジメント及び危機対応方針」に基づいて運用されています。また、当社グループは、「機会」と「脅威」の両面からエンタープライズ・リスクマネジメントに取り組んでいます。機会は、当社グループの持続的な成長と価値創造につながる積極的かつ適切なリスクテイクを通じて捉えられる一方、脅威は、事業目標の確実な達成とコンプライアンス違反の防止のために特定され、優先順位をつけて対処されます。 グローバル組織体制では、リスク&コントロール、コンプライアンス、プライバシー、情報セキュリティーの4つの機能が統合されています。この体制は、4つの機能に加えて、製品セキュリティー、サイバーセキュリティーを含む関連管理システムおよび当社グループにおけるリスク全体像を把握しビジネスプロセスに組み込む、いわゆるアラインド・アシュアランスを推進することを目的としています。2025年3月期において、これらの領域はグローバル法務機能と統合され、グローバルジェネラルカウンセルの管轄下にあるリーガル・リスク・コンプライアンス機能(以下、LRC)として再編されました。グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(GCCO)は、引き続きグループ経営執行会議に出席するとともに、CEO、取締役会、監査委員会へ定期的な報告を行います。 エンタープライズ・リスクマネジメントにおいて特に注力する活動は以下の通りです。 - LRC機能におけるグローバルなリスクコントロール機能の構築 - グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチの強化 - グローバルに一貫性のあるエンタープライズ・リスクマネジメントの構築 これらの活動に注力することで、合理的なエンタープライズ・リスクマネジメントが実行され、事業計画及び財務計画にリスクを反映することを企図しています。また、十分な情報に基づいた経営の意思決定をサポートすることで、当社の事業目標と経営戦略の達成の確度を高めることを目指しています。当社は2024年3月期に構築した統合的なグローバルリスクマネジメントポートフォリオを更に発展させ、2025年3月期には、全ての関連部門のリスク評価を実施し、地域別およびグローバルなリスクポートフォリオを検証、更新しました。 エンタープライズ・リスクマネジメントの組織体制 当社グループは、グローバルおよび地域レベルの委員会組織として、グローバル及び地域リスクアシュアランス・コンプライアンス委員会(以下、G-RACC、R-RACC、総称してRACCs)を設立しました。RACCsは、リスクに対処し、適用される方針、法律、規制を遵守するための枠組みを確立、実施、管理することを目的としています。また、勧告、指導、重要リスクについては、グループ経営執行会議(以下、GEC)、取締役会、 監査委員会に定期的に報告され、継続的なモニタリングが行われます。 また、リスクオーナーとして、グローバル事業・機能責任者、地域事業・機能責任者を任命し、更に各事業・機能でリスク管理を担うリスクコーディネーターを任命しています。リスクオーナーは、自身が管轄する領域において対策(例:組織体制、プロセス準備、重点対策など)を講じる責任を負います。 <エンタープライズ・リスクマネジメント体制> エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチ 当社グループでは、5つのリスクカテゴリー(1.戦略(外部環境変化を含む)、2.オペレーション&製品、3.ファイナンス、4.ガバナンス、5.IT&デジタル)、及びそれらを具体化したサブカテゴリーによるエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチを用いています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント リスクカテゴリー> また、当社グループでは、事業目標の達成や経営戦略に影響を及ぼす可能性があると合理的に判断されるリスクを評価し、明示するために、3つのリスク評価基準(1.エクスポージャー、2. 脆弱性、3.速度)を用いています。 - エクスポージャーは、発生可能性と発生時の影響によって決定します。可能性とは、リスクが顕在化する確率を示し、影響度とは、リスクが顕在化した場合の結果の重大性を示します。可能性と影響度のレベルは、定量的(財務的数値に基づく)または定性的基準として評価します。 - 脆弱性(Vulnerability)とは、リスクが発生した場合に、組織がそのリスクを管理する準備がどの程度できているかを示します。 - 速度 (Velocity)とは、リスク発生後、当社がどの程度の速さでリスクの影響を受けるかを示します。<エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法> これらの評価基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、低減および監視しています。リスク低減に向けた対応策については、定期的に見直しを行い、有効性の検証を実施しています。<エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法>また、リスクを効果的に可視化し、適切に管理するため、リスクのエクスポージャーと評価された脆弱性に速度の要素を組み合わせた「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。3Dリスクマトリックスは4つの象限で構成されており、それぞれの象限において、適切なリスク対応戦略に関する具体的な指針を提供しています。これらの基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、軽減し、監視しており、対応策を定期的に見直し、その有効性を検証しています。また、リスクを可視化して管理するため、エクスポージャー、脆弱性、速度を組み合わせてリスク評価結果を4つの象限に分け、当該リスクにどのように対処するべきかについて示す「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。さらに、最新のITツールを用いたデータベース及びダッシュボードを導入しています。2025年3月期においては、リスクポートフォリオを最適化し、同時にリスク記述を構造化、分類、標準化してより明瞭で分かりやすい記載を実現するため、社内で設計された人工知能ツールを用いてITツールをアップグレードしています。さらに、統合データベースおよびダッシュボードを備えたエンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)用ITシステムを導入することで、データとリスクに基づく、より効果的な意思決定を可能にしています。2026年3月期は、リスクポートフォリオの網羅性を高めることを目的として、社内で設計した人工知能ツールを試験的に導入・実装し、同システムの高度化を進めました。同時に、リスク記述の明確化と理解促進を図るため、リスク記述の構造化、分類および標準化を行いました。 エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下の通りです。当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下のとおりです: ・リスクアセスメント(リスクの特定、分析および評価) ・対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の調整および実行) ・リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、および対応策の有効性評価) ・リスク報告(リスクおよび対応策を集約・評価し、関係するステークホルダーに定期的に報告する。リスクマネジメントの年次計画の一環として作成し、社内に展開する。)- リスクアセスメント(リスクの特定、分析、評価) - 対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の実行及び調整) - リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、リスクトリートメント活動の有効性の評価) - リスク報告(リスク及びその対応策を集約・評価し、関連するステークホルダーに定期的に報告する。リスク報告は、リスクマネジメントの年次計画の一部として立案・社内へ展開される) エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスでは、いわゆる3つのラインモデルの考え方に沿って、リスクコントロール機能と各事業・機能が緊密に連携を行っています。また、リスクコントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメント手法及び運用ガイダンスを提供、維持、開発する責任を負っています。本プロセスは、いわゆる3線モデルの原則に基づき、リスク&コントロール機能と各事業部門・機能の強固な協働関係の下で運用されています。リスク&コントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメントの手法および運用ガイダンスを提供、維持および高度化する責任を負っています。また、幅広いリスク領域で重要な役割を担う法務機能と緊密に連携することで、リスクマネジメントをさらに強化しています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス> マクロ経済ビジネス環境2024年4月以降の世界経済においては、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇等により、多くの国で予想を上回ってインフレが進展しました。2025年4月以降の世界経済は、底堅さを維持しているものの、依然として大きな不確実性に直面しています。GDPの成長ペースは地域ごとにばらつきがみられ、先進国では新興国に比べ、比較的緩やかな成長にとどまっています。地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境にリスクをもたらしています。ウクライナにおける戦争や中東情勢、米国と中国を含む主要経済国間の貿易摩擦等による不確実性に加え、足元では米国における追加関税に関する動向にも不透明感がみられ、グローバルな貿易とサプライチェーンにも大きな影響を与えています。地政学的緊張の再燃やエネルギー価格の変動により、インフレ圧力は依然として不安定な状況が続いています。特に、中東における最近の紛争はエネルギーコストの上昇やインフレ予想の高まりを招いており、金融政策や経済の安定性に影響を及ぼす可能性があります。技術面では、デジタル技術、人工知能、自動化の急速な浸透が、生産性の向上を促進し、新たな経済機会を生み出している一方、データプライバシーとサイバーセキュリティーに関する懸念など、課題ももたらしています。より広範に見れば、継続的な地政学的紛争や主要経済国間の貿易摩擦は、サプライチェーンの混乱や貿易の分断を引き起こし、政策の不確実性を招いています。さらに、関税や産業政策の活用拡大により、世界的な貿易構造や投資判断にも変化が生じています。このように、地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境における主要なリスクとなっています。気候変動と持続可能性は、世界的に重要視されており、持続可能性の重視、二酸化炭素排出量の削減が求められていますが、一方で、大規模な設備投資の必要性や従来の産業への混乱が生じる可能性など、課題も抱えています。テクノロジーの進歩、特に人工知能、デジタル化、自動化の分野における進展は、生産性の向上を牽引し、経済成長を支えています。一方で、こうした進展は、サイバーセキュリティ上の脅威、データプライバシーに関する懸念、急速な技術投資サイクルに伴う市場の不均衡の可能性など、新たなリスクももたらしています。 気候変動およびサステナビリティ(持続可能性)は、引き続き世界的な重要課題となっています。各国政府や企業は二酸化炭素排出量の削減や低炭素経済への移行に向けた取り組みを加速させていますが、その過程では多額の投資が必要であり、特定の産業において構造的な変化や混乱を招く可能性があります。 業界特有のビジネス環境メドテック企業各社は、上記のマクロ経済ビジネス環境に加えて、業界に特有の要因にも大きく影響を受けています。上記のマクロ経済ビジネス環境に加え、メドテック業界においては、業界特有の規制、技術、および人口動態の要因による影響を受け続けています。この業界では、医療費の抑制や医療サービスの安全性・有効性の向上による患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指し、国内外で医療制度改革が継続的に実施されています。また、米国食品医薬品局(以下、FDA)や欧州医療機器規制(以下、EU-MDR)をはじめ、各国の医療機器申請・登録・市販後調査に対する法規制要件は年々厳格になっており、感染予防や再処理(洗浄・消毒・滅菌)に関する要件も複雑化しています。世界各国の医療制度は、効率性の向上、医療コスト抑制および患者さんのアウトカム向上を目的として、絶えず改革が進められています。一方で、医療機器に対する法規制要件も変化し続けており、製品開発や市場参入の複雑さとコストが増大しています。各国の医療政策の変化、医療費の削減、医療関連法規の強化、感染予防や再処理に対する要求のさらなる高まりなどにより、技術開発のハードルや複雑さは増しています。それに伴い、新技術や代替技術だけでなく、IT技術大手をはじめとする異業種からの医療業界への参入もあり、事業環境は大きく変化しています。先進的な医療ソリューションに対する需要は、主に先進国における高齢化の進展や新興国での医療アクセス拡大を背景に高まっています。この傾向は成長の機会を生み出す一方で、医療システムに対し、費用対効果と医療の質とのバランスを求める圧力を強めています。さらに、先進国を中心に社会の高齢化が進むにつれ、医療に対するニーズは確実に高まっています。当社グループが関わる事業領域には多くの競合他社が存在しており、技術革新も進む中で、競争は一層激化しています。新興国市場においては、経済成長とともに医療ニーズが高まっており、さらなる成長が期待出来ると考えています。低侵襲手技、デジタルヘルス、ロボティクス、AIを活用した診断などの分野における技術革新は、競争の激化に伴い加速しています。こうした進展は、競争環境を根本から変えつつあり、イノベーションのペースを加速させています。また、当社グループが事業を展開する業界では、 グローバルで人材獲得競争が激化しており、労働市場の変化で退職率の高まりもみられ、人材の採用・育成・確保がますます重要になっています。感染予防、再処理要件(洗浄・消毒・滅菌)、および患者安全基準はますます複雑化しており、コンプライアンスの確保と製品の革新に向けた継続的な投資が求められています。さらに、近年の世界的な混乱を受けて、サプライチェーンのレジリエンスと現地化戦略の重要性が高まっています。 また、メドテック業界全体においては有能な人材をめぐる厳しい競争が依然として続いています。人口動態の変化や働き方に対する労働者の意識の変化により離職率が上昇しており、優秀な人材の確保、育成および定着の重要性がますます高まっています。当社グループのリスク状況(2025年3月期)これらのリスク評価は、国際機関、政府機関、業界団体等が公表する公開情報や、当社グループにおける事業実態および過去の経験等を踏まえて実施しています。2025年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、リスクを特定・評価しました。3Dリスクマトリックスにおいて"Improve"の領域に特定されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。"Test"の領域に特定されたリスクについては、既にコントロールが実施されていますが、同時に、定期的なモニタリングにより、既存のコントロールが適切にかつ効果的に機能しているか、確認しています。"Monitor"の領域に特定されたリスクは、エクスポージャーが許容可能なレベルであることを継続的に確認し、必要に応じて追加の対応策を設定します。当社グループのリスク状況(2026年3月期)当社グループでは、リスクカテゴリーごとに、以下のトップリスクを報告しています。2026年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、当社グループに影響を及ぼすリスクを特定、評価し、優先順位付けを行いました。 3Dリスクマトリックスにおいて「Improve」の象限に分類されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。「Test」の象限にあるリスクについては既にコントロールが実施されています。また、定期的な監査により、既存のコントロールが適切に設計され、効果的に機能していることを確認しています。「Monitor」の象限にあるリスクについては、リスクエクスポージャーが依然として許容範囲内にあることを確認するため、あるいは必要に応じて追加の対応策を開始するために、定期的な再評価を行っています。 当社グループは、リスクカテゴリーごとに以下の主要なリスク(トップリスク)を開示しています。 リスクカテゴリー:戦略(外部環境変化を含む) リスクタイプ:機会と脅威リスク傾向:上昇リスク傾向:変化なし → リスクシナリオこのリスクカテゴリーには、「計画・資源配分」、「事業開発・投資」、「コミュニケーション・ステークホルダーマネジメント」、「マーケットダイナミクス」、及び「不可抗力」が含まれます。最も高いリスクとして評価された中には、地政学上の脅威、不安定な市場における事業展開、サプライチェーンの混乱、が含まれています。本リスクカテゴリーには、不可抗力(外部環境変化)、計画および資源配分、成長戦略、事業開発・投資、コミュニケーションおよびステークホルダーマネジメント、市場動向、ならびに主要プログラム・プロジェクトが含まれます。相対的に重要性が高いと評価されたリスクは、事業運営上の依存関係、競争環境の変化、および市場動向を予測し対応する能力に関するものです。 ・地政学的緊張は、当社グループにおいて最優先で対応すべきリスクのひとつとして認識されており、軍事紛争や貿易戦争を通じてサプライチェーンを脅かしています。これらはコスト増大を招くほか、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンス上のリスクも生じさせています。・地政学的緊張は、軍事紛争や貿易戦争によるサプライチェーンへの脅威、コスト増、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンスリスクの発生などにより、トップリスクとして認識されています。・主要市場では、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の変動や国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。・主要な市場において、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の引き上げや国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。・主要市場における競争の激化は、特に技術革新のスピードが速く価格競争が生じやすい分野において、当社グループが市場での地位と収益性を維持する能力に影響を及ぼす可能性があります。・また、競争環境が激化する中で、価格・技術・品質等様々な面において競争力を有する製品を適時に投入する必要があります。・市場情報の深さや適時性の不足、ならびに市場動向、顧客ニーズ、または競合他社の動向に関する誤った判断は、戦略的意思決定や競争上の優位性を維持する能力を損なう可能性があります。・M&A活動には機会と脅威の両方が存在し、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。・M&A活動は機会と脅威の両面を併せ持ち、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策当社グループでは、上記のリスクに対応するために以下の対応策を実施しています。 ・サプライチェーンの混乱に対する脆弱性を軽減するために、サプライチェーンの可視性を高め、サプライヤーを多様化させています。・激化する競争から生じるリスクに対処するため、当社グループはイノベーションの効果を高め、製品開発サイクルを加速させる取り組みを推進しています。・競争環境をモニタリングし、代替技術や市場動向を特定することで、新技術の迅速な開発を可能とする体制の構築を推進しています。また、各主要市場の動向に応じて対応策を実施しています。中国においては現地製造に向けた準備を進展させているほか、米国においては追加関税の動向を注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。・中国では現地生産に向けた準備を進展させているほか、米国では関税の動向を継続的に注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。・潜在的な混乱を回避して顧客と患者さんへの継続的な供給を確保するための、グローバルな事業継続管理体制を強化しています。・市場情報の不足や入手遅延に関連するリスクを低減するため、当社グループは、事業部門の戦略的重要性に合わせて活動を調整することで、市場および競合他社に関する情報収集能力を強化しています。これには、実用的な知見をタイムリーに提供することに重点を置いた、標準化され部分的に自動化された分析手法の開発が含まれます。・自社開発とM&Aや戦略的提携を通じた外部技術獲得の両方を通じたイノベーションへのバランスの取れたアプローチ、およびインテリジェント内視鏡医療エコシステムをはじめとした高付加価値製品の開発を推進しています。・市場におけるポジションおよび顧客ニーズに関連するリスクに対応するため、当社グループは、自社開発に加え、M&Aや戦略的提携を通じた外部技術の獲得によるイノベーションを推進するとともに、インテリジェント内視鏡医療エコシステムに用いられるような高付加価値製品への注力を進めています。・ターゲット選定、デューデリジェンス、買収後の統合効果を向上させるため、M&Aプロセスと体制を継続的に改善しています。・M&A活動に伴うリスクを最小限に抑えるため、当社グループは、M&Aプロセスおよびシステムを継続的に改善し、対象企業の選定、デューデリジェンス、ならびに買収後の統合における有効性の向上を図っています。経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、成長のためのイノベーション、生産性の向上経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:オペレーション&製品 リスクタイプ:機会と脅威リスク傾向:変化なしリスク傾向:上昇 ↑ リスクシナリオこのリスクカテゴリーには、「研究開発」、「製造・修理」、「エンド・ツー・エンド・サプライチェーン」、「販売・マーケティング・サービス」、「品質」、「資産」、及び「人的資源」が含まれます。最も重大なリスクは、主に製品品質、エンド・ツー・エンドのサプライチェーン、マーケティング&セールスに関連しており、製品の安定的な供給とライフサイクル管理に影響を与えます。本リスクカテゴリーには、製造・修理およびエンド・ツー・エンド・サプライチェーン、研究開発、販売、マーケティング・サービス、品質、有形資産および人的資源が含まれます。これらのリスクは、オペレーションの継続性、サプライヤーへの依存、製品およびオペレーティングモデルの変革に関連しています。主な課題は以下の通りです。・FDAから受領した警告書に係る是正活動について、製造、品質、サプライチェーンマネジメントおよび研究開発にわたり大規模な資源配分を行い、継続しています。 ・重要な事業基盤や物流ネットワークに障害が生じた場合、特に依存関係が集中している箇所における障害は、製品供給や事業継続、および顧客や患者さんへのサービス提供能力に悪影響を及ぼす可能性があります。・製造、品質、サプライチェーンマネジメント、研究開発機能にまたがり、大規模な資源配分を行いつつ、FDAから受領した警告書に係る是正活動を継続しています。・中東地域を含む地政学的緊張の高まり、制裁措置、物流網やエネルギー供給の不安定化により、原材料や部品の調達に支障が生じるおそれがあります。・地政学的緊張の高まりと気候変動にともなう自然災害が増加する中、サプライチェーンの回復力は依然として持続的な課題と認識しています。・特に半導体を含む重要原材料の需給逼迫や供給制約が発生した場合、生産の遅延や調整、製品供給への影響が生じる可能性があります。 ・製造拠点の稼働停止を含む製造業務の混乱により生産の遅延が生じた場合、顧客の需要に応える当社グループの能力に影響を及ぼす可能性があります。 ・単一または唯一のサプライヤーへの依存に関する透明性の欠如、およびサプライヤーの混乱は、サプライチェーンの安定性とレジリエンス(回復力)に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・第三者サービス提供者におけるセキュリティ侵害や業務の中断は、重要なオペレーション、データの完全性およびサービス継続性に影響を及ぼすおそれがあります。 ・危機発生時にサプライヤーが所定の期間内に復旧できない場合、資材不足や生産への支障が生じるおそれがあります。 ・製品やサービスにおけるデジタル技術や人工知能の採用拡大に伴い、オペレーティングモデル、組織能力、ガバナンス体制の調整が必要となる可能性があります。この変革を効果的に管理できない場合、競争力や業務効率に影響を及ぼす可能性があります。 対応策当社グループは、患者さんの安全を重視した高品質のサービスを提供するために、エンド・ツー・エンド・サプライチェーンの安定と品質プロセスの改善に優先的に取り組んでいます。主な活動は以下の通りです。・製造の混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは、事業継続計画(BCP)の策定、重要資材および完成品の安全在庫の確保、主要な生産能力や設備の保全など、さまざまな措置を通じて事業継続力(レジリエンス)を強化しています。 ・サプライヤーへの依存に関連するリスクに対処するため、当社グループは、サプライヤー構造の透明性を高め、単一または唯一のサプライヤーへ依存する度合いを低減することで、サプライチェーンのレジリエンス(回復力)を強化しています。これには、調達先の多様化に向けた的を絞った取り組みや、重要資材に対する適切な安全在庫水準の設定が含まれます。・グローバルな事業継続管理体制に継続的に取り組んでいます。・重要な事業基盤や物流ネットワークの混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは主要な依存関係や重要拠点を特定し、体系的な事業継続管理(BCM)フレームワークを導入しています。これには、事業継続計画(BCP)の策定と継続的な改善に加え、危機管理能力および組織的な対応体制の強化が含まれます。・サプライチェーンの可視化向上プロジェクト推進とサプライヤーの多様化により、特定サプライヤーへの依存度を軽減させています。・第三者に起因するセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、体系的な第三者リスクマネジメントアプローチを導入・実装しています。本アプローチでは、リスクおよびコンプライアンスの枠組みの中で専用のガバナンスを設け、外部のセキュリティリスクについて、評価、モニタリング、および管理を行っています。・品質マネジメントシステムとプロセスを強化し一貫性を持たせるために、グローバルな複数年にわたる品質プログラムを実施しています。・危機発生時におけるサプライヤーの復旧に関連するリスクを低減するため、当社グループは、サプライチェーンの可視性を高めるとともに、サプライヤーのレジリエンスおよび事業継続能力について定期的な評価を実施しています。また、供給への支障が生じるおそれを低減するため、重要原材料については安全在庫戦略を導入しています。 ・デジタル化や人工知能の導入に伴うリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制の強化、技術開発プロセスの高度化、ならびにデジタル分野における能力および人材への投資を通じて、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。これには、適切なガバナンス体制の構築や、開発およびガバナンスの枠組みの標準化が含まれます。経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ファイナンス リスクタイプ:機会と脅威リスク傾向:変化なしリスク傾向:変化なし → リスクシナリオこのリスクカテゴリーには、「資本構造」、「会計・報告」、「流動性・信用」、「収益サイクル」、及び「税務」が含まれています。本リスクカテゴリーには、財務会計・報告、資本構造、流動性・信用、収益サイクル、および税務が含まれます。当社グループの安定した財務状況および効果的なリスクマネジメントへの取り組みを背景に、当該カテゴリーにおける全体的なリスクエクスポージャーは、他のリスクカテゴリーと比較して引き続き限定的な水準にあります。・外国為替レートの変動は、大きなリスクをもたらします。・外国為替レートの変動は、重要なリスクとなる可能性があります。外貨建て取引に対するヘッジを行っていますが、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響をもたらす可能性があります。• 資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。・資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。業績の悪化や金融市場の環境変化は、資金調達オプションを制限する可能性があります。• グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。・グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。また、事業環境の変化や組織再編により、繰延税金資産の評価の見直しが必要になる可能性もあります。 ・顧客やサプライヤーの信用リスクが当社の財務の安定性に影響を与える可能性があります。 対応策当社グループでは、次のような方法でファイナンスリスクの軽減を図っています。当社グループは、強固な金融リスクマネジメントの枠組みを引き続き維持しています。当該枠組みには、体系的な計画策定およびモニタリングのプロセス、一元化された財務(トレジャリー)機能、ならびに流動性、為替およびその他の金融リスクを管理するための適切な統制が含まれます。これらの取り組みにより、財務の安定性を下支えするとともに、金融環境の変化に対して適時に対応することを可能にしています。・為替変動を管理するために、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を導入しています。この対応は外貨エクスポージャー低減のためのグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。・為替変動リスクを低減するため、当社グループは、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を活用しています。これらの対応は、外貨エクスポージャー低減を目的としたグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。 ・調達コストを最適化するための公募社債発行等による資金調達方法の多様化と、金利変動を最小化するための長期債務に対する固定金利採用を組み合わせて対応しています。・繰延税金資産を最適化するために管轄当局間の税法改正を積極的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。 ・与信先の財務状況を体系的にモニタリングし、適切な対応を実施しています。・繰延税金資産の回収可能性を向上するために管轄当局間の税法改正を継続的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。経営戦略・方針との関連性:生産性の向上経営戦略・方針との関連性:シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ガバナンス リスクタイプ:機会と脅威リスク傾向:変化なしリスク傾向:上昇↑ リスクシナリオこのリスクカテゴリーには、「カルチャー」、「規制」、「法務」、「コンプライアンス」、「データプライバシー」、及び「コーポレートガバナンス」が含まれます。 ・断片化された契約管理プロセスとデータベースは透明性の欠如を生み出し、契約違反、クレームあるいは法的責任を招く可能性があります。本リスクカテゴリーには、コンプライアンス、規制対応、法務、企業文化、データプライバシー、コーポレートガバナンス、レジリエンス・ガバナンス(事業継続および危機対応に関するガバナンス体制)、および第三者リスクマネジメントが含まれます。規制遵守、規制当局への対応、ならびにガバナンスおよび統制の枠組みの有効性に関連するリスクについては、体系的かつ能動的に管理しています。・複雑な医療機器および貿易規制への対応には包括的な文書化が要求されますが、その不備により製品供給に直結するコンプライアンス違反を引き起こす可能性があります。・製品開発および承認プロセスを規定する適用法令や規制に不遵守が生じた場合、製品の商品化の遅延、市場参入の制限、訴訟、またはその他の規制措置が講じられるおそれがあります。・2023年3月期にFDAから受領した警告書で指摘された事項に対して実施中の是正活動は、規制を遵守するために完全に実行する必要がありますが、今後の経過によっては、FDAによりさらなる規制措置が取られる可能性があります。・現在米国食品医薬品局(FDA)から受領している警告書に関する是正が不十分または遅れた場合、およびFDAの指摘事項に対して十分に対応できない場合、FDAによりさらなる規制措置が講じられ、製品供給に影響が出るおそれがあります。・不十分な事業継続管理体制は、自然災害やその他の緊急事態の際のオペレーションに混乱をきたす可能性があります。・第三者リスクの管理が不十分な場合、業務への支障、コンプライアンス上のリスク、ならびに法的または評判上の影響を受ける可能性があります。 対応策当社グループでは、以下の対応でガバナンス改善を図っています。 ・プロセス改善とデータベースの更新を伴う契約管理強化プロジェクトに取り組んでいます。・規制不遵守に関連するリスクを低減するため、当社グループは、製品開発および規制対応活動におけるグローバルなプロセス、方針、モニタリング活動、教育・研修、および統制を強化し、コンプライアンスの枠組みを高度化しています。・グローバルな品質保証・法規制対応の変革プロジェクト「Elevate」を推進しています。・現在FDAから受領している警告書に関する規制及び品質リスクに対処するため、FDAの懸念事項に関する是正措置を推進しました。・2023年3月期にFDAから受領した警告書に関する是正措置に関して、引き続き全社で対応を推進しています。・2025年6月24日(現地時間)、FDAは、会津オリンパス株式会社で製造された一部の医療機器に対する輸入警告を公表しました。この措置により、今後の通知があるまで、指定された医療機器の米国への輸入ができなくなります。対象となる機器は、一部の気管支鏡、腹腔鏡、尿管腎盂鏡と内視鏡洗浄消毒装置です。当社は、FDAの指摘事項に迅速に対応し、当社製品が高い品質基準を満たすよう全力を尽くしています。・既存の事業継続対策を標準化するために、一貫性があり、かつ的をしぼった事業継続管理体制を策定、実行します。・2025年後半には、米国、欧州、日本の8拠点でFDA査察が実施され、当社が進めてきたオペレーションや品質改善の状況を確認する機会となりました。その結果、FDAから指摘事項が出されています。その多くは、今回の改善以前の活動に起因していますが、なかには、当社の品質システムの成熟度や一貫性を高め、統合を進める必要がある領域も含まれていました。こうした指摘に対しては、全社を挙げて横断的に取り組んでいます。具体的には、患者さんの安全を最優先としたリスクベースの製品ポートフォリオ評価を行うとともに、品質システムのグローバルな標準化を一段と進め、品質・法規制チームの強化にも注力しています。査察結果については、現在もFDAとの間でオープンに議論を重ねている状況です。当社は、当社が積極的に進めている対応について、FDAと直接コミュニケーションを取っています。・また、2025年3月期にCEOが辞任した件を踏まえて、当社はグローバル行動規範および関連する研修を改定し、私たちは当社の行動規範、ポリシー、および適用されるすべての法律・規制を遵守しなければならないことを明確化します。2026年3月期には、改定されたグローバル行動規範に関する年次研修を、全従業員を対象に実施するとともに、役員のメンタルケアの強化のサポート等に取り組んでいます。・第三者管理に関連するリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制、オペレーティングモデル、およびコンプライアンスプロセスの継続的な改善を通じて、第三者リスクマネジメントの枠組みを強化しています。その一環として、リスク評価手法の高度化、透明性の向上、ならびにコンプライアンス基準を第三者全体に一貫して適用しています。経営戦略や方針との関連:患者さんの安全と持続可能性経営戦略や方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:IT&デジタル リスクタイプ:機会と脅威リスク傾向:変化なしリスク傾向:上昇↑ リスクシナリオこのリスクカテゴリーには、「ITセキュリティー・サイバー」、「ITアプリケーション」、「ITガバナンス」、「ITインフラ・サービス」及び「デジタル」が含まれます。本リスクカテゴリーには、ITセキュリティおよびサイバー、ITアプリケーション、ITガバナンス、ITインフラおよびサービス、ならびにデジタル基盤の活用および管理が含まれます。潜在的なリスクは、サイバーセキュリティ上の脅威、ITシステムの回復力(レジリエンス)、デジタル環境に対するガバナンスおよびマネジメントの有効性に関連します。・デジタルシステムへの高い依存により、IT障害によるオペレーション混乱に関する脆弱性が生じる可能性があります。・サイバーセキュリティ上の脅威の発生頻度および高度化により、システムへの不正アクセス、データ侵害、または重要な業務への支障が生じるおそれがあります。・サイバーセキュリティー侵害は、継続的なモニタリングと対応が必要な優先度の高いリスクと認識しています。・ITインフラおよびアプリケーションの老朽化または陳腐化(サポート終了またはライフサイクル終了を迎えたシステムを含む)により、業務への支障、システム障害、およびセキュリティ上の脆弱性のリスクが高まるおそれがあります。・老朽化したITアプリケーションが耐用年数を迎えることにより、システム障害やオペレーション混乱を引き起こす重大なリスクとなる可能性があります。・分散的または非標準のITソリューションに対するガバナンスおよび管理が不十分な場合、セキュリティ上の脆弱性、データの不整合、およびコンプライアンス上のリスクへのエクスポージャーが増加するおそれがあります。・当社製品におけるデジタル技術の統合が進むにつれ、バリューチェーン全体で包括的なサイバーセキュリティー対策が必要となります。・重要な基幹システムの障害や停止は、製造やサプライチェーン業務を含む中核的な業務プロセスに影響を及ぼすおそれがあります。 対応策当社では、IT&デジタルリスクに対して以下の対応を図っています。 ・複数年にわたる包括的なITセキュリティー・プログラムを計画通りに推進しています。 ・ITインフラの大規模な刷新、アップグレード、移管を計画通りに進めています。 ・サードパーティのプロバイダーに対するセキュリティーおよび協業要件を強化しています。・サイバーセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、包括的な情報セキュリティプログラムを導入・運用しています。本プログラムには、継続的なモニタリングや脅威の検知に加え、IT環境全体にわたる予防および対応の両面からのセキュリティ対策の強化が含まれます。・セキュリティー・インシデント発生時の顧客への影響を最小化するため、グローバルな事業継続管理体制構築プロジェクトにおいて、事業継続計画および災害復旧計画をアップグレードします。・老朽化したITインフラおよびアプリケーションに関連するリスクを低減するため、当社グループは、システムのアップグレード、更新および移行の優先付けを含む体系的なライフサイクル管理を推進し、運用の安定性およびセキュリティの確保を図っています。・最新のサイバーセキュリティー要件に沿った技術とプロセスにより、当社製品とデジタルサービスを保護します。・分散的または非標準のIT環境に伴うリスクを低減するため、当社グループは、非標準のIT活動を集中管理の枠組みに統合し、組織全体における監督機能、標準化およびセキュリティ統制を強化しています。・サイバーセキュリティーの脅威および日常業務における予防策に関する定期的な社員教育を実施します。・重要なシステム障害に関連するリスクを低減するため、当社グループは、復旧計画および事業継続計画(BCP)を整備するとともに、システムの可用性を確保するための措置を講じることで、ITレジリエンスの向上を図っています。経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動
前年
3【事業等のリスク】 当社グループの業績は、今後起こりうる様々なリスク(不確実性)によって大きな影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営理念や基本的な指針を含む事業目標を達成するために、グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメントの枠組みを構築しています。この体制は、「リスクマネジメント及び危機対応方針」に基づいて運用されています。また、当社グループは、「機会」と「脅威」の両面からエンタープライズ・リスクマネジメントに取り組んでいます。機会は、当社グループの持続的な成長と価値創造につながる積極的かつ適切なリスクテイクを通じて捉えられる一方、脅威は、事業目標の確実な達成とコンプライアンス違反の防止のために特定され、優先順位をつけて対処されます。 グローバル組織体制では、リスク&コントロール、コンプライアンス、プライバシー、情報セキュリティーの4つの機能が統合されています。この体制は、4つの機能に加えて、製品セキュリティー、サイバーセキュリティーを含む関連管理システムおよび当社グループにおけるリスク全体像を把握しビジネスプロセスに組み込む、いわゆるアラインド・アシュアランスを推進することを目的としています。2025年3月期において、これらの領域はグローバル法務機能と統合され、グローバルジェネラルカウンセルの管轄下にあるリーガル・リスク・コンプライアンス機能(以下、LRC)として再編されました。グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(GCCO)は、引き続きグループ経営執行会議に出席するとともに、CEO、取締役会、監査委員会へ定期的な報告を行います。 エンタープライズ・リスクマネジメントにおいて特に注力する活動は以下の通りです。 - LRC機能におけるグローバルなリスクコントロール機能の構築 - グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチの強化 - グローバルに一貫性のあるエンタープライズ・リスクマネジメントの構築 これらの活動に注力することで、合理的なエンタープライズ・リスクマネジメントが実行され、事業計画及び財務計画にリスクを反映することを企図しています。また、十分な情報に基づいた経営の意思決定をサポートすることで、当社の事業目標と経営戦略の達成の確度を高めることを目指しています。当社は2024年3月期に構築した統合的なグローバルリスクマネジメントポートフォリオを更に発展させ、2025年3月期には、全ての関連部門のリスク評価を実施し、地域別およびグローバルなリスクポートフォリオを検証、更新しました。 エンタープライズ・リスクマネジメントの組織体制 当社グループは、グローバルおよび地域レベルの委員会組織として、グローバル及び地域リスクアシュアランス・コンプライアンス委員会(以下、G-RACC、R-RACC、総称してRACCs)を設立しました。RACCsは、リスクに対処し、適用される方針、法律、規制を遵守するための枠組みを確立、実施、管理することを目的としています。また、勧告、指導、重要リスクについては、グループ経営執行会議(以下、GEC)、取締役会、 監査委員会に定期的に報告され、継続的なモニタリングが行われます。 また、リスクオーナーとして、グローバル事業・機能責任者、地域事業・機能責任者を任命し、更に各事業・機能でリスク管理を担うリスクコーディネーターを任命しています。リスクオーナーは、自身が管轄する領域において対策(例:組織体制、プロセス準備、重点対策など)を講じる責任を負います。 <エンタープライズ・リスクマネジメント体制> エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチ 当社グループでは、5つのリスクカテゴリー(1.戦略(外部環境変化を含む)、2.オペレーション&製品、3.ファイナンス、4.ガバナンス、5.IT&デジタル)、及びそれらを具体化したサブカテゴリーによるエンタープライズ・リスクマネジメント手法とアプローチを用いています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント リスクカテゴリー> また、当社グループでは、事業目標の達成や経営戦略に影響を及ぼす可能性があると合理的に判断されるリスクを評価し、明示するために、3つのリスク評価基準(1.エクスポージャー、2. 脆弱性、3.速度)を用いています。 - エクスポージャーは、発生可能性と発生時の影響によって決定します。可能性とは、リスクが顕在化する確率を示し、影響度とは、リスクが顕在化した場合の結果の重大性を示します。可能性と影響度のレベルは、定量的(財務的数値に基づく)または定性的基準として評価します。 - 脆弱性(Vulnerability)とは、リスクが発生した場合に、組織がそのリスクを管理する準備がどの程度できているかを示します。 - 速度 (Velocity)とは、リスク発生後、当社がどの程度の速さでリスクの影響を受けるかを示します。 <エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法> これらの基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、軽減し、監視しており、対応策を定期的に見直し、その有効性を検証しています。また、リスクを可視化して管理するため、エクスポージャー、脆弱性、速度を組み合わせてリスク評価結果を4つの象限に分け、当該リスクにどのように対処するべきかについて示す「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。さらに、最新のITツールを用いたデータベース及びダッシュボードを導入しています。2025年3月期においては、リスクポートフォリオを最適化し、同時にリスク記述を構造化、分類、標準化してより明瞭で分かりやすい記載を実現するため、社内で設計された人工知能ツールを用いてITツールをアップグレードしています。 エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス 当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下の通りです。 - リスクアセスメント(リスクの特定、分析、評価) - 対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の実行及び調整) - リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、リスクトリートメント活動の有効性の評価) - リスク報告(リスク及びその対応策を集約・評価し、関連するステークホルダーに定期的に報告する。リスク報告は、リスクマネジメントの年次計画の一部として立案・社内へ展開される) エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスでは、いわゆる3つのラインモデルの考え方に沿って、リスクコントロール機能と各事業・機能が緊密に連携を行っています。また、リスクコントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメント手法及び運用ガイダンスを提供、維持、開発する責任を負っています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス> マクロ経済ビジネス環境 2024年4月以降の世界経済においては、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格の上昇等により、多くの国で予想を上回ってインフレが進展しました。 地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境にリスクをもたらしています。ウクライナにおける戦争や中東情勢、米国と中国を含む主要経済国間の貿易摩擦等による不確実性に加え、足元では米国における追加関税に関する動向にも不透明感がみられ、グローバルな貿易とサプライチェーンにも大きな影響を与えています。 技術面では、デジタル技術、人工知能、自動化の急速な浸透が、生産性の向上を促進し、新たな経済機会を生み出している一方、データプライバシーとサイバーセキュリティーに関する懸念など、課題ももたらしています。 気候変動と持続可能性は、世界的に重要視されており、持続可能性の重視、二酸化炭素排出量の削減が求められていますが、一方で、大規模な設備投資の必要性や従来の産業への混乱が生じる可能性など、課題も抱えています。 業界特有のビジネス環境 メドテック企業各社は、上記のマクロ経済ビジネス環境に加えて、業界に特有の要因にも大きく影響を受けています。 この業界では、医療費の抑制や医療サービスの安全性・有効性の向上による患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指し、国内外で医療制度改革が継続的に実施されています。また、米国食品医薬品局(以下、FDA)や欧州医療機器規制(以下、EU-MDR)をはじめ、各国の医療機器申請・登録・市販後調査に対する法規制要件は年々厳格になっており、感染予防や再処理(洗浄・消毒・滅菌)に関する要件も複雑化しています。 各国の医療政策の変化、医療費の削減、医療関連法規の強化、感染予防や再処理に対する要求のさらなる高まりなどにより、技術開発のハードルや複雑さは増しています。それに伴い、新技術や代替技術だけでなく、IT技術大手をはじめとする異業種からの医療業界への参入もあり、事業環境は大きく変化しています。 さらに、先進国を中心に社会の高齢化が進むにつれ、医療に対するニーズは確実に高まっています。当社グループが関わる事業領域には多くの競合他社が存在しており、技術革新も進む中で、競争は一層激化しています。新興国市場においては、経済成長とともに医療ニーズが高まっており、さらなる成長が期待出来ると考えています。 また、当社グループが事業を展開する業界では、 グローバルで人材獲得競争が激化しており、労働市場の変化で退職率の高まりもみられ、人材の採用・育成・確保がますます重要になっています。 当社グループのリスク状況(2025年3月期) 2025年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、リスクを特定・評価しました。 3Dリスクマトリックスにおいて"Improve"の領域に特定されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。"Test"の領域に特定されたリスクについては、既にコントロールが実施されていますが、同時に、定期的なモニタリングにより、既存のコントロールが適切にかつ効果的に機能しているか、確認しています。"Monitor"の領域に特定されたリスクは、エクスポージャーが許容可能なレベルであることを継続的に確認し、必要に応じて追加の対応策を設定します。 当社グループでは、リスクカテゴリーごとに、以下のトップリスクを報告しています。 リスクカテゴリー:戦略(外部環境変化を含む) リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:上昇 リスクシナリオ このリスクカテゴリーには、「計画・資源配分」、「事業開発・投資」、「コミュニケーション・ステークホルダーマネジメント」、「マーケットダイナミクス」、及び「不可抗力」が含まれます。最も高いリスクとして評価された中には、地政学上の脅威、不安定な市場における事業展開、サプライチェーンの混乱、が含まれています。 ・地政学的緊張は、軍事紛争や貿易戦争によるサプライチェーンへの脅威、コスト増、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンスリスクの発生などにより、トップリスクとして認識されています。 ・主要な市場において、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の引き上げや国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。 ・また、競争環境が激化する中で、価格・技術・品質等様々な面において競争力を有する製品を適時に投入する必要があります。 ・M&A活動には機会と脅威の両方が存在し、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 対応策 当社グループでは、上記のリスクに対応するために以下の対応策を実施しています。 ・サプライチェーンの混乱に対する脆弱性を軽減するために、サプライチェーンの可視性を高め、サプライヤーを多様化させています。 ・競争環境をモニタリングし、代替技術や市場動向を特定することで、新技術の迅速な開発を可能とする体制の構築を推進しています。また、各主要市場の動向に応じて対応策を実施しています。中国においては現地製造に向けた準備を進展させているほか、米国においては追加関税の動向を注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。 ・潜在的な混乱を回避して顧客と患者さんへの継続的な供給を確保するための、グローバルな事業継続管理体制を強化しています。 ・自社開発とM&Aや戦略的提携を通じた外部技術獲得の両方を通じたイノベーションへのバランスの取れたアプローチ、およびインテリジェント内視鏡医療エコシステムをはじめとした高付加価値製品の開発を推進しています。 ・ターゲット選定、デューデリジェンス、買収後の統合効果を向上させるため、M&Aプロセスと体制を継続的に改善しています。 経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、成長のためのイノベーション、生産性の向上 リスクカテゴリー:オペレーション&製品 リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし リスクシナリオ このリスクカテゴリーには、「研究開発」、「製造・修理」、「エンド・ツー・エンド・サプライチェーン」、「販売・マーケティング・サービス」、「品質」、「資産」、及び「人的資源」が含まれます。最も重大なリスクは、主に製品品質、エンド・ツー・エンドのサプライチェーン、マーケティング&セールスに関連しており、製品の安定的な供給とライフサイクル管理に影響を与えます。 主な課題は以下の通りです。 ・製造、品質、サプライチェーンマネジメント、研究開発機能にまたがり、大規模な資源配分を行いつつ、FDAから受領した警告書に係る是正活動を継続しています。 ・地政学的緊張の高まりと気候変動にともなう自然災害が増加する中、サプライチェーンの回復力は依然として持続的な課題と認識しています。 対応策 当社グループは、患者さんの安全を重視した高品質のサービスを提供するために、エンド・ツー・エンド・サプライチェーンの安定と品質プロセスの改善に優先的に取り組んでいます。主な活動は以下の通りです。 ・グローバルな事業継続管理体制に継続的に取り組んでいます。 ・サプライチェーンの可視化向上プロジェクト推進とサプライヤーの多様化により、特定サプライヤーへの依存度を軽減させています。 ・品質マネジメントシステムとプロセスを強化し一貫性を持たせるために、グローバルな複数年にわたる品質プログラムを実施しています。 経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上 リスクカテゴリー:ファイナンス リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし リスクシナリオ このリスクカテゴリーには、「資本構造」、「会計・報告」、「流動性・信用」、「収益サイクル」、及び「税務」が含まれています。 ・外国為替レートの変動は、大きなリスクをもたらします。外貨建て取引に対するヘッジを行っていますが、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響をもたらす可能性があります。 • 資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。業績の悪化や金融市場の環境変化は、資金調達オプションを制限する可能性があります。 • グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。また、事業環境の変化や組織再編により、繰延税金資産の評価の見直しが必要になる可能性もあります。 ・顧客やサプライヤーの信用リスクが当社の財務の安定性に影響を与える可能性があります。 対応策 当社グループでは、次のような方法でファイナンスリスクの軽減を図っています。 ・為替変動を管理するために、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を導入しています。この対応は外貨エクスポージャー低減のためのグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。 ・調達コストを最適化するための公募社債発行等による資金調達方法の多様化と、金利変動を最小化するための長期債務に対する固定金利採用を組み合わせて対応しています。 ・繰延税金資産を最適化するために管轄当局間の税法改正を積極的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。 ・与信先の財務状況を体系的にモニタリングし、適切な対応を実施しています。 経営戦略・方針との関連性:生産性の向上 リスクカテゴリー:ガバナンス リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし リスクシナリオ このリスクカテゴリーには、「カルチャー」、「規制」、「法務」、「コンプライアンス」、「データプライバシー」、及び「コーポレートガバナンス」が含まれます。 ・断片化された契約管理プロセスとデータベースは透明性の欠如を生み出し、契約違反、クレームあるいは法的責任を招く可能性があります。 ・複雑な医療機器および貿易規制への対応には包括的な文書化が要求されますが、その不備により製品供給に直結するコンプライアンス違反を引き起こす可能性があります。 ・2023年3月期にFDAから受領した警告書で指摘された事項に対して実施中の是正活動は、規制を遵守するために完全に実行する必要がありますが、今後の経過によっては、FDAによりさらなる規制措置が取られる可能性があります。 ・不十分な事業継続管理体制は、自然災害やその他の緊急事態の際のオペレーションに混乱をきたす可能性があります。 対応策 当社グループでは、以下の対応でガバナンス改善を図っています。 ・プロセス改善とデータベースの更新を伴う契約管理強化プロジェクトに取り組んでいます。 ・グローバルな品質保証・法規制対応の変革プロジェクト「Elevate」を推進しています。 ・2023年3月期にFDAから受領した警告書に関する是正措置に関して、引き続き全社で対応を推進しています。 ・既存の事業継続対策を標準化するために、一貫性があり、かつ的をしぼった事業継続管理体制を策定、実行します。 ・また、2025年3月期にCEOが辞任した件を踏まえて、当社はグローバル行動規範および関連する研修を改定し、私たちは当社の行動規範、ポリシー、および適用されるすべての法律・規制を遵守しなければならないことを明確化します。2026年3月期には、改定されたグローバル行動規範に関する年次研修を、全従業員を対象に実施するとともに、役員のメンタルケアの強化のサポート等に取り組んでいます。 経営戦略や方針との関連:患者さんの安全と持続可能性 リスクカテゴリー:IT&デジタル リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし リスクシナリオ このリスクカテゴリーには、「ITセキュリティー・サイバー」、「ITアプリケーション」、「ITガバナンス」、「ITインフラ・サービス」及び「デジタル」が含まれます。 ・デジタルシステムへの高い依存により、IT障害によるオペレーション混乱に関する脆弱性が生じる可能性があります。 ・サイバーセキュリティー侵害は、継続的なモニタリングと対応が必要な優先度の高いリスクと認識しています。 ・老朽化したITアプリケーションが耐用年数を迎えることにより、システム障害やオペレーション混乱を引き起こす重大なリスクとなる可能性があります。 ・当社製品におけるデジタル技術の統合が進むにつれ、バリューチェーン全体で包括的なサイバーセキュリティー対策が必要となります。 対応策 当社では、IT&デジタルリスクに対して以下の対応を図っています。 ・複数年にわたる包括的なITセキュリティー・プログラムを計画通りに推進しています。 ・ITインフラの大規模な刷新、アップグレード、移管を計画通りに進めています。 ・サードパーティのプロバイダーに対するセキュリティーおよび協業要件を強化しています。 ・セキュリティー・インシデント発生時の顧客への影響を最小化するため、グローバルな事業継続管理体制構築プロジェクトにおいて、事業継続計画および災害復旧計画をアップグレードします。 ・最新のサイバーセキュリティー要件に沿った技術とプロセスにより、当社製品とデジタルサービスを保護します。 ・サイバーセキュリティーの脅威および日常業務における予防策に関する定期的な社員教育を実施します。 経営戦略・方針との関連:患者さんの安全と持続可能性、生産性の向上
今年
<エンタープライズ・リスクマネジメント評価手法> これらの評価基準に基づき、当社グループはリスクを積極的に特定、低減および監視しています。リスク低減に向けた対応策については、定期的に見直しを行い、有効性の検証を実施しています。 また、リスクを効果的に可視化し、適切に管理するため、リスクのエクスポージャーと評価された脆弱性に速度の要素を組み合わせた「3Dリスクマトリックス」と呼ばれる手法を用いています。3Dリスクマトリックスは4つの象限で構成されており、それぞれの象限において、適切なリスク対応戦略に関する具体的な指針を提供しています。 さらに、統合データベースおよびダッシュボードを備えたエンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)用ITシステムを導入することで、データとリスクに基づく、より効果的な意思決定を可能にしています。2026年3月期は、リスクポートフォリオの網羅性を高めることを目的として、社内で設計した人工知能ツールを試験的に導入・実装し、同システムの高度化を進めました。同時に、リスク記述の明確化と理解促進を図るため、リスク記述の構造化、分類および標準化を行いました。 エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス 当社グループのエンタープライズ・リスクマネジメント・プロセスの主な構成要素は以下のとおりです: ・リスクアセスメント(リスクの特定、分析および評価) ・対応策(リスクの低減、リスクマネジメント活動の調整および実行) ・リスクモニタリング(リスクモニタリングプロセスの設計、実施、および対応策の有効性評価) ・リスク報告(リスクおよび対応策を集約・評価し、関係するステークホルダーに定期的に報告する。リスクマネジメントの年次計画の一環として作成し、社内に展開する。) 本プロセスは、いわゆる3線モデルの原則に基づき、リスク&コントロール機能と各事業部門・機能の強固な協働関係の下で運用されています。リスク&コントロール機能は、エンタープライズ・リスクマネジメントの手法および運用ガイダンスを提供、維持および高度化する責任を負っています。また、幅広いリスク領域で重要な役割を担う法務機能と緊密に連携することで、リスクマネジメントをさらに強化しています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント・プロセス> マクロ経済ビジネス環境 2025年4月以降の世界経済は、底堅さを維持しているものの、依然として大きな不確実性に直面しています。GDPの成長ペースは地域ごとにばらつきがみられ、先進国では新興国に比べ、比較的緩やかな成長にとどまっています。 地政学的緊張の再燃やエネルギー価格の変動により、インフレ圧力は依然として不安定な状況が続いています。特に、中東における最近の紛争はエネルギーコストの上昇やインフレ予想の高まりを招いており、金融政策や経済の安定性に影響を及ぼす可能性があります。 より広範に見れば、継続的な地政学的紛争や主要経済国間の貿易摩擦は、サプライチェーンの混乱や貿易の分断を引き起こし、政策の不確実性を招いています。さらに、関税や産業政策の活用拡大により、世界的な貿易構造や投資判断にも変化が生じています。このように、地政学的緊張は引き続き世界のマクロ経済環境における主要なリスクとなっています。 テクノロジーの進歩、特に人工知能、デジタル化、自動化の分野における進展は、生産性の向上を牽引し、経済成長を支えています。一方で、こうした進展は、サイバーセキュリティ上の脅威、データプライバシーに関する懸念、急速な技術投資サイクルに伴う市場の不均衡の可能性など、新たなリスクももたらしています。 気候変動およびサステナビリティ(持続可能性)は、引き続き世界的な重要課題となっています。各国政府や企業は二酸化炭素排出量の削減や低炭素経済への移行に向けた取り組みを加速させていますが、その過程では多額の投資が必要であり、特定の産業において構造的な変化や混乱を招く可能性があります。 業界特有のビジネス環境 上記のマクロ経済ビジネス環境に加え、メドテック業界においては、業界特有の規制、技術、および人口動態の要因による影響を受け続けています。 世界各国の医療制度は、効率性の向上、医療コスト抑制および患者さんのアウトカム向上を目的として、絶えず改革が進められています。一方で、医療機器に対する法規制要件も変化し続けており、製品開発や市場参入の複雑さとコストが増大しています。 先進的な医療ソリューションに対する需要は、主に先進国における高齢化の進展や新興国での医療アクセス拡大を背景に高まっています。この傾向は成長の機会を生み出す一方で、医療システムに対し、費用対効果と医療の質とのバランスを求める圧力を強めています。 低侵襲手技、デジタルヘルス、ロボティクス、AIを活用した診断などの分野における技術革新は、競争の激化に伴い加速しています。こうした進展は、競争環境を根本から変えつつあり、イノベーションのペースを加速させています。 感染予防、再処理要件(洗浄・消毒・滅菌)、および患者安全基準はますます複雑化しており、コンプライアンスの確保と製品の革新に向けた継続的な投資が求められています。さらに、近年の世界的な混乱を受けて、サプライチェーンのレジリエンスと現地化戦略の重要性が高まっています。 また、メドテック業界全体においては有能な人材をめぐる厳しい競争が依然として続いています。人口動態の変化や働き方に対する労働者の意識の変化により離職率が上昇しており、優秀な人材の確保、育成および定着の重要性がますます高まっています。 これらのリスク評価は、国際機関、政府機関、業界団体等が公表する公開情報や、当社グループにおける事業実態および過去の経験等を踏まえて実施しています。 当社グループのリスク状況(2026年3月期) 2026年3月期に実施したグローバルリスクアセスメントに基づき、当社グループに影響を及ぼすリスクを特定、評価し、優先順位付けを行いました。 3Dリスクマトリックスにおいて「Improve」の象限に分類されたリスクについては、対応策の優先順位を高く設定しています。「Test」の象限にあるリスクについては既にコントロールが実施されています。また、定期的な監査により、既存のコントロールが適切に設計され、効果的に機能していることを確認しています。「Monitor」の象限にあるリスクについては、リスクエクスポージャーが依然として許容範囲内にあることを確認するため、あるいは必要に応じて追加の対応策を開始するために、定期的な再評価を行っています。 当社グループは、リスクカテゴリーごとに以下の主要なリスク(トップリスク)を開示しています。 リスクカテゴリー:戦略(外部環境変化を含む) リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし → リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、不可抗力(外部環境変化)、計画および資源配分、成長戦略、事業開発・投資、コミュニケーションおよびステークホルダーマネジメント、市場動向、ならびに主要プログラム・プロジェクトが含まれます。相対的に重要性が高いと評価されたリスクは、事業運営上の依存関係、競争環境の変化、および市場動向を予測し対応する能力に関するものです。 ・地政学的緊張は、当社グループにおいて最優先で対応すべきリスクのひとつとして認識されており、軍事紛争や貿易戦争を通じてサプライチェーンを脅かしています。これらはコスト増大を招くほか、急速に変化する制裁措置によるコンプライアンス上のリスクも生じさせています。 ・主要市場では、国内産業の保護措置の実施等により、市場環境が大きく変化しています。関税の変動や国内サプライヤーへの優遇措置等により収益性が低下する可能性があります。 ・主要市場における競争の激化は、特に技術革新のスピードが速く価格競争が生じやすい分野において、当社グループが市場での地位と収益性を維持する能力に影響を及ぼす可能性があります。 ・市場情報の深さや適時性の不足、ならびに市場動向、顧客ニーズ、または競合他社の動向に関する誤った判断は、戦略的意思決定や競争上の優位性を維持する能力を損なう可能性があります。 ・M&A活動は機会と脅威の両面を併せ持ち、厳格なデューデリジェンスと体系的な統合プロセスが必要です。リスク軽減策が不十分な場合、のれんの減損や関連費用により、事業遂行、業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・激化する競争から生じるリスクに対処するため、当社グループはイノベーションの効果を高め、製品開発サイクルを加速させる取り組みを推進しています。 ・中国では現地生産に向けた準備を進展させているほか、米国では関税の動向を継続的に注視しつつ、患者さんの安全と健康を最優先に、業界団体と緊密に連携しています。 ・市場情報の不足や入手遅延に関連するリスクを低減するため、当社グループは、事業部門の戦略的重要性に合わせて活動を調整することで、市場および競合他社に関する情報収集能力を強化しています。これには、実用的な知見をタイムリーに提供することに重点を置いた、標準化され部分的に自動化された分析手法の開発が含まれます。 ・市場におけるポジションおよび顧客ニーズに関連するリスクに対応するため、当社グループは、自社開発に加え、M&Aや戦略的提携を通じた外部技術の獲得によるイノベーションを推進するとともに、インテリジェント内視鏡医療エコシステムに用いられるような高付加価値製品への注力を進めています。 ・M&A活動に伴うリスクを最小限に抑えるため、当社グループは、M&Aプロセスおよびシステムを継続的に改善し、対象企業の選定、デューデリジェンス、ならびに買収後の統合における有効性の向上を図っています。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:オペレーション&製品 リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:上昇 ↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、製造・修理およびエンド・ツー・エンド・サプライチェーン、研究開発、販売、マーケティング・サービス、品質、有形資産および人的資源が含まれます。これらのリスクは、オペレーションの継続性、サプライヤーへの依存、製品およびオペレーティングモデルの変革に関連しています。 ・FDAから受領した警告書に係る是正活動について、製造、品質、サプライチェーンマネジメントおよび研究開発にわたり大規模な資源配分を行い、継続しています。 ・重要な事業基盤や物流ネットワークに障害が生じた場合、特に依存関係が集中している箇所における障害は、製品供給や事業継続、および顧客や患者さんへのサービス提供能力に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・中東地域を含む地政学的緊張の高まり、制裁措置、物流網やエネルギー供給の不安定化により、原材料や部品の調達に支障が生じるおそれがあります。 ・特に半導体を含む重要原材料の需給逼迫や供給制約が発生した場合、生産の遅延や調整、製品供給への影響が生じる可能性があります。 ・製造拠点の稼働停止を含む製造業務の混乱により生産の遅延が生じた場合、顧客の需要に応える当社グループの能力に影響を及ぼす可能性があります。 ・単一または唯一のサプライヤーへの依存に関する透明性の欠如、およびサプライヤーの混乱は、サプライチェーンの安定性とレジリエンス(回復力)に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・第三者サービス提供者におけるセキュリティ侵害や業務の中断は、重要なオペレーション、データの完全性およびサービス継続性に影響を及ぼすおそれがあります。 ・危機発生時にサプライヤーが所定の期間内に復旧できない場合、資材不足や生産への支障が生じるおそれがあります。 ・製品やサービスにおけるデジタル技術や人工知能の採用拡大に伴い、オペレーティングモデル、組織能力、ガバナンス体制の調整が必要となる可能性があります。この変革を効果的に管理できない場合、競争力や業務効率に影響を及ぼす可能性があります。 対応策 ・製造の混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは、事業継続計画(BCP)の策定、重要資材および完成品の安全在庫の確保、主要な生産能力や設備の保全など、さまざまな措置を通じて事業継続力(レジリエンス)を強化しています。 ・サプライヤーへの依存に関連するリスクに対処するため、当社グループは、サプライヤー構造の透明性を高め、単一または唯一のサプライヤーへ依存する度合いを低減することで、サプライチェーンのレジリエンス(回復力)を強化しています。これには、調達先の多様化に向けた的を絞った取り組みや、重要資材に対する適切な安全在庫水準の設定が含まれます。 ・重要な事業基盤や物流ネットワークの混乱に伴うリスクを低減するため、当社グループは主要な依存関係や重要拠点を特定し、体系的な事業継続管理(BCM)フレームワークを導入しています。これには、事業継続計画(BCP)の策定と継続的な改善に加え、危機管理能力および組織的な対応体制の強化が含まれます。 ・第三者に起因するセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、体系的な第三者リスクマネジメントアプローチを導入・実装しています。本アプローチでは、リスクおよびコンプライアンスの枠組みの中で専用のガバナンスを設け、外部のセキュリティリスクについて、評価、モニタリング、および管理を行っています。 ・危機発生時におけるサプライヤーの復旧に関連するリスクを低減するため、当社グループは、サプライチェーンの可視性を高めるとともに、サプライヤーのレジリエンスおよび事業継続能力について定期的な評価を実施しています。また、供給への支障が生じるおそれを低減するため、重要原材料については安全在庫戦略を導入しています。 ・デジタル化や人工知能の導入に伴うリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制の強化、技術開発プロセスの高度化、ならびにデジタル分野における能力および人材への投資を通じて、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。これには、適切なガバナンス体制の構築や、開発およびガバナンスの枠組みの標準化が含まれます。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ファイナンス リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:変化なし → リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、財務会計・報告、資本構造、流動性・信用、収益サイクル、および税務が含まれます。当社グループの安定した財務状況および効果的なリスクマネジメントへの取り組みを背景に、当該カテゴリーにおける全体的なリスクエクスポージャーは、他のリスクカテゴリーと比較して引き続き限定的な水準にあります。 ・外国為替レートの変動は、重要なリスクとなる可能性があります。外貨建て取引に対するヘッジを行っていますが、円高は業績に悪影響を及ぼし、円安は業績に好影響をもたらす可能性があります。 ・資金調達リスクは、資本及び借入等へのアクセスに影響を与える金融市場の変動や、借入コストに影響を与える企業業績から生じます。業績の悪化や金融市場の環境変化は、資金調達オプションを制限する可能性があります。 ・グローバルな管轄当局における適用税法や解釈の変更により、税負担が増大する可能性があります。また、事業環境の変化や組織再編により、繰延税金資産の評価の見直しが必要になる可能性もあります。 ・顧客やサプライヤーの信用リスクが当社の財務の安定性に影響を与える可能性があります。 対応策 当社グループは、強固な金融リスクマネジメントの枠組みを引き続き維持しています。当該枠組みには、体系的な計画策定およびモニタリングのプロセス、一元化された財務(トレジャリー)機能、ならびに流動性、為替およびその他の金融リスクを管理するための適切な統制が含まれます。これらの取り組みにより、財務の安定性を下支えするとともに、金融環境の変化に対して適時に対応することを可能にしています。 ・為替変動リスクを低減するため、当社グループは、為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を活用しています。これらの対応は、外貨エクスポージャー低減を目的としたグローバルなキャッシュプーリングによって補完されています。 ・調達コストを最適化するための公募社債発行等による資金調達方法の多様化と、金利変動を最小化するための長期債務に対する固定金利採用を組み合わせて対応しています。 ・繰延税金資産の回収可能性を向上するために管轄当局間の税法改正を継続的に監視し、グループ内取引ルールの適切な調整と徹底した収益性管理を行っています。 経営戦略・方針との関連性:シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:ガバナンス リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:上昇↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、コンプライアンス、規制対応、法務、企業文化、データプライバシー、コーポレートガバナンス、レジリエンス・ガバナンス(事業継続および危機対応に関するガバナンス体制)、および第三者リスクマネジメントが含まれます。規制遵守、規制当局への対応、ならびにガバナンスおよび統制の枠組みの有効性に関連するリスクについては、体系的かつ能動的に管理しています。 ・製品開発および承認プロセスを規定する適用法令や規制に不遵守が生じた場合、製品の商品化の遅延、市場参入の制限、訴訟、またはその他の規制措置が講じられるおそれがあります。 ・現在米国食品医薬品局(FDA)から受領している警告書に関する是正が不十分または遅れた場合、およびFDAの指摘事項に対して十分に対応できない場合、FDAによりさらなる規制措置が講じられ、製品供給に影響が出るおそれがあります。 ・第三者リスクの管理が不十分な場合、業務への支障、コンプライアンス上のリスク、ならびに法的または評判上の影響を受ける可能性があります。 対応策 ・規制不遵守に関連するリスクを低減するため、当社グループは、製品開発および規制対応活動におけるグローバルなプロセス、方針、モニタリング活動、教育・研修、および統制を強化し、コンプライアンスの枠組みを高度化しています。 ・現在FDAから受領している警告書に関する規制及び品質リスクに対処するため、FDAの懸念事項に関する是正措置を推進しました。 ・2025年6月24日(現地時間)、FDAは、会津オリンパス株式会社で製造された一部の医療機器に対する輸入警告を公表しました。この措置により、今後の通知があるまで、指定された医療機器の米国への輸入ができなくなります。対象となる機器は、一部の気管支鏡、腹腔鏡、尿管腎盂鏡と内視鏡洗浄消毒装置です。当社は、FDAの指摘事項に迅速に対応し、当社製品が高い品質基準を満たすよう全力を尽くしています。 ・2025年後半には、米国、欧州、日本の8拠点でFDA査察が実施され、当社が進めてきたオペレーションや品質改善の状況を確認する機会となりました。その結果、FDAから指摘事項が出されています。その多くは、今回の改善以前の活動に起因していますが、なかには、当社の品質システムの成熟度や一貫性を高め、統合を進める必要がある領域も含まれていました。こうした指摘に対しては、全社を挙げて横断的に取り組んでいます。具体的には、患者さんの安全を最優先としたリスクベースの製品ポートフォリオ評価を行うとともに、品質システムのグローバルな標準化を一段と進め、品質・法規制チームの強化にも注力しています。査察結果については、現在もFDAとの間でオープンに議論を重ねている状況です。当社は、当社が積極的に進めている対応について、FDAと直接コミュニケーションを取っています。 ・第三者管理に関連するリスクを低減するため、当社グループは、ガバナンス体制、オペレーティングモデル、およびコンプライアンスプロセスの継続的な改善を通じて、第三者リスクマネジメントの枠組みを強化しています。その一環として、リスク評価手法の高度化、透明性の向上、ならびにコンプライアンス基準を第三者全体に一貫して適用しています。 経営戦略や方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動 リスクカテゴリー:IT&デジタル リスクタイプ:機会と脅威 リスク傾向:上昇↑ リスクシナリオ 本リスクカテゴリーには、ITセキュリティおよびサイバー、ITアプリケーション、ITガバナンス、ITインフラおよびサービス、ならびにデジタル基盤の活用および管理が含まれます。潜在的なリスクは、サイバーセキュリティ上の脅威、ITシステムの回復力(レジリエンス)、デジタル環境に対するガバナンスおよびマネジメントの有効性に関連します。 ・サイバーセキュリティ上の脅威の発生頻度および高度化により、システムへの不正アクセス、データ侵害、または重要な業務への支障が生じるおそれがあります。 ・ITインフラおよびアプリケーションの老朽化または陳腐化(サポート終了またはライフサイクル終了を迎えたシステムを含む)により、業務への支障、システム障害、およびセキュリティ上の脆弱性のリスクが高まるおそれがあります。 ・分散的または非標準のITソリューションに対するガバナンスおよび管理が不十分な場合、セキュリティ上の脆弱性、データの不整合、およびコンプライアンス上のリスクへのエクスポージャーが増加するおそれがあります。 ・重要な基幹システムの障害や停止は、製造やサプライチェーン業務を含む中核的な業務プロセスに影響を及ぼすおそれがあります。 対応策 ・サイバーセキュリティリスクを低減するため、当社グループは、包括的な情報セキュリティプログラムを導入・運用しています。本プログラムには、継続的なモニタリングや脅威の検知に加え、IT環境全体にわたる予防および対応の両面からのセキュリティ対策の強化が含まれます。 ・老朽化したITインフラおよびアプリケーションに関連するリスクを低減するため、当社グループは、システムのアップグレード、更新および移行の優先付けを含む体系的なライフサイクル管理を推進し、運用の安定性およびセキュリティの確保を図っています。 ・分散的または非標準のIT環境に伴うリスクを低減するため、当社グループは、非標準のIT活動を集中管理の枠組みに統合し、組織全体における監督機能、標準化およびセキュリティ統制を強化しています。 ・重要なシステム障害に関連するリスクを低減するため、当社グループは、復旧計画および事業継続計画(BCP)を整備するとともに、システムの可用性を確保するための措置を講じることで、ITレジリエンスの向上を図っています。 経営戦略・方針との関連:イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動
のれん評価のKAMの対象が「治療機器セグメント」から「サージカルインターベンション事業セグメント」に変更され、のれん額は147,143百万円(総資産の10.3%)から179,576百万円(同11.7%)に増加した。FDA関連ではWarning Letterに加え、当年度公表のImport Alertsと直近のFDA査察への対応費用が理由に追加された。また、新たに「組織変革及び人員最適化施策費用」(26,872百万円)のKAMが追加され、繰延税金資産の評価のKAMは記載されなくなった。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。治療機器セグメントのれんの評価サージカルインターベンション事業セグメントのれんの評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応連結財務諸表注記「16.非金融資産の減損(2)のれんの減損テスト」に記載されているとおり、会社は当連結会計年度において治療機器セグメント(資金生成単位)に関するのれんの減損テストを実施している。2025年3月31日現在、治療機器セグメントに関するのれんの金額は147,143百万円(連結総資産の10.3%)である。連結財務諸表注記「16.非金融資産の減損(2)のれんの減損テスト」に記載されているとおり、会社は当連結会計年度においてサージカルインターベンション事業セグメント(資金生成単位)に関するのれんの減損テストを実施している。2026年3月31日現在、サージカルインターベンション事業セグメントに関するのれんの金額は179,576百万円(連結総資産の11.7%)である。会社は治療機器セグメントに関するのれんの減損テストの実施にあたり、回収可能価額を使用価値により測定している。会社はサージカルインターベンション事業セグメントに関するのれんの減損テストの実施にあたり、回収可能価額を使用価値により測定している。使用価値は経営者が承認した5年を限度とした事業計画によるキャッシュ・フローと事業計画の期間経過後の成長率を基礎とした継続価値を、現在価値に割り引いて算定されている。使用価値の算定に際しての主要な仮定は、以下のとおりである。 ・事業計画における成長率と営業利益率・計画期間経過後の成長率・割引率 これら主要な仮定は経営者の見積に伴う不確実性を含んでおり、使用価値の算定に重要な影響を及ぼす。このうち、事業計画における成長率と営業利益率は、処置具やデバイスのポートフォリオ拡充と手技の普及による成長を前提としているが、これらは会社が治療機器事業を展開する国・地域の医療機器に関する規制や、他社製品との競合といった外部環境の影響を受ける。また、計画期間経過後の成長率の予測には経営者の高度な判断が必要であり、不確実性を伴う。割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。このうち、事業計画における成長率と営業利益は、処置具やデバイスのポートフォリオ拡充と手技の普及による成長を前提としているが、これらは会社がサージカルインターベンション事業を展開する国・地域の医療機器に関する規制や、他社製品との競合といった外部環境の影響を受ける。また、割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。当連結会計年度においては、FDA(米国食品医薬品局)から過年度に受領したWarning Letterに対応するための品質保証・法規制対応改善活動の費用が継続するとともに、外部環境の不確実性が増加していることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。当連結会計年度においては、FDA(米国食品医薬品局)から過年度に受領したWarning Letter、当年度に公表されたImport Alerts及び直近のFDA査察に対応するための品質保証・法規制対応改善活動の費用が継続するとともに、外部環境の不確実性が増加していることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、治療機器セグメントのれんの評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、サージカルインターベンション事業セグメントのれんの評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。●5年を限度とした事業計画の前提となる治療機器事業の戦略を理解するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。●5年を限度とした事業計画の前提となるサージカルインターベンション事業の戦略を理解するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。経営管理者への質問に際しては、以下の項目について協議した。・ 会社が2023年5月に公表した経営戦略と治療機器事業の戦略との整合性 ・ Warning Letterの指摘に対する改善計画の進捗と今後の見通しが、新製品の開発活動や市場への導入時期に与える影響、また、改善活動に関連する将来コストの見積り・ 会社が2025年11月に公表した経営戦略とサージカルインターベンション事業の戦略との整合性 ・ FDAによるWarning Letter、Import Alerts及び直近のFDA査察の指摘に対する改善計画の進捗と今後の見通しが、新製品の開発活動や市場への導入時期に与える影響、また、改善活動に関連する将来コストの見積り ●事業計画に用いられている成長率及び営業利益率のうち、使用価値の算定に重要な影響を与える市場について、過去実績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。また、FDA対応費用の見積りについては、過去の実績との比較及び将来発生見込の内容の通査及び理解を実施した。仮定に含まれるリスク要因に対して一定のストレスを加味した監査人独自の感応度分析を実施した。 ●当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。・ 計画期間経過後の成長率について、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。・ 割引率について、評価専門家が設定した許容範囲と比較し、算定方法の合理性及び算定基礎として利用された外部データの信頼性を評価した。 ・ 使用価値算定について、算定方法の合理性を評価した。繰延税金資産の評価組織変革及び人員最適化施策費用の検討 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応会社は2025年3月期に係る連結財政状態計算書において、繰延税金資産65,400百万円を計上しており、連結財務諸表注記「37.法人所得税」に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前金額は98,815百万円である。会社は2026年3月期に係る連結財務諸表注記「30.その他の収益及び費用」に記載のとおり、組織変革及び人員最適化施策費用26,872百万円を「その他の費用」に計上している。連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(21)法人所得税」に記載のとおり、会社及び日本国内の一部の子会社はグループ通算税制を適用しており、繰延税金資産については、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲内において認識される。会社は、2025年11月7日に持続的な成長を実現させるための経営戦略を公表し、本経営戦略の着実な実行と目標を達成するために、新しいオペレーティング・モデルを導入し、これに伴いグローバル人員最適化プログラムを実施することを決定した。繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる課税所得金額の見積は、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、当該見積にあたっては成長率、営業利益率による重要な判断を含み不確実性を伴う。当該グローバル人員最適化プログラムには、対象となる国・地域における従業員に対する経済補償金が含まれており、当該費用認識時期及びその測定方法について、それぞれの法域ごとに異なることから経営者に慎重な判断が求められる。また、当該費用総額は税引前利益に重要な影響を及ぼしている。このため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。以上より、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性の判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。当監査法人は、グローバルレベルで組織体制を変革し、人員数の最適化を図るための施策の実施に伴う費用の妥当性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。●将来の課税所得見込の基礎となる事業計画策定の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度の事業計画と実績とを比較した。(全般) ●経営者への質問、関連資料の閲覧及び経営者確認書の入手により、グローバル最適化プログラムに見込まれる費用について、網羅的に計上されているかどうかを検討した。●事業計画に用いられている成長率について、過去実績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。また、営業利益率について、過去実績及び関連資料を用いて検討した。(日本地域) ●日本地域の従業員に対する経済補償金等について、2026年3月31日時点の経済補償金集計シートからサンプルを抽出し、社外移転制度適用申請書もしくは退職条件通知書及び退職合意書を閲覧し、経済補償金集計シートとの突合を行うとともに、当該集計シートの計算の正確性を検証した。●Warning Letter の指摘に対する改善計画の進捗および見通しが事業計画に与える影響を評価するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。●経理部門が作成した経済補償金集計シートと人事部門が作成した退職予定従業員リストの突合を実施し、経済補償金集計シートの網羅性を検証した。●将来減算一時差異について、その解消予定時期のスケジューリングを検討した。●退職予定従業員リストについて、後発期間に退職した人数との整合性を確認した。 ●上記経済補償金以外の費用について、関連証跡との突合を実施した。 (海外子会社分) ●海外子会社分については、該当するコンポーネントチームに対して経済補償金等の計上時期の適切性及び計上額の妥当性について現地法制度を踏まえた検討を指示し、当該コンポーネントチームとの協議及び計上額の確認を実施した。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 治療機器セグメントのれんの評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 連結財務諸表注記「16.非金融資産の減損(2)のれんの減損テスト」に記載されているとおり、会社は当連結会計年度において治療機器セグメント(資金生成単位)に関するのれんの減損テストを実施している。2025年3月31日現在、治療機器セグメントに関するのれんの金額は147,143百万円(連結総資産の10.3%)である。 会社は治療機器セグメントに関するのれんの減損テストの実施にあたり、回収可能価額を使用価値により測定している。使用価値は経営者が承認した5年を限度とした事業計画によるキャッシュ・フローと事業計画の期間経過後の成長率を基礎とした継続価値を、現在価値に割り引いて算定されている。使用価値の算定に際しての主要な仮定は、以下のとおりである。 ・事業計画における成長率と営業利益率 ・計画期間経過後の成長率 ・割引率 これら主要な仮定は経営者の見積に伴う不確実性を含んでおり、使用価値の算定に重要な影響を及ぼす。このうち、事業計画における成長率と営業利益率は、処置具やデバイスのポートフォリオ拡充と手技の普及による成長を前提としているが、これらは会社が治療機器事業を展開する国・地域の医療機器に関する規制や、他社製品との競合といった外部環境の影響を受ける。また、計画期間経過後の成長率の予測には経営者の高度な判断が必要であり、不確実性を伴う。割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。 当連結会計年度においては、FDA(米国食品医薬品局)から過年度に受領したWarning Letterに対応するための品質保証・法規制対応改善活動の費用が継続するとともに、外部環境の不確実性が増加していることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、治療機器セグメントのれんの評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ●5年を限度とした事業計画の前提となる治療機器事業の戦略を理解するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。経営管理者への質問に際しては、以下の項目について協議した。 ・ 会社が2023年5月に公表した経営戦略と治療機器事業の戦略との整合性 ・ Warning Letterの指摘に対する改善計画の進捗と今後の見通しが、新製品の開発活動や市場への導入時期に与える影響、また、改善活動に関連する将来コストの見積り ●事業計画に用いられている成長率及び営業利益率のうち、使用価値の算定に重要な影響を与える市場について、過去実績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。仮定に含まれるリスク要因に対して一定のストレスを加味した監査人独自の感応度分析を実施した。 ●当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。 ・ 計画期間経過後の成長率について、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。 ・ 割引率について、評価専門家が設定した許容範囲と比較し、算定方法の合理性及び算定基礎として利用された外部データの信頼性を評価した。 ・ 使用価値算定について、算定方法の合理性を評価した。 繰延税金資産の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は2025年3月期に係る連結財政状態計算書において、繰延税金資産65,400百万円を計上しており、連結財務諸表注記「37.法人所得税」に記載のとおり、繰延税金負債との相殺前金額は98,815百万円である。 連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針(21)法人所得税」に記載のとおり、会社及び日本国内の一部の子会社はグループ通算税制を適用しており、繰延税金資産については、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲内において認識される。 繰延税金資産の回収可能性の判断に用いられる課税所得金額の見積は、経営者が作成した事業計画を基礎として行われるが、当該見積にあたっては成長率、営業利益率による重要な判断を含み不確実性を伴う。 このため、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性の判断の妥当性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。 ●将来の課税所得見込の基礎となる事業計画策定の見積りプロセスの有効性を評価するため、過年度の事業計画と実績とを比較した。 ●事業計画に用いられている成長率について、過去実績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。また、営業利益率について、過去実績及び関連資料を用いて検討した。 ●Warning Letter の指摘に対する改善計画の進捗および見通しが事業計画に与える影響を評価するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。 ●将来減算一時差異について、その解消予定時期のスケジューリングを検討した。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 サージカルインターベンション事業セグメントのれんの評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 連結財務諸表注記「16.非金融資産の減損(2)のれんの減損テスト」に記載されているとおり、会社は当連結会計年度においてサージカルインターベンション事業セグメント(資金生成単位)に関するのれんの減損テストを実施している。2026年3月31日現在、サージカルインターベンション事業セグメントに関するのれんの金額は179,576百万円(連結総資産の11.7%)である。 会社はサージカルインターベンション事業セグメントに関するのれんの減損テストの実施にあたり、回収可能価額を使用価値により測定している。使用価値は経営者が承認した5年を限度とした事業計画によるキャッシュ・フローと事業計画の期間経過後の成長率を基礎とした継続価値を、現在価値に割り引いて算定されている。使用価値の算定に際しての主要な仮定は、以下のとおりである。 ・事業計画における成長率と営業利益率 ・割引率 これら主要な仮定は経営者の見積に伴う不確実性を含んでおり、使用価値の算定に重要な影響を及ぼす。このうち、事業計画における成長率と営業利益は、処置具やデバイスのポートフォリオ拡充と手技の普及による成長を前提としているが、これらは会社がサージカルインターベンション事業を展開する国・地域の医療機器に関する規制や、他社製品との競合といった外部環境の影響を受ける。また、割引率の算定には、計算手法及びインプットの選択にあたり、評価に関する高度な専門的知識を要する。 当連結会計年度においては、FDA(米国食品医薬品局)から過年度に受領したWarning Letter、当年度に公表されたImport Alerts及び直近のFDA査察に対応するための品質保証・法規制対応改善活動の費用が継続するとともに、外部環境の不確実性が増加していることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、サージカルインターベンション事業セグメントのれんの評価を検討するにあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ●5年を限度とした事業計画の前提となるサージカルインターベンション事業の戦略を理解するため、経営管理者への質問を行うとともに、取締役会等での議事資料を閲覧した。経営管理者への質問に際しては、以下の項目について協議した。 ・ 会社が2025年11月に公表した経営戦略とサージカルインターベンション事業の戦略との整合性 ・ FDAによるWarning Letter、Import Alerts及び直近のFDA査察の指摘に対する改善計画の進捗と今後の見通しが、新製品の開発活動や市場への導入時期に与える影響、また、改善活動に関連する将来コストの見積り ●事業計画に用いられている成長率及び営業利益率のうち、使用価値の算定に重要な影響を与える市場について、過去実績、市場予測及び利用可能な外部データとの比較を行った。また、FDA対応費用の見積りについては、過去の実績との比較及び将来発生見込の内容の通査及び理解を実施した。仮定に含まれるリスク要因に対して一定のストレスを加味した監査人独自の感応度分析を実施した。 ●当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ、以下の手続を実施した。 ・ 割引率について、評価専門家が設定した許容範囲と比較し、算定方法の合理性及び算定基礎として利用された外部データの信頼性を評価した。 ・ 使用価値算定について、算定方法の合理性を評価した。 組織変革及び人員最適化施策費用の検討 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は2026年3月期に係る連結財務諸表注記「30.その他の収益及び費用」に記載のとおり、組織変革及び人員最適化施策費用26,872百万円を「その他の費用」に計上している。 会社は、2025年11月7日に持続的な成長を実現させるための経営戦略を公表し、本経営戦略の着実な実行と目標を達成するために、新しいオペレーティング・モデルを導入し、これに伴いグローバル人員最適化プログラムを実施することを決定した。 当該グローバル人員最適化プログラムには、対象となる国・地域における従業員に対する経済補償金が含まれており、当該費用認識時期及びその測定方法について、それぞれの法域ごとに異なることから経営者に慎重な判断が求められる。また、当該費用総額は税引前利益に重要な影響を及ぼしている。 以上より、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項と判断した。 当監査法人は、グローバルレベルで組織体制を変革し、人員数の最適化を図るための施策の実施に伴う費用の妥当性を検討するため、主に以下の監査手続を実施した。 (全般) ●経営者への質問、関連資料の閲覧及び経営者確認書の入手により、グローバル最適化プログラムに見込まれる費用について、網羅的に計上されているかどうかを検討した。 (日本地域) ●日本地域の従業員に対する経済補償金等について、2026年3月31日時点の経済補償金集計シートからサンプルを抽出し、社外移転制度適用申請書もしくは退職条件通知書及び退職合意書を閲覧し、経済補償金集計シートとの突合を行うとともに、当該集計シートの計算の正確性を検証した。 ●経理部門が作成した経済補償金集計シートと人事部門が作成した退職予定従業員リストの突合を実施し、経済補償金集計シートの網羅性を検証した。 ●退職予定従業員リストについて、後発期間に退職した人数との整合性を確認した。 ●上記経済補償金以外の費用について、関連証跡との突合を実施した。 (海外子会社分) ●海外子会社分については、該当するコンポーネントチームに対して経済補償金等の計上時期の適切性及び計上額の妥当性について現地法制度を踏まえた検討を指示し、当該コンポーネントチームとの協議及び計上額の確認を実施した。
報告セグメントが従来の「内視鏡事業」「治療機器事業」から「消化器内視鏡ソリューション事業」「サージカルインターベンション事業」の2区分に変更された。2025年4月1日付の組織改編に伴うもので、共通費用の配賦方法も見直され基礎研究等の費用が事業部門へ新たに配賦されるほか、セグメント間売上高の開示がなくなった。主要製品の区分も再編され、消化器科処置具が前者に、外科内視鏡が後者に移っている。
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当社グループの事業セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に検討を行う単位となっているものです。 当社グループは、従来「内視鏡事業」及び「治療機器事業」及び「その他事業」の3の2区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「治療機器サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)から構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプション契約を締結し、当該契約に基づきグループは、より効率的、かつ患者さんとお客様中心の展開とするため、2024年7月12日に譲渡を完了5年4月1日付で事業部門の再編成を含む組織改編を実施しました。この譲渡の結果、この組織改編に合わせて、報告セグメントについても従来の「その他内視鏡事業」に関して財務情報として金額的な重要性が低下するため、上記の通りセグメント区分の変更を行って、「治療機器事業」から「消化器内視鏡ソリューション事業」、「サージカルインターベンション事業」に変更しました。また、かねてより進めてきた事業ポートフォリオの選択と集中、医療事業への特化により全社共通機能の役割も変化したことから、共通費用の配賦方法を見直し、当該機能から事業部門に対して基礎研究等の費用を新たに配賦しています。 なお、中間連結会計期間より、当社グループ内の会社組織変更およ今回の組織再編及び業績管理区分の見直しに伴い、従来「その他」内視鏡」及び「治療機器」に計上していたセグメント間の売上高を「内視鏡」および「治療機器」の区分に配分のうえ計上しています。は同一セグメント内の取引となり、セグメント間の売上高がなくなったことから、中間連結会計期間より当該項目についての開示を行っていません。比較可能性を確保するため、前連結会計年度についても、変更後の区分に組み替えて表示しています。なお、報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。 報告セグメント 主要な製品及びサービス 消化器内視鏡事業ソリューション 消化器内視鏡、外科内視鏡消化器科処置具、医療サービス治療機器事業 消化器科処置具、サージカルインターベンション 泌尿器科製品、呼吸器科製品、外科内視鏡、エネルギー・デバイス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品
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当社グループの事業セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に検討を行う単位となっているものです。 当社グループは、従来「内視鏡事業」「治療機器事業」及び「その他事業」の3区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より「内視鏡事業」及び「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。 当社は、PTCJ-6Oホールディングス株式会社及びPTCJ-6Fホールディングス株式会社(ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が設立した特別目的会社で以下、「ポラリス・キャピタル・グループ」と総称します)に対して、オリンパステルモバイオマテリアル株式会社およびFH Ortho SAS社(以下、「FHOグループ」)から構成される整形外科事業を譲渡することについて、ポラリス・キャピタル・グループとの間でプット・オプション契約を締結し、当該契約に基づき、2024年7月12日に譲渡を完了しました。 この譲渡の結果、従来の「その他事業」に関して財務情報として金額的な重要性が低下するため、上記の通りセグメント区分の変更を行っています。 なお、中間連結会計期間より、当社グループ内の会社組織変更および業績管理区分の見直しに伴い、従来「その他」に計上していたセグメント間の売上高を「内視鏡」および「治療機器」の区分に配分のうえ計上しています。前連結会計年度についても、変更後の区分に組み替えて表示しています。 なお、報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。 報告セグメント 主要な製品及びサービス 内視鏡事業 消化器内視鏡、外科内視鏡、医療サービス 治療機器事業 消化器科処置具、泌尿器科製品、呼吸器科製品、エネルギー・デバイス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品
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当社グループの事業セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うために、定期的に検討を行う単位となっているものです。 当社グループは、従来「内視鏡事業」及び「治療機器事業」の2区分を報告セグメントとしていましたが、中間連結会計期間より「消化器内視鏡ソリューション事業」及び「サージカルインターベンション事業」の2区分を報告セグメントとすることに変更しており、前連結会計年度についても同様の形で表示しています。 当社グループは、より効率的、かつ患者さんとお客様中心の展開とするため、2025年4月1日付で事業部門の再編成を含む組織改編を実施しました。この組織改編に合わせて、報告セグメントについても従来の「内視鏡事業」、「治療機器事業」から「消化器内視鏡ソリューション事業」、「サージカルインターベンション事業」に変更しました。また、かねてより進めてきた事業ポートフォリオの選択と集中、医療事業への特化により全社共通機能の役割も変化したことから、共通費用の配賦方法を見直し、当該機能から事業部門に対して基礎研究等の費用を新たに配賦しています。 なお、今回の組織再編及び業績管理区分の見直しに伴い、従来「内視鏡」及び「治療機器」に計上していたセグメント間の売上高は同一セグメント内の取引となり、セグメント間の売上高がなくなったことから、中間連結会計期間より当該項目についての開示を行っていません。比較可能性を確保するため、前連結会計年度についても、変更後の区分に組み替えて表示しています。 報告セグメントに属する主要な製品及びサービスは以下のとおりです。 報告セグメント 主要な製品及びサービス 消化器内視鏡ソリューション 消化器内視鏡、消化器科処置具、医療サービス サージカルインターベンション 泌尿器科製品、呼吸器科製品、外科内視鏡、エネルギー・デバイス、耳鼻咽喉科製品、婦人科製品
事業等のリスク節の前文が新たに記載された。グローバル・エンタープライズ・リスク・マネジメントの枠組み、LRC機能傘下のRACによる統合的な管理体制、RACCsの設置、5つのリスクカテゴリーおよびエクスポージャーによる評価基準などリスク管理体制が説明されている。個別のリスク事象の追加ではなく、リスク管理の枠組みの説明が中心である。
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(なし)
今年
3【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 当社グループの業績は、将来において発生する可能性のある様々なリスク(不確実性)により、影響を受ける可能性があります。当社グループは、経営理念および基本的な指針を含む事業目標の達成を目的として、包括的なグローバル・エンタープライズ・リスク・マネジメントの枠組みを構築しています。当該枠組みは、正式に定められた「リスクマネジメント及び危機対応方針」に基づき運用されています。また、当社グループは、機会と脅威の両面からエンタープライズ・リスクマネジメントに取り組んでいます。積極的かつ適切なリスクテイクを通じて機会を掴み、オリンパスグループにとって持続的な成長と価値創造を実現します。脅威は、事業目標の確実な達成およびコンプライアンス違反の防止を目的として特定し、優先順位を付けて対応しています。 グローバルの組織体制では、「アラインド・アシュアランス」の考え方の下、リスク&コントロール、コンプライアンス、第三者リスクマネジメント、情報セキュリティおよびプライバシーの5つの機能を統合し、当社グループ全体のリスクを俯瞰的に把握しています。これらの機能はグローバル・リーガル・リスク・コンプライアンス(LRC)機能傘下のグローバル・リスク・アシュアランス・アンド・コンプライアンス(RAC)を構成し、執行役であるグローバル・ジェネラル・カウンセル(GGC)の管轄下にあります。また、グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(GCCO)は、CEO、取締役会および監査委員会に対して定期的に報告を行うとともに、グループ経営執行会議(GEC)にも継続して出席しています。 当社グループがエンタープライズ・リスクマネジメントにおいて特に注力している取り組みは以下のとおりです。 ・LRC機能に組み込まれたグローバルなリスク&コントロール体制の構築 ・グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント手法およびアプローチの高度化 ・エンタープライズ・リスクマネジメントプロセスのグローバルな一貫性の確保 これらの取り組みにより、事業計画および財務計画にリスクを適切に反映させるとともに、十分な情報に基づく意思決定を支援することで、当社グループの事業目標および経営戦略の達成を図っています。グローバルなエンタープライズ・リスクマネジメント・ポートフォリオを基盤として、本年度においてもすべての関連機能を対象にリスクアセスメントを実施し、地域別およびグローバルのリスクポートフォリオを検証・更新しました。 エンタープライズ・リスクマネジメントの組織体制 当社グループは、グローバルおよび地域レベルにおいて、グローバルおよび地域リスク・アシュアランス・コンプライアンス委員会(G-RACCおよびR-RACC、総称してRACCs)を設置しています。これらの委員会(RACCs)は、エンタープライズ・リスクへの対応および適用される方針、法令、規制の遵守に向けた枠組みを構築・実施・管理することを目的としています。提言・指針・重要なリスクについては、継続的なモニタリングを行うため、GEC、取締役会、および監査委員会に定期的に報告されています。 また、当社グループは、グローバルおよび地域の事業・機能責任者を、関係者間の協議を通じてリスクオーナーとして任命するとともに、各事業・機能にリスクコーディネーターを配置しています。各リスクオーナーは、自らが管轄するリスク領域において、必要な対策(組織体制の整備、プロセスの整備、対応策の実施等)を実行する責任を負っています。 <エンタープライズ・リスクマネジメント体制> エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチ 当社グループは、以下の5つのリスクカテゴリーおよびそれらを具体化したサブカテゴリーに基づくグローバル・エンタープライズ・リスクマネジメントの手法とアプローチを確立し、実施しています。(1. 戦略(外部環境変化を含む)、2. オペレーション&製品、3. ファイナンス、4. ガバナンス、5. IT&デジタル) <エンタープライズ・リスクマネジメント リスクカテゴリー> また、当社グループでは、事業目標および経営戦略の達成に影響を及ぼす可能性があると合理的に判断されるリスクを、以下の3つの基準を用いて評価しています。 1. エクスポージャー(リスクへの暴露度)は、リスクが顕在化する可能性と、その場合に生じる影響度によって決定されます。可能性とは、リスクが顕在化する確率を示し、影響度はリスクが顕在化した際の結果の重大性を示します。これらは、定量的基準(財務的数値)または定性的基準に基づいて評価されます。
事業等のリスクの節に「脆弱性(Vulnerability)」の定義を示す見出しが新たに追加された。リスクが顕在化した場合に組織がそれを管理するための準備がどの程度整っているかを示す概念として説明されており、リスク評価の枠組みに関する記載の追加と位置づけられる。
2025-03-31 期 (提出日 2025-06-19 15:35)
前年版がないため比較していません。