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三菱商事株式会社

証券コード 80580 / EDINET E02529 / 卸売業

危険信号

重要度 1(軽微)臨時報告書2025-08-28 11:57
主要株主の異動

臨時報告書で主要株主の異動が開示されました。新たに主要株主となる者: ナショナル・インデムニティー・カンパニー(議決権割合 9.74%→10.23%)(2025-08-28)

業績の推移

0102030兆円2021/3期 売上高 12兆8,845億円2022/3期 売上高 17兆2,648億円2023/3期 売上高 21兆5,720億円2024/3期 売上高 19兆5,676億円2025/3期 売上高 18兆6,176億円2026/3期 売上高 18兆9,160億円2021/3期 純利益 1,726億円2022/3期 純利益 9,375億円2023/3期 純利益 1兆1,807億円2024/3期 純利益 9,640億円2025/3期 純利益 9,507億円2026/3期 純利益 8,005億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/32025-08-28 臨時報告書:主要株主の異動(重要度 1)
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/312.880.17
2022/317.260.94
2023/321.571.18
2024/319.570.96
2025/318.620.95
2026/318.920.8

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
2,113万円(+3.9%)
女性管理職比率
13.1%(+0.8pt)
男性育休取得率
52.6%(-111.3pt)
男女賃金差異
64.7%(+1.8pt)
従業員数
4,456人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
9.77億円(前年比 -2.3%)
非監査報酬
7,800万円(比率 7.4%)
内部統制
重要な不備なし

監査レーダー

大量保有

提出者数
1
報告数
1
最大の保有者
三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社(4.63%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 15 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 2,631,000株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-06-12 14:20)

重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 内容更新
2. 主要なリスクの概要

マクロ経済・原油・LNG価格の記述が更新され、米国の通商政策や中東情勢(ホルムズ海峡閉鎖、カタールLNGの戦争被害)への言及が加わり、LNGスポット価格は2026年3月に20米ドル超へ上昇したと記載された。感応度試算(原油1米ドル変動で約20億円→24億円、為替1円で約40億円→約50億円など)、株式時価(1兆1,913億円→1兆4,406億円)、有利子負債(4兆6,170億円→5兆7,469億円)の数値が更新された。重要投資案件ではアングロスール社の減損戻入532億円の計上が追記され、前年のブラックウォーター炭鉱等の売却記述が削除された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
世界的な、又は地域的なマクロ経済環境の変化は、個人消費や設備投資と深く関係し、商品市況にも影響を及ぼします。その結果、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開している事業の商品・製品価格、取扱量やコストなどに変動をもたらし、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度においては、インフレの緩やかな低下を受けて、欧米の中央銀行が利下げを実施する中、世界経済は底堅い成長を維持しました。世界経済の先行きは、緩やかな成長を維持すると見られますが、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等地政学リスクに加え、米国の関税政策が各国経済に及ぼす影響、特に中国経済の先行き等不確実性が非常に高く、動向を注視しています。当連結会計年度においては、関税をはじめとする米国の通商政策の影響もあり、世界経済は減速しつつも総じて底堅い成長を維持しました。当面は緩やかな成長を維持すると見られますが、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等地政学リスクに加え、米国の通商政策・金融政策の動向、中国景気の弱含み等、不確実性が非常に高く、動向を注視しています。

② 市場リスク

以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。当期純利益への影響額は、他に記載のない限り当社の当連結会計年度の連結業績を踏まえて試算した、翌連結会計年度に対する影響額を記載しています。当期純利益への影響額は、他に記載のない限り、当社の当連結会計年度の連結業績を踏まえて試算した、翌連結会計年度に対する影響額を記載しています。

a. 商品市況リスク

当社は、商品の売買取引や保有する資源エネルギーの権益における生産物の販売、そして関係会社の製造する工業製品の販売などの活動を通じて、様々な商品価格の変動リスクを負っています。当社は、商品の売買取引や、保有する資源エネルギーの権益における生産物の販売、そして関係会社の製造する工業製品の販売などの活動を通じて、様々な商品価格の変動リスクを負っています。特にエネルギー資源及び金属資源の取引においては、売買価格の変動を通じて当社の業績に大きな影響を及ぼします。
また、投資の評価においても商品価格が重要なインプットとなる場合があります。特に事業期間が長期に及ぶ場合、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えるため、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、商品ごとに当社としての見通しを策定しています。商品市況の長期的な低迷又は上昇が想定される場合には、保有する有形固定資産や持分法で会計処理される投資などの減損及び減損戻入を通じて、業績に影響を与える可能性があります。
当社の重要な投資案件については、「⑤ 事業投資リスク(重要な投資案件)」をご参照ください。

(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州などにおいて、天然ガス・石油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、天然ガス・原油価格は当社の業績に大きな影響を与えます。当社は北米、東南アジア、豪州等において、天然ガス及び石油の開発・生産事業並びに液化天然ガス(LNG)事業を展開しており、原油・LNG価格は当社の業績に大きな影響を及ぼします。
原油(Brent)価格は、中東情勢の緊迫化やロシア制裁強化等の上昇要因により、1バレル80米ドル超まで上昇する局面が見られたものの、中国経済の成長鈍化やトランプ政権の相互関税発表による世界経済の減速懸念等を背景に、3月末には1バレル70米ドル中盤まで下落しました。今後も地政学リスクの高まり、各国経済情勢、OPEC/非OPECの生産動向等によって価格が上下するボラティリティの高い展開が続くと認識しています。原油(Brent)価格については、OPECプラスによる協調減産の縮小(自主減産の段階的解除)を主因として、概ね1バレル当たり60米ドル前半から70米ドル前半のレンジで推移しましたが、足元においては中東情勢の影響を受け、原油市場は高いボラティリティを示しています。当面の原油価格は、米国・イラン関係及びホルムズ海峡の動向を含む地政学的要因に加え、世界経済の動向等が主要な価格変動要因となる見込みです。
なお、当社のLNG販売の大半は長期契約であり、LNG価格は原油価格にリンクしているものが大宗となります。1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じて年間約20億円増減すると試算されます。1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じて年間24億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
また、当社のLNG販売の一部はスポット契約にて販売しています。アジアのLNGスポット価格は欧州ガス価格と一定程度連動しており、欧州情勢の影響も受けます。10月上旬のアジアのスポットLNG価格は百万Btu(英国熱量単位)当たり13米ドル半ばで開始し、ロシア・ウクライナ情勢に起因する地政学リスクの高まりや、欧州での気温低下・風力発電出力の低下等の価格上昇要因が続き、2月には17米ドル前半まで上昇しました。一方、その後暖冬による中国・北東アジアの需要低迷等により、3月末時点では13米ドル弱まで下落しました。LNGスポット価格については、2025年4月から2026年2月までは、百万Btu(英国熱量単位)当たり9米ドル台から14米ドル台のレンジで推移しました。2026年3月には、中東情勢の緊迫化による影響、具体的にはホルムズ海峡閉鎖やカタールLNGの戦争被害を背景として、20米ドル超まで上昇しました。今後のLNGスポット価格については、原油価格と同様に、中東情勢をはじめとする地政学リスクの動向や、それに起因するリスクプレミアムの影響を受け、高いボラティリティを伴う状況が当面継続するものと見込まれます。

(金属資源)
当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下MDP社)を通じて、製鉄用の原料炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。
銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると当期純利益で年間25億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間54億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に業績への影響額が算出されない場合があります。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると当期純利益で年間26億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間56億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に業績への影響額が算出されない場合があります。

b. 為替リスク

当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では必要に応じて、先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、当社の海外事業に対する投資については、為替変動により、外貨建の受取配当金や海外連結子会社・持分法適用会社の持分損益の円貨換算額が増減するリスクが存在し、外国通貨に対して円高が進むと当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。米ドル・円のレートが1円変動すると、当社の当期純利益は年間約40億円増減すると試算されます。米ドル・円のレートが1円変動すると、当社の当期純利益は年間約50億円増減すると試算されます。
加えて、在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が増減するリスクが存在するため、一部の大口の投資については主に先物為替予約を用いたヘッジ策を講じています。

c. 株価リスク

当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に1兆1,913億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は1,268億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に1兆4,406億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は3,486億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。

d. 金利リスク

当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額(リース負債除く)は4兆6,170億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するというリスクがあります。当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額(リース負債除く)は5兆7,469億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するリスクがあります。
しかし、この有利子負債の相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金等と見合っており、金利が上昇した場合には、これらの資産から得られる収益も増加するため、金利の変動リスクは、タイムラグはあるものの、相殺されることになります。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産となっている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加した場合には、見合いの資産から得られる収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加した場合には、収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。ただし、金利の上昇が急である場合には、利息負担が先行して増加し、その影響を見合いの資産からの収益増加で相殺しきれず、当社の業績は一時的にマイナスの影響を受ける可能性があります。
このような金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、当社ではALM(Asset Liability Management)委員会で金利変動リスクの管理を行っています。

③ 信用リスク

当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証及び出資などの形で取引先に対して信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証などの形で取引先に対して信用供与を行うほか、取引先に対する出資も行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。また、当社は主としてヘッジ目的のためにスワップ、オプション、先物などのデリバティブ取引を行っており、デリバティブ取引の契約先に対する信用リスクを負っています。
当社では当該リスクを管理するために、取引先ごとに成約限度額・信用限度額を定めると同時に、社内格付制度を導入し、社内格付と与信額により定めた社内規程に基づき、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取付けを行っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

④ カントリーリスク

当社は、海外の会社との取引や出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。
当社においては、国ごとのリスク状況の把握、カントリーリスク対策制度の立案・管理を、コーポレート担当役員(CFO)を委員長とするALM委員会で行っています。
カントリーリスク対策制度では、各種リスク要因を踏まえ各国を区分の上、区分ごとに枠を設定する等の手法でカントリーリスクを一定範囲内にコントロールしています。また、個別案件のカントリーリスクについては、保険を付保するなど、案件の状況に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同制度を通じて管理しています。当社はリスクの集中度を検証し必要な対応策を検討・実施すべく、コーポレート担当役員(CFO)を委員長とするALM委員会で国別ポートフォリオやリスク状況の定期モニタリングを行っています。また、各種リスク要因を踏まえた各国ごとのリスクシナリオを把握した上で、個別案件のカントリーリスクについて、保険を付保するなど、案件の状況に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同様に管理しています。
しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2 「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

⑤ 事業投資リスク

当社は、株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、商権の拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。事業投資リスクの管理については、新規の事業投資を行う場合には、投資の意義・目的を明確にした上で、リスクを定量的に把握し、事業毎の期待収益率などを踏まえて意思決定を行っています。投資実行後は、事業投資先ごとに、毎年定期的に「経営計画書」を策定しており、投資目的の確実な達成のための管理を行う一方、計画した収益を上げていない先については、持分売却・清算による撤退を含め、保有方針を明確にすることで、効率的な資産の入替を行っています。
このような投資評価の段階での案件の選別、投資実行後の管理を厳格に行っていますが、期待する利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、事業投資に含まれる商品市況リスクについては、「② a. 商品市況リスク」をご参照ください。

(重要な投資案件)
a. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資
当社は、1968年11月にMDP社を設立し、炭鉱開発(製鉄用の原料炭)に取り組んできました。2001年には、MDP社を通じ、約1,000億円で豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業(以下、BMA)の50%権益を取得し、パートナーのBHP社(BHP Group Limited、本社:豪州メルボルン)と共に世界最大規模の原料炭事業を運営しています。また、当連結会計年度末時点のMDP社の有形固定資産帳簿価額は9,946億円となっています。
前連結会計年度末において、MDP社が権益の50%を保有するブラックウォーター炭鉱、及びドーニア炭鉱に関する資産及び負債を売却目的で保有する処分グループに分類し、連結財政状態計算書の「売却目的保有資産」及び「売却目的保有資産に直接関連する負債」にそれぞれ1,976億円、656億円を計上していましたが、2024年4月2日に、当該資産及び負債について、Whitehaven Coal Ltd宛てに売却が完了しました。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記11をご参照ください。また、当連結会計年度末時点のMDP社の有形固定資産帳簿価額は11,606億円となっています。

b. チリ銅資産権益への投資
当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下アングロ社)、チリ国営の銅生産会社であるCorporación Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ)と三井物産株式会社の合弁会社(以下、合弁会社)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下アングロスール社)の株式を保有しています。当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下アングロ社)、チリ国営の銅生産会社であるCorporación Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ、以下コデルコ社)と三井物産株式会社の合弁会社(以下、合弁会社)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下アングロスール社)の株式を保有しています。アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
同社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(同社合計の2024年銅生産量実績は約22万トン)。同社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(同社合計の2025年銅生産量実績は約21万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しています。同社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。同社の生産・開発計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。当連結会計年度末の帳簿価額は1,532億円となっています。
当連結会計年度では、過年度に認識した減損損失の一部の戻入れとして532億円を「持分法による投資損益」を通じて計上し、当連結会計年度末の帳簿価額は2,165億円となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記39をご参照ください。

c. ペルー銅資産権益への投資
当社は、アングロ社と共同で、ペルー共和国ケジャベコ銅鉱山プロジェクト(以下、ケジャベコ)の権益保有会社であるアングロ・アメリカン・ケジャベコ社(Anglo American Quellaveco S.A.、本社:ペルー共和国リマ、以下AAQ社)の権益40%を保有しています。
ケジャベコは約7.9百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む大規模鉱山で、高いコスト競争力を有しており、2022年に銅精鉱の生産を開始しました(2024年銅生産量実績は約31万トン)。ケジャベコは約7.3百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む大規模鉱山で、高いコスト競争力を有しており、2022年に銅精鉱の生産を開始しました(2025年銅生産量実績は約31万トン)。
当社はAAQ社への投資に対して持分法を適用しています。AAQ社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。ケジャベコの生産計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。
当連結会計年度末の投資及びAAQ社に対する融資額の帳簿価額は5,168億円となっています。当連結会計年度末の投資及びAAQ社に対する融資額の帳簿価額は5,235億円となっています。

d. モントニー・シェールガス開発プロジェクト/LNGカナダプロジェクト
当社は、カナダにおいて上流資源開発からLNGの生産・輸出販売に至る天然ガスバリューチェーンを構築しています。上流事業として、パートナーのOvintiv社と共に、当社100%出資子会社のCUTBANK DAWSON GAS RESOURCES LTD.社を通じてシェールガスの開発事業を行っています。当社グループの権益保有比率は40%で、当連結会計年度末の「持分法で会計処理される投資」の帳簿価額は2,683億円となっています。上流事業として、パートナーのOvintiv社と共に、当社100%出資子会社のCUTBANK DAWSON GAS RESOURCES LTD.(以下、CDGR社)を通じてシェールガスの開発事業を行っています。当社グループの権益保有比率は40%で、当連結会計年度末時点のCDGR社の有形固定資産帳簿価額は2,840億円となっています。なお、CDGR社における共同支配の取決めについては、第5 経理の状況 連結財務諸表注記12をご参照ください。
また、生産された天然ガスの一部をLNGとして輸出販売するため、事業パートナーと共に2018年にLNGカナダプロジェクトの最終投資決定をしました。同プロジェクトは、年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を建設し、日本など東アジアの需要国向けにLNGを輸出販売する事業で、2025年中ごろの生産開始を予定しています。当社は子会社のDiamond LNG Canada Partnershipを通じて参画しており、パートナーであるShell社、Petronas社、PetroChina社、韓国ガス公社と共に同プロジェクトを推進しています。当連結会計年度末のDiamond LNG Canada Partnershipの有形固定資産帳簿価額は4,098億円、使用権資産帳簿価額は2,455億円となっています。また、生産された天然ガスの一部をLNGとして輸出販売するため、LNGカナダプロジェクトに参画しています。同プロジェクトは、年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を建設し、日本など東アジアの需要国向けにLNGを輸出販売する事業で、2025年6月から生産を開始しています。当社は子会社であるDiamond LNG Canada傘下のDiamond LNG Canada Partnershipを通じて参画しており、パートナーであるShell社、Petronas社、PetroChina社、韓国ガス公社と共に同プロジェクトを推進しています。当連結会計年度末時点のDiamond LNG Canadaの有形固定資産帳簿価額は4,287億円、使用権資産帳簿価額は2,364億円となっています。

e. ローソン社への出資
当社は、2017年に株式会社ローソン(以下、ローソン社)の発行済株式数の16.6%を株式公開買付けにより取得し、それまで保有していた33.4%と併せて、発行済株式の過半数を保有することとなり、同社を連結子会社としました。その後、KDDI株式会社(以下、KDDI)による同社株式の公開買付け(2024年4月25日付完了)及び同社株式の株式併合を用いたスクイーズアウト手続きを経て、2024年8月15日付で当社及びKDDIの出資比率を50%へ調整しました。これに伴い、株主間契約の効力が発生したことにより、当社は同社に対する単独支配を喪失し、同社を共同支配企業に分類しています。当連結会計年度末のローソン社宛て投資の帳簿価額は5,287億円となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記11及び37をご参照ください。当連結会計年度末のローソン社宛て投資の帳簿価額は5,026億円となっています。
詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記38をご参照ください。
ローソン社は、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行うとともに、海外コンビニエンス事業及びそれ以外の周辺事業を運営しています。ローソン社の店舗網は、2025年2月末時点で、日本全国に約14,700店、海外に約7,400店の合計約22,100店の規模になっています。ローソン社の店舗網は、2026年2月末時点で、日本全国に約14,700店、海外に約7,800店の合計約22,500店の規模になっています。

f. Enecoへの投資
当社は、2020年3月に、中部電力株式会社と共同で設立したDiamond Chubu Europe B.V.を通じて、欧州で総合エネルギー事業を展開するN.V. Eneco(以下、Eneco)の100%の株式を約5,000億円で取得しました。
Enecoは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)開発・供給事業、トレーディング事業、小売・新サービス事業それぞれの事業分野で高い競争力・適応力を有する総合エネルギー事業会社です。
当社は、Enecoの再エネに関する技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外で再エネ開発を加速させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現に資する取り組みを強化する方針です。
電力需要や欧州マクロ経済が低迷する場合には、Enecoの業績や、取得時に認識したのれんの減損などを通じて当社の業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は1,449億円(持分比率勘案前)となっています。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は1,670億円(持分比率勘案前)となっています。
詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記14をご参照ください。

⑥ コンプライアンスに関するリスク

当社は、国内外で多くの拠点を持ち、あらゆる産業を事業領域としてビジネスを展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法、環境関連諸法や各種業法を遵守する必要があり、また海外で事業を展開する上では、それぞれの国・地域での法令・規制に従う必要があります。特に、足元ではロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁が導入・強化されていますが、当社はその動向を適時にフォローし、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを当社最高責任者として、適切な対応を行っています。
当社はコンプライアンス委員会を設け、その委員会を統括するチーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースでの法令・規制遵守を指揮・監督しています。その指揮・監督の下、各営業グループ・部門のコンプライアンス・オフィサーが、固有のコンプライアンス施策の立案・実施をするなど、コンプライアンス意識を高めることに努めています。また、当社は、子会社及び関連会社(上場会社は除く)に対して、当社と同等の水準で各社に適したコンプライアンス管理体制を構築させ、又はさせるように努めています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、関連する法令・規制上の義務を実行できない場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑦ 危機事象発生による人命への被害・事業中断等のリスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症、重大事故、テロ・暴動、東アジア・欧州・中東等における地政学的要因による有事発生、その他国内外における危機的な事象が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症、重大事故、テロ・暴動、サプライチェーンの遮断、法令違反・サイバー事故、東アジア・欧州・中東等における地政学的要因による有事発生、その他国内外における危機的な事象が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。
当社では、緊急危機対策本部を設置し、危機発生時における当社関係者の安全確保・安否確認等の初動対応、重要業務の事業継続計画(BCP)の整備、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、定期訓練、必要物資の備蓄等の各種対策を講じています。また、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく初動対応・事業継続計画(BCP)の策定、継続的なPDCAサイクルの実施等の包括的なマネジメント活動である事業継続マネジメント(BCM)を推進し、各種危機に備えています。しかし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、かかる事象の発生時には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑧ 気候変動に関するリスク

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「2. リスク管理」に記載しています。

前年

① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
世界的な、又は地域的なマクロ経済環境の変化は、個人消費や設備投資と深く関係し、商品市況にも影響を及ぼします。その結果、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開している事業の商品・製品価格、取扱量やコストなどに変動をもたらし、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度においては、インフレの緩やかな低下を受けて、欧米の中央銀行が利下げを実施する中、世界経済は底堅い成長を維持しました。世界経済の先行きは、緩やかな成長を維持すると見られますが、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等地政学リスクに加え、米国の関税政策が各国経済に及ぼす影響、特に中国経済の先行き等不確実性が非常に高く、動向を注視しています。

② 市場リスク

以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。当期純利益への影響額は、他に記載のない限り当社の当連結会計年度の連結業績を踏まえて試算した、翌連結会計年度に対する影響額を記載しています。

a. 商品市況リスク

当社は、商品の売買取引や保有する資源エネルギーの権益における生産物の販売、そして関係会社の製造する工業製品の販売などの活動を通じて、様々な商品価格の変動リスクを負っています。特にエネルギー資源及び金属資源の取引においては、売買価格の変動を通じて当社の業績に大きな影響を及ぼします。
また、投資の評価においても商品価格が重要なインプットとなる場合があります。特に事業期間が長期に及ぶ場合、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えるため、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、商品ごとに当社としての見通しを策定しています。商品市況の長期的な低迷又は上昇が想定される場合には、保有する有形固定資産や持分法で会計処理される投資などの減損及び減損戻入を通じて、業績に影響を与える可能性があります。当社の重要な投資案件については、「⑤ 事業投資リスク(重要な投資案件)」をご参照ください。

(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州などにおいて、天然ガス・石油の開発・生産事業、液化天然ガス(LNG)事業を行っており、天然ガス・原油価格は当社の業績に大きな影響を与えます。
原油(Brent)価格は、中東情勢の緊迫化やロシア制裁強化等の上昇要因により、1バレル80米ドル超まで上昇する局面が見られたものの、中国経済の成長鈍化やトランプ政権の相互関税発表による世界経済の減速懸念等を背景に、3月末には1バレル70米ドル中盤まで下落しました。今後も地政学リスクの高まり、各国経済情勢、OPEC/非OPECの生産動向等によって価格が上下するボラティリティの高い展開が続くと認識しています。
なお、当社のLNG販売の大半は長期契約であり、LNG価格は原油価格にリンクしているものが大宗となります。1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じて年間約20億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
また、当社のLNG販売の一部はスポット契約にて販売しています。アジアのLNGスポット価格は欧州ガス価格と一定程度連動しており、欧州情勢の影響も受けます。10月上旬のアジアのスポットLNG価格は百万Btu(英国熱量単位)当たり13米ドル半ばで開始し、ロシア・ウクライナ情勢に起因する地政学リスクの高まりや、欧州での気温低下・風力発電出力の低下等の価格上昇要因が続き、2月には17米ドル前半まで上昇しました。一方、その後暖冬による中国・北東アジアの需要低迷等により、3月末時点では13米ドル弱まで下落しました。

(金属資源)
当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下MDP社)を通じて、製鉄用の原料炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。
銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると当期純利益で年間25億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間54億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に業績への影響額が算出されない場合があります。

b. 為替リスク

当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では必要に応じて、先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、当社の海外事業に対する投資については、為替変動により、外貨建の受取配当金や海外連結子会社・持分法適用会社の持分損益の円貨換算額が増減するリスクが存在し、外国通貨に対して円高が進むと当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。米ドル・円のレートが1円変動すると、当社の当期純利益は年間約40億円増減すると試算されます。
加えて、在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が増減するリスクが存在するため、一部の大口の投資については主に先物為替予約を用いたヘッジ策を講じています。

c. 株価リスク

当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に1兆1,913億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は1,268億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。

d. 金利リスク

当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額(リース負債除く)は4兆6,170億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するというリスクがあります。
しかし、この有利子負債の相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金等と見合っており、金利が上昇した場合には、これらの資産から得られる収益も増加するため、金利の変動リスクは、タイムラグはあるものの、相殺されることになります。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産となっている投資有価証券や固定資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加した場合には、見合いの資産から得られる収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。ただし、金利の上昇が急である場合には、利息負担が先行して増加し、その影響を見合いの資産からの収益増加で相殺しきれず、当社の業績は一時的にマイナスの影響を受ける可能性があります。
このような金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、当社ではALM(Asset Liability Management)委員会で金利変動リスクの管理を行っています。

③ 信用リスク

当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証及び出資などの形で取引先に対して信用供与を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。また、当社は主としてヘッジ目的のためにスワップ、オプション、先物などのデリバティブ取引を行っており、デリバティブ取引の契約先に対する信用リスクを負っています。
当社では当該リスクを管理するために、取引先ごとに成約限度額・信用限度額を定めると同時に、社内格付制度を導入し、社内格付と与信額により定めた社内規程に基づき、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取付けを行っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

④ カントリーリスク

当社は、海外の会社との取引や出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。
当社においては、国ごとのリスク状況の把握、カントリーリスク対策制度の立案・管理を、コーポレート担当役員(CFO)を委員長とするALM委員会で行っています。
カントリーリスク対策制度では、各種リスク要因を踏まえ各国を区分の上、区分ごとに枠を設定する等の手法でカントリーリスクを一定範囲内にコントロールしています。また、個別案件のカントリーリスクについては、保険を付保するなど、案件の状況に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同制度を通じて管理しています。
しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2 「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

⑤ 事業投資リスク

当社は、株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、商権の拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。事業投資リスクの管理については、新規の事業投資を行う場合には、投資の意義・目的を明確にした上で、リスクを定量的に把握し、事業毎の期待収益率などを踏まえて意思決定を行っています。投資実行後は、事業投資先ごとに、毎年定期的に「経営計画書」を策定しており、投資目的の確実な達成のための管理を行う一方、計画した収益を上げていない先については、持分売却・清算による撤退を含め、保有方針を明確にすることで、効率的な資産の入替を行っています。
このような投資評価の段階での案件の選別、投資実行後の管理を厳格に行っていますが、期待する利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、事業投資に含まれる商品市況リスクについては、「② a. 商品市況リスク」をご参照ください。

(重要な投資案件)
a. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資
当社は、1968年11月にMDP社を設立し、炭鉱開発(製鉄用の原料炭)に取り組んできました。2001年には、MDP社を通じ、約1,000億円で豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業(以下、BMA)の50%権益を取得し、パートナーのBHP社(BHP Group Limited、本社:豪州メルボルン)と共に世界最大規模の原料炭事業を運営しています。また、当連結会計年度末時点のMDP社の有形固定資産帳簿価額は9,946億円となっています。
前連結会計年度末において、MDP社が権益の50%を保有するブラックウォーター炭鉱、及びドーニア炭鉱に関する資産及び負債を売却目的で保有する処分グループに分類し、連結財政状態計算書の「売却目的保有資産」及び「売却目的保有資産に直接関連する負債」にそれぞれ1,976億円、656億円を計上していましたが、2024年4月2日に、当該資産及び負債について、Whitehaven Coal Ltd宛てに売却が完了しました。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記11をご参照ください。

b. チリ銅資産権益への投資
当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下アングロ社)、チリ国営の銅生産会社であるCorporación Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ)と三井物産株式会社の合弁会社(以下、合弁会社)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下アングロスール社)の株式を保有しています。アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
同社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(同社合計の2024年銅生産量実績は約22万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しています。同社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。同社の生産・開発計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。当連結会計年度末の帳簿価額は1,532億円となっています。

c. ペルー銅資産権益への投資
当社は、アングロ社と共同で、ペルー共和国ケジャベコ銅鉱山プロジェクト(以下、ケジャベコ)の権益保有会社であるアングロ・アメリカン・ケジャベコ社(Anglo American Quellaveco S.A.、本社:ペルー共和国リマ、以下AAQ社)の権益40%を保有しています。
ケジャベコは約7.9百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む大規模鉱山で、高いコスト競争力を有しており、2022年に銅精鉱の生産を開始しました(2024年銅生産量実績は約31万トン)。
当社はAAQ社への投資に対して持分法を適用しています。AAQ社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。ケジャベコの生産計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。
当連結会計年度末の投資及びAAQ社に対する融資額の帳簿価額は5,168億円となっています。

d. モントニー・シェールガス開発プロジェクト/LNGカナダプロジェクト
当社は、カナダにおいて上流資源開発からLNGの生産・輸出販売に至る天然ガスバリューチェーンを構築しています。上流事業として、パートナーのOvintiv社と共に、当社100%出資子会社のCUTBANK DAWSON GAS RESOURCES LTD.社を通じてシェールガスの開発事業を行っています。当社グループの権益保有比率は40%で、当連結会計年度末の「持分法で会計処理される投資」の帳簿価額は2,683億円となっています。
また、生産された天然ガスの一部をLNGとして輸出販売するため、事業パートナーと共に2018年にLNGカナダプロジェクトの最終投資決定をしました。同プロジェクトは、年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を建設し、日本など東アジアの需要国向けにLNGを輸出販売する事業で、2025年中ごろの生産開始を予定しています。当社は子会社のDiamond LNG Canada Partnershipを通じて参画しており、パートナーであるShell社、Petronas社、PetroChina社、韓国ガス公社と共に同プロジェクトを推進しています。当連結会計年度末のDiamond LNG Canada Partnershipの有形固定資産帳簿価額は4,098億円、使用権資産帳簿価額は2,455億円となっています。

e. ローソン社への出資
当社は、2017年に株式会社ローソン(以下、ローソン社)の発行済株式数の16.6%を株式公開買付けにより取得し、それまで保有していた33.4%と併せて、発行済株式の過半数を保有することとなり、同社を連結子会社としました。その後、KDDI株式会社(以下、KDDI)による同社株式の公開買付け(2024年4月25日付完了)及び同社株式の株式併合を用いたスクイーズアウト手続きを経て、2024年8月15日付で当社及びKDDIの出資比率を50%へ調整しました。これに伴い、株主間契約の効力が発生したことにより、当社は同社に対する単独支配を喪失し、同社を共同支配企業に分類しています。当連結会計年度末のローソン社宛て投資の帳簿価額は5,287億円となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記11及び37をご参照ください。
ローソン社は、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行うとともに、海外コンビニエンス事業及びそれ以外の周辺事業を運営しています。ローソン社の店舗網は、2025年2月末時点で、日本全国に約14,700店、海外に約7,400店の合計約22,100店の規模になっています。

f. Enecoへの投資
当社は、2020年3月に、中部電力株式会社と共同で設立したDiamond Chubu Europe B.V.を通じて、欧州で総合エネルギー事業を展開するN.V. Eneco(以下、Eneco)の100%の株式を約5,000億円で取得しました。
Enecoは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)開発・供給事業、トレーディング事業、小売・新サービス事業それぞれの事業分野で高い競争力・適応力を有する総合エネルギー事業会社です。
当社は、Enecoの再エネに関する技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外で再エネ開発を加速させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現に資する取り組みを強化する方針です。
電力需要や欧州マクロ経済が低迷する場合には、Enecoの業績や、取得時に認識したのれんの減損などを通じて当社の業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は1,449億円(持分比率勘案前)となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記14をご参照ください。

⑥ コンプライアンスに関するリスク

当社は、国内外で多くの拠点を持ち、あらゆる産業を事業領域としてビジネスを展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法、環境関連諸法や各種業法を遵守する必要があり、また海外で事業を展開する上では、それぞれの国・地域での法令・規制に従う必要があります。特に、足元ではロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁が導入・強化されていますが、当社はその動向を適時にフォローし、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを当社最高責任者として、適切な対応を行っています。
当社はコンプライアンス委員会を設け、その委員会を統括するチーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースでの法令・規制遵守を指揮・監督しています。その指揮・監督の下、各営業グループ・部門のコンプライアンス・オフィサーが、固有のコンプライアンス施策の立案・実施をするなど、コンプライアンス意識を高めることに努めています。また、当社は、子会社及び関連会社(上場会社は除く)に対して、当社と同等の水準で各社に適したコンプライアンス管理体制を構築させ、又はさせるように努めています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、関連する法令・規制上の義務を実行できない場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑦ 危機事象発生による人命への被害・事業中断等のリスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症、重大事故、テロ・暴動、東アジア・欧州・中東等における地政学的要因による有事発生、その他国内外における危機的な事象が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。
当社では、緊急危機対策本部を設置し、危機発生時における当社関係者の安全確保・安否確認等の初動対応、重要業務の事業継続計画(BCP)の整備、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、定期訓練、必要物資の備蓄等の各種対策を講じています。また、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく初動対応・事業継続計画(BCP)の策定、継続的なPDCAサイクルの実施等の包括的なマネジメント活動である事業継続マネジメント(BCM)を推進し、各種危機に備えています。しかし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、かかる事象の発生時には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑧ 気候変動に関するリスク

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「2. リスク管理」に記載しています。

今年

① 世界マクロ経済環境の変化によるリスク
世界的な、又は地域的なマクロ経済環境の変化は、個人消費や設備投資と深く関係し、商品市況にも影響を及ぼします。その結果、当社がグローバルかつ多様な産業領域に展開している事業の商品・製品価格、取扱量やコストなどに変動をもたらし、経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度においては、関税をはじめとする米国の通商政策の影響もあり、世界経済は減速しつつも総じて底堅い成長を維持しました。当面は緩やかな成長を維持すると見られますが、米中対立、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢等地政学リスクに加え、米国の通商政策・金融政策の動向、中国景気の弱含み等、不確実性が非常に高く、動向を注視しています。

② 市場リスク

以下「当期純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。当期純利益への影響額は、他に記載のない限り、当社の当連結会計年度の連結業績を踏まえて試算した、翌連結会計年度に対する影響額を記載しています。

a. 商品市況リスク

当社は、商品の売買取引や、保有する資源エネルギーの権益における生産物の販売、そして関係会社の製造する工業製品の販売などの活動を通じて、様々な商品価格の変動リスクを負っています。特にエネルギー資源及び金属資源の取引においては、売買価格の変動を通じて当社の業績に大きな影響を及ぼします。
また、投資の評価においても商品価格が重要なインプットとなる場合があります。特に事業期間が長期に及ぶ場合、短期的な価格の動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資の評価により重要な影響を与えるため、将来の需給環境等のファンダメンタルズや、社外の金融機関等の提供するデータ等を考慮して、商品ごとに当社としての見通しを策定しています。商品市況の長期的な低迷又は上昇が想定される場合には、保有する有形固定資産や持分法で会計処理される投資などの減損及び減損戻入を通じて、業績に影響を与える可能性があります。
当社の重要な投資案件については、「⑤ 事業投資リスク(重要な投資案件)」をご参照ください。

(エネルギー資源)
当社は北米、東南アジア、豪州等において、天然ガス及び石油の開発・生産事業並びに液化天然ガス(LNG)事業を展開しており、原油・LNG価格は当社の業績に大きな影響を及ぼします。
原油(Brent)価格については、OPECプラスによる協調減産の縮小(自主減産の段階的解除)を主因として、概ね1バレル当たり60米ドル前半から70米ドル前半のレンジで推移しましたが、足元においては中東情勢の影響を受け、原油市場は高いボラティリティを示しています。当面の原油価格は、米国・イラン関係及びホルムズ海峡の動向を含む地政学的要因に加え、世界経済の動向等が主要な価格変動要因となる見込みです。
なお、当社のLNG販売の大半は長期契約であり、LNG価格は原油価格にリンクしているものが大宗となります。1バレル当たりの原油価格が1米ドル変動すると、当社の当期純利益は主に持分法による投資損益を通じて年間24億円増減すると試算されます。ただし、LNG・原油の価格変動が当社の業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
LNGスポット価格については、2025年4月から2026年2月までは、百万Btu(英国熱量単位)当たり9米ドル台から14米ドル台のレンジで推移しました。2026年3月には、中東情勢の緊迫化による影響、具体的にはホルムズ海峡閉鎖やカタールLNGの戦争被害を背景として、20米ドル超まで上昇しました。今後のLNGスポット価格については、原油価格と同様に、中東情勢をはじめとする地政学リスクの動向や、それに起因するリスクプレミアムの影響を受け、高いボラティリティを伴う状況が当面継続するものと見込まれます。

(金属資源)
当社は、100%出資子会社の三菱デベロップメント社(MITSUBISHI DEVELOPMENT PTY LTD、本社:豪州ブリスベン、以下MDP社)を通じて、製鉄用の原料炭を販売しており、石炭価格の変動はMDP社の収益を通じて当社の業績に影響を与えます。また、MDP社の収益は、石炭価格の変動の他にも、豪ドル・米ドル・円の為替レートの変動や悪天候、労働争議等の要因にも影響を受けます。
銅についても、生産者としての価格変動リスクを負っています。1トン当たりの価格が100米ドル変動すると当期純利益で年間26億円の変動をもたらす(1ポンド当たりの価格が0.1米ドル変動すると当期純利益で年間56億円の変動をもたらす)と試算されますが、粗鉱品位、生産・操業状況、再投資計画(設備投資)等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の価格のみで単純に業績への影響額が算出されない場合があります。

b. 為替リスク

当社は、輸出入、及び外国間などの貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動リスクを負っています。これらの取引では必要に応じて、先物為替予約などによるヘッジ策を講じていますが、それによって完全に為替リスクが回避される保証はありません。
また、当社の海外事業に対する投資については、為替変動により、外貨建の受取配当金や海外連結子会社・持分法適用会社の持分損益の円貨換算額が増減するリスクが存在し、外国通貨に対して円高が進むと当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。米ドル・円のレートが1円変動すると、当社の当期純利益は年間約50億円増減すると試算されます。
加えて、在外営業活動体の換算差額を通じて自己資本が増減するリスクが存在するため、一部の大口の投資については主に先物為替予約を用いたヘッジ策を講じています。

c. 株価リスク

当社は、当連結会計年度末時点で、取引先や関連会社を中心に1兆4,406億円(時価)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。上記の価格は3,486億円の評価益を含んでいますが、株式の動向次第で評価益は減少するリスクがあります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。

d. 金利リスク

当社の当連結会計年度末時点の有利子負債総額(リース負債除く)は5兆7,469億円であり、一部を除いて変動金利となっているため、金利が上昇する局面では利息負担が増加するリスクがあります。
しかし、この有利子負債の相当部分は金利の変動により影響を受ける営業債権・貸付金等と見合っており、金利が上昇した場合には、これらの資産から得られる収益も増加するため、金利の変動リスクは、タイムラグはあるものの、相殺されることになります。また、純粋に金利の変動リスクにさらされている部分についても、見合いの資産からもたらされる取引利益、配当金などの収益は景気変動と相関性が高いため、景気回復の局面において金利が上昇し支払利息が増加した場合には、収益も増加し、結果として影響が相殺される可能性が高いと考えられます。ただし、金利の上昇が急である場合には、利息負担が先行して増加し、その影響を見合いの資産からの収益増加で相殺しきれず、当社の業績は一時的にマイナスの影響を受ける可能性があります。
このような金利などの市場動向を注視し、機動的に市場リスク対応を行う体制を固めるため、当社ではALM(Asset Liability Management)委員会で金利変動リスクの管理を行っています。

③ 信用リスク

当社は、様々な営業取引を行うことによって、売掛金、前渡金などの取引与信、融資、保証などの形で取引先に対して信用供与を行うほか、取引先に対する出資も行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っています。また、当社は主としてヘッジ目的のためにスワップ、オプション、先物などのデリバティブ取引を行っており、デリバティブ取引の契約先に対する信用リスクを負っています。
当社では当該リスクを管理するために、取引先ごとに成約限度額・信用限度額を定めると同時に、社内格付制度を導入し、社内格付と与信額により定めた社内規程に基づき、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの取付けを行っていますが、信用リスクが完全に回避される保証はありません。取引先の信用状態悪化に対しては取引縮小や債権保全策を講じ、取引先の破綻に対しては処理方針を立てて債権回収に努めていますが、債権等が回収不能になった場合には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

④ カントリーリスク

当社は、海外の会社との取引や出資において、国の政治・経済・社会情勢に起因した、代金回収や事業遂行の遅延・不能等が発生するカントリーリスクを負っています。
当社はリスクの集中度を検証し必要な対応策を検討・実施すべく、コーポレート担当役員(CFO)を委員長とするALM委員会で国別ポートフォリオやリスク状況の定期モニタリングを行っています。また、各種リスク要因を踏まえた各国ごとのリスクシナリオを把握した上で、個別案件のカントリーリスクについて、保険を付保するなど、案件の状況に応じて適切なリスクヘッジ策を講じています。ロシア、ウクライナ両国宛てリスクについても、同様に管理しています。
しかしながら、上記のようなリスクヘッジ策を講じていても、当社の取引先や出資先若しくは進行中のプロジェクト所在国の政治・経済・社会情勢の悪化によるリスクを完全に回避することは困難です。そのような事態が発生した場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢の影響については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記2 「(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。

⑤ 事業投資リスク

当社は、株式・持分を取得して当該企業の経営に参画し、商権の拡大やキャピタル・ゲイン獲得などを目指す事業投資活動を行っていますが、この事業投資に関連して投下資金の回収不能、撤退の場合に追加損失が発生するリスク、及び計画した利益が上がらないなどのリスクを負っています。事業投資リスクの管理については、新規の事業投資を行う場合には、投資の意義・目的を明確にした上で、リスクを定量的に把握し、事業毎の期待収益率などを踏まえて意思決定を行っています。投資実行後は、事業投資先ごとに、毎年定期的に「経営計画書」を策定しており、投資目的の確実な達成のための管理を行う一方、計画した収益を上げていない先については、持分売却・清算による撤退を含め、保有方針を明確にすることで、効率的な資産の入替を行っています。
このような投資評価の段階での案件の選別、投資実行後の管理を厳格に行っていますが、期待する利益が上がらないというリスクを完全に回避することは困難であり、事業環境の変化や案件からの撤退等に伴い、当社の業績は影響を受ける可能性があります。
なお、事業投資に含まれる商品市況リスクについては、「② a. 商品市況リスク」をご参照ください。

(重要な投資案件)
a. 豪州原料炭及びその他の金属資源権益への投資
当社は、1968年11月にMDP社を設立し、炭鉱開発(製鉄用の原料炭)に取り組んできました。2001年には、MDP社を通じ、約1,000億円で豪州クイーンズランド州BMA原料炭事業(以下、BMA)の50%権益を取得し、パートナーのBHP社(BHP Group Limited、本社:豪州メルボルン)と共に世界最大規模の原料炭事業を運営しています。また、当連結会計年度末時点のMDP社の有形固定資産帳簿価額は11,606億円となっています。

b. チリ銅資産権益への投資
当社は、アングロ・アメリカン社(Anglo American Plc、本社:英国ロンドン、以下アングロ社)、チリ国営の銅生産会社であるCorporación Nacional del Cobre de Chile社(本社:チリ国サンチャゴ、以下コデルコ社)と三井物産株式会社の合弁会社(以下、合弁会社)と共に、チリ国銅資源権益保有会社アングロ・アメリカン・スール社(Anglo American Sur S.A.、本社:チリ国サンチャゴ、以下アングロスール社)の株式を保有しています。アングロスール社への出資比率は、アングロ社グループが50.1%、合弁会社が29.5%、当社グループが20.4%となっており、当社の取得額は45.1億米ドルです。
同社は、チリ国内にロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱山、チャグレス銅製錬所、並びに大型の未開発鉱区等の資産を保有しています(同社合計の2025年銅生産量実績は約21万トン)。
当社はアングロスール社への投資に対して持分法を適用しています。同社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。同社の生産・開発計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。
当連結会計年度では、過年度に認識した減損損失の一部の戻入れとして532億円を「持分法による投資損益」を通じて計上し、当連結会計年度末の帳簿価額は2,165億円となっています。詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記39をご参照ください。

c. ペルー銅資産権益への投資
当社は、アングロ社と共同で、ペルー共和国ケジャベコ銅鉱山プロジェクト(以下、ケジャベコ)の権益保有会社であるアングロ・アメリカン・ケジャベコ社(Anglo American Quellaveco S.A.、本社:ペルー共和国リマ、以下AAQ社)の権益40%を保有しています。
ケジャベコは約7.3百万トン(銅分換算)の埋蔵量を見込む大規模鉱山で、高いコスト競争力を有しており、2022年に銅精鉱の生産を開始しました(2025年銅生産量実績は約31万トン)。
当社はAAQ社への投資に対して持分法を適用しています。AAQ社宛ての投資に関しては、持分法で会計処理される投資として減損の兆候判定を行っています。ケジャベコの生産計画は長期間に及び、短期的な価格動向よりも中長期的な価格見通しの方が、投資評価により重要な影響を与えるため、最新の銅価見通しや開発計画を含め、中長期的な観点から評価し判断しています。当連結会計年度末の投資及びAAQ社に対する融資額の帳簿価額は5,235億円となっています。

d. モントニー・シェールガス開発プロジェクト/LNGカナダプロジェクト
当社は、カナダにおいて上流資源開発からLNGの生産・輸出販売に至る天然ガスバリューチェーンを構築しています。上流事業として、パートナーのOvintiv社と共に、当社100%出資子会社のCUTBANK DAWSON GAS RESOURCES LTD.(以下、CDGR社)を通じてシェールガスの開発事業を行っています。当社グループの権益保有比率は40%で、当連結会計年度末時点のCDGR社の有形固定資産帳簿価額は2,840億円となっています。なお、CDGR社における共同支配の取決めについては、第5 経理の状況 連結財務諸表注記12をご参照ください。
また、生産された天然ガスの一部をLNGとして輸出販売するため、LNGカナダプロジェクトに参画しています。同プロジェクトは、年間1,400万トンの生産能力を持つ天然ガス液化設備を建設し、日本など東アジアの需要国向けにLNGを輸出販売する事業で、2025年6月から生産を開始しています。当社は子会社であるDiamond LNG Canada傘下のDiamond LNG Canada Partnershipを通じて参画しており、パートナーであるShell社、Petronas社、PetroChina社、韓国ガス公社と共に同プロジェクトを推進しています。当連結会計年度末時点のDiamond LNG Canadaの有形固定資産帳簿価額は4,287億円、使用権資産帳簿価額は2,364億円となっています。

e. ローソン社への出資
当社は、2017年に株式会社ローソン(以下、ローソン社)の発行済株式数の16.6%を株式公開買付けにより取得し、それまで保有していた33.4%と併せて、発行済株式の過半数を保有することとなり、同社を連結子会社としました。その後、KDDI株式会社(以下、KDDI)による同社株式の公開買付け(2024年4月25日付完了)及び同社株式の株式併合を用いたスクイーズアウト手続きを経て、2024年8月15日付で当社及びKDDIの出資比率を50%へ調整しました。これに伴い、株主間契約の効力が発生したことにより、当社は同社に対する単独支配を喪失し、同社を共同支配企業に分類しています。当連結会計年度末のローソン社宛て投資の帳簿価額は5,026億円となっています。
詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記38をご参照ください。
ローソン社は、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行うとともに、海外コンビニエンス事業及びそれ以外の周辺事業を運営しています。ローソン社の店舗網は、2026年2月末時点で、日本全国に約14,700店、海外に約7,800店の合計約22,500店の規模になっています。

f. Enecoへの投資
当社は、2020年3月に、中部電力株式会社と共同で設立したDiamond Chubu Europe B.V.を通じて、欧州で総合エネルギー事業を展開するN.V. Eneco(以下、Eneco)の100%の株式を約5,000億円で取得しました。
Enecoは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)開発・供給事業、トレーディング事業、小売・新サービス事業それぞれの事業分野で高い競争力・適応力を有する総合エネルギー事業会社です。
当社は、Enecoの再エネに関する技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外で再エネ開発を加速させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現に資する取り組みを強化する方針です。
電力需要や欧州マクロ経済が低迷する場合には、Enecoの業績や、取得時に認識したのれんの減損などを通じて当社の業績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度末の「のれん」の帳簿価額は1,670億円(持分比率勘案前)となっています。
詳細については、第5 経理の状況 連結財務諸表注記14をご参照ください。

⑥ コンプライアンスに関するリスク

当社は、国内外で多くの拠点を持ち、あらゆる産業を事業領域としてビジネスを展開していることから、関連する法令・規制は多岐にわたっています。具体的には日本の会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、贈収賄関連諸法、安全保障貿易管理等貿易関連及び制裁関連諸法、環境関連諸法や各種業法を遵守する必要があり、また海外で事業を展開する上では、それぞれの国・地域での法令・規制に従う必要があります。特に、足元ではロシア・ウクライナ情勢に起因する各国経済制裁が導入・強化されていますが、当社はその動向を適時にフォローし、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを当社最高責任者として、適切な対応を行っています。
当社はコンプライアンス委員会を設け、その委員会を統括するチーフ・コンプライアンス・オフィサーが連結ベースでの法令・規制遵守を指揮・監督しています。その指揮・監督の下、各営業グループ・部門のコンプライアンス・オフィサーが、固有のコンプライアンス施策の立案・実施をするなど、コンプライアンス意識を高めることに努めています。また、当社は、子会社及び関連会社(上場会社は除く)に対して、当社と同等の水準で各社に適したコンプライアンス管理体制を構築させ、又はさせるように努めています。
しかしながら、このような施策を講じてもコンプライアンス上のリスクは完全に回避できない可能性があり、関連する法令・規制上の義務を実行できない場合には、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑦ 危機事象発生による人命への被害・事業中断等のリスク

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、新型インフルエンザ・新型コロナウイルス等の新興感染症、重大事故、テロ・暴動、サプライチェーンの遮断、法令違反・サイバー事故、東アジア・欧州・中東等における地政学的要因による有事発生、その他国内外における危機的な事象が発生した場合、当社の社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。
当社では、緊急危機対策本部を設置し、危機発生時における当社関係者の安全確保・安否確認等の初動対応、重要業務の事業継続計画(BCP)の整備、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、定期訓練、必要物資の備蓄等の各種対策を講じています。また、あらゆる事象を想定したリスク・影響度分析に基づく初動対応・事業継続計画(BCP)の策定、継続的なPDCAサイクルの実施等の包括的なマネジメント活動である事業継続マネジメント(BCM)を推進し、各種危機に備えています。しかし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、かかる事象の発生時には当社の業績は影響を受ける可能性があります。

⑧ 気候変動に関するリスク

「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「2. リスク管理」に記載しています。
重要度 2(注目)変更監査上の主要な検討事項(KAM) / 内容更新

KAMの対象は引き続き銅と原油の中長期価格見通しだが、関連資産の金額が更新され、銅では過年度減損損失の一部戻入れ53,193百万円を持分法による投資損益として計上した旨が追記された。減損損失の戻入れの兆候判定・測定に関する記述が両KAMに追加され、原油では中東地域の地政学的リスクの高まり等の足元の世界情勢が不確実性要因および監査上の検証前提として加わった。事業名称も「LNG関連事業」から「天然ガス・LNG事業」に変更された。

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監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、以下の事項を監査上の主要な検討事項とした。
1 銅の中長期価格見通し
2 原油の中長期価格見通し

1 銅の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、金属資源セグメントにおける主要事業の一つとして、チリ及びペルーにおいて銅事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)439,966百万円、持分法で会計処理される投資449,894百万円が計上されており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)533,905百万円、持分法で会計処理される投資702,765百万円を計上している。また、当連結会計年度において連結財務諸表注記事項39. ジョイント・アレンジメント(共同支配の取決め)及び関連会社に記載のとおり、過年度に認識した減損損失の一部の戻入れを「持分法による投資損益」を通じて53,193百万円計上している。いずれも金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資は、減損又は減損の戻入の兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。また、持分法で会計処理される投資は、減損損失又は減損損失の戻入れの兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、銅の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資の減損テストにおいて、最も重要な観察不能インプットである。連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、銅の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産の公正価値測定や、持分法で会計処理される投資の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定において、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、銅の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の銅の需要予測及び各銅鉱山の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している銅の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、銅の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は銅の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
監査人は、会社の使用する銅の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、会社の使用する銅の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産の公正価値評価及び持分法で会計処理される投資の減損テストにおける、銅の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。・ FVTOCI金融資産の公正価値評価及び持分法で会計処理される投資の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定における、銅の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法であるか、また、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の銅の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての銅の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した銅の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。

2 原油の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、地球環境エネルギーセグメントにおける主要事業の一つとして、豪州、ロシア、マレーシア及びカナダ等においてLNG関連事業及びシェールガス事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、FVTOCI金融資産182,419百万円、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)30,650百万円、持分法で会計処理される投資864,775百万円(LNG関連事業596,431百万円及びシェールガス事業268,344百万円の合計)、有形固定資産423,604百万円、及び使用権資産283,885百万円が計上されており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。会社は、地球環境エネルギーセグメントにおける主要事業の一つとして、豪州、ロシア、マレーシア及びカナダ等において天然ガス・LNG事業及びシェールガス事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、FVTOCI金融資産272,654百万円、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)34,918百万円、持分法で会計処理される投資603,885百万円、有形固定資産712,608百万円(天然ガス・LNG事業428,655百万円及びシェールガス事業283,953百万円の合計)、及び使用権資産274,610百万円を計上しており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定をする際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産は、減損又は減損の戻入の兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。また、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産は、減損損失又は減損損失の戻入れの兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、LNG価格は多くが原油価格にリンクしているため、原油の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損テストにおいて、最も重要な観察不能インプットである。連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、LNG価格は多くが原油価格にリンクしているため、原油の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定において、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、原油の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の原油の需要予測及び各原油開発鉱区の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の原油の需要予測及び各原油開発鉱区の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、中東地域における地政学的リスクの高まり等の足元の世界情勢の影響や脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している原油の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、原油の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は原油の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
監査人は、会社の使用する原油の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。当監査法人は、会社の使用する原油の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値評価、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損テストにおける、原油の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。・ FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値評価、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定における、原油の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法に基づいた手法であるか、また、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の原油の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法に基づいた手法であるか、また、足元の世界情勢や脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の原油の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての原油の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した原油の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。

前年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、以下の事項を監査上の主要な検討事項とした。
1 銅の中長期価格見通し
2 原油の中長期価格見通し

1 銅の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、金属資源セグメントにおける主要事業の一つとして、チリ及びペルーにおいて銅事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)439,966百万円、持分法で会計処理される投資449,894百万円が計上されており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資は、減損又は減損の戻入の兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、銅の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資の減損テストにおいて、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、銅の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の銅の需要予測及び各銅鉱山の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している銅の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、銅の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は銅の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
監査人は、会社の使用する銅の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産の公正価値評価及び持分法で会計処理される投資の減損テストにおける、銅の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法であるか、また、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の銅の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての銅の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した銅の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。

2 原油の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、地球環境エネルギーセグメントにおける主要事業の一つとして、豪州、ロシア、マレーシア及びカナダ等においてLNG関連事業及びシェールガス事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、FVTOCI金融資産182,419百万円、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)30,650百万円、持分法で会計処理される投資864,775百万円(LNG関連事業596,431百万円及びシェールガス事業268,344百万円の合計)、有形固定資産423,604百万円、及び使用権資産283,885百万円が計上されており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定をする際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産は、減損又は減損の戻入の兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、LNG価格は多くが原油価格にリンクしているため、原油の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損テストにおいて、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、原油の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の原油の需要予測及び各原油開発鉱区の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している原油の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、原油の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は原油の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
監査人は、会社の使用する原油の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値評価、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損テストにおける、原油の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法に基づいた手法であるか、また、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の原油の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての原油の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した原油の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。

今年

監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、以下の事項を監査上の主要な検討事項とした。
1 銅の中長期価格見通し
2 原油の中長期価格見通し

1 銅の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、金属資源セグメントにおける主要事業の一つとして、チリ及びペルーにおいて銅事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)533,905百万円、持分法で会計処理される投資702,765百万円を計上している。また、当連結会計年度において連結財務諸表注記事項39. ジョイント・アレンジメント(共同支配の取決め)及び関連会社に記載のとおり、過年度に認識した減損損失の一部の戻入れを「持分法による投資損益」を通じて53,193百万円計上している。いずれも金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定を行う際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資は、減損損失又は減損損失の戻入れの兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、銅の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産の公正価値測定や、持分法で会計処理される投資の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定において、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、銅の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の銅の需要予測及び各銅鉱山の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している銅の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、銅の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は銅の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
当監査法人は、会社の使用する銅の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産の公正価値評価及び持分法で会計処理される投資の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定における、銅の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法であるか、また、脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の銅の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての銅の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した銅の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。

2 原油の中長期価格見通し
監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由
会社は、地球環境エネルギーセグメントにおける主要事業の一つとして、豪州、ロシア、マレーシア及びカナダ等において天然ガス・LNG事業及びシェールガス事業への投資を行っている。当連結会計年度末の連結財政状態計算書上、これらの投資の関連資産として、FVTOCI金融資産272,654百万円、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)34,918百万円、持分法で会計処理される投資603,885百万円、有形固定資産712,608百万円(天然ガス・LNG事業428,655百万円及びシェールガス事業283,953百万円の合計)、及び使用権資産274,610百万円を計上しており、金額的重要性から、会社の財政状態及び経営成績へ重要な影響を及ぼしている。
当該FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産はすべて市場性のない有価証券であり、公正価値測定をする際に、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
また、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産は、減損損失又は減損損失の戻入れの兆候がある場合には資産の処分コスト控除後の公正価値又は使用価値のいずれか高い金額で回収可能価額を測定することが求められており、使用価値の測定の際に割引キャッシュ・フロー法が採用されている。
連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定に記載のとおり、LNG価格は多くが原油価格にリンクしているため、原油の中長期価格見通しは、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値測定や持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定において、最も重要な観察不能インプットである。他の観察不能インプットと比較して、原油の中長期価格見通しに対する公正価値や使用価値の感応度は極めて高い。当該見積りは、長期間にわたる将来の全世界の原油の需要予測及び各原油開発鉱区の生産数量やコストの予測という専門知識を要する将来予測に基づき決定されており、かつ、中東地域における地政学的リスクの高まり等の足元の世界情勢の影響や脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の需要及び供給に与える影響の評価を含むため、不確実性が極めて高い。また、複数の外部機関が公表している原油の中長期価格見通しの上限値と下限値の乖離が大きいことがこの不確実性の高さを示している。このため、原油の中長期価格見通しの見積りは、複雑であり、経営者の重要な判断を伴うものであることから、当監査法人は原油の中長期価格見通しの見積りを監査上の主要な検討事項とした。
監査上の対応
当監査法人は、会社の使用する原油の中長期価格見通しの検証に当たり、主として以下の監査手続を実施した。
・ FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産の公正価値評価、持分法で会計処理される投資、有形固定資産及び使用権資産の減損損失及び減損損失の戻入れの兆候判定、並びに減損損失及び減損損失の戻入れの測定における、原油の中長期価格見通しの決定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を検証した。
・ 会社責任者への質問及び関連する内部資料の閲覧を実施し、中長期価格見通しの見積り方法が合理的な手法に基づいた手法であるか、また、足元の世界情勢や脱炭素社会に向けた取り組みの推進が将来の全世界の原油の需要及び供給に与える影響に関する前提の合理性について検証した。
・ 監査上の重要性、中長期価格見通しに対する感応度、外部機関が公表する価格見通しの分散の程度を考慮の上、複数の外部機関が公表する価格見通しの上限値と下限値のレンジよりも狭い監査上の許容範囲を独自に策定し、会社が決定した中長期価格見通しが当該許容範囲内にあるかどうかを検証した。
・ 監査上の許容範囲を策定するに当たって、当監査法人のネットワークファームの評価専門家の助言に基づき、複数の外部機関から中長期価格見通しを独自に入手し、外部機関の独立性や市場参加者が一般に利用する情報かどうかを評価することで、その情報の信頼性を検証した。
・ 連結財務諸表注記事項2.作成の基礎(5)重要な会計上の判断、見積り及び仮定における、重要な観察不能なインプットとしての原油の中長期価格見通しの開示について、上記で検証した原油の中長期価格見通しとの整合性を検証するとともに、見積りの不確実性を含む、注記の妥当性を検証した。
重要度 2(注目)追加会計方針の変更 / 内容更新

企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等を早期適用し、借手の全てのリースについて使用権資産とリース負債を認識する単一モデルへ変更した旨が新たに記載された。従来のオペレーティング・リースは経過措置により使用権資産をリース負債と等しい額で測定し、適用初年度期首のリース負債は34,016百万円と明記されている。

前年 / 今年の本文を見る

前年

(なし)

今年

(会計方針の変更)
「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号2024年9月13日)及び「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号2024年9月13日)の早期適用に伴い、借手のリースは単一の会計モデルにより、原則として全てのリースについて、原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支払う債務を表すリース負債を認識する方法に変更しています。また、使用権資産とリース負債の認識後は、損益計算書において使用権資産の減価償却費及びリース負債に係る利息費用を認識することとなります。また、従来の借手オペレーティング・リースについては、経過措置として認められている方法のうち、使用権資産をリース負債と等しい金額で測定する方法を採用しています。なお、適用初年度の期首の貸借対照表に計上されているリース負債の金額は34,016百万円です。

2025-03-31 期 (提出日 2025-06-18 14:06)

前年版がないため比較していません。