提出会社の監査報酬が前年の2.6億円から9.2億円に増加しました(+261%)。
東京海上ホールディングス株式会社
証券コード 87660 / EDINET E03847 / 保険業
危険信号
重要なリスクに「重要情報の漏えい・不正取得」(AIの不適切利用を含む)、「システム障害」、「ビジネスモデル変革に伴うリスク」等の項目が新たに記載され、「AI/データガバナンスの不足」が独立項目として残る一方、「当社事業領域におけるディスラプション」は「当社事業におけるディスラプション」に置き換えられている。従来の「(2)定量的リスク管理」(ESR149%、ストレステスト結果等)の記載は今回の抜粋範囲から削除されている。
業績の推移
数値を表で見る
| 決算期 | 売上高(兆円) | 純利益(兆円) |
|---|---|---|
| 2021/3 | 5.46 | 0.16 |
| 2022/3 | 5.86 | 0.42 |
| 2023/3 | 6.61 | 0.37 |
| 2024/3 | 7.42 | 0.7 |
| 2025/3 | 8.44 | 1.06 |
| 2026/3 | 8.87 | 0.98 |
開示データの要約
人的資本
- 平均年収
- 1,487万円
- 女性管理職比率
- —
- 男性育休取得率
- —
- 男女賃金差異
- —
- 従業員数
- 1,339人
監査
- 監査報酬
- 9.24億円
- 非監査報酬
- 4,900万円
- 内部統制
- 重要な不備なし
大量保有
- 提出者数
- 2
- 報告数
- 2
- 最大の保有者
- 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
大株主(法人)
| 株主 | 区分 | 株数 | 割合 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口 | 信託口 | 321,356,000株 | 17.09% | ▼ -0.02pt |
| 株式会社日本カストディ銀行信託口 | 信託口 | 142,631,000株 | 7.59% | ▼ -0.20pt |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 66,592,000株 | 3.54% | ▲ +0.86pt |
| MOXLEY AND CO LLC (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) | 法人 | 34,270,000株 | 1.82% | ▲ +0.36pt |
| THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 28,856,000株 | 1.53% | 新規 |
| 東海日動従業員持株会 | 法人 | 27,790,000株 | 1.48% | ▼ -0.01pt |
| 明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行) | 法人 | 26,973,000株 | 1.43% | ▼ -0.51pt |
| JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 26,773,000株 | 1.42% | ▲ +0.01pt |
| ゴールドマン・サックス証券株式会社 BNYM (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) | 法人 | 22,249,000株 | 1.18% | 新規 |
| JP MORGAN CHASE BANK 385642 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) | 信託口 | 21,538,000株 | 1.15% | 新規 |
個人株主の内訳は非表示
役員 18 名(うち社外 0 名)、役員の持株合計 358,100株
2026-03-31 期 (提出日 2026-06-26 15:32)
重要なリスク一覧が12項目から14項目に再編され、「システム障害」と「ビジネスモデル変革に伴うリスク」が新設された。「重要情報の漏えい」は「重要情報の漏えい・不正取得」に改められ、AIの不適切利用による情報漏えいが追加された。サイバーリスクには経済的影響への対応が追記され、法令・規制リスクには保険業法と行政処分が加わった。エマージングリスクの対応例も更新され、前年の情報漏えい事案への言及は削除された。
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差分(削除 / 追加)
(1)定性的リスク管理事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを実施し、毎年取締役会に報告しています。当社ではこのようなリスク管理を実施してきましたが、東京海上日動で情報漏えい事案が発生したことを踏まえ、「重要なリスク」の一つである「法令・規制への抵触/コンダクトリスク」の対応を進めるとともに、「重要情報の漏えい」を追加して対応策を策定しました。○重要なリスクの一覧 重要なリスク/シナリオ 対応例 ①経済・金融危機 〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 <経済的影響への対応> ・地政学リスク等の市場への影響を調査する。 ・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。 ・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 ・金融危機のアクションプランを整備する。 ②巨大地震 〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震、米国における大規模地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 ・②、③および⑤はストレステストを行い、②および⑤については資本十分性や資金流動性を、③については資金流動性を確認する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。・⑥については、外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢も整備し、有事訓練により実効性を確認する。③巨大風水災・セカンダリーぺリル (含む気候関連物理的リスク)〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災・森林火災・洪水等のセカンダリーぺリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災、森林火災、洪水等のセカンダリーペリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ④火山噴火 〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ⑤新ウイルスのまん延 〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。⑥サイバーリスク⑥インフレーション〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停滞が発生する。<経済的影響への対応> ・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行うとともに、合理的な条件で再保険を調達する。⑦重要情報の漏えい⑦サイバーリスク○東京海上グループや外部委託先へのサイバー攻撃、クラウドシステム等における不適切なアクセス設定により重大な情報漏えいが発生し、お詫び費用等によって多額の損失が発生するとともに、レピュテーションを毀損する。〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。〇従業員による他社の重要情報の不正取得や、当社グループの重要情報の不正持出しによってお詫び費用等が生じ、多額の損失が発生するとともに、レピュテーションを毀損する。〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停止による利益の減少や情報漏えいによるレピュテーションの毀損が発生する。 <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。・外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢の整備を行う。 ⑧法令・規制への抵触/コンダクトリスク〇競争法(独占禁止法や不正競争防止法)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。〇保険業法、競争法(独占禁止法、不正競争防止法等)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、行政処分、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。〇業界・企業慣行と世間の常識との乖離や重要法令への意識・知識不足により顧客に不利益が発生すること、適切な企業文化の醸成が不足すること等で東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。〇業界・企業慣行と世間の常識の乖離や重要法令への意識・知識不足、健全な企業文化の醸成・浸透の不十分さ等により、顧客に不利益が発生すること、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・グループ会社の法令遵守状況をモニタリングし、態勢整備に向けた支援を行う。 ・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。・従業員の意識や行動に関する調査について、グループとしてめざす姿に関連した設問を拡充したうえで、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。・従業員の意識や行動に関する調査について、設問を見直すとともに、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。⑨地政学リスク⑨重要情報の漏えい・不正取得 〇従業員による他社の重要情報の不正取得や東京海上グループの保有する個人情報等の重要情報の不正持出し等により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。 ○東京海上グループや外部委託先の従業員によるAIの不適切利用により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。 ・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。 ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑩AI/データガバナンスの不足 〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟やレピュテーションの毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑪地政学リスク ○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 〇国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 (経済的影響への対応は上記①に記載) ・情報収集や外部専門家の知見も活用し、適切な状況把握や将来予測を行う。⑩インフレーション⑫ビジネスモデル変革に伴うリスク〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。〇デジタルトランスフォーメーションやAIの進化等に対しビジネスモデルの変革が遅れることにより、東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 〇保険業界の構造変化に対応するために進めるビジネスモデル変革において、対応の不備により顧客や代理店から理解・支持を十分に得られず、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。 <経済的影響への対応>・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行う。・デジタル・AIの活用に関する重点領域を選定し、集中的に投資することで、競争優位性を確保する。⑪当社事業領域におけるディスラプション<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・新たなビジネスモデルについて丁寧に説明を行い、理解を高める。〇デジタルトランスフォーメーションや革新的な新規参入者、規制・市場環境の変化等により、産業構造が大きく転換するようなイノベーションが発生し、既存のビジネスモデルが陳腐化することで東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。⑬当社事業におけるディスラプション 〇革新的な新規参入者、モビリティ産業の構造転換等により、当社事業領域でのディスラプションが発生し、東京海上グループのビジネスモデルの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 <経済的影響への対応>・デジタルトランスフォーメーションの基本戦略推進とプロジェクトの実行を通じて、保険事業の競争優位性を確保する。・モビリティ産業の構造転換を見据えた中長期的な事業戦略を構築する。 ・デジタル保険販売を進めてノウハウを蓄積し、販売モデルを構築する。 ・保険に留まらないソリューション事業の確実な成長に向けた取組みを展開する。⑫AI/データガバナンスの不足⑭システム障害〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の問題の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟の発生やレピュテーション毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。〇当社グループ会社や外部委託先等のシステムに障害等が発生して長期間停止することにより、事業継続に重大な影響が生じるとともに、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応>・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。・ITガバナンスを確保するための具体的な運営指針を定めた基準に基づき、グループ会社の管理態勢整備を支援するとともに、リスクの高い開発プロジェクトを特定し、リスクの程度に応じた支援を実施する。 ○エマージングリスクの例 エマージングリスク/シナリオ 対応例 ①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応 (気候・自然関連移行リスク) 〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。 〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・「環境および社会リスクに対処する東京海上グループポリシー」を表明し、引受禁止/留意事業を特定している。 ・新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスの開発を加速している。 ・従来の情報に加え、非財務情報についても投資判断に考慮する「ESGインテグレーション」を実施している。・電力・エネルギーセクターとの取引に専門性を有する一部のグループ会社において、石炭を主業とする企業への保険引受・ファイナンス提供を厳格化している。・東京海上日動では、保険引受に伴う温室効果ガス排出量の約9割を占める大口顧客に、保険商品・サービスの提供や対話を通じた脱炭素計画の策定を求めている。また、2030年までに脱炭素計画未策定の場合は取引を行わない方針であることを公表している。加えて、自然共生社会への移行に向けてエンゲージメントも実施している。・東京海上スマートGXやTokio Marine GX等、新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスを提供する新会社を設立するとともに、ID&Eによる自然関連リスクのコンサルティング等、自然資本関連ソリューションを提供している。 ②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失 (気候・自然関連物理的リスク) 〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。・自然災害リスク評価の高度化に向け、自然災害に関するリスク計測モデル精緻化や、気候変動の影響を評価する手法の開発等に取り組んでいる。 ・事業の自然への依存や影響について、研究・分析に取り組んでいる。・当社ポートフォリオにおける自然資本・生物多様性の観点で、重要セクターのひとつである自動車セクターのバリューチェーン分析を実施している。・保険引受・投融資ポートフォリオの自然資本・生物多様性へのインパクト・影響度を分析し、TNFDレポートにおいて公表している。・分析を通じて、当社の自然資本・生物多様性のリスク・機会を特定し、Climate & Nature Reportへ開示している。 ③ビジネスパートナーリスク 〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、当社の事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。 ・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。 ・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。 ④事業ポートフォリオの拡大・変遷に伴う経営管理リスク〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、不適正事案の発生や経営状態の悪化が生じる。〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、当該グループ会社で大規模な不適正事案が発生し、業績が悪化するとともに、当社が経営責任を問われる。 ・ソリューション事業の新たな取組みについては、経営支援チームを組成して内部統制の態勢整備を行うとともに、PoC(実証実験)を通じてリスクの抑制を図っている。・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMIチームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や当社における経営管理態勢の構築を行っている。・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMI(Post Merger Integration)チームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や当社における経営管理態勢の構築を行っている。 ⑤グローバルな人権尊重対応の遅れ 〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。・「人権基本方針」を定め、バリューチェーンを含むあらゆる事業活動における人権尊重を推進する姿勢を示すとともに、ビジネスパートナーに対しても本方針の実践を促している。 ・保険引受・投融資先における人権尊重を推進する取組みとして、特定セクターにおける人権リスクの予防・軽減を評価する「環境・社会リスクへの対応方針」を定め、対外公表している。 ・当社役職員向けのホットラインに加えて、外部ステークホルダー向けのホットラインを設置している。 (2)定量的リスク管理 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、リスクをAA格相当の信頼水準である99.95%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認するとともに、事業投資機会や今後の市場環境の見通し等を総合的に勘案して資本政策を決定しています。 東京海上グループのESRのターゲットレンジは100~140%です。2025年3月末時点におけるESRは149%となり、資本が十分な水準にあることを確認しています。なお、2025年度は、自己株式取得について年間を通じて2,200億円を、期中の市場環境や株価の状況等を総合的に勘案して機動的に実施する方針を2025年5月20日付で公表しており、これを考慮した場合のESRは143%となります。 また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震および新ウイルスのまん延については、経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づき、資本十分性および資金流動性に関するストレステストを実施しています。また、巨大風水災についても資金流動性に関するストレステストを実施しています。その結果、いずれも問題がないことを確認しています。・当社事業に関係する主要なステークホルダーの人権課題に対するリスクを特定した「人権リスクマップ」を作成し、第三者の視点に基づく分析等も踏まえて更新している。(注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.95%VaRとは、今後1年間の損失が99.95%の確率でその額以内に収まる金額水準です。・「ビジネスと人権に関する有識者ダイアログ」を開催し、外部有識者から実務面の課題について助言を得ている。
前年
(1)定性的リスク管理 事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを実施し、毎年取締役会に報告しています。 当社ではこのようなリスク管理を実施してきましたが、東京海上日動で情報漏えい事案が発生したことを踏まえ、「重要なリスク」の一つである「法令・規制への抵触/コンダクトリスク」の対応を進めるとともに、「重要情報の漏えい」を追加して対応策を策定しました。 ○重要なリスクの一覧 重要なリスク/シナリオ 対応例 ①経済・金融危機 〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 <経済的影響への対応> ・地政学リスク等の市場への影響を調査する。 ・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。 ・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 ・金融危機のアクションプランを整備する。 ②巨大地震 〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震、米国における大規模地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 ・②、③および⑤はストレステストを行い、②および⑤については資本十分性や資金流動性を、③については資金流動性を確認する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ・⑥については、外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢も整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ③巨大風水災・セカンダリーぺリル (含む気候関連物理的リスク) 〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災・森林火災・洪水等のセカンダリーぺリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ④火山噴火 〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ⑤新ウイルスのまん延 〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。 ⑥サイバーリスク 〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。 〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停滞が発生する。 ⑦重要情報の漏えい ○東京海上グループや外部委託先へのサイバー攻撃、クラウドシステム等における不適切なアクセス設定により重大な情報漏えいが発生し、お詫び費用等によって多額の損失が発生するとともに、レピュテーションを毀損する。 〇従業員による他社の重要情報の不正取得や、当社グループの重要情報の不正持出しによってお詫び費用等が生じ、多額の損失が発生するとともに、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。 ・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。 ⑧法令・規制への抵触/コンダクトリスク 〇競争法(独占禁止法や不正競争防止法)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。 〇業界・企業慣行と世間の常識との乖離や重要法令への意識・知識不足により顧客に不利益が発生すること、適切な企業文化の醸成が不足すること等で東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・グループ会社の法令遵守状況をモニタリングし、態勢整備に向けた支援を行う。 ・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。 ・従業員の意識や行動に関する調査について、グループとしてめざす姿に関連した設問を拡充したうえで、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。 ⑨地政学リスク ○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 〇国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 (経済的影響への対応は上記①に記載) ・情報収集や外部専門家の知見も活用し、適切な状況把握や将来予測を行う。 ⑩インフレーション 〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。 <経済的影響への対応> ・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行う。 ⑪当社事業領域におけるディスラプション 〇デジタルトランスフォーメーションや革新的な新規参入者、規制・市場環境の変化等により、産業構造が大きく転換するようなイノベーションが発生し、既存のビジネスモデルが陳腐化することで東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 <経済的影響への対応> ・デジタルトランスフォーメーションの基本戦略推進とプロジェクトの実行を通じて、保険事業の競争優位性を確保する。 ・保険に留まらないソリューション事業の確実な成長に向けた取組みを展開する。 ⑫AI/データガバナンスの不足 〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の問題の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟の発生やレピュテーション毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ○エマージングリスクの例 エマージングリスク/シナリオ 対応例 ①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応 (気候・自然関連移行リスク) 〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。 〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 ・「環境および社会リスクに対処する東京海上グループポリシー」を表明し、引受禁止/留意事業を特定している。 ・新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスの開発を加速している。 ・従来の情報に加え、非財務情報についても投資判断に考慮する「ESGインテグレーション」を実施している。 ・東京海上日動では、保険引受に伴う温室効果ガス排出量の約9割を占める大口顧客に、保険商品・サービスの提供や対話を通じた脱炭素計画の策定を求めている。また、2030年までに脱炭素計画未策定の場合は取引を行わない方針であることを公表している。加えて、自然共生社会への移行に向けてエンゲージメントも実施している。 ②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失 (気候・自然関連物理的リスク) 〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。 ・自然災害リスク評価の高度化に向け、自然災害に関するリスク計測モデル精緻化や、気候変動の影響を評価する手法の開発等に取り組んでいる。 ・事業の自然への依存や影響について、研究・分析に取り組んでいる。 ・保険引受・投融資ポートフォリオの自然資本・生物多様性へのインパクト・影響度を分析し、TNFDレポートにおいて公表している。 ③ビジネスパートナーリスク 〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、当社の事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。 ・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。 ・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。 ④事業ポートフォリオの拡大・変遷に伴う経営管理リスク 〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、不適正事案の発生や経営状態の悪化が生じる。 ・ソリューション事業の新たな取組みについては、経営支援チームを組成して内部統制の態勢整備を行うとともに、PoC(実証実験)を通じてリスクの抑制を図っている。 ・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMIチームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や当社における経営管理態勢の構築を行っている。 ⑤グローバルな人権尊重対応の遅れ 〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 ・「人権基本方針」を定め、バリューチェーンを含むあらゆる事業活動における人権尊重を推進する姿勢を示すとともに、ビジネスパートナーに対しても本方針の実践を促している。 ・保険引受・投融資先における人権尊重を推進する取組みとして、特定セクターにおける人権リスクの予防・軽減を評価する「環境・社会リスクへの対応方針」を定め、対外公表している。 ・当社役職員向けのホットラインに加えて、外部ステークホルダー向けのホットラインを設置している。 (2)定量的リスク管理 格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、リスクをAA格相当の信頼水準である99.95%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認するとともに、事業投資機会や今後の市場環境の見通し等を総合的に勘案して資本政策を決定しています。 東京海上グループのESRのターゲットレンジは100~140%です。2025年3月末時点におけるESRは149%となり、資本が十分な水準にあることを確認しています。なお、2025年度は、自己株式取得について年間を通じて2,200億円を、期中の市場環境や株価の状況等を総合的に勘案して機動的に実施する方針を2025年5月20日付で公表しており、これを考慮した場合のESRは143%となります。 また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震および新ウイルスのまん延については、経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づき、資本十分性および資金流動性に関するストレステストを実施しています。また、巨大風水災についても資金流動性に関するストレステストを実施しています。その結果、いずれも問題がないことを確認しています。 (注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.95%VaRとは、今後1年間の損失が99.95%の確率でその額以内に収まる金額水準です。
今年
事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを実施し、毎年取締役会に報告しています。 ○重要なリスクの一覧 重要なリスク/シナリオ 対応例 ①経済・金融危機 〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 <経済的影響への対応> ・地政学リスク等の市場への影響を調査する。 ・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。 ・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 ・金融危機のアクションプランを整備する。 ②巨大地震 〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震、米国における大規模地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 ・②、③および⑤はストレステストを行い、②および⑤については資本十分性や資金流動性を、③については資金流動性を確認する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ③巨大風水災・セカンダリーぺリル (含む気候関連物理的リスク) 〇巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災、森林火災、洪水等のセカンダリーペリルの多発により、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ④火山噴火 〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 ⑤新ウイルスのまん延 〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。 ⑥インフレーション 〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。 <経済的影響への対応> ・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行うとともに、合理的な条件で再保険を調達する。 ⑦サイバーリスク 〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。 〇東京海上グループや外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停止による利益の減少や情報漏えいによるレピュテーションの毀損が発生する。 <経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ・外部委託管理に関する施策の展開やサイバーセキュリティ態勢の整備を行う。 ⑧法令・規制への抵触/コンダクトリスク 〇保険業法、競争法(独占禁止法、不正競争防止法等)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、行政処分、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。 〇業界・企業慣行と世間の常識の乖離や重要法令への意識・知識不足、健全な企業文化の醸成・浸透の不十分さ等により、顧客に不利益が発生すること、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・グループ会社の法令遵守状況をモニタリングし、態勢整備に向けた支援を行う。 ・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。 ・従業員の意識や行動に関する調査について、設問を見直すとともに、好取組事例の収集や展開を行い、東京海上グループの取組みを改善する。 ⑨重要情報の漏えい・不正取得 〇従業員による他社の重要情報の不正取得や東京海上グループの保有する個人情報等の重要情報の不正持出し等により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。 ○東京海上グループや外部委託先の従業員によるAIの不適切利用により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・情報セキュリティや情報保護について、各社の運用状況をモニタリングし、グループとして必要な支援を行う。 ・情報セキュリティ研修等の従業員のセキュリティ意識・知識向上に向けた対策を行う。 ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑩AI/データガバナンスの不足 〇AIやデータの利活用を進めるなかで、脆弱性・誤情報の出力や倫理上の課題等を適切に管理できないことにより、訴訟やレピュテーションの毀損が発生する。または、生産的な事業活動が阻害される。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・AIやデータの利活用に関するグループ共通のルール、AIガバナンス基盤の整備等を通じて、当社やグループ会社の態勢整備を行う。 ⑪地政学リスク ○国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 〇国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 (経済的影響への対応は上記①に記載) ・情報収集や外部専門家の知見も活用し、適切な状況把握や将来予測を行う。 ⑫ビジネスモデル変革に伴うリスク 〇デジタルトランスフォーメーションやAIの進化等に対しビジネスモデルの変革が遅れることにより、東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 〇保険業界の構造変化に対応するために進めるビジネスモデル変革において、対応の不備により顧客や代理店から理解・支持を十分に得られず、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。 <経済的影響への対応> ・デジタル・AIの活用に関する重点領域を選定し、集中的に投資することで、競争優位性を確保する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・新たなビジネスモデルについて丁寧に説明を行い、理解を高める。 ⑬当社事業におけるディスラプション 〇革新的な新規参入者、モビリティ産業の構造転換等により、当社事業領域でのディスラプションが発生し、東京海上グループのビジネスモデルの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 <経済的影響への対応> ・モビリティ産業の構造転換を見据えた中長期的な事業戦略を構築する。 ・デジタル保険販売を進めてノウハウを蓄積し、販売モデルを構築する。 ・保険に留まらないソリューション事業の確実な成長に向けた取組みを展開する。 ⑭システム障害 〇当社グループ会社や外部委託先等のシステムに障害等が発生して長期間停止することにより、事業継続に重大な影響が生じるとともに、レピュテーショナルリスクが顕在化し、企業価値を毀損する。 <事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・ITガバナンスを確保するための具体的な運営指針を定めた基準に基づき、グループ会社の管理態勢整備を支援するとともに、リスクの高い開発プロジェクトを特定し、リスクの程度に応じた支援を実施する。 ○エマージングリスクの例 エマージングリスク/シナリオ 対応例 ①脱炭素・自然共生社会への不適切な対応 (気候・自然関連移行リスク) 〇脱炭素・自然共生社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。 〇脱炭素・自然共生社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 ・電力・エネルギーセクターとの取引に専門性を有する一部のグループ会社において、石炭を主業とする企業への保険引受・ファイナンス提供を厳格化している。 ・東京海上スマートGXやTokio Marine GX等、新たな脱炭素技術に関連する保険商品・リスクコンサルティングサービスを提供する新会社を設立するとともに、ID&Eによる自然関連リスクのコンサルティング等、自然資本関連ソリューションを提供している。 ②地球温暖化、自然資本・生物多様性の喪失 (気候・自然関連物理的リスク) 〇地球温暖化や自然資本・生物多様性の喪失の進行により自然災害の激甚化等が進み、短期的にも長期的にも保険金支払が増大する。 ・当社ポートフォリオにおける自然資本・生物多様性の観点で、重要セクターのひとつである自動車セクターのバリューチェーン分析を実施している。 ・分析を通じて、当社の自然資本・生物多様性のリスク・機会を特定し、Climate & Nature Reportへ開示している。 ③ビジネスパートナーリスク 〇企業活動に対するバリューチェーン全体を見渡した責任・期待が高まっているなか、業務提携・委託・協業先において、不祥事や事故が発生し、当社の事業継続やレピュテーションに重大な影響が生じる。 ・「責任ある調達のためのガイドライン」を定め、基本的な考え方をグループ内へ周知したうえで、ビジネスパートナーにも取組みへの協力を促している。 ・外部委託先やビジネスパートナー選定における経済安全保障に関する観点を整理のうえ、各社での取組みを推進している。 ④事業ポートフォリオの拡大・変遷に伴う経営管理リスク 〇グループ会社に対して、業態・規模・地域性等に即した最適な経営管理を行えず、当該グループ会社で大規模な不適正事案が発生し、業績が悪化するとともに、当社が経営責任を問われる。 ・ソリューション事業の新たな取組みについては、経営支援チームを組成して内部統制の態勢整備を行うとともに、PoC(実証実験)を通じてリスクの抑制を図っている。 ・ソリューション事業の買収案件に関しては、PMI(Post Merger Integration)チームを編成して買収先の実態を把握したうえで、内部統制の整備や当社における経営管理態勢の構築を行っている。 ⑤グローバルな人権尊重対応の遅れ 〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 ・当社事業に関係する主要なステークホルダーの人権課題に対するリスクを特定した「人権リスクマップ」を作成し、第三者の視点に基づく分析等も踏まえて更新している。 ・「ビジネスと人権に関する有識者ダイアログ」を開催し、外部有識者から実務面の課題について助言を得ている。
国際会計基準の適用開始に伴い、KAMの構成が変更された。前年の3項目から、発生保険金負債の評価、保険料配分アプローチ非適用契約の残存カバー負債の評価(新規)、レベル3証券化商品等の評価、商業用不動産担保付貸付金等の予想信用損失の評価の4項目となり、Pure社ののれん等の評価は不確実性の低減を理由にKAMから外れた。主要子会社の保険契約負債は総負債の81.0%、うち発生保険金負債は6,611,298百万円と記載されている。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。・ 主要子会社の支払備金の見積り発生保険金負債の評価 ・ 主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価 ・ レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価 ・ 商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価 なお、会社は当連結会計年度から国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、当監査法人は、監査上の主要な検討事項の決定において、国際会計基準を適用したことに伴う固有リスクの変化や開示内容の拡充も考慮した。 固有リスクの変化の観点では、「主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価」は、前連結会計年度に準拠していた我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と比較して会計上の見積りの要素が増加し、不確実性の程度が増大したことから、当連結会計年度より監査上の主要な検討事項としている。また、前連結会計年度に監査上の主要な検討事項としていた「Privilege Underwriters, Inc.(以下、「Pure社」)に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価・」については、国際会計基準の適用に当たり、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づく移行日時点の償却後簿価が引き継がれるとともに、使用価値の算定においてターミナル・バリューが含まれる結果、回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていること、また、同社の足元の業績等を考慮した結果、不確実性の程度が低減したことから、当連結会計年度においては監査上の主要な検討事項としていない。 開示内容の拡充の観点では、前連結会計年度において単一の監査上の主要な検討事項内の小項目としていた「レベル3の時価公正価値に分類される証券化商品等の評価及び」及び「商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価上記の項目」についてはいずれも前連結、国際会計基準の適用に伴いそれぞれ独立の項目として関連する注記が行われていることから、連結財務諸表における開示との関係性をより明確にするため、当連結会計年度から重要な変更は生じていないにおいては別個の監査上の主要な検討事項としている。 主要子会社の支払備金の見積り発生保険金負債の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、20256年3月31日現在、支払備金5,411,597保険契約負債20,219,118百万円(総負債の81.0%)が連結貸借対照表財政状態計算書に計上されており、総負債の20.7%を占めているこのうち発生保険金負債は6,611,298百万円である。後述する事故の発生から解決までに長期間を要するという特徴を有する発生保険金負債の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及び Philadelphia Consolidated Holding Corp.が計上する発生保険金負債に含まれており、金額的重要性が高い。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。 ・ 主要子会社の支払備金の見積り ・ Privilege Underwriters, Inc.(以下、「Pure社」)に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 ・ レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価 上記の項目についてはいずれも前連結会計年度から重要な変更は生じていない。 主要子会社の支払備金の見積り 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2025年3月31日現在、支払備金5,411,597百万円が連結貸借対照表に計上されており、総負債の20.7%を占めている。
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監査上の主要な検討事項 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。 当監査法人は、グローバル保険グループとしての会社の事業内容及び事業戦略、会社を取り巻く国内外の事業環境、保険会社特有の会計処理や業界の実務慣行等を踏まえ、監査上特に注意を払った事項の中から、以下の項目を監査上の主要な検討事項として決定した。 ・ 主要子会社の発生保険金負債の評価 ・ 主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価 ・ レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価 ・ 商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価 なお、会社は当連結会計年度から国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、当監査法人は、監査上の主要な検討事項の決定において、国際会計基準を適用したことに伴う固有リスクの変化や開示内容の拡充も考慮した。 固有リスクの変化の観点では、「主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価」は、前連結会計年度に準拠していた我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と比較して会計上の見積りの要素が増加し、不確実性の程度が増大したことから、当連結会計年度より監査上の主要な検討事項としている。また、前連結会計年度に監査上の主要な検討事項としていた「Privilege Underwriters, Inc.に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価」については、国際会計基準の適用に当たり、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づく移行日時点の償却後簿価が引き継がれるとともに、使用価値の算定においてターミナル・バリューが含まれる結果、回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていること、また、同社の足元の業績等を考慮した結果、不確実性の程度が低減したことから、当連結会計年度においては監査上の主要な検討事項としていない。 開示内容の拡充の観点では、前連結会計年度において単一の監査上の主要な検討事項内の小項目としていた「レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価」及び「商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価」について、国際会計基準の適用に伴いそれぞれ独立の項目として関連する注記が行われていることから、連結財務諸表における開示との関係性をより明確にするため、当連結会計年度においては別個の監査上の主要な検討事項としている。 主要子会社の発生保険金負債の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2026年3月31日現在、保険契約負債20,219,118百万円(総負債の81.0%)が連結財政状態計算書に計上されており、このうち発生保険金負債は6,611,298百万円である。後述する事故の発生から解決までに長期間を要するという特徴を有する発生保険金負債の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及び Philadelphia Consolidated Holding Corp.が計上する発生保険金負債に含まれており、金額的重要性が高い。
IFRS適用に伴い、KAMの対象が「支払備金の見積り」から「発生保険金負債の測定(将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の検討)」へ変更され、割引率の承認統制や市場データとの突合・再計算などの監査手続が追加された。また前年のPure社に係るのれん等の評価に関するKAMは記載がなくなり、新たに主要子会社のPAA非適用の保険契約に係る残存カバー負債の評価が追加されている。
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「(重要な会計上の見積り)1.支払備金」に記載されているとおり、支払備金とは、保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、負債として計上するものである。支払備金の見積りは、過去の支払実績等を使用した統計的手法を含む様々な手法により実施される。これらの見積手法や、保険金増加率等の重要な仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となる。特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りには、高い不確実性を伴う。「3. 重要性がある会計方針 (12) 保険契約」及び「7. 保険契約」に記載されているとおり、発生保険金負債は、まだ支払われていない発生保険金等(発生しているがまだ報告されていない保険金を含む)及び費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されている。なお、履行キャッシュ・フローは、期末日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定される。この長期間を要するという特徴を有する支払備金の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及びPhiladelphia Consolidated Holding Corp.が計上する支払備金に含まれており、連結財務諸表残高に占める金額的重要性が高いため、監査上も特に慎重な検討が必要となる。将来キャッシュ・フローの見積りは、保険金増加率や予想損害率に代表される仮定を用いて、損害保険数理の統計的手法を含む様々な手法により測定される。また、将来キャッシュ・フローを現在価値に調整する際に用いる割引率は、市場データや対応する資産ポートフォリオを参照する手法により設定される。これらの見積手法や仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となり、特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する発生保険金負債の測定には高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りが、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する発生保険金負債の測定において重要な影響をもたらす、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の検討が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。当監査法人は、主要子会社の支払備金の見積りについて、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。当監査法人は、主要子会社の発生保険金負債の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。‐支払備金の見積りにおいて使用する見積手法や仮定を承認する統制 ‐支払備金の当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制 ・過去の支払実績等、支払備金の見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を検証するため、当該基礎データが、保険金及び支払備金を管理するシステム等から出力された情報と一致することを確認した。- 将来キャッシュ・フローの見積りにおいて使用する測定手法や仮定を承認する統制 - 将来キャッシュ・フローの当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制 - 割引率を承認する統制 ・過去の支払実績等、将来キャッシュ・フローに関する見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を評価した。・支払備金の見積りにおいて使用された見積手法や重要な仮定、及び見積額の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。・発生保険金負債の測定の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。以下同様。)を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者の利用する保険数理専門家による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討 ‐保険金増加率等、経営者が使用した重要な仮定の確認と、過年度の支払備金の見積額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討 ‐監査人独自の支払備金の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、グローバル保険グループとして、グループ全体の成長と分散の効いたポートフォリオの構築のため、海外保険市場において、持続的な内部成長に加えて戦略的なM&Aを推進している。当該戦略的なM&Aの結果として、2025年3月31日現在、のれん318,459百万円(総資産の1.0%)及びその他の無形固定資産510,900百万円(同1.6%)が連結貸借対照表に計上されている。これらには、会社が2020年2月に買収した、米国子会社であるPure社に係る以下ののれん及びその他の無形固定資産(以下、「のれん等」)が含まれている。 ・のれん:買収時点の金額163,910百万円、償却期間15年 ・その他の無形固定資産(主として契約更改権価値及び販売網価値):買収時点の金額242,639百万円、主な償却期間15年 のれん等は、その効果が及ぶと見積もった期間にわたり償却されるが、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが求められている。【注記事項】「(重要な会計上の見積り)2.のれんの減損」に記載されているとおり、会社は主として、報告単位、すなわち対象事業の直近の業績及び将来の見通しの悪化、買収時点に想定した事業計画からの著しい下方乖離、市場環境を含む経営環境の著しい悪化といった減損の兆候の有無を判定している。減損の兆候が認められ、減損損失の認識が必要と判定された場合には、のれん等の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上する。 Pure社は、米国の富裕層向け保険市場に特化して急成長を遂げており、同社の買収においては、同社が今後も高い成長を続けていくことを想定した上で事業価値の評価が行われ、買収価額及びのれん等の計上額が決定されている。Pure社は、その買収後において一定の成長を実現できているものの、今後ものれん等の償却期間にわたり買収時に想定した高い成長が継続するかどうかは、高い不確実性を伴うものであり、減損の有無の判定には経営者の重要な判断が必要となる。Pure社に係るのれん等は金額的重要性が高く、減損損失が発生した場合には会社の損益に重要な影響を与える可能性もあることから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。なお、会社は、当連結会計年度において、Pure社に係るのれん等の減損は不要と判断している。 以上の理由より、当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたPure社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・会社及びPure社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 ‐対象事業毎の業績に関する予算と実績の比較分析や、経営環境の著しい悪化を示す状況の有無の確認等により、減損の兆候の有無を判定する統制 ・経営者が実施した減損の兆候の有無の判定結果の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。- 経営者への質問や、経営者による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討 - 保険金増加率や予想損害率等、経営者が使用した重要な仮定の評価と、過年度の将来キャッシュ・フローに関する見積りの評価額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討 - 割引率が、利用可能な最新の市場データによる無リスク金利及び非流動性プレミアムにより設定されていることを、独自に入手した外部データとの突合及び再計算による検討 - 監査人独自の発生保険金負債の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。‐保険引受収益や税引前利益等のPure社の主要な業績指標や、その他の無形固定資産の算定基礎である契約更改率や販売網維持率等の重要な仮定について、当連結会計年度の実績値が、高い成長性が継続することを想定した買収時点の事業計画から著しく下方乖離していないかどうかの比較検討 ‐経営者への質問や取締役会等の議事録の閲覧等を通じた、市場環境や競合環境、自然災害の影響を含むPure社の経営環境に著しい悪化が生じていないかどうかの検討、及び同社の今後の成長に重要な影響を与えるような事業戦略上の変更が予定されていないかどうかの検討 ‐減損の兆候の有無の判定において用いられているPure社の当連結会計年度の主要な業績指標が、監査済みの財務数値に基づき算定されていることの確認レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由監査上の対応監査上の対応 会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2026年3月31日現在、保険契約負債20,219,118百万円(総負債の81.0%)が連結財政状態計算書に計上されており、このうち残存カバー負債は13,607,819百万円である。保険料配分アプローチ(以下、「PAA」)を適用しない保険契約に係る残存カバー負債の多くが、東京海上日動社における火災保険等の長期の保険契約や、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、Delphi社及びTokio Marine Life Insurance Singapore Pte. Ltd.における生命保険契約に係る残存カバー負債に含まれており、金額的重要性が高い。
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「(重要な会計上の見積り)1.支払備金」に記載されているとおり、支払備金とは、保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、負債として計上するものである。支払備金の見積りは、過去の支払実績等を使用した統計的手法を含む様々な手法により実施される。これらの見積手法や、保険金増加率等の重要な仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となる。特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りには、高い不確実性を伴う。 この長期間を要するという特徴を有する支払備金の多くが、東京海上日動火災保険株式会社(以下、「東京海上日動社」)、HCC Insurance Holdings, Inc.、Delphi Financial Group, Inc.(以下、「Delphi社」)及びPhiladelphia Consolidated Holding Corp.が計上する支払備金に含まれており、連結財務諸表残高に占める金額的重要性が高いため、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する支払備金の見積りが、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、主要子会社の支払備金の見積りについて、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 ‐支払備金の見積りにおいて使用する見積手法や仮定を承認する統制 ‐支払備金の当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制 ・過去の支払実績等、支払備金の見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を検証するため、当該基礎データが、保険金及び支払備金を管理するシステム等から出力された情報と一致することを確認した。 ・支払備金の見積りにおいて使用された見積手法や重要な仮定、及び見積額の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。以下同様。)を利用して、主に以下の手続を実施した。 ‐経営者への質問や、経営者の利用する保険数理専門家による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討 ‐保険金増加率等、経営者が使用した重要な仮定の確認と、過年度の支払備金の見積額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討 ‐監査人独自の支払備金の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、グローバル保険グループとして、グループ全体の成長と分散の効いたポートフォリオの構築のため、海外保険市場において、持続的な内部成長に加えて戦略的なM&Aを推進している。当該戦略的なM&Aの結果として、2025年3月31日現在、のれん318,459百万円(総資産の1.0%)及びその他の無形固定資産510,900百万円(同1.6%)が連結貸借対照表に計上されている。これらには、会社が2020年2月に買収した、米国子会社であるPure社に係る以下ののれん及びその他の無形固定資産(以下、「のれん等」)が含まれている。 ・のれん:買収時点の金額163,910百万円、償却期間15年 ・その他の無形固定資産(主として契約更改権価値及び販売網価値):買収時点の金額242,639百万円、主な償却期間15年 のれん等は、その効果が及ぶと見積もった期間にわたり償却されるが、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合は、減損損失を計上することが求められている。【注記事項】「(重要な会計上の見積り)2.のれんの減損」に記載されているとおり、会社は主として、報告単位、すなわち対象事業の直近の業績及び将来の見通しの悪化、買収時点に想定した事業計画からの著しい下方乖離、市場環境を含む経営環境の著しい悪化といった減損の兆候の有無を判定している。減損の兆候が認められ、減損損失の認識が必要と判定された場合には、のれん等の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上する。 Pure社は、米国の富裕層向け保険市場に特化して急成長を遂げており、同社の買収においては、同社が今後も高い成長を続けていくことを想定した上で事業価値の評価が行われ、買収価額及びのれん等の計上額が決定されている。Pure社は、その買収後において一定の成長を実現できているものの、今後ものれん等の償却期間にわたり買収時に想定した高い成長が継続するかどうかは、高い不確実性を伴うものであり、減損の有無の判定には経営者の重要な判断が必要となる。Pure社に係るのれん等は金額的重要性が高く、減損損失が発生した場合には会社の損益に重要な影響を与える可能性もあることから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。なお、会社は、当連結会計年度において、Pure社に係るのれん等の減損は不要と判断している。 以上の理由より、当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価が監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、Pure社に係るのれん及びその他の無形固定資産の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたPure社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・会社及びPure社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 ‐対象事業毎の業績に関する予算と実績の比較分析や、経営環境の著しい悪化を示す状況の有無の確認等により、減損の兆候の有無を判定する統制 ・経営者が実施した減損の兆候の有無の判定結果の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。 ‐保険引受収益や税引前利益等のPure社の主要な業績指標や、その他の無形固定資産の算定基礎である契約更改率や販売網維持率等の重要な仮定について、当連結会計年度の実績値が、高い成長性が継続することを想定した買収時点の事業計画から著しく下方乖離していないかどうかの比較検討 ‐経営者への質問や取締役会等の議事録の閲覧等を通じた、市場環境や競合環境、自然災害の影響を含むPure社の経営環境に著しい悪化が生じていないかどうかの検討、及び同社の今後の成長に重要な影響を与えるような事業戦略上の変更が予定されていないかどうかの検討 ‐減損の兆候の有無の判定において用いられているPure社の当連結会計年度の主要な業績指標が、監査済みの財務数値に基づき算定されていることの確認 レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及び商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応
今年
「3. 重要性がある会計方針 (12) 保険契約」及び「7. 保険契約」に記載されているとおり、発生保険金負債は、まだ支払われていない発生保険金等(発生しているがまだ報告されていない保険金を含む)及び費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されている。なお、履行キャッシュ・フローは、期末日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定される。 将来キャッシュ・フローの見積りは、保険金増加率や予想損害率に代表される仮定を用いて、損害保険数理の統計的手法を含む様々な手法により測定される。また、将来キャッシュ・フローを現在価値に調整する際に用いる割引率は、市場データや対応する資産ポートフォリオを参照する手法により設定される。これらの見積手法や仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となり、特に、事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する発生保険金負債の測定には高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上する事故の発生から解決までに長期間を要することが多い保険商品に関する発生保険金負債の測定において重要な影響をもたらす、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の検討が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、主要子会社の発生保険金負債の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 - 将来キャッシュ・フローの見積りにおいて使用する測定手法や仮定を承認する統制 - 将来キャッシュ・フローの当初の見積額とその後の保険金支払額の実績値等とを事後的に比較する統制 - 割引率を承認する統制 ・過去の支払実績等、将来キャッシュ・フローに関する見積りに使用された基礎データの正確性と網羅性を評価した。 ・発生保険金負債の測定の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家(当監査法人又はPwCグローバルネットワークの他のメンバーファームに所属する専門家をいう。以下同様。)を利用して、主に以下の手続を実施した。 - 経営者への質問や、経営者による検討結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択に関する経営者の判断の合理性の検討 - 保険金増加率や予想損害率等、経営者が使用した重要な仮定の評価と、過年度の将来キャッシュ・フローに関する見積りの評価額とその後の保険金支払額の実績値との比較検討 - 割引率が、利用可能な最新の市場データによる無リスク金利及び非流動性プレミアムにより設定されていることを、独自に入手した外部データとの突合及び再計算による検討 - 監査人独自の発生保険金負債の見積額及び許容範囲の設定と、経営者の見積額が当該許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。 主要子会社の保険料配分アプローチを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は、保険事業として、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業を営んでおり、これらの保険事業を行う子会社を国内外に多数有している。保険事業に特有の勘定科目として、2026年3月31日現在、保険契約負債20,219,118百万円(総負債の81.0%)が連結財政状態計算書に計上されており、このうち残存カバー負債は13,607,819百万円である。保険料配分アプローチ(以下、「PAA」)を適用しない保険契約に係る残存カバー負債の多くが、東京海上日動社における火災保険等の長期の保険契約や、東京海上日動あんしん生命保険株式会社、Delphi社及びTokio Marine Life Insurance Singapore Pte. Ltd.における生命保険契約に係る残存カバー負債に含まれており、金額的重要性が高い。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、PAAを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の測定(将来キャッシュ・フローの重要な仮定と割引率)が新たに記載された。あわせて、レベル3の公正価値に分類される証券化商品等(CLO等)の評価が新たなKAMとして挙げられ、米国子会社Delphi社が運用を担う旨が記載されている。
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「3. 重要性がある会計方針 (12) 保険契約」及び「7. 保険契約」に記載されているとおり、PAAを適用しない保険契約に係る残存カバー負債は、将来の期間において契約に基づき提供されることとなるサービスに係る履行キャッシュ・フロー及び期末日の残存CSM(契約上のサービス・マージン)で構成されている。なお、履行キャッシュ・フローは、期末日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定される。 将来キャッシュ・フローの見積りは、保険種目別、経過年度別に損害率、死亡率、罹患率、解約率、維持費率等に一定の前提を置いて測定される。また、将来キャッシュ・フローを現在価値に調整する際に用いる割引率は、市場データや対応する資産ポートフォリオを参照する手法により設定される。これらの仮定の選択には、経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上記の主要子会社が計上するPAAを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の測定において重要な影響をもたらす、将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定及び割引率の検討が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、主要子会社のPAAを適用しない保険契約に係る残存カバー負債の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施された主要子会社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・主要子会社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 - 将来キャッシュ・フローの見積りに使用された重要な仮定を承認する統制 - 割引率を承認する統制 ・将来キャッシュ・フローの見積りにおける重要な仮定の設定のために使用した基礎データの正確性と網羅性を評価した。 ・残存カバー負債の測定の妥当性を検証するため、保険数理の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。 - 経営者への質問や、経営者による検討結果の閲覧等を通じた、重要な仮定の選択に関する経営者の判断の合理性の検討 - 重要な仮定として、保険種目別、経過年度別の、損害保険業における損害率や生命保険業における死亡率、罹患率、解約率について、当該保険商品の仮定の過年度の実績等と比較検討するとともに、過年度の実績に対する調整の要否やトレンド有無に関する経営者の判断の合理性の検討 - 割引率が、利用可能な最新の市場データによる無リスク金利及び非流動性プレミアムにより設定されていること、あるいは保険契約の将来キャッシュ・フローの期間に対応する参照資産ポートフォリオの市場収益率と整合的に設定されていることを、独自に入手した外部データとの突合及び再計算による検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。 レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。 会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、CLO(ローン担保証券)等の証券化商品等への投資を行っている。当該証券化商品等には、会社が保有する他の金融商品と比べて流動性が低いものが含まれ、高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、Delphi社が投資するレベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価が新たに記載された。レベル3の投資有価証券(負債性)残高は1,207,138百万円で金額的重要性が高く、クレジットスプレッドや期限前償還率等の観察できないインプットに経営者の重要な判断を要する点が決定理由とされている。あわせて、米国の商業用不動産担保付貸付金(CREローン)等に係る予想信用損失の評価に関するKAMの記載も追加されている。
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「8. 金融商品 (3) 公正価値測定」に記載されているとおり、金融商品の公正価値は、公正価値の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて3つのレベルに分類されるが、上述のDelphi社が投資する証券化商品等の中には、市場で観察できない重要なインプットを用いているため、レベル3の公正価値に分類されるものがある。2026年3月31日現在、これらのレベル3の公正価値に分類される証券化商品等は、「経常的に公正価値測定する金融商品」のうち、投資有価証券(負債性)のレベル3残高1,207,138百万円に含まれており、金額的重要性は高い。 流動性の低い金融商品は、活発な市場がなく、様々なインプットを用いて公正価値を算定する必要がある。なかでも、レベル3の公正価値に分類される証券化商品等は、クレジットスプレッドや期限前償還率等の重要なインプットが市場で観察できないため、その選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、レベル3の公正価値に分類される証券化商品等の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した公正価値の妥当性を検証する統制がある。 ・証券化商品等の公正価値評価の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。 - 経営者への質問や、経営者が実施した公正価値の算定結果の閲覧等を通じた、クレジットスプレッドや期限前償還率等の重要なインプットを含む評価技法の選定の合理性の検討 - 信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に公正価値を入手できる場合、証券化商品等の市場での流動性等を踏まえて当該公正価値の合理性を検討すると共に、経営者が採用した公正価値との差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討 - 金額的重要性及び商品特性を考慮して抽出したサンプルについて、金融商品評価の内部専門家を利用し、監査人が独自に入手したインプットを用いて算定した公正価値と、経営者が採用した公正価値との差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。 商業用不動産担保付貸付金等に係る予想信用損失の評価 監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 監査上の対応 会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。 会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、米国の商業用不動産担保付貸付金(以下、「CREローン」)等への投資を行っている。当該CREローン等は、米国の経済環境や不動産市況の影響を大きく受け、会社が保有する他の金融商品と比べて高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。
前年はレベル3証券化商品等の評価とCREローン等の予想信用損失の2点がKAMだったが、今年はCREローン等の予想信用損失のみに絞られ、証券化商品の評価に関する記載と監査手続が削除された。CREローンの記載もIFRS適用を前提とした二段階(12か月/全期間)の損失評価引当金の説明に変わり、貸付金残高2,852,633百万円・引当金134,509百万円が示され、信用リスクの著しい増大や債務不履行の判断が重要な判断事項として追加された。監査手続も判断基準の検討、信用減損資産の個別評価、関連開示の検討などに組み替えられた。
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「(追加情報)1.貸付金等の予想信用損失」に記載されているとおり、会社は、米国会計基準を適用している海外連結子会社が計上する貸付金について、全期間の予想信用損失を見積り、引当金を認識している。なお、当該貸付金は該当する引当金を直接控除した金額で表示されている。上述のDelphi社が投資するCREローン等は予想信用損失の計上対象であり、2025年3月31日現在、連結貸借対照表における貸付金残高3,140,328百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。会社は、当連結会計年度において、昨今の米国における在宅勤務の定着による不動産物件価値の下落や金利・インフレの高止まり等によるCREローンをめぐる厳しい環境を踏まえ、主に当該貸付金に係る引当金の積み増しを行っている。この結果、当連結会計年度のその他運用費用の中に予想信用損失123,911百万円を計上している。「3. 重要性がある会計方針 (5) 金融商品 e. 金融商品の減損」及び「8. 金融商品 (4) 予想信用損失」に記載されているとおり、会社は、CREローン等を含む償却原価で測定される金融商品に対し、損失評価引当金を認識している。損失評価引当金は、対象金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は12か月の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増大している場合は全期間の予想信用損失に等しい金額で測定される。予想信用損失の測定にあたっては、倒産確率、倒産時損失率及び倒産時のエクスポージャーを用いており、これらの要素は、過去の信用損失の実績及び外部格付と一定の整合性を維持した内部格付等の内部情報や、過去のGDP成長率等の公表データから合理的に算出した将来予測的マクロ経済情報をもとに算定されている。加えて、会社は、債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて債務不履行を判断しており、債務不履行に該当する場合、信用減損金融資産として、予想される将来のキャッシュ・フローもしくは担保や他の信用補完の公正価値に基づき、個別に予想信用損失を測定している。上述のDelphi社が投資するCREローン等及び対応する損失評価引当金は、2026年3月31日現在、連結財政状態計算書における貸付金残高2,852,633百万円及び損失評価引当金134,509百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。CREローン等に係る予想信用損失の見積りは、類似したリスク特性を有する貸付ポートフォリオについては集合的に、それ以外は個々の貸付金毎に算定される。当該見積りにおいては、合理的かつ裏付け可能な予測に関する会社内外の情報が用いられるが、これには、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。CREローン等に係る予想信用損失の見積りには、貸付金の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか及び債務不履行に該当するかの判断、また、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。以上の理由より、当監査法人は、上述のレベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価 ・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 ‐外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した時価の妥当性を検証する統制 ‐減損処理の要件を満たしているかどうかの判定結果を承認する統制 ・証券化商品等の時価評価及び減損処理の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。以上の理由より、当監査法人は、CREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。‐信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に入手した時価や、金融商品評価の内部専門家を利用して監査人が独自に算定した時価と、経営者が採用した時価とを比較し、両者の差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討 ‐減損判定の妥当性を確認するための、経営者への質問及び経営者が実施した減損判定結果の閲覧、含み損を有する証券化商品の期末日後の売却実績の検討当監査法人は、CREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。(2)CREローン等に係る予想信用損失の評価・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。 ・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。‐経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討 ‐当連結会計年度におけるCREローンをめぐる環境に対する経営者の分析結果の査閲及び当該分析結果を踏まえた経営者が採用する見積手法等の当否についての検討 ‐予想信用損失の算定に使用された、貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性について、貸付契約書やレントロール等の証憑と一致することの確認 ‐将来の経済予測シナリオや担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討 ‐経営者が使用した仮定に対して一定のストレスを加味する等により設定した監査人独自の予想信用損失の許容範囲に、経営者の見積額が収まっているかどうかの比較検討- 経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、CREローンをめぐる環境を踏まえた見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討 - 貸付契約書やレントロール等の証憑と突合することにより、予想信用損失の算定に使用された貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性を評価 - 貸付金の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか及び債務不履行に該当するかの判断基準が、関連する会計基準及び会社の状況に照らして適切であるかの検討、また、当該基準に基づいた判断が適切に行われていることについて、経営者が実施した判断結果の閲覧等を通じた検討 - 信用減損金融資産以外の予想信用損失について、経営者の見積額が、監査人が独自に検討した将来の経済予測シナリオ等を用いて算定した見積額の許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 - 金額的重要性及び質的重要性を考慮して抽出したサンプルについて、担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性を、利用可能な企業外部の情報と比較検討、また、監査人が独自に算定した信用減損金融資産の予想信用損失と経営者の予想信用損失の見積額の比較検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。
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「(追加情報)1.貸付金等の予想信用損失」に記載されているとおり、会社は、米国会計基準を適用している海外連結子会社が計上する貸付金について、全期間の予想信用損失を見積り、引当金を認識している。なお、当該貸付金は該当する引当金を直接控除した金額で表示されている。上述のDelphi社が投資するCREローン等は予想信用損失の計上対象であり、2025年3月31日現在、連結貸借対照表における貸付金残高3,140,328百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。会社は、当連結会計年度において、昨今の米国における在宅勤務の定着による不動産物件価値の下落や金利・インフレの高止まり等によるCREローンをめぐる厳しい環境を踏まえ、主に当該貸付金に係る引当金の積み増しを行っている。この結果、当連結会計年度のその他運用費用の中に予想信用損失123,911百万円を計上している。 CREローン等に係る予想信用損失の見積りは、類似したリスク特性を有する貸付ポートフォリオについては集合的に、それ以外は個々の貸付金毎に算定される。当該見積りにおいては、合理的かつ裏付け可能な予測に関する会社内外の情報が用いられるが、これには、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、上述のレベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価及びCREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価 ・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には以下のものが含まれる。 ‐外部の情報ベンダーや資産運用管理会社から入手した時価の妥当性を検証する統制 ‐減損処理の要件を満たしているかどうかの判定結果を承認する統制 ・証券化商品等の時価評価及び減損処理の妥当性を検証するため、主に以下の手続を実施した。 ‐信頼性のある情報ベンダー等から監査人が独自に入手した時価や、金融商品評価の内部専門家を利用して監査人が独自に算定した時価と、経営者が採用した時価とを比較し、両者の差異が合理的な範囲内に収まっているかどうかの比較検討 ‐減損判定の妥当性を確認するための、経営者への質問及び経営者が実施した減損判定結果の閲覧、含み損を有する証券化商品の期末日後の売却実績の検討 (2)CREローン等に係る予想信用損失の評価 ・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。 ・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。 ‐経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討 ‐当連結会計年度におけるCREローンをめぐる環境に対する経営者の分析結果の査閲及び当該分析結果を踏まえた経営者が採用する見積手法等の当否についての検討 ‐予想信用損失の算定に使用された、貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性について、貸付契約書やレントロール等の証憑と一致することの確認 ‐将来の経済予測シナリオや担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性について、利用可能な企業外部の情報との比較等を通じた検討 ‐経営者が使用した仮定に対して一定のストレスを加味する等により設定した監査人独自の予想信用損失の許容範囲に、経営者の見積額が収まっているかどうかの比較検討
今年
「3. 重要性がある会計方針 (5) 金融商品 e. 金融商品の減損」及び「8. 金融商品 (4) 予想信用損失」に記載されているとおり、会社は、CREローン等を含む償却原価で測定される金融商品に対し、損失評価引当金を認識している。損失評価引当金は、対象金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は12か月の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増大している場合は全期間の予想信用損失に等しい金額で測定される。予想信用損失の測定にあたっては、倒産確率、倒産時損失率及び倒産時のエクスポージャーを用いており、これらの要素は、過去の信用損失の実績及び外部格付と一定の整合性を維持した内部格付等の内部情報や、過去のGDP成長率等の公表データから合理的に算出した将来予測的マクロ経済情報をもとに算定されている。加えて、会社は、債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて債務不履行を判断しており、債務不履行に該当する場合、信用減損金融資産として、予想される将来のキャッシュ・フローもしくは担保や他の信用補完の公正価値に基づき、個別に予想信用損失を測定している。上述のDelphi社が投資するCREローン等及び対応する損失評価引当金は、2026年3月31日現在、連結財政状態計算書における貸付金残高2,852,633百万円及び損失評価引当金134,509百万円の多くを占めており、金額的重要性は高い。 CREローン等に係る予想信用損失の見積りには、貸付金の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか及び債務不履行に該当するかの判断、また、将来の経済予測シナリオや担保不動産価値のように客観的な情報を入手することが困難な仮定や、貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整が含まれる。これらの見積り手法や重要な仮定の選択には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 以上の理由より、当監査法人は、CREローン等に係る予想信用損失の評価が、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。 当監査法人は、CREローン等に係る予想信用損失の評価について、当監査法人の指揮及び監督の下で実施されたDelphi社の監査人の作業とその査閲を含め、主に以下の監査手続を実施した。 ・Delphi社における内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。特に着目した内部統制には、予想信用損失の算定において使用する見積手法や仮定を承認する統制がある。 ・CREローン等に係る予想信用損失の見積りの妥当性を検証するため、金融商品評価の内部専門家を利用して、主に以下の手続を実施した。 - 経営者への質問や、経営者が実施した予想信用損失の算定プロセス及び算定結果の閲覧等を通じた、CREローンをめぐる環境を踏まえた見積手法の選択や貸付金及び担保不動産等の特性に応じた調整に関する経営者の判断の合理性の検討 - 貸付契約書やレントロール等の証憑と突合することにより、予想信用損失の算定に使用された貸付金や担保不動産に係る基礎データの正確性を評価 - 貸付金の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか及び債務不履行に該当するかの判断基準が、関連する会計基準及び会社の状況に照らして適切であるかの検討、また、当該基準に基づいた判断が適切に行われていることについて、経営者が実施した判断結果の閲覧等を通じた検討 - 信用減損金融資産以外の予想信用損失について、経営者の見積額が、監査人が独自に検討した将来の経済予測シナリオ等を用いて算定した見積額の許容範囲に収まっているかどうかの比較検討 - 金額的重要性及び質的重要性を考慮して抽出したサンプルについて、担保不動産価値等、経営者が使用した重要な仮定の合理性を、利用可能な企業外部の情報と比較検討、また、監査人が独自に算定した信用減損金融資産の予想信用損失と経営者の予想信用損失の見積額の比較検討 ・関連する開示について、会計基準と照らして適切かの検討、また、注記事項の裏付けとなる関連証憑との突合を実施した。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、CLO等の証券化商品や米国商業用不動産担保付貸付金(CREローン)などレベル3の時価に分類される金融商品の評価に関する項目が、今年は記載されなくなった。運用手法の多様化の説明やDelphi社による運用に関する記述も含め、当該KAMの項目自体が削除されている。
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前年
「(金融商品関係)1.金融商品の状況に関する事項」に記載されているとおり、会社は保険事業を中核としており、保険料として収受した資金等の運用を行っている。具体的には、資産・負債総合管理(ALM:Asset Liability Management)を軸として、保険負債が抱える金利リスクを適切にコントロールしつつ、高格付債券を中心とした一定の信用リスクをとる運用を行っている。また、外国証券やオルタナティブ投資等幅広い商品も活用し、国内外でのリスク分散と運用手法の多様化を図ることで、中長期的な収益確保を目指している。 会社は、上記の運用手法の多様化の一環として、CLO(ローン担保証券)等の証券化商品や、主に米国の商業用不動産担保付貸付金(以下、「CREローン」)等への投資を行っている。これらの金融商品の多くは、会社が保有する他の金融商品と比べて流動性が低く、高度な運用力を必要とすることから、主に米国子会社であるDelphi社が、他のグループ会社からの運用受託分も含めて投資を行っている。 (1)レベル3の時価に分類される証券化商品等の評価
今年
(なし)
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった、Delphi社が投資する証券化商品等(レベル3の時価に分類される買入金銭債権・有価証券)の時価評価と、CREローン等に係る予想信用損失の評価に関する記載が、当年では削除されている。前年の記載ではレベル3の買入金銭債権272,017百万円、有価証券283,234百万円の多くを占めるとされていた。
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前年
「(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項及び金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」に記載されているとおり、金融商品の時価は、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて3つのレベルに分類されるが、上述のDelphi社が投資する証券化商品等の中には、市場で観察できない重要なインプットを用いているため、レベル3の時価に分類されるものがある。2025年3月31日現在、これらのレベル3の時価に分類される証券化商品等は買入金銭債権のレベル3残高272,017百万円及び有価証券のレベル3残高283,234百万円のそれぞれ多くを占めており、金額的重要性は高い。 これらの証券化商品等は時価をもって連結貸借対照表に計上されるとともに、一時的でない時価の下落が生じた場合には減損処理が行われる。流動性の低い金融商品は、活発な市場がなく、様々なインプットを用いて時価を算定する必要がある。なかでも、レベル3の時価に分類される金融商品は、割引率等の重要なインプットが市場で観察できないため、その選択や減損判定には経営者の重要な判断が必要となり、高い不確実性を伴うことから、監査上も特に慎重な検討が必要となる。 (2)CREローン等に係る予想信用損失の評価
今年
(なし)
リスク管理の項に「定量的リスク管理」が新たに記載された。実質純資産をリスク量で除したESRで資本の十分性を確認する枠組みで、2026年3月末より算出基準を99.95%VaRから99.5%VaRに変更した(新資本規制導入に伴う)。ESRのターゲットは190%以上、2026年3月末時点は268%と記載され、ストレステスト結果も問題なしとされている。
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前年
(なし)
今年
格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。 具体的には、99.5%バリューアットリスク(VaR)(注)1で定量評価し、実質純資産(注)2をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認しています。なお、2025年9月末までは99.95%VaRによるESRを用いて資本の十分性を確認していましたが、2026年3月末から日本国内において新資本規制(経済価値ベースのソルベンシー規制)が導入されたことに伴い、グローバルピアとの比較可能性や新資本規制との整合性等を重視し、2026年3月末より99.5%VaRによるESRへ定義を変更しました。 東京海上グループのESRのターゲットは、AA格相当の資本水準を維持することを目的として、190%以上と設定しています。2026年3月末時点におけるESRは268%となり、資本が十分な水準にあることを確認しています。なお、2026年度は、自己株式取得について年間を通じて4,000億円(注)3を、期中の市場環境や株価の状況等を総合的に勘案して機動的に実施する方針を2026年5月20日付で公表しており、これを考慮した場合のESRは255%となります。 また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震および新ウイルスのまん延については、経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づき、資本十分性および資金流動性に関するストレステストを実施しています。また、巨大風水災についても資金流動性に関するストレステストを実施しています。その結果、いずれも問題がないことを確認しています。 (注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.5%VaRとは、今後1年間の損失が99.5%の確率でその額以内に収まる金額水準です。 2.財務会計上の連結純資産に、生保保有契約価値の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。 3. 2026年3月23日付で公表した、Berkshire Hathawayグループとの戦略的提携に伴う2,874億円の自己株式取得を除いた額です。なお、当該自己株式取得は、同グループに対する自己株式の第三者割当に伴う株式数の増加による1株当たり価値の希薄化を抑えるために実施するものであり、同額の自己株式の処分をあわせて行うことから、資本水準への影響は限定的で、ESRへの影響はありません。 ○ESRの状況
前年に記載されていた報告セグメントの説明(国内損害保険、国内生命保険、海外保険、金融・その他の4区分とその事業内容)が、今年の該当節では記載されなくなっている。記載が削除された形であり、内容自体の変更が示されているわけではない。
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当社は、グループの事業を統轄する持株会社として、グループ会社の経営管理に関する基本方針を定めるとともに、当社グループを取り巻く事業環境を踏まえた経営計画を策定し、事業活動を展開しています。当社は、経営計画を基礎として、「国内損害保険事業」、「国内生命保険事業」、「海外保険事業」および「金融・その他事業」の4つを報告セグメントとしています。 「国内損害保険事業」は、日本国内の損害保険引受業務および資産運用業務等を行っています。「国内生命保険事業」は、日本国内の生命保険引受業務および資産運用業務等を行っています。「海外保険事業」は、海外の保険引受業務および資産運用業務等を行っています。「金融・その他事業」は、投資顧問業、投資信託委託業、人材派遣業、不動産管理業、介護事業を中心に事業を行っています。
今年
(なし)
2025-03-31 期 (提出日 2025-06-19 14:16)
前年版がないため比較していません。