rader

ニデック株式会社

証券コード 65940 / EDINET E01975 / 電気機器

危険信号

重要度 3(重要)内部統制の重要な不備2026-09-30 15:53
内部統制に重要な不備

内部統制報告書で「開示すべき重要な不備」が報告されました。(これについて前連結会計年度の内部統制報告書に記載した各再発防止策を実施してまいりましたが、下記のとおり、一部の開示すべき重要な不備が当連結会計年度においても是正されていない状況であること、また、当連結会計年度においても新たに財務報告に係る内…)

重要度 3(重要)文章の変化2026-09-30 15:50
(7)会計方針の明確化と運用の適正化

前年の記載は空で、今年は事業リスクの節に新たに「会計方針の明確化と運用の適正化」「特別注意銘柄指定による上場廃止リスク」「適正決算に係るリスク」「経営承継に係るリスク」「経営戦略リスク(先行投資・M&A・政治経済状況・技術環境の変化)」等の項目が追加されている。適正決算リスクでは、2025年3月期の連結財務諸表に対し監査意見不表明の監査報告書を受領したこと、2025年10月28日に東京証券取引所の特別注意銘柄に指定されたこと、2026年4月17日に第三者委員会の最終報告書を受領したことが記載されている。上場廃止の可能性や、会計不正の認定に伴う経理体制・会計方針の見直し等の対応策も併せて記載されている。

重要度 3(重要)文章の変化2026-09-30 15:50
(4)人事処分

前年は第三者委員会による調査継続中の「適正決算に係るリスク」と、自然災害・気候変動に関するリスクが記載されていた。今年は、対米輸出における原産地国表示等の誤りと、それに伴う全社的な内部統制の重要な不備の識別、第三者委員会報告書で判明した多数の会計不正の内容、重要な不備の是正状況(再発防止策は未完了、一部役職員の人事的是正が未完了)が詳細に記載されている。

重要度 2(注目)監査報酬急増2026-09-30 15:50
監査報酬が前年比+958%

提出会社の監査報酬が前年の5.6億円から59.1億円に増加しました(+958%)。

重要度 2(注目)文章の変化2026-09-30 15:50
(5)経理機能の事業部門からの独立性の確保

前年の有価証券報告書には無かった「(5)経理機能の事業部門からの独立性の確保」という項目が新たに追加された。この項目では、経理機能の独立性の確保、経理リソースの確保、経理に関する意識改革・教育、経理ガバナンスの強化が挙げられている。

重要度 2(注目)文章の変化2026-09-30 15:50
(4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上

前年の有価証券報告書には無かった「(4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上」という項目が新たに追加された。内容は、業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上、重要リスク情報の共有体制整備、監査等委員会の実効性向上、取締役会の専門性の多様化、社外取締役のサポート体制の拡充に関する対応策の記載である。

重要度 2(注目)文章の変化2026-09-30 15:50
(3)事業計画策定・管理方法の見直し

前年の有価証券報告書には記載がなかった「(3)事業計画策定・管理方法の見直し」が新たに追加された。内容は、中期経営計画・事業計画の策定ルールの再定義と明文化、検討体制(チーム制)の構築、予実管理における業績管理値の変更、実績分析と次期計画精度向上のための対応策、事業評価基準の計数項目・評価項目の見直しである。記載は「①内部統制に係るリスク」の「主要な対応策」として位置づけられている。

重要度 2(注目)文章の変化2026-09-30 15:50
(1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実

前年の有価証券報告書には記載がなく、新たに「(1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実」の対応策が追加された。内容は、企業風土改革を推進する新組織の設立、階層別企業風土研修、コンプライアンス教育の充実・周知、役員責任調査委員会の設置、関係職員への処分実施および第三者委員会の調査報告書を受けた人事対応などである。これは内部統制に係るリスクの主要な対応策として記載されている。

重要度 2(注目)文章の変化2026-09-30 15:50
(2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開

前年の記載は空で、今年新たに「(2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開」の項目が追加された。内容として「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の策定・展開と、SOP(標準業務手順書)の策定・展開が記載されており、資産評価減の時期調整等の不適切な会計処理に関する内部統制にも言及している。

重要度 1(軽微)臨時報告書2025-12-22 16:13
代表取締役の異動

臨時報告書で代表取締役の異動が開示されました。

重要度 2(注目)臨時報告書2025-11-14 15:32
特別損失の計上(臨時報告書)

臨時報告書で特別損失の計上が開示されました。当中間連結会計期間において、当社グループで契約損失引当金364億71百万円及び非金融資産の減損損失316億74百万円並びに仕入先からの求償請求の和解に伴う債務194億95百万円を売上原価、販売費及び一...

重要度 3(重要)法定期限後の提出2025-09-26 16:44
有価証券報告書を法定期限後に提出

有価証券報告書が法定期限 2025-06-30 から88日過ぎて提出されました。提出期限延長の承認を受けた提出の可能性がありますが、延長承認はEDINET上で確認できず、期限超過からの推定です。決算・監査の遅れ(会計上の問題)の兆候の可能性があります。

重要度 3(重要)内部統制の重要な不備2025-09-26 16:45
内部統制に重要な不備

内部統制報告書で「開示すべき重要な不備」が報告されました。(財務報告に係る内部統制の評価を実施した範囲において、下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当連結会計年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効…)

業績の推移

-10123兆円2021/3期 売上高 1兆6,181億円2022/3期 売上高 1兆9,114億円2023/3期 売上高 2兆2,288億円2024/3期 売上高 2兆3,417億円2025/3期 売上高 2兆6,063億円2026/3期 売上高 2兆7,087億円2021/3期 純利益 1,219億円2022/3期 純利益 1,074億円2023/3期 純利益 -1,638億円2024/3期 純利益 984億円2025/3期 純利益 847億円2026/3期 純利益 -5,646億円2021/32022/32023/32024/32025/32026/32025-12-22 臨時報告書:代表取締役の異動(重要度 1)2025-11-14 臨時報告書:特別損失の計上(臨時報告書)(重要度 2)2025-09-26 法定期限後の提出:有価証券報告書を法定期限後に提出(重要度 3)2025-09-26 内部統制の重要な不備:内部統制に重要な不備(重要度 3)
棒: 売上高 / 折れ線: 純利益(兆円) · 基準: 連結・IFRS · 有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」から。印は危険信号の日付
数値を表で見る
決算期売上高(兆円)純利益(兆円)
2021/31.620.12
2022/31.910.11
2023/32.23-0.16
2024/32.340.1
2025/32.610.08
2026/32.71-0.56

開示データの要約

人的資本

2026-03-31 期(前年 2025-03-31 期比)

平均年収
823万円(+8.2%)
女性管理職比率
9.4%(+0.9pt)
男性育休取得率
44.1%(+1.2pt)
男女賃金差異
73.6%(+2.7pt)
従業員数
1,786人

人的資本ランキング

監査

2026-03-31 期

監査報酬
59.06億円(前年比 +958.4%)
非監査報酬
—
内部統制
重要な不備あり

監査レーダー

大量保有

提出者数
4
報告数
4
最大の保有者
Oasis Management Company Ltd.(9.00%)

保有割合の推移を見る

大株主(法人)

2026-03-31 期(前期 2025-03-31 期との割合の差)

個人株主の内訳は非表示

役員 12 名(うち社外 10 名)、役員の持株合計 0株(2026-03-31 期)

株主を検索する

2026-03-31 期 (提出日 2026-09-30 15:50)

重要度 3(重要)変更事業等のリスク / 新規リスク
(2)事業等のリスク

リスク項目の一覧が再編され、従来の「リスクレベル」「前年との比較評価」の表が削除された。ガバナンスリスクが先頭に移り、新たに「関税に係るリスク」が追加された。内部統制リスクでは、貿易コンプライアンスに関する原産国申告の誤りによる未払関税の過少計上、前期に続き当期にも全社的な内部統制と決算・財務報告プロセスで開示すべき重要な不備を識別し、是正に至っていないと記載された。

前年 / 今年の本文を見る

差分(削除 / 追加)

前掲のリスク評価活動の結果を踏まえて特定された、NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。

リスク項目
リスクレベル
前年との比較評価
1) 経営戦略リスク

① 政治・経済状況の変動に係るリスク
高
-
② 技術環境・産業構造の変化に係るリスク
高
増大
③ 競合に係るリスク
高
-
④ 先行投資に係るリスク
高
-
⑤ M&Aに係るリスク
重大
-
2) 事業運営リスク

① 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク
中
増大
② 研究開発に係るリスク
中
低減
③ 製品の品質に係るリスク
重大
-
④ 原材料・部品調達に係るリスク
中
増大
⑤ 知的財産権に係る訴訟リスク
中
-
⑥ 情報セキュリティに係るリスク
高
-
⑦ 人権に係るリスク
中
-
⑧ 為替に係るリスク
高
-
⑨ 金利の変動に係るリスク
高
-
⑩ 資金の流動性に係るリスク
高
-
⑪ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク
中
低減
3) ガバナンスリスク

① 経営継承に係るリスク
高
-
② 内部統制に係るリスク
重大
-
③ 適正決算に係るリスク
重大
-
1) ガバナンスリスク
① 内部統制に係るリスク※株式会社東京証券取引所による措置に関するリスクは欄外に記載
② 適正決算に係るリスク
③ 経営継承に係るリスク
2) 経営戦略リスク
① 先行投資に係るリスク
② M&Aに係るリスク
③ 政治・経済状況の変動に係るリスク
④ 技術環境・産業構造の変化に係るリスク
⑤ 競合に係るリスク
3) 事業運営リスク
① 関税に係るリスク
② 製品の品質に係るリスク
③ 情報セキュリティに係るリスク
④ 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク
⑤ 研究開発に係るリスク
⑥ 原材料・部品調達に係るリスク
⑦ 知的財産権に係る訴訟リスク
⑧ 人権に係るリスク
⑨ 為替に係るリスク
⑩ 金利の変動に係るリスク
⑪ 資金の流動性に係るリスク
⑫ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク
4) 偶発的リスク

① 自然災害・人的災害に係るリスク
中
-
② 気候変動に係るリスク
高
-

上記の各リスク内容、主要な対応策については、次ページ以降をご参照ください。

1)経営戦略リスク

①政治・経済状況の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、世界40カ国以上に300社を超えるグループ会社を有し、海外売上高比率が約9割に達する等、グローバルに事業を展開しています。そのため、事業を展開する各国・地域における政治・経済情勢の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、近年の米中間の通商問題に代表される保護主義的な貿易政策の台頭、特定国によるレアアース等の重要な原材料に関する輸出規制、更には国家間の緊張の高まりや地域紛争といった地政学的リスクの顕在化は、以下のような形で当社グループに影響を与える可能性があります。
・製品・サービスに対する需要の変動
・原材料・部品の調達難や価格高騰
・サプライチェーンの寸断や非効率化
・製造・物流コストの上昇
・為替レートの急激な変動
・事業活動の制限や停止
これらの事象が複合的に発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
上記のリスクによる影響を最小限に抑えるため、以下の対応策を講じています。
・事業ポートフォリオの最適化と市場分散
特定の国・地域への過度な依存を避け、各市場の特性に応じた事業戦略を展開します。また、成長市場への積極的な進出や製品・技術開発による事業領域の多角化を推進し、リスクの分散を図ります。
・地営地開/地産地消体制(メイド・イン・マーケット戦略)の推進
主要市場において、開発・生産・販売・サービスまでの一貫体制を構築し、現地顧客のニーズに迅速に対応すると共に、関税等の貿易障壁や地政学的変動による影響を低減します。
・サプライチェーンの強靭化と多元化
重要部品や原材料については、特定の調達先に依存しないよう、複数購買化や代替サプライヤーの開拓を常時進めます。また、生産拠点の最適配置や在庫管理の高度化を通じて、サプライチェーン全体の柔軟性と耐性を向上させ、不測の事態にも対応できる体制を構築します。
・情報収集体制の強化と迅速な意思決定
各国・地域の政治・経済動向、通商政策、法規制の変更等に関する情報を適時的確に収集・分析し、経営判断に活かす体制整備に取り組みます。必要に応じて、生産拠点の移管や事業戦略の機動的な見直しを検討します。

②技術環境・産業構造の変化に係るリスク
リスク内容
急速な技術革新や産業構造の変化は、NIDECのビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性があります。特に、AIの進化や自動運転技術の進展に伴い、従来の製品に対する需要が急激に減少する可能性があります。例えば、電動モータやセンサ技術の進化が、従来の機械部品の需要を脅かすことが考えられます。また、競争が激化する中で、新たな市場プレイヤーの台頭や技術の急速な進化が、NIDECの市場シェアを脅かす要因となる可能性があります。これらの変化に対して適切に対応できない場合、売上や利益の減少を招く恐れがあります。
主要な対応策
技術環境・産業構造の変化に対して適切な措置を取れるよう、以下の対応策を講じています。
・研究開発部門の強化
次世代技術の開発に注力することで、新たな市場ニーズに迅速に対応します。
・外部技術の導入や共同開発の促進
他社との戦略的提携やアライアンスを積極的に進め、競争力を高めます。特に、スタートアップ企業との連携を強化し、革新的な技術を迅速に取り込む体制を整えます。
・顧客ニーズの把握
顧客ニーズの変化を的確に把握するためのマーケティングリサーチを強化し、製品ポートフォリオの見直しを行います。
・技術者の力量向上
社内の技術者や専門家による定期的なワークショップを開催する等最新技術に関する知識を全社で共有し、技術環境の変化に対する柔軟性を高めます。

③競合に係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされており、特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向が継続しており、以下のような状況において、NIDECの競争力や収益性が低下する可能性があります。
・競合他社がNIDECの技術開発を上回る速度で新製品を投入し、市場での優位性を確保する場合
・原材料価格の急騰や供給網の混乱によりコスト削減が困難になり、価格競争において不利な立場に置かれる場合
・競合他社が新たなビジネスモデルやサービスを導入し、顧客の選択肢が増加することで、NIDECの製品に対する需要が減少する場合
・業界の再編成が進み、競合他社の合併や提携によって、NIDECの競争環境が一層厳しくなる場合
・国際市場において、地域特有の規制やニーズに適応できず、競争力を失う場合
主要な対応策
市場動向を踏まえた以下5つの注力事業領域を設定し、グループ内の協業・シナジーの最大化を図ることで競争優位性を確保します。
・AI社会を支える
・サステナブル・インフラとエネルギーの追求
・産業の生産効率化
・より良い生活の追求 ー Better Life
・モビリティ・イノベーション
5つの注力事業領域別の当社の取組は、統合報告書2024の8~10頁をご参照ください。
(https://www.nidec.com/jp/sustainability/integrated-report/2024/)

④先行投資に係るリスク
リスク内容
NIDECは、需要の拡大を予測した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。これには以下のリスクが伴います。
・需要が予測を下回った場合、固定資産の稼働率が低下し、減価償却費の増加や過剰在庫の発生による棚卸資産の評価減が生じ、経営成績に悪影響を及ぼすリスク
・競合他社の新製品や技術革新により、当社の製品が市場で競争力を失う可能性があり、その結果として市場シェアが減少するリスク
・経済環境の変化や顧客のニーズの変動により、計画した投資が期待したリターンを得られないリスク
・需要を過小に見積り必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の要求を満たせずシェアを失うリスク
主要な対応策
持続可能な成長を目指し、以下の対応策を講じています。
・ROIC(投下資本利益率)経営
ROICを経営指標のひとつとして導入し、ROIC12%以上の達成を目標に掲げ、収益性と資本効率の両面から改善活動を推進します。
・投資判断に資する新たな仕組みの導入
投資判断に当たり、相対的に収益率の高い事業分野や将来の成長が見込める分野を明確にし、事業により創出した資金を最適に配分できるよう、事業ポートフォリオ戦略を支える新たな体制を構築します。

⑤M&Aに係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成していきました。買収や出資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。また、適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。買収した資産に関して、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、同意なき買収等の新たな買収施策を講じることにより、当社買収方針に対するネガティブキャンペーン等によるレピュテーションリスク発生の可能性があります。
主要な対応策
M&Aリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定
・事前調査を徹底し適正価格で買収
・買収後の迅速かつ徹底したPMI
・当社の経営理念や経営手法を全従業員に深く浸透させ、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化
・M&A活動に係るメディアコミュニケーション等の広報戦略の事前準備

2)事業運営リスク

①高度な専門性を有した人材の確保・保持に係るリスク
リスク内容
NIDECは、目指す姿である「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」、「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を実現するためには、高度な専門性をもつ優れた人材、グローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。人材の流動化や少子高齢化等により人材の獲得競争の激化が懸念される中、これらの人材を確保できなければ、競争優位性を失い、事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、優秀な人材の流出が続く場合、独自技術の流出や長期的な競争力の低下を招く恐れもあります。
主要な対応策
高度な専門性を有した人材の採用・保持のため、以下の対応策を講じています。
・戦略的な人材採用
事業部門の要望を適切に吸い上げ、ターゲットを明確にした採用計画を策定しています。特に新卒採用においては大学や専門機関との連携の強化や、部門とも協力したインターンシッププログラムを通じて優秀な人材の早期獲得を行っています。
・キャリア開発支援
上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシートを活用した上司とのキャリア面談を通じて、社員のキャリア開発を支援しています。また、社内公募等の機会を定期的に設け、社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。
・スキル開発支援
社員の現在や今後の業務に役立つ知識・スキルの習得を支援するためのプログラムを導入し、社員のスキル開発を支援しています。
・グローバル人事戦略コミッティ
事業・地域の枠を超えた適所適材を実現すべく、専門性を有した人材の発掘・開発等グローバルに優先すべき人事課題や施策について、事業・地域の人事キーパーソンが集まり、議論・推進しています。

②研究開発に係るリスク
リスク内容
急速な技術革新が求められる事業環境にあって、NIDECが市場の変化や技術トレンドを適切に把握できず、研究開発の成果を市場に迅速に投入できなければ、競合他社に対して劣位に立たされ、製品の競争力が低下し、売上の減少や市場シェアの喪失を招く可能性があります。また、研究開発活動が期待通りの成果を上げられなかった場合、企業全体の成長戦略に深刻な影響を及ぼし、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
主要な対応策
研究開発に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・グループシナジーの推進
研究開発活動においてもグループシナジーを追求し、高度化、スピード化を図っています。ニデック新川崎テクノロジーセンター、ニデック製品技術研究所台湾センターにおけるモータ全般の要素技術研究、ニデックけいはんなテクノロジーセンターにおける生産技術の進化に主軸を置く研究開発等はその一例です。
・技術戦略コミッティの設置
研究開発機能のグループ横串となる技術戦略コミッティを中心に、市場・技術・顧客動向の予測と要求に沿った新製品・ソリューションの開発に係る課題の見える化、対応をモニタリングし、One NIDECで研究開発に係るリスク管理に当たります。

③製品の品質に係るリスク
リスク内容
近年、顧客の製品品質に対する要求レベルが高度化してきています。安全で高品質な製品を提供できない場合、製品自体の故障のみならず物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があります。このような問題がNIDECの製品を原因として発生した場合、顧客からの求償要求や訴訟、リコールや行政処分に繋がる恐れがあり、その結果として、不良品回収・修理等の損失費用支払い、ブランドイメージの悪化による販売の落込みが発生し、財務的な負担や人的資源の喪失によってNIDECの経営に深刻な悪影響を与えることが懸念されます。
主要な対応策
製品の品質に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・品質保証体制の構築による品質ガバナンスの強化
NIDECグループ全体の品質保証を統括するCQO(Chief Quality Officer)とその実働部隊であるグローバル品質統括本部を設置し、CQOを頂点として事業本部及びグループ各社の品質保証責任者を繋ぐ品質保証体制を構築することによって、品質面でのガバナンス強化を図っています。
・品質横串活動の推進
NIDECグループ全体の品質保証部門が参加する品質会議を定期的に開催し、品質状況や好事例及びトラブル事例等を共有することを通じて、継続的かつ全社的な改善活動を推進しています。
・国際規格に準拠した品質マネジメントシステムの構築と運用
製品に応じた国際規格(ISO9001、IATF16949等)に基づいた品質マネジメントシステムを構築、運用することにより、製品品質の維持・向上を図っています。

④原材料・部品調達に係るリスク
リスク内容
NIDECは、製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化すると生産計画や納期にも深刻な影響を与える恐れがあります。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や、顧客による調達方針の変更により、原材料・部品調達に支障をきたす可能性があります。
主要な対応策
原材料・部品調達に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・サプライヤーのマルチソース化
特定の供給先に依存しない体制を構築しています。これにより、特定の原材料や部品の供給が途絶えた場合も、ほかの供給元から迅速に調達できるようにしています。尚、サプライヤー選定に当たっては、環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮を事前確認しています。
・突発的な需要変動への対応
重要な原材料については、長期契約を締結し、価格変動や供給不足のリスクを軽減しています。更に、在庫管理の最適化を図り、必要な資材を適切に確保することで、突発的な需要変動にも対応できるよう努めています。

⑤知的財産権に係る訴訟リスク
リスク内容
NIDECは、自社技術及びその他の知的財産を、特許権、意匠権、商標権、著作権、営業秘密等の知的財産権として保護しています。しかし、以下のようなリスクが存在します。
・当社が第三者の知的財産権を侵害し、事業の差し止め、損害賠償、特許使用料を求められるリスクがあります。
・第三者により当社の知的財産権が侵害されることで、事業活動が阻害され、競争力が低下するリスクがあります。
・各国の法制度の違いにより、既存の知的財産権が無効になる等で十分に事業が保護されないリスクがあります。
主要な対応策
知的財産に関連するリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じています。
・製品開発の初期段階から第三者の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査を徹底し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの排除を行っています。必要に応じ、外部の法律事務所と連携し、迅速かつ適切な対応を図っています。
・当社の独自技術保護による競争力維持のため、コア技術に関する積極的な知的財産権の取得、維持管理、他社製品の監視、事業活動の保護対応を行うと共に、従業員に対する情報管理教育を徹底、機密情報の流出を防止しています。
・各国の知的財産権の法制度に応じた適切な知的財産権の取得、維持管理を行うことで、国際的な事業の保護を強化しています。
これらの対策により、NIDECは知的財産に関連するリスクを最小限に抑え、持続的な事業成長を目指します。

⑥情報セキュリティに係るリスク
リスク内容
NIDECは、顧客、取引先、従業員に関する機密情報や個人情報を広範に取り扱っています。これらの情報を適切に取り扱うことは、競争上の優位性を確保し、顧客との信頼関係を維持するために不可欠です。情報の管理を巡ってはサイバー攻撃被害や内部の者による不正行為、あるいは人的ミス等により生じる情報セキュリティリスクが存在します。特に情報漏洩が発生した場合NIDECは法的責任を負う可能性があり、これにより多額の賠償金や罰金が発生する恐れがあります。また顧客や取引先からの信頼を失うことで、売上の減少や市場シェアの低下を招き、企業のブランドイメージにも深刻な影響を与えることになります。このような事態はNIDECの持続的成長や経営の安定性に重大なリスクをもたらすことになります。
主要な対応策
情報セキュリティに係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・グループ横断のセキュリティ管理体制の構築(情報セキュリティ専任チームの設置、情報セキュリティ委員会による活動の監視、情報セキュリティ管理責任者及び情報セキュリティ推進責任者の設置)
・社員に対する情報セキュリティ教育の実施
・サイバー攻撃の標的にされやすいVPN(Virtual Private Network;仮想専用通信網)機器の脆弱性点検と是正措置の実施
・サイバー攻撃被害を想定した初期動作と対応体制、組織間のコミュニケーション等をあらかじめ定めた「インシデント対応マニュアル」の整備と定期的な訓練の実施

⑦人権に係るリスク
リスク内容
人権に関する社会的責任が重視されている昨今、特に労働環境、サプライチェーンにおける強制労働や児童労働、差別問題がクローズアップされており、これらの問題に対する企業の姿勢も企業価値を測る評価項目となっています。人権問題への社会的責任を果たさない企業に対する評価は厳しく、これらの問題への対策が不十分な場合には法的制裁やブランド価値の棄損、売上や市場シェアへの影響が懸念されます。
主要な対応策
NIDECは、国際ガイドラインに基づき人権尊重の重要性を認識し、強制労働や児童労働の禁止、差別の排除、適切な労働条件の確保に取り組むと共に、サプライチェーンを活かしてビジネスパートナーやサプライヤーも含めた取り組みを行っています。具体的な活動は以下のとおりです。
・「NIDECグループ人権基本方針」の策定・更新・啓発
2021年には「NIDECグループ人権基本方針」を策定し、全役員と従業員、ビジネスパートナーやサプライヤーにも周知し、遵守を促しています。また、2024年には社会情勢等を踏まえ、本基本方針を改定し、常に企業として必要な取り組みの見直しを行っています。
・人権影響評価の実施
人権影響評価を実施し、事業活動に関連する人権への影響の特定・評価に努めています。2023年度には、NIDECグループの約300拠点に人権に関するセルフアセスメント(SAQ)を実施しています。またサプライヤーに対しても人権に関する設問を含んだSAQを行い、2024年度は1000を超えるサプライヤーから回答をいただきました。この回答結果から、特に人権を中心とした詳細な評価、分析を実施しました。分析からリスクが大きいと判断したサプライヤーに対しては、個別のヒアリングや調査を行い改善活動につなげると共に、人権に関する教育資料を展開しサプライヤーの理解促進を行っています。
・人権への取組体制整備
定期的なモニタリングや教育・研修を通じて職場環境の改善や人権意識の向上を図り、問題発生時には迅速に是正・救済に取り組む体制を整えています。また、社長を議長とするサステナビリティ推進会議及び担当部門により構成される人権分科会の日々の活動を通じて、負の影響の停止・防止・軽減を図っています。人権分科会の取り組みは取締役で構成されるサステナビリティ委員会により監督されており、定期的に報告されています。また、サステナビリティ委員会への報告事項はサステナビリティ委員長より、取締役会に報告されます。

⑧為替に係るリスク
リスク内容
当社の事業はグローバルに展開しており、売上の多くが日本円以外の通貨(米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等)で構成されています。このため、為替レートの変動は当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に円高が進行した場合、海外での売上が円換算で減少し、結果として営業利益や当期利益が圧迫されることになります。また、海外子会社の業績を連結財務諸表に統合する際、為替変動による影響が大きく、特に新興市場における通貨の不安定さがリスク要因となります。更に、外貨建ての資産や負債の変動が為替差損益を引き起こし、財務状況に悪影響を与えることも懸念されます。
主要な対応策
為替リスクを軽減するため、以下の対応策を講じています。
・売上と仕入の外貨建て取引を相殺し、ナチュラルヘッジを活用します。
・定期的に為替リスクの状況をモニタリングし、必要に応じて取引通貨の見直しを実施しています。
・海外市場における多様な通貨での取引を行い、特定通貨への依存度を低下させることでリスク分散を図ります。

⑨金利の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、固定金利や変動金利の長期債権、短期債権、及び有利子負債を保有しており、これらの金利の変動が資金調達コストや投資収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。金利が上昇する場合、借入コストが増加し、これが直接的に利益率やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。
主要な対応策
金利変動リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・金利スワップや金利オプション等のデリバティブ商品を活用し、予測可能な資金調達コストを確保します。
・定期的に金利の動向をモニタリングし、資産及び負債の構成を見直すことでリスクの分散を図ります。また、金利に敏感な資産や負債の比率を最適化します。
・長期的な資金計画においては、複数のシナリオを想定したストレステストを実施し、金利変動に対する耐性を評価することで、迅速な意思決定を支援します。
・経済動向や金融政策の変化を注視し、必要に応じて資金調達戦略を柔軟に見直します。

⑩資金の流動性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業の成長や運営に必要な資金を、主に金融機関からの借入や資本市場からの調達に依存しています。金融市場の変動や経済環境の不確実性により、金融機関による貸付条件の厳格化や、資金調達の機会が制限されるリスクがあります。特に、グローバルな経済状況が悪化した場合、信用格付けの低下や投資家のリスク回避行動が強まり、必要な資金を適切な条件で調達できない可能性が高まります。このような状況下では、運転資金の不足や設備投資の遅延が生じ、結果として事業の成長戦略や競争力に深刻な影響を及ぼすことがあります。また、資金調達コストの上昇や資金繰りの悪化が、財務状況の悪化を招く懸念もあります。
主要な対応策
資金の流動性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・資金調達の多様化
銀行融資や社債発行等の資金調達手段を検討し、資金源を広げます。特に、長期的な資金計画を策定し、短期的な資金需要に対するリスクを軽減するためのストレステストを定期的に実施します。
・運転資金の効率的な管理
在庫管理や売掛金の回収プロセスを見直すことで、キャッシュ・フローを安定化させ、急な資金需要にも迅速に対応できる体制を構築します。
・信用格付けの維持・向上
財務健全性を重視した経営を推進し、透明性の高い財務報告を行います。
・グローバルなキャッシュ・マネジメント・システム
各地域の余剰資金を集約することで、資金の効率的な配分を図ります。

⑪繰延税金資産の不確実性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収可能であるかどうかを継続的に評価する必要があります。経済情勢の変化や業績の悪化、又は新たな規制の導入があった場合、繰延税金資産の回収可能性が大きく影響を受ける可能性があります。このため、当社が繰延税金資産の一部又は全てについて回収不能と判断するリスクが存在し、その結果、利益が減少することが予想されます。特に、競争の激化や市場の変動が影響を及ぼす要因となり、当社の財務健全性に対する圧力が高まることが懸念されます。
主要な対応策
繰延税金資産の不確実性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・繰延税金資産の回収可能性に関する定期的な評価を実施し、業績や市場動向に応じた引当金の見直しを行うためのフレームワークを整備します。
・税務戦略の策定においては、将来の課税所得の見込みを精緻に分析し、シナリオプランニングを通じてリスクを可視化します。
・専門の税務アドバイザーと連携し、最新の税制改正や業界動向に基づいた情報収集を強化し、迅速な意思決定を支援する体制を構築します。

3)ガバナンスリスク

①経営継承に係るリスク
リスク内容
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下において、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
NIDECでは創業者依存から脱却し、集団経営体制の強化を図るため、グループ全体の重要ポストの可視化を進め、経営幹部候補人材の「発掘・開発・動機付け」に力を注いでいます。具体的な取り組みは以下のとおりです。
・発掘
経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論し、安定・継続的な組織運営に努めています。更に、当社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しています。また、次世代の経営幹部候補を発掘すべく、サクセッションプランを参考に、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材の特定をグローバル人事戦略コミッティを中心に進めています。
・開発
それぞれの事業本部の中での人材開発を基本としつつも、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材については、更なる開発施策を提供しています。
(例)企業再建や抜擢登用等のタフアサインメント
当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾
グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得を目的としたグローバル経営大学校
※グローバル経営大学校については、グローバル人事戦略コミッティ発足後、更なる改善に向けて取り組みの見直しを進めています。
・動機付け
経営幹部及び幹部候補人材の発掘・開発のみにとどまらず、動機付けを行うことも、集団経営体制の強化を図る上で重要となります。
上記の開発施策の提供のほか、各種報酬の仕組みの定期的な見直し等を通じて動機付け・定着を図っています。
更に2025年4月1日付けで役員体制の見直し及びチーフオフィサー制の強化を実施しています。CxOを中心に新たにグローバル本社体制を構築し、創業者の強いリーダーシップによる経営から仕組み化された組織機能体制とすることで、各事業部門リーダーと各機能リーダー(CxO)が連携して、今後の様々な事業課題の解消に向けてスピーディーかつ大胆な改革を推進していく経営体制とします。
1)ガバナンスリスク

②内部統制に係るリスク
①内部統制に係るリスク
リスク内容
(過年度の開示すべき重要な不備)
当社グループは、コンプライアンス遵守、財務報告の適正性確保を達成するために内部統制システムを整備し、運用してまいりましたが、過年度決算において当社の連結子会社において、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について調整対象を誤認し、売上高が過大に計上されていることが判明し、2023年3月期及び2024年3月期の決算・財務報告プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、前連結会計年度末における財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、以下の再発防止策を実行し、内部統制の改善状況を確認してまいりました。(貿易コンプライアンスに関する内部統制)
前連結会計年度に、当社の連結子会社において、製造したモータの原産国申告の誤りに伴う未払関税額の過少計上が判明し、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識し、前連結会計年度の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスの内部統制に開示すべき重要な不備を識別しました。当社は、以下の再発防止策を実施してはいるものの、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別したことから、開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。

前年

前掲のリスク評価活動の結果を踏まえて特定された、NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。

リスク項目
リスクレベル
前年との比較評価
1) 経営戦略リスク

① 政治・経済状況の変動に係るリスク
高
-
② 技術環境・産業構造の変化に係るリスク
高
増大
③ 競合に係るリスク
高
-
④ 先行投資に係るリスク
高
-
⑤ M&Aに係るリスク
重大
-
2) 事業運営リスク

① 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク
中
増大
② 研究開発に係るリスク
中
低減
③ 製品の品質に係るリスク
重大
-
④ 原材料・部品調達に係るリスク
中
増大
⑤ 知的財産権に係る訴訟リスク
中
-
⑥ 情報セキュリティに係るリスク
高
-
⑦ 人権に係るリスク
中
-
⑧ 為替に係るリスク
高
-
⑨ 金利の変動に係るリスク
高
-
⑩ 資金の流動性に係るリスク
高
-
⑪ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク
中
低減
3) ガバナンスリスク

① 経営継承に係るリスク
高
-
② 内部統制に係るリスク
重大
-
③ 適正決算に係るリスク
重大
-
4) 偶発的リスク

① 自然災害・人的災害に係るリスク
中
-
② 気候変動に係るリスク
高
-

上記の各リスク内容、主要な対応策については、次ページ以降をご参照ください。

1)経営戦略リスク

①政治・経済状況の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、世界40カ国以上に300社を超えるグループ会社を有し、海外売上高比率が約9割に達する等、グローバルに事業を展開しています。そのため、事業を展開する各国・地域における政治・経済情勢の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、近年の米中間の通商問題に代表される保護主義的な貿易政策の台頭、特定国によるレアアース等の重要な原材料に関する輸出規制、更には国家間の緊張の高まりや地域紛争といった地政学的リスクの顕在化は、以下のような形で当社グループに影響を与える可能性があります。
・製品・サービスに対する需要の変動
・原材料・部品の調達難や価格高騰
・サプライチェーンの寸断や非効率化
・製造・物流コストの上昇
・為替レートの急激な変動
・事業活動の制限や停止
これらの事象が複合的に発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
上記のリスクによる影響を最小限に抑えるため、以下の対応策を講じています。
・事業ポートフォリオの最適化と市場分散
特定の国・地域への過度な依存を避け、各市場の特性に応じた事業戦略を展開します。また、成長市場への積極的な進出や製品・技術開発による事業領域の多角化を推進し、リスクの分散を図ります。
・地営地開/地産地消体制(メイド・イン・マーケット戦略)の推進
主要市場において、開発・生産・販売・サービスまでの一貫体制を構築し、現地顧客のニーズに迅速に対応すると共に、関税等の貿易障壁や地政学的変動による影響を低減します。
・サプライチェーンの強靭化と多元化
重要部品や原材料については、特定の調達先に依存しないよう、複数購買化や代替サプライヤーの開拓を常時進めます。また、生産拠点の最適配置や在庫管理の高度化を通じて、サプライチェーン全体の柔軟性と耐性を向上させ、不測の事態にも対応できる体制を構築します。
・情報収集体制の強化と迅速な意思決定
各国・地域の政治・経済動向、通商政策、法規制の変更等に関する情報を適時的確に収集・分析し、経営判断に活かす体制整備に取り組みます。必要に応じて、生産拠点の移管や事業戦略の機動的な見直しを検討します。

②技術環境・産業構造の変化に係るリスク
リスク内容
急速な技術革新や産業構造の変化は、NIDECのビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性があります。特に、AIの進化や自動運転技術の進展に伴い、従来の製品に対する需要が急激に減少する可能性があります。例えば、電動モータやセンサ技術の進化が、従来の機械部品の需要を脅かすことが考えられます。また、競争が激化する中で、新たな市場プレイヤーの台頭や技術の急速な進化が、NIDECの市場シェアを脅かす要因となる可能性があります。これらの変化に対して適切に対応できない場合、売上や利益の減少を招く恐れがあります。
主要な対応策
技術環境・産業構造の変化に対して適切な措置を取れるよう、以下の対応策を講じています。
・研究開発部門の強化
次世代技術の開発に注力することで、新たな市場ニーズに迅速に対応します。
・外部技術の導入や共同開発の促進
他社との戦略的提携やアライアンスを積極的に進め、競争力を高めます。特に、スタートアップ企業との連携を強化し、革新的な技術を迅速に取り込む体制を整えます。
・顧客ニーズの把握
顧客ニーズの変化を的確に把握するためのマーケティングリサーチを強化し、製品ポートフォリオの見直しを行います。
・技術者の力量向上
社内の技術者や専門家による定期的なワークショップを開催する等最新技術に関する知識を全社で共有し、技術環境の変化に対する柔軟性を高めます。

③競合に係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業を行う様々な市場で激しい競争にさらされており、特に車載、家電市場においては、新興国の地場メーカーの台頭で競争が激化する傾向が継続しており、以下のような状況において、NIDECの競争力や収益性が低下する可能性があります。
・競合他社がNIDECの技術開発を上回る速度で新製品を投入し、市場での優位性を確保する場合
・原材料価格の急騰や供給網の混乱によりコスト削減が困難になり、価格競争において不利な立場に置かれる場合
・競合他社が新たなビジネスモデルやサービスを導入し、顧客の選択肢が増加することで、NIDECの製品に対する需要が減少する場合
・業界の再編成が進み、競合他社の合併や提携によって、NIDECの競争環境が一層厳しくなる場合
・国際市場において、地域特有の規制やニーズに適応できず、競争力を失う場合
主要な対応策
市場動向を踏まえた以下5つの注力事業領域を設定し、グループ内の協業・シナジーの最大化を図ることで競争優位性を確保します。
・AI社会を支える
・サステナブル・インフラとエネルギーの追求
・産業の生産効率化
・より良い生活の追求 ー Better Life
・モビリティ・イノベーション
5つの注力事業領域別の当社の取組は、統合報告書2024の8~10頁をご参照ください。
(https://www.nidec.com/jp/sustainability/integrated-report/2024/)

④先行投資に係るリスク
リスク内容
NIDECは、需要の拡大を予測した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。これには以下のリスクが伴います。
・需要が予測を下回った場合、固定資産の稼働率が低下し、減価償却費の増加や過剰在庫の発生による棚卸資産の評価減が生じ、経営成績に悪影響を及ぼすリスク
・競合他社の新製品や技術革新により、当社の製品が市場で競争力を失う可能性があり、その結果として市場シェアが減少するリスク
・経済環境の変化や顧客のニーズの変動により、計画した投資が期待したリターンを得られないリスク
・需要を過小に見積り必要な設備投資を行わなかった場合、顧客の要求を満たせずシェアを失うリスク
主要な対応策
持続可能な成長を目指し、以下の対応策を講じています。
・ROIC(投下資本利益率)経営
ROICを経営指標のひとつとして導入し、ROIC12%以上の達成を目標に掲げ、収益性と資本効率の両面から改善活動を推進します。
・投資判断に資する新たな仕組みの導入
投資判断に当たり、相対的に収益率の高い事業分野や将来の成長が見込める分野を明確にし、事業により創出した資金を最適に配分できるよう、事業ポートフォリオ戦略を支える新たな体制を構築します。

⑤M&Aに係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成していきました。買収や出資活動を継続的に成功させることは、NIDECの事業戦略を達成する上で極めて重要な要素です。市場が急速に変化する中で、ビジネスモデルの転換に必要な技術を適確に選択・買収することが出来なかった場合に、市場の成長スピードに追随できなくなる可能性があります。また、適切な買収や出資の対象会社を見つけることができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。買収した資産に関して、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、同意なき買収等の新たな買収施策を講じることにより、当社買収方針に対するネガティブキャンペーン等によるレピュテーションリスク発生の可能性があります。
主要な対応策
M&Aリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定
・事前調査を徹底し適正価格で買収
・買収後の迅速かつ徹底したPMI
・当社の経営理念や経営手法を全従業員に深く浸透させ、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化
・M&A活動に係るメディアコミュニケーション等の広報戦略の事前準備

2)事業運営リスク

①高度な専門性を有した人材の確保・保持に係るリスク
リスク内容
NIDECは、目指す姿である「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」、「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」を実現するためには、高度な専門性をもつ優れた人材、グローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。人材の流動化や少子高齢化等により人材の獲得競争の激化が懸念される中、これらの人材を確保できなければ、競争優位性を失い、事業成長に悪影響を及ぼす可能性があります。また、優秀な人材の流出が続く場合、独自技術の流出や長期的な競争力の低下を招く恐れもあります。
主要な対応策
高度な専門性を有した人材の採用・保持のため、以下の対応策を講じています。
・戦略的な人材採用
事業部門の要望を適切に吸い上げ、ターゲットを明確にした採用計画を策定しています。特に新卒採用においては大学や専門機関との連携の強化や、部門とも協力したインターンシッププログラムを通じて優秀な人材の早期獲得を行っています。
・キャリア開発支援
上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシートを活用した上司とのキャリア面談を通じて、社員のキャリア開発を支援しています。また、社内公募等の機会を定期的に設け、社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。
・スキル開発支援
社員の現在や今後の業務に役立つ知識・スキルの習得を支援するためのプログラムを導入し、社員のスキル開発を支援しています。
・グローバル人事戦略コミッティ
事業・地域の枠を超えた適所適材を実現すべく、専門性を有した人材の発掘・開発等グローバルに優先すべき人事課題や施策について、事業・地域の人事キーパーソンが集まり、議論・推進しています。

②研究開発に係るリスク
リスク内容
急速な技術革新が求められる事業環境にあって、NIDECが市場の変化や技術トレンドを適切に把握できず、研究開発の成果を市場に迅速に投入できなければ、競合他社に対して劣位に立たされ、製品の競争力が低下し、売上の減少や市場シェアの喪失を招く可能性があります。また、研究開発活動が期待通りの成果を上げられなかった場合、企業全体の成長戦略に深刻な影響を及ぼし、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
主要な対応策
研究開発に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・グループシナジーの推進
研究開発活動においてもグループシナジーを追求し、高度化、スピード化を図っています。ニデック新川崎テクノロジーセンター、ニデック製品技術研究所台湾センターにおけるモータ全般の要素技術研究、ニデックけいはんなテクノロジーセンターにおける生産技術の進化に主軸を置く研究開発等はその一例です。
・技術戦略コミッティの設置
研究開発機能のグループ横串となる技術戦略コミッティを中心に、市場・技術・顧客動向の予測と要求に沿った新製品・ソリューションの開発に係る課題の見える化、対応をモニタリングし、One NIDECで研究開発に係るリスク管理に当たります。

③製品の品質に係るリスク
リスク内容
近年、顧客の製品品質に対する要求レベルが高度化してきています。安全で高品質な製品を提供できない場合、製品自体の故障のみならず物損や人命に係る事故へ繋がる可能性があります。このような問題がNIDECの製品を原因として発生した場合、顧客からの求償要求や訴訟、リコールや行政処分に繋がる恐れがあり、その結果として、不良品回収・修理等の損失費用支払い、ブランドイメージの悪化による販売の落込みが発生し、財務的な負担や人的資源の喪失によってNIDECの経営に深刻な悪影響を与えることが懸念されます。
主要な対応策
製品の品質に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・品質保証体制の構築による品質ガバナンスの強化
NIDECグループ全体の品質保証を統括するCQO(Chief Quality Officer)とその実働部隊であるグローバル品質統括本部を設置し、CQOを頂点として事業本部及びグループ各社の品質保証責任者を繋ぐ品質保証体制を構築することによって、品質面でのガバナンス強化を図っています。
・品質横串活動の推進
NIDECグループ全体の品質保証部門が参加する品質会議を定期的に開催し、品質状況や好事例及びトラブル事例等を共有することを通じて、継続的かつ全社的な改善活動を推進しています。
・国際規格に準拠した品質マネジメントシステムの構築と運用
製品に応じた国際規格(ISO9001、IATF16949等)に基づいた品質マネジメントシステムを構築、運用することにより、製品品質の維持・向上を図っています。

④原材料・部品調達に係るリスク
リスク内容
NIDECは、製品の製造に必要な原材料及び部品の多くを外部から調達していることから、それらの需給環境が極端に悪化すると生産計画や納期にも深刻な影響を与える恐れがあります。また、原材料の種類や部品の使用条件等に関わる各国政府政策の変更や、顧客による調達方針の変更により、原材料・部品調達に支障をきたす可能性があります。
主要な対応策
原材料・部品調達に係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・サプライヤーのマルチソース化
特定の供給先に依存しない体制を構築しています。これにより、特定の原材料や部品の供給が途絶えた場合も、ほかの供給元から迅速に調達できるようにしています。尚、サプライヤー選定に当たっては、環境、人権、労働環境、資源入手可能性への配慮を事前確認しています。
・突発的な需要変動への対応
重要な原材料については、長期契約を締結し、価格変動や供給不足のリスクを軽減しています。更に、在庫管理の最適化を図り、必要な資材を適切に確保することで、突発的な需要変動にも対応できるよう努めています。

⑤知的財産権に係る訴訟リスク
リスク内容
NIDECは、自社技術及びその他の知的財産を、特許権、意匠権、商標権、著作権、営業秘密等の知的財産権として保護しています。しかし、以下のようなリスクが存在します。
・当社が第三者の知的財産権を侵害し、事業の差し止め、損害賠償、特許使用料を求められるリスクがあります。
・第三者により当社の知的財産権が侵害されることで、事業活動が阻害され、競争力が低下するリスクがあります。
・各国の法制度の違いにより、既存の知的財産権が無効になる等で十分に事業が保護されないリスクがあります。
主要な対応策
知的財産に関連するリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じています。
・製品開発の初期段階から第三者の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査を徹底し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの排除を行っています。必要に応じ、外部の法律事務所と連携し、迅速かつ適切な対応を図っています。
・当社の独自技術保護による競争力維持のため、コア技術に関する積極的な知的財産権の取得、維持管理、他社製品の監視、事業活動の保護対応を行うと共に、従業員に対する情報管理教育を徹底、機密情報の流出を防止しています。
・各国の知的財産権の法制度に応じた適切な知的財産権の取得、維持管理を行うことで、国際的な事業の保護を強化しています。
これらの対策により、NIDECは知的財産に関連するリスクを最小限に抑え、持続的な事業成長を目指します。

⑥情報セキュリティに係るリスク
リスク内容
NIDECは、顧客、取引先、従業員に関する機密情報や個人情報を広範に取り扱っています。これらの情報を適切に取り扱うことは、競争上の優位性を確保し、顧客との信頼関係を維持するために不可欠です。情報の管理を巡ってはサイバー攻撃被害や内部の者による不正行為、あるいは人的ミス等により生じる情報セキュリティリスクが存在します。特に情報漏洩が発生した場合NIDECは法的責任を負う可能性があり、これにより多額の賠償金や罰金が発生する恐れがあります。また顧客や取引先からの信頼を失うことで、売上の減少や市場シェアの低下を招き、企業のブランドイメージにも深刻な影響を与えることになります。このような事態はNIDECの持続的成長や経営の安定性に重大なリスクをもたらすことになります。
主要な対応策
情報セキュリティに係るリスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・グループ横断のセキュリティ管理体制の構築(情報セキュリティ専任チームの設置、情報セキュリティ委員会による活動の監視、情報セキュリティ管理責任者及び情報セキュリティ推進責任者の設置)
・社員に対する情報セキュリティ教育の実施
・サイバー攻撃の標的にされやすいVPN(Virtual Private Network;仮想専用通信網)機器の脆弱性点検と是正措置の実施
・サイバー攻撃被害を想定した初期動作と対応体制、組織間のコミュニケーション等をあらかじめ定めた「インシデント対応マニュアル」の整備と定期的な訓練の実施

⑦人権に係るリスク
リスク内容
人権に関する社会的責任が重視されている昨今、特に労働環境、サプライチェーンにおける強制労働や児童労働、差別問題がクローズアップされており、これらの問題に対する企業の姿勢も企業価値を測る評価項目となっています。人権問題への社会的責任を果たさない企業に対する評価は厳しく、これらの問題への対策が不十分な場合には法的制裁やブランド価値の棄損、売上や市場シェアへの影響が懸念されます。
主要な対応策
NIDECは、国際ガイドラインに基づき人権尊重の重要性を認識し、強制労働や児童労働の禁止、差別の排除、適切な労働条件の確保に取り組むと共に、サプライチェーンを活かしてビジネスパートナーやサプライヤーも含めた取り組みを行っています。具体的な活動は以下のとおりです。
・「NIDECグループ人権基本方針」の策定・更新・啓発
2021年には「NIDECグループ人権基本方針」を策定し、全役員と従業員、ビジネスパートナーやサプライヤーにも周知し、遵守を促しています。また、2024年には社会情勢等を踏まえ、本基本方針を改定し、常に企業として必要な取り組みの見直しを行っています。
・人権影響評価の実施
人権影響評価を実施し、事業活動に関連する人権への影響の特定・評価に努めています。2023年度には、NIDECグループの約300拠点に人権に関するセルフアセスメント(SAQ)を実施しています。またサプライヤーに対しても人権に関する設問を含んだSAQを行い、2024年度は1000を超えるサプライヤーから回答をいただきました。この回答結果から、特に人権を中心とした詳細な評価、分析を実施しました。分析からリスクが大きいと判断したサプライヤーに対しては、個別のヒアリングや調査を行い改善活動につなげると共に、人権に関する教育資料を展開しサプライヤーの理解促進を行っています。
・人権への取組体制整備
定期的なモニタリングや教育・研修を通じて職場環境の改善や人権意識の向上を図り、問題発生時には迅速に是正・救済に取り組む体制を整えています。また、社長を議長とするサステナビリティ推進会議及び担当部門により構成される人権分科会の日々の活動を通じて、負の影響の停止・防止・軽減を図っています。人権分科会の取り組みは取締役で構成されるサステナビリティ委員会により監督されており、定期的に報告されています。また、サステナビリティ委員会への報告事項はサステナビリティ委員長より、取締役会に報告されます。

⑧為替に係るリスク
リスク内容
当社の事業はグローバルに展開しており、売上の多くが日本円以外の通貨(米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等)で構成されています。このため、為替レートの変動は当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に円高が進行した場合、海外での売上が円換算で減少し、結果として営業利益や当期利益が圧迫されることになります。また、海外子会社の業績を連結財務諸表に統合する際、為替変動による影響が大きく、特に新興市場における通貨の不安定さがリスク要因となります。更に、外貨建ての資産や負債の変動が為替差損益を引き起こし、財務状況に悪影響を与えることも懸念されます。
主要な対応策
為替リスクを軽減するため、以下の対応策を講じています。
・売上と仕入の外貨建て取引を相殺し、ナチュラルヘッジを活用します。
・定期的に為替リスクの状況をモニタリングし、必要に応じて取引通貨の見直しを実施しています。
・海外市場における多様な通貨での取引を行い、特定通貨への依存度を低下させることでリスク分散を図ります。

⑨金利の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、固定金利や変動金利の長期債権、短期債権、及び有利子負債を保有しており、これらの金利の変動が資金調達コストや投資収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。金利が上昇する場合、借入コストが増加し、これが直接的に利益率やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。
主要な対応策
金利変動リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・金利スワップや金利オプション等のデリバティブ商品を活用し、予測可能な資金調達コストを確保します。
・定期的に金利の動向をモニタリングし、資産及び負債の構成を見直すことでリスクの分散を図ります。また、金利に敏感な資産や負債の比率を最適化します。
・長期的な資金計画においては、複数のシナリオを想定したストレステストを実施し、金利変動に対する耐性を評価することで、迅速な意思決定を支援します。
・経済動向や金融政策の変化を注視し、必要に応じて資金調達戦略を柔軟に見直します。

⑩資金の流動性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業の成長や運営に必要な資金を、主に金融機関からの借入や資本市場からの調達に依存しています。金融市場の変動や経済環境の不確実性により、金融機関による貸付条件の厳格化や、資金調達の機会が制限されるリスクがあります。特に、グローバルな経済状況が悪化した場合、信用格付けの低下や投資家のリスク回避行動が強まり、必要な資金を適切な条件で調達できない可能性が高まります。このような状況下では、運転資金の不足や設備投資の遅延が生じ、結果として事業の成長戦略や競争力に深刻な影響を及ぼすことがあります。また、資金調達コストの上昇や資金繰りの悪化が、財務状況の悪化を招く懸念もあります。
主要な対応策
資金の流動性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・資金調達の多様化
銀行融資や社債発行等の資金調達手段を検討し、資金源を広げます。特に、長期的な資金計画を策定し、短期的な資金需要に対するリスクを軽減するためのストレステストを定期的に実施します。
・運転資金の効率的な管理
在庫管理や売掛金の回収プロセスを見直すことで、キャッシュ・フローを安定化させ、急な資金需要にも迅速に対応できる体制を構築します。
・信用格付けの維持・向上
財務健全性を重視した経営を推進し、透明性の高い財務報告を行います。
・グローバルなキャッシュ・マネジメント・システム
各地域の余剰資金を集約することで、資金の効率的な配分を図ります。

⑪繰延税金資産の不確実性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収可能であるかどうかを継続的に評価する必要があります。経済情勢の変化や業績の悪化、又は新たな規制の導入があった場合、繰延税金資産の回収可能性が大きく影響を受ける可能性があります。このため、当社が繰延税金資産の一部又は全てについて回収不能と判断するリスクが存在し、その結果、利益が減少することが予想されます。特に、競争の激化や市場の変動が影響を及ぼす要因となり、当社の財務健全性に対する圧力が高まることが懸念されます。
主要な対応策
繰延税金資産の不確実性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・繰延税金資産の回収可能性に関する定期的な評価を実施し、業績や市場動向に応じた引当金の見直しを行うためのフレームワークを整備します。
・税務戦略の策定においては、将来の課税所得の見込みを精緻に分析し、シナリオプランニングを通じてリスクを可視化します。
・専門の税務アドバイザーと連携し、最新の税制改正や業界動向に基づいた情報収集を強化し、迅速な意思決定を支援する体制を構築します。

3)ガバナンスリスク

①経営継承に係るリスク
リスク内容
NIDECの継続的な成功は主にNIDECの創業者である永守重信氏の能力と手腕に依存してきました。様々な経済的・政治的なリスクが顕在化している昨今の状況下において、NIDECの創業精神でもある「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」という成長を牽引する原動力となる新たなリーダーを輩出することができない場合、そのことがNIDECの事業、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
NIDECでは創業者依存から脱却し、集団経営体制の強化を図るため、グループ全体の重要ポストの可視化を進め、経営幹部候補人材の「発掘・開発・動機付け」に力を注いでいます。具体的な取り組みは以下のとおりです。
・発掘
経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論し、安定・継続的な組織運営に努めています。更に、当社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しています。また、次世代の経営幹部候補を発掘すべく、サクセッションプランを参考に、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材の特定をグローバル人事戦略コミッティを中心に進めています。
・開発
それぞれの事業本部の中での人材開発を基本としつつも、特に地域や事業を跨いで開発すべき人材については、更なる開発施策を提供しています。
(例)企業再建や抜擢登用等のタフアサインメント
当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾
グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得を目的としたグローバル経営大学校
※グローバル経営大学校については、グローバル人事戦略コミッティ発足後、更なる改善に向けて取り組みの見直しを進めています。
・動機付け
経営幹部及び幹部候補人材の発掘・開発のみにとどまらず、動機付けを行うことも、集団経営体制の強化を図る上で重要となります。
上記の開発施策の提供のほか、各種報酬の仕組みの定期的な見直し等を通じて動機付け・定着を図っています。
更に2025年4月1日付けで役員体制の見直し及びチーフオフィサー制の強化を実施しています。CxOを中心に新たにグローバル本社体制を構築し、創業者の強いリーダーシップによる経営から仕組み化された組織機能体制とすることで、各事業部門リーダーと各機能リーダー(CxO)が連携して、今後の様々な事業課題の解消に向けてスピーディーかつ大胆な改革を推進していく経営体制とします。

②内部統制に係るリスク
リスク内容
(過年度の開示すべき重要な不備)
当社グループは、コンプライアンス遵守、財務報告の適正性確保を達成するために内部統制システムを整備し、運用してまいりましたが、過年度決算において当社の連結子会社において、連結決算手続における当社グループの連結子会社間取引を伴う売上高等の連結調整の一部について調整対象を誤認し、売上高が過大に計上されていることが判明し、2023年3月期及び2024年3月期の決算・財務報告プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、前連結会計年度末における財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備を是正するために、以下の再発防止策を実行し、内部統制の改善状況を確認してまいりました。

今年

NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。

リスク項目
1) ガバナンスリスク
① 内部統制に係るリスク※株式会社東京証券取引所による措置に関するリスクは欄外に記載
② 適正決算に係るリスク
③ 経営継承に係るリスク
2) 経営戦略リスク
① 先行投資に係るリスク
② M&Aに係るリスク
③ 政治・経済状況の変動に係るリスク
④ 技術環境・産業構造の変化に係るリスク
⑤ 競合に係るリスク
3) 事業運営リスク
① 関税に係るリスク
② 製品の品質に係るリスク
③ 情報セキュリティに係るリスク
④ 高度な専門性を有した人材の採用・保持に係るリスク
⑤ 研究開発に係るリスク
⑥ 原材料・部品調達に係るリスク
⑦ 知的財産権に係る訴訟リスク
⑧ 人権に係るリスク
⑨ 為替に係るリスク
⑩ 金利の変動に係るリスク
⑪ 資金の流動性に係るリスク
⑫ 繰延税金資産の不確実性に係るリスク
4) 偶発的リスク
① 自然災害・人的災害に係るリスク
② 気候変動に係るリスク

1)ガバナンスリスク

①内部統制に係るリスク
リスク内容
(貿易コンプライアンスに関する内部統制)
前連結会計年度に、当社の連結子会社において、製造したモータの原産国申告の誤りに伴う未払関税額の過少計上が判明し、問題認識後に適時に連結財務諸表に反映できなかった親会社としての当社に主な原因があったものと認識し、前連結会計年度の全社的な内部統制(情報と伝達)及び経理決算プロセスの内部統制に開示すべき重要な不備を識別しました。当社は、以下の再発防止策を実施してはいるものの、当連結会計年度において新たに全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制に開示すべき重要な不備を識別したことから、開示すべき重要な不備の是正には至っていないものと評価しております。
重要度 3(重要)変更事業等のリスク / 記載の強化
(4)人事処分

前年は第三者委員会設置後の調査継続中という段階の記載だったが、今年は第三者委員会の調査報告書(2026年2月27日)と追補(同年4月17日)を受領し、多岐にわたる拠点での多数の会計不正の具体的内容(減損・評価損・引当金の計上回避、売上の先行計上等)が判明したと記載された。さらに、対米輸出における原産地国表示等の誤りが発見され、全社的内部統制および全業務プロセスについて開示すべき重要な不備が識別され、不適切会計に関与した役職員の人事的是正措置が未完了である旨が追加された。

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・適切な人事処分の実施

③適正決算に係るリスク
リスク内容
当社は、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの連結財務諸表全体又は財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。
また、これとは別に、当社は、貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しています。
現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中であり、調査により虚偽表示が識別された場合には、連結財務諸表又は財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があります。
第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の詳細につきましては、連結財務諸表の「連結財務諸表注記」(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)及び財務諸表の「注記事項」(第三者委員会の調査及びその他の社内調査等について)に記載しています。また、当連結会計年度において、上記連結子会社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。このため、当社の各拠点からの対米輸出(2021年3月期から2026年3月期まで)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象に統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。
主要な対応策
当社は、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の一環としての外部専門家による調査に対し、全面的に協力してまいります。現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中です。第三者委員会等からの調査報告書を受領次第、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の財務諸表に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、過年度及び当年度の有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針です。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示します。この誤りは、関係者の貿易知識やコンプライアンス意識が十分でなかったことに加え、当社グループにおいて貿易業務の標準化が十分でなかったことが原因として挙げられることから、全社的な内部統制(統制環境及び統制活動)に係る不備を識別しております。この不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社は、再発防止の取り組みを今後も継続的に実行し、内部統制の強化を図ってまいりますが、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
4)偶発的リスク

①自然災害・人的災害に係るリスク
①内部統制に係るリスク
リスク内容
NIDECが事業を展開する国内外の地域において、自然災害(地震、台風、洪水等)や人的災害(戦争、紛争、テロ等)は、企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、主要な製造拠点やサプライチェーンが集中する地域で大規模な災害が発生した場合、製品の生産や供給が停滞し、顧客への納品遅延や生産コストの上昇を招く恐れがあります。また、これに伴い、企業のブランドイメージや顧客信頼度が低下し、長期的な収益に悪影響を与える可能性があります。(資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制)
当社は、当社及びグループ会社の一部の経営陣の関与又は認識の下で行われた資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等、連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会の設置を決議し、第三者委員会から2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に調査報告書追補を受領しました。その結果、過年度を含め、当社グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正(以下、調査報告書及び調査報告書追補で明らかになった事実を「本事案」といいます。)が判明しました。判明した会計不正の主な内容は以下のとおりであり、その内容は多岐にわたっていました。
主要な対応策
自然災害・人的災害に係るリスク低減のため、以下の対策を講じています。・将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く資産性がない原材料及び製品等について資産性が認められると偽ることによる棚卸資産評価損の計上回避
・固定資産の減損テストの前提となる売上計画の中に実現確度が低い案件を含めることによる減損損失の計上回避
・転用困難な固定資産についての虚偽の説明による減損損失の計上回避
・製品の開発中止に伴う契約損失引当金の未計上
・不良債権に係る貸倒引当金の未計上
・棚卸資産の実地棚卸結果を偽ることによる棚卸資産の過大計上
・固定資産に計上することが適切ではない人件費を付随費用として資産計上し減価償却を通じて費用化することによる費用計上時期を先延ばし
・将来の経済的便益の獲得に寄与しないと判断されていた品質改善費用や研究開発費用の意図的な資産計上
・未出荷販売としての実態を伴わない売上の先行計上
当社は、本事案に関する第三者委員会による調査及び第三者委員会の管理・監督の下で会計処理の適切性を調査する自己点検により判明した事実とその原因分析に関する報告等を踏まえ、財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、当社及び連結子会社の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備を識別しており、これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
・リスクモニタリング
世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。また、全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備の影響が重要かつ広範であり、業務プロセスに係る内部統制が有効に機能する基盤を欠いていた状況であり、評価対象とした全ての業務プロセスについても不備を識別し、いずれも財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
・リスク分散
生産拠点の地理的分散やサプライチェーンの二重化により、災害発生時の影響を最小限に抑えることに努めています。当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために再発防止策を速やかに策定し、その実行に取り組んでおります。もっとも、当連結会計年度末において再発防止策の実行は完了しておらず、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
・リスク転嫁
損害保険を付保し、損害発生時の財務的な影響の低減を図ります。なお、当社は、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点において、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っているため、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
・事業継続管理
事業の中断に備え、「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」を整備し、国内外の拠点で訓練を実施しています。
①内部統制に係るリスク
主要な対応策
当社は、2026年3月期の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセス、並びに経理決算プロセスの開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しております。これらの対応策を確実に実行し、その実行状況を継続的にモニタリングすることにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。
②気候変動に係るリスク
リスク内容
気候変動は、企業の持続可能性や競争力に対する重大な脅威であり、特に製造業においてはその影響が顕著です。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動に係るリスクの詳細及び対応策につきましては「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。
主要な対応策
「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。(貿易コンプライアンスに関する内部統制)

前年

・適切な人事処分の実施

③適正決算に係るリスク
リスク内容
当社は、当社及びグループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整などの連結財務諸表全体又は財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。
また、これとは別に、当社は、貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しています。
現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中であり、調査により虚偽表示が識別された場合には、連結財務諸表又は財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があります。
第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の詳細につきましては、連結財務諸表の「連結財務諸表注記」(第三者委員会による調査及びその他の社内調査等について)及び財務諸表の「注記事項」(第三者委員会の調査及びその他の社内調査等について)に記載しています。
主要な対応策
当社は、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の一環としての外部専門家による調査に対し、全面的に協力してまいります。現時点において、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等は継続中です。第三者委員会等からの調査報告書を受領次第、再発防止策の策定及び実施を迅速に行います。また、過年度及び当年度の財務諸表に訂正すべき重要な虚偽表示が識別された場合には、過年度及び当年度の有価証券報告書の訂正等を含め、適切な対応を行う方針です。その際には、訂正の内容、影響額等を速やかに開示します。

4)偶発的リスク

①自然災害・人的災害に係るリスク
リスク内容
NIDECが事業を展開する国内外の地域において、自然災害(地震、台風、洪水等)や人的災害(戦争、紛争、テロ等)は、企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、主要な製造拠点やサプライチェーンが集中する地域で大規模な災害が発生した場合、製品の生産や供給が停滞し、顧客への納品遅延や生産コストの上昇を招く恐れがあります。また、これに伴い、企業のブランドイメージや顧客信頼度が低下し、長期的な収益に悪影響を与える可能性があります。
主要な対応策
自然災害・人的災害に係るリスク低減のため、以下の対策を講じています。
・リスクモニタリング
世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。
・リスク分散
生産拠点の地理的分散やサプライチェーンの二重化により、災害発生時の影響を最小限に抑えることに努めています。
・リスク転嫁
損害保険を付保し、損害発生時の財務的な影響の低減を図ります。
・事業継続管理
事業の中断に備え、「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」を整備し、国内外の拠点で訓練を実施しています。

②気候変動に係るリスク
リスク内容
気候変動は、企業の持続可能性や競争力に対する重大な脅威であり、特に製造業においてはその影響が顕著です。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動に係るリスクの詳細及び対応策につきましては「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。
主要な対応策
「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。

今年

・適切な人事処分の実施

また、当連結会計年度において、上記連結子会社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。このため、当社の各拠点からの対米輸出(2021年3月期から2026年3月期まで)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象に統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。
この誤りは、関係者の貿易知識やコンプライアンス意識が十分でなかったことに加え、当社グループにおいて貿易業務の標準化が十分でなかったことが原因として挙げられることから、全社的な内部統制(統制環境及び統制活動)に係る不備を識別しております。この不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社は、再発防止の取り組みを今後も継続的に実行し、内部統制の強化を図ってまいりますが、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

①内部統制に係るリスク
リスク内容
(資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制)
当社は、当社及びグループ会社の一部の経営陣の関与又は認識の下で行われた資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等、連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会の設置を決議し、第三者委員会から2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に調査報告書追補を受領しました。その結果、過年度を含め、当社グループの多岐にわたる拠点で多数の会計不正(以下、調査報告書及び調査報告書追補で明らかになった事実を「本事案」といいます。)が判明しました。判明した会計不正の主な内容は以下のとおりであり、その内容は多岐にわたっていました。
・将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く資産性がない原材料及び製品等について資産性が認められると偽ることによる棚卸資産評価損の計上回避
・固定資産の減損テストの前提となる売上計画の中に実現確度が低い案件を含めることによる減損損失の計上回避
・転用困難な固定資産についての虚偽の説明による減損損失の計上回避
・製品の開発中止に伴う契約損失引当金の未計上
・不良債権に係る貸倒引当金の未計上
・棚卸資産の実地棚卸結果を偽ることによる棚卸資産の過大計上
・固定資産に計上することが適切ではない人件費を付随費用として資産計上し減価償却を通じて費用化することによる費用計上時期を先延ばし
・将来の経済的便益の獲得に寄与しないと判断されていた品質改善費用や研究開発費用の意図的な資産計上
・未出荷販売としての実態を伴わない売上の先行計上
当社は、本事案に関する第三者委員会による調査及び第三者委員会の管理・監督の下で会計処理の適切性を調査する自己点検により判明した事実とその原因分析に関する報告等を踏まえ、財務報告に係る内部統制の再評価を行った結果、当社及び連結子会社の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備を識別しており、これらの不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
また、全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)と全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセスに係る内部統制の不備の影響が重要かつ広範であり、業務プロセスに係る内部統制が有効に機能する基盤を欠いていた状況であり、評価対象とした全ての業務プロセスについても不備を識別し、いずれも財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために再発防止策を速やかに策定し、その実行に取り組んでおります。もっとも、当連結会計年度末において再発防止策の実行は完了しておらず、内部統制には固有の限界があるため、再発防止の取り組みが有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社は、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点において、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っているため、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

①内部統制に係るリスク
主要な対応策
当社は、2026年3月期の全社的な内部統制(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達及びモニタリング)及び全社的な観点で評価することが適切な決算・財務報告プロセス、並びに経理決算プロセスの開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しております。これらの対応策を確実に実行し、その実行状況を継続的にモニタリングすることにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。

(貿易コンプライアンスに関する内部統制)
重要度 3(重要)追加事業等のリスク / 新規リスク
(7)会計方針の明確化と運用の適正化

事業等のリスクとして、東京証券取引所による特別注意銘柄指定に伴う上場廃止リスク、第三者委員会が認定した会計不正に伴う適正決算リスク(2025年3月期は会計監査人が監査意見を不表明)、創業者依存の経営からの継承リスクが新たに記載された。あわせて先行投資、M&A、地政学、技術環境変化などの経営戦略リスクの項目が新設され、各々に主要な対応策が示されている。

前年 / 今年の本文を見る

前年

(なし)

今年

・NIAPの見直し及び例外申請の廃止
・NIAPの周知徹底
・NIAPの準拠性宣誓の仕組みの導入
・事業本部・国内グループ会社に対するレビュー

※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)特別注意銘柄の指定について」に記載のとおり、株式会社東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されています。指定を受けた理由、指定日及び指定期間の詳細については、同項をご参照ください。
当社は、同項に記載のとおり、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の改善に取り組んでいます。ただし、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程に基づく審査の結果、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には、当該指定が継続され、又は当社株式が上場廃止となる可能性があります。当社は、指定解除に向け、内部管理体制等の実効性を確保するための取組を着実に推進してまいります。

②適正決算に係るリスク
リスク内容
当社は、当社グループにおける不適切な会計処理の疑義について、徹底的な調査および原因究明を行うために、2025年9月3日、独立した第三者委員会を設置いたしました。
第三者委員会による調査が継続中であったことにより、連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性があること等から、2025年3月期の有価証券報告書の連結財務諸表に係る監査報告書について監査意見を表明しない旨の監査報告書を当社の会計監査人より受領しました。このような状況を受けて、2025年10月28日に、当社は上場している東京証券取引所から、内部管理体制等について改善の必要性が高いとして「特別注意銘柄」の指定を受けました。
その後、2026年2月27日の中間報告を経て、2026年4月17日に第三者委員会より最終報告書を受領いたしました。これらの中で、当社グループにおける一連の会計不正に関する事実関係の認定、原因分析、および再発防止に向けた提言が記載されています。
主要な対応策
当社は、2026年4月17日に第三者委員会より調査報告書を受領したことを受け、認定された事実、原因分析および再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、改善計画を2026年4月27日に公表いたしました。改善計画で公表した、経理機能・会計方針の強化について以下の対応策を講じています。
・経理組織の独立性確保
経理機能と経営戦略実行のモニタリング等を担う事業管理機能を分化し、経理機能の人事権を本社経理機能へ集約し、また、デュアルレポートライン(事業本部及び国内グループ会社のCFOのレポートラインとして所属組織のCEO及び当社CFO、並びに事業本部及び国内グループ会社の経理責任者のレポートラインとして、所属組織のCFO及び当社経理責任者)の整備を行い、経理部門が事業部門と連携して利益目標の達成を目指すという構造を解消します。
・会計方針の厳格な統一
グループ全体で、当社グループ会計方針(NIAP)の見直しを行い、明確かつ客観的なルールに基づく会計処理の徹底及び恣意的な判断の排除を実現します。なお、NIAPの運用形骸化の要因となっていた例外申請は、2026年3月期末決算で廃止しました。
なお、改善計画の進捗状況の詳細は、「事業の状況 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)対処すべき課題」に記載しています。

③経営継承に係るリスク
リスク内容
NIDECのこれまでの成長は創業者の強力なリーダーシップと経営手腕に大きく依存していました。しかしながら、特定の個人に権限が集中する経営体制は迅速な意思決定を可能にする一方で、適正な監督機能やブレーキが十分に働かず、ガバナンス上の課題を誘発しました。
第三者委員会の調査報告書において指摘された通り、経営トップに対する牽制機能の不足はコンプライアンス意識の希薄化や健全な組織風土の阻害を招き、結果として当社グループの社会的信用を著しく毀損させる要因となりました。現在、当社グループは新体制のもとで集団経営体制への移行を進めておりますが、創業者の影響力からの脱却が不十分である場合、あるいは次世代を担うリーダー層による自律的な統治機能が定着しない場合、投資家からの信頼回復が遅れ、中長期的な企業価値および事業継続性に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
創業者に依存した経営から透明性の高い仕組みと組織による経営への転換を最優先課題とし、以下の対策を講じています。
・チーフオフィサー(CxO)制による組織的経営の徹底
2025年4月よりチーフオフィサー制を核とするグローバル本社体制を導入し、権限を各CxOに委譲しています。このように各機能部門と事業部門が相互に連携・牽制し合うことで、スピーディーかつ健全な経営判断を下す「仕組み化された組織」を構築しています。
・次世代リーダーの育成と選抜プロセスの透明化
高いコンプライアンス意識とガバナンス能力を兼ね備えた経営人材を育成します。取締役・執行役員については、倫理観やコンプライアンス、市場規律の観点を含めたグローバル共通の選任基準に基づき、指名委員会が多角的な評価を実施するとともに、その選定プロセスの透明性と客観性を担保することで特定の個人に依存しない持続可能な経営承継体制を確立しています。
・健全な組織文化への変革
経営トップが率先して風通しの良い組織風土への改革を推進しています。内部通報制度の信頼性向上や、現場の意見が経営層に届くコミュニケーションラインの整備を通じ、ボトムアップの知見とトップの戦略が健全に融合する組織体への変革を図っています。

2)経営戦略リスク

①先行投資に係るリスク
リスク内容
NIDECは、需要の拡大を予測した場合、受注に先駆けて生産設備を拡張したり、リードタイムを考慮して部品や材料を先行発注することがあります。これには以下のリスクが伴います。
・需要が予測を大きく下回った場合、固定資産の減損や過剰在庫の発生による棚卸資産の評価減が生じ、経営成績に悪影響を及ぼすリスク
・技術の非連続な変化により、先行投資した設備や部材が急速に陳腐化するリスク
・需要を過小に見積もることによる供給機会の喪失および市場シェアの恒久的な低下
主要な対応策
収益性と規律ある投資を両立させるため、以下の対応策を講じています。
・ROIC(投下資本利益率)経営
ROICを経営指標のひとつとして定着させ、収益性と資本効率の両面から改善活動を推進します。
・投資判断に資する仕組みの導入
投資判断に当たり、相対的に収益率の高い事業分野や将来の成長が見込める分野を明確にし、事業により創出した資金を最適に配分できるよう、事業ポートフォリオ戦略を支える体制を構築します。
・フレキシブルな生産体制の構築
特定拠点への投資集中を避け、グローバルでの生産融通や、モジュール化による設備転用の容易化を推進し、需要変動に対する耐性を高めます。

②M&Aに係るリスク
リスク内容
NIDECはこれまで、事業の成長に必要な技術、製品、販売網、顧客基盤を所有する他社の買収や他社への資本提携を通じて大幅な成長を達成してきました。しかしながら、M&Aによる非連続な成長に過度に依存する事業戦略は、投資判断の透明性や買収後のグループ統治といったガバナンスの形骸化、あるいは自社内での技術育成やオーガニック(自律的)な成長を阻害するリスクを孕んでいます。加えて、市場が急速に変化する中で、M&Aのみを成長の手段とした場合、適切な買収・出資対象先を見つけることができない事態に陥ると、市場の成長スピードに追随できず、NIDECの事業、経営成績、財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
買収した資産に関して、買収した事業の効率的な統合により得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えていますが、事業環境の悪化等により予想どおりの収益が得られないと判断された場合、NIDECはこれらの資産について減損を認識しなければならず、NIDECの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
M&Aリスクの低減とオーガニック成長の両立に向け、以下の対応策を講じています。
・オーガニック成長への投資とバランスの取れた成長戦略の推進
M&Aに過度に依存せず、自社内での研究開発、既存事業の付加価値向上、人材育成等のオーガニックな成長に向けた投資を強化し、事業ポートフォリオの強靭化を図ります。
・適正価格での買収
買収対象企業は、当社事業戦略に沿った企業を選定・事前調査を徹底し、適正価格で買収します。
・買収後の迅速かつ徹底したPMI(買収後統合)
当社のコンプライアンス方針やガバナンス体制を適切に統合し、基盤・プラットフォームを統一化し、当社グループ入りによるシナジー効果を創出しながら、買収対象企業の企業価値を向上してのれん減損リスクを極小化します。
・M&A活動に係る広報戦略の事前準備
適切な情報開示と誠実なメディアコミュニケーションを通じて、NIDECの買収方針に対する正確な理解を促進し、レピュテーションリスクの回避に注力しています。
・ガバナンスとモニタリングの継続
買収後の事業計画の進捗状況を定期的にモニタリングし、当初の想定と乖離が生じた場合には、早期に改善策を講じる、あるいは事業ポートフォリオの見直しを行うなど、機動的なリスク管理を実践しています。

③政治・経済状況の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、世界40カ国以上に300社を超えるグループ会社を有し、海外売上高比率が約9割に達する等、グローバルに事業を展開しています。このため、事業を展開する各国・地域の政治・経済情勢の変動は、当社グループの経営成績および財政状態に直接的な影響を及ぼし得る重要な不確実性です。
特に、以下の地政学的リスクの深刻化・長期化は、サプライチェーンの分断やコスト構造の大きな変化を招く恐れがあります。
・米中対立および経済安全保障規制
先端技術の輸出管理、投資規制、特定国を排除するサプライチェーン再編の加速。
・地域紛争の激化と長期化
ウクライナ情勢や中東情勢等に伴う、エネルギー価格の高騰および主要物流ルート(海峡等)の遮断。
・資源ナショナリズムの台頭
EV化に不可欠なレアアースや重要鉱物に関する輸出制限、および特定の原材料に対する特定国への過度な依存。
これらの事象が顕在化した場合、製品需要の減退、部品調達の停滞、エネルギー・物流コストの上昇、為替市場の変動幅の増大、さらには現地資産の毀損や事業停止など、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
これら不可避な外部環境の変化に対し、経営の柔軟性と強靭性を高めるため、以下の対策を継続的に強化しています。
・「地産地消(メイド・イン・マーケット)」体制の深化
主要市場において開発・生産・販売・サービスを一貫して行う「地営地開・地産地消」体制を徹底しています。これにより、現地顧客のニーズへ迅速に対応するだけでなく、関税などの貿易障壁や物流寸断、為替変動による影響を最小化し、地政学的な変化に対する耐性を高めています。
・サプライチェーンの強靭化と経済安全保障への適応
重要部品や原材料の特定調達先への依存を回避するため、複数購買化(マルチソース化)や代替サプライヤーの開拓を常時推進しています。また、経済安全保障の観点から、サプライチェーンの多極化を推し進めるとともに、在庫管理の高度化により、不測の事態においても事業を継続できる柔軟な供給体制を構築しています。
・事業ポートフォリオの最適化と市場分散
特定の国・地域への過度な依存を排し、グローバルな市場分散を図っています。成長市場への積極的な投資や、製品・技術開発による事業領域の多角化を推進することで、一部地域における情勢悪化がグループ全体の業績に与える影響を抑制しています。
・情報収集体制の改善と機動的な意思決定の構築
各国の政治情勢、通商政策、法規制の変更を早期に捉え、経営層へタイムリーにフィードバックするためにシステムを活用し、情報収集体制を迅速化させます。これにより、生産拠点の移管や事業戦略の修正など、環境変化を先取りした機動的な意思決定を実践していきます。

④技術環境・産業構造の変化に係るリスク
リスク内容
急速な技術革新や産業構造の変化は、当社グループのビジネスモデルに深刻な影響を与える可能性があります。特に、生成AIの普及に伴うデータセンターの熱対策ニーズの変容や、SDV(Software Defined Vehicle)化を背景とした自動運転技術の進展は、従来の製品構成に対する需要を急激に変化させるリスクを含んでいます。例えば、E-Axleに代表される電動駆動システムの統合化やセンサ技術の高度化は、従来の単体機械部品の需要を代替・減少させる可能性があります。
また、技術のオープン化やデジタル・ツインの活用による開発期間の短縮は、異業種を含む新たな競合プレイヤーの参入を加速させ、当社グループの市場シェアを脅かす要因となります。これらの技術パラダイムシフトに対して、研究開発や事業転換が適切かつ迅速に進まない場合、製品の陳腐化や市場競争力の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
当社グループは、これら技術環境・産業構造の変化を重要な経営課題と捉え、持続的な競争力を維持・強化するために以下の対応策を講じています。
・モジュール化・システム化への転換とソリューション提案力の強化
単体モータの提供に留まらず、制御技術や冷却システムを組み合わせたシステムソリューションの開発・提案を推進し、顧客の付加価値向上と他社との差別化を図ります。
・研究開発体制の強化とオープンイノベーションの推進
次世代技術(熱対策・電動化・センシング等)への研究開発投資を集中させるとともに、スタートアップ企業をはじめとする外部機関との戦略的提携・アライアンスを積極的に活用し、革新的な技術・知見を迅速に取り込む体制を構築しています。
・マーケティング機能の強化とポートフォリオの最適化
市場動向や顧客ニーズの変化を的確に捉えるマーケティングリサーチを強化し、中長期的な技術ロードマップに基づいた最適な製品ポートフォリオへの迅速な見直しを行います。
・高度技術人材の育成とナレッジ共有
社内専門家による定期的なワークショップの開催や外部リスキリングプログラムの活用により、最新技術(AI、デジタル開発ツール等)に関する知識を全社で共有し、変化に柔軟に対応できる高度技術人材を育成・配置しています。

⑤競合に係るリスク
リスク内容
NIDECが事業を展開する精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用、機器装置などの各市場では、グローバルで極めて激しい競争環境にあります。特に、新興国における地場メーカーの急速な台頭や、既存の競合他社による技術革新の加速により、以下のような状況においてNIDECの競争力や収益性に重大な影響を及ぼし得る要因となります。
・技術開発と市場投入スピードの逆転
競合他社が当社を上回る速度で次世代技術(AI統合製品や高効率モータ等)を製品化し、デファクトスタンダードを確保する場合。
・コスト競争力の相対的低下
原材料価格の変動やエネルギーコストの上昇に対し、競合他社がより効率的な調達・生産体制を構築することで、価格競争において劣位に立たされる場合。
・ビジネスモデルの変革への適応遅滞
ソフトウェア定義の進展やサービス化など、製品単体ではない新たな付加価値競争において、顧客の支持を失う場合。
・業界再編による競争環境の激変
競合他社間の大規模な合併・提携や、異業種からの参入(ビッグテック企業等)により、市場シェアや価格決定権が損なわれる場合。
・地域固有の規制・標準への未対応
各国独自の環境規制やセキュリティ基準、地域特有のニーズに対し、適時かつ適切な製品投入ができない場合。
主要な対応策
NIDECは、激化する競争環境において持続的な優位性を確保するため、「グループシナジーの最大化」と「高付加価値領域へのリソース集中」を柱とし、社会課題の解決を起点とした以下の5領域を定め、グループ各社の技術とリソースを結集することで、競合他社に対する差別化を図っています。
・AI社会を支える
AIサーバー向け冷却システムや高精度アクチュエータの提供。
・サステナブル・インフラとエネルギーの追求
再生可能エネルギー関連やBESS(蓄電システム)への注力。
・産業の生産効率化
ロボティクスおよび工場の自動化ソリューション。
・より良い生活の追求(Better Life)
省エネ・高機能な家電向けモータ・ソリューション。
・モビリティ・イノベーション
E-Axleを中心とした次世代モビリティへの貢献。
(※注力領域の詳細は、最新の統合報告書および決算説明資料をご参照ください。)

3)事業運営リスク

①関税に係るリスク
リスク内容
NIDECは、世界各国において製品の製造・販売を行っており、各国・地域の関税法令、輸出入規制、原産地規則その他の通商関連法令の適用を受けております。
当社グループの一部の子会社において、関税申告に関する不適切な取扱いが確認されております。当社は、外部専門家を起用して調査を実施し、米国における一部の輸入取引について、関係当局への自主申告および追加関税等の納付を行っております。また、その他の米国輸入拠点についても同様の調査を実施するとともに、米国以外の国・地域におけるグループ内の輸出入取引については、商流分析等を通じて関税・通商上のリスク評価を実施しております。これらの調査およびリスク評価の結果を踏まえ、必要な会計上の影響を財務諸表へ反映するとともに、各輸出入拠点において是正措置を順次実施しております。
今後の追加的な調査・確認等により、関税申告その他の通商関連法令への対応が適切に行われていない事案が新たに判明した場合には、追加関税、加算税、延滞税その他の金銭的負担が発生するほか、関係当局による行政上または法的な措置を受ける可能性があります。また、新たな事実の判明や関係当局による判断等により、現時点で当社が認識している影響を上回る追加的な負担が生じる可能性があります。
これらの事象の内容、今後新たに判明する事実および関係当局による判断等によっては、追加的な金銭的負担や法的責任が生じるほか、取引先との関係悪化や社会的信用の低下等を通じて、当社グループの業績、財政状態およびキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
関税に係るリスクを低減するため、以下の対策を講じています。
・外部専門家を活用し、関税申告に関する問題について調査及び原因分析を行うとともに、類似事案の有無を確認するため、調査対象をその他の輸出入拠点及び取引にも拡大しております。また、調査の結果を踏まえ、必要な申告・納付等の対応を行うとともに、各輸出入拠点において必要な是正措置を順次実施しております。
・また、グループ全体の貿易コンプライアンス体制の高度化に向け、関連規程の改正、グローバルで統一した貿易コンプライアンス体制への刷新を進めるとともに、各地域・各拠点間の情報収集・情報共有及び連携体制を強化し、グループ横断で貿易コンプライアンスを管理する体制を整備しております。
・さらに、輸出入業務を担うロジスティック部門と、法令遵守及び貿易管理を所管する法務・貿易管理部門との連携を強化することにより、貿易管理に係るガバナンス体制の強化を図っております。
・原産地判定、関税分類及び自由貿易協定の適用に関するガイドラインの整備、輸出入取引に係る業務プロセスの見直し、内部監査及びモニタリングの強化に加え、従業員に対する貿易コンプライアンスを含む体系的・包括的な研修を実施しております。
・併せて、経済安全保障への対応を強化するため、輸出管理や経済制裁等に関する法令・規制を適切に遵守するための体制整備を進めております。
・これらの取組みにより、通商関連法令の遵守を徹底するとともに、再発防止及び関税リスクの低減に取り組んでおります。

②製品の品質に係るリスク
リスク内容
近年、顧客の製品品質、安全性、信頼性及びコンプライアンスに対する要求レベルは一層高度化しています。当社グループが安全で高品質な製品を継続的に提供できない場合、製品自体の故障のみならず、物損や人命に係る事故、顧客製品の品質問題、顧客の生産活動への影響等につながる可能性があります。
その結果、不良品回収・修理、代替生産、顧客補償、損害賠償、調査対応、是正措置及び再発防止策の実施等に伴う多額の費用が発生する可能性があります。また、ブランドイメージ及び社会的信用の低下により、販売の落込み、受注機会の喪失、主要顧客との取引縮小、人材流出等が発生し、財務的な負担や人的資源の喪失を通じて、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
当社は、2025 年10月30日付で設置した「ニデック再生委員会」による内部管理体制の改善の一環として、品質管理体制及び変更管理プロセスの実態を確認し、品質面での課題の把握、必要な是正措置並びに再発防止策の検討につなげることを目的に、当社グループの生産拠点・開発拠点を対象とした品質総点検を2026年1月8日より開始しました。具体的には、各生産拠点における従業員へのヒアリング、工程変更・設計変更等に関する記録の照合、及び全従業員を対象とした品質管理に関する懸念の情報提供を受け付ける通報窓口(以下「品質意見箱」といいます。)の開設等を実施し、過去2020年にまで遡って当社グループの生産活動に関する自主的な点検を行いました。品質総点検の結果、当社及びグループ会社が製造する一部の製品について、お客様の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為の疑いが判明いたしました。
複数の拠点において不適切行為の疑いが報告されたことから、より詳細な事実関係の解明、原因の究明及び製品品質へのコミットメントを強化するための実効的な改善策の検討のためには、同種事案の調査に豊富な経験や専門性を有する外部専門家による客観的な調査が必要であると判断し、調査委員会を2026年5月13日付で設置いたしました。調査委員会による調査は完了し、2026年9月2日に調査報告書を受領しております。
品質不適切行為等の背景として認められた過度な業績プレッシャーや物言えぬ風土等の当社の経営姿勢や風土に関わる課題については、会計問題の原因とも共通するものであるため、引き続き改善計画書上の風土改革の取組みを着実に推進するとともに、品質コンプライアンス風土の醸成・定着も進めてまいります。また、共通の風土課題に加え、品質保証固有の制度及びプロセスに関する課題については、品質保証組織による監督・牽制強化を通じて改善に取り組んでまいります。
・品質コンプライアンス風土の醸成・定着
品質意見箱を常設化するとともに、2026年7月から9月にかけて全従業員に対してCQO Re-Definition宣言として、品質第一でお客様を大切にする誇りあるものづくりに向けて進んでいく旨のメッセージを発信しました。また、2026年9月7日の全体会同においても、CEO・CCO・CSCOによる再発防止・信頼回復に向けたメッセージを全従業員向けに発信しました。これらメッセージの発信に加え、2026年9月には本社経営陣や事業本部長、グループ会社社長を対象に外部弁護士を講師とした品質コンプライアンス研修を実施しました。今後、全従業員を対象とした品質コンプライアンスに係る研修を展開し、今回発覚した、お客様の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更や試験・検査データに関する不適切な取扱いが品質コンプライアンス違反行為であることを改めて示すとともに、そのような事態を見聞きした際には然るべきレポートラインに報告することや品質意見箱に投書することを周知してまいります。
・品質保証組織による監督・牽制強化
2026年9月にグローバル品質保証基本規程を改訂し、各事業本部・グループ会社の品質保証責任者が製造・営業等の他部門から独立して出荷停止を判断できる権限を明確化するとともに、4M変更および検査プロセスに対する品質保証部門の関与・統制を強化しました。これら規程の準拠状況を確認するために、2026年10月以降、当社グローバル品質統括部門による品質監査を実施してまいります。また、CQO及び本社グローバル品質統括本部と各事業本部・グループ会社及びその傘下のグループ会社の品質保証責任者とのエスカレーションルール及びレポートラインを見直し、グループ内における品質コンプライアンスに関する情報が速やかに当社へ報告・対処される体制を再構築してまいります。

③情報セキュリティに係るリスク
リスク内容
NIDECは、グローバルな事業活動を通じて、顧客、取引先、従業員に関する機密情報や個人情報を広範に保有しています。また工場のスマート化(DX)の進展により、生産現場の知的財産や稼働データも重要な資産となっています。これらの情報を適切に保護することは、競争優位性の確保およびステークホルダーとの信頼維持において重要な経営課題です。しかしサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、以下の要因により情報セキュリティリスクが顕在化する可能性があります。
・高度なサイバー攻撃
ランサムウェア攻撃、生成AIを悪用した精緻なフィッシング詐欺や標的型攻撃による情報の窃取やシステムの停止。
・サプライチェーンへの影響
海外拠点を含む当社グループのネットワークや基幹システムがサイバー攻撃を受け機能不全に陥ることで、部品供給の停滞など、サプライチェーン全体へ深刻な影響を及ぼすリスク。
・内部要因
役職員による不正行為、業務委託先の管理不備、あるいは設定ミスなどの人的要因に起因する情報漏洩。
万一、重大な情報漏洩やシステムダウンが発生した場合、法的責任に伴う多額の賠償金や課徴金の支払い、社会的信用の失墜による受注機会の喪失、さらには生産ラインの停止による納期遅延などが発生し、NIDECの業績および財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
NIDECは、ますます増大する脅威に対抗するため、グループ全体で均質なセキュリティレベルを維持すべく、技術的・組織的な防御および監視体制の強化を進めています。
・グローバル・ガバナンスと監視体制の統合
最高情報セキュリティ責任者(CISO)のもとでグループ横断の情報セキュリティ管理体制を運用しています。さらに、セキュリティ運用センター(SOC)への統合・集約により、世界各拠点の機器等を24時間365日監視し、インシデントの予兆を早期に検知・対処する体制整備を進めています。
・アタックサーフェスマネジメントによる外部境界の防御
当社が起因となるサプライチェーンの機能不全を防ぐため、国内外の拠点を含めたグループ全体の「アタックサーフェス(サイバー攻撃の対象となる公開サーバーや外部接続機器など)」を網羅的に可視化・管理する取り組みを強化しています。サイバー攻撃の侵入口となりやすいこれらの資産の脆弱性を継続的に点検し、最新の修正パッチ適用などの是正措置を迅速に講じることで、外部境界における「弱点」を徹底的に排除しています。
・従業員の意識向上と文化の醸成
全役職員を対象とした継続的なセキュリティ教育(注意を促すコンテンツの配布や標的型攻撃メール訓練等)を実施し、情報セキュリティに関する認識の向上と維持を図っています。また最新の脅威トレンドや被害事例の説明・解説などを行い、ヒューマンエラーによる漏洩防止に努めています。

④高度な専門性を有した人材の確保・保持に係るリスク
リスク内容
NIDECが持続的な成長を遂げ、社会課題の解決を通じて企業価値を向上させていくためには、高度な専門性を持つ技術・経営人材、およびグローバルに活躍できる多様な人材の確保が不可欠です。
しかしながら、国内外における人材獲得競争の激化に加え、当社グループの社会的信用やブランド価値の劣化、コンプライアンスに関わる企業風土に対する外部評価の低下により計画通りの人材採用が困難になる、または既存の優秀な人材が流出するリスクがあります。特に独自技術の承継を担う専門人材や次世代リーダー層の流出が生じた場合、研究開発の遅延等を招き、当社グループの長期的成長および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
持続的な成長の源泉は「人」であるとの認識のもと、以下の施策を通じて基盤再構築と人材の保持に注力しています。
・企業文化の変革と組織風土の健全化
ステークホルダーからの信頼を早期に回復し、社員が誇りを持って働ける環境を整えるべく、コンプライアンス意識の徹底と風通しの良い組織風土への改革を全社挙げて推進しています。これらの進捗を透明性高く発信し、健全なガバナンス体制を訴求することで人材の定着と獲得を目指します。
・戦略的な人材採用
事業部門の要望を適切に吸い上げ、ターゲットを明確にした採用計画を策定しています。特に新卒採用においては大学や専門機関との連携の強化や、部門とも協力したインターンシッププログラムを通じて優秀な人材の早期獲得を行っています。
・キャリア、スキル開発支援
上司・若手向けキャリア研修、キャリアプランシートを活用した上司とのキャリア面談や社内公募を通じて社員の自律的なキャリア形成を後押ししています。
・スキル開発支援
社員の現在や今後の業務に役立つ知識・スキルの習得を支援するためのプログラムを導入し、社員のスキル開発を支援しています。
・グローバル人事戦略コミッティ
事業・地域の枠を超えた適所適材を実現すべく、専門性を有した人材の発掘・開発等グローバルに優先すべき人事課題や施策について、事業・地域の人事キーパーソンが集まり、議論・推進しています。

⑤研究開発に係るリスク
リスク内容
当社グループは、AIサーバー冷却,航空宇宙(防衛),ヒト型ロボット,エネルギー貯蔵(BESS),半導体関連産業をはじめとする高成長領域において、社会課題の解決を見据えた先端技術開発に経営資源を優先的に投入しております。しかしながら、研究開発活動においては以下のリスクを内包しています。
・技術の非連続な変化によるR&D資産の陳腐化リスク
技術革新のスピードが極めて速い領域において、不連続なイノベーション(非連続な技術変化)が発生した場合、あるいはハードウェアとソフトウェアが高度に統合された「システム・ソリューション」への転換が遅れた場合、先行して蓄積した技術アセットや研究開発投資が急速に陳腐化するリスクがあります。
・市場トレンドの見誤りによる開発リソースの不適合リスク
技術トレンドや市場ニーズの変化を適時かつ正確に捉えられなかった場合、高成長(g)領域へのタイムリーなリソース配分ができず、競合他社に対して開発スピードで劣後し、将来の市場地位を喪失する可能性があります。
・R&D投資の分散化に伴う資本効率(EV)の毀損リスク
事業部門間で要素技術開発の重複が発生した場合、またはコモディティ化した汎用品分野のR&Dにリソースを漫然と投入し続けた場合、研究開発の投資効率が低下し、中長期的な企業価値の創出を阻害するリスクがあります。
主要な対応策
研究開発投資の効率性を最大化し、競争優位性を永続的なものとするため、R&Dセクターにおいて以下の対応策を講じています。
・自律進化型R&Dガバナンスと厳格なステージゲート規律の徹底
すべてのR&Dプロジェクトの投資対効果をROICや企業価値への貢献度をベースに評価しています。開発プロセスには「ステージゲート制」を導入し、WACC(資本コスト)を下回る低収益なプロジェクトや、将来性の乏しいコモディティ化事業のR&Dから高成長分野へのリソースシフトする規律を徹底します。
・事業部門横断の「共通技術プラットフォーム」による開発効率の最大化
「回る/動く」「熱マネ」「エネルギ変換」といったコア技術をベースに、事業部門の枠を超えて製品・生産技術の資産を共有化する「共通技術プラットフォーム」を構築しています。これにより、要素技術開発の重複を排除し、研究開発のスピード加速と投資効率の最大化を同時に達成します。
・高認証・高信頼性市場への戦略的リソースシフト
航空宇宙(eVTOL)や医療など、極めて高い認証と信頼性が要求される模倣困難な領域へR&Dリソースをシフトします。これにより、ハード・ソフトが融合した高付加価値なシステム・ソリューションを確立し、強固な参入障壁を構築します。

⑥原材料・部品調達に係るリスク
リスク内容
NIDECは、製品の製造に不可欠な原材料(鋼材、銅、アルミ、レアアース等)および電子部品の多くを外部から調達しています。これらの需給環境が極端に悪化した場合、生産計画の停滞や納期遅延を招き、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に近年、以下の要因が調達リスクを複雑化させています。
・地政学的緊張と関税障壁
国家間の対立に伴う輸出規制や、特定の国・地域からの輸入に対する高関税措置(関税障壁)の導入により、従来の調達ルートの維持が困難になる、あるいは調達コストが急騰するリスク。
・経済安全保障に関わる政策変更
環境保護、人権保護(強制労働の排除)、または安全保障上の観点から、各国政府が原材料の産地や部品のトレーサビリティ(追跡可能性)に関する規制を強化しており、これらへの適応が調達の制約となる可能性。
・供給網の寸断
地域紛争や大規模災害による物流網の遮断、および特定サプライヤーへの過度な依存に起因する供給停止リスク。
主要な対応策
NIDECは、調達環境の激変に耐えうる「強靭なサプライチェーン」の構築に向け、以下の対応策を強化しています。
・サプライヤーのマルチソース化と地域分散
特定の供給先や特定の国・地域に依存しない「地産地消(メイド・イン・マーケット)」に基づいたグローバルな調達体制を構築しています。これにより、地政学的リスクや関税措置による供給寸断が発生した際も、代替ルートから迅速に調達できる体制を整えています。
・持続可能な調達(ESGデュー・デリジェンス)の徹底
サプライヤー選定に際しては、品質・価格・納期に加え、環境負荷、人権遵守、労働環境、および資源入手可能性(責任ある鉱物調達等)への配慮を厳格に事前確認しています。規制変更への迅速な対応に向け、サプライチェーン全体の透明性向上に注力しています。
・戦略的在庫管理と長期契約による安定確保
重要性の高い原材料や汎用性の低い部品については、長期契約の締結により優先的な供給枠と価格の安定を図っています。また、AIを活用した需要予測に基づき、安全在庫の最適配置と調達拠点の多元化を進めることで、突発的な需要変動や物流リスクへの耐性を高めています。
・代替材料・技術の開発推進
特定国からの輸出規制リスクがある材料(レアアース等)については、使用量を削減する技術開発や、代替材料への切り替えを加速させることで、外部環境の変化に左右されない製品設計を推進しています。

⑦知的財産権に係る訴訟リスク
リスク内容
NIDECは、コア技術の優位性を保つため知的財産権による保護を行っていますが、以下のリスクを認識しています。
・当社製品が第三者の知的財産権を侵害したと主張され、巨額の損害賠償、差止請求、あるいは不当なライセンス料(ロイヤリティ)の支払いを求められるリスク
・M&Aによって新たに加わった事業において、過去の知財係争が顕在化、あるいは知財管理体制に不備があるリスク
・従業員の流動化や共同開発を通じ、長年蓄積した製造ノウハウや営業秘密が不当に流出するリスク
・各国の法制度の違いにより、既存の知的財産権が無効になる等のリスク
主要な対応策
知的財産に関連するリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じています。
・製品開発の初期段階から第三者の知的財産権に対する包括的かつ継続的な調査を徹底し、第三者の知的財産権を侵害するリスクの排除を行っています。必要に応じ、外部の法律事務所と連携し、迅速かつ適切な対応を図っています。
・当社の独自技術保護による競争力維持のため、コア技術に関する積極的な知的財産権の取得、維持管理、他社製品の監視、事業活動の保護対応を行うと共に、従業員に対する情報管理教育を徹底、機密情報の流出を防止しています。
・各国の知的財産権の法制度に応じた適切な知的財産権の取得、維持管理を行うことで、国際的な事業の保護を強化しています。
これらの対策により、NIDECは知的財産に関連するリスクを最小限に抑え、持続的な事業成長を目指します。

⑧人権に係るリスク
リスク内容
グローバルな事業展開が加速するなか、人権尊重に対する企業の社会的責任は極めて重要視されており、人権デューディリジェンスが不十分であると見なされた場合、あるいは当社グループの社会的信用の動向等により人権に対する企業の姿勢への疑義が生じた場合、外部評価が著しく低下するリスクがあります。これらは法的制裁やブランド価値の毀損に留まらず、グローバルなサプライチェーンからの排除、不買運動を招き、当社グループの売上、市場シェアおよび事業継続性に影響を及ぼす可能性があります。
主要な対応策
NIDECは、国際ガイドラインに基づき人権尊重の重要性を認識し、強制労働や児童労働の禁止、差別の排除、適切な労働条件の確保に取り組むと共に、サプライチェーンを活かしてビジネスパートナーやサプライヤーも含めた取り組みを行っています。具体的な活動は以下のとおりです。
・人権方針の徹底
経営の透明性向上と信頼回復に向けた活動の一環として、「NIDECグループ人権基本方針」に基づき、全役員・従業員およびビジネスパートナーに対する周知徹底を継続しています。2024年の基本方針改定を踏まえ、最新の社会情勢に対応したコンプライアンス意識の醸成を図るとともに、取締役会による監督機能を強化し、人権尊重を経営の根幹に据えています。
・人権デューディリジェンスの実効性向上
当社グループおよびサプライチェーンを対象にセルフアセスメント(SAQ)を継続的に実施しています。回収したデータに基づき、人権への負の影響が発生した場合の「深刻度」と「発生可能性」の2軸でリスクを評価し、対応の優先順位付けを明確化しています。 2023年度の約300拠点および主要サプライヤーへの調査結果を踏まえ、2024年度は特に東南アジア地域を重点領域として設定しました。 同地域の拠点への直接ヒアリング等を通じて情報の精度を高め、地域特性に応じたリスクの特定・評価に向けた情報収集に着手しています。
・人権への取組体制整備
定期的なモニタリングや教育・研修を通じて職場環境の改善や人権意識の向上を図り、問題発生時には迅速に是正・救済に取り組む体制を整えています。特に内部通報制度の周知徹底と通報者保護を強化し、潜在的なリスクの早期把握に努めています。また、社長を議長とするサステナビリティ推進会議及び担当部門により構成される人権分科会の日々の活動を通じて、負の影響の停止・防止・軽減を図っています。人権分科会の取り組みは取締役で構成されるサステナビリティ委員会により監督されており、定期的に報告されています。また、サステナビリティ委員会への報告事項はサステナビリティ委員長より、取締役会に報告されます。

⑨為替に係るリスク
リスク内容
当社の事業はグローバルに展開しており、売上の多くが日本円以外の通貨(米ドル、ユーロ、中国元、タイバーツ等)で構成されています。このため、為替レートの変動は当社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。特に円高が進行した場合、海外での売上が円換算で減少し、結果として営業利益や当期利益が圧迫されることになります。また、海外子会社の業績を連結財務諸表に統合する際、為替変動による影響が大きく、特に新興市場における通貨の不安定さがリスク要因となります。更に、外貨建ての資産や負債の変動が為替差損益を引き起こし、財務状況に悪影響を与えることも懸念されます。
主要な対応策
為替リスクを軽減するため、以下の対応策を講じています。
・売上と仕入の外貨建て取引を相殺し、ナチュラルヘッジを活用します。
・定期的に為替リスクの状況をモニタリングし、必要に応じて取引通貨の見直しを実施しています。
・海外市場における多様な通貨での取引を行い、特定通貨への依存度を低下させることでリスク分散を図ります。

⑩金利の変動に係るリスク
リスク内容
NIDECは、固定金利や変動金利の長期債権、短期債権、及び有利子負債を保有しており、これらの金利の変動が資金調達コストや投資収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。金利が上昇する場合、借入コストが増加し、これが直接的に利益率やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。
主要な対応策
金利変動リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・金利スワップや金利オプション等のデリバティブ商品を活用し、予測可能な資金調達コストを確保します。
・定期的に金利の動向をモニタリングし、資産及び負債の構成を見直すことでリスクの分散を図ります。また、金利に敏感な資産や負債の比率を最適化します。
・長期的な資金計画においては、複数のシナリオを想定したストレステストを実施し、金利変動に対する耐性を評価することで、迅速な意思決定を支援します。
・経済動向や金融政策の変化を注視し、必要に応じて資金調達戦略を柔軟に見直します。
・借入金や社債の返済・償還期日が特定の時期に集中しないよう、調達期間を平準化させることで、高金利環境下での大規模な借り換えを余儀なくされるリスクを低減します。

⑪資金の流動性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、事業の成長や運営に必要な資金を、主に金融機関からの借入や資本市場からの調達に依存しています。金融市場の変動や経済環境の不確実性により、金融機関による貸付条件の厳格化や、資金調達の機会が制限されるリスクがあります。特に、グローバルな経済状況が悪化した場合、信用格付けの低下や投資家のリスク回避行動が強まり、必要な資金を適切な条件で調達できない可能性が高まります。このような状況下では、運転資金の不足や設備投資の遅延が生じ、結果として事業の成長戦略や競争力に深刻な影響を及ぼすことがあります。また、資金調達コストの上昇や資金繰りの悪化が、財務状況の悪化を招く懸念もあります。
主要な対応策
資金の流動性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・流動性の確保
金融市場の混乱など予期せぬ資金需要に備え、主要な取引金融機関との間でコミットメントライン契約を設定しており、事業の継続に十分な流動性を確保しています。
・資金調達の多様化
銀行融資や社債発行等の資金調達手段を検討し、資金源を広げます。特に、長期的な資金計画を策定し、短期的な資金需要に対するリスクを軽減するためのストレステストを定期的に実施します。
・運転資金の効率的な管理
在庫管理や売掛金の回収プロセスを見直すことで、キャッシュ・フローを安定化させ、急な資金需要にも迅速に対応できる体制を構築します。
・信用格付けの維持・向上
財務健全性を重視した経営を推進し、透明性の高い財務報告を行います。
・グローバルなキャッシュ・マネジメント・システム
各地域の余剰資金を集約することで、資金の効率的な配分を図ります。

⑫繰延税金資産の不確実性に係るリスク
リスク内容
NIDECは、繰延税金資産が将来の課税所得から回収可能であるかどうかを継続的に評価する必要があります。経済情勢の変化や業績の悪化、又は新たな規制の導入があった場合、繰延税金資産の回収可能性が大きく影響を受ける可能性があります。このため、当社が繰延税金資産の一部又は全てについて回収不能と判断するリスクが存在し、その結果、利益が減少することが予想されます。特に、競争の激化や市場の変動が影響を及ぼす要因となり、当社の財務健全性に対する圧力が高まることが懸念されます。
主要な対応策
繰延税金資産の不確実性リスク低減のため、以下の対応策を講じています。
・繰延税金資産の回収可能性に関する定期的な評価を実施し、業績や市場動向に応じて計上額の見直しを行うためのフレームワークを整備します。
・税務戦略の策定においては、将来の課税所得の見込みを精緻に分析し、シナリオプランニングを通じてリスクを可視化します。
・専門の税務アドバイザーと連携し、最新の税制改正や業界動向に基づいた情報収集を強化し、迅速な意思決定を支援する体制を構築します。

4)偶発的リスク

①自然災害・人的災害に係るリスク
リスク内容
NIDECが事業を展開する国内外の地域において、自然災害(地震、台風、洪水等)や人的災害(戦争、紛争、テロ等)は、企業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、主要な製造拠点やサプライチェーンが集中する地域で大規模な災害が発生した場合、製品の生産や供給が停滞し、顧客への納品遅延や生産コストの上昇を招く恐れがあります。また、これに伴い、企業のブランドイメージや顧客信頼度が低下し、長期的な収益に悪影響を与える可能性があります。
主要な対応策
自然災害・人的災害に係るリスク低減のため、以下の対策を講じています。
・リスクモニタリング
世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる要因の早期の察知と的確な対応に努めています。
・リスク分散
生産拠点の地理的分散やサプライチェーンの二重化により、災害発生時の影響を最小限に抑えることに努めています。
・リスク転嫁
損害保険を付保し、損害発生時の財務的な影響の低減を図ります。
・事業継続管理
事業の中断に備え、「BCP(Business Continuity Plan: 事業継続計画)基本方針」を整備し、国内外の拠点で訓練を実施しています。

②気候変動に係るリスク
リスク内容
気候変動は、企業の持続可能性や競争力に対する重大な脅威であり、特に製造業においてはその影響が顕著です。以下に挙げるリスク事象の現実化はNIDECの財務状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。気候変動に係るリスクの詳細及び対応策につきましては「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。
主要な対応策
「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策」をご参照ください。
重要度 2(注目)変更事業等のリスク / 記載の強化
(1)リスク管理体制と運用状況

リスク管理体制の記載が全面的に改訂され、2026年4月27日公表の「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、リスク情報の報告ルート明確化、取締役会への重要リスク報告、内部監査による確認等の新運用を開始した旨が追記された。体制図の役割説明も、経営会議・リスク管理責任者・リスク管理推進責任者/マネジャー・グループグローバル業務主管部署など新たな機能を含む構成に置き換えられ、取締役会の監督機能も具体化されている。

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差分(削除 / 追加)

NIDECグループでは、グローバルな事業展開における多様なリスクに対し、中長期的な視点と日常的な視点の両方から、事業継続の確保を図っています。そのために、以下に示すとおり、リスク事象の調査・評価、現状対策の実効性確認、改善策の実施といった一連の仕組みを整備しています。当社は、2026年4月27日付で公表した「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、グループ全体におけるリスク情報の把握、報告、審議及びモニタリングの体制・プロセスを見直しました。具体的には、重要なリスク情報の報告ルートの明確化、取締役会への重要リスク情報の報告及び内部監査によるリスク管理体制の確認等を含む新たな運用を順次開始しています。これにより、リスク発生時の対応力不足による損失拡大等を防止するとともに、危機事象の発生時においても事業継続及び早期復旧を可能とする実効性のある体制及び仕組みを構築し、その実効性の向上に取り組んでいます。当社は、これらの体制及びプロセスの運用状況を継続的にモニタリングし、その結果及び事業環境の変化を踏まえて、ガバナンスの強化と企業価値の向上を図るとともに、グループの持続的な成長及びステークホルダーからの信頼獲得・向上を目指しています。

図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。

・取締役会
事業年度の冒頭にリスク管理委員会からリスク管理についての基本方針の報告を受け、適正なリスク管理活動を指導・助言します。また、リスク管理に関する責任体制を定めた「リスク管理規程」の改廃に係る承認を行い、リスクガバナンス体制の実効性確保を図ります。「年次活動基本方針及び年次活動計画」や「委員会運営に係るKPI」などのリスク管理に関する重要事項について、レビュー及び承認を行います。また、リスク管理委員会からの定期報告を受け、リスク管理体制の適切な運営状況や重大インシデントの傾向等に対する監督機能を発揮します。さらに、全社的なリスク管理の枠組みを定める「ニデックグローバルリスク管理基本方針」や「リスク管理規程」の改廃に係る決議を行います。

・経営会議
グループ経営の業務執行に係る意思決定機関として、リスク管理委員会から付議・報告される重要なリスクの評価結果及び対応戦略について審議し、経営資源の配分を含む対応方針を決定します。また、決定した対応戦略に基づく施策の進捗状況をモニタリングし、事業運営への影響が重大なリスクについては、取締役会に対して適時に報告を行います。

・リスク管理委員会
リスク管理担当役員を委員長とし、業務執行上の意思決定機関である経営会議のメンバーで構成され、リスク管理方針・施策の決定、取締役会への報告・建議を行います。リスク管理最高責任者を委員長とし、担当業務におけるリスクに対する管理体制や実務実態に即した議論の促進を担う委員により構成されます。グループ経営の業務執行及び専門的な目線で議論し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直します。また、重要なリスクに対する対応の戦略等について経営機関への諮問又は審議を行うとともに、委員会の運営状況や課題、重大インシデントの傾向等を取締役会へ定期的に報告します。
・リスク管理担当役員
全社的なリスク管理を統括し、リスク管理委員会の運営、リスク管理状況の監視、必要な資源配分の検討を行います。
・リスク管理室
リスク管理委員会の常設事務局として、リスク管理に関する企画立案、各リスク管理者、リスク統括責任部署との間における連絡調整等を担当します。・リスク管理責任者
Nidecグループにおけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理活動を推進します。リスク管理委員会の委員長として委員会を主催し、議論を統括するとともに、経営会議や取締役会等の経営機関への報告の役割を担います。
・リスク管理者
事業所長、部門長及びリスク管理委員会が別途定める者を担当業務領域についてのリスク管理者とし、その担当業務領域におけるリスク管理の責任を負います。
・リスク管理統括部署
後述するリスク評価活動の結果を踏まえて決定されたリスク管理領域の本社主管部署をリスク管理統括部署とし、その担当役員をリスク統括責任者とします。リスク管理統括部署は、それぞれの担当領域に係るリスクについてリスク管理者から報告を受け、その対応を支援し、モニタリングします。・リスク管理委員会事務局(リスク管理室)
当社のリスク管理委員会の事務局業務を担い、委員長の指示により、委員会の招集手続き、事務処理及び議事録の作成等を担当します。また、グループグローバル業務主管部署と協力し、下位階層(事業本部・グループ会社本社階層および拠点・事業所階層)における体制の整備に関する支援を行います。

・リスク管理推進責任者/リスク管理マネジャー
リスク管理の各階層において、事業本部・グループ会社本社階層(L2)の「リスク管理推進責任者」、および拠点・事業所階層(L1)の「リスク管理マネジャー」として、それぞれの階層におけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理体制の整備と推進を行います。

・グループグローバル業務主管部署
各担当役員(CxO)の管掌のもと、担当業務領域のリスクオーナーとして、当該領域のリスク情報の集約・分析及びモニタリングを行うとともに、リスク管理体制の整備に関してニデックグループに対する指導及び支援を担います。

前年

NIDECグループでは、グローバルな事業展開における多様なリスクに対し、中長期的な視点と日常的な視点の両方から、事業継続の確保を図っています。そのために、以下に示すとおり、リスク事象の調査・評価、現状対策の実効性確認、改善策の実施といった一連の仕組みを整備しています。

図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。

・取締役会
事業年度の冒頭にリスク管理委員会からリスク管理についての基本方針の報告を受け、適正なリスク管理活動を指導・助言します。また、リスク管理に関する責任体制を定めた「リスク管理規程」の改廃に係る承認を行い、リスクガバナンス体制の実効性確保を図ります。
・リスク管理委員会
リスク管理担当役員を委員長とし、業務執行上の意思決定機関である経営会議のメンバーで構成され、リスク管理方針・施策の決定、取締役会への報告・建議を行います。
・リスク管理担当役員
全社的なリスク管理を統括し、リスク管理委員会の運営、リスク管理状況の監視、必要な資源配分の検討を行います。
・リスク管理室
リスク管理委員会の常設事務局として、リスク管理に関する企画立案、各リスク管理者、リスク統括責任部署との間における連絡調整等を担当します。
・リスク管理者
事業所長、部門長及びリスク管理委員会が別途定める者を担当業務領域についてのリスク管理者とし、その担当業務領域におけるリスク管理の責任を負います。
・リスク管理統括部署
後述するリスク評価活動の結果を踏まえて決定されたリスク管理領域の本社主管部署をリスク管理統括部署とし、その担当役員をリスク統括責任者とします。リスク管理統括部署は、それぞれの担当領域に係るリスクについてリスク管理者から報告を受け、その対応を支援し、モニタリングします。

今年

当社は、2026年4月27日付で公表した「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、グループ全体におけるリスク情報の把握、報告、審議及びモニタリングの体制・プロセスを見直しました。具体的には、重要なリスク情報の報告ルートの明確化、取締役会への重要リスク情報の報告及び内部監査によるリスク管理体制の確認等を含む新たな運用を順次開始しています。これにより、リスク発生時の対応力不足による損失拡大等を防止するとともに、危機事象の発生時においても事業継続及び早期復旧を可能とする実効性のある体制及び仕組みを構築し、その実効性の向上に取り組んでいます。当社は、これらの体制及びプロセスの運用状況を継続的にモニタリングし、その結果及び事業環境の変化を踏まえて、ガバナンスの強化と企業価値の向上を図るとともに、グループの持続的な成長及びステークホルダーからの信頼獲得・向上を目指しています。

図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。

・取締役会
「年次活動基本方針及び年次活動計画」や「委員会運営に係るKPI」などのリスク管理に関する重要事項について、レビュー及び承認を行います。また、リスク管理委員会からの定期報告を受け、リスク管理体制の適切な運営状況や重大インシデントの傾向等に対する監督機能を発揮します。さらに、全社的なリスク管理の枠組みを定める「ニデックグローバルリスク管理基本方針」や「リスク管理規程」の改廃に係る決議を行います。

・経営会議
グループ経営の業務執行に係る意思決定機関として、リスク管理委員会から付議・報告される重要なリスクの評価結果及び対応戦略について審議し、経営資源の配分を含む対応方針を決定します。また、決定した対応戦略に基づく施策の進捗状況をモニタリングし、事業運営への影響が重大なリスクについては、取締役会に対して適時に報告を行います。

・リスク管理委員会
リスク管理最高責任者を委員長とし、担当業務におけるリスクに対する管理体制や実務実態に即した議論の促進を担う委員により構成されます。グループ経営の業務執行及び専門的な目線で議論し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直します。また、重要なリスクに対する対応の戦略等について経営機関への諮問又は審議を行うとともに、委員会の運営状況や課題、重大インシデントの傾向等を取締役会へ定期的に報告します。

・リスク管理責任者
Nidecグループにおけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理活動を推進します。リスク管理委員会の委員長として委員会を主催し、議論を統括するとともに、経営会議や取締役会等の経営機関への報告の役割を担います。

・リスク管理委員会事務局(リスク管理室)
当社のリスク管理委員会の事務局業務を担い、委員長の指示により、委員会の招集手続き、事務処理及び議事録の作成等を担当します。また、グループグローバル業務主管部署と協力し、下位階層(事業本部・グループ会社本社階層および拠点・事業所階層)における体制の整備に関する支援を行います。

・リスク管理推進責任者/リスク管理マネジャー
リスク管理の各階層において、事業本部・グループ会社本社階層(L2)の「リスク管理推進責任者」、および拠点・事業所階層(L1)の「リスク管理マネジャー」として、それぞれの階層におけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理体制の整備と推進を行います。

・グループグローバル業務主管部署
各担当役員(CxO)の管掌のもと、担当業務領域のリスクオーナーとして、当該領域のリスク情報の集約・分析及びモニタリングを行うとともに、リスク管理体制の整備に関してニデックグループに対する指導及び支援を担います。
重要度 2(注目)追加事業等のリスク / 新規リスク
(2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開

事業等のリスクの記載に、「(2)SOP(標準業務手順書)の策定・展開」の項目が新たに追加された。「関税対応マニュアル」「関税対応ハンドブック」およびSOPの策定・展開が挙げられ、資産性にリスクのある資産の評価減の時期の恣意的な調整など、連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制として記載されている。

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前年

(なし)

今年

・「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の策定・展開
・SOP(標準業務手順書)の策定・展開

(資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理に関する内部統制)
重要度 2(注目)追加事業等のリスク / 新規リスク
(1)企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実

新たに「企業風土の変革、コンプライアンス教育の充実」の項目が追加され、企業風土改革の推進組織設立、階層別研修、経営層・社員の行動変革、入社時・定期のコンプライアンス教育、役員責任調査委員会の設置や人事対応などの対応策が記載された。第三者委員会の調査報告書を受けた対応として「本事案」への言及があり、内部統制に係るリスクへの主要な対応策として位置づけられている。

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前年

(なし)

今年

①企業風土の変革
・企業風土改革を推進する新組織の設立による従業員からの意見収集
・階層別企業風土研修の実施
・社員との対話機会の創出
・経営層による行動変革
・社員による行動変革
・当社各部門・グループ会社・グローバル各社での改善活動
・施策の実施状況の透明性確保
②コンプライアンス教育の充実
・入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育の充実
・グループ全体へのコンプライアンス教育の徹底と本事案の継続的な周知
③責任の明確化
・役員責任調査委員会の設置
・執行役員より下の階層の職員及び当社グループ会社役職員に対する必要な処分の実施
・第三者委員会の調査報告書等を受けての人事対応

①内部統制に係るリスク
主要な対応策
重要度 2(注目)追加事業等のリスク / 記載の強化
(3)事業計画策定・管理方法の見直し

事業等のリスクに、事業計画策定・管理方法の見直しとして、中期経営計画・事業計画策定プロセスの再整備、予実管理プロセスの適正化、事業評価基準の見直しの3項目が新たに記載された。「内部統制に係るリスク」の主要な対応策に関する項目として追加されており、計画策定ルールの明文化、チーム制の検討体制構築、業績管理値の変更、評価項目の追加などが挙げられている。

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前年

(なし)

今年

①中期経営計画・事業計画策定プロセスの再整備
・中期経営計画・事業計画策定ルールの再定義及び明文化
・中期経営計画・事業計画検討体制(チーム制)の構築
・中期経営計画・事業計画策定プロセスの強化
②予実管理プロセスの適正化
・予実管理における業績管理値の変更
・実績分析及び対策の検討、次期計画精度向上のための対応策実施
③事業評価基準の見直し
・計数項目の見直し
・評価項目の追加

①内部統制に係るリスク
主要な対応策
重要度 2(注目)追加事業等のリスク / 新規リスク
(4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上

事業等のリスクの節に「(4)取締役会及び監査等委員会の実効性向上」が新たに追加された。業績目標の妥当性に対する監督、重要リスク情報の共有体制の整備、監査等委員会の実効性向上、取締役会の専門性の多様化、社外取締役のサポート体制の拡充といった対応策が列挙されている。

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前年

(なし)

今年

・業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上のための対応策実施
・重要リスク情報共有体制の整備と監督機能の強化
・監査等委員会の実効性向上のための対応策実施
・取締役会の専門性の多様化による監督機能の強化
・社外取締役のサポート体制の拡充
重要度 2(注目)追加事業等のリスク / 新規リスク
(5)経理機能の事業部門からの独立性の確保

事業等のリスク(対策に関する記載)に「(5)経理機能の事業部門からの独立性の確保」が新規追加され、経理機能の独立性・経理リソースの確保、経理に関する意識改革・教育、経理ガバナンスの強化の4項目が列挙された。経理体制の見直しに関する取組が新たに記載された。

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前年

(なし)

今年

・経理機能の独立性の確保
・経理リソースの確保
・経理に関する意識改革・教育
・経理ガバナンスの強化
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(1)他の関連した問題の識別や会計処理及び表示の改善を行うための、過年度に開示した書類及び訂正された連結財務諸表に含まれる連結決算仕訳に対しての詳細なレビューの実施

前年に記載されていた、過年度開示書類・訂正連結財務諸表の連結決算仕訳の詳細レビュー、並びに連結決算手続方針の更新・連結子会社間取引の調整把握体制の強化・承認手続に重点を置いた研修といった内部統制の改善策に関する記述が、今年は削除されている。代替となる記載は示されていない。

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前年

(2)連結決算手続に係る方針の更新、連結子会社間取引に関連する調整対象案件を特定する際に必要な正確かつ網羅的な情報を把握するための体制の強化、並びに連結決算処理に対する検証及び承認権限者による承認手続に重点を置いた研修の実施

今年

(なし)
重要度 2(注目)削除事業等のリスク / リスク削除
(3)当社及び子会社の経理財務責任者による連結決算手続に対する包括的なモニタリング機能の強化及び決算・財務報告プロセスにおける連結子会社間取引の調整に関する査閲・承認手続の強化

前年に記載されていた内部統制に係るリスク項目が削除された。同項目には、前年度末の開示すべき重要な不備が当期に解消し内部統制評価が有効と判断されたこと、連結子会社での原産国申告誤りに伴う未払関税の過少計上を重要な不備と判断した経緯、再発防止策の内容が含まれていた。当期の記載はない。

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前年

その結果、前連結会計年度末における開示すべき重要な不備について、当社は当連結会計年度において、開示すべき重要な不備が解消し、当該内部統制の評価結果は有効であると判断しました。
当社は、再発防止の取り組みを今後も継続的に実行し、内部統制の強化を図ってまいりますが、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
(当連結会計年度の開示すべき重要な不備)
また、当社の連結子会社において、製造したモータの原産国申告の誤りに伴う未払関税額の過少計上が判明し、2025年3月期の全社的な内部統制及び経理決算プロセスの内部統制上、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。
当社としましては、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、当社グループにおいて、以下の再発防止策を速やかに策定、実行することで財務報告の信頼性を確保しましたが、今後開示すべき重要な不備が再度発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

②内部統制に係るリスク
主要な対応策
当社は、コンプライアンス重視の経営を行っていくほか、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題のひとつとして位置付け、グループを挙げて関係会社の管理体制等の点検・改善等に取り組むことにより、これらのリスクの回避及び最小化に努めております。
また、2025年3月期の全社的な内部統制及び決算プロセスの内部統制上識別した開示すべき重要な不備を是正するため、以下の対応策を策定しています。なお、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等の結果、以下の対応策に変更が生じる可能性があります。

今年

(なし)
重要度 1(軽微)削除会計方針の変更 / その他

前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)の当事業年度期首からの適用に関する会計方針変更の注記が、今年は記載されていない。前年の記載では財務諸表への影響はないとされていた。

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前年

(会計方針の変更)
(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準の適用について)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号2022年10月28日)を当事業年度の期首から適用しています。これによる財務諸表への影響はありません。

今年

(なし)
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(2)組織・体制の強化

「(2)組織・体制の強化」の取組項目のうち、「グローバルガバナンス体制の強化」が「グローバルコンプライアンス体制の強化」に表記変更された。貿易コンプライアンス体制の強化の記載は変更されていない。

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差分(削除 / 追加)

・貿易コンプライアンス体制の強化
・グローバルガバナコンプライアンス体制の強化

前年

・貿易コンプライアンス体制の強化
・グローバルガバナンス体制の強化

今年

・貿易コンプライアンス体制の強化
・グローバルコンプライアンス体制の強化
重要度 1(軽微)変更事業等のリスク / 内容更新
(3)手順・規程・仕組みの改善

「(3)手順・規程・仕組みの改善」の項目で、「法務コンプライアンス部門間」が「法務・コンプライアンス部門間」へと中黒を加える表記修正がなされた。内容や取組の実質的な変更はない。

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差分(削除 / 追加)

・当社グループのレポーティングラインの改善
・当社グループの法務法務・コンプライアンス部門間の情報共有
・内部統制の適切な整備

前年

・当社グループのレポーティングラインの改善
・当社グループの法務コンプライアンス部門間の情報共有
・内部統制の適切な整備

今年

・当社グループのレポーティングラインの改善
・当社グループ法務・コンプライアンス部門間の情報共有
・内部統制の適切な整備
重要度 1(軽微)追加事業等のリスク / 記載の強化
(1)教育研修の実施

事業等のリスクの記載に、新たに「(1)教育研修の実施」という項目が追加された。貿易コンプライアンスに関する研修の実施と、コンプライアンスの重要性についての継続的な発信が記載されている。リスクそのものの追加ではなく、対応策・取組に関する記述の追加である。

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前年

(なし)

今年

・貿易コンプライアンスに関する研修の実施
・コンプライアンスの重要性についての継続的な発信
重要度 1(軽微)追加事業等のリスク / その他
(2)人事関連制度の見直し

事業等のリスクの節に、人事関連制度の見直しに関する記載が新たに追加された。人事評価制度では業績以外の目標設定と評価の徹底、役員報酬では評価基準の見直しと報酬決定プロセスの実効性強化、執行役員指名では選任基準の見直しと解任基準の策定が挙げられている。

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前年

(なし)

今年

①人事評価制度の見直し
・業績以外の目標設定と評価の徹底
・制度理解向上施策の実施
②役員報酬評価基準の見直しと報酬決定プロセスの実効性強化
・役員報酬評価基準の見直し
・報酬決定プロセスの実効性向上のための対応策実施
③執行役員指名の基準見直しと実効性の強化
・選任基準の見直し及び解任基準の策定
・執行役員選任プロセスの実効性向上のための対応策実施
重要度 1(軽微)追加事業等のリスク / 記載の強化
(6)内部監査体制の強化

事業等のリスクの節に「(6)内部監査体制の強化」という項目が新たに追加された。内容は、監査等委員会との連携による独立性の強化と、内部監査の対象法人の拡大および監査品質向上のための対応策の実施である。

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前年

(なし)

今年

・監査等委員会との連携による独立性の強化
・内部監査の対象法人の拡大と監査品質向上のための対応策実施
重要度 1(軽微)削除事業等のリスク / リスク削除
(2)リスク調査・評価活動

前年に記載されていた「リスク調査・評価活動」の項目(リスク特定・評価・追加低減措置・モニタリング・改善のフロー、リスクレベル特定マトリックス等)が、今年は当該節から削除されている。リスク事象を4分類(経営戦略・事業運営・ガバナンス・偶発的)して評価する手順の説明が記載されなくなった。

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前年

リスク管理室より依頼を受けた本社・グループ会社・事業本部のリスク管理者は、全社リスク管理フロー図(図2)、リスク調査・評価活動階層(図3)に基づき、定期的に事業に影響を及ぼすリスク事象の調査・評価を行います。対象とするリスク事象は、経営戦略リスク、事業運営リスク、ガバナンスリスク、偶発的リスクの4つに分類されます。

図2 全社リスク管理フロー図

上記フロー図内の主なアクションの概要は、以下のとおりです。
・リスク特定
リスク管理室により任命されたリスク管理者が、毎年度、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスク事象を洗い出します。
・リスク評価
当該リスク管理者は、洗い出されたリスク事象について、全社共通の指標に則り発生可能性と影響度を評価の上、リスクレベルを特定します(図4参照)。リスク評価に当たっては、事象毎にリスクシナリオを検討し、潜在リスクの把握に努めます。
・追加リスク低減措置
特にリスクレベルが「重大」「高」の場合、現行のリスク管理活動に追加するリスク低減策を立案、実施します。
・モニタリング
リスク管理委員会で決定したNIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスク(後述 項番(3)参照)については、KRI (Key Risk Indicator)を定め、モニタリングします。
・改善
リスク低減策の実施状況を確認の上、必要に応じて改善策を講じます。リスク管理活動の結果を分析し、リスク管理体制や運用状況の継続的な改善を図ります。

図3 リスク調査・評価活動階層

リスク調査・評価に当たっては、現状のリスク管理活動とリスク低減対策の実施状況を確認のうえ、残存リスクのモニタリングを行い、結果をほかの階層の施策に相互利用しています。例えば、L2で特定されたリスクについてはL3でも内容を確認し、その中にL3主導で改善しなければならない全グループ共通の課題を発見した場合は適宜L3のリスク管理活動に反映する等、階層別リスク管理活動を相互に関連づける動きを進めています(図3参照)。

図4 リスクレベル特定マトリックス

リスクレベルはリスク対策実施後の残存リスクに対して、発生の可能性と結果の重大性を5段階に分類した上で図4のマトリックスにあてはめ、重大・高・中・低の4段階で評価します。「重大」、「高」に特定されたリスク事象は、追加のリスク低減措置の検討が必須となっており、年度末に低減措置の実施状況をリスク管理室が確認し、課題があればリスク管理委員会に報告されます。

今年

(なし)

2025-03-31 期 (提出日 2025-09-26 16:44)

前年版がないため比較していません。