監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価手続の記載が変更された。前年は入力担当者以外による納品予定日と通知の照合統制、および経理担当者による未出荷リストを用いた計上漏れ確認の2点を挙げていたが、今年は売上高が適切な会計期間に計上されることを確保するための出荷予定日・納品予定日の登録・確定に係る統制に焦点を当てる記載に集約された。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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商品売上高の金額が7,029,753千円から6,975,685千円に更新され(売上高に占める割合は55%のまま)、収益認識プロセスの説明が簡潔な表現に書き換えられた。また、潜在的リスクの記載が2項目から「納品予定日と実際の納品日が異なる場合の期間帰属の誤り」の1項目に整理され、「納品書等が送付されず収益認識が漏れる可能性」の記述が削除された。KAMの対象(直送取引及び倉庫取引に係る商品売上高の期間帰属の適切性)自体は変わっていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
2025年4月1日付で中部・関西第2カンパニーと第3カンパニーを統合し、報告セグメントが6区分から5区分に改編された旨が追記された。また、連結子会社の東海オートマチックス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社の事業を「システム・ソリューションカンパニー」から「中部・関西第1カンパニー」へ移管し、前連結会計年度のセグメント情報も組替後の区分で記載している。
前年に記載されていた「主要取引先との営業取引に関するリスク」の項目が今年は削除された。前年は株式会社アイシンへの販売が2025年3月期の総販売実績の37.1%を占め、同社の生産動向や購買方針の変化が連結業績に影響し得る旨が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(滞留在庫の見積り)における「見積りの合理性の評価」の監査手続の記載が簡素化された。滞留在庫の網羅性の検証方法が「判定資料の作成過程の再実施」から「対象在庫の整合性の検討」に変わり、回転期間1年超で直近6ヶ月以内に仕入実績がある商品に関する質問・受注状況の比較・社内稟議等の閲覧の手続の記載が削除された。
監査上の主要な検討事項(在庫評価)における内部統制の評価手続の記載が簡素化された。自動車分野向け在庫の過剰在庫調査プロセスの評価、およびIT専門家の利用と2024年10月の基幹システム移行に関する記述が削除され、在庫回転期間の算出を再実施により確認した旨のみが残っている。
退職給付債務に関するリスクの記載本文に変更はない。リスク管理体制の説明で、CROが「コンプライアンス統括責任者を兼ねる」との記述が削除され、コンプライアンス・リスク管理委員会は「社長直属の機関」から「管理本部長を委員長とする」委員会へと表現が改められた。
資金調達に関するリスクの記載で、調達手段の列挙から「売上債権の売却」が削除され、「借入金等」に簡略化された。資金調達が行われなかった場合の影響に関する記載内容は変更されていない。
前年に記載されていた、連結子会社2社(東邦薬品、九州東邦)が受けた独占禁止法違反による排除措置命令・課徴金納付命令および関連損失の引当に関する記述が削除された。あわせて、対応策としてコンプライアンス推進部の設置と内部通報制度の充実に関する記述が追加され、研修の対象表現が全従業員から全役職員へ変更された。
リスク内容の記載は前年と同一である。対応策について、新たに「共創未来グループ災害等対策委員会」の設置と対策方針の立案・整備、災害等対策マニュアルおよび事業継続計画の策定が追記された。一方、前年にあった「エリアごとにリスクを明確化した災害対策計画書」の記述は削除されている。
減損損失リスクの記載で、市場価格のない投資有価証券の減損基準が「1株当たり純資産額が50%を下回り」から「取得価額の50%を下回り」へと文言が明確化された。対応策では、出資時の調査項目に正味現在価格や中期経営計画目標への貢献が加わり、「調査、分析、検証」を経て客観的かつ透明な審議プロセスで意思決定する旨が追記された。
医薬品製造販売事業のリスク項目で、「対応」欄に遵守する法令としてGCTP省令(再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)が追加された。併せて、GMP・GQP・GVP省令の列挙に係る句読点・括弧の表記が整理された。リスク本文の内容に変更はない。
事業等のリスクの前文に「基本的な考え方」「リスク管理体制」「重要リスクの特定」の記載が新たに追加された。影響度と発生頻度の2軸でのリスク評価、取締役常務執行役員CGOを委員長とするリスク管理委員会による重要リスクの選定・モニタリング体制が説明されている。また、気候変動・人的資本に関するリスクはサステナビリティの項に掲載する旨の注記が加わった。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当期の報告書では記載されていない。前期の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
「個別要因に基づく帳簿価額の切下げ」に関する監査上の対応の記載内容に変更はない。前年に併記されていた「経営統合に伴う企業結合に係る会計処理」に関する見出し部分(監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由、監査上の対応)の記載が、今年は削除されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の共同株式移転による企業結合(取得原価の算定およびPPA、顧客関連資産・のれんの計上)から、商品及び製品(計上額35,923百万円、主に半導体・電子部品)の評価に変更された。後者では、規則的な帳簿価額の切下げと個別要因に基づく帳簿価額の切下げの二つの方法による評価が説明されている。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(関連当事者を相手先とした収益認識。システム開発受託86,814千円、絵本制作受託44,735千円など)が、今年は記載されなくなった。当該KAMの内容および監査上の対応手続の記載がすべて削除されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「③入金証憑」の項目が新たに追加された。特定シナリオで抽出した取引につきエンジニアの雇用契約書・支給控除一覧表・出金証憑との突合や作業報告書の確認、得意先が仕入先となる取引の有無、期末日後の売上高マイナス計上取引の有無を検証した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、「①顧客からの注文書又は契約書」という見出しが新たに記載された。前年は該当する記載がなく、記載内容は見出しのみで具体的な検討内容は示されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「DX事業に係る売上高の実在性」が新たに記載された。売上高1,865,469千円のうちDX事業が1,829,380千円(約98%)を占め、架空売上計上のリスクがあるとして、内部統制の評価や証憑との突合などの監査手続が実施されたと記されている。
前年に記載されていた「モバイルコンテンツの事業競争と新規事業への投資について」のリスク項目が今年は削除された。前年は参入障壁の低さによる新規参入者の広告宣伝投下の影響や、新サービス・新規事業の投資回収不能の可能性を記載していた。
資金調達に関するリスク記載から、2025年2月28日の取締役会決議に基づく第三者割当による新株式及び第18回新株予約権の発行に関する記述(株式の希薄化・株価への影響、新株予約権の行使が進まない場合の資金調達不足の可能性)が削除された。長期借入による資金調達と金利上昇・資金調達不能のリスクに関する記載は維持され、「当事業年度において」の文言のみ削除されている。
前期に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)「株式会社クサネンの取得により計上したのれんの減損処理の要否」(のれん262百万円、取得時のれん362百万円)が、当期の記載では削除された。減損の兆候はないとの判断や監査手続の記述も併せて無くなっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、「直送取引にかかる売上高の実在性の検討」が新たに記載された。月次推移分析や予算達成率との比較による期末月の異常計上の検討、得意先別の粗利推移分析、一定要件を満たす取引の証憑閲覧・入金確認といった監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「内部統制の評価」が新たに記載された。直送取引の売上高を適切に計上するために構築された内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した旨が示されている。前年は当該項目の記載がなかった。
当期の監査報告書に、リビング事業の直送取引に係る売上高の実在性が監査上の主要な検討事項(KAM)として新たに記載された。リビング事業のセグメント売上高22,479百万円が対象で、商品が仕入先から顧客へ直接配送されるため実在性の確認が相対的に難しい取引であることが決定理由とされている。
KAM「社外取締役が代表権を有する会社との関連当事者取引としての販売取引の妥当性」の対象は同一で、Biomedical社向け売上高が3,448百万円(33.5%)から3,990百万円(36.4%)、Biomedical US社向けが1,022百万円(9.9%)から1,120百万円(10.2%)へと更新され、売上高に占める割合が上昇した。監査上の対応として、両社の決算書等の閲覧による財務内容の確認と、決算日後の売上高の借方勘定の通査による異常な調整項目の確認の2手続が追加された。
KAM「個別要因に基づく帳簿価額の切下げ」について、見積りリスクの表現が「過度に楽観的になるなど適切に行われなかった場合」から「見積りを誤った場合」に簡素化された。また、監査手続の対象が、株式会社リョーサン及び菱洋エレクトロ株式会社の保有する商品及び製品と具体的に明記された。KAMの対象項目や評価の枠組み自体に変更はない。
監査上の主要な検討事項(規則的な帳簿価額の切下げ)の記載で、システムが把握する対象が「販売実績の有無」から「販売実績の有無等」に変わり、「保有目的も勘案して」との文言が削除された。評価減の要否を検討する枠組み自体や、リスクの内容に変更はない。
監査上の主要な検討事項(商品及び製品の評価)について、前年にあった具体的な記載(商品及び製品51,900百万円、総資産比22.5%、評価損△169百万円、評価方法の説明など)が今年は抽出テキスト上で見出しのみとなり、本文が欠落している。KAMの対象項目自体の削除かどうかは、この比較からは判別できない。
固定資産に関する減損リスクの項目で、当連結会計年度末時点の固定資産保有額が272億22百万円から264億68百万円へ更新された。リスクの内容や表現に変更はなく、数値の更新のみである。
与信リスクの記載のうち、当連結会計年度末時点の受取手形及び売掛金の金額が944億62百万円から1,104億14百万円に更新された。与信限度額の設定やファクタリング付保などの保全策、リスクの内容に関する記述に変更はない。
在庫リスクの項目で、当連結会計年度末時点の棚卸資産保有額が522億74百万円から561億15百万円に更新された。リスクの内容や対応方針の記載に変更はなく、数値の更新のみである。
前期に記載されていた会計方針の変更に関する項目が当期は削除された。前期は2022年改正の法人税等会計基準の適用(影響なし)と、経営統合に伴うグループ内の会計処理統一(収益認識基準を出荷時から顧客への引渡時点へ変更、期首利益剰余金が285百万円減少、売上高2,752百万円増・営業利益306百万円増)が記載されていた。当期にはこれらに相当する記載がない。
報告セグメントに属するサービスの種類の記載で、「コンテンツ事業」の内容から「知育アプリや」という表現が削除され、電子絵本サービス等の企画・制作・運営、キャラクターの企画・制作等となった。「DX事業」の記載(ITエンジニア派遣、受託事業等)に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、「顧客からの検収書、作業報告書又は検収システム上の検収管理画面」という見出しが新たに記載された。前年は該当する記載がなく、見出しのみで具体的な内容は示されていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、経過的な取扱いに従っており、財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年では削除されている。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
事業等のリスクの構成・評価項目は前年と同様で、主要販売先の売上割合表が第19期に更新され、上位3社合計は51.8%から52.8%となりました。また、代理店取引の対応策、システム停止の対応策(インシデント対応計画・2次電源設置等)の記述が変更され、社外取締役の兼務関係の表現や創業者の「主要株主」から「大株主」への表記などの文言修正も行われています。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表に与える影響はないとされていた。
前年に記載されていた「法令違反」リスク項目が全文削除された。前年は、公正取引委員会の立入検査(2024年11月)と、機械式駐車装置の取引に関する排除措置命令及び課徴金納付命令(2025年3月)、再発防止策やコンプライアンス体制強化の取り組みが記載されていたが、今年は該当記載が存在しない。
前年度に記載されていた「11.サプライチェーン途絶」のリスク項目(後継者不足等による重要サプライヤの廃業で材料・部品の入手が困難となり、納期遅延や生産縮小等で業績に影響を及ぼす可能性、および情報収集・取引先集中回避・適正在庫保有による対応策)が、今年度の記載では削除されている。
前年に記載されていた「製品瑕疵」のリスク項目が、今年の記載では削除された。前年はリコール対象製品が顕在化した場合の遡及対策費用による業績への影響可能性と、ISO9001認証取得による品質確保の取組が記載されていた。
前年に記載されていた「情報漏洩」のリスク項目(サイバーテロやコンピュータウイルスによる多額の費用や生産活動停止の可能性、および監視ツール導入・従業員教育等の対策)が、今年の記載では削除されている。
前年に記載されていた「8.労災・設備事故」のリスク項目が、今年の記載では削除されている。前年は重篤な労働災害や重要設備の故障による操業停止、指名停止処分、違約金のほか、ハラスメントや高残業による従業員の健康悪化の可能性と、安全教育や定期点検、ストレスチェック等の対策が記載されていた。
前年に記載されていた「感染症パンデミック」のリスク項目が今年は削除された。前年は航空機セグメントでの民間航空機需要減少に伴う減産対応や他セグメントの操業度低下の可能性、ワクチン職域接種・リモートワーク等の感染予防策や固定費圧縮の施策が記載されていた。
前年に記載されていた「大規模自然災害」のリスク項目(事業運営への支障や業績への重大な影響の可能性、BCM基本方針・BCP策定、老朽化した工場の防災対策等の対応策)が、当年は記載されていない。
前年に記載されていた「急激な市場環境変化」のリスク項目が、今年の事業等のリスクから削除された。ロシアによるウクライナ侵攻などの国際情勢変動や顧客計画の変更に伴う労働負荷増大・納期遅延・生産縮小のリスクと、生産調整や長時間労働防止策に関する記載がなくなっている。
前年に記載されていた「脱炭素対応遅れ」のリスク項目(温室効果ガス排出量削減が計画どおり進まない場合や法令改正への不適合による、エネルギー調達コスト増加・炭素税増税等の影響と、KPI・目標値設定やシナリオ分析による対処)が、今年の記載では削除されている。後継の記載は確認できない。