事業リスクとして「(14) 法的規制及びコンプライアンスについて」が新たに追加された。会社法、金融商品取引法、個人情報保護法、独占禁止法、輸出入関連法令など各種法令の適用を受けること、事業領域の拡大に伴い電線・電子部品・システム開発・広告・音楽映像コンテンツ等の固有規制への対応が重要になっていることが記載されている。法令改正や自社・取引先の法令違反により、行政処分、損害賠償、信用低下等を通じ経営成績及び財政状態に影響する可能性があると記されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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事業等のリスクに「(11) 知的財産権及びコンテンツ権利処理について」が新設された。製品・システム開発、広告制作、音楽コンテンツ、映像編集、ライブ・エンターテインメント等に関わる特許権・著作権・肖像権・原盤権等について、第三者の権利侵害や権利紛争が生じた場合に、損害賠償、差止請求、サービス提供停止、信用低下等により経営成績に影響し得ると記載されている。
事業等のリスクに「情報セキュリティ及び個人情報保護について」の項目が新規に追加された。サイバー攻撃、不正アクセス、人的ミス、委託先の管理不備等による情報漏えい・サービス停止が、損害賠償、行政処分、信用低下を通じて経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性が記載されている。
事業リスクとして「資金調達及び流動性に関するリスク」が新設された。金融市場の変動、金利上昇、業績悪化、金融機関の与信方針変更などにより、想定どおりの条件で資金調達ができない場合や調達コストが増加する場合に、資金繰り・経営成績・財政状態に影響を及ぼす可能性があると記載されている。あわせて、持株会社への資金調達の集約や複数年のコミットメントライン契約の活用といった対応が記されている。
グループ会社管理・内部管理体制リスクの記載が拡充され、M&A等による連結対象会社の増加と、半導体関連、電子機器、ICT、システム開発、音楽・映像コンテンツ関連等への事業領域の拡大が明記された。強化対象にコンプライアンス、リスク管理、財務報告体制、情報管理体制が追加され、体制構築が追いつかない場合の影響として、コンプライアンスの確保や適時・適切な財務報告が困難となる可能性と、経営成績に加え信用への影響が加わった。
事業等のリスクに、新たな項目「(6) システム開発、プロモーション・マーケティング及びデジタルコンテンツ制作について」が追加された。仕様変更、納期遅延、制作物の不具合、権利処理上の問題などが発生した場合に、追加費用、損害賠償、信用低下を通じて経営成績に影響を及ぼす可能性があると記載している。
製品品質リスクの記載が拡充され、対象が「製造」から「製造、調達及び販売」に広がり、品質管理体制や仕入先・外注先管理への取組が追記された。リスク事象として仕様不適合・納入遅延、回収・交換・補修・信用低下が加わり、産業機器・医療機器・通信機器など具体的な用途への言及が追加された一方、保証費用の見積計上や大規模リコール・保険金額を超える賠償責任の記述は削除された。
価格・調達環境の変動リスクの対象が、デジタルデバイスの半導体関連製品に加えICTプロダクツの各種デジタル機器にも拡大された。変動要因として原材料価格、物流費の上昇、地政学的リスク、各国の通商政策等が新たに列挙され、対策として仕入先の分散・在庫管理の徹底が追記され、影響も供給制約や安定供給への言及が加わった。
技術革新リスクの対象が、ICTプロダクツのデジタル会議市場のみから、半導体関連・電子機器・ICT関連・システム開発・デジタルコンテンツ関連の各市場へと拡大された。あわせて、破壊的イノベーションに加え、市場ニーズの変化を的確に捉えられず製品・サービスを適時に投入できない場合も新たにリスク要因として明記された。
前年は精密化学品事業(電池材料事業)と基礎化学品事業の2件の固定資産評価がKAMだったが、今年は基礎化学品事業セグメントの固定資産評価のKAMが記載されていない。電池材料事業のKAMは継続し、固定資産残高(55,843→53,454百万円)や同セグメント分(20,715→18,078百万円、構成比37.1%→33.8%)が更新された。販売数量見積りの監査手続の記述が『需要予測及び供給予測と外部データ』から『主要な顧客の需要予測と外部情報源』に変更された。
拠点での事業内容に「製造、開発」が加わり、想定される異常事態が自然災害・感染症に加えて火災、停電、通信障害、物流網の混乱などへ拡充された。新型コロナウイルスへの個別言及は削除され、影響として調達・製造・販売・サービス提供の遅延又は停止が明記され、影響範囲も経営成績に加えて財政状態に広がった。
対象事業の列挙が拡充され、システム開発、デジタルコンテンツ制作、映像編集、音楽コンテンツ関連サービス等が追加された。必要な人材の要件に企画力・制作力・専門知識が加わり、リスク要因に人材獲得競争の激化、影響にサービス品質の低下と受注機会の逸失が追記された。リスク項目自体は継続しており、基本的な構成は変わっていない。
人的資源リスクの記載に、M&Aによるグループ会社の増加を背景に、各社の企業文化を尊重しつつ経営方針・内部管理体制・人材活用方針を浸透させることが重要との認識が追加された。リスク事象にも「組織統合の遅れ」「従業員エンゲージメントの低下」が加わり、「各事業領域において」という表現も挿入された。
M&A・業務提携の目的に「デジタルコンソーシアム構想」の実現が追加され、近年連結対象会社及び事業領域が拡大している旨が加わりました。デューデリジェンスの対象に事業・人事・内部管理体制等が追加され、シナジー未達の要因として事業環境の変化、主要人材の流出、内部管理体制の整備遅延が新たに例示されています。
従来はICTプロダクツ製品の価格競争に限定した記載だったが、半導体関連・電子部品・電材・ICT・プロモーション・マーケティング・デジタルコンテンツの各関連市場における競合全般を対象とする記載に拡大された。対策として提案力強化やグループ会社間の連携等が加わり、リスクとして競合の新製品・新サービス投入や顧客ニーズ変化による競争力・市場シェア低下が追記された。
価格競争の対象を電機業界のみから電子部品関連業界・ICT関連市場へ広げ、ICTプロダクツでも競合との価格競争や顧客のコスト削減要請が生じ得る旨が追記された。対策として付加価値の高い商材の取扱いや調達・製造コスト削減が加わり、為替対策のデリバティブ取引は「講じている」から「一定の対策を講じる場合がある」へ表現が弱められ、対象に商品も追加された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当年は削除されている。前年の記載では連結財務諸表への影響はないとされており、基準適用に伴う経過的な取扱いの説明が不要になったものとみられる。
資金調達リスクの記述で、金利変動への備えが「種々の借入条件を組み合わせる」から「金利スワップによるヘッジを行っている」に具体化された。金利が大幅に上昇した場合に金利負担が増加し業績に影響する可能性がある点は変わっていない。
当連結会計年度より、サステナブルパッケージング事業と液体紙容器事業を「その他」から「生活産業資材」に区分変更し、グループ本社費用は各セグメントに配賦せず「その他」に含める方法に変更した。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分で作成している。あわせて生活産業資材の事業内容が「ホームケア事業、ウェルネスケア事業」に改められた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「固定資産の減損テストの検討」の監査対応(事業計画の遡及的分析、家庭紙原紙事業の使用価値算定における生産・販売数量、パルプ購入価格、販売価格、長期成長率、割引率の検証手続)の記載が、今年は削除されている。KAMの対象項目が1つ減った形となっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節から、固定資産の減損テストに関する「内部統制の評価」の記載が削除された。前年は事業計画の前提(購入価格・販売価格・販売数量等)の承認や、将来キャッシュ・フローの割引現在価値の評価に関する統制手続を記載していたが、今年は該当記載がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)から、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙事業における固定資産の減損テストに関する使用価値の見積りの合理性に関する記載(前期の記載)が削除された。前期は固定資産残高9,060百万円(連結総資産の0.3%)、事業計画の遅れ、設備停止の影響、前期に減損損失を計上した旨などが記載されていたが、当期の記載は存在しない。あわせて、のれん及び顧客関連資産等の償却期間に関する検討手続(Walkiグループ関連)の記載も削除されている。
前年度の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「PPAにより識別された無形資産及びのれんの償却期間の決定」(Walkiグループ買収に伴う顧客関連資産・技術関連資産・のれんの償却期間、ロイヤルティ料率・陳腐化率・割引率の検討等)の記載が、今年度は削除されている。今年度の報告書には該当項目の記載が存在しない。
前期の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「(2) 無形資産の識別に関する検討」が削除された。前期はWalkiグループへの往査、経営者への質問、工場視察、買収目的との整合性確認、類似業種のPPAとの比較といった監査手続が記載されていたが、当期は該当記載がない。
前年に監査上の主要な検討事項(KAM)として記載されていたWalki Holding Oyの取得原価配分(顧客関連資産・技術関連資産の公正価値測定)に関する項目が、今年は記載されていない。前年は顧客関連資産21,936百万円、技術関連資産5,637百万円の計上とのれんの暫定額21,505百万円減少が記されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「(1) 無形資産の識別」(Walkiグループの買収に伴い顧客関連資産及び技術関連資産を識別した件)の記載が、今年は削除されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の監査上の対応として、新たに販売価格の妥当性の検証(経営者への質問、パルプ購入価格の市況に照らした趨勢分析、外部データとの比較)が記載された。あわせて、中国の物価上昇率予測との比較による長期成長率の検討、およびネットワーク・ファームの内部専門家を関与させた加重平均資本コストに基づく割引率の評価が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、パルプ購入価格の妥当性を確かめるための監査手続として、経営者への質問およびパルプ市況の予測に関する外部データとの比較が新たに記載された。前年は該当する記載がなく、今年新たに追加された項目である。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、販売数量の妥当性を確かめるための監査手続を示す項目が新たに追加された。経営者への質問による販売戦略の理解、家庭紙の市場規模・市場成長率と外部データとの比較、設備の生産能力と販売数量との比較が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、監査人の対応手続として、生産数量の妥当性を確かめるため経営者への質問を行い、過去の設備故障等の発生状況が事業計画に反映されていることを確かめた旨の項目が新たに記載された。前年は該当記載がなかった。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙事業における固定資産の減損テスト(使用価値の見積りの合理性)が新たに記載された。使用価値算定の重要な仮定(パルプ購入価格の市況を踏まえた販売価格、長期成長率、割引率)は家庭紙原紙・パルプ市況など外部環境の影響を受け不確実性が高いとされ、内部統制の評価や過年度の事業計画と実績の差異分析などの監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の項目として「主な原材料であるパルプの購入価格」が新たに記載された。前年は該当する記載がなく、今回新規に追加された見出しである。
監査上の主要な検討事項(KAM)の項目として「市場成長率の予測に基づく販売数量」が新たに記載された。前年は該当する見出しの記載がなく、今年新規に追加されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「製造設備の稼働状況に基づく生産数量」が新たに記載された。前年は該当する記載がなく、見出しのみが追加されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、Walki Holding Oyの株式取得に伴う取得原価配分(無形資産の識別・公正価値測定等)から、江蘇王子製紙有限公司の家庭紙原紙事業における固定資産の減損テスト(使用価値の見積り)に入れ替わった。後者では、中国市況低迷による販売数量減少等で事業計画が未達となり、減損損失4,615百万円を計上し、残存する固定資産は4,368百万円と記載されている。
金利変動リスクの記載が改訂され、資金調達が主に円建てであることと円金利上昇による資金調達コスト増加の可能性が明記され、中期経営計画に伴う有利子負債増加で影響が従来より大きくなり得る旨が追加された。為替変動リスクの対応策から、国内グループ会社間で外貨建て営業債権債務を相互融通してヘッジする記述が削除された。災害リスクの文言には読点追加などの軽微な修正があった。
報告セグメントが「時計」「コンシューマ」「システム」「その他」の4区分から、「システム」を「その他」に含めた3区分に変更された。変更の理由として、HR事業とSMB事業を担うカシオヒューマンシステムズ株式会社の全株式を株式会社CSホールディングスへ譲渡したことが記載され、前年にあった「システム」の事業分野見直しに関する記述は置き換えられている。
前年に監査上の主要な検討事項(KAM)として記載されていた「サイバー攻撃によるシステム障害への対応」(2024年10月の不正アクセスに伴うシステム障害、外部専門家による調査、復旧、監査手続など)が今年は削除され、KAMは「滞留製品の評価の妥当性」のみとなった。滞留製品の項目では棚卸資産が59,035百万円から59,065百万円、うち製品が44,511百万円から43,386百万円(総資産比13.4%から12.3%)に更新された。
前年に記載されていた2024年10月のランサムウェア攻撃による部品調達・生産・出荷の一時停止とシステム復旧の経緯に関する記述が削除された。代わりに、グループ全体のITセキュリティ強化の継続を対応策に組み込み、「重要なリスクの一つとして防止策の徹底を図る」との一文が追加された。
「法整備」が「法制度」に表現変更された。前年にあった米国の関税率引き上げによる業績影響の想定と、価格対応・サプライチェーン対応・関税政策の注視に関する記述が削除され、代わりに海外の法改正情報・各国の規制動向の収集・分析と、制度変更による事業影響の最小化に努めるという一般的な対応方針の記述に差し替えられた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「測定された無形資産の公正価値に関する検討」の記載(顧客関連資産・技術関連資産の公正価値測定に対する監査手続)が、当年は記載されていない。当年の該当項目は空となっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「(1) 内部統制の評価」の項目が前年から削除された。前年はWalkiグループの取得に関連する内部統制の整備・運用状況について、経理責任者への質問や関連資料の閲覧を行った旨が記載されていた。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当期では削除された。前期の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はない、または軽微とされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)における規則的な簿価切下げの方法の検討項目のうち、2つ目の手続の記述が「会社の評価方法における仮定」から「規則的な簿価切下げの方法」へと言い換えられた。検討対象の観点(製品のライフサイクル、外部機関の市場予測データ)は変わっていない。
「その他リスク」の導入文が、「事業並びに業績に影響を及ぼす可能性」から「事業展開、財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性」へと表現が変更された。また、前年にあった「当該リスクが顕在化する可能性は現時点では認識しておりません」との一文が削除された。列挙されているリスク項目自体(IT業界の景気循環性、自然災害など)に変更はない。
戦争・テロ・感染症等による社会的混乱のリスク記載のうち、中東の地政学リスクに関する文中から「『1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』に記載の通り」という参照表現が削除された。リスク内容や対応方針の記載に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年度では削除された。前年度の記載では、連結財務諸表への影響はない旨が示されていた。
固定資産の減損に関するKAMの題名が「認識の判定」から「認識」に変わり、前年は減損損失なしだったのに対し、当年度は減損損失105,308千円を計上した旨が記載された。固定資産残高は5,003,521千円(総資産の67%)から4,786,473千円となり、提出会社分4,017,277千円(55%)の記載に変わった。決定理由に不動産鑑定評価額(正味売却価額)の専門性が加わり、ネットワーク・ファームの評価の専門家を関与させ鑑定評価人へ質問する監査手続が追加された。
有利子負債への依存に関する記載で、数値が2026年3月期末のものに更新されました。総資産は7,520百万円から7,340百万円、有利子負債合計は2,512百万円から2,075百万円、総資産に対する割合は33.4%から28.3%となっています。リスクの説明文自体に変更はありません。
システムリスクの記載で、「コンピュータシステム」が「ITシステム」に、「想定外の自然災害」が「大規模な自然災害」に改められ、「コンピュータウイルスの不正侵入」が「サイバー攻撃によるマルウェアの侵入や不正アクセス」へと表現が具体化された。電子受発注管理システム“e-KaigoNet”に関する記載(売上高の約4割を占める主要仕入先が加入している旨など)に変更はない。