事業等のリスクとして「(17)自然災害リスク」が新規に追加された。地震・台風・洪水等や社会インフラの中断による拠点・施工現場の資産毀損、供給網の混乱による事業停滞の可能性が記載され、対応としてBCPの策定、教育・訓練、安否確認体制の整備などが示されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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気候変動リスクの記載から、物理的リスク(自然災害の増加、気温上昇による作業環境の悪化・熱中症等、水・エネルギー・原材料の供給不安定化)に関する段落が削除され、移行リスクのみの記載となった。あわせてBCPに関する教育・訓練の記述や2022年3月のTCFD賛同表明の時期、カーボン・ニュートラル認証制度への言及も削除され、主語が「当社」から「当社グループ」に変更された。
事業等のリスクに「(15)新規事業の展開に伴うリスク」が新たに追加された。周辺領域・新市場への進出やM&A・業務提携による新領域参入で、市場環境の急変、想定外の法規制、計画と実績の乖離が生じた場合に投下資本の回収が困難となり業績・財務に影響しうる旨が記載された。対応として、事前の市場調査・実現可能性調査、社内多角的なリスク評価、取締役会での審議、実行後の定期モニタリングによる投資管理体制の構築が記されている。
事業等のリスクに「(13)デジタル技術の進展への対応に伴うリスク」が新設された。建設DXやAI技術の急速な進展への対応が遅れた場合、業務効率や市場競争力が相対的に低下する可能性があると記載し、対策としてBIMの活用推進、業務のデジタル化、ITリテラシー教育を挙げている。
事業等のリスクに「(11)知的財産権の保護に関するリスク」が新たに追加された。自社技術が第三者に侵害される場合や他社の知的財産権侵害を巡る争いが生じた場合に事業活動が制限される可能性を記載し、特許出願・権利化、情報管理体制の強化、開発・設計段階での調査・管理といった対応策も示している。
事業等のリスクに「(7)人材の確保及び育成に関するリスク」が新たに追加された。少子高齢化による労働人口の減少で技術者・施工管理者の確保が計画通り進まない場合、施工体制の維持や受注機会に影響し得ると記載し、採用強化や人事制度の充実、技術伝承のための教育体制整備などの対応を示している。
事業等のリスクに「(4)金利の変動リスク」が新たに追加された。市場金利の動向により借入金の利息負担が増加し、収益や資金繰りに影響を及ぼす可能性があると記載されている。対応として、借入期間の分散や固定金利による調達の検討が挙げられている。
有価証券等に関するリスクの記載が改められ、時価を有する株式の株価変動リスクに関する文言が削除され、時価又は実質価額が著しく下落し回復の見込みがない場合の評価損計上と、多額の評価損が経営成績に影響し得る旨が追加された。また、株価下落による年金資産の目減り・年金積立不足増加のリスクに関する記述が削除された。政策保有株式の検証と縮減の記述は変更されていない。
建設業界に関するリスク記載で、従来の「受注価格競争による受注採算の低下」が削除され、資機材価格の高騰に加えて物流コストの上昇と人手不足に伴う労務費の増大が施工原価を押し上げるとの記述に置き換わった。対応策として、協力会社の確保や調達先の多角化、発注者との価格協議、精密環境制御技術・アグリ関連技術を活かした差別化戦略が追記された。機器製造販売事業のリスク記載は実質的に変わっていない。
海外事業リスク(台湾・マレーシア)の記載について、リスク事象の文言が整理され「工事利益が確保できず」が「工事採算が悪化する等」に改められた。対応策では「比較的政情の安定した国・地域で事業展開」との記述が削除され、新たに海外危機対応マニュアルの整備が追記された。リスクの本質的な内容に大きな変更はない。
不採算工事リスクの記載で、原因として「想定外の追加原価等」から「現場条件の変化や設計変更」による工程遅延・原価増大へと具体化された。対策面では、従来の原価・進捗管理の徹底に加え、受注前のリスク審査の徹底と施工段階の管理強化、早期の課題発見への言及が追加された。
退職給付債務に係るリスクの項目に、株価の下落により年金資産が目減りし、積立不足が増加して年金費用を増大させるリスクがあるとの記載が追加された。その他の記載(前提条件の影響、総合設立型年金制度、見直し・運用方針)は変更されていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、「将来キャッシュ・フローの見積りの合理性」に関する監査人の対応手続が新たに記載された。事業計画との整合性検証、WAPACの受注数量見込や販売単価・限界利益率の検討、顧客からの補償に関する仮定の確認、割引率の再計算などが挙げられている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、「内部統制の評価」が新たに追加された。減損の要否の判断に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価し、特に事業計画の策定について、顧客の生産計画等の客観的な情報に基づき算定されていることを担保する統制に焦点を当てたと記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、中国子会社WAPACの有形固定資産及び無形固定資産の減損の要否が新たに追加された。主要顧客の生産台数減少により営業損益が継続してマイナスで減損の兆候があり、対象資産は8,376百万円(総資産の2.2%)とされ、事業計画の仮定や割引率に経営者の判断を伴うため検討事項に該当すると記載されている。回収可能価額が帳簿価額を上回るため減損損失は認識されていない。
事業等のリスクの記載が全体的に更新され、市場環境の変化に地政学リスクや物価上昇等による消費行動の変化が、人財確保にEV・デジタル等の高度専門領域での獲得競争や技能伝承の課題が、サプライチェーンに資源価格変動や人権・環境関連規制への対応が追加された。サイバーセキュリティではサプライチェーン経由の攻撃や工場制御システムへの拡大に言及し、新工法の項目はギガキャストに複合材の採用進展が加わった。また、本田技研工業の議決権所有割合の記載が「30%以上」から「20%以上」に変わり、地政学リスクの独立項目が設けられている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「子会社株式の取得に係る取得価額の合理性」(株式会社エイ・クリエイション株式を900,000千円で取得、のれん576,385千円)の項目が削除された。今年は「請負契約における原価総額の見積りの合理性の評価」のみが記載されている。
「人材の確保、育成について」のリスク項目が削除され、新たに「感染症等の蔓延について」が追加された。また「下請代金支払遅延等防止法」の項目が、新法令名に基づく「中小受託取引適正化法について」へ書き換えられ、協力会社が中小受託事業者と位置付けられた。その他は文言の微修正にとどまる。
リスク項目①が「経済・市場環境によるIT投資姿勢の影響」から「情報サービス産業における経営環境の変化」に改称され、IT投資への影響要因に技術の進歩が追加された。③「感染症等の蔓延について」が削除され、新たに「人材の確保、育成について(事業)」が追加された。紛争・戦争等の項目は表現が改められ、ロシア・ウクライナ情勢への個別言及が「不安定な国際情勢」に置き換えられた。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等およびグローバル・ミニマム課税制度に関する実務対応報告第46号の適用に係る会計方針変更の記載が、当年度では削除されている。前年度の記載では、いずれも連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた「医薬品事業・再生医療事業に係るリスク」の項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は研究開発投資の負担、開発の遅延・中止、販売後の予期せぬ副作用の発生可能性とそれに伴う損害賠償・信頼低下のリスクが記載されていた。
イメージング領域のリスク記載から、「スマートフォンのカメラ性能向上によるデジタルカメラ需要の減少」という要因が削除された。その他の事業機会・リスク要因および後段の記述に変更はない。
ヘルスケア領域の環境変化・競合リスクの記載に、環境変化への対応不能や許認可取得の遅れが「製造設備の稼働率が想定を下回ることによる利益率の低下や減損損失の計上等」を通じて業績に影響を及ぼす可能性がある、との具体的な経路が追加された。その他の記載(CDMO市場の成長率や主なリスク項目)に変更はない。
営業権の公正価値評価に関するKAMの監査手続で、「中期経営計画」の表現が「事業計画」に改められた。また、不確実性を織り込んだ将来キャッシュ・フローを独自に見積り経営者見積額と比較する手続が、不確実性を織り込んだ場合に営業権の減損損失の認識の要否の判断に与える影響を検討する手続に置き換わった。株式時価総額との比較や割引率の検討手続は変更されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、営業権の減損テストにおける内部統制の評価について、将来キャッシュ・フローの見積りの基礎が「中期経営計画」から「事業計画」へと表現が変更された。評価手続の内容や焦点そのものに変更はない。
営業権の減損に関するKAMの対象は前年同様で、営業権残高が947,924百万円(総資産比18.1%)から997,068百万円(同16.5%)に更新され、領域別内訳も変更された。将来キャッシュ・フローの見積基礎が「中期経営計画」から「事業計画」に変わり、各領域の成長見込みや売上予測の不確実性に関する記述(新規設備による生産能力に見合う受託契約の獲得、先端半導体需要、成長領域へのシフト加速など)が更新されている。
物流リスクの要因記述について、「ロシア・ウクライナ情勢緊迫化」という特定の事象への言及が削除され、「戦争や紛争の発生、長期化」というより一般的な表現に置き換えられた。生産拠点の分散化などの対策や業績への影響に関する記述は変更されていない。
前期にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針変更の記載が、当期は削除されている。前期の記載では、当該変更が財務諸表に与える影響はないとされていた。
2026年1月の組織変更に伴い報告セグメントの構成を見直し、従来「デバイス事業」に含めていた一部事業を新設の「アントレプレナ事業」へ移した。あわせて従来「ソリューション事業」としていたセグメントの名称を「アントレプレナ事業」に変更し、販売品目の記載も情報通信機器等からICTソリューション等へ改めた。名称変更自体はセグメント情報に影響がなく、前期のセグメント情報は変更後の区分で作成されている。
前年は法人税等に関する会計基準の適用で影響なしとの記載でしたが、今年は棚卸資産の評価方法を移動平均法から先入先出法に変更し、遡及適用した旨の記載に置き換わっています。前連結会計年度の営業利益は195百万円増加、親会社株主に帰属する当期純利益は135百万円増加し、期末の利益剰余金は281百万円増加、期首の利益剰余金は146百万円増加と記載されています。
KAMの対象は引き続きシステム事業等の売上高の期間帰属の適切性であるが、「ソリューション事業」の名称が「アントレプレナ事業」に置き換わった。売上高は210,837百万円から213,425百万円に更新され、事業別内訳(デバイス152,245百万円、システム58,623百万円、アントレプレナ2,556百万円)も更新された。
繰延税金資産のKAMについて、計上額が26,730百万円から16,107百万円に減少した。主要な仮定の記載が半導体市場中心の販売数量から、販売数量及び商品価格と各事業の主要市場の見通しに変更され、監査手続でも半導体材料への言及や税務専門家の関与が削除され、監査人独自の感応度分析が追加された。
ENEOSホールディングスの所有割合の表記が「議決権数の割合42.39%」から「当社株式の割合42.38%」に変更され、後発事象に記載の株式交換(効力発生日は本年6月1日)後は41.29%、自己株式の公開買付け後は35.28%となる予定との記載が追加された。また、塩田智夫氏の選任理由が、経営機能強化の目的から、上場会社の監査等委員としての経験・実績や財務・会計の専門性に基づく監査・監督への期待に改められた。
「先端素材」が「先端材料」に表記変更された。また半導体市場の成長要因の記述が、IoT・AI社会の発展や5G普及、DX・データ社会への移行から、生成AIの急速な普及拡大とデータ通信需要の拡大等へと更新された。リスク内容や対策の記述に実質的な変更はない。
「先端素材」が「先端材料」に表記変更され、「構造改革プロジェクト」の名称や約1,200件の施策、2024年3月期の営業利益・運転資本・投資額の改善実績といった具体的数値の記載が削除された。一方で、事業環境の変化や経営判断により策定時に想定していなかった事業戦略を実施し、事業目標の達成に影響する可能性があるとの記載が新たに追加された。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年度では削除された。前年度の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントの名称が「完成工事」から「ハウジング」、「不動産流通」から「ステップ」に変更された。あわせて「不動産販売」の内容に「管理」が加わり、「完成工事」の説明にあったマンション等の建築・改修工事請負が、「ハウジング」では戸建住宅の建築・改修工事請負のみの記載となった。
監査上の主要な検討事項(KAM)における販売用不動産等の評価に関する監査手続の記載が見直された。事業計画の実現可能性では、収益性を低下させる事象や計画変更の要否の検討が明記され、②は「販売見込額の適切性」から「販売見込額及び建設コスト見込額の適切性」に拡張された。販売見込額の確認根拠は販売実績・近隣物件価格から、エリアや物件特性を考慮した販売事例に変わり、建築費指標の動向を反映した建設コスト見込額の確認が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、販売用不動産が401,946百万円から544,676百万円へ、仕掛販売用不動産が517,609百万円から512,426百万円へ更新され、連結総資産に占める割合も14%から15%となった。減損の兆候に関する監査手続では「算定された市場価格の合理性」の項目が「想定賃料及び割引率の適切性」に変更され、想定稼働率の確認が記載から外れた。また正味売却価額の判断要素に建設コスト見込額が加わった。
賃貸等不動産の減損の兆候に関するKAMの対象は前年と同じで、連結貸借対照表計上額が4,430,792百万円(総資産の66%)から4,461,159百万円(同62%)に更新された。見積りの前提となる要素から「想定稼働率」の記載が外れ、影響要因に「建築費の動向」が追加された。
ファイナンスリスクの本文は前年と同一で、取引金融機関数が119から117に変更された。推移表は直近5期(2022年3月期〜2026年3月期)に更新され、2026年3月期の連結有利子負債は3,975,920百万円、連結自己資本は2,470,712百万円、デットエクイティレシオは1.6、長期比率は94%、固定金利比率は81%となった。
情報セキュリティに関するリスクの記載で、対策として「情報管理規程」を定めて組織的管理とセキュリティレベルの維持向上を図ること、および全役職員への教育・啓蒙を行うことが追記された。リスクの内容や影響に関する記述(情報流出時の補償発生や信用喪失など)に変更はない。
コンプライアンスに関するリスクの記載で、対策の説明に「コンプライアンスの実践」を全役職員に浸透させるための「コンプライアンスハンドブック」の策定が追加された。内部通報窓口の設置に関する記述は文構成が変更されたが内容は維持され、リスク内容自体(法改正やコンプライアンス違反による影響)に変更はない。
事業等のリスクの前文において、リスクの影響を受けやすい事業の名称が「完成工事事業及び不動産流通事業」から「ハウジング事業及びステップ事業」に変更された。リスク要因の列挙や記載の趣旨に変更はなく、事業区分名称の更新にとどまる。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされており、経過的な取扱いに従っていた。
金融資産のリスクについて、価格下落の要因として「金利の変動や株式市場の動向、国際情勢の変化など」が新たに例示された。為替変動の項では「大幅に円安(元高)」が「大幅な円安」へと表現が整理され、「(元高)」の括弧書きが削除された。リスクの内容や影響の評価に実質的な変更はない。
鉄道事業の事業用固定資産に関するKAMの記載で、数値が更新された。有形固定資産は14,681,167千円から14,985,842千円、無形固定資産は14,596千円から87,260千円、鉄道事業の事業用固定資産は11,792,790千円から12,927,393千円となり、連結総資産に占める割合は69.8%から73.1%に上昇した。KAMの対象事項や決定理由、監査上の対応の記述に変更はない。
主要株主である太平洋セメント株式会社向けのセメント原料等の輸送が当社グループの全営業収益に占める割合が、前年の24.8%から22.1%に低下した。リスクの内容や文言に変更はなく、数値の更新のみである。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当年度では削除されている。前年度の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。