感染症関連リスクの記述が、「コロナ禍以降、新型コロナ関連の検査キットが大きな割合」から、新型コロナ検査キット、コロナ/インフルエンザコンボ検査キット及びインフルエンザ検査キット等の感染症関連製品が大きな割合を占めるという表現に改められた。感染症以外の領域での「強化」が「事業基盤の強化」に変わった以外、リスク評価(顕在化の可能性:中、影響度:中)や想定されるリスクの内容は変更されていない。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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新製品開発力に関するリスク項目で、新製品の例示が2020年10月の新型コロナ抗原検査キット発売から、2026年7月のSARS-CoV-2/インフルエンザ抗原検査キット「イムノエース®SARS-CoV-2/Flu II」の製造販売承認取得へ更新された。また、対策の記述に「事業企画部門」が研究開発部門・営業部門との連携体制に加わった。リスクの内容や評価(可能性:中、影響度:中)に変更はない。
棚卸資産に関するKAMの数値と評価方針が更新された。棚卸資産残高は8,350,561千円から7,898,401千円へ減少した一方、控除された評価損は546,504千円から2,584,622千円、当期の売上原価計上の評価損は345,636千円から2,060,660千円へ大きく増加した。評価損の計上方針も、先行着手製品の規則的計上期間を7年から5年に短縮し、部材の評価減開始を3年経過から1年経過に早め、技術的陳腐化による評価損計上等が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「会計上の見積り変更にかかる適時性及び合理性の評価」が新たに記載された。監査人は経営者等への質問や会議体議事録・資料の閲覧を行い、会社が定義した正常な回収期間を売上明細及び債権明細で再計算したとしている。
KAM「売掛金及び契約資産等の回収可能性の評価」の金額が更新され、売掛金及び契約資産等は11,031,716千円から7,528,572千円(総資産比40.3%から25.1%)に、貸倒引当金は3,490千円から311,481千円に増加した。また、正常な回収期間(従来は一律で製品の支配の移転後遅くとも5年内)について、半導体プロセス機器事業の取得後3年経過と顧客の大幅な入替わりを踏まえ、債権を同事業顧客とそれ以外に区分し、それぞれ再定義する見積り方法の変更が追記され、経営者の主観的判断に見積り方法の変更にかかる判断が加わった。
棚卸資産評価に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の実証手続について、仕掛品明細の確認対象が「半製品とすべきもの」から「製品とすべきもの」に変更された。あわせて、技術的に陳腐化した棚卸資産の個別評価確認、受注減少傾向にある製品関連棚卸資産の分析、原材料の適正在庫想定金額と貸借対照表計上額との比較という3つの手続が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「会計方針の理解及び評価」において、設備との類似性の比較対象が「半製品」から「製品」に表現変更された。また、当期に販売損失が計上された案件について損失の発生要因を理解したという監査手続が1項目追加された。
法的規制に関するリスクの記載で、従来列挙されていた具体的な法令名(製造物責任法、下請代金支払遅延等防止法、廃棄物処理法、工場立地法、消防法、毒物及び劇物取締法等)が削除され、「製造、通商、独占禁止、環境・リサイクル等に関連する法的規制」という包括的な表現に置き換えられた。規制動向により事業展開が制約され業績・財務状況に影響する可能性があるという趣旨は変わっていない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当期では記載されていない。前期の注記では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
前年の記載にあった「ビジネスユース事業」の項目(フリーWi-Fiの構築、保守、運営、サポート、PB提供等)が、今年の記載では削除されている。セグメントまたは事業区分の記載から当該事業の区分が無くなっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)から「通信設備の実在性及び除却処理の網羅性の検討」の項目が削除された。前年は疎通確認による現物確認結果と固定資産台帳の照合、差異の原因調査や除却処理の適切性の確認といった監査手続が記載されていたが、今年は当該記載がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)に関する記載のうち、「内部統制の評価」の項目が前年にあり、今年は削除されている。前年は通信設備の現物確認及び除却処理に関する内部統制の整備・運用状況について、疎通確認に関連するITシステムの全般統制・業務処理統制と、現物確認結果と固定資産台帳を照合する統制を評価していた。
KAMの対象が、「ビジネスユース事業における初期導入サービスの売上高の実在性」から「通信事業におけるフリーWi-Fiの初期導入サービスの売上高の期間帰属の適切性」に変更された。想定リスクも架空売上から売上の前倒し計上へ、一時点認識の初期導入売上高も2,553百万円(連結売上高の20%)から2,684百万円(19%)に更新され、フリーWi-Fi分が約3割を占める旨が追記された。
通信事業のセグメント説明に、従来の「インターネット無料マンションの構築、保守、運営、サポート、PB提供」に加えて「フリーWi-Fiの構築、保守、運営、サポート」が事業内容として追記された。見出し自体に変更はない。
売上高の期間帰属に関する監査上の対応で、対象サービスの名称が「ビジネスユース事業の初期導入サービス」から「フリーWi-Fiの初期導入サービス」に変わり、確認書類に入金証憑が加わった。また翌期のマイナス処理の対象が「一定期間」から「一定の条件を満たすもの」に変更された。前年に併記されていた「通信設備の実在性及び除却処理の網羅性の検討」(通信設備6,956百万円、総資産の57%)に関する記載は、当年の該当箇所には含まれていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制評価の記載で、対象サービスが「ビジネスユース事業の初期導入サービス」から「フリーWi-Fiの初期導入サービス」に変更された。あわせて「または」が「又は」に改められた。売上登録内容と受領書・検収書の一致を確認する統制に焦点を当てる評価手続自体は同一である。
減損損失リスクの記載で、通信設備を使用する報告セグメントの表記が「ホームユース事業、ビジネスユース事業の二つ」から「通信事業」に変更された。減損の仕組みや財政状態・経営成績への影響に関する記述内容は変わっていない。
通信設備の現物確認に関するリスク記載の数値が更新された。通信設備(純額)は6,956百万円から6,561百万円、総資産に占める割合は約57%から約50%に、保有数は736,522個から803,935個、当期除却数は12,166個から17,687個に変化した。リスクの趣旨や文言に変更はない。
通信事業の収益構造に関するリスク記載で、「ホームユース事業」「ビジネスユース事業」というセグメント名称が「マンション等の賃貸物件へのサービス提供」「各種施設や店舗への導入」等の表現に置き換えられた。収益構造の説明やリスク内容(利益率低下・変動の可能性)自体に変更はない。
国内店舗資産の減損会計に関するKAMで、直営店舗資産が38,414百万円から43,450百万円に、減損損失が105百万円から368百万円に更新され、業態開発や予算未達店舗に関する記述と不確実性の余裕度検討の監査手続が追加された。前年にKAMだったSHOGUNグループ株式取得に伴う企業結合の会計処理は、今年はStorytellers USA, Inc.で計上されるのれん(1,934百万円)の評価に置き換わった。
前年の事業等のリスクに記載されていた「(3)財務に関するリスク」のうち「減損損失について」の項目が、今年は記載されていない。前年は、店舗に係る固定資産の収益性低下により減損損失を計上し業績に影響を及ぼす可能性と、計画と実績の比較検討による対応策が記載されていた。
前年に記載されていた「法的規制に関するリスク」のうち、食品衛生法への対応(営業許可、食品衛生責任者の設置、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理、食中毒発生時の業績影響の可能性および店舗での検査・専門業者による衛生検査などの対策)の項目が、今年は記載されていない。当該項目に代わる記載は確認できない。
主要リスクの項目が4件から7件に拡充された。既存の4項目(外部環境・ブランドコンセプト・新規出店・食材調達)に労働力不足、感染症、為替、知的財産侵害、自然災害・BCP等の具体的事象が追記され、新たに食品衛生法対応(食中毒)、ITシステム依存・情報セキュリティ、減損損失の3項目が独立して記載された。
事業等のリスクの節に「(4)当社グループの主要リスクは以下のとおりであります。」という見出しが新たに記載された。前年にはこの見出しに相当する記載がなく、個別のリスク内容自体は本項目からは確認できない。
事業等のリスクの節に、「内部監査部門および監査役との連携」という項目が新たに追加された。内部監査部門が内部統制推進委員会等に参加してリスク評価の妥当性について意見を述べ、「主要リスク」への対応状況を確認していること、常勤監査役が内部統制推進委員会に出席し、監査役会で重大リスクと監査上の主な検討事項との整合性を確認していることが記載されている。
事業等のリスクの節に、リスクマネジメントのプロセスおよびサイクルに関する記載が新たに追加された。「主要リスク」の定義、内部統制推進委員会による年1回のリスク調査票を用いた評価(発生頻度・影響度・発生可能性・低減策の有効性)、取締役会への報告、月次のモニタリング体制が説明されている。個別のリスク事象の追加ではなく、リスク管理体制の開示の拡充である。
事業等のリスクの冒頭に「当社のリスクマネジメント体制」の項が新設された。代表取締役社長を委員長とする内部統制推進委員会がリスクを抽出・評価して対応策を検討し、進捗を取締役会に定期報告すること、同委員会が2ヶ月に1度開催され常勤監査役も出席することが記載されている。
事業等のリスクの前文が書き換えられ、主なリスク要因の記載であること、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項も積極的な情報開示の観点から含めること、すべてのリスクを網羅するものではないことが追記された。将来に関する事項の判断時点は「当連結会計年度末現在」から「有価証券報告書提出日現在」に変更された。個別のリスク項目の変更ではなく、前文の表現・注記の更新である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針変更の記載が、今年は削除された。前年は連結・個別ともに期首から適用し、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節から、保証損失引当金の計上金額の妥当性に関する監査手続の記載(保険金受領可能額の契約書・支払通知・入金実績との突合、将来の修理費用見込額と保険金受領可能額の超過分の再計算による検証)が削除された。今年度の記載には当該手続の内容が残っていない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、保証損失引当金の計上に関する内部統制の整備状況及び運用状況の評価という監査手続の項目が、今年は記載されなくなった。当該項目の削除であり、理由や他の記載への置き換えの有無は、この比較範囲からは確認できない。
保証損失引当金に関するKAMの監査手続の記載が全面的に書き換えられた。前期は修理件数急増の経緯や社内調査チームの報告書の確認が中心だったが、当期は過年度の見積りと実績の比較、取引先の修理に係る会社負担見込額の検証、保証契約別の見込額と保険金受領可能額の再計算による検証などが記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「内部統制の評価」が新たに記載された。保証損失引当金の計上に関する内部統制の整備状況及び運用状況を評価した旨が記されている。
KAMのうち教育ICT端末に係る保証損失引当金の記載が更新され、引当金総額が1,336,795千円(うち教育ICT端末1,289,839千円)から227,184千円(うち196,575千円)へ大幅に減少した。前年にあった故障発生率の急増や修理費用値上げへの言及が削除され、取引先実施の修理等に係る会社負担見込額の考慮が追加された。取引価格配分の監査手続の記述も、作業時間や発生率の検証方法が部門別実績や外部公表資料との突合に変更された。
前期にKAMとされていた「保証サービスに係る収益計上及びその前提となるITシステムの信頼性」が記載から外れ、ExtendTech事業に係る取引価格の配分の妥当性のみがKAMとして残った。ExtendTech事業のKAMでは、加入事務収益が1,702,985千円から2,212,488千円、運用事務収益が739,006千円から327,858千円に変化し、独立販売価格の見積りの基礎として人件費単価が追加された。
規制対象法令から「割賦販売法」が削除され、許認可一覧もリビングファイナンス株式会社の個別信用購入あっせん業者登録が掲載から外れ、「主要な」許認可等の表現に変更された。一方、Solvvy株式会社の建築士事務所登録・建設業許可の有効期間が更新され、同社の医療機器製造業者登録(登録番号13BZ202026)が新たに記載された。
長期保証契約に対する損害保険契約の締結について「原則」という限定が付き、全件ではない可能性を示す表現に変わった。また、損害保険会社との提携関係による顧客開拓事業があり、業務提携が解消された場合に経営成績等へ影響し得るとする記述が削除された。
ExtendTech事業の説明で、再生可能エネルギー領域の例示が「太陽光発電関連機器やEV(電気自動車)など」から「太陽光発電関連機器を中心に」へ変更され、EVへの言及が削除された。FinTech事業その他の説明からリビングファイナンス株式会社のカスタマーファイナンスに関する記述が削除され、また前年に記載されていた報告セグメントの区分方法の変更(LifeTech事業の追加等)に関する注記がなくなった。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載で、「有効性」の評価という表現が「整備状況及び運用状況を評価した」に簡略化された。あわせて、当監査法人のIT専門家によるIT全般統制の評価が含まれる旨の記述が削除された。
個人情報の取得・保有主体の記載が「HomeworthTech事業及びExtendTech事業において」から「各事業において」に変更された。リスクの内容や影響に関するその他の記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に関する会計方針の変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
「流通小売事業」の説明が、ディスカウントストア「トライアル」等の店舗展開から、『あなたの「生活必需店」。』をコンセプトとするトライアル店舗及び『「西友が身近にあるしあわせ」をめざして』を使命とする西友店舗の展開へと変更された。西友店舗が事業説明に新たに明記された。「リテールAI事業」の記載および報告セグメントの構成(2区分)に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「減損損失の認識の判定の妥当性の検討」の監査手続の記載が新たに追加された。将来キャッシュ・フローの見積期間と主要資産の経済的残存使用年数との比較や、減損の兆候がある店舗について売上高成長率の仮定を経営者計画、実績値、外部統計情報と照らして検討したことが記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制の評価について、従来の店舗別損益情報の作成と減損の兆候判定に関する評価に加え、減損の兆候があるとされた店舗固定資産の割引前将来キャッシュ・フローの見積りに関連する内部統制の評価手続が追加された。記載は箇条書き形式に改められ、「整備状況及び運用状況」が「整備及び運用状況」に変更された。
前年のKAMは「固定資産の減損の兆候判定の妥当性」のみであったが、今年は西友の全株式取得(取得額409,650百万円、のれん306,551百万円計上)に伴う「のれんの減損の兆候判定」が新たにKAMに追加された。店舗固定資産のKAMは「減損の兆候及び減損損失の認識の判定」に拡張され、有形固定資産は240,892百万円(総資産の31.2%)、減損損失は1,919百万円となり、割引前将来キャッシュ・フローの見積りにおける商品売上高の回復見込みの主観性も言及された。
2025年7月の株式会社西友の全株式取得に伴い多額ののれんを計上し、総資産に占める割合が高くなっていることから、「のれんの減損」が新たなリスク項目として追加された。収益力が低下した場合や統合・シナジー施策が想定どおり進まない場合には減損損失を計上し、事業、財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「(13)有利子負債について」が新設された。M&A資金として金融機関から多額の借入を行ったこと、変動金利部分で金利上昇時に利息負担が増える可能性、一部借入に財務制限条項があり抵触した場合は期限の利益を喪失し事業・財政状況・業績に影響する可能性が記載されている。
事業リスクとして「M&Aによる事業拡大」の項目が新たに追加された。M&A実施に多額の資金を要し一時的に財務状況・業績へ影響する可能性や、計画どおり進まず想定した効果を得られない可能性、実施後に偶発債務・未認識債務が判明する可能性が記載されている。デューディリジェンスによるリスク低減に努める旨も併記されている。
情報セキュリティ・システムトラブルのリスク項目に、生成AIをはじめとするAI技術の活用拡大に伴うリスクの段落が新たに追加された。個人情報・機密情報の漏えい、AI生成情報の不正確性やバイアスによる誤った意思決定、第三者の知的財産権侵害などが想定され、社内ガイドライン策定やデータガバナンス体制の整備を進めていると記載されている。また、不正侵入の対象に取引先が加わり、定義部分の表現が一部変更された。
店舗拡大・人材確保に関するリスク項目から、M&A等を含む投融資活動に関する段落が削除された。この段落では、多額の資金需要による一時的な財務・業績への影響や、投融資後の事業展開が計画どおり進まず想定した効果を得られない可能性が記載されていた。店舗拡大や人材確保に関する記載は前年と同一である。