継続企業の前提に関するKAMの基本構成(債務超過・営業損失、親会社の資金支援、不採算店舗の閉店、注記不要との判断)は前年と同一である。変更点は、重要な仮定の表現が「将来の販売予測」から「各社の店舗ごとの売上高変動率」に置き換わり、監査手続にジュエリー事業の地金価格に関する外部データとの比較が追加された点、親会社への協議先が「経営者及び財務担当責任者」から「財務担当責任者」に変わった点などである。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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継続企業の前提に関する重要事象等は前期から引き続き記載されており、営業損失・当期損失の計上と個別での債務超過、重要な不確実性は認められないとの判断は変わらない。今期はアパレル事業が「国内アパレル事業」に表現変更され、ジュエリー事業の大幅減益の記述が削除、解消策に在庫削減が加わり、事業計画の重要な仮定に「売上高変動率」「経常収支予測」が追加された。
為替変動リスクの記載が改訂され、生産地の表現が「主に中国」から「中国をはじめとする海外市場」に変更されました。また、現時点で為替予約等のヘッジ策を講じていないことが新たに明記され、急激な円安により仕入債務の増大や原価率の悪化を直接招き得る旨が追記されました。原材料費・人件費上昇に関する記載は変更ありません。
カントリーリスクの記載で、生産地域が「主に中国」から「中国等の海外協力工場」に変わり、リスク要因として労働環境の変化、法規制の変更、通関に係る予期せぬトラブルが新たに挙げられた。また、影響の記載が「事業及び業績への影響」から「商品の供給体制に支障をきたす可能性」に変更され、信用リスク・市場リスクへの言及は削除された。
インターネット関連市場に関するリスク記載が書き換えられ、従来のブロードバンド普及を前提とした説明から、動画等のリッチコンテンツやSNS関連サービスとの関連性、技術革新の急速な進展への言及に置き換わった。リスク要因として「SNSプラットフォームの動向変化」が新たに挙げられた一方、通信事業者の動向・利用料金の改訂への言及は削除された。
競合リスクの記載が拡充され、仕入先によるD2C展開、大手小売チェーンのEC本格化、海外事業者の参入、「モノ消費」から「コト消費」への変化による他業種との可処分所得の奪い合いなど具体的な競争要因が追加された。ジュエリー事業では金・プラチナ等の相場急変による仕入原価の大幅上昇や在庫水準・販売価格設定への影響が追記された。四半期業績推移の表は更新され、年度累計の売上収益は4,499,651千円から3,534,583千円、営業損失は277,483千円から385,200千円となった。
報告セグメントは前年と同じアパレル・ジュエリー・トイの3つで、各事業の説明文が書き換えられた。アパレル事業では、SPA手法や自社スタジオでの一貫運営の記述に代えて、海外協力工場・国内メーカーからの仕入、中国での実店舗販売、10代〜30代向けの価格帯、ナラカミーチェジャパンの30〜50代向け事業の記述が加わった。ジュエリー事業では株式会社トレセンテの名称、ECサイトの展開、ファインジュエリーの取扱いが明記された。
「(11)その他」のうち②訴訟などに関するリスクの文言が整理され、「悪意のない偶然の模倣」が「意図せぬ知的財産権の侵害」に、「訴訟を受ける可能性」が「損害賠償請求や訴訟を提起される可能性」に変更された。①③④⑤は丸数字後のスペース削除を除き実質的な変更はない。
法的規制の対象事業の記載が「国内のアパレル事業」から「インターネット通信販売及びアパレル・雑貨事業」へ変更された。列挙法令にフリーランス保護法が加わり、不正アクセス禁止法・プロバイダ責任制限法が削除され、一部法令に略称が付記された。コンプライアンス体制の表現も一部変更されているが、規制リスクの基本構造は変わらない。
システムに関するリスク項目の①技術革新、②サービス・システム障害について、表現の言い換えや簡略化が行われた。インターネットを「販売ツール」から「主要な販売チャネル」と表記し、一部の語句(「ユーザー及び」の削除、「ウィルス」を「ウイルス」に変更等)を修正しているが、リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
固定資産の減損の兆候判定に関する監査手続の記載に、(1)の手続で得た内部統制の理解を基礎として妥当性を確認するための主たる手続を実施した旨の導入文が追加された。「または」が「又は」に改められた以外、個別の手続内容に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「内部統制の評価」において、固定資産の減損の兆候に関する内部統制の記述が「判定に関連する」から「判定するために」へと言い回しのみ変更された。評価対象や手続の内容に実質的な変更は見られない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更に関する注記が、今年は記載されていない。前年の注記では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
見出しは同一のまま、監査手続の記載が繰延税金資産の回収可能性(企業分類、課税所得見積り、繰越欠損金の解消スケジュール等)に関する内容から、減損の認識判定に用いる将来キャッシュ・フローの見積りの検証(予算との整合性、予算と実績の比較、販売数量・原価低減活動等の主要な仮定の評価、監査人独自のストレステスト)に差し替えられた。KAMの対象事項が繰延税金資産から固定資産の減損判定へ変更された形となっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の対象が、将来課税所得の見積りプロセス(事業計画の策定を含む)から、固定資産の減損に関する内部統制へ変更された。特に割引前将来キャッシュ・フローを算定するための内部統制に焦点を当てて評価した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、連結ベースの「繰延税金資産の回収可能性」(計上額480,856千円)から、単体ベースの「固定資産の減損損失の認識」(有形・無形固定資産計5,273,128千円)に変わった。不織布関連事業の一部の資産グループで営業損益が継続してマイナスとなり減損の兆候があるが、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回るため減損損失は認識していない旨が記載されている。
主要販売先ユニ・チャームプロダクツ株式会社向け売上高の割合が約22%(2025年3月期)から約23%(2026年3月期)に更新された。また、同社と2027年4月開始予定の製造委託を新たな事業として発表した旨が追記された。あわせて「当社グループ」から「当社」へ主語表記が変更されている。
主語が「当社グループ」から「当社」に変更されたほか、競合要因として「安価な中国製製品等」の台頭が新たに明記された。対策や記載の骨子に変更はない。
「当社グループ」から「当社」への表記変更に加え、2027年3月期について中東情勢の緊張が続く中でエネルギーや原材料価格の高騰等により先行き不透明な状況が続く見通しとの記述が新たに追加された。対策の記述は「継続した活動として」との文言が加わった以外、実質的な変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節から、売上の実在性・期間帰属に関する監査手続の記載が削除された。具体的には、外注費に係る請求書等による外注業務の完了日確認と、売掛金残高の直接確認(書面による確認)による売掛金及び売上高の存在と計上日の適切性の確認に関する記載がなくなっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節から、重要な売上取引について契約書・注文書などで売上高の存在を確認し、インターネットで当該イベントの開催状況を確認したという監査手続の記載が削除された。今年の記載には該当項目が存在しない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「受注から請求までの内部統制の整備・運用状況を確認した」旨の記述が、今年は見当たらない。該当する監査手続の記載が削除されている。
前期の監査報告書にあった監査上の主要な検討事項(KAM)「収益認識」の記載が、当期には掲載されなくなった。前期は、イベント請負の一時点での収益認識と、顧客から受領する「完了確認書」が業務完了前にサインバックされる可能性がある点をKAMとしていた。
当事業年度の監査報告書に、監査上の主要な検討事項(KAM)として「収益認識(期間帰属の適切性)」が新たに記載された。売上高15,138,522千円のうち一時点で履行義務が充足される取引が98%を占め、契約内容の個別性が強いことから期間帰属の妥当性が検討対象とされ、内部統制の確認、証憑との突合、残高確認等の監査手続が記載されている。
監査法人が「アスカ監査法人」から「監査法人アヴァンティア」に変わりました。
セグメント情報の記載で、主語が「当社グループ」「当社および子会社」から「当社」のみに変更された。報告セグメントは引き続き「不織布関連事業」と「紙関連事業」の2つで、各事業の内容に変更はない。
火災事故および自然災害等に関する記載で、主語が「当社グループ」から「当社」に置き換えられた。リスクの内容や対策の記述自体に変更はなく、表現上の修正にとどまる。
法的規制に関する記載で、主語が「当社グループ」から「当社」へ全面的に置き換えられた。適用される法令(水質汚濁防止法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、製造物責任法)やISO14001取得、リスクの内容に変更はなく、表現上の修正のみである。
物流体制の依存に関するリスク記載において、主語が「当社グループ」から「当社」に置き換えられた。特定の運送業者への委託依存、取引不能時の影響、良好な関係維持と最適な物流体制の検討という内容自体に変更はない。
知的財産権リスクの記載について、主語が「当社グループ」から「当社」に置き換えられた。リスクの内容や対応策の記述に実質的な変更はなく、表現上の修正のみである。
新製品開発・新規事業に関するリスク項目で、主語が「当社グループ」から「当社」に変更された。あわせて、2027年4月開始予定のユニ・チャームプロダクツ株式会社との製造委託を新たな事業として発表している旨の記載が追加された。リスクの内容や対策の記述自体に実質的な変更はない。
パルプ不織布生産設備の安定稼働に関するリスク項目で、主語が「当社グループ」から「当社」へ一括して置き換えられた。生産設備がフィンランド製の特殊設備であること、トラブルや特殊部品調達時の影響、保全レベル向上などの対応策の内容に変更はない。
事業等のリスクの前文において、記載主体が「連結会社」「当社グループ」から「提出会社」「当社」に、基準時点が「当連結会計年度末」から「当事業年度末」に変更された。リスク項目そのものの内容変更は含まれず、連結から個別ベースの記載への表現変更である。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節から、決算日後の重要な売上の計上・取消の有無を取締役会議事録、会計データ、営業情報データの閲覧により確認したとする記載(監査手続の一項目)が削除された。記載の削除のみで、他の内容は示されていない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた、「重要な案件の中止・失注の有無を販売管理システムで把握し、そのデータが会計データに反映されていないことを確認した」という監査手続の記載が、今年は削除された。KAMの監査対応の一項目が記載されなくなった形となっている。
人材の確保及び育成に関するリスク項目で、末尾の対応方針が「人事制度の充実を継続してまいります」から「人材の確保及び育成に寄与する人事制度の充実を継続してまいります」へ表現が変更された。リスクの内容や評価に変更はない。
顧客の動向に関するリスク記載が修正され、業績への影響要因として「景気動向等の情報収集およびマーケティング・営業活動が不十分」な場合が追記され、官公庁の税収についても「減少等」と具体化された。あわせて、適時の情報共有と顧客に合わせたマーケティング・営業活動を実施するという対応方針の記述が新たに加えられた。
イベント開催に関する社会動向のリスクで、「感染症等」が「感染症拡大等」に、「国内市場における」が「国内における」に表現が変更された。また、対策の記述に「(BCP等)」が追加された。リスクの内容や評価自体に実質的な変更はない。
前年の記載にあった「報告セグメントの区分方法の変更」(所在地別の日本・東南アジア・その他アジアから設備工事業・機器製作業への集約)と「利益又は損失及び資産の算定方法の変更」(全社費用の一部をセグメントへ配分)に関する注記が、今年は削除された。報告セグメントは設備工事業と機器製作業の二区分という基本的な記載に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の注記が、当年度では記載されなくなった。前年度の記載では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされていた。
売上高の期間帰属に関するKAMの監査手続のうち、翌年度の月次売上明細の閲覧に関する記載が短縮された。前年にあった、該当するマイナス計上取引について証憑突合や質問等で妥当性を確認する旨の記述が削除され、マイナス計上取引の有無の確認のみとなった。
前年に記載されていた「(15) 資金使途に関するリスク」の項目が、今年の有価証券報告書では削除された。前年は、自己資金を設備投資・子会社への融資・運転資金・借入金返済に充当する予定であること、想定どおりの投資効果が得られない可能性や外部環境の変化により資金使途を変更する可能性があることが記載されていた。
前年に記載されていた「(14) 情報管理に関するリスク」の項目が、今年は事業等のリスクから削除された。前年は、情報漏洩やシステム障害が発生した場合に財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある旨と、情報管理規程等の社内規程やセキュリティ対策の実施が記載されていた。
前年度に記載されていた「(13) 重要な訴訟のリスク」の項目が、今年度の事業等のリスクから削除された。前年度は、コンプライアンス体制や顧問弁護士との連携を述べたうえで、訴訟の内容及び結果によっては財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると記載していた。
前年に記載されていた「(12) 品質リスク」の項目が今年は削除されている。前年は、製造委託・販売する自社ブランド製品について、製造物責任法に関する問題が発生した場合に社会的評価や企業イメージの低下を通じて財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性が記載されていた。
前年に記載されていた「(11) 法規制」のリスク項目が今年の事業等のリスクから削除された。前年は、輸出入制限などの海外の政府規制や、消防法・毒物及び劇物取締法・産業廃棄物処理法・下請法・建設業法・関税法等の国内法規制の変更・強化や、法令違反による許認可の停止・取消し・未更新が財政状態及び経営成績に影響し得る旨を記載していた。
前年に記載されていた「(10) 売上債権の回収」のリスク項目が今年は削除された。前年は、取引先の急激な経営悪化や倒産等により売上債権の回収に支障が出た場合、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると記載していた。
前年に記載されていた「(9) 固定資産の減損」のリスク項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、経営環境の著しい悪化による収益性低下で減損損失が発生し財政状態・経営成績に影響する可能性を記載していた。
「株式市場の変動」のリスク項目が削除された。前年は投資有価証券10,419百万円(総資産の22.7%)を保有し、株価動向が財政状態及び経営成績に影響し得る旨を記載していたが、今年は当該記載が存在しない。
前年にあった「特定の仕入先への依存」のリスク項目が今年の記載から削除された。前年は塗料メーカー各社との特約店契約や、ホールICをTDK-Micronas GmbH1社のみから仕入れている点を挙げ、契約維持に問題が生じた場合の影響を記載していた。