前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当年度では記載されなくなった。前年度の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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貸倒引当金に関する監査上の主要な検討事項で、貸出金額が3,507,783百万円から3,495,123百万円へ、貸倒引当金計上額が21,178百万円から22,300百万円へ更新された。自己査定異常検知ツールの説明に「等」が加わった。また、前年にあった「税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性の評価」のKAMが今年の記載にはなくなっている。
競争激化リスクの記載に、従来の規制緩和に加えて「デジタル技術の進展を背景とした他業種からの参入」が競争環境激化の要因として追記された。その他の記載(競合相手、調達コスト上昇や運用利回り低下などの想定影響)に変更はない。
人的リスクの項目で、従来の人事運営上の不公平・差別的行為による士気低下や人材流出に加え、少子高齢化や人材獲得競争の激化を背景とした人材確保(採用・育成・定着)の困難化が新たに記載された。これが業務運営及び業績等に悪影響を及ぼす可能性があるとされている。
事業等のリスクの前文に「(トップリスク)」の項が新設され、影響度と発生可能性に基づき取締役会で審議のうえ、金融仲介機能を継続的に発揮できなくなるリスク事象をトップリスクとして選定する枠組みが記載された。2026年度のトップリスクとして、人口減少・少子高齢化による営業基盤の縮小、競争激化、人材確保困難、サイバー攻撃・大規模システム障害、大規模災害、金融政策・金融市場の混乱の6項目とリスクシナリオが列挙されている。従来の「(重要なリスク)」の項は引き続き記載されている。
「(21)災害等のリスク」において、想定する自然災害の例示が「地震等」から「地震、津波並びに風水害等」に拡充された。その他の記載(社会インフラ障害や犯罪等による業績・財政状態への悪影響の可能性)に変更はない。
システムリスクの記載において、システム障害の原因として従来の「災害や停電」に加え、新たに「サイバー攻撃」が明記された。その他の文言や、業績・業務遂行への悪影響の可能性という結論部分に変更はない。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は無くなっている。前年の記載では、連結財務諸表への影響は無いとされていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「処分費用控除後の公正価値の見積りの合理性の評価」の監査手続(事業計画との整合性確認、開発成功確率・薬価・マーケットシェアなど主要な仮定の評価、評価専門家を利用した割引率の検証)の記載が、今年は削除されている。当該項目に対応する記載は今年の報告書には見当たらない。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、新たに「減損損失の計上時期及び金額の評価」が追加された。無形資産の開発中止に伴い回収可能価額をゼロとする見積りの合理性を、取締役会議事録の閲覧、経営者へのヒアリング、無形固定資産明細と会計記録の突合により検討した旨が記載されている。
KAMの対象が、STN10109(シロリムス)に係る無形資産の減損テストにおける回収可能価額の見積りの合理性から、開発中止の決定に伴う減損損失へ変更された。当期は開発中止を決定し、無形資産3,841百万円の帳簿価額全額を減損損失として「その他の費用」に計上したと記載されている。前年にあった割引キャッシュ・フロー法や開発成功確率などの見積りに関する説明は削除され、開発中止の方針と時期に関する経営者判断が決定理由となっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価手続の記載が変更された。前年は「主要な仮定の設定を含む無形資産の減損テストにおける回収可能価額の見積り」に関する内部統制が対象だったが、今年は「減損の兆候の把握及び回収可能価額の見積り」にかかる内部統制へと表現が改められ、減損の兆候の把握が明示された。
内部統制基本方針に関する記載が「体制を整備する旨の決議」から「体制に関する基本方針を取締役会で決議」へと表現が改められ、「対象範囲の拡大を図っており」との記述が削除されて「構築・浸透を含めた形で取り組んでいます」に言い換えられた。リスクの内容や財務報告に係る内部統制の記載に実質的な変更はない。
薬価改定・医療保険制度の影響を業績予想に織り込む旨の記載が「日本国内」から「国内外」に拡張され、予測範囲を超える改定が業績・財政状態に中長期的影響を与えうるという記述が海外にも適用される形になった。一方、海外の医療用医薬品価格規制と政府による価格低下圧力が継続する傾向にあるとの独立した段落は削除された。
ライセンス製品への依存の項目で、国内独占的販売権を受けている「アイリーア」の記載が、アイリーア硝子体内注射液(8mgを含む)から、「アイリーア類」として注射用キットやアフリベルセプト硝子体内注射用キット「バイエル」を含む具体的な製品名の列挙に変更された。リスクの内容や契約期間満了等に関する記述に変更はない。
主力製品への依存に関する記載で、売上収益上位2製品の内訳が「アイリーア硝子体内注射液」と「アレジオン類」から「アイリーア類」と「コソプト配合点眼液」に変更されました。連結売上収益に対する比率は37%から32%に低下しています。販売中止や売上減少が業績に影響しうるとの記述自体は変わっていません。
地政学リスクの項目で、対応策の記述に「影響分析と対応策の検討、役員セミナーなどを通じて地政学リスクへのマインド醸成、リスク感度の向上を図っている」との一文が追加された。リスクの内容自体や既存の対策記述に変更はない。
サプライチェーンのリスク記載で、パンデミックの例示から「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大等」という具体的な名称が削除され、「感染症拡大等」という一般的な表現に変更された。あわせて生産停滞・遅延と品質問題の文の構造が整理された。対策や体制に関する記載に変更はない。
リスク管理体制の前文が再構成され、冒頭に国際情勢・経済の複雑性・不確実性の高まりとリスクの多様化・複雑化への認識が追加された。「リスク管理委員会での審議」が「マネジメントによる審議・リスク対応策の進捗モニタリング」とチーフリスクオフィサーの下での体制整備に改められ、パンデミック・自然災害・紛争等への言及や危機管理担当役員の記述は削除された。危機管理委員会の記述も、事実確認と対応方針の検討を明記する形に修正された。
KAMの対象(設備部門の工事原価総額の見積りの妥当性)は前年と同一で、数値のみ更新された。一定期間にわたり履行義務を充足する工事契約の売上高は15,356,556千円(連結売上高の32%)から13,342,512千円(34%)となり、提出会社単体の金額記載は「大半を占める」との表現に置き換えられ、「会社」の略称定義が追加された。
今期、通算グループにおける繰延税金資産の回収可能性が監査上の主要な検討事項(KAM)として新たに記載された。炭素繊維事業の収益改善や帝人ファーマの在宅医療基盤を活かしたヘルスケア事業の成長といった、高い不確実性を伴う事業計画上の仮定が課税所得見積りの基礎とされ、監査人が内部統制評価や事業計画の整合性確認、実績・外部市場予測との比較などの手続を実施した旨が記されている。
2型糖尿病治療剤の販売権に関するKAMが、使用価値に基づく評価から、構造改革(医薬品ビジネスの希少疾患・難病領域への絞り込み)を背景とする処分コスト控除後の公正価値に基づく評価へ変更され、対象も医薬品ビジネスに係る非金融資産に拡大した。当期に減損損失を計上している旨が記載され、監査手続には過年度の事業計画達成状況の検討も加わった。あわせて、通算グループにおける繰延税金資産(13,373百万円)の回収可能性に関する記載が新たに追加されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、2型糖尿病治療剤の販売権のみから、販売権および医薬品ビジネスに係る非金融資産全般へと拡大された。減損損失額は28,000百万円から25,400百万円に変わり、関連無形資産45,089百万円の記載に代えて、ヘルスケア事業のセグメント資産158,786百万円が記載されている。
トワロン事業に関するKAMで、前年は減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を上回り減損損失を計上していないとされていたが、当年は競争激化や為替変動で計画達成が困難となり、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため減損損失が計上されたと記載された。あわせて監査手続として、過年度の事業計画の達成状況の検討や感応度の検討、事業計画の社内承認プロセスの確認が追加された。別のKAM項目名も「2型糖尿病治療剤の販売権ならびに医薬品ビジネスに係る非金融資産の評価」に拡大している。
KAMの記載が、非金融資産の減損に関する会計方針の一般的な説明から、マテリアルセグメントの連結子会社Teijin Aramid B.V.が営むトワロン事業に係る減損損失50,354百万円の計上の記載へと変更された。あわせて、減損後のトワロン事業の有形固定資産34,815百万円、無形資産2,447百万円が計上されている旨が具体的に示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の構成が変更された。前年はトワロン事業と2型糖尿病治療剤販売権の2件だったが、今年はトワロン事業を継続し、2型糖尿病治療剤の項目を医薬品ビジネス全体の非金融資産評価に拡大し、新たに「通算グループにおける繰延税金資産の回収可能性」が追加された。前年のTeijin Automotive Technologies NA Holdings Corp.の固定資産減損に関する記述は削除された。
重大リスクの評価方式が、前年のA/B/C区分から影響度・発生確率を各1~3で評価し積が6点以上を「重点管理リスク」とする方式に変更された。首都圏直下型地震・南海トラフ地震・富士山噴火は「大規模自然災害」に統合され、リスク領域名も一部変更された。『中東情勢の不安定化』『制裁・輸出規制』への言及、サプライチェーン全体へのサイバー攻撃拡大、AI規制対応不足などの記載が追加され、エネルギーコスト高騰は為替激変に一本化された。
経営戦略リスクの具体例が、米国大統領交代に伴う通商政策や欧州の炭素繊維・PFAS規制から、中東情勢によるエネルギー価格・原材料調達・国際物流への影響、主要国間の地政学的緊張、通商・産業・経済安全保障政策の不確実性へと入れ替わった。業務運営リスクの担当は「人事・総務/サステナビリティ管掌」から「サステナビリティ管掌」に変更され、参照先も「2025年度TRM基本計画」から「2026年度重大リスク」に改められた。
「法規制、行政動向に関するリスク」内にあった法人税等実効税率変更による繰延税金資産変動の記述が削除され、新たに独立項目「繰延税金資産の回収可能性に関するリスク」が追加された。将来の課税所得の見積りの見直しにより業績・財政状態に影響する可能性を記載している。その他は「又は」「等」「全て」などの表記統一が中心。
前年度にあった「IT」事業(システム運用・開発・メンテナンス及び電子コミック配信サービス等)を非継続事業に分類し、セグメント情報は継続事業のみ表示するとの注記が、当年度の記載では削除された。報告セグメントを「マテリアル」「繊維・製品」「ヘルスケア」の3つとする記載や各セグメントの事業内容の説明に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の項目が、当年度では記載されていない。前年度の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
KAM(繰延税金資産の回収可能性)の対象は前年と同じで、計上額が繰延税金資産138→151百万円、繰延税金負債1,263→1,976百万円、相殺前の繰延税金資産286→339百万円に更新された。事業計画の前提は、半導体市況の回復に伴う売上増加から、トナー事業・半導体・ディスプレイ関連事業の需給環境の先行き不透明感や中東地域の地政学的リスクの高まりへ変更され、重要な仮定も半導体・ディスプレイ関連事業の需給環境に係るものへと改められた。
事業等のリスクに「コンプライアンスに係るリスク」が新規項目として追加された。内部統制基本方針に基づく行動指針を定めているものの、重大な法令違反が生じた場合は社会的信用の低下等により業績に影響する可能性があると記載されている。対応として、推進体制の強化、教育の見直し、予防対策の展開、国際規制への対応力強化が挙げられている。
資金調達リスクの記載が変更された。前年はコミットメントライン契約に付された財務制限条項・期限の利益喪失事由による借入条件変更のリスクを記載していたが、今年はこれらの記述が削除され、金利上昇による調達コスト増加が業績に影響を及ぼす恐れがある旨に置き換えられた。対応策の記載は変更されていない。
事業等のリスクに「(4)サイバー攻撃による影響」が新規に追加された。IT環境がサイバー攻撃を受けた場合、相当期間にわたり生産・営業活動に影響が出る可能性があること、および防御・検知・対応・復旧力を強化する対策体制の整備を進めていることが記載されている。
大規模災害リスクの記載が、静岡県の生産拠点と南海トラフ巨大地震に特化した表現から、巨大地震に加え線状降水帯や大型台風による風水害を含む表現へ広がった。対策もBCP改訂、事務所等への耐震補強、早期復旧のための投資促進、津波・風水害への予防措置の見直しなどに更新された。
原材料・燃料価格の急変動の要因として「国際紛争など」が追記され、さらにサプライチェーン上の前後工程での供給・生産停止が当社に大きく影響し得るとの記述が新たに加わった。対応策として「省エネルギー化」と「セカンドリソースの探索」が追加された。
KAMの監査手続のうち、半導体・ディスプレイ関連事業に関する記述が、「半導体市況の回復に伴う売上高の増加を仮定することの合理性」から「需給環境に係る経営者による仮定と判断の合理性」へと表現が変更された。確認に用いる資料(過去の売上実績、受注状況、外部調査機関の需要予測レポート)は変わっていない。
外国為替変動リスクの項目で、対応策の記載が「拠点・地域毎の外貨ポジション管理」から「拠点・地域毎の外貨ポジション管理と本社部門によるモニタリングの強化」へと追記されました。リスクの内容や為替予約の記載には変更はありません。
海外事業展開に伴うリスクの例示に「環境規制」の変更が追加された。対策面では、テロ・治安悪化対応マニュアルについて従業員の安全確保を目的とする旨と「運用」が追記された。
市場変動・技術革新リスクの対応策の一つである「市場動向の見極め」に、「特に市場が縮小している事業に対する構造改革の推進」という文言が追加された。リスクの説明本文や他の対応策には変更がない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年度は削除されている。前年度の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「割引前将来キャッシュ・フローの合理性評価」の項目が前年にはあったが、今年は記載されていない。前年は子会社の事業計画の主要な仮定(契約数・一人当たり売上高)について、取締役会議事録の閲覧、契約実績との比較、予算達成状況の分析などの監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「(2)取得価額の合理性の検証」が新たに追加された。同社株式の取得価額の基礎となる事業計画の合理性について、取締役会議事録の閲覧、売上高成長率と市場成長率との整合性確認、外部専門家の評価、評価の専門家による割引率のインプットデータ検証といった監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の対象が、前年の「のれんを含む資産グループの減損損失の認識の要否」(事業計画に基づく割引前キャッシュ・フローの合理性評価・承認に関する統制)から、今年は「株式取得に関する内部統制」へと変更された。KAMの対象項目が入れ替わっており、記載内容も簡略化されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期の「IT技術者派遣サービスに係るのれん及び顧客関連資産の減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性」から、今期は「株式会社トライトの株式取得時における取得価額の合理性」に変更された。今期は2026年3月1日に同社の全株式を29,243,000千円で取得し完全子会社化した企業結合が対象で、事業計画の売上高の見込成長率に不確実性があり経営者の判断が影響する点が決定理由とされている。
前年に記載されていた「(7)許認可及び法規制について」の項目が、今年の事業等のリスクから削除された。労働者派遣・有料職業紹介の許可状況、許可取消し等のリスク、改正労働者派遣法(派遣元労使協定方式)への対応、派遣技術社員の無期雇用転換や直接雇用切替えに関する記載が含まれていた。
事業等のリスクのうち「(1)経営環境について」の項目全体が削除された。前年は建設業界への依存(建設投資動向、時間外労働の上限規制の影響、事業ポートフォリオ最適化)と、業界の競争激化・競合(派遣料金や事業進捗への影響)の2つのリスクが記載されていたが、今年は該当項目の記載が確認できない。
事業等のリスクに「(8)レピュテーション・リスクについて」が新設された。技術者派遣事業を営む社会的責任を踏まえ、役職員による社会的倫理に反する行為や、同業他社の不祥事による業界全体のイメージ悪化が、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「(4)法的規制について」が新規に記載された。派遣・職業紹介事業は労働基準法、労働者派遣法、職業安定法の規制下にあり、監督官庁の指導強化等により許可取消や事業停止処分を受ける恐れがあること、また法改正や指導方針の強化により顧客企業の派遣・請負の需要が低下した場合に経営成績及び財政状態に影響する可能性があることが記載されている。