監査上の主要な検討事項(KAM)として、新たに「関係会社に対する貸付金の評価の妥当性」が追加された。PRBXの株式譲渡取引に含まれるEBITDA連動型の貸付契約への転換条項を理解するため取締役会資料等を閲覧し、PRBXの財政状態・事業計画・資金繰りの見通しをもとに貸付金の回収可能性に関する経営者の見積りの妥当性を検討する手続が記載されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)の節に「(1)内部統制の評価」が新規に記載され、関係会社に対する貸付金の評価に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した旨が示された。前年はこの項目の記載がなかった。
事業等のリスクに「(13)人材確保に関するリスク」が新たに追加された。少子高齢化や人材獲得競争の激化により、専門人材の確保・育成ができない場合や人材が流出した場合に、研究開発力や生産性の低下、新製品開発の遅延等を通じて経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると記載されている。対応として、採用強化、教育研修の充実、職場環境整備、DXによる生産性向上等が示されている。
情報システム・情報セキュリティリスクの記載が拡充され、基幹システムの活用やDX推進への言及、システム障害・ソフトウェア不具合・システム導入更新時の計画遅延といった新たなリスク要因が追加された。想定される影響も、生産、受発注、物流、会計処理への支障、機会損失、追加費用、社会的信用の低下へと具体化された。対応策もシステムの計画的更新、プロジェクト管理、バックアップ・障害対応体制の整備などが加わった。
原材料の実在性及び評価の妥当性を引き続きKAMとして記載しているが、対象期間が2025年5月期から2026年5月期に更新され、原材料及び貯蔵品の計上額が7,494,587千円から5,865百万円へ、原材料が6,279,299千円(総資産の10.5%)から4,650百万円(同7.7%)へ減少している。KAM選定理由の結びの文言が一部変更されているが、検討事項の内容や監査手続の記述に実質的な変更はない。
環境規制リスクの記載が拡充され、規制強化に加えて顧客・市場からの環境負荷低減や省エネルギー性能などへの要求の高まりが追記された。対応できない場合の影響として、追加の設備・研究開発投資、製品仕様変更によるコスト増、製品競争力の低下、販売機会の逸失が具体的に挙げられた。対応策では、高効率・高信頼性製品の開発が加わり、環境対応を競争力向上につながる経営課題と位置付ける記述となった。
M&Aリスクの記載が、Powerbox International AB買収と2020年度ののれん減損(1,097百万円)という個別事例中心の説明から、M&A・事業提携全般に関する一般的なリスク(PMI未達、シナジー未達による減損、投資回収長期化)の記述へと変更された。あわせて、事業再編やグループ会社譲渡に伴う一時的な損失・費用発生の可能性と、デューデリジェンスや買収後モニタリングの取組が新たに記載された。
地政学リスクの記載が拡充され、事業展開地域(日本・アジア・北米・欧州)への言及が追加されたほか、想定される影響として部品・材料の調達難やコスト上昇、物流の停滞、顧客の設備投資計画の見直しが具体的に列挙された。対応策も、政治・経済動向のモニタリング、調達先の複線化、適正在庫の確保、部品の共通化などが追記されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントに、不動産の取得・保有・売却・管理等を行う「アセット事業」が新たに追加され、リテール・マーケティング・アセットの3区分となった。前年はマーケティング事業が量的重要性の増加で報告セグメント化された旨の記載だったが、当期はアセット事業について同様の変更が記載されている。
事業等のリスクに「(19)特定地域への事業集中について」が新規に追加された。店舗の大半を北海道内に展開しており、同地域の人口減少など人口動態の変化や経済環境の悪化が業績に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「(18)競合の状況について」が新規に追加された。ドラッグストア業界でM&Aによる再編・大型化が進み、仕入交渉力や人材獲得力の低下、出店競争、物価上昇・実質賃金減少による節約志向の高まりが業績に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
仕入価格上昇のリスク記載に「中東情勢の緊迫化等を背景とした」という具体的な要因が追加された。あわせて、水道光熱費や人件費(賃上げ)の上昇により販管費が増加し、価格転嫁や経費削減で吸収できない場合に業績へ影響する可能性があるとの文が新たに加わった。為替変動に関する記載は変更されていない。
KAMの対象は前年と同じ2項目(店舗固定資産の評価、スタートアップ企業の非上場株式の評価)で、数値が更新された。店舗有形固定資産は13,542百万円から13,114百万円、減損損失は338百万円から448百万円となり、非上場株式は791百万円から633百万円、総資産比1.7%から1.4%となった。店舗固定資産の記載では、使用価値や割引率に関する説明と、感応度分析の監査手続の記述が削除された。
総資産に対する期末有利子負債の比率が、前年の37.3%(2025年5月期)から33.7%(2026年5月期)へ更新された。借入金による設備投資資金の調達方針や、金利動向が業績に影響する可能性があるとの記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、のれんなど非金融資産の減損テストにおける回収可能価額の見積りの合理性が新たに追加された。減損損失は107,981百万円計上され、歯愛メディカルののれん12,980百万円やAW Indiaののれん全額(21,912百万円)を含む46,352百万円の減損が生じている。経営トップによる不適切会計の判明を踏まえ、見積りにおける経営者の偏向の有無も検討対象とされている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「不適切な会計処理への対応」が新たに記載された。特別調査委員会の報告により、在庫・売上の過大計上、評価損の先送り、引当金の計上回避など多岐にわたる不適切会計や経営トップによる内部統制の無効化が判明し、過年度訂正と内部統制の「有効でない」表示に至ったとされる。監査人は不正による重要な虚偽表示の疑義があると判断し、不正調査の専門家を用いた追加手続を実施したと記載されている。
新たに「ガバナンスの機能不全に関するリスク」と「資金調達リスク」の項目が追加され、連結子会社での在庫を巡る不適切な会計処理が複数年度にわたり当社および相当数のグループ会社に及んでいたこと、借入契約の確約条項・財務制限条項への抵触により期限の利益を喪失するおそれがあることが記載された。また、2026年5月1日付で東京証券取引所から特別注意銘柄に指定され、内部管理体制に問題があると認められる場合は原則上場廃止となる旨と再発防止策が記載された。既存項目では「関税政策等」の文言削除、「気候変動」への誤記訂正、減損テストの記述追加など軽微な修正にとどまる。
報告セグメントの5区分自体は変わらないが、各セグメントの事業内容の記載が再編されている。海外産業ガス事業と高出力UPS事業は「その他の事業」から「デジタル&インダストリー」へ、炭酸ガス・水素の製造・販売は「エネルギーソリューション」へ移され、電子材料の記載は削除された。「その他の事業」には、マグネシア等を扱う海水事業とエレクトロニクス関連専門商社事業が新たに記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「(2)回収可能価額の見積りの合理性についての検証」の記載が、当期の報告書では削除された。前期は、資金生成単位の減損テストにおける事業計画の主要な仮定の検証、割引率および類似企業比較法の適切性の検討を、ネットワークファームの評価専門家を利用して実施した旨が記載されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「内部統制の評価」の項目(のれんを含む資金生成単位の減損テストにおける回収可能価額の測定に関連する内部統制の整備・運用状況の評価)が、今年の記載では削除されている。
前年の監査報告書にあった、のれんの減損損失の認識の要否に関する判断の妥当性(のれん80,280百万円、総資産の6.4%)に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の記載が、当期は掲載されていない。
リスクマネジメントの統括部門が、代表取締役直轄の「コンプライアンス室」から「リスクマネジメント・コンプライアンス部」へ名称変更・再編された。会議体も「リスクマネジメント検討会」から「リスクマネジメント委員会」に改称され、統括対象の説明がコンプライアンス・保安防災・環境保全の重要リスクから、事業を取り巻く様々なリスクの把握・評価と未然防止・影響最小化へと一般化された。
監査上の主要な検討事項の節が新たに記載され、「限定付適正意見の根拠」及び「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に記載された事項を除き、報告すべきKAMはないと判断されている。この記載から、監査意見が限定付適正意見であること、および継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在することが示されている。
事業等のリスクに「特別注意銘柄の指定について」が新設され、2025年11月21日に東京証券取引所から、同年11月22日付で特別注意銘柄に指定し上場契約違約金を徴求する旨の通知を受けたことが記載された。理由は、不適切会計に起因する監査報告書での意見不表明等と適時開示違反による内部管理体制等の改善の必要性で、指定期間は原則1年、審査で内部管理体制に問題があると認められる場合は原則として上場廃止となる旨が記されている。
継続企業の前提に関する重要事象の記載が大幅に拡充され、流動比率52.2%、会計監査人の意見不表明、東京証券取引所による特別注意銘柄への指定(2025年11月22日付)と上場廃止リスクが新たに記載された。さらに2026年5月8日に東京地方裁判所へ会社更生手続開始の申立てを行い、同日に開始決定がされたこと、今後は管財人体制で再建を図ることが明記された。前年の「金融支援の継続依頼と資産売却による返済資金確保」という記述から、法的整理による再建へと状況が大きく変化している。
過年度決算訂正に関するリスク記載から、東京証券取引所から上場契約違約金の請求等の措置を受ける可能性への言及が削除され、課徴金の納付命令等のみの記載となった。不適切会計に関する第三者委員会調査・訂正報告書提出の経緯や、株主等から訴訟を受ける可能性の記載は変更されていない。
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況の記載は維持され、当期の営業損失は72百万円から502百万円へ拡大した。前期の改善施策(M&A・事業撤退)の記述は、新たに4社を子会社化した旨とM&Aを軸とした黒字化の見通しに置き換わった。現金及び預金は1,246百万円から1,547百万円に増加し、重要な不確実性は認められないとの判断は引き続き維持されている。
報告セグメントの事業内容の記載が拡充された。ソリューション事業にインフラ保守点検向け測定機・探索機の輸入販売・自社製造およびAI常時自動監視型漏水探索機が追加され、エンタテインメント事業にカプセルトイ事業、ライフスタイル事業にブライダル事業(婚礼衣装・式場運営・レストラン・宴会等)が加わった。
前年に記載されていた「法令及び規制に関するリスク」の項目が削除された。同項目では、約6年前の有価証券報告書に係る訂正報告書の提出命令および課徴金納付命令(課徴金引当金繰入額44百万円を特別損失に計上)と、その取消訴訟の提起、訴訟結果次第で業績・財政状態に影響が生じる可能性が記載されていた。
新株予約権の希薄化リスクについて、基準日が2025年10月31日から2026年6月30日に更新され、第15回新株予約権の残数が22,600個から16,600個に減少した。また、第12回・第15回の決議機関の記載が取締役会から臨時株主総会・定時株主総会に変更された。新たに2026年3月27日決議の第16〜19回新株予約権(合計135,000個、第16回には行使価額修正条項付き)が追加され、行使による希薄化の可能性が記載された。
子会社事業のリスクとして、⑧飯山土建株式会社(建設事業:公共投資動向、資材・労務費高騰、競争入札による価格競争など)、⑨株式会社コーウェル(LED照明事業:価格競争、為替・仕入依存、レンタル資産の稼働)、⑩日本純金行株式会社(貴金属取引:相場変動、法令遵守、取引先信用)の3社分が新たに追加された。また③の見出しにPavilions株式会社に加えて株式会社SOUND PORTが併記された。
外注委託先の確保に関するリスク項目で、冒頭の「ソリューション事業において」という事業限定の文言が削除され、当社グループ全体を対象とする表現になった。発生可能性(低)・影響度(大)の評価やその他の記載内容に変更はない。
競合リスクの記載対象が、従来の「ソリューション事業(スマートフォン等のモバイル端末関連サービス)」から「当社グループが展開する各事業」へと一般化された。発生可能性・影響度の評価は変わらず、モニタリングと対処方針の記述も実質同じで、表現の整理が中心である。
共同開発・協業・提携等の対象が「ソリューション事業の一部」から「各事業」へ拡大され、影響範囲の記載が「業績」から「業績及び財務状況」に広がった。その他は表現の整理が中心で、発生可能性(高)・影響度(中)の評価に変更はない。
新製品・サービス開発リスクの対象が「ソリューション事業」から「各事業」に広げられ、IT業界の技術革新への言及が一般的な「市場環境の変化」に置き換えられた。想定と異なる要因として「技術革新」が列挙に移動し、「ビジネスモデル」が削除された。発生可能性(低)・影響度(中)の評価は変更なし。
顧客の嗜好・流行の変化に関するリスクの対象事業が、従来の「ソリューション事業」のみから「ソリューション事業、エンタテインメント事業及びライフスタイル事業等の一部」へ拡大して記載された。また、影響要因に「消費マインド」が追加され、「エンタテインメント性の高いもの」「直接課金」との記述が削除された。発生可能性・影響度の評価は変更なし。
関連市場動向のリスクについて、従来はソリューション事業(モバイル端末関連サービスやセキュリティ関連サービス)に限定した記載だったが、持株会社体制の下でソリューション、エンタテインメント、教育関連、ライフスタイル等の多様な事業を展開し、各事業が属する市場の需給・景気動向、技術革新、関連法規制の影響を受ける旨の記載に拡張された。発生可能性(中)・影響度(中)の評価は変更されていない。
個人情報の取扱いに関するリスク項目から、モバイル端末向けインターネットサイトの運営を通じて登録会員の個人情報を知り得る立場にあるという冒頭の事業説明の段落が削除された。発生可能性(中)・影響度(大)の評価や、対策および想定される影響の記載は変更されていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、2025年10月19日のランサムウェア攻撃によるシステム障害と大規模サービス停止、保有情報の流出への会社対応及び財務報告への影響が新たに追加された。営業損失17,445百万円、休止固定資産減価償却費1,269百万円、システム障害対応費用5,108百万円などが検討対象とされている。既存のeコマース売上計上に係るITシステムのKAMも、売上高が395,420百万円(82%)から311,118百万円(77%)へ変わり、基幹業務システムのSAP S/4HANAへの移行が理由と手続に追加された。
リスク項目の構成が大きく組み替えられ、「ビジネスモデルの変革の遅れ・事業再編への対応不全」と「AIの進化に伴う事業・社会変化への対応不全」が新たに追加された。サイバー攻撃の項目には2025年10月に発生したランサムウェア被害による事業停止事案への言及と、グローバル標準に基づくセキュリティ強化などの対策が加わった。従業員の生命・身体・健康(熱中症等)に関する項目は冒頭の位置から見えなくなっている。
「顕在化したリスク」の項目が新設され、2025年10月19日に発生したランサムウェア攻撃によるシステム障害が記載された。物流システムを中心とする障害で出荷機能が一時制限され、情報の一部が外部流出し、復旧費用や出荷停止期間中の機会損失が財政状態および経営成績に影響を及ぼしたと説明している。あわせてNISTのフレームワークを用いたセキュリティ強化や、CISO設置・「トラスト&セキュリティ」組織の新設などの対応策が記載された。
前年にあった「報告セグメントの変更等に関する事項」の記載が削除された。前年はeコマース事業内の収益の分解情報を「BtoB事業」「BtoC事業」から「ASKUL事業」「LOHACO事業」「グループ会社・内部取引消去」の区分へ変更した旨が記されており、今年はその説明が無くなっている。報告セグメントの構成や事業内容の説明自体は変わっていない。
前文に「当事業年度において顕在化したリスク」も記載対象とする旨の文言が追加された。また、将来に関する事項の判断時点が提出日(2025年7月30日)から(2026年7月30日)に更新された。リスクの評価手法や「特に重要なリスク」の定義に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
棚卸資産に関するKAMでは、棚卸資産計上額が1,495,854千円から1,534,217千円に、アゼアス単体分が1,248,929千円(連結総資産の14.8%)から1,476,835千円(同17.5%)に更新された。固定資産のKAMは「減損判定の妥当性」から「減損損失の認識の要否判定の妥当性」に変更され、判断の根拠が事業計画上の販売数量・価格予測から、使用価値が帳簿価額を下回る一部資産グループについて正味売却価額が帳簿価額を上回るため減損損失を認識しなかった判断(不動産鑑定評価額・時点修正・処分費用見込額の見積り)へと移り、監査手続もこれに合わせて書き換えられた。
事業等のリスクに「(10) サイバーセキュリティについて」が新設された。ランサムウェア感染によるシステム停止が生産・出荷停止、債権債務の遅延、損害賠償や行政処分、信用低下につながる可能性を記載し、BCP策定、従業員教育、サイバー保険加入などの対策に言及している。