事業等のリスクに「(4)グローバル展開に関するリスク」が新設された。海外機関投資家資金を日本市場へ呼び込む投資事業に関し、各国の金融・投資法規制や税制の変更、資本移動規制、経済安全保障政策、地政学リスク、為替変動等により、投資意欲の低下や資金流入の減少、投資案件の組成・実行の遅延が生じ得る旨が記載された。米国・中国等での投資家・パートナーとのネットワーク構築や情報収集によるリスク管理体制の強化にも言及している。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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「ファンド組成・資金調達に関するリスク」が特に重要なリスクとして新規に追加された。収益の一部が投資ファンドの運営報酬・成功報酬に依存しており、新規ファンドの組成が計画どおり進まない場合に収益基盤へ影響し得る旨と、機関投資家やSBIグループとの連携強化などの対応策が記載されている。
事業等のリスクとして「投資先への集中リスク」が新たに追加された。投資資産の一部が特定の投資先企業または特定業界に集中する場合があり、その企業価値が低下すると業績に重大な影響を及ぼす可能性があると記載されている。対応として、投資先・投資領域の分散を基本方針とし、ポートフォリオ管理体制の強化でリスク低減に努めるとしている。
事業等のリスクに「投資案件に関するリスク(特に重要なリスク)」が新規に記載された。投資先企業の企業価値低下により投資有価証券評価損や売却損が発生し、業績・財政状態に重要な影響を及ぼす可能性や、投資回収の長期化の可能性が示され、対応として事業進捗管理、デューデリジェンス、モニタリング、ハンズオン支援等が挙げられている。
監査上の主要な検討事項(研究開発費の外注費の期間帰属の適切性)の対象は変わらないが、会社事業の説明が「RNA創薬ビジネス」から、低分子抗がん剤・核酸医薬・DDS技術の知見を活かしmRNAをはじめとする核酸医薬に特化し後期臨床開発前にライセンスアウトするビジネスへと詳細化された。研究開発費は422,482千円から487,355千円に増加し、販売費及び一般管理費に占める割合は約51%から約44%に変化した。
事業等のリスクの前文は同一内容のまま、末尾に「<NBI事業に関するリスク>」という見出しが新たに追加された。前文の本文自体に変更はなく、リスクの具体的な内容はこの箇所には記載されていない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年度では削除された。前年度の記載では、この変更による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)が新たに記載され、連結子会社である台湾三國股份有限公司の元従業員による現預金の私的流用および隠蔽工作が判明し、過年度の連結財務諸表等を訂正したことへの対応が挙げられている。あわせて固定資産の減損損失の認識の要否もKAMとして示され、有形固定資産36,586百万円・無形固定資産682百万円(総資産の35.5%)、減損損失130百万円が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節が新規に記載され、前文と「不適切な会計処理の訂正への対応」という項目名が示されている。内容及び決定理由、監査上の対応の見出しのみが抽出されており、詳細は確認できない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の中に、「(2)過年度の会計上の見積りの遡及的な検討」という項目が新たに記載された。過年度の事業計画と実績を比較して見積りの精度・信頼性を評価し、乖離要因が今後の事業計画に与える影響を検討したとの手続が示されている。
のれんに関するKAMについて、対象年度が2026年3月期に更新され、のれん残高が823,190千円(総資産比2.2%)から997,398千円(同2.5%)に増加し、内訳もロボティクス事業が183,189千円から64,959千円に減少した。前年にあった減損損失200,950千円の計上の記載は削除され、検討事項が「評価の妥当性」から減損の兆候の判定の妥当性へと焦点が移り、技術革新の速さや事業計画の重要な仮定(売上高成長率・売上原価率等)に関する記述が追加された。
前年の事業等のリスクに記載されていた「(14)繰延税金資産」の項目が、今年は削除されている。前年は、将来の課税所得の見積りが実際と異なった場合に繰延税金資産の金額が変動し、経営成績及び財政状態に影響する可能性を記載していた。
前年に記載されていた「特定事業・製品並びに受託先企業の業績への依存」のリスク項目が、今年の記載では削除されている。書画カメラや光学ユニットの市場動向・競合動向への依存、およびロボティクス事業の開発受託先企業の業績・契約打ち切り・値下げ要請等による影響に関する記述が無くなった。
事業等のリスクに「(14)情報漏洩リスク」が新たに追加された。不正アクセスやサイバー攻撃等で情報漏洩が発生した場合、多額の費用負担や企業イメージの悪化により業績に影響を与える可能性があると記載し、情報管理規程の制定や情報セキュリティ委員会の定期開催による管理体制を併せて記載している。
季節偏重の対象製品が「書画カメラ」から「電子黒板」に変更され、車載関連の売上が業績に影響し得るとの記述が削除されました。一方で、保守・サポート等のストック型収益の拡大や近隣市場への展開による収益安定化・事業分散化の取組に関する記述が新たに追加されています。
監査法人が「有限責任あずさ監査法人」から「有限責任監査法人トーマツ」に変わりました。
固定資産の減損に関するKAMの記載が簡素化された。前年にあった有形・無形固定資産の計上額や減損損失2,102百万円といった数値の記載が削除され、「減損損失の測定の妥当性」への言及や、割引率の検討、不動産以外の資産の評価、鑑定評価の時点修正意見書の閲覧といった監査手続の記載も削除され、検討対象が減損損失の認識の要否に絞られている。
KAM(店舗等に関する固定資産の減損処理)の数値が更新され、店舗数は305店舗から287店舗、有形固定資産は2,667百万円から2,869百万円(総資産比約42%から約44%)、減損損失は92百万円から189百万円へと変化した。また減損損失の計上方法が、回収可能価額まで減額する記載から、固定資産帳簿価額の全額を減損損失として計上する記載に変更された。
前期に記載されていた「報告セグメントの変更等に関する事項」の項目が削除された。前期は2024年4月の組織変更により、ドライブレコーダー・デジタルタコグラフ等の車載器、医療機器などの事業と一部連結子会社が「映像&IT事業」から「ロボティクス事業」へ移管された旨を記載していたが、当期は該当記載がない。
減損の兆候の判断に関する監査上の主要な検討事項の手続記載が全面的に書き換えられた。前年の取得時事業計画と実績の比較やのれんの会計処理の検討に代えて、今年は売上高成長率・売上原価率という重要な仮定について、趨勢分析、受注状況の確認、外部市場予測レポートの閲覧等による合理性の検討が記載された。
KAMのうち「内部統制の評価」の記載が、のれんの評価に関連する内部統制の有効性評価という一般的な表現から、事業計画(重要な仮定の合理性を含む)の策定プロセスおよびのれんの減損の兆候判定プロセスに係る内部統制を対象とし、主要な内部統制実施者への質問や関連資料の閲覧を行ったという具体的な手続の記述に変更された。監査人が実施した手続の記載が詳細化されたものである。
リスク項目(13)の見出しが「…感染症蔓」から「…感染症蔓延のリスク」へ修正され、見出しの途切れが解消された。また、このリスクへの対応として、仕入れ・製造・販売の分散を図り影響を最小限に抑える努力を行っている旨の記述が追加された。リスクの内容自体(自然災害・感染症による経営成績及び財政状態への影響)に変更はない。
企業買収に関するリスク項目に、資産取得時の所定手続き、投資対効果の検討、財務・戦略・リスク視点での妥当性の審議、買収後の定期的なモニタリングといった対策の記述が追加された。既存のリスク記載(のれん減損、関係会社株式評価への影響)に変更はない。
環境規制のリスク項目に、ISO14001準拠の環境マネジメントシステムを構築・運用して継続的な環境改善を進めていること、およびコンプライアンス委員会が法令・規制等の順守状況を定期的にモニタリングしていることの記述が追加された。リスク事象や影響に関する既存の記載に変更はない。
為替相場の変動リスクについて、参照項目の番号が(10)から(9)に変更された。また、取引通貨バランスの改善、円建て取引の増加、海外調達の拡大、生産国の見直し等による為替リスク軽減策の記述が新たに追加された。リスクの内容自体に大きな変更はない。
海外での事業展開リスクの本文は前年と同一で、今年は新たに対応策の記述が追加された。進出前に進出国を調査し、販売・生産拠点のリスクを検討・評価した上で判断すること、進出後も法令改正等の情報収集によりリスク低減を図ることが記載されている。
見出しの途切れていた部分が「の抵触」と補われ、見出しが完結した。リスクの内容自体に変更はなく、新たに知的財産侵害を防ぐための取組として、外部専門家の意見の参考や、現場の技術者と知財部門の連携強化による開発初期段階からの他者知的財産権の調査が追記された。
「製品の品質」のリスク記載で、「ソフトウェア」が「ソフトウエア」に、「など」が「等」に表記変更された。また、「品質第一」を基本精神とし、国際規格に準拠した品質マネジメントシステムを開発・設計から製造・販売・サービスまで全プロセスで運用するという取り組みの記述が追加された。リスク内容自体に実質的な変更はない。
「競争の激化」のリスク記載自体(価格競争による販売価格下落、高シェア商品の優位性の不確実性、他社新製品による販売数量減少)に変更はない。新たに、コスト競争力の強化、独自技術や品質・信頼性による差別化、シェア拡大、市場動向に応じた事業ポートフォリオの見直しといった対応策の記述が追加された。
原材料の調達に関するリスク項目に、調達先への定期的な監査等の調査実施や調達ルートの多様化など、安定調達に向けた取組を述べる一文が追加された。リスク内容を述べる既存の記載に変更はない。
「新製品の開発」のリスク記載に、当社グループが開発部門を有し、同部門が市場環境の把握、技術的課題解決、新製品開発を効率的に行うことでリスク低減に努めているとの対応策の記述が追加された。リスクの内容自体(開発の遅延や新製品への移行不備による競争力低下)に変更はない。
「研究開発活動及び人材育成」のリスク項目に、対応策の記述が追加された。開発部門が市場環境の把握・技術的課題解決・新製品開発を効率的に行いリスク低減に努めること、また新卒・中途採用による人材獲得と入社後の研修等による育成に努めることが新たに記載された。リスク本文自体に変更はない。
市場環境の変化に関するリスク記載で、4市場の列挙順が「FAロボット」と「ビジョンシステム」で入れ替わった。あわせて、経済情勢・市場環境・顧客ニーズ・投資動向を注視し経営計画・事業計画へ機動的に反映するという対応策の記述が追加された。リスクの内容自体に実質的な変更はない。
前文に、戦略・事業遂行上の主なリスク項目を記載する旨の説明が追加された。あわせて、評価者がリスクの発生可能性と業績への影響度を5段階で評価し、評価・対応方針・進捗を定期的にモニタリングするというリスク管理体制の記述と、「特に重要なリスク」の区分および表の見出し(主なリスクファクター、リスクの内容、対応策)が新設された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)および2022年改正適用指針の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
経済状況リスクの記載で、主要販売先の列挙順が「日本、中国、インド、東南アジア、北米、欧州」から「日本、北米、欧州、中国、アセアン、インド」に変更され、「東南アジア」が「アセアン」の表記になった。対象地域の構成やリスクの内容自体に変更はない。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
敷金及び保証金に関するリスク記載で、基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新され、残高が1,262百万円から1,249百万円へ、総資産に占める割合が19.8%から19.0%へと変更された。リスクの内容や回収不能が業績・財務に与える影響に関する記述に変更はない。
有利子負債依存度の基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新され、割合が40.6%から40.3%となった。有利子負債の定義が「借入金」から「リース債務含む」に変更されている。金利上昇や財務制限条項抵触に関するリスク記述は前年と同一である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
定量的リスク管理の記載が拡充され、グループVaRに加え、Core CF・ネットデットエクイティレシオ・ネットレバレッジレシオ(成長投資・株主還元余力の管理)およびLTV・ウォレット損失カバー率(債務返済能力の管理)といった財務健全性指標のモニタリングが新たに記載された。VaRに投資VaRが追加され、サイバーセキュリティ分野の管理指標のモニタリング強化も明記された。RCM表では、重要な持分法適用会社における不正アクセス・不正取引リスクを当社グループ全体のリスク認識に反映する旨が追加された。
マネックス証券の位置づけを「持分法適用会社であり、同社の経営管理体制の下でリスク管理が行われるが、定期的な情報共有・報告体制を通じてグループのリスク認識に反映する」旨に書き換えた。信用リスクでは信用供与の主体を証券事業セグメントに限定し、「コインチェックは信用供与なし」を「証券事業セグメント以外は信用供与なし」に改めた。情報セキュリティリスクでは、マネックス証券でフィッシング等による不正アクセス・不正取引の被害が発生し、顧客対応・レピュテーション低下・補償費用等を通じて持分法投資損益に影響し得る旨の記述を追加し、パスキーによるログイン必須化に言及した。
コールドウォレットに保管されている暗号資産の実在性及び権利義務に関するKAMの監査手続に、「ブロックチェーンから取得した情報の信頼性の評価」が新たに追加された。あわせて、秘密鍵の支配状況の評価や結論部分の文言が一部修正されている(結論部分で利用者預託資産の保護義務への言及が簡略化された)。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制評価の記載で、コールドウォレットの暗号資産に関する表現が「保管する」から「保管されている」へ、「権利の帰属」から「権利義務」へ変更された。評価対象とする統制の3項目(アクセス管理、職務分掌、帳簿残高とブロックチェーン記録の照合)は前年と同一である。
コインチェックのコールドウォレット保管暗号資産に関するKAMの題名・記述が「実在性及び権利の帰属並びに利用者預託資産の保護義務の検証」から「自己保有暗号資産の実在性及び権利義務の評価」へと整理され、検証対象の表現から利用者預託資産の保護義務への言及が簡素化された。基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新され、損失は発生していないとの記載は維持されている。
前年は「レストラン事業」「ホテル事業」の2つを報告セグメントとし、ホテル資産譲渡に伴う管理区分の見直しについても記載していたが、今年は報告セグメントがレストラン事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいとして、セグメント情報の記載自体を省略している。ホテル事業が報告セグメントから外れたことを示す記載の変更である。
前年のKAMであった「固定資産の減損」と「ホテル事業における不動産流動化取引に係る固定資産売却益計上の妥当性」の2項目がなくなり、今年は「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」が単独のKAMとして記載された。繰延税金資産113,817千円(評価性引当額2,867,199千円控除後)について、将来の課税所得見積りの主要な仮定(来店客数、婚礼組数、組単価、新規出店予測)に対する監査手続が説明されている。
前年は見出しと不整合な感染症拡大による需要減少リスクの記載のみだったが、今年は料理人・サービススタッフ等の人財への依存を前提に、人財の確保・育成の遅れや流出、労働市場環境の変化によるサービス品質低下・業績への影響リスクの記載に差し替えられた。中期経営計画2030に基づく人事制度構築や育成施策が想定どおり機能しない場合の中長期的な競争力への影響も新たに記載されている。
ブランド毀損リスクの記載が拡充され、従来の海外シェフとの提携契約の継続不能に加え、食品安全上の問題、接客問題、コンプライアンス違反、SNS等による風評被害、ハラスメント、個人情報漏洩などの具体的な毀損要因が新たに列挙された。海外シェフとの提携契約に関する記述は残され、ブランド価値への影響にも言及する形に改められた。
事業等のリスクに「(6) 情報システム障害やサイバー攻撃等による影響」が新たに追加された。基幹業務システムやクラウドサービス(SaaS)への依存を前提に、サイバー攻撃やクラウド障害によるシステム停止、データ消失、機密情報漏洩のリスクを挙げ、出荷停滞、信用失墜、復旧費用の発生などにより業績に影響を及ぼす可能性があると記載している。