訴訟に関するリスク項目に、賠償責任保険への加入等により損失軽減に努めている旨と、保険で補償されない損失が発生した場合には業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある旨の記述が追加された。リスクの本文自体(予期せぬ多額の損害賠償の可能性)に変更はない。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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不採算案件・瑕疵リスクの背景説明が更新され、従来のAI・ビッグデータ・ブロックチェーン、ノーコード・ローコード、クラウドへの言及が、AI技術の普及、サーバーレス・コーディングレス、スタートアップ事業等による新規要件の増加、短納期化に置き換えられた。リスクの本質(手戻りや見積精度不良による不採算化、品質要求の高まり)や対策、業績への影響の記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されなくなった。前年の注記では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が「商業施設向けの売上高の実在性」から「商業施設向けの売上高の期間帰属の適切性」に変更された。商業施設向け売上高は1,472,628千円(12.8%)から1,803,830千円(14.8%)に増加し、リスクの説明も不適切な売上高の計上から、業績予想達成のために不適切な会計期間へ計上されるリスクに改められた。
コスト上昇リスクの項目で、燃料高騰の背景として「昨今の中東情勢の緊迫化」が新たに明記され、運賃対策も「積載効率向上による車数の削減やモーダルシフトを組み入れた配送の多角化」へ変更された。また海外調達に関するリスクに「原材料価格の高騰」が加わり、対策として国内生産のメリットを活かしたコスト抑制と為替予約の実施が記載された。
原材料調達リスクの記述で、地政学リスクの例として「昨今の中東情勢の緊迫化」が具体的に追加された。対策の記述も「資材価格の変動状況把握」から「資材価格や需給の変動状況把握」へと一部拡充されている。リスクの構造や影響の記載自体は変わっていない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「正味売却価額の算定に係る検討」の項目が、今年は記載されていない。前年は不動産鑑定士の適性・能力・客観性や、鑑定評価の前提・手法・算定過程の適切性を検討したと記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の記載のうち、「割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積りの合理性の検討」の項目が今年は削除された。前年は事業計画の売上高・営業利益予測の検討、過去の事業計画の達成状況の評価、事業計画超過期間の成長率の検討といった監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「売上高の期間帰属の適切性の検討」が新たに記載された。期末月の船積基準で認識する海外向け売上について、趨勢分析、決算日前後の全件の資料突合、売掛金残高確認、仕訳テストなどの監査対応が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の対象が、前年の「固定資産の減損損失の認識・測定に関する内部統制」から、今年は「海外売上の期間帰属の適切性を確保するプロセス」に変更された。KAMの検討対象が減損から海外売上の期間帰属へと移っている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「福井工場及び技術開発センターに係る固定資産の減損損失の認識の要否及び測定」から、今年は「海外売上に係る期間帰属」(海外売上高906百万円、船積基準による収益認識と期末前後の計上時期リスク)に変更された。前年に記載されていた減損の兆候や不動産鑑定評価に関する記述は今年の記載には含まれていない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、ビート糖事業における棚卸資産の評価の正確性に関する項目(棚卸資産25,842百万円、評価損1,572百万円、原料糖の区分別の正味売却価額の適用など)が、今年は記載されていない。あわせて、正味売却価額の基礎となる不動産鑑定評価に関する監査手続の記載も削除されている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「内部統制の評価」(固定資産の減損損失の測定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性評価)の項目が、今年は削除されている。KAMの対象または記載構成が変更されたとみられるが、記載内容からは理由は読み取れない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「ビート糖関連施設に関する固定資産の減損損失の測定に用いる正味売却価額の合理性」から、「ビート糖事業における棚卸資産の評価の正確性」へ変更された。今年度は、ビート糖事業の棚卸資産23,239百万円(総資産の23.8%)に対し評価損1,104百万円が計上されていること、原料糖の区分ごとの正味売却価額が正確に適用されない場合の影響が重要であることが説明されている。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)である「繰延税金資産の回収可能性」(繰延税金資産15,029千円)の記載が、今年は削除されている。今年の該当節には記載内容が見られない。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「(2)実証手続」が新たに記載された。ライセンス等の販売に係る売上高から抽出した取引について、ライセンス証書や契約書の閲覧、顧客での使用状況の確認、ソースコード販売の取引価額の妥当性検証、入金証憑との照合、売掛金の残高確認を実施したと記されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に「(1)内部統制の評価」が新たに記載された。売上高の計上プロセスを理解したうえで、契約の承認に係る統制、および請求書発行の承認・仕訳伝票の整合確認・入金処理に係る統制の整備・運用状況を評価した旨が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「ライセンス等の販売に係る売上高の期間帰属」が新たに記載された。無形財の販売は物理的把握や提供タイミングの把握が困難で、高額・非定型案件も存在し、内部統制が機能しない場合に計上時期を誤る可能性があることが決定理由として示されている。
監査法人が「太陽有限責任監査法人」から「ネクサス監査法人」に変わりました。
売上高の期間帰属に関する監査上の主要な検討事項の記載で、検討対象が「商業施設向けの売上高」と明記された。取引の抽出方法も「取引頻度・代金回収状況等を踏まえた例外取引」から「期末日前の一定期間の売上高のうち一定の要件を充たす取引」へ変更され、照合書類が「送り状」から「送り状等」に改められた。
監査上の主要な検討事項における内部統制の評価の記載が簡略化された。前年は「販売に関する売上高」を対象に、出荷統制および取引先ごとの売上高実績と仕入実績の照合統制という具体的な焦点が列挙されていたが、今年は「売上高の計上プロセス」の内部統制の有効性評価という一般的な記述のみとなり、具体的な統制の記載が削除された。
情報セキュリティリスクの記載で、保有情報の表現が「個人情報を含め多くの情報」から「お客様や取引先の個人情報および重要情報等多くの情報」に変わり、サイバー攻撃について「昨今増加している」との表現が加わった。対策の記述も、異常の早期発見・対処のための技術的対応や定期的な従業員教育といった表現に更新されている。リスクの本質的な内容に大きな変更はない。
人材確保リスクの記載で、「行なって」から「行って」への表記修正に加え、対策の記述が更新された。中期経営計画の施策について、完全週休二日制の導入や社内コミュニケーションツールの導入、ダイバーシティ推進施策など具体的な取組内容が追記され、表現も「強化してまいります」から「推進してまいりました」「注力してまいります」に変更された。リスク内容自体(少子高齢化、人件費上昇、人材流出)に変更はない。
法的規制等に関するリスクの記載で、「恐れ」「万が一」が「おそれ」「万一」に表記変更され、誤字「ともに」も「とともに」に修正された。対策の記述では、クレーム発生時の社内体制の強化に取り組む旨が追加された。リスクの内容や影響度の評価自体に変更はない。
製品の欠陥に関するリスクの項で、品質維持の取組として「OEM輸出に関しては、輸出先の品質基準に適合していることを確認して対応している」との一文が追加された。リスク内容や影響の記載自体に変更はない。
ライセンス契約リスクの記載に、新ブランド「KING KOIL(キングコイル)」との取引開始など、マルチブランド戦略の強化・拡大により特定ブランドへの依存リスクの分散・低減を図っているとの対応策の記述が追加された。リスク本文自体の内容に変更はない。
需要減少の要因として、物価高による消費者マインドの冷え込みや海外情勢によるインバウンド減少が具体的に追記された。対応策の記述も更新され、「KING KOIL」とのライセンス契約締結やOEM輸出による海外展開開始など、事業の多角化によるリスク分散・低減を図る内容に変わった。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年度は削除されている。前年度の記載では、この適用による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
ビート糖事業の棚卸資産評価に関する監査上の主要な検討事項(KAM)について、質問の相手先から「管轄部署の責任者」が削除され「経営者」のみとなった。その他は「再計算により確かめた」「確認した」など文末表現の変更にとどまり、実施する監査手続の内容自体に実質的な変更はない。
KAM「工事原価総額の見積り」の数値が更新され、完成工事高は68,925百万円から72,445百万円に、一定期間で収益計上する完成工事高は27,332百万円(40%)から28,243百万円(39%)となった。監査手続では、工事原価総額の変動理由の検討について、工事責任者への質問や原価積算資料・工程表との照合という具体的手法が記載され、記述が詳細化された。KAMの対象事項自体に変更はない。
セグメント情報の注記に、当社グループがセキュアヴェイル及びLogStareによる「情報セキュリティ事業」と、キャリアヴェイルによる「人材サービス事業」の2つを報告セグメントとしている旨の説明が追加された。両事業はビジネスモデルや収益・費用の発生態様が異なるため、取締役会等で別々に検討されていることが理由として記載されている。
事業等のリスクに「地政学リスク」の項目が新設された。米国・欧州の海外メーカー製品を輸入・購入していることから、メーカー拠点所在地域での紛争や政情不安、部品調達への影響、顧客のセキュリティ投資の抑制・先送りが経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「人材の流動性・離職リスク」の項目が新たに追加された。労働市場の流動化や獲得競争の激化により必要な人材を確保できない場合や主要人材が退職する場合に、事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「顧客情報・個人情報の漏洩リスク(サイバー攻撃以外の人為的ミス、委託先管理不備など)」が新たに追加された。役職員の紛失・誤送信や委託先の管理不備による漏洩が、信用失墜・損害賠償・行政処分・顧客離れ等を通じ業績・財務に重大な影響を及ぼす可能性が記載され、ISO27001に基づく管理策、教育、アクセス権限の最小化、委託先モニタリング等の対応策も示されている。
事業等のリスクとして「調達遅延・物流停滞(半導体不足など)」の項目が新規に追加された。半導体不足等による納期遅延や仕入原価上昇に伴う利益減・案件消失の可能性、およびエンジニアリソース不足による案件遂行遅延や売上計上時期の後ろ倒しの可能性が記載されている。
事業等のリスクに「情報システム障害・ネットワーク障害・サードパーティサービス障害」が新規項目として追加された。自社システムやSaaS等のクラウド、通信インフラの障害により、サービス停止・データ消失・顧客信頼の喪失・損害賠償等が生じ得ると記載し、冗長化、分散バックアップ、24時間監視、BCP策定などの対応策を示している。
サイバー攻撃リスクの記載が大幅に拡充され、顕在化の可能性・時期、影響、対応策の3区分で整理された。影響としてランサムウェア攻撃やサプライチェーンを介した侵害、業務停止、情報漏えい、損害賠償、財政状態・経営成績・キャッシュ・フローへの影響が具体的に追記され、対応策にもEASM、SSPM、SACBTの導入や四半期ごとの訓練が加わった。
技術者確保リスクの記載が大幅に拡充され、「顕在化の可能性の程度・時期」「影響」「対応策」の構成が追加された。セキュリティ領域やネットワーク機器サポートエンジニアの採用難度が高く、採用競争の激化が継続する可能性があること、不足時にプロジェクト遅延・品質低下・外注費や採用費用の増加が生じ得ることが明記された。一方で、有資格者が純増し教育体制も充実したとの記載が加わった。
技術革新に関するリスク項目が大幅に書き換えられ、従来の技術革新への追随困難という一般的記述に加え、生成AIの普及(いわゆるバイブコーディングを含む)によるベンダーのリリースサイクル短縮・品質変動が、更新対応件数や検証・不具合対応工数の増加、案件遅延、人材育成、知的財産管理に影響し得る旨が新たに記載された。あわせて顕在化の可能性・時期、財政状態等への影響、QAの効率化・自動化や生成AI利用ガイドライン整備などの対応策が具体的に追記された。
仕入先の記述が「米国を中心とする海外メーカー」から「主に米国、欧州の海外メーカー」に変わり、欧州が明記された。外貨建て仕入の割合は2025年3月期48.0%、2026年3月期58.1%に更新され、為替変動対策として「複数の金融機関を活用」との記述が加わった。
競合リスクの記載で、対象市場が「ネットワークインフラの関連市場」から「サイバーセキュリティおよびネットワークインフラ関連市場」に変更され、「ネットワークインテグレーション市場」への個別言及が削除された。競合が多数存在し価格・サービス競争が激化し得るという趣旨や事業展開への影響の可能性は前年と同様である。
前年は2022年改正の法人税等会計基準・適用指針の適用に伴う会計方針の変更(連結・個別とも影響なし)が記載されていたが、今年は「該当事項はありません」となった。新たな会計方針の変更は記載されていない。
報告セグメントが「スマートライフ&エナジー」「スマートオフィス」「ユニバーサルネットワーク」「ディスプレイデバイス」「エレクトロニックデバイス」の5区分から、「スマートライフ」「スマートワークプレイス」「ディスプレイデバイス」の3区分に再編された。事業終息を決定した堺ディスプレイプロダクト(株)及び事業譲渡を行ったエレクトロニックデバイスは報告セグメントの対象外となり「その他」に一括表示され、前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分で記載されている。
KAMは前年同様、中小型液晶事業の固定資産減損と継続企業の前提の2項目。減損は、前年の減損損失23,400百万円の計上から、当期末の有形固定資産35,600百万円等の残高提示へ変わり、正味売却価額の算定における市場参加者の属性を「液晶事業関連の同業他社」から他用途転用も含む形へ再定義した点が検討対象となった。継続企業では、債務超過の主体が会社及び一部子会社から一部の連結子会社のみへ変わり、総額391,400百万円のシンジケートローン及び200,000百万円のコミットメントラインの更改を実行したことが追加された。
事業等のリスクに「情報セキュリティリスク」の項目が新たに追加された。標的型メール攻撃やランサムウェア等によるシステム停止・情報漏えい、インシデント対応不備による信用低下、取引先要求のセキュリティ要件・第三者認証への不適合による取引機会喪失の可能性を記載し、対応策として基本方針、国際規格準拠のマネジメントシステム、教育・訓練、インシデント対応体制を挙げている。
借入金比率が35.6%から30.3%に低下し、自己資本比率が19.6%まで回復したと記載。財務制限条項への抵触は「当社及び一部子会社の債務超過」から「一部の連結子会社の債務超過」に限定され、貸付先から期限の利益喪失請求を行わない承諾を得たほか、シンジケートローン契約の更改(2028年3月末まで)とコミットメントライン契約の期間延長が追記された。継続企業の前提に関する注記は、重要な不確実性なしとして引き続き記載されていない。
調達リスクの記載が改訂され、中東情勢など地政学的リスクの長期化、取引先の経営再編、自然災害・事故、メモリ等のAI関連部材の需給逼迫による確保困難が具体的に明記された。一方、労務費・原材料・エネルギー価格上昇や人権・環境問題への言及は削除された。対応策もサプライチェーンCSR管理システムの記載がなくなり、調達先の分散化、長期フォーキャスト提示、在庫施策などが加わった。
リスク記載が「米国の関税政策」から「米国の通商政策」へと表現が改められ、新たに地政学的緊張の高まりや紛争の長期化(中東情勢の悪化等)、これらに起因するサプライチェーンの混乱や資源・エネルギー供給の不安定化が世界経済の不確実性要因として追記された。対応策にも、地政学リスクや貿易環境の変化に伴うサプライチェーン・資源動向への影響を事業本部が関係部門と連携して把握・対応する旨が加わった。
気候変動の影響に関するリスク項目自体の記載(リスク内容・対応策)に変更はありません。一方、前年に記載されていた「上記リスクのほかにも〜」という包括的な注意書きと、リスク管理体制(ビジネスリスクマネジメント規程、特定リスクの選定・見直し、重大事案発生時の報告体制など)の説明が削除されています。
親会社グループとの関係に関するリスク記載のうち、意思決定への影響に関する文言が「経営方針、事業展開等の重要事項」から「重要事項」へ簡素化され、「独立性・自律性が保たれない可能性」が「独立性及び自主性が損なわれる可能性」に言い換えられた。対応策の末尾も「非支配株主の利益につながる」との認識から「株主利益の向上に努める」との表現に改められた。リスクの内容自体に実質的な変更はなく、表現の見直しにとどまる。