サイバーセキュリティリスク項目のリスク内容の記載は前年と同一で、対策の記述のみ更新されている。外部専門会社と連携した監視・即応体制の整備、外部機関による定期的なセキュリティアセスメントの実施、標的型攻撃メール訓練や情報セキュリティ研修による教育・研修が追記された。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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前年に記載されていた会計方針の変更に関する注記(法人税等に関する会計基準の2022年改正の適用、およびグローバル・ミニマム課税制度に係る実務対応報告第46号の適用)が、今年は記載されていない。前年の記載ではいずれも連結財務諸表への影響は軽微とされていた。
KAM(過剰・滞留による棚卸資産の評価の合理性)の数値が更新され、棚卸資産は総資産比23.2%から21.3%へ低下した一方、棚卸資産評価損は92百万円から395百万円に増加した。決定理由の記述も、前年の戦略的な在庫保有への言及から、主要市場である欧州市場の停滞に伴う販売減少でB&P市場向け旧機種に過剰在庫が生じているとの記載に変更された。監査手続の内容自体は大きく変わっていない。
使用部品の調達リスクの記載が拡充され、AI関連需要の拡大を背景としたDRAM・NANDフラッシュメモリ等の半導体価格の大幅上昇と、原油価格変動に伴う石油由来材料の価格上昇や物流費・輸送費の増加による調達コスト上昇の可能性が新たに加わった。あわせて「在庫の積み増し」が「在庫の保有」に改められ、調達条件の悪化や遅延が生産停止・販売遅延につながり得る旨の記載が整理された。
「急激な市場の変化」のリスク記載に、従来の競合製品の出現や新規参入による競争激化に加え、AI(人工知能)技術への対応が遅れた場合に製品・サービスの競争力低下や市場ニーズへの対応遅れを招き業績に影響する可能性があるとの記述が追加された。AI技術の進展という具体的な要因への言及が新たに加わっている。
税務リスクの記載で、細心の注意を払う対象に「税制改正への対応」が加わり、追加課税が発生した場合に「当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある」との文言が追記された。基本的な構成と内容は前年と同様である。
欧州向け売上の連結売上高に占める割合が、前期39.8%から当期38.6%へと更新された。リスク内容(欧州の景気低迷や関税・輸出障壁による業績影響の可能性)の記載自体に変更はない。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年の監査上の主要な検討事項に付されていた、ニッケル事業に関する固定資産の減損損失の測定に用いる正味売却価額の見積りが当年度はKAMとされていない旨の注記が削除された。フェロニッケル製品の売上高の期間帰属の適切性という項目自体は引き続き記載されている。
フェロニッケル製品の売上高の期間帰属に関するKAMで、リスク認識や対象は前年と同一のまま、監査人の手続が追加された。内部統制の評価に関する記載は整理され、売上高の期間帰属の検討として、国内向けは出荷・船積時点と履行義務充足までの期間の比較、海外向けはコンテナ移動日や船舶出港予定日の証憑確認による早期計上の有無の検討が加わった。
監査上の主要な検討事項(KAM)に関する記載のうち、ニッケル事業の売上高が前年の12,367百万円から当年の8,660百万円へと更新された。売上高の殆ど全てがフェロニッケル製品に関するものである旨の記載は変わっていない。
親会社メディパルホールディングスによる当社株式への公開買付け及び一連の手続を経て、当社株式が上場廃止となり完全子会社となる予定である旨(2026年5月11日公表)が新たに追記された。あわせて親会社の持株比率は51.65%から52.40%に更新され、関連当事者取引の金額も年度更新された。また、「親会社グループが同一事業に参入した場合に業績へ影響する可能性」を述べた段落が削除された。
前年に記載されていた「(9)感染症の大流行等が及ぼすリスク」の項目が、今年の事業等のリスクから削除されている。前年は工事工程の遅延や新規工事の発注見直し・着工遅延等の影響と、「基本行動手順書」に基づくテレワーク等の対応体制を記載していた。
取引先の信用リスクの項目に、建設コストの高騰・物価高・後継者不足・人手不足などを背景に、企業規模を問わず建設業の倒産リスクが高まっているとの記述が新たに追加された。与信管理の対応方針は、審査の厳格化や関係部門への周知徹底といった表現に改められている。
各リスクについて影響度・発生可能性を「大・中・小」で区分し、リスク・コンプライアンス推進委員会で定期モニタリングする旨が新たに記載された。事業環境リスクに生成AIの普及やランサムウエア被害の甚大化、情報セキュリティ関連にランサムウエアやIT-BCP策定、都築CSIRTによる対応体制が追加され、人材リスクも採用難・人材流出への言及と施策内容に改められた。ソフトウエア資産リスクの記述も詳細化されている。
「事業環境の変化に関するリスク」に、世界的な地政学リスクの高まりを背景としたエネルギー価格・原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱が事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があるとの記述が追加された。従来の競争激化や取引先の企業再編に関する記載は変更されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「工事原価総額の見積り及び進捗度の合理性の評価」において、監査手続として2点が追加された。具体的には、見積原価の過小見積りが進捗度(売上高)の過大計上に与える影響の検証と、会社の認識する工事進捗度と工事期間から監査人が試算した進捗度との乖離の比較検証である。既存の手続の記載は変更されていない。
リスク記載に、感染症の大流行・新型感染症による被災や、施工中の建設工事の工程が大幅に遅延する可能性が追加された。対策面では、事業継続計画(BCP)を策定済みとし、基幹業務維持のための体制を整備して政府の対処方針と連携しつつ運用する旨に改められた(従前は計画の更新を進める記載)。
情報セキュリティリスクの記載で、「他」が「ほか」に表記変更された。対応策の記述も「情報セキュリティポリシーを策定し」から「今後も情報セキュリティポリシーに沿った」維持に努めリスク管理を実施する、という表現に改められた。リスク内容自体に変更はない。
金利変動リスクの記載について、「金融市場動向」が「金融市場の動向」に、「財務体質」が「財政体質」に、「当社グループは」が「当社グループでは」に改められた。リスクの内容や対応方針に実質的な変更はなく、表現上の修正にとどまる。
保有資産の価格変動リスクについて、「時価評価が著しく低下」を「著しく下落」に改めるなど表現を一部修正した。また、将来の投資計画や個別投資案件を投資目的と採算性、財務基盤とのバランスを考慮して取締役会・経営会議で審議する旨と、減損損失リスクへの対応として収益性リスクの把握を含む分析・対策を審議する旨の記述が追加された。リスクの内容自体に変更はない。
コンプライアンスリスクの記載で、法令違反時の影響として「刑事・行政処分等による損失」「事業活動の制約」「社会的信用の失墜」が具体的に追記され、「抵触した場合」から「違反する行為があった場合」へ表現が変更された。対応策についても「担当部署を通じて」「厳守」「適正な事業活動の推進」といった文言が加わった。
建設コスト変動リスクの記載で、対策の説明が「係数等を見積もり収益予測を立てる」から「建設コスト上昇分の影響を抑制するための価格改善に取り組む」に変更された。リスクの内容(鋼材価格の高騰、労務費の上昇)自体に変更はなく、「市場」の助詞表記など軽微な文言修正も含まれる。
建設市場の変動リスクの記載で、影響要因として「建設コストの高騰や景気悪化等」が追加され、民間・公共投資の動向が「急激な縮小等」という表現に変更された。対応策には中期経営計画の諸施策の推進や企業価値向上、経営目標の達成を目指す旨が加筆された。
人材確保リスクの記載が再構成され、建設業界の技術者・技能労働者不足に関する第1段落が削除された。一方で、中期経営計画の「企業活力の向上」に紐づく人材確保方針、メンター制度の導入、2026年4月開始予定の新人事制度といった取組が新たに追加された。少子高齢化による採用停滞リスクの趣旨自体は維持されている。
事故等の発生リスクの記載が具体化され、対象サービスが資機材の販売・賃貸・運送、整備・受注加工・基礎工事の施工と詳細に列挙された。想定される影響として稼働停止や施工遅延、再施工費用が追加される一方、関係法令改変による原価負担増への言及は削除された。対策面では安全衛生の基本方針や体制整備、作業手順の順守、設備点検、不安全行動の排除などの記述が追加された。
KAMの対象(開発・構築案件に係る原価総額の見積りの合理性)と監査手続は前年と同様である。決定理由の記載から受注損失引当金の算定に関する記述が削除され、作業開始後の状況変化により作業内容の変更が必要となった場合には適時・適切な見積りの見直しが必要である旨が追記された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はない旨が示されていた。
業績の季節変動に関する記載の本文は前年と同一で、四半期ごとの業績概要の対象が2025年3月期から2026年3月期に更新されました。年間売上高は1,188,097百万円から1,237,846百万円に増加し、営業利益は28,008百万円から26,430百万円、経常利益は31,684百万円から29,807百万円に減少しました。第4四半期の利益構成比は営業利益で19.9%から17.0%、経常利益で19.8%から17.6%に低下しています。
エラスティコス社に係るKAMが、のれん・無形資産の評価(計上額20,376百万円)から、減損損失19,908百万円の計上へと変わり、欧州経済の低迷や競争激化で業績が当初想定を大きく下回り、事業計画を修正した結果、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回ったと記載された。監査手続には専門家の関与による割引率の検討や減損損失の再計算が追加された。大型案件の見積製造原価のKAMは、一定期間収益認識売上高が33,608百万円(22.4%)から42,327百万円(24.0%)に更新されたにとどまる。
新たに「⑤固定資産に関する減損リスク」の項目が追加され、建築物・製造設備等の固定資産について、収益性低下や市場環境の変化、研究開発方針の変更等により新たな減損処理を行い、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があると記載された。これに伴い、人財確保リスクと仕入先依存リスクの項番が⑥・⑦に繰り下がった。その他の項目は文言の整理・言い換えが中心で、実質的な内容に大きな変更はない。
地政学リスクの記載は、全体として文言の言い換えが中心で、リスク内容や対応方針に実質的な変更はない。事業活動が制約を受ける対象に「輸送」が加わり、「製品」が「商品」、「財務状況」が「財政状態」などの表現に改められた。
法的手続・情報セキュリティ・自然災害等のリスク項目について、全体的に文言が整理・言い換えられている。法的手続の記述で「環境汚染、人権侵害」が「環境問題、人権問題」に改められたほか、③の段落構成が整理され、「当社グループ製品」が「当社グループ商品」に変更された。リスク項目の新設・削除や評価の変更はなく、実質的な内容に変更は見られない。
原材料・エネルギー・為替・投資有価証券の各リスク項目で文章が整理・再構成された。為替変動については従来の「影響は限定的」との記載が「影響を完全に回避することはできません」に変わり、投資有価証券は総資産比13.9%(32,985百万円)から15.4%(34,983百万円)へ更新された。
事業等のリスクの前文について、表現が丁寧語・文体の面で整理され、「記載されていないリスクが存在する可能性があります」という言い回しに改められた。将来に関する事項の判断時点が有価証券報告書提出日(2025年6月24日)から(2026年6月19日)に更新された。リスク内容そのものに変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等およびグローバル・ミニマム課税制度に関する実務対応報告第46号の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年度では削除されている。前年度の記載では、いずれも連結財務諸表・財務諸表への影響はない、または軽微とされていた。
KAMの対象がSIS投資にかかるのれん・無形固定資産の評価から、同投資にかかるのれん等の減損へ変更され、当年度に減損損失6,320百万円(のれん・無形固定資産とAsian Blendingグループの有形固定資産の合計)を計上した旨が追記された。前年に記載のあった生産拠点再編に伴う固定資産の減損及び事業構造改善引当金のKAM(減損損失4,275百万円、引当金1,002百万円)は今年の記載から無くなっている。監査上の対応には、ネットワークファームの専門家による割引率の検討、算定モデルの検証、感応度分析、構成単位監査人の監督などが追加された。
法人向け貸出金に対する貸倒引当金のKAMで、数値が更新され、貸出金は94.1兆円から99.8兆円、貸倒引当金は7,557億円から6,373億円、予想損失額の必要な修正は1,074億円から1,622億円となった。マクロ経済シナリオの不確実性の主因が「米国における関税政策等の影響」から「中東情勢の悪化に伴う原材料供給制約影響等」に差し替わり、シナリオの前提も「日米の金融政策、中東等国際情勢」に変更された。監査対応の質問先も、審査担当役員・与信企画部等から「経営者及び関連部署」へ表現が変更された。
システムリスクの項に、IT活用の遅れ等を含むリスク認識の記述と、基準制定・障害訓練・投資対効果モニタリング等の管理強化策が追加された。一方、2021年以降のシステム障害と業務改善命令に関する具体的記述は削除された。サイバー攻撃の項ではAIによる脆弱性探索・攻撃の自動化・高速化への言及が加わり、戦略リスクでは2023年5月発表の経営計画への言及が重点分野・経営基盤強化の記述に置き換えられた。
財務面リスクの「自己資本比率等に係るリスク」で、みずほ信託銀行が2025年12月末以降国内基準行となり、レバレッジ比率・流動性比率規制の対象外となった旨が追記された。また「流動性比率規制(LCR・NSFR)」が独立項目として新設され、金融庁から業務改善命令を受ける可能性等が記載された。格下げ時の追加担保試算額も、1ノッチ約41億円から約75億円、2ノッチ約152億円から約290億円へ増加している。
金融経済環境の不透明要因が「米国の関税政策」から「中東情勢の緊迫化」に置き換わり、AI関連投資拡大に伴う株式市場の過熱可能性やプライベートクレジット市場拡大に伴う潜在的な信用リスクの蓄積が新たに記載された。国家間対立のリスクでは、エネルギー・素材供給の不安定化や資源価格の急変動が顕在化しつつある旨が追加され、環境・社会配慮リスクでは、配慮を欠く企業が事業継続困難になり得ることや、そうした企業への資金提供で不適切な事業活動を助長したとみなされる可能性が加筆された。
トップリスクの選定時点が2025年3月から2026年3月に更新され、リスクシナリオの内容が改訂された。「貿易戦争の激化と紛争リスク」は「世界の分断と紛争リスク」に改称され、各国の関税政策への言及が国際協調体制の転換やサプライチェーン再構築の迫りという記述に置き換わった。また、AI関連企業への過度な資金流入と調整、日中関係悪化、ドルの基軸通貨体制の揺らぎ、デジタルアセットの普及、情報の不適切な取り扱いなどの具体的事象が追加され、気候変動のリスクは各国政策の多様化への対応を軸とする記述に変更された。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、「事業構造改善引当金の見積りの合理性の評価」の項目(関門製糖株式会社の経営者への質問・関連資料の閲覧・過去事例との比較による妥当性の検討)が、今年の記載では削除されている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価」の項目が、今年は記載されていない。前年は関門製糖株式会社の生産拠点再編に基づく事業計画の妥当性を検討する監査手続が記載されていたが、今年は該当記載が削除されている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「内部統制の評価」の項目が、今年は記載されていない。前年は国内砂糖事業の生産拠点再編に係る減損損失および事業構造改善引当金の計上に関する内部統制の整備・運用状況の評価手続が記載されていた。
情報システム及びセキュリティのリスク記載が、EC運用を前提とした信用低下・罰金の懸念から、サプライチェーンの脆弱性を突く攻撃による基幹システム停止や情報漏えいが業績・財務状態に重要な影響を及ぼす可能性へと書き換えられた。対策面ではサイバーBCPの策定推進と迅速な対応・復旧体制の整備、サプライチェーン全体のセキュリティ管理強化が追加され、個人情報保護方針等の記述は削除された。
「事業等のリスク」の前文が大幅に削除され、見出しのみとなった。リスクが相互に独立せず複数のリスクが増大し得ること、発生回避策と発生時の対応方針、将来に関する事項は提出日現在の判断であることの記載が無くなった。個別のリスク項目自体の変更はこの差分からは確認できない。
前年度にあった、事業管理区分の見直しにより「ライフ・エナジー事業」に含まれていた一部事業を「砂糖事業」へ移管した旨と、前連結会計年度のセグメント情報を変更後の区分で組み替えて記載した旨の記述が削除された。報告セグメント(砂糖・ライフ・エナジー・不動産)の構成と各事業の説明は変更されていない。
人材確保及び育成に関するリスク項目で、対応策の記述が更新された。「時流に適合した働き方改革」が「個々人の価値観を尊重する働き方・環境の実現、従業員エンゲージメントの向上」に、「確保」が「確保、定着」に変更され、「ダイバーシティ&インクルージョン」は「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」へ表現が改められた。リスク内容自体に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。