棚卸資産の評価に関する監査上の主要な検討事項(KAM)で、基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新され、計上額が製品362,171千円から446,828千円、仕掛品292,940千円から644,035千円へ変動した。評価方法や決定理由、監査手続の記述自体に変更はなく、返金負債及び返品資産に関する記載も同一である。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項における内部統制の評価の記述から、「返品率、原価率、再出庫率等の計算基礎の設定を含む」という具体的な説明が削除された。返金負債及び返品資産の見積りに係る内部統制の整備・運用状況の有効性を評価したという骨子は変わっていない。
監査上の主要な検討事項(返金負債及び返品資産の見積り)の対象は前年と同一で、記載の基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新された。計上額は返金負債が515,567千円から481,835千円、返品資産が23,358千円から26,357千円に変動し、前文が「財務諸表」から「連結財務諸表」の表記に改められた。
事業体制リスクの記載で、主語が「当社」から「当社グループ」へ全面的に置き換えられた。また(3)の見出しが「小規模組織における管理体制について」から「事業拡大に応じた管理体制について」に変更され、「小規模な組織であり内部管理体制もこの規模に応じたもの」との記述が削除された。
事業環境に関するリスクの記載全体で、主語が「当社」から「当社グループ」へ置き換えられ、一部は「当社グループの出版事業」と出版事業に限定した表現になった。リスクの内容、対策、影響の評価自体に実質的な変更はなく、連結範囲の変更等を反映した表現の更新とみられる。
事業等のリスクの前文において、将来に関する事項の判断時点と主体の表記が「当事業年度末現在において当社が判断したもの」から「当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもの」に変更された。連結決算を前提とした表現への修正であり、リスク内容そのものの変更は見られない。
前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の適用(財務諸表への影響なし)が記載されていたが、今年はこの記載が無くなり、連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲の変更が記載された。資金の範囲に取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資を含める変更で、株式会社WHITE FOXの子会社化に伴う定期預金の反映が理由とされ、当期から連結キャッシュ・フロー計算書を作成するため遡及適用は行っていない。
報告セグメントの区分が、従来の「土木・建築・製造・その他兼業事業」から「土木・建築・関係会社事業・その他事業」の4区分に変更された。製造事業は関係会社事業に含めて報告され、その他事業は当社の不動産賃貸等に限定された。前連結会計年度のセグメント情報は新区分に基づき組み替えて開示されている。
KAM「棚卸資産の評価」の対象は前年と同じ電子部品セグメントの棚卸資産で、合計額は3,383,400千円(総資産の10.1%)から3,628,805千円(同10.4%)に、棚卸資産評価損は24,919千円から33,274千円に増加した。監査上の対応では、IT全般統制の検討や評価の妥当性確認の対象が「主要な子会社」から「製造子会社3社及び販売子会社3社」へと具体的に記載された。
「関連する規制への抵触、役員・従業員による不正行為が完全に回避できない可能性があります。これに伴い、予期せぬ事象が生じた場合は」という記述が、「関連する規制への抵触、役員・従業員による不正行為など予期せぬ事象が生じた場合は」へと簡素化された。想定される損害賠償・訴訟・罰則・事業活動への支障などの影響内容に変更はなく、「完全に回避できない可能性」という文言が削除された表現上の修正にとどまる。
新技術・製品開発リスクの記載で、「製品等の供給ができないこと」が「市場環境や技術の変化に対応できないこと」に改められ、財務への影響の経路として「売上減少に伴い」との文言が追加された。基本戦略や評価項目の記述は実質的に変わっておらず、表現の調整が中心である。
気候変動リスクの項目から、Scope1及びScope2の排出量を2030年度までに2020年度比50%以上削減、2050年度までにカーボンニュートラル達成、再生可能エネルギー電力比率を2030年度までに100%とする具体的な数値目標の記載が削除され、「取り組みを推進しております」という一般的な表現に簡素化された。リスク要因(規制対応コスト増、原材料コスト上昇、取引縮小など)の列挙部分は変更されていない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年度では記載されていない。前年度の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
海外展開に伴うカントリーリスクの記載で、事業展開地域の表現が「アジア・アフリカを中心に様々な地域で」から「主にアジアやアフリカを中心に」へ変更された。リスク内容(政治・経済情勢の急変、法規制の予期せぬ変更による業績への影響の可能性)に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年度では削除されている。前年度の記載では、当該変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
事業等のリスクに「(7)サイバー攻撃について」が新規に追加された。不正アクセス、ランサムウェア攻撃、内部不正、委託先起点の事案等による情報漏えいやシステム障害が、事業運営への支障、復旧費用の発生、社会的信用の低下を通じて業績に影響し得ると記載している。対策として、社内規程の整備、多要素認証の導入、脆弱性管理、セキュリティ監視、社員教育、バックアップ、委託先管理、インシデント対応体制の整備等を挙げている。
DDS事業が提供する遠隔の現場支援サービスの名称が「サイトアシストパッケージ」から「SAP」に変更された。それ以外のDDS事業およびSMS事業の記載内容に変更はない。
前年に記載されていた、SH事業を報告セグメントから「その他」へ変更した旨の説明(DDS事業への注力に伴う重要性の低下を理由とし、前連結会計年度のセグメント情報を組替開示したこと)が、当年は削除された。報告セグメントを「DDS事業」「SMS事業」の2事業とする記載自体は変わっていない。
KAMの対象は前年と同じ「商品販売取引に係る売上高の実在性」で、連結売上高が11,821百万円から12,747百万円に、顧客との契約から生じる収益が5,385百万円から6,151百万円に更新された。決定理由に「商品出荷の一時点で売上計上される」点と出荷事実・売上高の正確性を確認する内部統制の記述が加わり、監査手続の説明(注文書の閲覧追加など)も一部精緻化されたが、実質的な監査対応は同様である。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「収益認識の適切性の評価」に関する記載が、今年度の報告書では削除された。前年は、本契約に係る履行義務の識別や、製品ごとの履行義務の充足期間の見積りの妥当性を、契約書の閲覧や見積計算の再計算などで検証した手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「(2)引当金の見積りの合理性の評価」が新たに記載された。ADC製品の製造委託に関する損失補償引当金の見積りについて、将来の需要予測、供給計画、製造キャパシティの再配分可能性、CMOとの最低購入義務・製造委託単価などの主要な仮定に対する監査手続が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「内部統制の評価」の対象が、前年の収益認識(履行義務の識別・充足期間の見積り)に関する内部統制から、ADC製品の製造委託に関する損失補償引当金の見積りに関連する内部統制へと変更された。KAMの検討対象が収益認識から損失補償引当金へ入れ替わっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「DXd-ADC3製品に関する米国メルクとのグローバル開発及び商業化契約に係る収益認識の適切性」から、「ADC製品の製造委託に関する損失補償引当金の見積りの合理性」に変更された。今年は、製造委託先(CMO)との最低購入義務に基づく損失補償引当金169,498百万円が対象で、需要予測や製造キャパシティ再配分の可能性など高い不確実性を伴う仮定が見積りに用いられている点が記載されている。
新規リスク項目「①-2 外部環境変化(競争環境変化含む)及び計画の変動に関するリスク」が追加され、ADC領域の競合激化や薬価抑制策、CMOとの長期製造委託契約に含まれる年別最低購入義務を充足できない場合の補償金支払いの可能性が記載された。また、Seagen Inc.との米国特許侵害訴訟は、2025年12月の控訴審で特許無効として一審判決が取り消され、2026年3月2日までに不服申立てがなく係争が終結した旨に更新された。環境リスクでは水ストレス・水不足による操業停止リスクと対策が追加され、関税政策に関する記載も通商政策全般へ拡張されている。
クライシスマネジメントの根拠方針の名称が「グローバルクライシスマネジメントポリシー」から「Daiichi Sankyo Group Crisis and Business Continuity Management Policy」に変更され、「クライシス」の定義も「顕在化し緊急な対応が必要な事象、発生可能性が極めて高くなった事象」から「人・社会・企業に実際又は潜在的な影響を及ぼし、日常的な事業管理能力を超え、緊急の対応を必要とする事象又は発生しつつある状況」に書き換えられた。基本方針や体制、初期対応の記載に変更はない。
BCPの記載で、継続的改善の説明が「訓練や対応結果等を踏まえBCPの見直しを継続的に実施」という表現に具体化された。また、新型インフルエンザ等対策行動計画の「2009年より」という策定時期の記載が削除された。その他は文末表現の変更が中心で、リスク内容に実質的な変化はない。
リスクマネジメント体制の説明文が全体的に整理・言い換えられた。リスクオーナーの役割(自律的・主体的な推進、リスク意識の向上)の記述が明確化され、RMCについて「2025年度より設立」の年度表記が削除されて「設立しております」となった。体制の実質的な変更はなく、表現の更新が中心である。
デジタル人材事業のリスクのうち、旧「④特定業種への高依存度リスク」(エンターテインメント系企業を主要顧客とし景況感や流行に左右されやすい旨)が削除され、項番が繰り上がった。また「競合について」の派遣労働者数の統計が2022年度の約214万人(前年比2.6%増)から2024年度の約220万人(同3.9%増)に更新され、エンジニア確保や常時雇用の項では採用環境に関する記述の簡素化、「常時100社以上の顧客」との記載の削除などの表現整理が行われている。
エス・エー・エス株式会社に係るのれんのKAMは継続して記載されており、のれん残高は152,256千円(総資産比1.7%)から119,037千円(同1.2%)に減少している。事業計画の重要な仮定として「営業利益率」が明示的に追加され、監査手続の比較対象も「取得年度時点」から「前期末時点」の事業計画に変更された。
前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する記載があり、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。当年は会計方針の変更について「該当事項はありません」との記載に置き換わり、当該基準適用の記述が削除された。
報告セグメントの区分が、「国内機器販売」「国内メンテナンス」「海外機器販売」「海外メンテナンス」の4事業から、「日本国内」「米州」「アジアその他」の3つの地域別区分に変更された。報告セグメント利益の算定方法(営業利益から買収関連の無形資産償却費等とM&A関連費用を控除)は引き続き記載されているが、「当連結会計年度より」とする変更時期の文言と、前期セグメント情報を変更後の区分で作成した旨の記述が削除された。
KAMの対象が、前期のCBE株式取得に伴う企業結合の会計処理(取得原価配分、のれん38,437百万円・商標権21,434百万円・顧客関係無形資産52,290百万円)から、当期はCBEに係るのれん及び商標権の評価(減損テスト)へ変更された。当期末ののれんは41,100百万円、商標権は22,919百万円で、回収可能価額が帳簿価額を上回り減損損失は認識されていない旨が記載され、監査手続も取得時の検証から減損テストの検証へ置き換わった。
情報セキュリティの項目が大幅に拡充され、サイバー攻撃の高度化に対する認識と「情報セキュリティ基本方針」の制定、教育・啓発等の取り組みが追記された。あわせて、2025年8月に海外グループ会社経由で第三者による不正アクセスを受け一部サービス提供に一時的な影響が生じた事実と、業績への重要な影響は確認されていない旨、再発防止策が新たに記載された。
リスク管理プロセスの記述が拡充された。国内外グループ会社からのリスク情報収集、軽減策実施後の残余リスクを頻度と想定被害額に基づき「高・中・低」の3段階で評価する手順、重要度が高・中の項目をリスクマネジメント定例会で審議し、重要項目はサステナビリティ推進会議で進捗を管理する旨が追記された。リスク項目自体の変更ではなく、管理体制の説明の詳細化である。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「予想損失率の修正の妥当性の評価」の項目が、今年の記載では削除されている。前年は予想損失率の修正に用いる仮定・データの妥当性や特定業種の決定の合理性を検討する監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制評価において、評価対象から「予想損失率の修正の妥当性」に関する内部統制が除外され、債務者区分の判定の妥当性に関する内部統制のみの記載となった。これに伴い、予想損失率の修正に用いられる仮定及びデータの妥当性を検証する内部統制の評価の項目が削除された。
KAMの対象が「債務者区分の判定の妥当性及び予想損失率の修正の妥当性」から「債務者区分の判定の妥当性」のみとなり、特定業種の特性を反映した予想損失率修正に関する記述が削除された。一方、債務者区分の不確実性の領域として、経営改善計画により債務者区分を決定している債務者の計画の実現可能性が追加された。貸倒引当金は24,918百万円から20,835百万円、貸出金は4,845,754百万円から4,941,172百万円、連結総資産は6,799,701百万円から7,168,337百万円に更新された。
市場リスクのうち「金利上昇に伴うリスク」の記載が拡充され、従来の資産・負債の金利又は期間のミスマッチングに関する記述に加え、大幅な金利上昇により保有債券に減損等が発生し業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性が新たに明記された。株価下落リスクの記載に変更はない。
監査上の主要な検討事項(債務者区分の判定の妥当性の評価)の監査手続に、新たに1項目が追加された。経営改善計画により債務者区分を決定している債務者について、主な施策の内容の分析や過去実績との比較分析を行い、計画の実現可能性を検討する手続である。既存の手続や冒頭の記述に変更はない。
格付に関するリスクの記載で、格付引き下げの影響について「資金調達等において影響を及ぼす可能性」から「資金調達費用の増加等により、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性」へと表現が具体化された。格付「A」の取得状況や引き下げの要因(収益力・資産内容の悪化)に変更はない。
気候変動リスクの末尾の記述が変更された。対応や開示が不十分とみなされた場合の影響について、従前の「企業価値に影響を及ぼす可能性」から、「当社グループの企業価値が低下し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性」へと表現が具体化された。
情報漏洩に係るリスクの記載について、「保有しています」「管理しています」が「保有しております」「管理しております」に変更されたのみで、リスクの内容や影響の記述に変更はない。
マネー・ローンダリング等に係るリスク項目で、「経営戦略における重要な課題の一つ」が「経営における重要な課題」へ、「評価が低下し」が「信用が低下し」へ、「しています」が「しております」へと表現が修正された。リスクの内容や想定される影響(行政処分、業績・財務への影響)に実質的な変更はない。
繰延税金資産に関するリスクの記載で、「しています」が「しております」に、「出来ない」が「できない」に変更され、「その結果、」が削除された。表現上の修正のみで、リスクの内容や評価に変更はない。
固定資産の減損に関するリスクの記載で、「新たな減損が発生する可能性があります。その結果、〜影響を及ぼす可能性があります」という二文構成が、「新たな減損が発生する場合には、〜影響を及ぼす可能性があります」という一文に統合された。リスクの内容や評価に実質的な変更はなく、文章表現の整理にとどまる。
オペレーショナルリスクの各項目で文言の整理・簡略化が行われた。事務リスクでは「大きな賠償に繋がる」との限定表現が削除され、人的リスク・有形資産リスクは文章構成が書き換えられ、法務リスクには「コンプライアンスを経営における重要な課題と位置づけ」との記述が追加された。リスク項目の新設・削除や評価の変化はない。
信用リスク項目の表現が整理され、「融資先」が「取引先」に統一された。貸倒引当金のリスクから「想定以上の原材料価格の上昇及び人手不足による受注機会の喪失」という具体例の記載が削除され、不良債権のリスクからも「自己資本の減少につながる可能性」との記述が削られた。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年度は削除された。前年度の記載では、当該変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMの監査手続について、「課税所得計画」への言及が「事業計画」に置き換えられ、過去の達成状況の検討に関する記述が簡略化された。また、タックスプランニングが取締役会で承認されていることの確認と、売却予定資産の含み益に係る金額の検討という手続が新たに追加された。
主要リスクの記載が全般的に見直され、印刷関連の説明が「情報コミュニケーションを中心とする事業」に限定され、対策としてBPO・ロジスティクス・DX領域、グローバルパッケージ事業等の拡大が各項目に追記された。原材料等の価格高騰は印刷用紙中心の記述から原材料・エネルギー・物流費・サプライチェーン全般に拡張され、受注単価の低下は「紙媒体需要の縮小及び価格競争の激化」へ改題された。下期の営業利益比率は73%から72%に変更され、新規事業リスクの要因(技術革新、人材、投資回収長期化等)も追加された。