リスクマネジメント体制の記載が更新された。リスク事例表の項目数が120から148に増加し、内部統制推進部を「2.5ライン」と位置づける説明と、重要リスクの対策を検討する「リスク対策分科会」が新たに記載された。リスクマネジメント委員会とBCM委員会は年2回から年1回の開催となり、委員構成も役付執行役員中心に変更されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年度では削除されている。前年度の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
事業リスクの冒頭に「生成AIの技術革新について」が独立項目として新設され、マーケティング事業の集客構造・広告効果への影響やDX事業での競合サービス台頭による競争優位性の毀損が明記された。法的規制、個人情報管理、広告宣伝活動、知的財産権の各項目にも生成AIに関する記述(AI規制動向、情報を学習・入力に使用しない運用ルール、検索行動の変容、著作権リスク)が追加され、項目数は10から11に増加した。
EV需要の減速に関する記述で、「米国新政権の政策変更」が「米国の政策転換」に表現変更された。また「一部に停滞が見られる状況」が削除され、「顧客の設備投資計画の見直しや投資時期の不透明化等」という具体的な影響の説明に置き換えられた。リスク項目の構成や対応策の記述に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
ContractS株式会社ののれんに関するKAMの対象は継続しているが、のれん残高が377百万円から291百万円、うちContractS関連が306百万円(総資産比8.1%)から234百万円(同5.5%)へ減少した。記載は、減損の認識に用いる将来キャッシュ・フローを「割引前」と明記し、不確実性の理由を「経営者の主観と判断が入る」とする表現に改められた。監査手続の内容に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の記載が、当年度では削除された。前年度の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
当連結会計年度の記載では、「物流・冷熱・ドライブシステム」に含まれていた三菱ロジスネクスト(現ロジスネクスト)及びその子会社・関連会社の事業を非継続事業に分類し、前期・当期の金額から控除した旨が記載された。これに伴い、同セグメントの主要製品から物流機器が除かれ、前期のGXセグメント新設や「その他」区分新設に関する説明は削除された。各セグメントの製品の例示(エンジニアリングの交通システム・化学プラント等)も更新されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が「スチームパワー事業に関連する非金融資産の減損の要否」から「電源システムソリューション事業に関連する非金融資産の評価の妥当性」に変更された。前年は減損損失が認識されていなかったが、今年は同事業で29,550百万円の減損損失が計上され、帳簿価額が回収可能価額65,394百万円と一致している旨が記載された。
リスク記載の構成が再編され、前年の「事業環境の変化」を「外部環境の変化」として政治・経済情勢、モノづくり産業基盤の弱体化、AI・デジタル技術の進展、市場等の変化の4項目に分割した。新たにフィジカルAIやAIエージェントによる技術優位性の低下・既存ビジネスモデルの陳腐化リスクが追加された一方、前年にあったM&A・アライアンスの減損リスクやPMIへの言及、中期経営計画の記述などは削除・簡素化された。その他、サプライヤー買収や依存度の高い顧客の予算縮小への言及追加、下請法の名称が中小受託取引適正化法に変更されるなどの修正が行われている。
使用価値の見積りに関する監査手続について、売上収益の確認根拠が「過去の受注実績」から「過去実績」に変わり、将来のEBITDAマージンの推移と過去実績・内部情報との整合性確認が追加された。割引率については、専門家の見積りとの比較から、計算手法の適切性評価とインプットデータの市場データとの照合へ記述が具体化された。一方、成長率・割引率・スチームパワー事業の前提を変動させた場合の減損認識への影響の検討に関する記載は削除された。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、発電所運営事業を営む持分法適用会社(勿来IGCCパワー、広野IGCCパワー)の非金融資産評価に関する記載の数値等が更新された。持分法投資は295,172百万円から326,932百万円、両社への持分法投資残高は64,171百万円から68,043百万円、両社の非金融資産残高は241,896百万円から215,568百万円に変わり、持分買取りが前連結会計年度の事象として記述された。KAMの対象や評価の枠組み自体に変更はない。
リスクマネジメント体制の説明文について、「報告することとしている」を「報告している」に改めるなど文末表現や接続表現を整理した。末尾の注記は、「(3)主要なリスク」の①から⑥までのア.・イ.項目への言及を一般的な表現に簡略化した。体制の内容自体に実質的な変更は見られない。
主要なリスクを検討するプロセスの記述が改訂された。リスク抽出の対象期間が「おおむね10年以内に顕在化する可能性」から「今後10年間の事業運営」へ表現変更され、新たに経営陣へのヒアリングを通じて重要リスクを特定・整理するプロセスと、経営成績等に重要な影響を与える主要なリスクを特定する旨が追記された。リスクマップによる整理の枠組み自体は維持されている。
事業等のリスクの前文が簡素化・再構成された。前年にあった「(3)に挙げる主要なリスク」の説明文や「記載事項のうち将来に関する事項は当連結会計年度末現在で判断したもの」との注記が削除され、リスク管理の取組に関する記述は表現の整理にとどまっている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
ゴンドラ・舞台セグメントの工事請負契約に関する総原価の見積りというKAMの対象は前年と同じである。数値はセグメント売上高が4,040,697千円から4,286,021千円へ、一定期間にわたり認識された収益が1,768,375千円から1,702,664千円へ、工事損失引当金残高が199,178千円から86,311千円へと更新された。「進捗率」が「進捗度」に変わるなど文言の整理もあるが、監査手続の内容に実質的な変更はない。
天災等による事業中断リスクの説明自体は変更がない一方、対応策の記述が更新された。前年は安否確認システムの導入予定とされていたが、今年は危機管理マニュアルの更新及びBCPの策定を実施済みとし、今後は平時からの訓練に取り組む方針に変わった。
特定の取引先に関するリスク項目で、対策の記述が一部修正された。原材料価格上昇分の販売価格への転嫁について「理解いただけるよう交渉を継続」との表現が加わり、安定供給の対象が「資材」から「製品」に変更された。リスクの内容自体に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年度では記載されていない。前年度の注記では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、繰延税金資産の回収可能性に係る「将来の課税所得の見積りの合理性の評価」の項目が前年にあったが、当年は記載が削除された。前年は事業計画の承認確認、鉄軌道事業営業収益予測の仮定の評価(コロナ拡大前実績や外部調査との比較)、過去の計画達成状況の検討といった監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、新たに「旅客運輸収入に係る収益認識の正確性の検討」が追加された。輸送人員を用いた旅客運輸収入の分析的手続、収入管理システムの出力帳票と出力データの整合性の検討、毎月の収入精算と証憑書類との突合などの監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、旅客運輸収入に係る営業収益の計上プロセスに関する内部統制の評価が新たに記載された。駅務機器・収入管理システム・会計システム間のインターフェース処理、定期券の按分計算などの自動処理、IT全般統制の有効性を評価した内容である。前年は当該記載がなかった。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、新たに「旅客運輸収入に関する収益認識の正確性」が追加された。交通セグメントの営業収益が連結営業収益の25.3%を占め、旅客運輸収入の計上が複数のITシステムの連携に高度に依拠していることから、IT専門家と連携した監査手続が実施されている。あわせて、不動産・車両の正味売却価額の見積りに関する手続の記載も含まれている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の対象が、前年の「将来の事業計画の策定を含む将来の課税所得計画プロセス」から、「固定資産の減損損失の測定に関連する内部統制」へ変更された。検討対象となる会計上の論点が、繰延税金資産の回収可能性関連から固定資産の減損関連へ移ったことを示す。
監査上の主要な検討事項(KAM)が、前年の「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」から、「名鉄NX運輸の固定資産の減損損失の測定に用いる正味売却価額の見積りの合理性」に変更された。名鉄NX運輸の固定資産76,440百万円(総資産の4.8%)について、営業損益が2期連続マイナスで減損の兆候を識別したが、正味売却価額に基づく回収可能価額が帳簿価額を上回るため減損損失は計上されていないと記載されている。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年度は記載されていない。前年度は、連結会社間の子会社株式売却損益に係る税効果の取扱い変更を遡及適用し、前連結会計年度の繰延税金負債が521百万円減少、利益剰余金期首残高が521百万円増加した旨が記載されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「条件付対価に係る金融資産の公正価値の見積りの合理性の評価」に関する記載(銅価格予測の根拠確認や評価モデルの適切性検討などの監査手続)が、今年は削除されている。当該項目はKAMの対象から外れている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「内部統制の評価」の項目が、当年には記載されなくなった。前年は条件付対価に係る金融資産の公正価値測定について、銅価格の予測という主要な仮定や外部専門家の利用に関する統制を評価していた。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(Coral Bay Nickel Corporationの有形固定資産減損51,207百万円、電池材料事業の有形固定資産減損56,617百万円、シエラゴルダ銅鉱山譲渡に係る条件付対価の公正価値)の項目が、今年は記載なしとなっている。前年はニッケル価格予測や鑑定評価に基づく見積りの合理性が検討対象とされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、電池材料事業に係る有形固定資産(27,628百万円、連結総資産の0.8%)の減損の兆候に関する判断の妥当性が新たに記載された。製品の品種切替えに伴う生産能力低下が見込まれる中、経営者は事業計画を基に減損の兆候はないと判断しているが、販売数量の回復計画の見直し次第では減損損失の認識が必要となる可能性が示されている。監査人は市場需要予測との整合性確認や顧客の評価・交渉議事録の閲覧などの手続を実施した。
固定資産の減損に関するKAMで、当期の減損損失が5,802千円から8,806千円へ増加した。事業環境の記述が、原材料価格・物流費・人件費の上昇や販売チャネルの変化を背景とした収益性重視への方針転換、不採算店舗の整理、物流効率化等の事業構造改革という内容に改められた。監査手続の骨子は同様だが、閲覧資料に原材料価格の推移や外部環境資料が明記された。
継続企業の前提に関する重要な疑義・不確実性の注記は前年から継続している。営業損失は357,816千円から117,066千円、親会社株主に帰属する当期純損失は412,068千円から35,514千円へ縮小し、洋菓子のヒロタの直営・新規開発事業(1店舗を除く)からの撤退完了や、あわ家惣兵衛の全株式譲渡(2025年10月)などが記載された。一方、三鷹工場の閉鎖に向けた事業整理や、中国からの訪日観光客の大幅減少による美容ヘルスケア事業への影響が新たに言及されている。
小規模組織に関する記載では、役員数が8名から9名に、従業員数が7名から3名に変更された。人材の確保及び育成の項目は、収益率重視の経営方針のもとでの不採算事業撤退・事業構造改革を前提に、製造現場の人材確保・定着、職務・役割・貢献度に基づく処遇、非正規雇用者の就業環境整備を述べる内容に書き換えられ、人材確保が計画どおり進まない場合や主要人材が流出した場合に生産体制・経営成績へ影響し得る旨が追記された。
スイーツ事業から「あわ家惣兵衛」が記載から外れ、直営店撤退・製造特化への転換に合わせて競合・品質管理の記述が改められました。新たに田口食品株式会社への業務提携依存リスクが追加され、同社向け売上が連結売上高の49.0%、スイーツ事業売上高の52.9%を占めると記載されています。シュークリーム群への売上依存度は93.47%から96.7%に上昇し、美容ヘルスケア事業では中国からの訪日観光客減少による減収と特定需要層への依存が明記されました。
事業等のリスクに「(13) 海外展開に関するリスク」が新たに追加された。当該国の法的規制・経済情勢の変化、政情不安などの地政学的リスクや事業環境の不確実性により、事業活動の停滞や展開の遅延・中止が生じ、経営成績及び財政状態に影響する可能性があると記載している。対応として、提携企業と定期的にリスク情報を収集・交換し、リスク低減に努めるとしている。
事業等のリスクに「(10) 人財に関するリスク」が新規に追加された。人財獲得競争の激化、育成不足、従業員の退職、人員構成の偏りにより多様な人財を確保できない場合、成長の停滞を通じて経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があると記載され、研修による人財育成や人財マネジメント体制の強化などの対応が示されている。
前年にあった「報告セグメントの変更」の記載(MEX商事が化粧品・サプリメント等の販売事業を開始したことに伴い、単一セグメントから「スイーツ事業」「美容ヘルスケア事業」の2区分に変更した旨、および前連結会計年度のセグメント情報を組み替えて開示した旨)が削除された。セグメントの構成や各事業の説明文自体は前年と同一である。
監査上の主要な検討事項(固定資産の減損の兆候の判定)において、有形固定資産の計上額が325,449千円から302,562千円に減少し、総資産に占める割合が約26%から約28%に変化した。資産の内訳の記載は「土地、及び店舗販売設備など」から「土地及び店舗販売設備等」へ表記が微修正されたのみで、いずれの期も「継続企業の前提に関する重要な不確実性」に言及する冒頭文は維持されている。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の記載(連結・個別とも)が、今年度は削除された。前年度の記載では、この変更による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
環境問題に関するリスク項目の末尾に、将来に関する事項は当連結会計年度末現在の判断であること、および記載以外にもさまざまなリスクが存在し全てのリスクを網羅したものではないことを示す注記が追加された。リスクの内容や対策の記述自体に変更はない。
「金融市況及び為替変動に関するリスク」の本文は実質的に同一で、為替変動リスクの契約による一部転嫁に関する文の不自然な改行が解消された。また、末尾にあった「将来に関する事項は当連結会計年度末現在の判断である」「記載されたものが全てのリスクではない」とする注記文が当該項目から削除された。
業務提携等に関するリスクの記載に、従来の提携解消の可能性に加えて、出資先や買収した企業について販売不振や出荷停止等により期待した効果が十分に発揮されない場合も収益が当初予想を下回る可能性がある、という趣旨の文言が追加された。リスク低減に関する記述(提携先との関係維持、契約締結)に変更はない。
主力製品への売上依存に関するリスク記載の構成が変更され、薬価制度や競合状況を踏まえた価値向上の取組が独立した段落に分離された。リスク要因(競合品・後発品、副作用、製品瑕疵、安定供給障害等)の内容は変わらず、「信用失墜による売上減少を含め」の文言が削除された。
副作用に関するリスクの記載について、文の順序が入れ替えられ、リスク内容(製品回収・製造販売中止・訴訟・損害賠償・売上減少)を先に述べ、その後に品質保証や保険加入等の対策を記載する構成に変更された。リスクの内容や対策の実質的な記載に変更はない。
製造・仕入れリスクの記載構成が組み替えられ、リスク事象の説明を先に置き、品質保証や調達管理部門の設置等の対応策を後段の別文にまとめた。想定されるリスク事象や影響の内容に変更はなく、対応策を「リスクの低減に努めております」と明記する表現が追加された。
減損損失の認識の要否判定に関する監査上の対応手続の記載が改められた。前年は将来キャッシュ・フローの見積りと実績の比較やテナント交渉状況の確認、再開発事業の事業計画前提の確認が中心だったが、今年は減損の兆候がある全資産への判定実施の確認、賃料水準・建築費見込額・割引率の検討、不動産評価の専門家の利用が具体的に記載された。
減損の兆候の評価に関する監査手続の記載が見直された。基礎資料の正確性・網羅性の検証が追加され、経営者・担当者への質問等の記載が省かれたほか、グルーピングは「継続適用の確認」に、現場視察は「建築工事に着手した再開発事業の進捗確認」に表現が変更された。
ビルディング事業の不動産等の評価に関するKAMの継続記載で、計上額が有形固定資産282,350百万円・無形固定資産30,977百万円(連結総資産の74.7%)から、272,043百万円・30,934百万円(同67.1%)に変更された。減損の兆候の把握単位や再開発事業に関する記述が整理され、不確実性の要因は事業化区画の開発方針・自治体の許可・補助金の見通し等から、将来の賃料水準・稼働率・運営費用・建築費等へと表現が改められた。KAMの対象事項自体は変わっていない。
本文のリスク記述は前年と同一で、過去5連結会計年度の推移表が第102期〜第106期に更新され、第101期が除外されて第106期が追加された。第106期の有利子負債残高は272,683百万円、ネット有利子負債残高は241,567百万円、ネットD/Eレシオは1.9倍となった。注記では有利子負債の範囲に「ノンリコース長期借入金」が追加された。