前年のKAMであった「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」が削除され、新たに「退職給付制度間の移行に関する会計処理の妥当性」が追加された。後者は2026年4月1日付で退職一時金制度から確定拠出年金制度へ移行したことに伴い、特別損失「退職給付制度改定損」15,794百万円を計上した会計処理を対象とする。旅客運輸収入の収益認識に関するKAMは継続し、営業収益は2,887,553百万円から3,084,679百万円、運輸事業の比率は67.4%から66.3%に更新された。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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情報システム障害のリスクに関する記載に、AI技術の進展に伴うAI特有の新たなリスク(AIの予期せぬ動作や機密情報の漏えいなど)が追加された。あわせて、対策として、AIについてグループ共通のポリシーを定め、生成AIを利活用するシステムのチェック体制を構築している旨が加筆された。その他の記載に変更はない。
前年にあった報告セグメントの変更に関する記載(2025年3月期の14ビジネス設定に伴う高架下貸付業・JR東日本スポーツ・ガーラ湯沢の「不動産・ホテル事業」への移管、捷福旅館管理顧問の「流通・サービス事業」への変更)が削除された。あわせて各セグメントの事業説明の表現が一部整理され、「生活サービス事業」の文言が削られた。
リスク認識の記述はほぼ同一で、「事象が発生した場合」が「事態が発生又は拡大した場合」に変更された。対応方針の記述が、経費全般のコストダウンと生活ソリューションへの経営資源の重点配分から、モビリティの安全安定輸送強化・増収、不動産事業の加速、戦略的M&A、「勇翔2034」の数値目標達成へと更新された。調達コスト・資金調達・サプライチェーン・人権に関する対応策は変更されていない。
企業不祥事リスクの記載で、2024年9月の車両輪軸組立作業における不適切取扱いへの言及が削除され、対策の記述が大幅に拡充された。「コンプライアンス・アクションプラン」の追加、「JR東日本グループの『決意と約束』」の制定(2026年6月10日)、有識者委員会報告書を受けた改善策の公表(2026年3月18日)、全体責任者の指定、推進体制の再整備などが新たに記載された。リスクの内容自体は変わらず、取組の更新が中心。
競合・外部環境の変化に関するリスク記載(競合関係やLCC拡大・人口減少等による輸送量減少の可能性)は前年と同一で、対応策の記述のみが更新された。グループ経営ビジョンが「変革 2027」から「勇翔2034」に変わり、モビリティ中長期成長戦略「PRIDE & INTEGRITY」や生活ソリューション戦略「Beyond the Border」、ウォークスルー改札の開発・導入などの取組が記載された。
新型コロナウイルス感染症拡大時の経緯(緊急事態宣言、消毒液設置・換気・混雑情報提供・マスク着用等の具体的な対策)の詳細記述を削除し、「コロナ禍では」として影響の概要のみに簡略化した。今後の対応については、当社の「新型インフルエンザ等対策業務計画」に基づき措置を講じる旨が新たに追記された。
リスクマネジメントの位置づけを述べる前文で、「変革のスピードアップをめざして収益力の向上や経営体質の抜本的強化に取り組む」という表現が「収益力の向上や構造改革に取り組む」に改められた。また「およぼす」が「及ぼす」へと表記が修正された。リスク管理の枠組みやPDCAの記述など、実質的な内容に変更はない。
監査上の主要な検討事項(収益認識の期間帰属)の対象と監査手続の記載は前年と同一で、売上高の数値のみが更新された。売上高は12,611,218千円から18,073,141千円となり、国内向けは51%から48%、海外向けは49%から52%に構成比が変化した。
地政学的リスクの例示に「中東情勢の緊迫化」が追加され、輸出比率が2025年3月期48.8%・2026年3月期51.9%に更新された。法的規制では労働安全衛生法改正による自律的な化学物質管理への転換に言及し、被災時対策では本社製造スペースの再編(増床・効率化)着手の記述が追加された。その他、「半導体搭載基板」が「パッケージ基板」に変更されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の当事業年度期首からの適用に関する記載が、今年は削除されている。前年の記載では財務諸表への影響はないとされており、実質的な影響を伴わない会計基準適用の注記が掲載されなくなったものである。
前年にあった「海外事業」から「グローバル事業」へのセグメント名称変更に関する記載が削除された。代わりに、報告セグメントに含まれない「その他」の区分として、当期に子会社化した株式会社ゴダック・株式会社神戸まるかんおよび2025年9月開始の養殖事業の業績を含む旨が追加された。
前年度に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)「重要な固定資産を保有する店舗の減損の認識・測定」が、当年度では記載されなくなった。前年度は店舗別予算と実績の比較や将来キャッシュ・フローの重要な仮定の評価といった監査手続が示されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた【兆候判定】の見出しと、その監査手続(本社費等の間接費の配賦計算の検討、店舗間付け替えの仕訳抽出と営業損益の比較、経営者への質問や議事録等の閲覧)の記載が、今年は無くなっている。今年の記載には該当する内容が存在しない。
前年の監査報告書に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)の節が、当年は記載なしとなった。前年は「株式会社Genki Global Dining Conceptsにおける店舗固定資産の減損」が主要な検討事項として挙げられていたが、当年の該当節には記載が見られない。
店舗固定資産の減損に関するKAMで、店舗固定資産残高が10,811百万円(総資産の31%)から9,998百万円(同16.8%)に、減損損失が239百万円から707百万円に変動した。将来キャッシュ・フローの主要な仮定に割引率が加わり、決定理由が店舗間損益調整による兆候回避の可能性から、割引率算定に高度な専門知識を要する点へ変更され、ネットワーク・ファームの評価の専門家の関与など具体的な監査手続が記載された。
差入保証金の残高の記載が、2025年3月期末の43億6千9百万円(連結総資産比12.6%)から、2026年3月期末の42億7千6百万円(同7.2%)に更新された。返還条件や回収不能の可能性、中途解約時の違約金に関する記載は前年と同一である。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、株式取得に伴う「減損損失の認識に関する要否判定の妥当性」が新たに追加された。取得時の事業計画の前提の合理性、取得後の経営環境の著しい変化の有無、見直し後の事業計画と取得時計画との乖離の妥当性を監査人が検討したことが記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、Stakelogicに係るのれん等の減損損失の認識の要否判定に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性の評価が新たに記載された。前年にはこの項目の記載はなかった。
既存のKAM(将来キャッシュ・フローの見積り評価)では、監査手続の記載が仮定の適切性評価を中心に整理・再構成された。加えて、Stakelogic B.V.に係るのれん等の減損損失の認識要否判定がKAMとして新たに追加され、オランダでの規制強化を背景に18,054百万円の減損損失を計上し、帳簿価額を回収可能価額のゼロまで減額した旨が記載されている。
Rovioに関するKAMが、『減損損失の認識の要否に関する判断』から『評価の妥当性』へ変更された。前期は未計上だった減損損失31,993百万円(のれん未償却残高全額とその他無形固定資産の一部)が当期に計上された旨が追記され、減損後の商標権は44,860百万円から44,309百万円、技術関連無形資産は4,810百万円から4,392百万円となった。
事業別リスクの表で、エンタテインメントコンテンツ事業の対策がトランスメディア戦略によるIP価値向上、プライズマシンへのリソース集中、在庫管理及びデジタル販売の強化などに書き換えられた。遊技機事業では「余剰部品の発生」とその対策(他製品への有効活用)の記載が削除された。リスク項目自体は余剰部品の項目を除き維持されている。
エンタテインメントコンテンツ事業の記述で「F2Pなど」が「F2P等」に表現変更され、ゲーミング事業の事業内容に「販売」が追加され「ゲーミング機器の開発・製造・販売」となった。また、前年にあった「報告セグメントの区分方法の変更」(リゾート事業の廃止とゲーミング事業の新設)に関する記載が削除された。
KAMの内部統制評価の記載が、「のれん及び無形資産」から「のれん及びその他の無形固定資産」へ表現が変更された。また、使用価値の測定への言及と、将来キャッシュ・フローの基礎となる事業計画策定に関する内部統制に焦点を当てた旨の記述が削除され、記載が簡素化された。
リスク項目の内容に変更はなく、「対策などについて検証などを」が「対策等について検証を」に、「脆弱性診断の実施など」が「実施等」に改められるなど、一部表現が修正された。サステナビリティ分野の対策では、グループ全体方針の策定や目標の策定・進捗モニタリングを行う旨が追加され、グループ各社代表を招集した年2回のグループサステナビリティ推進会議の記載が削除された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では連結・単体とも当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今期は「該当事項はありません」となった。前期の記載でも連結財務諸表への影響はないとされていた。
仕掛販売用不動産の計上額が72,825百万円(総資産の32.7%)から93,581百万円(同29.0%)に更新された。あわせて、慎重な評価を要する物件に社外の不動産鑑定士の評価を利用している旨が加わり、監査手続として外部評価額の基礎情報の整合性検証、ネットワーク・ファームの専門家による評価の適切性確認、不動産鑑定士の適性・能力・客観性の評価が追加された。
金利変動リスクの記載から、有利子負債の構成が固定金利の借入金中心であり現時点の金利上昇の影響は軽微とする説明が削除された。資金調達の表現は「適切に」に変わり、金利上昇により業績に影響が生じる可能性があるという記述のみが残っている。
「気候変動に係るリスク」では、移行リスクの要因に「評判」が加わり「法務」が「法律」に変更され、シナリオ試算結果・GHG排出削減目標・ZEP-Ryukyuなど具体的な取組の記述が削除されて、詳細はサステナビリティ項目参照とされた。「外部委託によるリスク」は「サード・パーティリスク」に改題され、業務提携やプラットフォーム利用など外部事業者との関わりに対象が拡大し、システム障害や法令違反・契約不履行なども想定事象に追加された。閉鎖DBの退職給付債務等は約59億円から約54億円に更新され、格付リスクなども表現が整理されている。
システムリスクの(イ)でAI等の先端技術導入に伴う出力結果の不適切性や業務処理の誤りが新たなリスクとして追加された。また、「⑥ 人的リスク」(人事運営上の不公平、ハラスメント、役職員の不法行為による使用者責任)が新設され、風評リスクにはSNS等のモニタリング対応の記述が追加された。インターネットバンキング関連の記述も、りゅうぎんアプリへの言及を含めて書き換えられた。
経営環境の記載が更新され、新型コロナ5類移行や軍事的緊張による観光客減少の可能性に関する記述が削除された一方、団体旅行客等の減少、島嶼地域特有の物流コスト上昇、中東情勢の緊迫化に伴うエネルギー価格上昇の影響という新たな言及が追加された。デジタル化にAIが例示され、リスク量の計測・資本配賦・モニタリング限度額の設定に関する説明や用語表記も一部修正されている。
「その他」セグメントに属するりゅうぎんビジネスサービス株式会社が2024年7月29日に解散し、同年10月24日に清算結了した旨の記載が削除された。報告セグメントの構成や各事業内容の記載に変更はない。
自己資本比率に係るリスクの記載で、安定経営のために「なお一層の自己資本比率の上昇は必要不可欠」としていた表現が「一定の自己資本比率の維持は必要」に改められ、「自己資本比率の上昇に資する」施策との文言も削除された。国内基準4%を大幅に上回るとの認識や、最低水準を下回る可能性は低いとの見解は変更されていない。
市場関連リスクの記載で、2026年3月末時点の数値が更新されました(円貨債券約6,028億円→約6,248億円、日本国債比率約7割→約8割、外貨建債券約221億円→約217億円、政策保有株式約13億円→約26億円など)。また価格変動リスクの説明に、投資信託が不動産や債券にも投資し金利上昇でも評価損が生じ得る旨が加わり、対応策の記述はVaRによる資本配賦など管理部門の役割分担を明示する形に再構成されました。為替変動リスクのうち投資信託の為替影響に関する記述は削除されています。
④の信用リスク低減策について、前年のコロナ対応支援(大口先モニタリング、資本性借入金、ファンド支援等)の記述が削除され、円安による物価上昇や中東情勢を起因とした原油価格高騰に対する「原油価格高騰対策・緊急資金繰り支援融資」の展開に置き換わった。③の地価動向の説明や②の一部文言も整理されたが、リスク認識の枠組みに大きな変更はない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今期は連結・単体ともに削除された。前期の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項における処分コスト控除後の公正価値の見積り評価手続について、対象会社がTSPLからTSIDに変更された。ネットワークファームの評価の専門家の関与に関する記載が削除され、固定資産税評価額等の外部データの推移分析による時点修正の要否検討という手続が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、ポーランド子会社TS TECH Poland sp. z o.o.の減損テストから、インドネシア子会社PT. TS TECH INDONESIAの有形固定資産及び無形資産の減損テストにおける公正価値の見積りの合理性に変更された。前年はTSPLで減損損失1,487百万円を計上していたが、当年はTSIDの帳簿価額1,898百万円について回収可能価額が帳簿価額を上回り、減損損失は認識されていない。連結の有形固定資産は102,600百万円、無形資産は11,526百万円と記載されている。
通算グループに係る繰延税金資産の回収可能性のKAMについて、金額が更新された(繰延税金資産12,449百万円→12,615百万円、評価性引当額11,487百万円→11,030百万円、通算グループ分9,043百万円→9,548百万円)。監査手続の記述は文言・構成が整理・追加された。また前年にあった広州双叶汽車部件有限公司の固定資産の減損損失の認識及び測定に関するKAMが今年の記載から無くなっている。
資材調達リスクの記載で、従来の「需給の状況などにより」という一般的な要因に代えて、中東地域を含む地政学的緊張の高まりや紛争等に起因する調達遅延・調達コスト増加が新たに明記された。あわせて、製造コストの上昇や生産活動の停滞等が生じた場合に経営成績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があるとの説明が追加された。
アジア・欧州セグメントの国・地域の記載から「ハンガリー」が削除され、あわせてTS TECH Hungary Kft.の解散に伴う連結除外に関する注記も削除されました。その他の報告セグメントの区分や製品に関する記載に変更はありません。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「内部統制の評価」において、評価対象が「減損損失の測定」に関連する内部統制から「減損損失計上の要否の判断」に関連する内部統制へと文言が変更された。対象資産(有形固定資産及び無形資産)や評価内容に変更はない。
「その他のリスク」のうち、サステナビリティへの取り組みに関する対応策の記述が変更された。前年の「ESG経営の実現」を掲げる第15次中期経営方針や2030年目標への言及が削除され、社会・環境・企業基盤の各領域での重要課題(マテリアリティ)特定と中長期的な目標実現に向けた施策の加速という表現に置き換わった。情報漏洩リスクおよび退職給付債務の記載に変更はない。
前年にあった、グローバルリスク管理委員会の委員長を務めるリスクマネジメントオフィサーをリスク管理の統括責任者として選任し、リスクの抽出・評価・予防活動に取り組んでいるとの記載が、今年は削除された。主要リスクに関する前文の他の記載は変更されていない。
前期に記載されていた「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号)の適用に関する会計方針変更の注記が、当期には削除されている。前期の記載では、連結財務諸表への影響は軽微とされていた。
NSRPへの投融資に関するKAMで、計上額が更新された(長期貸付金94,477百万円、貸倒引当金△57,649百万円、未収入金159,809百万円、完工保証84,801百万円)。割引率の判断要素として中東地域の地政学的緊張の高まりが新たに追加され、監査上の対応にも、同緊張が2026年後半までに解消するとの会社の前提の合理性検討や、装置稼働率へのサプライチェーンの影響をリスクプレミアムで検証する手続が加わった。
「(6)その他経営全般に係るリスク」の項目が今年の記載では確認できず、前年に記載のあった人権、コンプライアンス、知的財産、自然災害・事故等、個人情報管理の各リスクの記述がまとめて削除されている。これらが他の項目へ移動・統合されたかどうかは、提示された範囲からは判断できない。
前年に記載されていた「(5)事業投資に関するリスク」の項目全体が、今年は記載されていない。前年には、既存設備の維持更新や成長分野への戦略投資に伴う減損損失計上の可能性、およびベトナムのニソン製油所・石油化学コンプレックス(NSRP)への債務保証・出資に関するリスクが記載されていた。
前年に記載されていた「(4)環境規制に関するリスク」の項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、製油所・工場からの汚染物質排出や廃棄物処理に関する規制、基準超過時の罰則、新たな環境規制の導入・遵守に伴う多額の支出の可能性が記載されていた。