監査上の主要な検討事項(KAM)の対象は、顧客検収条件付き売上取引について「収益認識時期の適切性」から「売上高の期間帰属の適切性」へと名称が変更されたが、対象取引は同一である。売上高は6,306,303千円から6,631,689千円へ、検収条件付き売上高は1,409,688千円から1,478,883千円へ更新され、構成比は22.4%から22.3%となった。あわせて、社名を「会社」に統一するなど記述の整理・言い換えが行われた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(固定資産の減損)における将来キャッシュ・フロー見積りの監査対応が書き換えられた。割引率の評価専門家による検証や「不確実性が高い点」の列挙・結論部分が削除され、代わりに正味売却価額の算定に用いた不動産評価を内部専門家が検証する手続が追加された。販売数量・原材料費率・労務費率・設備投資額の検証手続は表現が整理されている。
固定資産の減損に関するKAMの記載が改訂された。前年はグループ全体24,176百万円・会社単体3,356百万円の減損損失や米国関税政策等の環境に触れていたが、今年は会社の減損損失4,414百万円、主要得意先の業績悪化と生産拠点再編を受けた国内生産体制の再構築が課題として記載され、事業計画の主要仮定(販売数量、原材料費率、労務費率、設備投資額)の不確実性が決定理由として明記された。
監査上の主要な検討事項における内部統制評価の記載が、事業計画の「作成に関連する内部統制」から「作成及び承認に関する内部統制」へと表現が改められた。販売計画の根拠として、得意先からの受注情報等に加え、生産計画その他の客観的データが明記された。評価手続の基本的な趣旨に実質的な変更はない。
人財の育成・確保に関するリスク項目で、取組の記述が「会社の風土『学習し、成長し続ける組織・人財づくり』」から「心理的安全性の高い『学習する組織への変革』」へ書き換えられた。人財確保の方針やリスク内容(労働市場のひっ迫、人財獲得競争の激化)に変更はない。
前年の報告書にあった、2022年改正会計基準(法人税等の計上区分)および2022年改正適用指針の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、その他の包括利益に対する課税に関する改正は連結財務諸表への影響がなく、子会社株式等の売却損益の税務上の繰延に関する改正は遡及適用されたとされていた。
大規模自然災害・感染症拡大等に関するリスク記載で、主語が「当社グループ」から「当社」に変更された。テレワーク推進による事業継続体制の整備や、取引先・物流停滞による調達への支障といったリスク内容に変更はない。
資金調達リスクの記載で、主語が「当社グループ」から「当社」に変更された。また、現時点で十分な資金を確保している旨が追記され、リスクの対象が「十分な資金調達」から「十分な追加資金の調達」に改められた。投資計画や事業機会喪失・業績への影響の可能性という骨子は変わっていない。
人材の確保に関するリスク記載で、主語が「当社グループ」から「当社」に置き換えられた。人材確保の重要性、最小単位での人員配置、属人性への依存、欠員時の業績影響の可能性といった内容自体に変更はない。
プロジェクトの納期変動リスクの記載で、主語が「当社グループ」から「当社」に変更された。検収遅延やシステム不具合による納品遅延で四半期業績が変動し得るというリスクの内容自体に変更はない。
「当社グループ」とされていた主語が「当社」に置き換わり、減損損失が「当社グループの業績」に与える影響が「当社の業績」への影響という表現に変わった。ソフトウェア資産の減損リスクの内容や発生条件自体に変更はない。
主語が「当社グループ」から「当社」に変更され、保有特許件数が10件から11件に更新された。出願中の特許2件の記載は削除されている。リスク内容(第三者の知的財産権侵害の主張による訴訟費用・損害賠償の可能性)自体に変更はない。
投資活動に関するリスク記載について、主語が「当社グループ」から「当社」に変更され、「その想定したとおり」「十分に回収できない」などの表現が簡素化された。リスクの内容(投資の回収不能、のれん等の減損損失)自体に変更はない。
新規事業に関するリスク記載で、主語が「当社グループ」から「当社」へ変更され、「新規事業等」が「新規事業」に、「そして」が「更に」に、「これらの場合」が「こうした場合」にそれぞれ言い換えられた。リスクの内容(先行投資による利益率低下、事業計画変更、収益化の遅れ等)自体に変更はない。
「当社グループ」から「当社」への主語の変更、「加速しています」から「加速しております」への敬語表現の調整、「音声との連携」から「音声通信の連携」への語句修正が行われた。リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
事業等のリスクの前文において、「当社グループ」とされていた主語が「当社」へ統一的に置き換えられている。リスクの内容や評価、方針に実質的な変更は見られず、表記の変更のみである。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、新たに「繰延税金資産の回収可能性」が追加された(繰延税金資産36,970百万円、うち親会社の税務上の繰越欠損金分23,591百万円。主要な仮定は運賃・傭船市況・輸送量)。既存の「航海の経過日数に基づく収益認識における総航海日数の見積り」は継続し、売上高が1,047,944百万円から1,018,364百万円、未完了航海の運賃が29,058百万円から27,712百万円に更新された。
エマージングリスクの一覧から「地政学情勢の変化による荷動きや船舶建造、保守に与える影響」の項目(米中関係の不透明性、中国での新造船・入渠への依存、対策など)が削除され、「海運業を脅かすエマージングな技術革新」のみが残る構成となった。技術革新リスクの記載は、他業種からの参入障壁低下に関する文言が一部簡素化された程度で、実質的な内容は同じである。
経済活動変動リスクに地政学要因(米中関係、サプライチェーン変容、中国ドック入渠・中国建造の阻害等)を統合し、従来エマージングリスクとして管理していた地政学リスクを同項目で扱う形に再編。対策にはジオエコノミクス会議の新設、リスクの定量化・分散発注の検討などが追加された。人権・環境面でもサプライヤーサステナビリティガイドラインの策定や統合戦略会議体(サステナビリティ経営推進会議、環境・技術会議)への体制変更が記載された。
報告セグメントの3区分(ドライバルク、エネルギー資源、製品物流)は変わらず、エネルギー資源セグメントに含まれる事業の名称・構成が変更された。従来の「液化天然ガス輸送船事業、電力事業、油槽船事業及び海洋事業」から、「液化天然ガス輸送船事業、液化ガス事業、電力事業、原油・製品事業及びエネルギー事業戦略」へと記載が改められた。
リスクマネジメントプロセスの記述で、一部表現の調整(「発生可能性/影響度/備えの状況」が「発生可能性・影響度・備えの程度」へ、図番号が図3から図2へ)が行われた。実質的な追加として、組織内でリスクマネジメントプロセスを監視及びサポートする体制強化を推進している旨の一文が加わった。
主要リスクの再編(従来8項目から7項目への整理)に関する説明と変更前後の対応図が削除され、主要リスク7項目と所管組織の一覧表に置き換えられた。あわせて、ERMを踏まえリスクを事業戦略機会としても捉えて対応する旨が追記され、2026年4月に新設されるジオエコノミクス会議など4つの統合戦略会議体と、危機管理委員会の調整・統合機能が記載された。
前年に記載されていた会計方針の変更2件(法人税等に関する会計基準等の適用、在外子会社等の収益及び費用の換算方法の期中平均相場への変更)の記述が、今年は項目ごと削除されている。前年の記載では、換算方法変更の遡及適用により前連結会計年度の売上高が4,361百万円減少し、利益剰余金期首残高が51,763百万円減少した旨が示されていた。
KAMの対象である「Bplats®」について、前期は減損損失の認識は不要と判断されていたが、当期は割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回り、減損損失767,298千円を認識した旨の記載に変わった。また、KAMの冒頭に「継続企業の前提に関する重要な不確実性」への言及が新たに追加され、監査手続も回収可能価額の算定や前期事業計画の未達原因分析、減損計上時期の適時性の検討が加わった。
当期は継続企業の前提に関する重要事象の記載が大幅に拡充され、新たに772,505千円の減損損失計上、親会社株主に帰属する当期純損失925,575千円、447,251千円の債務超過が追記された。転換社債型新株予約権付社債の財務制限条項に純資産が抵触し社債権者が繰上償還請求権を有する状態にある旨も加わり(割当先から行使しない旨の同意書面を取得)、前期の「重要な不確実性」の表現は削除された。繰越欠損金は588,838千円に増加し3期連続の純損失となった。
新型コロナウイルスの影響について「ほぼ収束」「概ね感染拡大前の水準」から「収束」「感染拡大前の水準」へと断定的な表現に改められ、再拡大の記述も「ウイルス」から「同様の感染性ウイルス」へと変更された。リスクの内容や影響の評価に実質的な変更はなく、表現の修正と句点の追加にとどまる。
個人情報の管理に関する記載で、プライバシーマークの取得主体がWDB株式会社のみから、WDB株式会社とドコ1株式会社の2社に変更された。また、「2001年9月に認定を取得」という取得時期の記述と「認定」という表現が削除された。リスク内容や研修などの対策に関する記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年では削除されている。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「(2)債務者区分の妥当性の検証」の監査手続の記載が、今年は削除されている。前年は新型コロナ影響から回復が遅れている貸出先などを対象に、決算書の閲覧や経営改善計画の実績比較等を実施した旨が記載されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「内部統制の評価手続」(債務者区分の判定に関する自己査定諸規程の整備、営業店での承認、貸出先財務データの正確性・網羅性の確保に係る内部統制の評価)の項目が、当年度の記載では削除されている。
今年度の監査報告書で、繰延税金資産の回収可能性が監査上の主要な検討事項(KAM)として新たに記載された。連結貸借対照表の繰延税金資産6,268百万円のうち繰越欠損金に係る分が3,687百万円で、有価証券売却に伴う損失計上が主な発生要因とされ、将来の課税所得の見積りの合理性について内部統制評価や計画の検証などの監査対応が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、貸倒引当金(債務者区分の妥当性)に関する記載が新規に掲載された。貸出金1,646,482百万円(総資産の68.1%)、貸倒引当金7,661百万円、繰入額1,868百万円が示され、経営環境の悪化により業況・財務内容が悪化している貸出先の債務者区分の判定が見積りの不確実性の高い事項として挙げられている。あわせて、繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性という見出しも記載されている。
前年はKAM「経営環境の悪化により業況や財務内容が悪化している貸出先の債務者区分の妥当性」について、参照注記、内容及び決定理由(貸出金1,606,700百万円、貸倒引当金6,302百万円等)、監査上の対応の導入文が記載されていたが、今年は前文とKAMの見出しのみの記載となっている。KAMの題目自体は同一で、詳細な説明部分の抽出内容が欠落している。
情報システムへの対応について、前年の記載に加え、地震・火災等の罹災やサイバー攻撃による影響を想定した情報資産のバックアップ体制の強化、IT-BCPマニュアルの整備、サイバーレジリエンスの向上への取組が新たに追記された。リスクの内容や悪影響に関する記述自体に変更はない。
前年の報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針変更の記載が、今年の報告書では削除された。前年は連結財務諸表への影響は軽微、個別財務諸表への影響はないとされていた。
「キーマン」が「キーパーソン」に、中途採用の対象が「営業所の人材ニーズ」から「各部署の人材ニーズ」に表現変更された。また、対策の記述から「ユーザー企業のエンジニアのニーズに対応できる人材を確保することも重要な取組」という一文が削除された。リスクの内容自体に実質的な変更はない。
輸出管理規制に関する記載に、経済安全保障推進法への言及が追加され、「米中貿易摩擦が激しくなる中で」が「米中貿易摩擦等を背景に」に変更された。対応策として、米国のEAR等の諸外国の輸出管理規則を含む規制強化への対応が明記された。リスクの基本的な内容と体制整備の記述に大きな変更はない。
1日の平均取引件数(約10,000件)の記載が削除され、「営業活動を停止」が「業務を停止」に改められ、コンピュータ使用の説明が一般化された。対策面では、データセンターによる保護対象が自然災害に加えサイバー攻撃にも拡大され、情報セキュリティ態勢の随時の見直し・強化が追記された。
為替リスクの記載のうち、対策部分の表現が一部変更された。基幹システムについて「変更したほか」が「対応できるようにしているほか」に、外貨預金について「運用で為替差益を確保するオペレーションの実施」が「活用した為替差益を確保するオペレーション」に改められた。リスクの内容や影響の評価に変更はない。
アセアン地域での拠点展開に関する記述が、「一国2拠点を目標に」から「多くの国において」へと変更された。リスクの内容や対応策の記載に変更はない。
価格競争リスクの冒頭で「電子計測器の卸売業界」が「電子計測器の業界」に表現変更された。対応策の記述が、ユーザーニーズへの迅速な対応・取扱領域の拡大から、多様な製品と技術の組み合わせ提供や現場に根差した提案・迅速な対応による課題解決支援へと更新された。リスク内容自体や海外製品の取り扱い拡充等の収益性確保策に変更はない。
リスク記載の語順が入れ替わり、自然災害が先に、パンデミックが後に記載された。対策面では、従来の「従業員の行動履歴の把握、異常事態発生時の対応マニュアル作成」の記述が削除され、BCP事業計画書の作成と、重要業務の中断を最小限に抑える事項の整理・準備に関する記述が追加された。
市場経済状況リスクの本文は同一で、リスク回避策の記述のみ更新された。電機業界向けの取り込み対象が「次世代通信5G・IoT等」から「AI・データセンター、高速・大容量通信、GX、防衛関連分野等」に変更された。
セグメント情報の見出しが、前連結会計年度の期間表記について「自2023年4月1日 至2024年3月31日」から「自2024年4月1日 至2025年3月31日」へ更新され、冒頭の「I」も削除された。年度更新に伴う表記の変更であり、実質的な内容の変更は確認できない。
資金調達の項に、2026年3月に第2回〜第4回無担保社債を発行し総額4,000百万円を調達した旨が追加され、期末の現金及び預金は4,300百万円から7,107百万円に更新された。譲渡制限付株式の項では、2025年7月の新株915,000株の発行が予定から実績に変わり、取締役への発行株数の内訳が追記された。感染症の項は「新型コロナウイルス感染症が再び拡大」から「従来の感染症が再び流行」へ表現が変更され、ストックオプションの潜在株式数は3,228,200株から3,168,200株に更新された。
「訪日旅行者向け商品の市場について」の項目から、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染拡大による訪日旅行者数の大幅減少と売上低迷の経緯、および当連結会計年度に訪日旅行者数がコロナ前の水準に回復したこと、eSIM対応による競争力維持・強化と売上回復を目指す旨の記述が削除された。リスク要因の一般的な説明部分や「技術の進歩及び制度の整備について」の記載は変更されていない。
「ソリューション事業」の説明が書き換えられ、従来の「ICTを利活用したネットワーク機器やセキュリティ製品」の提供から「クラウドサービスを利用したネットワークインフラやセキュリティ製品」の一貫提供・価値創出への貢献という表現になった。あわせて、AI商材・サービスへの取り組み加速、新規領域の開拓、DX人材育成の推進に関する記述が追加された。報告セグメントの構成(デバイス事業・ソリューション事業)やデバイス事業の記載に変更はない。
情報セキュリティリスクの項目で、サイバー攻撃が世界的に増加しているとの記載に加え、AI技術の進展や近い将来実用化が見込まれる量子コンピュータ等の技術革新により新たな攻撃手法が登場する可能性が高まっている旨が追記された。リスクが増大傾向にあるとの認識自体は前年と同じで、対策や被害未確認の記載にも変更はない。
KAMの監査上の対応のうち、商品別販売計画の仮定の適切性の検討において、比較対象とする当期実績から「債券の販売環境の変化を反映している」との修飾句が削除された。また、不確実性の合理性検討の手続に「店舗毎の計画の達成状況の検討」が追加された。
固定資産の減損損失の認識要否判定に関する内部統制の評価について、前年にあった具体的な評価項目(中期経営計画の策定に関する内部統制、判定が会計基準・規程に準拠して行われる内部統制の有効性)の箇条書きが削除された。代わりに、将来キャッシュ・フロー及びその基礎となる中期経営計画の承認過程を確認した旨の記載に置き換わっている。