前年の実務対応報告第43号(電子記録移転有価証券表示権利等)の適用に関する記載に代わり、今年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用が記載され、連結財務諸表への影響はないとされている。また、工具器具備品・車両運搬具の減価償却方法を定率法から定額法へ変更し、当連結会計年度の営業利益・経常利益・税金等調整前当期純利益が6,045千円増加した旨が新たに記載された。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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2022年改正の法人税等会計基準および適用指針を当期首から適用する旨の会計方針の変更が新たに記載された。経過的な取扱いに従っており、連結財務諸表・個別財務諸表(前連結会計年度を含む)への影響はないとされている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「内部統制の評価」において、業務部の上長によるライセンス納品日と売上計上日の整合に関する統制の記載が、「確認している」から「検証している」へ、「特に焦点を当てた」から「焦点を当てた」へと変更された。評価対象の統制や手続の内容自体に変更はなく、表現の調整にとどまる。
KAMの対象(オンプレミス型ライセンス販売の売上高の期間帰属)は変わらず、主力サービスの名称が「ライセンス&SIサービス」から「テクノロジーソリューション」に変更された。対象売上高は3,447,211千円(連結売上高の38.1%)から3,602,117千円(同33.1%)に更新され、ライセンス使用の把握方法に関する説明文言も一部修正された。
「④ 配当政策について」の記載が書き換えられた。従来は成長過程のため設立以来無配であり株主還元も重要課題と認識する旨だったが、今回は投資や内部留保を優先して配当を実施しておらず、M&Aや新規事業投資を優先した結果、配当原資が確保できない場合や十分なキャッシュ・フローが得られない場合に配当の実施が遅延または長期間行われない可能性がある旨が追記された。他の項目(①〜③)に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、デジタルツイン事業の非金融資産の減損に関する「内部統制の理解」という監査手続の項目が新たに記載された。減損の兆候の把握や、将来キャッシュ・フローの見積りの基礎となる事業計画策定に係る内部統制を含め、回収可能価額の測定に関連する内部統制を理解したとされている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、デジタルツイン事業の非金融資産の減損テストにおける回収可能価額(使用価値)の見積りの合理性が新たに記載された。当該事業には減損の兆候が存在するが、減損テストの結果、回収可能価額が帳簿価額を上回り減損損失は計上されていない。対象の有形固定資産は1,429百万円で、事業計画・成長率・割引率の仮定の不確実性を理由に監査人が検討した旨が記されている。
KAMの使用価値の見積りに関する監査手続の記載が変更され、対象がデジタルツイン事業の事業計画として明示された。将来キャッシュ・フローの見積期間を主要資産の経済的残存耐用年数と比較する手続や、2026年3月単月の事業計画と実績の比較分析、関連資料の閲覧が追加された。内部統制の理解を基礎とする旨の導入文も加わった。
新株予約権の希薄化リスクの記載について、基準時点が2025年4月末から2026年4月末に更新された。目的となる株式数は369,860株から324,880株へ、発行済株式総数は7,779,400株から7,823,150株へ、潜在株式比率は4.8%から4.1%へと変化した。リスクの評価区分(可能性:高、影響度:小)や文言に変更はない。
配当政策のリスク項目について、前年は「現在は配当を実施しておらず、実施の可能性・時期は未定」とし、内部留保の充実と投資を利益還元につながると位置付けていた。今年は、財務基盤の健全性や人材投資の資金を確保したうえで利益還元に努め、中長期的に配当性向を向上させていく基本方針に改められ、業績が計画どおり進まない場合は配当できない可能性がある旨が記載された。
財務資本に関するリスクの記載で、期末の借入金残高が2,777百万円から2,495百万円に減少し、IFRSに基づく資本合計額に占める割合が75.94%から41.48%に低下した。借換え済みで財務制限条項が付されていない旨や金利上昇リスクの文言、リスク評価(可能性:低、影響度:中)に変更はない。
特定販売先への依存リスクの記載について、対象期間が第4・5期から第5・6期に更新され、数値が差し替えられた。本田技研工業グループの販売割合は36.4%から42.4%(2,056百万円から2,674百万円)に上昇し、Astemo株式会社(旧日立Astemo株式会社)は13.9%から11.2%(787百万円から708百万円)に低下した。リスク評価(可能性:低、影響度:大)や本文の対応策の記述は変更されていない。
新たに「新規に連結子会社化した関係会社の資金繰り」がリスク項目として追加された。関係会社の資金繰り悪化により当社からの資金支援が必要となる可能性や、当社の現預金水準の低下を懸念事項とし、発生可能性・影響度は共に「中」、対応としてキャッシュ・フロー改善と資金管理の精緻化・効率化を挙げている。
事業等のリスクに、新規に連結子会社化した関係会社の業績管理に関する項目が新設された。管理が想定通り進まず業績が事業計画を下回る可能性があり、売上高・利益の減少につながり得ると記載され、発生可能性・影響度はいずれも「中」、対応として早期の管理強化と事業計画の達成を図るとしている。
当期より「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等を期首から適用する旨の記載が新たに追加された。法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)の改正について経過的な取扱いに従っており、連結財務諸表および財務諸表への影響はないと記載されている。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMの記載が更新され、計上額が前期の189,658千円から134,415千円(純額)に変わり、前期にあった繰延税金負債との相殺前の金額や評価性引当額の内訳の記載は無くなった。新たに、提出会社の計上額が大部分を占め特に重要である旨が追加された。主要な仮定(売上高成長率)や監査手続の内容に実質的な変更はなく、年度表記が「翌年度」から「翌連結会計年度」に改められた。
有利子負債への依存度に関するリスク項目で、基準日が2025年2月末から2026年2月末に更新され、有利子負債残高が1,705百万円から1,656百万円へ、負債・純資産合計に占める割合が35%から33%へ変わった。変動金利の存在や金利上昇傾向、キャッシュ・フロー改善による削減方針など他の記載は同一で、末尾に「関係会社関連」の語句が付加されている。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「原価総額の見積りの合理性の評価」に関する監査手続の記述が、今年は記載されていない。前年は契約書との照合、工程表の閲覧、完了プロジェクトの実績と見積りの比較、開発管理者等への質問などの手続が列挙されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあったソフトウェア開発契約の原価総額の見積りに関する内部統制の評価(工数積算方法の遵守統制や開発着手後の状況変化を計画に反映する統制)の記載が、今年は削除された。当該項目に代わる記載は示されていない。
前期にKAMとして記載されていた「ソフトウェア開発契約に関する収益認識における原価総額の見積りの合理性」の項目が、当期の記載では削除されている。前期は一定期間にわたり認識した収益が242,468千円(売上高の10.5%)で、原価総額の見積りに経営者の判断が影響する点がKAMとされていた。
当事業年度の監査上の主要な検討事項として「ソフトウェア開発に係る履行義務の充足時点についての判断の妥当性」が新たに記載された。ソフトウェア開発売上は975,763千円で売上高の44%を占め、第4四半期の大型案件受注により収益認識時点の判断が財務諸表に大きく影響し得るとされ、契約書の閲覧や経営者への質問等の監査手続が示されている。
「その他のリスク」の見出し配下にあった「感染症に関するリスク」と「当社株式の流動性に関するリスク」の2項目の記載がすべて削除された。前年は流通株式比率29.4%や流通株式時価総額が上場維持基準に近接している旨が記載されていたが、今年は該当記載がない。
会社組織に関するリスクが「人的・組織運営リスク」と「ガバナンス・統制・資本構造リスク」の二区分に再編され、人材確保リスクの影響度が「中」から「大」へ、顕在化時期が「特定時期なし」から「短~中期」へ引き上げられた。小規模組織リスクの顕在化可能性も「小」から「中」に引き上げられ、131名との人員数の記載は削除された。新たに「当社株式の流動性に関するリスク」(主要株主の保有比率が高いこと等による流動性低下の可能性)が追加された一方、各リスクの記述や対応策は全体的に簡略化されている。
リスク項目が大幅に再編され、「市場・事業環境」「ビジネスモデル」「収益・業績」「技術・サービス提供」といった分類のもと再構成された。新たにマーケットプレイス型サービス、テイクレート型モデル、プロダクト投資の回収期間長期化、サービスのスケーラビリティの各リスクが追加され、経済動向リスクには地政学的緊張・国際紛争・エネルギー価格高騰への言及が加わった。また、売上計上の期ずれリスクの影響度が「小」から「中」へ、品質リスクの顕在化可能性が「小」から「中」・影響度が「大」へ、技術革新・外注先リスク等の評価も引き上げられた。
国内外食事業の固定資産減損に関するKAMの対象は継続しており、有形・無形固定資産合計が14,779百万円から18,242百万円へ、うち外食事業関連が2,081百万円から2,224百万円へ、減損損失が162百万円から192百万円へ更新された。監査手続の記述は「資産グループ」から「店舗」への表現変更や、稟議書の閲覧・経営者等への質問の記載削除など一部が整理されたが、主要な手続の枠組みは同様である。
中期経営計画『Sustainable Growth 2024』について、従来の「新規施策を加え推進する」旨の記載に代えて、2026年4月14日に当初計画から経営目標数値を見直した旨が追記された。計画の前提とする情報・分析の時点も「策定当時」から「見直し時点」に改められた。
過年度の経営成績推移の表が1期分ずらされ、第44期(2021年2月期)が外れて第49期(2026年2月期)が追加された。第49期は売上高40,456百万円、営業利益1,142百万円、経常利益1,101百万円、期末店舗数471店(直営117店、FC354店)で、リスク文言自体に変更はない。
前文の将来に関する事項の判断時点の記載が、「当連結会計年度末現在」から「有価証券報告書提出日現在」に変更された。それ以外の前文の記載に変更はない。
当期より「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等を連結・個別ともに期首から適用する旨が新たに記載された。その他の包括利益に対する課税の計上区分に関する改正は経過的な取扱いに従っており、連結財務諸表及び財務諸表に与える影響はないと明記されている。
セグメント情報の対象期間の記載が、前連結会計年度(2023年3月〜2024年2月)・当連結会計年度(2024年3月〜2025年2月)から、前連結会計年度(2024年3月〜2025年2月)・当連結会計年度(2025年3月〜2026年2月)へ1年分更新された。内容の変更は年度表記の更新のみである。
需要予測に基づく仕入リスクの記述で、受注が需要予測を上回った場合の影響について表現が修正された。追加仕入が間に合わず「入荷が遅れるケースがある」旨が明記され、販売機会の喪失や別送費用の発生が「発生します」から「発生する可能性があります」へと断定を和らげる表現に変わった。リスクの内容や対策の記載に実質的な変更はない。
法的規制の列挙のうち、「下請代金支払遅延等防止法」が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に名称変更された。あわせて文章が段落分けされたのみで、リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
通信販売市場の動向に関するリスク記載で、「eコマース」が「EC」に表記変更され、読点の追加や「または」の削除といった軽微な文言調整が行われた。リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
棚卸資産(商品)の評価に関するKAMは継続し、商品の帳簿価額が2,154,633千円から2,746,567千円、簿価切下額が309,173千円から251,116千円へ更新された。あわせて、株式会社ロイヤル及び株式会社ロイヤルロジスティクスの取得(旧ロイヤルの民事再生に伴う企業結合、負ののれん発生益54百万円)に係る会計処理が新たなKAMとして追加された。商品評価の監査手続のうち、販売実績と販売見込みの比較および再計算に関する2項目は記載から無くなっている。
返品リスクの記載において、冒頭の経営理念の表記が「業界に革新を、お客さまに自由を」から「HAPPY FOR ALL」に変更された。返品受付の方針、返品コスト抑制の施策、業績への影響に関する記述は前年と同一である。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号、2022年改正)等を当事業年度の期首から適用する旨が新たに記載された。法人税等の計上区分に関する改正は経過的な取扱いに従っており、財務諸表への影響はないと記載されている。
ブランド事業の店舗固定資産に関するKAMでは、有形固定資産が10,267百万円から9,652百万円、減損損失が317百万円から256百万円に更新され、新たにブランド整理損の内訳として減損損失87百万円が追記された。また、羅針に関するKAMは、前年の取得価額の合理性・取得原価配分の適切性から、のれん・顧客関連資産・技術関連資産の評価の妥当性(減損認識要否の判断)へと検討対象が変更され、のれん7,650百万円等が計上されている。
前年に記載されていた「カントリーリスクについて」の項目が今年は削除された。前年はバングラデシュを中心とする海外生産拠点で政治・経済情勢の悪化、政変、治安悪化、テロ・戦争等により生産活動に問題が生じ、経営成績に影響する可能性を記載していた。
前年に記載されていた「為替リスクについて」の項目が削除された。前年は、海外生産商品における現地工場との直取引の比率上昇と、USドル建て決済により円ドル為替レートの変動が経営成績に影響を及ぼす可能性が記載されていた。
事業等のリスクに「(7) 地政学リスクについて(重要性:高)」が新規に追加された。海外生産拠点からの調達や海外取引先との取引を通じ、政情不安・紛争・制裁・関税等により調達遅延、物流停滞、コスト上昇、販売機会の逸失が生じ得ると記載し、調達先分散や情報モニタリング等の対応方針、管理体制、顕在化時の対応も示している。
事業等のリスクに「知的財産権に関するリスク」(重要性:中、主な対象会社は(株)エフ・ディ・シィ・プロダクツ)が新たに追加された。模倣品の流通や意匠権・商標権の侵害によるブランドイメージ・社会的信用の低下を懸念事項とし、権利取得・保護、市場やECサイトの監視、警告書送付や法的措置などの対応方針と管理体制を記載している。ブランド価値が毀損した場合は経営成績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があると記載している。
事業等のリスクとして「為替リスクについて(重要性:中)」の項目が新たに追加された。海外生産品の決済通貨が主に米ドルであり、円/米ドルの変動が仕入原価や為替差損益に影響すること、(株)羅針ではインバウンド需要が為替動向に左右されることが記載され、為替予約の実施や販売価格調整などの対応方針、管理体制、経営への影響が示されている。
従来は単一セグメントであった報告セグメントが、POON RESOURCES PTE. LTD.の連結子会社化により海外事業の重要性が増したことを受け、「国内事業」と「海外事業」の2区分に変更された。前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分で作成し開示している。
KAMの対象が「のれんの評価」から「年次の減損テストが要求されるのれんの評価並びに海外事業におけるのれん及び無形資産の識別」に拡大した。シンガポールのPOON RESOURCES PTE. LTD.の取得に伴う取得対価の配分(PPA)で識別された無形資産・のれんが新たに対象となり、海外向けの重要な仮定(営業利益率、永久成長率、売上高成長率)や取得関連の監査手続が追加された。のれんは38,354百万円から39,789百万円(総資産比36.0%)となり、前期にあった回収可能価額の超過額の記載は無くなった。
新たに「⑦海外情勢の変化」が追加され、ウクライナ・ロシア情勢や中東情勢等の地政学リスクによるエネルギー・仕入価格の高騰、調達難、外食需要の低迷、為替変動が経営成績に影響し得ると記載された。あわせて「単一業態」の表現が「喫茶店FC事業が主力事業」に改められ、内部通報窓口の名称と対象者(家族・業務委託者・取引先従業員等)が拡大された。
アパレル事業の説明で「リテール事業」が「リテール小売」という表現に変わった。また、前年にあった「ジュエリー事業」から「ブランド事業」へのセグメント名称変更に関する注記(セグメント情報への影響なし)が削除された。
ブランド事業の記載において、ブランド名の表記が「Canal 4°C」から「CANAL 4°C」へ変更された。また、(株)羅針の事業説明が「リユース販売事業」から「リユース販売」へ簡略化された。事業内容や構成に実質的な変更はない。
個人情報流出リスクの記載が、従来の短い一段落から「対象会社・リスク概要・対応方針・管理体制・発生時の対応・経営への影響」の6項目構成に大幅に拡充された。保有する個人情報の種類(会員、EC利用者、クレジット利用者、株主、従業員等)や漏洩原因(不正アクセス、マルウェア、委託先管理不備等)、サイバー保険への加入、保管年限管理、発生時の対応手順が具体的に追記され、影響として行政処分・訴訟や財務状況への重大な影響にも言及している。
感染症拡大リスクの記載が、従来の概要のみの短い記述から、主な対象会社、リスクの概要、対応方針・予防策、管理体制、発生時の対応、経営への影響の6項目に構造化され、大幅に詳細化された。対策(ガイドライン整備、代替調達先確保、EC強化など)や管理体制が新たに記載され、経営への影響も「重大な影響」と明記されたが、リスクの重要性は「高」のままである。
自然災害・事故リスクの記載が、従来の概要中心の1段落から、主な対象会社・リスク概要・対応方針(耐震・防災対策、BCP、保険加入等)・管理体制(年2回の合同防災訓練、安否確認システム、緊急対策本部)・発生時の対応・経営への影響という6項目構成に拡充された。リスクの重要性「高」や基本的なリスク認識は変わらず、対策・体制に関する記述が主に追加され、経営への影響として売上高減少や復旧費用・在庫評価損の発生に言及している。