事業等のリスク「(3)主なリスク」の節が新規に記載され、倫理・法令違反、安全・環境事故、技術・品質、担い手不足、建設資材価格・労務単価の変動、国際情勢、長時間労働、受注・契約、建設市場動向、保有資産、サイバー、機密情報漏洩、自然災害・感染症、気候変動、法令改廃、金融市場変動など16項目のリスクが列挙されている。各項目について主な対応策・取組み、発生頻度、影響度(低〜高、中〜大等)が表形式で示されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
15138 件(196 ページ目)
リスクの影響度と発生頻度の評価方法に関する項目が新たに追加された。「経営への影響度」と「発生頻度」の二軸で構成するリスクマップを、主管部門の評価に基づき作成・更新していること、および各軸の評価の観点(人的被害・財物損害・信用失墜・利益損失・賠償責任、毎年・数年ごと・10年に一度など)が記載されている。
事業等のリスク節に「リスク管理体制及び管理プロセス」の項目が新規に記載された。社長を委員長とするリスク管理委員会の下で、リスク評価・リスクマップ作成、「主なリスク」の抽出、「重点リスク管理項目」の選定、リスク発現時の対応、年2回のモニタリングと取締役会への報告というPDCAプロセスを説明している。特定の新規リスク事象の追加ではなく、管理体制の説明の追加である。
「事業等のリスク」の前文から、リスク管理体制及び管理プロセス(リスク管理委員会によるPDCA、リスクマップの作成方法)、リスクの影響度と発生頻度の評価方法、主なリスクの位置づけに関する説明部分が削除され、リスクの定義と3つの観点のみが残っている。個別リスクの内容そのものに関する記載の変更は、この項目からは確認できない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当期の記載では削除されている。前期の記載では、適用による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントが「損害保険事業」「ペット向けインターネットサービス事業」の2区分から、新たに「動物病院運営事業」「健康イノベーション事業」を加えた4区分に変更された。両事業は従来「ペット向けインターネットサービス事業」及び「その他」に含まれていたが、質的な重要性が高まったため独立して記載する方法に変更され、前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分で作成されている。
前年に記載されていた「新ソルベンシー制度に向けた取り組み」の項目が削除された。同項目では、2025年度末からの経済価値ベースのソルベンシー規制導入、ペット保険区分の追加によるリスク係数の27%から15%への引き下げ、ソルベンシー指標の改善への期待、ORSAの推進が記載されていた。
定量リスク管理の(a)内部モデルによるソルベンシー評価の記載が書き換えられた。前年は「ペット保険」区分が法定ソルベンシー・マージン比率のリスク係数に存在せず比率が低めに算出されるとの認識と、2017年度からの内部モデル作成の経緯を記載していたが、今年はこれらが削除され、実績等に基づく内部モデルによるリスク量・自己資本等の計測と、リスク分析を踏まえた高度化を進めるとの簡潔な記述になった。その他の項目は実質的に変更がない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年度では削除された。前年度の記載は連結・個別とも財務諸表への影響はないとするもので、適用初年度の開示が終了したものである。
監査上の主要な検討事項(KAM)における正味売却価額の見積りの評価手続が変更された。前年にあった取引事例に基づく比準価格の関連性・補正の評価手続が削除され、新たに監査法人が利用する不動産鑑定の専門家を関与させ、外部専門家の鑑定評価額の算定根拠をレビューする手続が追加された。
美鈴紙業株式会社の固定資産の減損に関するKAMの見出しが「減損損失の測定」に変更された。前年は減損損失1,637百万円を計上した旨が記載されていたが、当年は減損の兆候を識別したものの正味売却価額が帳簿価額を上回るため減損損失の計上は不要と判断した旨に変わった。有形固定資産は100,554百万円から97,963百万円、総資産比は26.8%から26.0%に更新され、不動産鑑定評価の主要な仮定(土地の比準価格、建物の再調達原価)の記載が追加された。
「その他のリスク」の節が全体として削除された。前年に記載されていた法的規制、カントリーリスク、資金調達、為替変動、気候変動・自然災害、投資有価証券の価格変動、IT・セキュリティ、訴訟、人材確保・労務、人権問題の各リスクが、当該節の記載としては見られなくなっている。他の節へ移動・再編された可能性があるが、この比較対象内では確認できない。
主要なリスクの構成が大きく再編され、自然災害・海外安全(戦争・テロ等)・設備の火災爆発事故・人材関連・IT/セキュリティの5項目が「特に重要なリスク」として新設され、アセスメントで対策度に課題ありと判定された旨と見直し対応が記載された。従来の需要減少・不動産・仕入先方針変更・代理店機能低下は「重要なリスク」に区分され、取引先の信用リスクや物流機能・事業投資・減損関連の独立項目は見えなくなり、カントリーリスクが追加された。環境原材料での事業停止・拠点売却統廃合、不動産賃料転嫁の困難性、王子製紙系の仕入比率(45.6%→44.8%)なども更新されている。
リスクの特定に関する項目が新たに追加された。当社及び国内・海外の全グループ会社を対象に、約130項目の評価項目を用いて影響度と発生可能性の二軸でリスク度を評価し、対策度も考慮して優先的に取り組むべき課題を抽出するリスクアセスメントを実施している旨が記載されている。
リスク管理体制に関する項目が新たに追加された。サステナビリティ戦略会議がリスク管理の年間活動計画を承認し四半期ごとに進捗を確認すること、取締役会へ毎年報告し取締役会が監督すること、管理本部長を委員長とするリスク管理委員会がリスクの洗い出し・分析・評価・優先順位づけ・施策策定を行うことが記載されている。
事業等のリスクの節に、リスクマネジメントに関する基本的な考え方の項目が新たに記載された。リスクマネジメントを経営の重要課題と位置づけ、リスクの影響度と発生可能性を把握し、顕在化の未然防止策と顕在化時の対応体制の構築を進める旨が述べられている。特定のリスク事象への言及はなく、取組方針の説明である。
事業等のリスクの前文について、前年にあった導入文(重要な影響を与える可能性のある主要リスクの説明、「特に重要なリスク」「その他のリスク」の区分、将来に関する事項の判断時点と予見できないリスクの留意事項)が、今年は見出しのみとなり削除された。リスク項目自体の記載変更は、この前文の範囲では確認できない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当期は削除されている。前期の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
貸倒引当金の算定に関するKAMについて、貸出金残高(566,430→593,737百万円)と貸倒引当金(2,582→2,783百万円)の数値が更新された。また、従来の債務者区分判定の妥当性に加え、毀損実績の増加傾向を踏まえた予想損失額算定上の「必要な修正」の仮定の合理性が新たにKAMの対象に追加され、対応する監査手続や内部統制評価も追記された。担当部署名も営業店・リスク管理本部融資グループから営業関連部署・資産監査部署へ変更された。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当期では削除されている。前期の記載では連結財務諸表・財務諸表に与える影響はないとされていた。
国際的な事業活動に係るリスクの項目に、移転価格税制等の各国・地域の税法への対応に関する段落が追加された。税務当局との適用税法等の解釈に相違が生じた場合、追加の税負担が生じる可能性があると記載されている。既存の記載内容に変更はない。
「海外子会社」セグメントに属する溶射加工の実施会社として、従来の4社(東華隆(中国)、東賀隆(中国)、漢泰国際電子(台湾)、TOCALO USA(米国))に加え、TOCALO USA-Arizona LLC(米国)が新たに記載された。報告セグメントの区分(溶射加工(単体)、国内子会社、海外子会社の3区分)や決定方法、その他の記載内容に変更はない。
東京エレクトロン株式会社グループへの販売依存度の記載が、2025年3月期の27.2%から2026年3月期の26.6%に更新された。依存度は引き続き高水準とされ、同社グループの生産動向や受注動向が業績に影響を与える可能性があるというリスク認識の文言に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当年度では削除された。前年度の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
中期経営課題が「プロジェクト AP-G 2025」から「IGNITION 2028」に更新され、グローバル事業展開リスクでは米中対立中心の記述から、紛争・政情不安・輸出管理規制・経済制裁違反認定など地政学・経済安全保障リスクの具体例が拡充され、海外危機管理委員会や有事対応訓練への言及が追加された。環境リスクには生物多様性・自然資本・生態系破壊が加わり、環境・人材・内部統制の対応記述は他章参照や新たな取組(ネイチャーポジティブ、内部監査の高度化等)に書き換えられた。
優先対応リスクの対象期が第6期(2023-2025年度)から第7期(2026-2028年度)に更新された。「戦争危険を踏まえた危機対応リスク」の項目が削除され、新たに「サイバー攻撃による事業活動停止リスク」が優先対応リスクとして追加された。製品供給途絶リスクは引き続き対象で、在庫備蓄化などの低減策の実績とグループ全体での対策拡充が追記された。
減損会計の項目で、前年は「主要な資産に減損の検討が必要となるものはない」としていたが、今年は子会社の福井ヨドコウ(株)が保有する稼働の目途が立たない資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失205百万円を特別損失に計上した旨が追記された。その他は「キャッシュフロー」から「キャッシュ・フロー」への表記変更と年度の更新にとどまる。
鉄鋼市況リスクに、中東情勢の緊迫化が副原料である塗料・シンナーの価格や供給に影響し得るとの具体的記述が追加され、影響期間も2027年3月期以降に更新された。為替の記述は円高から円安への推移に書き換えられ、気候変動ではCO2排出量の2030年度削減目標が2013年度比30%から46%へ引き上げられた。その他、感染症の影響に関する表現の更新や環境宣言・管理システム名称の変更がある。
優先対応リスクの洗い出し・評価が2022年の第6期から2025年の第7期に更新され、対象とする中期経営課題の期間も2023~2025年度から2026~2028年度に変わった。網羅的に整理したリスク項目数は118項目から110項目に減少し、アンケートの目的記述が簡素化され、各事業本部が個別に対処すべきリスクを設定する旨の記載が削除された。
リスクマネジメント体制の説明文の更新。海外危機管理委員会等の役割に有事の際の社員の安全確保対応が追加され、「優先対応リスク」の設定基準が「潜在リスク度(発生確率×影響度)の高いもの」から「影響度及び切迫度が高く全社的な対応が必要と判断したもの」に変更された。その他は表現の微修正にとどまる。
事業等のリスク前文の冒頭の記述が変更された。「大規模自然災害の増加、軍事侵攻や経済安全保障といった地政学リスク」から「気候変動がもたらす異常気象の増加や、国家間の武力衝突、政治・経済領域における対立といった地政学リスク」へと表現が改められ、気候変動への言及が加わった。リスク管理体制や以降の段落の記載に変更はない。
KAMのうち「将来の補修単価の検討」における監査手続の記載が一部変更された。「利用可能な外部情報の閲覧」と「見直しの要否の検討」という文言が削除され、前期引当金算定時の補修単価との比較が明示された。期間表記も「当期」から「当連結会計年度」へ改められた。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「将来の不具合発生面積の検討」の監査手続の記載で、「当期」「前期」が「当連結会計年度」「前連結会計年度」に表記変更された。手続の内容や検討対象に変更は見られない。
KAMの「状況変化の有無の検討」の記載が修正された。前年は不具合の内容等について前期と比較して重要な変更がないことを確認したと記載していたが、今年は当連結会計年度に判明した不具合を対象に、前連結会計年度からの重要な状況変化の有無を検討したという表現に改められ、対象に「生産時期」の記載が無くなっている。
法的規制に関する本文の趣旨は変わらず、免許・許認可の一覧表が更新された。宅地建物取引業者免許にサンフロンティア佐渡(株)が、特定建設業許可に大竹建窓(株)と多摩ケンソー工業(株)が、一般建設業許可に(株)城南ケンソー、多摩ケンソー工業(株)、(株)アローが追加され、SFビルメンテナンス(株)の許可業種から一部工種が減り、登録電気工事事業者許可の有効期間が2025年10月3日から2030年10月2日に更新された。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年度は削除された。前年度の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
繰延税金資産の項目で、当連結会計年度末の計上額(評価性引当額控除後)が9億7千4百万円から7億9千1百万円に更新された。将来所得の減少等に伴い多額の評価性引当額が発生し得るとのリスク文言自体は変更されていない。
保有する市場価格のない株式等以外の株式について、取得原価が25億3千5百万円から25億9百万円へ、連結貸借対照表計上額(時価)が77億1百万円から111億1千6百万円へ、評価差額(評価益)が51億6千5百万円から86億6百万円へと数値が更新された。リスクの内容や保有目的に関する記述に変更はない。
KAMのうち「棚卸資産の評価」が削除され、新たに「売店売上における収益認識」(複数システム間のデータ連携や手入力処理の正確性)が追加された。東京国際空港ターミナルの繰延税金資産の回収可能性は継続しており、金額(28,547→29,299百万円、繰越欠損金分12,938→14,217百万円)と業績・旅客者数の表現が更新された。
優先リスク18項目の特定・更新年度が2024年度から2025年度に更新され、各項目の対応策の記述が見直された。主な変更として、サイバーセキュリティのJAT-CSIRT体制の記述がクラウド化基盤整備や人的対策に置き換わり、グループガバナンス項目が「機能不全・コンプライアンス意識の欠如」に改称され内部統制基本方針の改定や主管部の指定が加わった。投資案件では新たに投融資委員会を設置する旨が追記され、特別調査委員会の報告書に基づく再発防止策の記載は「第2.事業の状況」参照へ変更された。
前年は、子会社の取引先選定を巡る不適切対応により2025年5月に国土交通省から厳重注意(行政指導)を受けた旨が記載され、再発防止に全力で取り組むとしていた。今年はこの行政指導の具体的記載が無くなり、再発防止策に基づく施策を推進してきたこと、整備した制度・体制を監査等委員会と取締役会がモニタリングしコンプライアンス強化に努めることへ記述が変わり、主な取り組みは「対処すべき課題」を参照する形となった。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記(連結・個別とも)が、当期の記載では削除されている。前期の記載上、当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制評価の導入文が、「評価にあたっては、特に以下に焦点を当てた」から「関連し、主に以下の内部統制の整備状況及び運用状況の評価を行った」へと言い換えられた。列挙された2つの統制(作業完了証明書の承認統制、工番データと試算表の照合統制)の内容に変更はない。
建物設備工事売上のKAMの数値が24,608百万円(連結売上高の38%)から27,596百万円(同40%)に更新された。あわせて、売上計上の主な会社の記載から連結子会社の株式会社日本空調北陸が除かれ、監査手続の対象が日本空調サービス株式会社のみとなり、作業完了予定時期の表現も「3月」から「第4四半期」に変わった。KAMの対象事項(売上の期間帰属の適切性)自体は同一である。
対策として記載されている拠点展開の範囲が、「日本全国及び海外6ヵ国」から「日本全国及びアジア地域」へと表現が変更された。リスク項目(入札制度参加資格条件の変更、指定管理者制度に伴う競争激化)自体の記載に変更はない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当期の記載では削除されている。前期の注記では、法人税等の計上区分(損益・株主資本・その他の包括利益等)の見直しと、期首残高への影響はない旨が記載されていた。
前年に記載されていた「個人情報の取り扱いについて」のリスク項目(直営店舗等の顧客の個人情報の流出による社会的信用の低下や損害賠償責任が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性)が、今年は記載されていない。
国際情勢リスクの記載で、従来の具体的な紛争事例(ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル戦争、中台関係)が「国際情勢の不安定化や米国の関税政策の強化」に置き換わった。あわせて、販売価格への転嫁が困難となる事態が想定事象に加わり、調達ルート分散化、拠点再編による生産効率向上、デジタル活用を通じた対応方針の記述が追加された。
需要低下の要因の記載が、ファッショントレンドや短期的な嗜好の変化から、ワークスタイルの多様化・カジュアル化といった構造的変化と、物価上昇に伴う節約志向の継続に変更された。あわせて、マーケティング機能の強化、デジタルデータを活用した需給予測の適正化、EC・ライフスタイルカテゴリーへの戦略投資といった対応策の記述が新たに追加された。
資金調達・金利変動のリスクの記載は、段落分けの解消と「対応策として」の語句削除、「および」から「及び」への表記変更など、文章表現の整理にとどまる。財務制限条項への抵触リスクや信用力低下による資金調達への影響、手元流動性の確保といった内容に実質的な変更はない。