前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の項目が、今年度の報告書では記載されていない。前年度は適用により期首の利益剰余金が59,330百万円増加し、その他有価証券評価差額金が同額減少した旨が記載されていた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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情報セキュリティのリスク記載のうち、対策に関する部分が書き換えられた。前年はファイアウォール設置、アンチウイルスソフト導入、外部接続の制限、従業員教育に言及していたが、今年は横断的なセキュリティ管理体制の整備、システム面の強化、従業員教育という表現に改められた。リスク内容自体の記載に変更はない。
製造物責任リスクの記載において、加入している保険の名称が「製造物責任賠償保険」から「生産物賠償責任保険」に変更されました。その他のリスク内容や業績への影響に関する記述に変更はありません。
「自然災害、事故、パンデミック」の項目から、従業員に新型コロナウイルスのような感染症が拡大した場合に一時的に操業を停止する可能性があるとの記述と、感染予防・感染拡大防止の管理体制を構築しているとの記述が削除された。大規模災害やパンデミック等による生産停止・調達遅延等のリスク記載およびBCP策定の取組は維持されている。
Ha Tay Pharmaceutical社に係るKAMが、前期の「のれんの減損要否」から、暫定会計処理の確定に伴う取得原価配分の見直し(のれん4,361百万円が1,749百万円減少し2,611百万円)と無形資産評価を中心とする「株式取得に係るのれんの評価」に変更された。前期に記載されていた12,483百万円の減損損失への言及はなくなり、新たに持分法適用関連会社FTS Ambrose Holdings, Inc.及びTomodachi I.P. Holdings Inc.のれん相当額の評価が別のKAMとして追加された。
海外に関するリスクの項目に、ベトナムに製造拠点を有するHataphar社をはじめとする海外子会社・提携企業との製造・供給体制構築に関する記述が追加された。現地の政治・経済情勢、規制動向、為替変動に加え、地政学的リスクや各国の政策変更が生産活動やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性が新たに明記された。
製造・安定供給リスクに、原材料やエネルギー(石油化学製品・ナフサ等)の需給や国際情勢の影響を受け、供給逼迫・価格高騰・サプライチェーン寸断により製造コスト上昇や調達遅延が生じ得るとの記載が追加された。現時点で重大な影響はないとしつつ、調達先の分散や在庫管理の適正化などの対応策も新たに記載されている。
情報セキュリティリスクの項目に、EDR導入やネットワーク強化などのサイバーセキュリティ対策、DX推進の一環としての体制整備、経済産業省のDX認定取得に関する記述が追加された。あわせて、サイバー攻撃の高度化・巧妙化により対策にもかかわらず障害や情報漏洩が発生しうる旨の記載も加わった。既存のリスク記載自体は変更されていない。
事業等のリスクに「(16)地政学的リスク」の項目が新規に追加された。特定地域の政治的・軍事的緊張が、サプライチェーンの海外駐在員や出張中の従業員に危険をもたらす可能性を挙げ、中国出張者への反スパイ法に関する事前レクチャーの実施や、近隣国での有事の際の周辺工事従事者の安全確保の検討を対策として記載している。
事業等のリスクに「(15)サイバーリスク」が新設された。サイバー攻撃やシステム障害による業務の遅延・停滞や対応コストが業績に影響し得ると記載し、対策としてEDRの全端末導入と常時監視体制、情報の重要性に応じた複数のバックアップ手段を挙げている。
事業リスクとして「(14)人材確保・育成に関するリスク」が新たに追加された。事業量の拡大を支える専門人材やリーダーを確保・育成できない場合に業績へ影響する可能性が記載され、対応として計画的な新卒採用、キャリア採用、ジョブ・リターン制度、DE&I施策による定着促進が挙げられている。
人権リスクの記載で、対応実績の記述が更新された。2024年度の取組に代えて2025年度のモニタリング実施(当社グループ、主な協力会社・資材納入会社を対象)が記載され、2023年度のモニタリングは「実施」から「開始」へ表現が改められた。リスク内容や今後の方針に実質的な変更はない。
為替相場変動リスクの記載に金利上昇リスクが加わり、「東南アジアを中心として海外で事業を展開している」という前提の記述は削除された。金利上昇への対応として、中長期資金の早期調達や、短期資金の調達を最小限に抑えて支払利息を低減する方針が新たに記載された。為替ヘッジに関する記述は前年と同じである。
前期の有価証券報告書に記載されていた、法人税等に関する会計基準(企業会計基準第27号)、包括利益の表示に関する会計基準(第25号)および税効果会計に係る適用指針(適用指針第28号)の期首適用に関する記載が、当期は削除されている。前期の記載では連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
ユーヤンサン・インターナショナル社の企業結合に関するKAMの内容が、前年の「のれんの計上額・償却期間(20年)の妥当性」から、取得原価配分の確定に伴う「商標権の時価評価」へと変更された。暫定算定ののれん44,792百万円が12,533百万円減少して32,258百万円となり、商標権が26,527百万円増加、繰延税金負債・非支配株主持分も増加した。監査対応も、ロイヤリティ免除法における売上高成長率・ロイヤリティ料率・割引率の検討等に置き換わり、インターステム社に関するKAMは数値の更新のみである。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「ユーヤンサン・インターナショナル社の株式取得により計上されたのれんの金額と償却期間の合理性」から、今年は「同社の取得に伴う商標権の測定」に変更された。同一の買収案件に関する検討事項だが、論点がのれんから商標権の測定へ移っている。
事業等のリスクから「(12) その他の外部要因」の項目が削除された。前年は冷夏・暖冬・花粉飛散量等の季節要因による出荷・返品の増減や、競合環境下での想定を上回る市場価格の低下が業績等に影響し得る旨と、記載以外にもリスクがある旨の注記が記載されていた。
前年に記載されていた「(11) 気候変動等の社会的課題への対応に関するリスク」の項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、気候変動に伴う原材料・燃料の高騰による原価上昇の可能性や、サステナビリティ関連ニーズへの対応に伴う開発費用増加の可能性を記載していた。
前年に記載されていた「為替、株価、金利の変動」のリスク項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、為替レートの変動や、時価のある有価証券・有利子負債の保有に伴う株価・金利の動向が業績や財政状態に影響を及ぼす可能性が記載されていた。
前年に記載されていた「(9) 自然災害等」のリスク項目(本社工場・上野工場等での生産や中央物流センター等からの出荷が、火災・地震その他の災害で操業停止となった場合に業績や財政状態に影響を及ぼす可能性)が、今年の記載では削除されている。他のリスク項目への統合や移動の有無は、この比較対象の記載からは確認できない。
前年に記載されていた「(6) 販売中止、製品回収等」のリスク項目(製品の欠陥、予期せぬ副作用、異物混入等による販売中止・製品回収が業績や財政状態に影響を及ぼす可能性)が、今年の事業等のリスクから削除されている。
前年に記載されていた「他社との提携解消」のリスク項目(共同開発・共同販売・製品導入・ライセンス製造販売等の提携が解消された場合に業績や財政状態に影響する可能性)が、今年は記載から削除された。代わりの記載は確認できない。
前年に記載されていた「特定の取引先への依存」のリスク項目が削除された。前年は得意先上位3社に売上高の33.4%が集中し、取引先の営業状況や倒産による貸倒れが業績に影響し得ると記載していたが、今年はこの記載がない。
事業等のリスクに「(10)人的資本確保・活用」の項目が新設された。少子高齢化や人材獲得競争の激化等により、研究開発・製造・品質保証・海外事業・デジタル領域などの必要人材を計画どおり確保・育成できない可能性や、労働環境・エンゲージメント対応が不十分な場合に生産性低下や人材流出を招き業績に影響しうる旨が記載されている。
情報セキュリティ・情報管理のリスク記載が具体化された。従来は情報漏洩と信用失墜への言及が中心だったが、サイバー攻撃、不正アクセス、自然災害、人的ミス、委託先の管理不備といった原因や、データ改ざん・業務中断、復旧費用・損害賠償・行政対応などの影響が新たに列挙された。一方、社内管理体制の整備や情報管理の充実に関する記述は削除された。
事業等のリスクに「(8)気候変動・環境」の項目が新規に追加された。自然災害の激甚化、原材料・エネルギー価格の上昇、環境規制の強化や炭素税の導入、冷夏・暖冬や花粉飛散量の変動による出荷・返品の増減、環境対応不足による社会的信用やブランド価値の低下が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
コンプライアンス・知的財産・訴訟のリスク記載が拡充され、役職員・グループ会社・取引先等による法令違反、贈収賄、横領、不正会計などの汚職行為、人権侵害、環境汚染の発生と、それに伴う行政処分、取引停止、社会的信用の低下の可能性が新たに明記された。知的財産権と訴訟に関する記載は維持され、訴訟の対象に取引・労務が加わった。
事業投資リスクの記載が、他社との提携・出資先の企業価値下落に関する内容から、研究開発投資が想定した成果に至らないリスクや、上市に至らない可能性へと拡充された。あわせて、設備投資・M&A・ライセンス契約等も対象に加え、投資損失、減損損失、開発遅延、販売機会の逸失などの具体的な影響が明記された。
事業等のリスクに「(4)市場環境・競争環境」の項目が新設された。消費者ニーズの変化、価格競争、新規参入、技術革新、流通構造の変化により競争環境が変化し、適切な商品開発・マーケティング・価格政策が実行できない場合に、売上減少、収益性低下、在庫評価への影響等が生じ得ると記載されている。
海外売上高比率が連結売上高の47.0%から51.0%に上昇し、記載が更新された。リスク要因として、従来の政治・経済状況の悪化と法規制変更に加え、為替変動、紛争・治安悪化、感染症の流行、商慣習の相違が追加され、販売・生産調達・投資回収への支障という影響範囲も明記された。
事業等のリスクに「(2)品質・製品安全」の項目が新たに追加された。医薬品・化粧品・機能性食品等における製品の欠陥、予期せぬ副作用、異物混入、表示・広告上の不適切な表現等が発生した場合に、販売中止、製品回収、行政処分、損害賠償、ブランド価値の毀損につながり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「生産・調達・サプライチェーン」の項目が新たに追加された。自然災害、パンデミック、地政学的リスク、原材料・エネルギー価格の高騰、サプライチェーンの操業停止等により製品の安定供給に支障が生じ、販売機会の逸失や復旧費用の発生を通じて業績・財政状態に影響する可能性が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、リコールを含む不具合対応に係る製品保証引当金の見積りから、繰延税金資産の回収可能性の評価に変更された。新たなKAMでは、欧州顧客向け自動車部品事業の連結子会社7社の譲渡に向けた基本合意に伴い、スケジューリング可能となった一時差異を含む繰延税金資産22,377百万円が対象とされ、将来課税所得の見積りに含まれる売上収益・変動費率・固定費の仮定が不確実性の高い判断事項として記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期の製品保証引当金(連結財政状態計算書上13,058百万円計上)に関する記載から、今期は「重要性がある会計方針(15) 法人所得税」に関する記載へ変更されている。KAMの対象項目が入れ替わったことが確認できる。
前期の監査上の主要な検討事項(KAM)であった「フランス子会社の『自動車』セグメントにおけるリストラクチャリング引当金の計上の合理性」と「リコールを含む不具合対応に係る製品保証引当金の見積り」の記載が削除された。代わって、今期は「繰延税金資産の回収可能性の評価」がKAMとして記載されている。
最重点リスクの構成が入れ替わり、前年の「デジタル化加速」「サステナビリティ開示法制化」「品質不正・データ改ざん」が最重点リスクから外れ、新たに「重要仕入先の経営悪化による供給途絶」と「支配権市場における信認低下(アクティビスト介入・敵対的買収提案等)」が加わった。また最重点リスクの管理について2点の充足基準を設けて管理レベルの妥当性を継続検証する旨が追記され、価格競争にパワートレーン構成の地域差、原材料調達に重要仕入先リスクの別管理の記載が追加された。トヨタ自動車向け取引割合は20.3%から21.2%、海外売上収益割合は60.8%から60.5%に更新された。
当連結会計年度より、組織構造の変更に伴い「エネルギー」「インダストリー」の各報告セグメントで集約する事業セグメントを変更し、前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分で開示する旨が追記された。あわせて各セグメントの主な製品・サービスの記載が組み替えられ、原子力関連や受変電、電気工事、空調設備工事などがエネルギーに、スマートメータがインダストリーに記載されている。
トップリスクの選定時点が2025年3月から2026年3月に更新され、一覧が再編された。国内金利上昇に国内外株価の下落が加わり、競争環境の激化に預金基盤の不安定化に伴う資金繰り・流動性リスクが追記された。災害に獣害が追加され、人材確保の困難は人的資本の低下へ、役職員の不祥事件は信頼感の喪失へと再整理され、金融犯罪やサイバー攻撃関連の記述も見直された。
気候変動リスクの項目名が「気候変動及び生物多様性に関するリスク」に変更され、TNFD提言への賛同表明と生物多様性に関するリスク管理の強化方針が追記された。そのほか、金融環境・競争環境の項目で異次元金融緩和解除への言及が「利上げ」「政策金利の上昇バイアス」といった表現に置き換えられ、人材確保や金融犯罪の項目も一部の文言が修正された。
インターステム株式会社に係るのれん等の減損の兆候に関するKAMで、監査手続の記載が一部変更された。研究開発の進捗確認の資料が「新たに治験が開始したことを示す資料」から「進行中の治験に関する委託先からの報告資料」に変わり、製造原価の予測では、製造工程・見積方法の理解から、前期と比較して重要な変更がないことの確認に改められた。KAMの対象事項と減損の兆候はないとの判断自体に変更はない。
法的規制・制度変更リスクの記載が拡充され、従来の「医薬品医療機器法等関連法規」から、食品関連法規、景品表示法、独占禁止法、個人情報保護法、環境関連法規、各国・地域の輸出入規制などが具体的に列挙された。また、製品開発・製造・販売・マーケティング活動への制約、規制対応費用の増加や販売機会の逸失による業績への影響が新たに明記された。
事業等のリスクの前文に、リスク・マネジメント体制の説明が追加された。リスク・コンプライアンス委員会が全社リスクを統括し取締役会へ報告すること、サステナビリティ委員会や情報セキュリティ管理委員会が個別領域を管轄すること、予防策や重大な不測の事態への対応体制が記載された。具体的なリスク項目自体の変更は含まれていない。
前年の有価証券報告書に記載されていた会計方針の変更(2022年改正会計基準等およびグローバル・ミニマム課税制度に関する実務対応報告第46号の適用)の項目が、今年は記載されていない。前年の記載ではいずれも連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当年度では削除された。前年度の記載では、連結・個別財務諸表ともに当該変更による影響はないとされていた。
KAMの対象が「要注意先のうち非保全額が多額な貸出先」から「非保全額が多額な貸出先」へと要注意先の限定なしの表現に変更された。貸出金は1,913,574百万円(総資産比約65.5%)から1,967,175百万円(約67.5%)へ、貸倒引当金は12,876百万円から11,697百万円へ更新された。監査手続では、のれんや入札情報に関する記載が削除され、創業赤字の貸出先に対する設備建造状況の観察や、破綻懸念先に関する手続が追加された。
投資有価証券の時価変動リスクの記載で、当連結会計年度末の投資有価証券残高が63,949百万円から76,739百万円へ更新された。リスクの内容や表現自体に変更はなく、数値の更新のみである。
KAM「商品(寄託在庫)の実在性及び網羅性」は継続して記載されている。商品計上額が21,177百万円(2025年3月末)から19,560百万円(2026年3月末)に、総資産比が24%から23%に更新され、残高減少の背景説明は削除された。監査手続は、日々の入出庫処理に関する内部統制評価が財経部選定の寄託先の棚卸に関する統制評価に差し替わり、残高確認は「確認手続もしくは在庫保管証明の利用」に表現が変更された。
メタルワンの持株比率(前年度は発行済株式総数の34.57%)の具体的な数値記載が削除され、大株主に該当する旨のみとなった。メタルワングループとの取引額は、販売が1,218百万円から962百万円、仕入及び加工が3,462百万円から3,168百万円へ減少し、取引合計は4,680百万円から4,131百万円となった。位置づけや人的関係の記述に変更はない。
不動産に対する減損のリスクの項目から、「現時点では事業用不動産に関し、減損の兆候はありません」という一文が削除された。減損損失の計上可能性や、資産価値低下が財政状態・経営成績に影響し得るという他の記載は前年と同じである。
与信リスクの記載から、「現時点で売掛債権等の回収に関して巨額な回収不能額が発生する兆候はありません」という趣旨の文言が削除された。取引限度枠管理規程に基づく与信管理や、取引先の信用悪化時の経営成績への影響、要注意先へのモニタリング強化といった他の記載は前年と同様である。