前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「のれんの評価」(のれん36,476百万円、永久成長率0.7%、割引率8.9%、減損テストに関する監査手続)が今年の記載から削除され、「システムインテグレーションの収益認識に関連する総原価の見積りの合理性」のみが残っている。同項目の本文は注記番号の表記の空白の違いを除き、実質的に同一である。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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特定業種への依存について、従来の国内金融機関への集中から非金融向け取引・コンサルティング売上の拡大による多様化が進んでいる旨の記述に改められた。技術革新のリスクには生成AIなど先端技術の進展や顧客の内製化の動きへの言及が追加され、中期経営計画は「中計2030 – Vision1000 -」(2027年3月期~2030年3月期、2026年4月公表)に更新された。一方、クロスフロンティア領域での高収益戦略に関する段落は削除され、全体に「重大な悪影響」から「悪影響」へと表現が弱められた箇所がある。
今年の有価証券報告書に「会計方針の変更」の項目が新たに記載されたが、内容は「該当事項はありません」とされており、実際の会計方針の変更は示されていない。前年は当該項目の記載自体がなかった。
新株予約権の行使による希薄化リスクの記載で、潜在株式数が2,667,350株から8,274,000株に、発行済株式総数が58,707,975株から237,045,100株に更新されました。潜在株式数の比率は4.5%から3.5%に低下しています。リスクの内容や文言自体に変更はありません。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載で、設計変更時の工事原価総額の再算定の基礎が「実行予算」から「工事原価総額の見積り」に表現変更された。評価の焦点とする統制の趣旨は同様で、実質的な内容変更は見られない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の注記では、連結・個別財務諸表への影響はないと記載されていた。
セグメント情報の記載に、2025年8月26日付の新設分割によりエムケー興産株式会社(新設)を連結範囲に含め「その他の事業」セグメントに加えたことが追記された。また、分割会社であるエムケー興産株式会社の全株式を当期中に譲渡して支配を喪失し、同社と子会社の長野リンデンプラザホテル株式会社を連結範囲から除外したこと、及び両社の売上高・セグメント損益は連結除外日までの実績を含めることが記載された。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等を当期首から適用する旨の会計方針変更が新たに記載された。連結・個別とも、その他の包括利益に対する課税区分や子会社株式売却損益の税務上の繰延べの取扱いに関する改正に対応しており、連結財務諸表・財務諸表への影響はないと明記されている。
サイバーセキュリティのリスク記載について、システム障害の影響に「事業継続への支障などを通じて」という経路が加わり、情報漏えいの影響に「社会的信用の低下等」が追記された。また、情報管理体制強化の取組が「当社グループは…実施しております」と実施主体と実施状況を明示する表現に改められた。リスクの本質的な内容に大きな変更はなく、主に表現の整理・具体化である。
自然災害等のリスク項目で、製造拠点等の設備被害の程度を示す「壊滅的な被害」が「被害」に改められ、感染症拡大時の影響要因である「市場低迷」が「需要の減少」に言い換えられた。リスクの構成や内容に実質的な追加・削除はなく、表現の調整にとどまる。
競合リスクの記載で、末尾の表現が「コスト競争力のアップが課題であると認識しております」から「コスト競争力の強化に取り組んでおります」に変更された。競合環境の厳しさや価格低減による業績への影響の可能性など、リスク内容自体に変更はない。
金利動向リスクの記載で、「借入金」が「借入」に表記変更され、有利子負債の圧縮について「一層進めていく所存」から「取り組んでおります」へと表現が改められた。市場金利上昇による業績影響の可能性という趣旨に変更はない。
原材料価格及び為替変動リスクの対応策に関する末尾の表現が、「カバーしていく考えであります」から「影響の低減に努めております」へ変更された。リスク内容や対策の具体策(調達先の見直し、生産合理化、コスト削減、価格転嫁)に変更はなく、表現上の修正にとどまる。
監査上の主要な検討事項(工事原価総額の見積りの合理性の評価)における監査手続の記載が3項目から2項目に再構成された。進捗会議資料の閲覧とプロジェクト管理者への質問が先頭に置かれ、積上げ計算の確認は金額的重要性により抽出した案件に限定され、稟議申請資料等の閲覧が追加された。前年にあった当初見積総原価と最新見積総原価との差異内容の検討に関する記載は削除された。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載で、評価対象が「実行予算の策定プロセス」から「実行予算の見積り」に関連する内部統制へと表現が変更された。見出しや他の記載内容に変更はない。
自然災害リスクの記載について、能登半島地震への対応の振返り部分が「行動基準・手順の作成や見直し」から「演習を通じた災害対応力の強化」と被災地支援の継続・実施基準の整備へと表現が改められた。また、2019年のレジリエンス認証取得に関する記述が削除され、IDCの説明のみが残った。リスクの内容や評価自体に実質的な変更はない。
知的財産権リスクの対策記述が変更された。「特許事務所との連携のもと」の調査が「事業活動に関わる、あるいは当企業集団が保有する知的財産権に関する調査」に改められ、「社員」は「従業員」に、「職務発明審議会において」の記載が削除された。リスク内容自体に変更はない。
海外事業のリスク項目で、ベトナムの現地子会社Aureole Expert Integrators Inc.の担う役割に内部統制が加わり、連携内容にもコンプライアンスの徹底が追記された。リスク顕在化時の対応体制についても、日本側が責任ある統制を行い、円滑かつ実効性を担保できる体制とする旨の表現が追加された。その他は文言の調整や、海外展開で培ったノウハウに言及する表現の追加にとどまる。
法的規制リスクの本文は、許認可取消事由が発生していない旨の記述に「事業活動を遂行するにあたり求められる各種」という限定が加わり、語尾表現が一部変更された。許認可一覧では、医薬品販売業許可と毒物劇物一般販売業登録の有効期限が2026年から2032年へ更新され、大阪市の毒物劇物一般販売業登録(2032年3月)が新たに追加された。
情報セキュリティのリスク記載で、当企業集団が営業秘密や従業員情報等を保有し様々なシステムを利用している点と、サイバー攻撃によるシステム停止も影響要因として明記された。対策面ではバックアップ環境の整備や復旧訓練の実施、事業継続計画の定期的な見直し、IDCの格付・認証を毎年の更新審査で維持している旨が追加・修正された。
前文において、事業継続力の向上により社会全体のレジリエンス向上を図るため、2019年3月にレジリエンス認証を取得し以後更新を継続している旨の記述が追加された。あわせて「捉えています」から「捉えております」への表現変更や、提出日の2025年6月16日から2026年6月11日への更新が行われている。リスク分類や分析手法自体に変更はない。
見出しは同一のまま、本文が上場時公募増資の資金使途変更リスクの記述から、子会社の株式会社ミラクル経理が開発するシステム・ソフトウェアの障害・不具合・データ漏洩リスクの記述に差し替えられた。長期のシステム停止等が発生した場合に社会的信用の低下や業績への重要な影響が生じ得ることと、品質管理・保守運用体制の強化に努める旨が記載されている。
システム・ソフトウェア開発に係るリスクの記載で、開発の位置づけが「AIを駆使したソフトウェアの自社開発を計画」から「子会社の株式会社ミラクル経理で経理DXに資するソフトウェア・システムの開発を進めている」に変更された。計画段階から子会社による開発の推進中へと表現が更新されたが、リスクの内容や発生可能性・影響度の評価に変更はない。
前年に記載されていた、2022年改正の法人税等に関する会計基準および税効果会計の適用指針の適用に伴う会計方針の変更に関する記載(連結・個別)が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響は軽微、または影響なしとされていた。
決済履行確保の枠組みの金額基準日が2025年3月末から2026年3月末に更新され、金利スワップ取引の第一階層決済保証準備金の上限が20億円から40億円に引き上げられた。また、有価証券・金融デリバティブ・コモディティ・デリバティブの清算預託金等の特定管理で損失が生じた場合に、特定管理損失準備金(72億円上限)で補填する制度が新たに記載された。PTSの運営主体からCboeジャパンが除かれ、現物取引の損失補償限度額合計は126億円から121億円に変更された。
KAMの2項目(収益認識に関するIT統制、ソフトウエア・同仮勘定の評価)は継続しつつ、数値と対象システムが更新された。取引関連収益は645億円から774億円、清算関連収益は344億円から542億円、営業収益に占める比率は61.0%から66.2%となり、株式売買システム「arrowhead」・「ToSTNeTシステム」のリプレース関連の記載・監査手続は削除され、翌期に予定される統合ネットワーク「arrownet」の更改への言及が追加された。ソフトウエアは325億円から254億円、ソフトウエア仮勘定は17億円から42億円となった。
システム面に関するリスクの項目で、取組の記述が更新された。前年にあった2020年10月1日の「arrowhead」障害への具体的な言及が削除され、「取組を推進しております」「継続的に取り組んでおります」という一般的な表現に改められた。リスクの内容や影響に関する記載に変更はない。
特定の取引先への依存の項目で、取引先名の表記が「トヨタ自動車株式会社」から「トヨタ自動車(株)」に変更されたのみです。売上高の5割程度が同社向けであること及び同社の販売動向が業績に影響し得るという内容に変更はありません。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針変更の記載が、当年度では削除されている。前年度の記載では、その他の包括利益に対する課税区分の改正は経過的取扱いに従い連結財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、「正味売却価額の合理性の評価」に関する監査手続の記載が今期は削除された。前期は、不動産鑑定評価の前提条件・適用手法の適合性と信頼性の確認、評価基準日から減損損失測定時点までの時点修正の合理性評価、固定資産情報と対象資産の整合性確認を実施していた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「(1)内部統制の評価」(減損損失の測定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性の評価)の項目が、今年は記載されていない。KAMの記載内容の一部が削除された。
当事業年度の期首から「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号、2022年改正会計基準)等を適用する会計方針の変更が新たに記載された。法人税等の計上区分の改正については経過的な取扱いに従っており、財務諸表への影響はないと記載されている。
東郷コールドセンター支店の有形固定資産の減損に関するKAMの対象は前年と同じで、有形固定資産残高が5,274,179千円(総資産の54.6%)から5,227,446千円(同53.0%)に、同支店分が2,299,458千円から2,182,768千円に更新された。前年は主要顧客向け営業収益の低迷に言及していたが今年は削除され、不動産鑑定評価の時点修正への言及もなくなった。今年は外部専門家の評価や評価の専門家の関与など具体的な監査手続が記載された。
トップリスクの選定時期が2025年3月から2026年3月の取締役会に更新され、リスク事象の構成が入れ替わった。「金利ある世界での競争激化」が「預金獲得競争の激化」に、「政治・地政学リスク」が「地政学リスクの深刻化」に整理され、新たに「人口減少、少子高齢化」と「金融犯罪の脅威」が追加された。一方、「与信関係費用増大」「人的・コンプライアンスリスク」は独立項目ではなくなり、内容が他項目やコンプライアンスリスクに再編されている。
ビジネス戦略が奏功しないリスクの要因例について、「日本銀行の政策金利引き上げ等に伴う預金の調達コスト上昇により貸出の利鞘が改善しないこと」が「貸出金について適切な利回りが確保できないこと」へと一般的な表現に改められた。また業務範囲の拡大に伴うリスクでは、2021年10月1日の持株会社体制への移行に関する記述が削除され、文末表現も整理された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年は、遡及適用により前期首の繰延税金資産が441百万円増加、繰延税金負債が232百万円減少し、利益剰余金が674百万円増加した旨が記載されていた。
需要変動の項で当連結会計年度の世界経済・自動車市場の動向(米中経済、半導体供給改善後のペントアップ需要の一巡)の記述が削除された。ブランド・イメージの項では、日野自動車・ダイハツ工業の認証不正や、当社の型式指定に関する不正・国土交通省の是正命令、再発防止報告書の提出に関する具体的記述が削除され、一般的な表現のみとなった。気候変動の項では物理的リスクの例示の並べ替えと参照節名の変更、人材の項では表記修正が行われた。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今期は削除された。前期は税金費用の計上区分変更により期首の繰越利益剰余金が73,903百万円増加し、損益計算書への影響は軽微と記載されていた。
許認可一覧から通関業(財務省・通関業法に基づく許可)が削除され、注記として2026年6月1日付の任意開示文書のとおり取消処分を受けたためと記載された。あわせて「事業運営上の支障を来すような状況は生じておりません」との記述が削除され、従業員数・パートナー社員等の人員数も2026年3月期末の数値に更新された。
報告セグメントが従来の3区分から4区分に変更され、ロジスティクス事業から国際航空・海上輸送や国際宅配便、通関代行等を切り出した「グローバル物流事業」が新設された。あわせて納品代行や館内配送を担う株式会社ワールドサプライがデリバリー事業からロジスティクス事業へ移管され、デリバリー事業にリアルコマースが追加された。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分に組替えて記載されている。
減損損失の認識に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の監査手続の記載が改訂された。資産グルーピングの妥当性検討、追加設備投資や海外事業の成長前提の検討が削除され、既存事業の成長(取扱量増加)を前提とする記載に整理された。新たに営業収益成長率と営業利益率へのストレスを掛けた感応度分析、同業他社との比較分析、インフレ率予測との比較による長期成長率の評価が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、株式会社C&Fロジホールディングスの取得に伴うのれん(64,691百万円、総資産の6.2%)から、Morrison Express Worldwide Corporationの取得に伴うのれんの評価に変更された。のれん計上額は145,562百万円(総資産の約11.8%)で、うちMorrison Express分が86,918百万円を占める。減損判定の前提は事業計画(5カ年)と長期成長率(対象地域のインフレ率)に基づくと記載されている。
デリバリー事業の連結営業収益比率が「7割程度」から「6割超」へ変更され、ロジスティクス・グローバル物流を2031年3月期までの長期ビジョンの重点事業とし、グローバル物流の営業収益6,000億円を目標とする記述が追加された。輸送トラブルでは、2026年3月期に取扱個数増加による一時集荷停止及び配送遅延が生じた事実と対策が新たに記載され、燃料価格では中東情勢の悪化への言及が加わった。また、関東ハブセンターの2026年7月稼働予定の記載や、防災サポート財団の公益財団法人移行の記載も追加された。
戦略リスクの構成が再編され、委託先を「パートナー企業」と表現し直したうえで、2025年8月設立のSDトランスライン株式会社を通じた支援策や「フリーエージェント制」・株式報酬制度(ESOP信託)の導入といった取組みが追記された。新たに「サイバー攻撃への対応強化」が独立項目として追加され、ガバナンス・コンプライアンスの項目は許認可に基づくリスク管理体制の高度化へ改められた。気候変動ではCO2がGHGに置き換わり、M&Aによる海外事業拡大を踏まえた対応の記述が加わった。
グループの戦略リスクの特定内容が変更された。前年は「国内外輸送ネットワークの強化」「人的資本投資」「ガバナンス・コンプライアンス」「気候変動」の4項目だったが、今年は「委託リスク」「人的資本リスク」「気候変動リスク」「法令違反リスク」に、事業全体のリスクとして「情報セキュリティリスク」が加わった5項目となった。
情報漏えいの項で、ランサムウェア等への備え、インターネット出入口対策、SGH-CSIRTの設置や日本シーサート協議会加盟といったサイバー攻撃対策の具体的記述が削除され、教育が「経営層も含めた全従業員」への「教育・訓練」と表現された。システムトラブルの項では「現時点で問題は生じておらず」の文言が削除された。その他は語句の整理が中心で、リスクの内容自体に大きな変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は無くなっている。前年の記載では、当該変更による連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
前年は物流センター在庫の評価方法を売価還元法から総平均法へ変更した旨(影響額は軽微、遡及適用なし)が記載されていたが、今年はこの記載が無くなり、「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用(連結・個別とも財務諸表への影響なし)の記載に置き換わっている。
重点対策リスクが4項目から5項目に再編され、前年の「自然災害・感染症の流行」が削除された一方、「中東情勢をはじめとする事業継続に対する危機事象」(地政学リスクによる原材料の調達困難・価格上昇)、「品質問題の発生」、「労働災害の発生」が新たに重点リスクとして掲げられた。システムダウン・情報漏洩や環境問題のリスク記述・対策も更新され、環境では近隣への環境影響が追加された。重点対策リスク以外のリスク(a〜j)は、eの冒頭表現が「当社グループは」から「当社グループの製品は」に変わった程度でほぼ同一。
前年に記載されていた、2022年改正会計基準等(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では連結・単体とも財務諸表への影響はないとされていた。