前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「(1)内部統制の評価」の記載が今年は無くなった。前年は、のれんの評価に関する内部統制として、事業計画書の承認統制や資金生成単位の決定・減損テストの実施統制について整備・運用状況の評価手続を実施した旨が記載されていた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)として「資金生成単位の変更に関する検討」が新たに記載された。2024年9月の組織変更及び資産の集約を踏まえた資金生成単位の識別の妥当性について、取締役会資料等の閲覧や経営管理者・事業責任者への質問、Geniee US・国内サプライ事業・Geniee Internationalの相互依存性の検討などの監査手続が示されている。
前年のKAMは、Zelto,Inc.に係るのれん(総資産の36.3%を占める)の評価で、米国市況の減退等による収益単価の回復の遅れを背景に減損テストを実施した内容であった。今年は、Geniee USを含む国内サプライ事業・Geniee International・Geniee USを統合した「グローバルサプライ事業」への資金生成単位の変更と、のれん9,287,437千円の再配分の合理性に関するKAMに差し替わっている。減損の兆候や使用価値の仮定に関する記載は無くなり、経営者の判断の対象が組織再編に伴う資金生成単位の識別に変わっている。
システムリスクの記載に、セキュリティ監視体制の整備、クラウド計算資源等の不正利用、追加的なクラウド利用料や原因調査・再発防止策の費用負担への言及が追加された。また新規項目として「⑧代表取締役について」(代表取締役社長がJAPAN AI株式会社の業務に専念するため当社代表取締役を辞任し代表権のない取締役となる可能性、影響度:中)と「⑨優先株式について」(みずほ銀行向け優先株式10,000,000株、普通株式との交換で最大議決権数42,872個の希薄化の可能性、影響度:中)が追加された。
前年の有価証券報告書にあった「会計方針の変更」の項目(「該当事項はありません。」との記載のみ)が、今年は記載されていない。実質的な会計方針の変更内容が削除されたものではなく、該当事項なしの記載が省略された形である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準等)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年では削除された。前年の記載では、連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が「HRD事業に係る売上高の期間帰属の適切性」から「ライセンス取引に係る収益認識」へ変更された。新たなKAMでは、国内売上664,224千円のうちライセンス売上が143,330千円(21.5%)を占め、当期開始の大型案件について、ライセンスの性質の判断や取引の実在性・回収状況の検討が求められる点が記載されている。「継続企業の前提に関する重要な不確実性」への言及は前年同様に維持されている。
継続企業の前提に関する重要事象等の記載が更新され、当期の営業損失は393,918千円から70,733千円、親会社株主に帰属する当期純損失は386,041千円から140,227千円へと縮小し、売上高は回復傾向と記載された。新たに2025年7月25日の取締役会決議に基づく第三者割当による新株式及び第3回新株予約権の発行と払込完了による財務体質強化・資金繰り安定化、及び新ビジョン『L×ETC構想』が追記された。一方で、重要な不確実性が存在するとの認識は維持され、「複数の外部支援候補者との協議継続」「新型コロナ影響からの回復に時間を要している」等の記載は削除された。
監査法人が「海南監査法人」から「あおい監査法人」に変わりました。
前年度の有価証券報告書に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年度では記載されていない。前年度の記載では、この適用による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントの区分が、4つ(ニッケル・不動産・教育・その他)に「スマートDXソリューション事業」を加えた5つから、2025年7月に新規立ち上げした「クリプトアセット事業」を加えた6つへ変更された。リフォーム関連事業の売却に関する記載は維持され、参照期間のみ「前連結会計年度」から「前中間連結会計期間」に変わった。
報告セグメントが5つから6つに増え、ビットコインの取得・運用を行う「クリプトアセット事業」が新設された。一方で、教育事業は2026年3月に大阪本社ビルを売却して撤退し、スマートDXソリューション事業は2025年12月31日付で廃止されたと記載が改められた。
継続企業の前提に関するKAMで、営業損失が292,075千円から146,089千円へ縮小し、前年にあったマイナスの営業キャッシュ・フローの記載が無くなった。改善策は子会社株式の売却から保有不動産の売却等と第三者割当増資に変わり、期末保有資産は現金及び預金1,502百万円、預け金418百万円、暗号資産3,136百万円となった。結論(注記不要)は前年と同じで、監査手続の内容も変更されていない。
継続企業の前提に関する重要事象等の記載が1年分更新され、営業損失の要因が「中国経済の停滞」から「中東情勢の悪化」に変わった。資金確保の手段は前期の子会社株式売却から、保有不動産の売却等および第三者割当増資に変わっており、現預金の具体額の記載は削除された。重要な不確実性は認められず注記不要との結論は前年と同じである。
前年は長期借入金92,616千円に財務制限条項が付されている旨を記載していたが、今年は現時点で財務制限条項が付された借入れはない旨に改め、今後新たに付される可能性がある場合の一般的なリスク記述に変更された。抵触時に利率上昇や期限の利益喪失の可能性がある点は引き続き記載されている。
監査上の主要な検討事項(減損・繰延税金資産)の対象は前年と同じで、数値が更新された。有形固定資産は2,404,848千円から2,434,606千円、総資産比は59.6%から53.7%となり、営業施設数は61から78に増加し、前年は減損損失なしだったが当期はウェルネス事業で19,926千円を計上した。繰延税金資産の項では、前年にあった繰越欠損金の発生要因を評価する監査手続の記載が削除された。
異常気象・自然災害リスクの記載で、前年にあった「新型感染症の流行」や「従業員の稼働率低下」への言及が削除され、対象が天災地変による大規模災害に絞られた。また影響の表現が「影響を及ぼす可能性」から「重大な影響を及ぼす可能性」へ強められ、BCP策定などの対策の記述は維持されている。
前年に記載されていた「報告セグメントの変更等に関する事項」が削除された。前年は、引越移転・施工に関する運送業務を「貨物自動車運送事業」から「その他事業」の引越移転事業・施工関連事業へ区分変更した旨を記載していたが、当年は報告セグメントの定義と3事業の説明のみとなっている。
環境・気候変動リスクの記載が書き換えられ、従来あった異常気象による物流網の混乱や施設損壊への言及が削除された。代わりに、設備・車両の新設・更新時に環境規制対応設備の導入に努めている旨の取組記述が加わり、リスクは環境規制の急激な強化に伴う追加投資の必要性に絞られた。社会的信用低下や得意先評価への懸念、経営成績等への影響の可能性は維持されている。
情報セキュリティのリスク記載について、取扱情報の表現を「顧客情報や取引情報」から「得意先関連情報」に改め、対策としてペネトレーションテストによる脆弱性対策や標的型攻撃訓練を具体的に追記した。リスク認識の表現も「高度化するサイバー攻撃」「重大な支障」へと強まり、影響の記述は「信頼の毀損」から「社会的信用の失墜」に変わっている。
金利上昇リスクの項目で、悪影響の及ぶ対象が「業績及び財政状況」から「経営成績および財政状態等」へと表現が変更された。借入による資金調達や有利子負債圧縮の取組など、リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
為替レート変動リスクの記載で、海外の所在地別売上高比率の対象年度が更新され、2024年3月期13.3%・2025年3月期13.6%から、2025年3月期13.6%・2026年3月期12.2%に変わった。リスク内容を説明する文言自体に変更はない。
エネルギーコスト変動への対応策の記述が更新された。「運送の効率化、エコドライブの推進、LED照明設備の導入」から「輸送におけるエコドライブの推進や倉庫・施設における省エネ設備の導入による物流の効率化・最適化」へと表現が改められ、文の構成も整理された。リスクの内容や影響の評価に変更はない。
人財の確保・育成リスクの記載が全面的に書き換えられ、従来の貨物自動車運送・センター事業の労働集約性や労務費上昇の懸念から、少子高齢化による労働力人口の減少、人財獲得競争の激化によるコスト増加へと焦点が移った。対策として、リーダー層育成のための教育研修制度の拡充、物流DXの活用、エンゲージメント向上に向けた環境整備などが記載された。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年度は削除されている。前年度の記載では連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
前年は見出しが会計年度の表示のみだったのに対し、今年はセグメントの区分方法と事業内容の説明が記載された。従来の「コミュニケーション・プラットフォーム関連事業」の単一セグメントに、当期に新たに開始した「AIデータセンター関連事業」が報告セグメントとして追加され、2セグメント体制となった。
前年の監査報告書にあった、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況の解消に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の記載が、当年は存在しない。前年は営業利益の計上と第三者割当増資による約11.8億円の資本増加を受け、疑義が解消したとして継続企業の前提に関する注記を不要と判断していた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、AIデータセンター関連事業の商品販売に関する収益認識が新たに記載された。同事業の商品販売売上高107,103千円は連結売上高960,000千円に対し金額的に重要であり、期末日計上のため期間帰属や計上金額の誤りのリスクがあるとされ、内部統制の評価、契約書・物流資料の閲覧、売上債権の残高確認などの監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、AIデータセンター関連事業の収益認識に関する項目が新たに記載された。国内販売は出荷時、輸出販売はリスク負担が顧客に移転した時点で収益を認識する旨が、注記事項(重要な収益及び費用の計上基準)を参照する形で示されている。前年は該当する記載がなかった。
当連結会計年度の監査上の主要な検討事項として、「AIデータセンター関連事業の商品販売に関する収益認識の適切性」が新たに記載された。同事業は当期に開始されたもので、期末日に多額の商品販売を行ったことが背景として示されている。
事業投資に関するリスク記載において、M&A等を活用する目的として、新たに「AIデータセンター関連事業やクリーンエネルギー事業における」という具体的な事業分野が追記された。デューデリジェンスで確認できなかった問題やシナジー効果が想定どおりに発揮されない可能性といったリスクの内容自体は前年から変更されていない。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMで、計上額が951,153千円から1,532,578千円に増加した。事業計画における重要な仮定が、人手不足を背景とした観光客によるバス需要の程度から、国際情勢の影響によるバス燃料費の高騰懸念を踏まえたバス燃料費へと変更され、これに伴い監査手続も代替的な仮定による分析から感応度分析へ変更された。工事原価総額の見積りに関する記載は変更がない。
報告セグメントの構成(6区分)は変わらず、「その他の事業」に関する注記が差し替えられた。前年は中央バスビジネスサービス(株)の令和6年4月1日付吸収合併の記載だったが、当年は介護福祉事業を営むマイラシークライフサポート(株)を当社及び(株)泰進建設が令和7年4月1日付で設立した旨の記載に変わった。
建設業の業績変動リスクについて、リスク内容の記載は前年と同一である。対応策の記述が「ICTの活用による生産性の向上と営業力の強化」から「ICT投資・人的投資の拡大による生産性の向上と盤石な経営基盤の構築」へ変更された。
リスク記述が「個人情報」のみから「個人情報を含む様々なデータ」の保有へ広がり、「重大なシステム障害」も想定事象に追加された。対応策ではサイバーセキュリティ対策に加え、発生時の対応体制を構築している旨が新たに記載され、記載順も入れ替わった。
感染症リスクの冒頭説明が書き換えられ、新型コロナの5類移行や法的制限の撤廃に関する具体的な記述が削除され、「新型コロナをはじめとする各種ウイルス等による感染症が今後も発生する可能性」という一般的な表現に簡略化された。事業への影響の記載や感染防止対策(車内換気、抗菌加工、マスク着用等)は前年から変更がない。
前年に記載されていた「中期経営計画」に関するリスク項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、外部開示した計画が未達となった場合に業績や財務状況へ影響を及ぼす可能性や、計画・数値目標の見直しを適宜検討する旨が記載されていた。
事業等のリスクに「⑬ 国際情勢に関するリスク」が新規に追加された。国家間の対立や領土問題、資源争奪、宗教・民族対立等による政治的・軍事的緊張が世界経済に与える悪影響が、業績等に影響を及ぼす可能性があると記載されている。対応として、情勢のモニタリング、グループ展開を通じた調達ルートの確保、事業・製造拠点の見直し検討が挙げられている。
事業リスクの項目として「M&A」が新たに追加された。M&A実施後に事業が計画どおり進捗せず、想定した業績や投資額に見合うリターンを得られない場合に、業績と財務状況へ影響を及ぼす可能性が記載され、対応として実施前のデューデリジェンスと投資委員会での審議が示されている。
資金調達環境のリスクについて、期限の利益喪失請求が行われる契機の記述が「事業計画どおりに業績改善を図ることができず」から「財務内容の悪化により財務制限条項に抵触し」へ変更された。財務制限条項付き借入金が一部にある点や、財務状況に影響を及ぼす可能性がある点は前年から変わっていない。
コンプライアンスのリスク項目で、適用法令の例示が「下請代金支払遅延等防止法」から「中小受託取引適正化法」に変更されました。リスクの内容や対応方針の記載に変更はなく、末尾に「(上記リスク以外のリスク)」という見出し文言が追加されています。
人財確保リスクの本文は前年と同一で、新たに人的資本に係る取り組みの概要が「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載されている旨の参照文が追加された。末尾にあった「(上記リスク以外のリスク)」の見出し的な記載は削除された。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表及び財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「負ののれん発生益の金額の妥当性の検証」が新たに追加された。日本高周波鋼業株式会社の取得に関連し、取得対価、株式価値算定、取得原価配分、受入資産・引受負債の評価について、外部専門家の報告書の閲覧や評価専門家の利用、再計算等の監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対応手続として「内部統制の整備及び運用状況の検証」が新たに追加された。株式取得の意思決定プロセスを含む企業結合の会計処理に関連する内部統制について、質問や文書の閲覧等により有効性を評価したとの記載である。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、日本高周波鋼業株式会社の取得(2026年2月完全子会社化)に伴う負ののれん発生益5,336百万円の計上額の妥当性が新たに追加された。取得対価の決定における外部専門家の株式価値評価や、識別可能な資産・負債の網羅性、取得原価配分の妥当性が検討対象とされている。既存の減損関連項目の記載は変更されていない。
非金融資産の減損に関するKAMの内容が更新され、非金融資産合計は259,251百万円から285,205百万円に、減損損失総額は828百万円から521百万円に変わった。減損の兆候がある資産又は資金生成単位が存在するセグメントに、前年の3セグメントに加え流通・サービスセグメント(非金融資産合計15,676百万円)が追加された。KAMの主題や決定理由の基本構造に変更はない。
IT環境・情報セキュリティのリスク項目に「ランサムウエア等による事業停止」が新たに追記された。対応策として「主要システムのバックアップリカバリ確認」が加わり、前年の「情報管理強化に向けた組織横断的ワーキンググループ」「CSIRT運用の開始」の記載は、サイバーセキュリティ対策体制の強化(CSIRT)という表現に整理された。発生可能性・影響度の評価(いずれも中)は変更されていない。
原料・資機材・エネルギーの価格変動および安定調達リスクについて、発生可能性が「中」から「高」へ、影響度が「中」から「大」へ引き上げられた。あわせて、ロシア・ウクライナ情勢長期化への言及が「地政学リスク発生による各種品目の価格高騰、供給懸念」に一般化され、「電極や耐火物」が「資機材」に、「電力に関する契約」が「調達に関する契約」に表現変更された。
KAMにおける将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価のうち、限界利益率の検討方法の記載が「関連する指標との整合性」から「過年度実績データやその他の関連資料との整合性」に変更された。他の監査手続の記載に変更はない。