前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更(影響なし)を記載していたが、当年はこれに代わり、棚卸資産(原材料・仕掛品の一部)の評価方法を個別法から移動平均法へ変更した旨が記載された。新基幹システム導入を契機とした変更で、遡及適用は実務上不可能なため中間期末の帳簿価額を第3四半期期首残高とみなして計算しており、影響額は軽微とされている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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減損損失の認識の判定及び測定に関するKAMの監査上の対応が変更された。前年の不動産鑑定評価額に関する手続(監査法人の不動産評価専門家の関与など)が縮小され、今年は割引前将来キャッシュ・フローの見積りに関する手続(事業計画と取締役会承認計画の整合性確認、経済的残存使用年数の検討、主要な仮定の合理性検討)が追加された。
金属缶業界の記載が「過剰設備と長期的な需要減退」から「中長期的な需要減少傾向」「設備過剰や価格競争激化」へと言い換えられ、再編の見通しも「予想される」から「進展する可能性がある」に改められた。また、従来の「適切な経営判断を行う必要がある」との記述に代えて、生産効率改善・高付加価値製品へのシフト・品質向上による競争力強化の取組みが追記された。
事業等のリスクの前文において、「連結会社の財政状態…」という表現が「当社グループの財政状態…」に置き換えられた。リスク内容自体の変更はなく、用語の言い換えのみである。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号、2022年改正会計基準)等の当事業年度期首からの適用に関する会計方針変更の記載が、今年度では削除されている。前年度の記載では、経過的な取扱いに従っており財務諸表への影響はないとされていた。
原材料の記載に銅線が追加され、サプライチェーン項目に中東情勢の緊迫化に関する記述(現時点で生産活動に重要な影響なし、影響の見積りは困難)が新設された。貿易規制の項目には、米国連邦最高裁が違憲判決を下した相互関税の還付請求への対応方針が追記され、情報セキュリティ項目には標的型攻撃メール訓練や技術的対策の記述が加わった。
前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正)の適用に関する会計方針変更の記載があったが、今年は連結・個別ともに「該当事項はありません」となった。前年の変更による財務諸表への影響はない旨の記載であり、実質的な影響額の記載はなかった。
当社の商品及び製品の評価方法を、従来の主として先入先出法から主として個別法へ変更した旨の記載が新たに追加された。生産管理システムの更新を契機に、多種多様な製品を製造している現状を踏まえ、より適正な期間損益計算を行うことが目的とされている。影響額は軽微であるとして遡及修正は行っていない。
医薬・医療・健康事業の収益認識に関するKAMでは、外部顧客への売上高が48,033百万円から49,931百万円に更新されたが、内容と監査手続は同一である。新たに、化薬事業における早期装備化に係る防衛関連設備の、一定期間にわたり充足する履行義務に応じた収益認識(未完了契約に係る収益11,767百万円)がKAMとして追加され、進捗度の見積りや原価総額の変動可能性などを理由に、確認手続・設備視察・再計算等の監査対応が記載された。
重要リスクに「⑫原料調達」が新設され、サプライヤーやその上流で強制労働・児童労働などの人権侵害や環境破壊を伴う原材料調達がなされ、社会的信頼性が低下する可能性が記載された。CSR調達方針・ガイドラインの制定や取引先調査などの対応も併せて記載されている。既存の⑩人材育成の遅滞(「ほか」→「のほか」)および⑪非財務情報の開示不足の文言には軽微な表現修正がある。
前年に記載されていた、前連結会計年度より「欧州」を量的重要性の低下により「その他」に含めて記載する方法に変更した旨の文が、今年は削除されている。報告セグメントは「日本」「北米」「アジア」の3つのままで変更はない。
KAM「売上高の期間帰属の適切性」の対象は変わらないが、株式会社トミタの売上高が16,160,861千円から14,872,632千円、連結売上高に対する比率が74.5%から64.8%に更新された。また、前年にあった米国関税政策・インフレ・為替変動といった事業環境の記述が削除され、「売上高は重要な経営指標の一つ」との簡潔な表現に置き換わった。監査手続の内容に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する注記が、今年は記載されていない。前年の記載では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされており、基準適用初年度の注記が不要となったことによる削除とみられる。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に関する会計方針の変更の注記(連結・個別とも)が、今年度は記載されていない。前年度の記載では、これによる財務諸表への影響はないとされていた。
KAMの監査手続の記載が、前年の「上記の各社」から特定の子会社である東普雷(佛山)汽車部件有限公司に限定する表現に変更された。また、将来の製造原価の予測の合理性評価の手続が追加され、割引率に関する検討の記載が削除された。
KAMの対象が、前年の東普雷(襄陽)及び東普雷(武漢)の固定資産の減損(襄陽2,687百万円、武漢1,771百万円の減損損失)から、東普雷(佛山)汽車部件有限公司の固定資産の減損(2,860百万円の減損損失)に変更された。監査手続の記載は、事業計画の見積り精度評価が「直近の」計画に限定され、製造原価予測の評価が「車種別の生産計画に応じた」予測へと表現が改められた。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載で、固定資産の減損に関連する内部統制について「整備及び運用状況の有効性を評価した」から「整備及び運用状況を評価した」へ、「有効性」の語が削除された。それ以外の記載内容に変更はない。
監査上の主要な検討事項(固定資産の減損)における内部統制の評価について、「整備及び運用状況の有効性を評価した」から「整備及び運用状況を評価した」へと、「有効性」の語句が削除された。評価対象や手続の実質的な変更は記載されておらず、表現の微修正にとどまる。
Topre America Corporationの固定資産の減損に関するKAMについて、連結の有形固定資産が164,935百万円から172,036百万円へ、同社分が75,971百万円から86,280百万円へ更新された。減損の兆候があるが割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回り減損損失を認識していない点は変わらず、不確実性の説明が「経営者による判断」から、車種別の生産計画や引合・折衝状況等の主要な仮定および経済状況・市場環境の変動を含む記述に具体化された。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年では削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
売上計上の適切性に関する内部統制の評価手続の記載で、検証対象が「整備状況」から「整備及び運用状況」へと表現が改められ、「運用状況の有効性を検証」が「その有効性を検証」に変更された。実施手続(管理責任者への質問、承認証跡の査閲、取引書類との照合)の内容自体に変更はない。
前年に記載されていた「排除措置命令及び課徴金納付命令に対する審判について」の項目が削除され、リスク項目が11件から10件になった。同項目には、2025年2月に最高裁が上告を棄却し排除措置命令・課徴金納付命令が確定した経緯と、決算・財務状況への大きな影響は見込まないとの判断が記載されていた。他の項目の内容に実質的な変更はない。
前年度に記載されていた「有利子負債への依存について」のリスク項目が、今年度の記載では削除された。前年度は有利子負債残高が2023年3月期6,389百万円から2025年3月期11,823百万円(総資産比17.7%)へ増加していることや、市場金利変動による業績への影響可能性、債権の流動化など調達方法の多様化による圧縮の取組を記載していた。
事業等のリスクに「(9) 情報セキュリティについて」が新設された。サイバー攻撃や不正アクセス等により、情報資産の漏えい、生産活動の停止、復旧費用の発生等が生じた場合、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
監査上の主要な検討事項(2)「製品売上高の期間帰属の適切性」について、前年にあった「売上計上後の追加原価の発生状況を把握し、追加作業内容の質問及び関連資料の閲覧により検証する」という手続の記載が削除された。検収書の日付と売上計上日の照合、及び期末日後の売上取消処理の確認の2手続のみが残っている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
システム開発事業の説明文において、「又は」が「または」に、「ソフトウェア」が「ソフトウエア」に表記変更されたのみで、事業内容やセグメント区分に実質的な変更はない。就労支援事業の記載は前年と同一である。
常駐開発支援に係る売上高のKAMについて、会計方針の参照箇所が(5)から(4)に変更され、収益認識の説明文が簡素化された。実証手続のうち、取引の突合対象が「契約書、稼働報告書、入金証憑等」から「契約書又は注文書、稼働報告書等」に変わり、入金証憑との突合や未入金分への残高確認手続の記載が削除された。KAMの対象事項や評価の枠組み自体は変更されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)に記載された、常駐開発支援に係る売上高が3,934,366千円から4,379,892千円に増加し、売上高に占める割合が92.8%から94.6%に上昇した。記載内容の構造や論点自体に変更はなく、数値の更新のみである。
労働者派遣事業許可の有効期限が2025年10月31日から2030年10月31日に更新され、「派遣」「また」「告示」など一部表記が改められた。下請代金支払遅延等防止法の項目は「中小受託取引適正化法(旧下請代金支払遅延等防止法)」へ名称変更され、法令の正式名称を併記する形に改められたが、リスクの内容や評価(顕在化可能性:低、影響度:中)に変更はない。
「③感染症の影響について」の記載が改められ、新型コロナウイルス感染症の5類移行や経済活動への影響低減に関する記述が削除され、新たな新興感染症の拡大やパンデミックの発生等を想定した一般的な表現に置き換えられた。顕在化可能性(低)・影響度(小)の評価に変更はなく、「又」を「また」とする表記の修正以外の①②の記載にも実質的な変更はない。
部品調達リスクの記載で、供給停止や遅延、価格高騰の要因となる各国の政治・経済の動向の例として、新たに「中東情勢等」が明記された。その他の記載内容に変更はない。
国際情勢の不安に関するリスク項目で、米国関税に関する記述が「米国の関税引き上げが実施された場合には」から「米国の関税政策の動向は」へと変更された。仮定的な引き上げの実施を前提とする表現から、政策動向全般を対象とする表現に改められたが、経営成績等に影響を及ぼす可能性があるとする趣旨は変わっていない。
自然災害等のリスク項目において、感染症に関する記述が「新型コロナウイルス等の感染症」から「新たな感染症の世界的な感染拡大(パンデミック)」へ変更された。BCMSによるリスクマネジメントや経営成績等への影響の可能性に関する記載は前年から変更がない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に関する会計方針変更の記載が、当年度では削除された。前年度の記載では、連結財務諸表および財務諸表に与える影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、2026年1月に取得したジャパンホームシールド株式会社の株式取得に係る取得価額の評価が新たに追加された。JHS株式の残高は2,596,491千円で総資産の12.2%を占め、非上場株式の相対取引であり通例でない取引であること、株式価値評価に専門的知識と経営者判断を要することが決定理由として記載され、外部専門家の評価や契約書の閲覧などの監査手続が示されている。従来の工事原価総額の見積りに関する記載は変更されていない。
前年に記載されていた「(11) 海外事業」のリスク項目が今年は削除された。前年は、海外での法制度の変更、政治・経済情勢の変化、為替相場の急激な変動による為替差損が業績や財政状態に悪影響を与える可能性を記載していた。
前年に記載されていた「(10) 貸倒れリスク」の項目が今年は削除された。前年は、取引先の予期せぬ貸倒れにより追加的な損失や引当の計上が必要となり、業績や財政状態に悪影響を与える可能性があると記載していた。
前年に記載されていた「(9) 技術開発力」のリスク項目が、今年の記載では削除されている。前年は、新工法開発への投資が回収される保証がないこと、他社の新技術により自社技術が陳腐化する可能性、技術開発に内在するリスクの顕在化による業績・財政状態への悪影響を挙げていた。
前年に記載されていた「(8) 感染症の拡大」のリスク項目が今年は削除された。前年は新型コロナウイルス感染症等の国内拡大により工事の中断・延期や営業拠点の閉鎖が生じ、業績や財政状態に悪影響を与える可能性を記載していた。
前年に記載されていた「大規模災害」のリスク項目が削除された。同項目では、都心近郊に主要拠点を有しており、想定を超える大規模地震等の自然災害や事故が発生した場合に業績や財政状態へ悪影響を与える可能性が述べられていた。
前年に記載されていた「(6) 施工物件の契約不適合」のリスク項目が、今年の事業等のリスクから削除された。前年は、杭工事・地盤改良工事で予見できない地盤事象により施工欠陥が生じ、契約不適合に伴う損害賠償請求が業績や財政状態に悪影響を与える可能性を記載していた。
前年に記載されていた「労働事故災害」のリスク項目が、今年の記載では削除されている。前年は、建設現場での重大な労働事故の危険性、安全・衛生教育の徹底、保険加入、重大災害時の信用失墜や費用発生による業績・財政状態への悪影響の可能性を記載していた。
前年に記載されていた「協力会社の確保と良好な関係構築」に関するリスク項目が、今年の記載では削除された。前年は、協力会社に不測の事態が生じ施工能力を確保できなくなった場合に、事業活動の維持・拡大や業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があると記載していた。
前年の有価証券報告書にあった事業等のリスク「(3) 人材の確保と育成について」の項目が、今年は記載されていない。前年は、優秀な資格者や主任技術者の確保・育成ができない場合に事業の維持・拡大や業績・財政状態へ悪影響を及ぼす可能性が記載されていた。
前年に記載されていた「(1) 建設市場の動向及び価格競争」のリスク項目が、今年の記載では削除されている。前年は、景気変動による建設投資の減少、同業他社との競合激化、建設資材価格の高騰や労務費の上昇による工事採算の悪化が業績・財政状態に影響し得ると記載していた。
倫理・コンプライアンスのリスクが「①法的規制」と「②労働環境リスク」に区分され、②として長時間労働・労働管理の不備・ハラスメント等の人権問題が従業員の安全・健康、生産性、法令違反責任、社会的信用に悪影響を与え得る旨が新たに追加された。①は下請法が「取適法」に表記変更され、法規制改正時の影響が「事業の継続性に問題が発生した場合」と表現されたが、内容は概ね従前どおりである。
「(3)組織体制に関するリスク」の項目が、従来の情報セキュリティのみの記載から、①人材の確保と育成、②技術開発力、③情報セキュリティの3区分構成に拡充された。新たに有資格者・主任技術者など人材の確保失敗や、新工法開発投資の未回収・他社技術による優位性の陳腐化が業績・財政状態に悪影響を与える可能性が追記された。情報セキュリティの記載内容自体は前年から変更がない。
「事業運営に関するリスク」の項目が新たに記載された。取引先の与信リスク、施工品質不良、労働事故災害、協力会社の確保と関係構築の4つが挙げられ、それぞれ業績や財政状態に悪影響を与える可能性があると記されている。
事業環境に関するリスクの項目が、従来の気候変動(移行・物理)のみの記載から、①建設市場の動向及び価格競争、②自然災害・感染症拡大、③気候変動リスク、④工事原価の変動、⑤カントリーリスク(為替変動を含む)の5項目構成に再編・拡充された。従来の気候変動の物理的リスクは自然災害・感染症の項に統合され、新たに市場・価格競争、工事原価、海外事業・為替のリスクが追加された。気候変動の項ではカーボンニュートラルな軽油代替燃料の積極使用への言及が加わった。