前年に記載されていた「(3) 受注事業のリスク」の項目が、今年は丸ごと削除された。協力会社の人材確保、工事代金の回収遅延・貸倒れ、受注競争の激化による採算悪化、材料費・労務費高騰による採算悪化の各リスクが記載から無くなっている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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事業等のリスクに「(11) 気候変動に関するリスク」が新たに追加された。自然災害の頻発化・激甚化による事業所や施工中物件への被害、施工の中断・遅延の可能性と、脱炭素化に伴う排出規制強化や炭素税導入による追加コスト・事業運営上の制約の可能性が記載されている。各種施策に取り組むものの影響を完全に回避することは困難としている。
事業等のリスクに「自然災害、感染症等による事業継続リスク」が新たな項目として追加された。地震・台風・豪雨や感染症の流行により、事業所・施工中物件の被害、資材調達や施工体制の停滞、工事の中断・遅延が生じ得ると記載し、事業継続計画(NDK BCP)の整備で対応するものの影響を完全には回避できず、復旧費用の発生や工期長期化により経営成績等に影響し得るとしている。
事業等のリスクとして「情報セキュリティ及び情報システム障害のリスク」が新たに追加された。サイバー攻撃・不正アクセス・ウイルス感染・人的ミス等により情報漏洩、データ改ざん・消失、システム障害が発生した場合、業務支障、損害賠償、社会的信用の低下を通じて経営成績等に影響する可能性があると記載している。
事業等のリスクに「(8) 法令・制度変更及び法令違反のリスク」が新たに追加された。建設業法等の法令の改廃や運用基準の変更による対応コスト増・事業運営上の制約、並びに法令抵触時の営業停止、許可取消、指名停止等の処分や社会的信用の低下が経営成績等に影響し得ると記載されている。内部管理・内部統制体制の整備やコンプライアンス強化に努めている旨も併記されている。
事業等のリスクに「受注競争並びに材料費・労務費の変動による工事採算悪化のリスク」が新規項目として追加された。受注競争の激化による請負金額の低下や、長期工事での資材価格・労務費の上昇を請負代金に十分反映できない可能性、及び集中購買や発注者との協議等の対応策が記載されている。
事業等のリスクに「(6) 取引先及び協力会社の信用リスク」が新たに追加された。発注者の業績悪化による工事代金の回収遅延・貸倒れに加え、協力会社が倒産等の信用不安に陥った場合の工期遅延や追加費用の発生が、経営成績等に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「(5) 人材の確保及び協力会社体制に関するリスク」が新規に追加された。労働集約的な事業特性と協力会社との連携を背景に、必要な技能・資格・経験を有する人材や協力会社社員の確保・育成が進まない場合、施工体制の維持・強化に支障を来し経営成績等に影響する可能性があると記載されている。協力会社社員の新規採用支援や工事平準化などの取組も併せて記載されている。
事業等のリスクに「施工品質不良・契約不適合のリスク」が新たに追加された。設計・施工・検査の各段階で品質管理に努めているものの、重大な品質不良や契約不適合が生じた場合、補修費用や損害賠償責任の発生、顧客からの信用低下等により経営成績等に影響を及ぼす可能性があると記載されている。
事業等のリスクに「(2) 建設市場・事業環境変化のリスク」が新たに記載された。鉄道関連投資・民間設備投資・公共投資などの建設需要の動向が事業に影響し、景気後退や投資計画の変更等により受注高の減少や受注競争の激化が生じ、経営成績等に影響を及ぼす可能性があるとしている。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(3)「店舗固定資産の減損損失の認識判定の検討」(事業計画との整合性確認、売上実績との比較、過年度計画と実績の比較分析など)の記載が、今年は空になっている。あわせて前年にあった監査報告書の定型部分(その他の記載内容、経営者・監査人の責任、内部統制監査、報酬関連情報、利害関係)の記載も確認できない。
KAMの対象が「減損の兆候判定及び減損損失の認識判定の妥当性」から「減損の兆候判定」に絞られ、見出しも変更された。減損損失計上額は79,267千円から253,887千円へ増加し、減損の兆候として退店・移転に伴いキャッシュ・フローが得られない見込みの場合が追加された。リスク記述も、割引前将来キャッシュ・フローの見積りの主観性から、兆候の網羅的把握や退店・移転予定店舗の把握漏れへと変わった。
前期に記載されていた、実務対応報告第46号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」を当事業年度の期首から適用した旨の会計方針変更の記載が、当期には掲載されていない。前期の記載では、この変更による財務諸表への影響は軽微とされていた。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の当事業年度期首からの適用に関する会計方針変更の記載が、今年は削除された。前年の記載でも、この変更による財務諸表への影響はないとされていた。
前年の報告書にあった、実務対応報告第1346号「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」の当連結会計年度期首からの適用に関する会計方針変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では連結財務諸表への影響は軽微とされていた。
前年の記載にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の期首適用に関する会計方針変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、この変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年の有価証券報告書にあった「会計方針の変更」の項目が、今年は記載されていない。前文のみの見出しで、具体的な変更内容や影響額の記載は前年分にも含まれていない。
重大事故に関する記述に「労働災害」が加わり、影響として損害賠償責任の発生、発注者からの信用失墜、受注機会の減少、経営成績等への影響が明記された。法令関連では、営業停止等の処分の可能性という記述から、法令違反や疑義を持たれる行為による信用力低下と経営成績等への影響という記述に改められた。
東日本旅客鉄道への顧客依存リスクについて、従来の「設備投資等の削減」に加え、設備投資計画の変更や発注方針の見直しなど想定される事象が具体化され、受注高の減少につながる可能性と表現が改められた。あわせて、同社との信頼関係の維持・強化や新規顧客の開拓・事業領域拡大といった対応策が追記され、施策が奏功しない場合に経営成績等へ影響する可能性が明記された。
店舗固定資産の減損の兆候判定に関する監査手続について、従来の3項目に加え、店舗の退店や移転等の減損の兆候に影響する事象を把握するため、取締役会等の議事録の閲覧及び経営者への質問を実施した旨が追加された。既存3項目は一部の文言(「について、」の読点位置)が変わったのみで実質的な内容に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)における「内部統制の評価」の記載が簡素化された。前年は減損の兆候判定と減損損失の認識判定に関する内部統制を評価し、承認プロセスに焦点を当てていたが、今年は減損の兆候判定に関する内部統制の評価のみとなり、認識判定および承認プロセスへの言及が削除された。
天災等のリスク項目において、店舗が集中している地域の具体的な列挙(関東・中部・関西・山陽・九州)が削除され、「都市部近郊に集中している」という記載のみになった。地震による店舗運営への被害が財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があるという趣旨は変わっていない。
継続企業の前提に関する注記が新たに記載されました。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)である「一定の期間にわたり履行義務が充足される取引における収益の認識」の記載が、今年は存在しない。前年はソフトウエア受託開発契約及びIoTインフラ構築契約の工事原価総額の見積りの不確実性と、それに対する監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)における売上高に関する実証手続の記載が新たに追加された。月次推移分析や契約形態別分析、決算月計上の請負契約の証憑突合、売掛金の残高確認、期末日後の仕訳レビューが具体的に示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、「内部統制の評価」が新たに記載された。ソフトウェア開発に係る売上業務プロセスについて、内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した旨が記されている。前年は該当する記載がなかった。
監査上の主要な検討事項(KAM)の記載が新規に追加され、「ソフトウェア開発に係る売上高の期間帰属の適切性」が対象とされた。ソフトウェア開発売上高は2,878,903千円で連結売上高の69.7%を占め、請負契約は個別性が高く決算月に納期を迎えるものが多いため、期間帰属に誤謬が生じる可能性があると説明されている。
監査法人が「アスカ監査法人」から「清友監査法人」に変わりました。
工事原価総額の見積りに関する監査手続の記載が見直された。抽出対象に「長期大規模工事」が加わり、一部工事の現場視察や工事予算と積算資料の照合といった手続が新たに記載された一方、従来の見積り変更要因別(契約範囲変更/それ以外)の区分手続は整理・統合された。会社側の協議相手は「工事部長」から「工事統括部長」に変更された。
報告セグメントの記載主体が「当社」から「当社グループ」に変更されました。また、「IoTインテグレーション事業」の事業内容に「データセンター事業」が新たに追加されています。報告セグメントの区分(エンタープライズソリューション事業、IoTインテグレーション事業の2区分)自体に変更はありません。
新規事業に関するリスクの記載で、主語を「当社」から「当社グループ」に改める表現変更が行われた。リスクの内容や評価、投融資に関する説明そのものに実質的な変更は見られない。
事業等のリスクの前文において、リスク認識の対象が「提出会社」から「連結会社」に、将来に関する事項の判断時点が「当事業年度末」から「当連結会計年度末」に変更された。連結財務諸表の作成開始等に伴う表現の修正とみられ、リスク内容自体の変更は記載されていない。
資材調達リスクの要因として「サプライチェーンの混乱」が追加された。また、対応策の記述が「調達先の分散」のみから、主要取引先との情報連携による市況・需給のモニタリング、主要資材の先行手配、適正在庫の確保などを含む内容へ拡充された。
事業等のリスクに「(7)サイバー攻撃に対するリスク」が新たに追加された。食品業界でもサイバー攻撃によるシステム・ネットワークのダウンで事業に多大な影響が出た事例があるとし、サーバー更新や保守点検、セキュリティ見直し、社内教育を実施している旨を記載。システムダウン時には生産・出荷の停滞や改修費用の増加により経営成績に影響する可能性があるとしている。
売上高の実在性・期間帰属に関するKAMの監査手続の記載が変更された。製品分類別販売数量等との整合性検証の記述が削除され、期末日後の一定期間における金額的重要性の高い返品・売上取消の検証という記述に置き換わった。リベートの突合対象も「請求書」から「請求書等」へ変更された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の項目名が「売上高の発生」から「売上高の実在性及び期間帰属の適切性」に変更され、判断・監査手続の記述も同様に言い換えられた。当事業年度の売上高は9,604,431千円から9,552,962千円に更新された。検討対象は売上高のままで、収益認識基準やリスクの説明内容に実質的な変更はない。
海外輸出に関するリスク記載で、輸出実績の表現が「ここ数年にわたって順調に業績を伸ばした」から「ここ数年業績は安定している」に変更された。また、輸出は注文が不定期で数量の予測が困難との記述が、注文が不定期でその動向によりとの表現に簡略化された。リスクの内容自体(為替変動、注文動向による輸出販売減少の可能性)に変更はない。
販売動向のリスク記載で、収益圧迫要因として従来のリベート・特売等の販売促進費の増加に加え、新たに価格改定による販売数量の減少が挙げられた。その他の競争環境に関する記述は前年と同一である。
新製品開発リスクの項目から、2024年6月20日付で商品開発部とマーケティング部を統合し商品戦略部を設置したとの取組の記述が削除された。新製品の開発ができない場合に売上高の減少等で収益性が低下し得るというリスク認識の記載自体は維持されている。
災害・事故等のリスク項目から、未知の感染症のパンデミックが市場動向やライフスタイルに変化をもたらし経営成績等に影響を及ぼす可能性があるとの記述が削除された。あわせて、危機管理規程やBCP整備の記述の主語「当社グループは」が省略された。災害・事故に関する主要なリスク内容と対策の記載は維持されている。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)である「収益認識(有償受給取引)」の項目が、今年の報告書では記載されていない。前年は支給原料の売り戻し義務の有無に応じた収益の総額・純額表示の区分の適切性が検討対象で、内部統制の検討や証憑突合などの監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、固定資産の取得取引に関する監査手続の記載が新たに追加された。取得価額、勘定科目、計上時期、減価償却方法・耐用年数、資本的支出と収益的支出の区分の正確性について、契約書・請求書の突合、検収記録の確認、固定資産台帳登録の検証、現場視察を実施したと記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、「内部統制の評価」という項目が新たに記載された。有形固定資産の取得取引に関するプロセスの内部統制について、取得価額の算定、勘定科目、計上時期、減価償却方法及び耐用年数の正確性に関する統制を中心に整備・運用状況の有効性を評価した旨が記されている。
前年には記載のなかった監査上の主要な検討事項(KAM)として、チルド食品部門の新工場建設に伴う有形固定資産の取得取引に関する会計処理の正確性が新たに記載された。投資額は14,956百万円で、当事業年度の総資産の56.1%に相当し、本勘定への計上や減価償却の開始に伴う会計処理の正確性が決定理由とされている。
前年にあった継続企業の前提に関する注記が記載されなくなりました。
事業等のリスクに「(12) 原資材に関するリスク」が新たに追加された。2025年10月にサプライチェーンマネジメント室を新設し、主要原資材は複数の購入先を確保している一方、事故・災害・国際情勢や地政学的リスクでサプライチェーンが寸断され製造・販売が滞った場合、経営成績及び財務状態に重要な影響を及ぼす可能性があると記載している。
情報セキュリティリスクの記載が拡充され、サイバー攻撃の「巧妙化」やシステム停止の可能性が明記された。新たに、調査費用・システム復旧費用・機会損失・損害賠償金の支払いなど具体的な影響項目と、経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性が追加された。従来のブランドイメージ悪化・社会的信頼失墜の記載は維持されている。
情報システムリスクの記載で、対策として挙げていた「情報管理規程」「情報セキュリティ基本方針」等の諸規程の制定に関する文言が削除されました。代わりに、多層的なセキュリティ対策による不正侵入防止と、インシデント発生時の早期復旧体制を整える旨が追加されました。リスク内容自体(サイバー攻撃による障害・情報流出の可能性)に変更はありません。
原材料高騰の要因として挙げられていた「ウクライナ戦争」が「中東情勢」に置き換わり、前期にあった「当連結会計年度に一部商品の販売価格を改定した」旨の記述が削除された。そのほか、気候変動や為替変動などに関する表現が簡略化されたが、リスク項目や対応体制の内容に実質的な変更はない。
監査上の主要な検討事項(棚卸資産評価)のうち「将来の販売見込みの合理性の検討」について、冒頭の目的表現を「将来の販売見込みの合理性を検討するため」に改め、質問対象に営業部門の責任者を追加した。監査手続は、過去の販売実績・受注データ・市場予測の総合勘案から、顧客の注文書や商談資料の閲覧および市場予測との整合性検討へと具体化・再構成されている。