情報セキュリティリスクの記載が拡充され、クラウドサービスの設定不備を悪用した攻撃や委託先・サプライチェーンを起点とする攻撃、生成AI等の新たなデジタル技術の活用に伴う情報管理上のリスクが新たに言及された。対応策にもアクセス権限管理の厳格化や委託先を含む管理体制の強化が追加された。あわせて「IWS」の働き方の定義の更新や「財政状況」から「財政状態」への表記統一も行われている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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社会リスク各項目の記載が改訂された。物流リスクでは、物流関連法令・制度の改正に伴う荷待ち・荷役時間短縮や積載効率向上等への対応によるコスト増・業務負担が新たに加わり、対応策も法令遵守と安定供給の両立を図る内容に拡充された。一方、物流リスクの異常気象・南海沖地震等の災害に関する記述とBCP体制の記載は削除され、国内人口減少では世帯構成・食生活の変化による需要減少への言及、感染症では新たな流行や再拡大・サプライチェーン混乱への言及が追加されるなど、表現・対応策も更新された。
前年に記載されていた、報告セグメントを従来の2区分から「水産練製品・惣菜」「きのこ」「運送・倉庫」の3区分に変更した旨の説明と、前連結会計年度のセグメント情報を新区分で組み替えて開示した旨の注記が削除された。報告セグメントが「水産練製品・惣菜」「きのこ」「運送・倉庫」の3つである点は変わらない。
災害・事故リスクの記載は、施設数や想定される災害・影響、リスクへの対応策の内容は前年と同一のまま、文章の表現や構成が整理・改訂されている。生産設備の点検・更新と供給・物流機能の東西分散配置の記述が再配置された以外に、新たなリスク事象や対策の追加・削除はない。
「金利・為替変動リスク」の記述が、日銀の利上げや米FRBの利下げなど具体的な金融政策の経緯の説明から、国内外の金融政策・政局・地政学的要因による変動という一般的な説明へ書き換えられた。あわせて、金利上昇による支払利息・資金調達コストの増加、為替変動による外貨建て取引や海外子会社業績への影響、円安時の輸入原材料の仕入価格上昇といった影響の経路が明記された。「財政状況」が「財政状態」に改められ、リスク対応の内容は実質的に変わっていない。
「財政状況」から「財政状態」への用語統一と、価格競争リスクへの対応策の記述の一部整理が行われた。リスク項目の追加・削除はない。四半期別の連結業績表は当期の数値に更新され、売上高合計は34,579,066千円から35,542,412千円、営業利益は891,111千円から611,901千円となった。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
事業等のリスクに「⑫情報セキュリティに関するリスク」が新たに追加された。サイバー攻撃等による不正アクセスやシステム障害で業務停止や情報漏えいが発生し、生産活動や製品供給、サプライチェーンに影響する可能性があると記載されている。あわせて、管理体制の整備や各種対策によるリスク低減への取組も記載されている。
前年に記載されていた、2022年改正会計基準(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更に関する記載が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
事業等のリスクに「(2)人材確保に関するリスク」が新たに追加された。少子化や人材獲得競争の激化、離職増加により技術者を計画通り確保できない場合、施工管理力の低下や事業規模の縮小等で業績に影響し得ると記載し、対応策として採用活動、研修・資格取得支援、処遇改善による定着を挙げている。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年度では削除された。前年度の記載では、連結・個別財務諸表ともに当該変更による影響はないとされていた。
KAM「食品事業の収益認識」の対象は前年と同じだが、記載中の連結売上高が26,426百万円から29,244百万円へ、食品事業売上高が22,187百万円から24,674百万円へ更新された。また監査手続の記載で、統計的サンプリングによる売上取引の抽出が「主な取引先の売上高の証憑突合」と「無作為抽出」に書き換えられるなど、表現が一部変更されている。
化粧品事業セグメントの中国市場向け売上高に係るKAMについて、売上計上額が1,072,673千円から647,125千円に減少し、構成比も化粧品事業の71.2%から73.3%、連結売上高の22.1%から16.7%へ変化した。前期の「販売の低迷が継続し対応策を検討中」との記載は、当期は「中国市場における化粧品事業からの撤退を公表し、事業終了にあたり引き続き多額の取引が発生している」との記載に置き換わった。取引先も「資本業務提携先の中国企業グループ」との表現になったが、KAMの対象と監査手続の骨子は前期と同様である。
前年に記載されていた「取締役の梶本修身について」のリスク項目が削除された。同氏は創業者として研究・大学ネットワーク構築で中心的役割を担い、業務遂行が困難となった場合に事業戦略や経営成績に重大な影響を与える可能性があるとの記載であったが、今年は当該記載が無い。
新規事業(総合ヘルスケアプラットフォーム)の記載が具体化され、郵送検査、OTC医薬品・漢方薬、オンライン診療・オンライン薬局等のサービス提供予定が追加された。リスク要因として、会員獲得やサービス利用の遅れ、医薬品販売・オンライン診療に関する法規制の変更、提携医療機関との連携不調、健康情報等の個人情報管理の支障が新たに明記された。従来の物的・人的資源投下に伴う固定費負担増加の記述は削除された。
健康補助食品の事業呼称が「健康補助食品事業」から「健康補助食品販売」に改められ、今後の位置づけが「セルフメディケーション支援通販事業」から「ヘルスケアプラットフォーム事業」への統合に変更された。海外展開の記述では、Global Beauty Technology株式会社および高浪控股股份有限公司グループとの契約・協業の記載が削除され、現地の法規制・行政当局の運用・商慣習の相違や顧客信用情報の収集限界に起因するリスクが具体的に明記された。
(株)ビービーラボラトリーズの事業終了予定の表現が、2026年3月末日まで事業を行い、プラセンタ製品の化粧品事業を日本予防医薬(株)が国内で行っているとの記載に改められ、「化粧品事業」の語も「化粧品製造販売」に統一された。前年に記載されていた「④海外販売」(中国市場向けが売上高の大部分を占める点や海外の法規制・信用情報等のリスク)の項目が全文削除された。
企業買収等に関するリスク項目で、買収・資本提携の目的の記述が変更された。従来の「既存事業の拡大または新規事業領域への進出」から、「既存事業の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築」に向けてヘルスケア事業領域で積極的に取り組む方針へと表現が改められた。のれんの減損損失計上等のリスク認識に関する記載は変更されていない。
OEM/機能性素材開発を担う主体の記載が「(株)NRLファーマ」から「日本予防医薬(株)」に変更され、事業名も「機能性素材開発事業」から「OEM/機能性素材開発」に改められた。ラクトフェリンの価格変動、為替変動、研究開発費の各リスク内容に実質的な変更はなく、主語の「機能性素材開発事業においては」などの冒頭表現が簡素化されている。
代表取締役社長への依存リスクの項目で、当社グループの方針を述べる部分が書き換えられた。前年の「エビデンス」を根幹とする事業の選択と集中・総合ヘルスケアプラットフォーム構築の記述が、今年は構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編と、医療DXを活用した同プラットフォームの構築という表現に更新された。社長が中心的役割を果たし、業務遂行が困難となれば重大な影響があるというリスク認識の記載は変わっていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
KAM「一定の期間にわたり履行義務が充足される工事契約等の収益認識」について、決定理由に具体的な金額(売上高37,006,542千円のうち進捗度に基づく収益5,310,289千円、未引渡し工事等に係る収益328,581千円)と、見積り見直しが適時適切に行われない場合の売上計上リスクの記載が追加された。監査手続にはITに係る全般統制・業務処理統制の評価や契約金額及び見積総原価の推移の比較検討が加わった。KAMの対象事項自体に変更はない。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「割引前将来キャッシュ・フローの見積りの適切性の評価」の項目が、今期の記載から削除された。前期は、事業計画に基づくキャッシュ・フロー算定の確認、受注見込みの妥当性検証、前期受注計画と実績の比較分析といった監査手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)から「内部統制の評価」の項目が削除された。前年は、のれんの減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備状況及び運用状況の有効性を評価した旨が記載されていた。
監査上の主要な検討事項のうち、今田建設等の工事原価総額の見積りの適切性の評価に係る監査手続の記載が見直された。前期実績との比較対象を金額的重要性の高い工事に限定し、外注費の検証手続を、見積書との照合を先に行い発生済みの外注費は請求書とも照合する形に整理した。前期に記載されていたのれんの減損損失に関する判断の妥当性の項目は、今期の記載には含まれていない。
買収リスクに「従業員承継型M&A」の推進、事業計画未達、のれん等の減損損失発生の可能性が追記され、減損リスクの項目名も「固定資産及びのれんの減損」に変更された。大株主の項では、2026年6月26日の立会外分売により尾松豪紀氏が親会社以外の支配株主に該当しなくなったとの記載が加わり、過半数保有の記述は保有割合が高水準との表現に改められた。その他は表現の整理や配当政策の説明の補足が中心である。
建設事業のリスクのうち「④ 工事の瑕疵」の記載が修正された。品質確保の取組の表現が「成果品の品質確保及び品質向上」から「施工品質の確保及び向上」に変わり、想定される事態が「成果品に瑕疵」「行政処分」から「工事目的物に重大な瑕疵」「損害賠償請求や入札の指名停止措置等」へと、損害賠償請求への言及を加える形で改められている。他の項目(①〜③、⑤)に変更はない。
建設関連サービス事業のリスク記載のうち「業績の季節的変動」の文言が一部言い換えられ、対象年度が2025年7月〜2026年6月に更新されるとともに、四半期別の売上高・セグメント損益の表が差し替えられた。売上高合計は4,172,399千円から4,295,747千円、セグメント利益は567,350千円から653,599千円となり、前年は第1・第4四半期が損失だったが当年は全四半期で利益となっている。その他のリスク項目の記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更に関する記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「収益が適切に計上されているか否かの検討」の項目(3月月次売上の期間帰属・実在性に関する監査手続の記載)が、今年は記載されていない。KAMの対象項目が1件削除された状態である。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「(2) 売上高の期間帰属の適切性の検討」が新たに追加された。6月の売上高を構成する取引を対象に、抽出した取引と検収書等の証憑との照合、および期末日後の入金実績の確認という監査手続が記載されている。
前年の記載にあった、2024年7月1日付の組織変更に伴い表面処理技術を「その他」から「微細加工事業」へ区分変更した旨と、前事業年度のセグメント情報を変更後の区分で作成した旨の記述が削除された。報告セグメント(信頼性評価事業・微細加工事業)の構成と事業内容の説明に変更はない。
監査上の主要な検討事項(売上認識)における内部統制評価の記載で、「係る」が「関連する」に、「整合性を確認する仕組み及びその実効性の有無」が「整合性を確認する統制」に言い換えられた。評価の対象や焦点となる統制の内容に実質的な変更はなく、表現の修正にとどまる。
KAMの題目が「信頼性評価事業の収益認識の適切性」から「信頼性評価事業に関する売上高の期間帰属の適切性」に変更され、売上高の金額・比率が3,553,606千円(88.3%)から3,751,797千円(87.1%)に更新された。リスク説明は、得意先決算期の3月への納期集中から、期末月である6月の処理に伴う期間帰属の誤りの可能性へと記載が改められ、取引件数の多さや検収把握の難しさなどの理由が再整理された。KAMの対象(信頼性評価事業の売上計上)自体に変更はない。
報告セグメントの記載が、「日本」「米国」「タイ」「中国」の4つに加え2025年6月にインドに現地法人を設立して5つとする表現から、「日本」「米国」「タイ」「中国」「インド」の5つとする簡潔な表現に変更された。インドが報告セグメントである点に変更はなく、設立時期の経緯記述が削除された。
自然災害のリスクに関する記載で、主な製造拠点の一覧にMitsuchi India Pvt.Ltd.本社工場(インド国ハリヤナ州)が新たに追加された。リスク内容や対応策の本文に変更はない。
為替レート変動リスクの記載対象に、新たな海外子会社Mitsuchi India Pvt.Ltd.が追加された。同社と当社との間の販売・仕入が円建て決済であること、および同社の外貨建て項目が円換算される点が加筆され、その他の記載は前年と同一である。
海外拠点の記述が更新され、2025年6月設立としていたインドのMitsuchi India Pvt.Ltd.が、タイ・米国・中国と並ぶカスタムファスナーの製造・販売拠点として記載された。海外売上高比率は33.0%から35.8%に更新された。リスク要因の列挙内容に変更はない。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に関する会計方針の変更の注記が、当期では記載されなくなった。前期の記載では連結財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた「(30) 代表取締役の海外滞在について」のリスク項目(発生可能性:小、影響度:小)が、今年は削除されている。前年は、代表取締役会長がHIT SINGAPORE社長を兼任し年の半分以上現地に滞在する体制や、子会社の撤退基準(累積損失3億円以上かつ3年連続営業赤字)などを記載していた。
事業等のリスクに「(30) M&A及び資本提携に関するリスク」が新規に追加された。発生可能性は中、影響度は大とされ、簿外債務・偶発債務の顕在化や想定シナジーの未達により、のれん等の減損損失計上など業績・財務に悪影響を及ぼす可能性が記載されている。
公募増資が2025年7月の上場時のものである旨が明記されました。また、建築確認申請等の許認可取得の長期化により、資金の充当時期が当初計画から遅延する場合があるという新たな懸念事項が追加されています。発生可能性・影響度の評価区分は変更されていません。
技術革新及びメディア環境の変化に関するリスク項目に、生成AI等の革新的テクノロジーの普及により広告コンテンツ制作や消費者のメディア接触行動が変化する可能性が追記された。対応策として新技術に対応した高付加価値なクリエイティブ提案が加わり、悪影響の要因にもAI技術によるメディア環境の激変が追加された。発生可能性(小)・影響度(大)の評価は変更されていない。
適用法令の一つが「下請代金支払遅延等防止法」から「中小受託取引適正化法」に改められた。また、建築基準法等の適用・解釈の厳格化により、新規媒体設置の許認可取得の遅延や設置不可が生じ、事業計画や業績に悪影響を及ぼす可能性があるとの記載が新たに追加された。屋外広告業登録は千葉市・さいたま市・東京都・大阪市・札幌市・名古屋市・仙台市で更新され有効期限が2031年となり、大阪府の登録が新規に追加され、横浜市の特例届出の期限は2027年7月31日に変更された。
国際情勢リスクの記載に「昨今の中東情勢の緊迫化をはじめとする地政学リスクの高まり」が新たに加わり、サプライチェーンの混乱によるLEDパネルの仕入高騰・供給不安定化や、グローバル展開する顧客企業からの広告出稿の停止・減少が起こり得る旨に表現が具体化された。発生可能性・影響度の評価や対策の記述に変更はない。
HIT SINGAPOREへの投融資について、前年の「2026年6月期の100百万円を皮切りに2028年6月期までに総額300百万円」という具体的な金額・時期の記載が削除され、媒体開発資金を要する場合に機動的な投融資を行うとの表現に変更された。あわせて、事前準備の記述に「他社媒体の借り上げ交渉」が追加された。リスクの評価(発生可能性:中、影響度:大)は変更されていない。
新株予約権に関するリスク項目で、基準日が2025年8月31日から2026年8月31日に更新され、発行済株式総数が7,113,800株から14,273,200株へ、潜在株式数が69,600株から93,600株へ変更された。潜在株式数の割合は1.0%から0.7%に低下した。リスクの評価(発生可能性:小、影響度:小)や記載の趣旨に変更はない。
財務上のリスクの記載で、有利子負債が2025年6月末の1,522,785千円から2026年6月末の933,954千円に減少し、総資産に占める比率は23.6%から11.0%、自己資本比率は52.4%から68.1%へ変化した。リスクの説明文や評価(発生可能性:小、影響度:大)に変更はなく、数値の更新のみである。
不動産オーナーの表記が「不動産オーナー等」に拡張され、賃借対象に「看板面」が追加、広告媒体の「設置」が「設置・運用」に変更された。また、関係悪化の要因として「建物の賃貸借契約の変更等」が新たに例示され、契約解除の可能性が限定的との認識に「現時点において」が加えられた。
新規媒体の獲得に関するリスクの記載が修正された。従来は「毎年新設媒体をリリースすることで売上拡大を図る」としていたが、「他社所有枠の借り上げ等を機動的に行う」手法が加わり、リスク要因にも他社媒体の借り上げに向けた提携協議が追加された。発生可能性(中)・影響度(大)の評価は変更されていない。