監査上の主要な検討事項(KAM)として、包装機械の売上高に関する期間帰属の適切性が新たに記載された。2026年3月期の包装機械の売上高は4,147百万円(連結売上高の9.3%)で、検収日に収益を認識しており、1件当たりの金額が大きいため期間帰属の誤りが連結財務諸表に与える影響が大きいと判断された。あわせて、減損の兆候の把握に関する監査手続の記載も含まれている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)の節に「内部統制の評価」という項目が新規に追加された。内容は、減損の兆候の有無の把握に関する内部統制の整備及び運用状況を評価したという記載である。
KAMの対象が「のれんの減損損失」から「のれんを含む固定資産の減損損失」に拡大され、マレーシア子会社の新工場建設に伴う有形固定資産(4,692百万円、総資産の6.8%)と土地使用権(859百万円、総資産の1.2%)が検討対象に追加された。前年にKAMだった「包装機械の売上高に関する期間帰属の適切性」は記載から削除され、のれん計上額は1,240百万円(総資産の1.8%)に更新された。
地政学的リスクの記載で、拠点・事業が無い地域の例示が「ロシア、ウクライナ等」から「紛争や軍事的緊張など地政学的リスクの高い地域」という一般的表現に変更された。資源・エネルギー価格高騰によるコスト上昇と販売価格転嫁ができない場合の影響に関する記載は変更されていない。
経営戦略および事業計画に関するリスクの記載に、従来の長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」に加え、2025年5月に策定した中期経営計画(2025-2030)が追加された。リスクの内容や記載のその他の部分に変更はない。
KAMの対象が「株式会社シネ・フォーカスののれん及び顧客関連資産の評価」から特定子会社名を外した「のれん及び顧客関連資産の評価」に変更された。のれん残高は1,165,453千円から3,055,295千円、顧客関連資産は1,731,598千円から1,515,148千円となり、前年に記載されていた2,502,510千円の減損損失の記載は無くなった。主要な仮定として資産の耐用年数や売上高成長率が挙げられ、資産合計に対する比率(12.2%)が記載された。
事業の季節変動リスクの本文は「以下の表の通り」が「以下の表のとおり」に表記変更されたのみで、リスクの説明内容に変更はありません。表の対象年度が2025年3月期から2026年3月期に更新され、年度計の売上収益は30,996百万円から32,821百万円、第1四半期の構成比は38.0%から36.4%に変わっています。
前年度の報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)の適用に関する会計方針変更の記載が、今年度では削除されている。前年度の記載では、財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントが3区分(医薬品卸売・薬局・動物用医薬品卸売)から5区分に拡大し、新たに「製薬事業」と「介護レンタルその他事業」が追加された。従来報告セグメントでなかった「その他事業」は、介護レンタル事業への経営資源の傾斜投入方針により「介護レンタルその他事業」として報告対象となり、前期のセグメント情報も変更後の区分で開示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「製薬企業から受け取る仕入割戻の正確性」から、今年は「のれんの評価」に入れ替わった。今年は八千代ケアサポート(株)等の株式取得に伴うのれん2,051百万円を含む残高2,646百万円(総資産の0.8%)が対象で、暫定的な会計処理による計上額であり、10年間の事業計画に基づく減損判定の不確実性が論点とされている。
KAMの対象が「工事契約」から「元請工事契約」に絞り込まれ、注記参照に「重要な会計上の見積り」が追加された。進捗度に基づき認識した完成工事高は1,453百万円と明記され(前年は道路舗装セグメント売上高49,602百万円に言及)、不確実性要因に「多岐にわたる原価要素」「作業効率の変動」などの表現が加わった。
システムトラブルによるリスク項目の対策記述に、サーバーを高いセキュリティと大規模災害対策が施されたデータセンターで一括管理しているとの説明が追加された。リスクの内容や非常用発電機・ネットワーク冗長化など他の記載に変更はない。
医療保険制度改革の例示が「新型インフルエンザ等への対応およびがん・肝炎対策の拡充」から「各種感染症等への対応」に簡略化されました。また、薬価改定について「部分改定」が「中間年改定」へ、市場拡大品目の年4回改定が「新薬収載機会を活用した薬価見直し」へと表現が改められ、毎年改定される点は「実質的に毎年」と明記されました。業績に影響を与える可能性があるというリスクの趣旨に変更はありません。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年は削除されている。前年の記載では連結財務諸表への影響はないとされており、当年は同内容の記載自体が無くなった。
決算日における進捗度の見積りの合理性評価に関するKAMで、監査手続の表現が一部修正された。「総原価」が「工事原価総額」に変更され、証憑突合の対象から「決算日前後の」が削除され、工事現場視察の記述が文末の「なお書き」に移動した。手続の骨子自体に実質的な変更はない。
進捗度の見積りに関する内部統制の評価手続の記載で、「総原価」が「工事原価総額」に、「実際発生原価」が「発生原価」に言い換えられた。評価対象とする統制の内容や範囲に実質的な変更はなく、用語の統一・表現の修正にとどまる。
前年に記載されていた、2022年改正会計基準等の適用および棚卸資産評価方法(先入先出法から総平均法への変更)に関する会計方針変更の記載が、当年は全て無くなっている。前年はいずれも連結財務諸表・財務諸表への影響は無い、または軽微とされていた。
KAM「のれん及び無形資産の評価」の対象は継続されたが、のれんが2,175百万円から1,658百万円、無形固定資産が4,537百万円から4,282百万円へ減少し、合計は6,712百万円から5,940百万円となった。前年にあったアイカウィルソナート上海社の減損損失542百万円と総資産比率の記載、および不動産鑑定評価書に関する専門家利用の手続きが削除され、アジア事業会社の取得対象は4社から2社の記載に変わった。監査手続には「使用価値の測定を含む」との文言が追加された。
前年に記載されていた「(15)環境保全に関するリスク」の項目が、今年は事業等のリスクから削除された。前年は、原材料に含まれる有害物質や産業廃棄物の不適正処理による環境汚染が発生した場合の費用負担や信用低下、およびISO14001に基づく環境マネジメントシステムによる対策を記載していた。
前年に記載されていた「(13)為替相場の変動に関するリスク」の項目が、今年の有価証券報告書では記載されていない。前年は外貨建て取引や海外子会社の財務諸表の円換算を通じた業績・財政状態への影響と、為替予約によるヘッジ等の対処を記載していた。
前年に記載されていた「(11)取引先の信用に関するリスク」の項目が今年は削除された。前年は取引先の財政状態悪化や廃業による貸倒損失・販売機会の損失の可能性と、取引限度額設定や担保取得などの対策が記載されていた。
前年に記載されていた「(10)納期管理に関するリスク」の項目が今年は削除された。前年は、競業企業の生産能力の変化等により供給能力を超える受注を抱え、納期遅延が発生した場合に多額の費用負担や社会的信用の低下が生じ得ること、およびそれに対する生産管理と情報共有の取組を記載していた。
前年に記載されていた「設備の改廃、用地の制限に関するリスク」の項目が、今年の記載では削除されている。前年は、設備の突然の故障による生産停止や借地使用の延長契約の難航が、生産量の減少や修繕・移転コストの増加を通じて経営成績等に影響し得ること、および設備メンテナンスや借地交渉窓口との意思疎通などの対処を記載していた。
「気候変動・環境保全に関するリスク」の項目内に、新たに「環境保全に関するリスク」が追加されました。原材料に含まれる人の健康や生態系に影響を与える物質や、委託した産業廃棄物の不適正処理により環境汚染が発生した場合、多額の費用負担や社会的信用の低下が生じ得ることが記載され、対策としてISO14001に基づく環境マネジメントシステムの構築等が示されています。従来の気候変動に関する記載は「気候変動に関するリスク」として維持されています。
「財務・税務等に関するリスク」の項目内に、従来の税務リスク(移転価格・追加税負担)に加え、取引先の信用リスク(貸倒損失・販売機会の損失とその対策)と為替相場の変動リスク(ヘッジ策・円貨換算の影響)が①〜③として追記・再構成された。税務リスクの記載内容自体は変更されていない。
「その他事業に関するリスク」が、従来の物流に関する単一記述から、①設備の改廃・用地の制限、②物流網の能力不足・物流費の高騰、③納期管理の3つのリスクに細分化された。設備故障による生産停止や借地契約延長が進まない事態、供給能力を超えた受注による納期遅延といったリスクが新たに記載され、物流の項では燃料高騰の背景として中東情勢の緊迫化が加わり、新型コロナへの言及が削除された。
原材料価格高騰の要因として「中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり」が具体的に明記され、供給リスクの要因に「供給メーカーの統廃合」が追加された。対応策も「国内外の複数社購買の更なる推進」に改められ、不測の事態発生時に代替品の確保や調達ルート変更を行う旨が加えられた。
人的資本に関するリスクの記載で、海外人材について「現地人材の確保」から「国内外の優秀な人材の確保」へ、グローバル人材は「確保・育成」から「育成する必要性が高まっている」へと表現が変更された。採用の取組は「中途採用」が「キャリア採用」に、労働災害関連の「労務環境」が「作業環境」に改められ、職場環境整備の記述が加わった。リスクの内容や評価に実質的な変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
前年度に記載されていた会計方針の変更(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準等の適用、およびグローバル・ミニマム課税制度に係る実務対応報告第46号の適用)の項目が、今年度は記載されていない。前年度の記載ではいずれも連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた「⑧サステナビリティに関するリスク」の項目が、今年は記載されていない。前年は、サステナビリティ関連法令の厳格化への対応や、サプライチェーンにおける環境・人権問題が企業価値に影響し得ることを述べ、サステナビリティ委員会の設置、人権方針の策定、TCFD提言への賛同やSBT認定取得などの対応策を記載していた。これらを含む当該リスク項目全体が今年は削除されている。
前年に記載されていた「物流・ロジスティクスに関するリスク」の項目が今年は削除された。前年は「物流の2024年問題」に起因する物流の停滞やコスト上昇、店舗配送のリードタイム増加、商品納入の遅延・不能による業績影響の可能性と、物流センター体制整備や委託先との連携強化等の対応策が記載されていた。
カントリーリスクの記載で、海外展開の説明が「台湾事業での新規出店拡大・中国市場の開拓」から「台湾・中国での新規出店拡大・アセアン市場の開拓」に改められ、中台関係の懸念への言及が削除された。新たに、従業員の安全・店舗運営・調達への支障や、中東情勢等によるエネルギー価格・輸送費上昇を業績影響要因として追記した。対応策に市場調査の強化が加わり、経営戦略との関連性の記載も新しい戦略表現に変更された。
事業等のリスクに「グループガバナンスに関するリスク」が新たに追加された。グループ各社の事業戦略と経営戦略の不整合や、海外の法規制・商慣行の違いによりガバナンス・モニタリングが機能しない場合に企業価値へ影響し得ると記載し、対応策として関係会社管理規程、子会社への取締役・監査役の派遣、内部監査室による監査を挙げている。
事業ポートフォリオリスクの主旨が、時代潮流変化への対応不足による優位性・ブランド価値の低下から、非アパレル分野の人材・ノウハウ不足や新規ブランド開発の停滞により理想的な事業ポートフォリオを実現できないリスクへ変更された。対応策も、台湾・中国展開やリブランディング等の記述から、新規事業開発の推進、M&A・アライアンスによるノウハウ獲得、成長領域への資源の重点配分と低成長領域の投資抑制・事業見直しへ入れ替わった。経営戦略との関連性の記載も新たな戦略項目に改められた。
事業等のリスクに「為替リスク」の項目が新規に記載された。外貨建ての商品仕入れにおいて円安により仕入価格が高騰した場合に業績へ影響を及ぼす可能性があるとし、対応策として生産国の分散化、取引先との条件調整、適正な商品価格の設定等が示されている。
店舗用固定資産の減損に関するKAMの継続記載で、有形固定資産は8,205百万円(総資産の11.7%)から10,914百万円(同15.3%)に、減損損失は543百万円から713百万円に更新された。使用価値の重要な仮定に「店舗別損益計画の策定期間を超える期間における将来キャッシュ・フローの見積り」が加わり、前年にあった売上高成長率に関する注記の記述は削除された。監査手続の内容は同一である。
「UAクラブ」のアクティブ会員数の記載が150万名から160万名に更新された。また、「経営戦略との関連性」の記載が「UA DIGITAL戦略(サプライチェーンの最適化)」から、「高感度顧客満足No.1ブランドになる」「高感度顧客を世界に広げる」「高感度顧客との新たな接点を築く」の3項目に変更された。リスクの内容や対応策の記載に変更はない。
自然災害リスクの記載内容は同一だが、対応策で参照する規程名が「リスク管理規程」から「リスク・コンプライアンス管理規程」に変更された。経営戦略との関連性は「UA DIGITAL戦略(サプライチェーンの最適化)」から「高感度顧客満足No.1ブランドになる」「高感度顧客を世界に広げる」の二項目に差し替えられた。
投資判断リスクの冒頭に「国内アパレル市場の縮小が見込まれる中」との市場認識が追加され、リスク本文に「しかしながら」の接続が加わった。対応策にはM&Aやアライアンスの知見を有する専門人材の獲得と専任部門の設定が追記され、経営戦略との関連性は「UA MULTI戦略」から「高感度顧客との新たな接点を築く」に変更された。リスクの本質(シナジー未達による業績影響)に変更はない。
人的資源リスクの記載において、店舗人材確保の困難さの要因として「労働需給の逼迫および人件費の高騰」が追記され、影響範囲に「出店計画」が加わった。対応策にはジョブローテーションの推進とセルフレジ導入等の店舗オペレーション改善が追加され、経営戦略との関連性の記載も旧戦略名から3つの新しい方針(I〜III)に差し替えられた。
リスク管理の組織名が「リスクマネジメント委員会」から「リスク・コンプライアンス管理委員会」に、規程名が「リスク管理規程」から「リスク・コンプライアンス管理規程」に変更された。リスクアセスメント活動の記述は、各部門向けアンケートと経営層ヒアリングの併用から、取締役・執行役員を対象としたアンケート・ヒアリングを経て同委員会が重要リスクを選定し、対応方針に基づき各部門が取組を実施、リスク管理担当部門がモニタリングする内容に改められた。
中期経営計画「ACT2027」の資本コスト経営推進の方針を踏まえ、当連結会計年度より一部事業の帰属セグメントを見直した。この結果、リフォーム事業が「不動産事業」から「ガス事業」の内容に移され、前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分に組み替えて記載している。
エネルギー事業・不動産事業のリスク記載を全般的に文言修正した。原燃料調達トラブルでは、ロシアのウクライナ侵攻による調達不能等の具体例から、調達先のトラブル・自然災害・国際情勢・輸送ルート制約といった一般的な記述に変更された。不動産事業の採算悪化リスクと住宅品質管理リスクには、事業化判断・撤退基準、保険加入などの対策の記述が追加された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年は削除された。前年は連結会社間の子会社株式売却損益の税務上の繰延に係る遡及適用により、前連結会計年度の繰延税金資産及び利益剰余金が81百万円増加した旨が記載されていたが、当年は該当記載がない。
リスク情報の冒頭に「トップリスク」の項目が新設され、2026年2月の取締役会で選定した8項目(大規模なサイバー攻撃、デジタル化・AIへの対応不足、同業・他業種との競合激化、地域基幹産業の衰退、人材確保・育成の停滞、大規模自然災害、金融市場の急変、信用失墜事案)がリスクシナリオ例とともに記載された。影響度と蓋然性に基づき、経営に重大な影響を及ぼすリスクを選定する方針も示されている。
監査上の主要な検討事項(債務者区分の判定の合理性)の記載は、基準日が2025年3月末から2026年3月末に更新され、連結の貸出金は5,052,036百万円から5,141,005百万円、総資産は7,433,220百万円から7,630,605百万円、貸倒引当金は27,677百万円から26,649百万円に変わった。個別の貸出金は5,078,171百万円から5,165,603百万円、貸倒引当金は25,757百万円から24,900百万円となった。KAMの対象・決定理由の文言に変更はなく、数値のみの更新である。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)のうち、介護事業ののれんの評価に関する項目が当期の記載からなくなった。前年は、在宅介護・施設介護・高齢者向け住宅の各事業に係る重要な仮定(人員計画、入居率等)や、減損の兆候の把握に関する監査手続が記載されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「セキュリティ事業、FM事業等及び海外事業」に関する項目(常駐警備・機械警備・警備輸送等の受注状況、人員計画、売上高の成長率等)が、今年は記載されなくなった。KAMの対象項目が1件削除された。
前年の監査報告書に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)「のれんの評価」が、今年は記載されていない。前年は連結貸借対照表計上額29,873百万円ののれん、株式会社カンソー取得に伴う1,543百万円ののれん発生、事業計画に基づく減損判定などが検討対象とされていた。