監査上の主要な検討事項における内部統制の評価対象が、前年の「近畿日本ツーリストの受託業務に係る売上高の計上に関する統制(再発防止策として追加・強化された統制を含む)」から、「事業計画の策定・承認プロセスを含む繰延税金資産の回収可能性の判断に係る統制」へ変更された。評価対象となるKAMの論点が売上計上から繰延税金資産の回収可能性へ入れ替わっている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「受託業務に係る売上高の正確性」(ワクチン接種業務の過大請求問題を背景とした近畿日本ツーリストの売上計上)から、「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」に差し替えられた。繰延税金資産は相殺前4,666百万円、計上額2,936百万円で、事業計画に含まれる市場成長の仮定と将来課税所得の見積りが主な論点として記載されている。
新規事業特有のリスクの記述について、冒頭が「新規事業に取り組む場合」という仮定的な表現から「当社グループは、新たな事業機会を求めて新規事業に取り組んでおります」という現状の記述に改められた。法令・契約違反、安全確保の不備、労働災害、損害賠償請求や営業停止処分等のリスク内容自体に変更はない。
自然災害・テロ・紛争・感染症等に関わるリスクの記述で、旅行需要消失の要因として、前年の「大規模テロ」が「テロ」に改められ、新たに「紛争」が明記された。それ以外の記載内容に変更はない。
事業等のリスクの前文において、リスクマネジメント体制の説明が書き換えられた。前年は安全管理部が旅客事故、総務部がその他のリスクを担当すると記載していたが、当年はリスクマネジメント会議を重要事項の協議・決定機関として位置づけ、担当部署を総務CSR部に一本化した旨の記載となっている。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に関する会計方針変更の記載が、当期では削除されている。前期の記載では連結・個別とも財務諸表への影響はないとされていた。
KAM(工事原価総額の見積りの合理性)の対象は同一だが、未完成工事の売上高が9,211,654千円から8,384,483千円に変わった。決定理由に、工事の大規模化・複雑化、工期長期化、外注労務費を含む人件費の上昇、中東情勢の緊迫化を背景とした資材価格変動リスクの高まりにより見積りの不確実性が高まっているとの記載が追加された。監査手続も、利益率が変動した工事の施工内容変更書類の閲覧、実行予算の修正理由の質問、未発注分の見積書照合や公表単価情報との比較などに更新された。
事業等のリスクに「(10) 情報セキュリティに関わるリスク」が新規に追加された。不正アクセス、ランサムウェア、ビジネスメール詐欺、内部不正、委託先・サプライチェーン起因の事象、クラウドサービス障害などにより、情報漏えいやシステム停止が生じて業績が影響を受ける可能性が記載され、あわせて情報関連規程の整備、アクセス管理、ログ監視、脆弱性対策などの対応が示されている。
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等を当連結会計年度(個別は当事業年度)の期首から適用する旨の会計方針の変更が新たに記載された。連結では税務上繰り延べる場合の売却損益の取扱い見直しについて遡及適用されたが、前連結会計年度の連結財務諸表および財務諸表への影響はないと明記されている。
有価証券の時価変動リスクの項目で、文の区切りや語順が変更された。保有資産の下落が業績に影響し得る旨と、保有資産の見直しによるリスク低減の取組という内容に変更はない。
感染症の感染拡大リスクの記載が簡素化された。前年にあった、実体経済や市場への影響を通じた信用リスク・市場リスクの増加と業績・財務状態への悪影響の可能性、およびALM委員会による影響検証に関する記述が削除され、役職員の感染による業務運営への支障と感染予防・業務継続対策のみが残った。
貸倒引当金の債務者区分判断に関するKAMで、総資産(3,460,341→3,576,817百万円)、貸出金残高(2,057,353→2,125,529百万円)、貸倒引当金(16,229→15,312百万円)の数値が更新された。あわせて、引当金の算定が自己査定基準及び償却・引当基準に基づくことや信用リスクの程度に応じた予想損失額の見積もりプロセスを含む旨の説明が加わり、期末の実証手続の記述も一部補足された。KAMの対象(大口の要注意先の債務者区分)自体は変わっていない。
筆頭株主である株式会社フルタの所有割合が47.99%から51.44%に上昇し、同社及び関連会社の所有者の記載から「近親者」の文言が削除された。取引金額の表が2025年3月期から2026年3月期の数値に更新され、雅興産株式会社に対する売掛金の項目が新設された。取引方針や価格決定方法の記載に変更はない。
公正取引委員会の排除措置命令・審決に関するリスク項目(⑩)が削除された。前年は、審決取消訴訟が2025年2月26日の最高裁による上告棄却・不受理決定で終結し、当該リスクが消滅した旨が記載されていた。
民間企業設備投資・新設住宅着工戸数・非住宅着工床面積の低迷リスクの記載に、建設工事の中止や遅延等を招く要因として「原油をはじめとする重要物資供給の不安定化」が新たに追加された。その他の記載内容に変更はない。
KAM「のれんの評価」において、のれん計上額が10,329百万円(総資産の5%)から9,702百万円(同4.7%)に更新され、対象のれんにBX BUNKA AUSTRALIA PTY LTDに関するものが追加された(従前はBX BUNKA NEW ZEALAND LIMITEDが言及されていた)。事業計画に関する主要な仮定(販売数量・販売単価予測)や監査手続の内容は概ね同様である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(債務者区分の妥当性の検討)の監査手続の記載が一部修正された。対象が「中小企業向け貸出金」から「貸出金」に広がり、業績低調先の確認事項に「アクションプランの進捗」が加わったほか、利益計画の記述が「当該計画」「計画」に改められた。
KAM項目Aの対象が「コア領域における中小企業向け貸出金」から「コア領域における貸出金」に変更され、対象範囲が中小企業向けから中小企業を中心とした地元事業性資金全体へ広がった。貸出金残高(6,571,458→6,797,024百万円)、貸倒引当金(72,674→75,075百万円)、コア領域貸出金の割合(中小企業向け55%→コア領域69%)などの数値が更新され、金利上昇の影響を慎重に考慮すべき貸出先への言及が追加された。KAM項目Bの貸出金残高(2,114,285→2,119,889百万円)と割合(32%→31%)も更新され、株価下落への言及が削除された。
事業等のリスクに「トップリスク」の項目が新設され、取締役会で選定した6つの重要リスク(サイバー攻撃・大規模システム障害、預金獲得競争の激化、人財の量的・質的不足、マネー・ローンダリング等対策の不備、大規模自然災害、営業地盤の悪化)が整理して記載された。各リスクについて想定されるリスク事象の例が示され、それ以外のリスクも別途管理している旨が付記されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち貸出金の債務者区分判定に関する内部統制評価で、評価の焦点の1項目目の表現が「自己査定に関する諸規程の会計基準等への準拠性」から「会計基準等に準拠した自己査定関連規程の整備・運用」に変更された。他の2項目(ITシステムによる業務処理統制、二次査定部署による検証)は同一である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号、2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の記載では連結財務諸表への影響はないとされていた。
新たに「マネー・ローンダリング、金融犯罪等に係わるリスク」の項目が追加され、これに伴い以降の項目の記号が繰り下がっている。コンプライアンスリスクに顧客本位の業務運営に反した取扱いが加わったほか、人的リスクの要因(採用競争激化・雇用流動化)、風評リスクの発生経路(SNS等)、競争リスクのデジタル技術の革新、経営戦略名の改称も更新されている。
トップリスクの対象年度が2025年度から2026年度に更新され、新たに「コンプライアンスリスクの顕在化」が追加された。システムリスクは「システムリスク・サードパーティリスク」に拡張され、営業地盤の悪化には人口減少や東京一極集中による若年層・相続預金等の域外流出が加わった。一方、グループガバナンスの人材関連シナリオは、人材確保の困難化を競争激化側のシナリオに移す形で再整理された。
監査上の主要な検討事項(工事原価総額の見積りの妥当性の評価)における監査手続の記載が変更された。前年は「主要な工事が監査報告書日までに完成したため、未発注原価を出来高報告書等と突合」としていたが、今年は既発注原価を注文請書等と突合し、未発注原価は技術部責任者への質問と見積書との突合を行う内容に改められた。
レンタル需要の季節変動に関する参考情報が、2025年3月期の各四半期業績から2026年3月期のものに更新された。第1四半期の売上高は8,463百万円から8,010百万円、営業利益は901百万円から745百万円に変わるなど数値のみの更新で、リスクの記述自体に変更はない。
前年の記載にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の注記が、当年では記載されなくなった。前年の記載では、当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
オペレーショナル・リスクの項目に「⑦ サードパーティリスク」が新設され、契約先など関係を有する第三者がサイバー攻撃等を受けて情報漏洩等が発生した場合に、当行グループの業務に悪影響を及ぼす可能性があると記載された。既存の①〜⑥の内容に実質的な変更はなく、段落間の空行が削除された程度の体裁変更のみである。
連結自己資本比率の記載が2025年3月期の10.21%から2026年3月期の9.84%に更新された。国内基準の4%を上回っている点や、下回った場合の金融庁による命令の可能性、繰延税金資産に関する記載は変更されていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当年は記載されなくなった。前年の注記では連結財務諸表への影響はないとされており、適用初年度の注記が終了した形である。
原材料・商品の仕入に関するリスクに、中東地域の地政学リスクの高まりによる原材料価格上昇・エネルギー供給逼迫・輸送経路寸断の可能性が追加された。一方、ジェネリック医薬品の競争に関するリスクからオーソライズドジェネリックの浸透による市場シェア変化や在庫過多の可能性の記述が削除された。品質リスクや法令違反リスク等の対策記述の表現も一部更新されている。
グループ通算制度適用会社における繰延税金資産の回収可能性というKAMの対象は前年と同一で、計上額が288百万円から131百万円に減少し、相殺前の金額は989百万円から1,097百万円、評価性引当額控除前は1,731百万円から1,786百万円に変動した。また、不確実性が高い理由の説明が、将来の売上高予測に重要な判断を伴う主要な仮定が含まれるとの表現から、薬価改定率や販売数量見込の見積り手法に起因して不確実性が高いとの表現に改められた。
前年に記載されていた「取り巻く外部環境に関するリスク」の項目(法規制・政策変更、大規模自然災害等、感染症の流行の3リスク)が、今年の記載では見当たらなくなっている。これらのリスクが他の項目に統合・移動されたかどうかは、この比較対象からは確認できない。
前年に記載されていた「(3)業務面に関するリスク」の項目全体(金融犯罪、役職員による不適切な行為、事務・情報セキュリティ・法務・風評の各リスク)が、今年の記載では見当たらなくなっている。この節自体が削除されており、他の項目へ移された可能性は今回の比較範囲では確認できない。
business_risks節から「(2)財務面に関するリスク」の項目全体が削除された。信用リスク(福島県の経済情勢・処理水の風評被害)、市場リスク、流動性リスク、自己資本比率(国内基準4%)、固定資産の減損、繰延税金資産・退職給付債務・格付低下に関する記載が、今年の記載には見当たらない。削除の理由や代替の記載場所は提示された範囲からは確認できない。
新たに「(2) トップリスク以外の主要なリスク」の節が追加され、戦略リスク(震災復旧の遅れ、デジタル技術の変化)、財務リスク(信用・市場・流動性・自己資本比率・固定資産減損)、非財務リスク(金融犯罪、不適切行為、業務提携先、風評、自然災害、感染症、法規制等)がシナリオ付きで一覧化された。信用リスク・市場リスクについては、VaR(信頼区間99.9%)によるリスク量の算出と資本配賦制度を用いた管理を行う旨の注記も記載されている。
トップリスクの記載が、2025年3月現在の選定方法の説明・ヒートマップ・対応方針の表から、2026年3月現在の対応方針の表中心に改められた。新たに「専門人材の不足」(DX・サイバー・GX・リスク管理高度化に対応する専門人材の不足)がトップリスクに追加され、各リスクにリスク区分(戦略リスク/非財務リスク)とTX PLAN2030との関連の欄が設けられた。選定プロセスの説明やヒートマップの記載は削除され、各対応方針はストレステストの具体化や専門組織CSIRTの設置など詳細化されている。
連結子会社が8社から7社に減少し、従来報告セグメントとして記載していた「証券業」が、量的重要性の低下に伴い当連結会計年度から「その他」の区分に含められた。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分で作成し直して記載している。
事業等のリスクの前文に、TXPLAN2030達成に向けて主要なリスクを網羅的に抽出し、発生可能性と影響度の評価によりトップリスクを選定する枠組み、リスクアペタイト方針・指標の設定とモニタリング、社外取締役を含む経営陣による議論といった記述が新たに追加された。あわせて、発生可能性と影響度で区分した主要なリスクの一覧(信用・市場・流動性・サイバー・気候変動等)が追加されている。
原材料調達リスクの記載において、産油国の地政学リスクの具体例として紛争やホルムズ海峡閉鎖が追加され、影響対象に包材等も加わった。また油脂相場についてもホルムズ海峡封鎖の影響や海上運賃上昇の可能性が既に高まっている旨が追記された。投機資金の流出入に関する記述は削除された。
地政学リスクの記載に、イランと米国・イスラエルとの紛争が発生しており、UAEにある連結子会社の生産・販売に影響が生じているとの記述が新たに追加された。ロシアによるウクライナ侵攻の表現は「続いています」から「継続しています」に変更されたが、その他の記載は前年と同様である。
「災害・事故等のトラブル」項目で、4つの安全活動やISO等のマネジメントシステム、パトロール・教育・訓練などの取組に関する記述が整理・言い換えられ、ISO導入に「必要に応じて」との文言が加わった。リスク事象①〜⑨の内容に実質的な変更はなく、⑦⑨の表現が微修正されたのみである。
製品の欠陥リスクの記載で、「これらの対策を講じているものの」という前置きが追加された。また、製造物責任保険について「当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります」との文言が新たに加わり、保険で賠償額を補償しきれない場合の影響が明示された。その他の品質管理体制の記述に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の注記では連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
米国・豪州子会社に係るのれんの評価に関するKAMで、計上額が105,003百万円(総資産の11.3%)から35,921百万円(同3.7%)へ大きく減少し、対象にNRI Australia LimitedとPlanit Test Management Solutions Pty Ltdが含まれなくなった。当期の減損テストの結果、Core BTS, Inc.及びNRI Australia Limitedに係る資金生成単位で回収可能価額が帳簿価額を下回り、減損損失83,647百万円を計上した旨の記載が新たに追加された。
「重要と認識するリスク」の項目数が12から16に増え、重点テーマの範囲も「③から⑧の特に重要なリスク」から「①から⑦」へと変更された。構成が大幅に組み替えられ、「労務管理に関するリスク」(長時間労働・健康管理)が新設され、コンプライアンス項に「人権について」(人権デューデリジェンス、AI基本方針)が追加された。また、サプライチェーン(外注比率約5割、請負業務、価格転嫁)が独立項目となり、品質・プロジェクト・事業継続の各項目名や記載も一部見直された。
リスク分類数が13項目から16項目に増え、重点テーマの選定基準が「特に重要度が高いと認識するもの」から「主に事業活動に関連するもの」へ変更された。重点テーマは2027年3月期のものとなり、「NRIグループの内部統制システムの継続的な改善」「事業継続責任を果たすための適切な備え」が外れ、「継続的なコンプライアンスの順守」「サプライチェーンリスクへの適切な備え」「災害・パンデミックへの適切な備え」が新たに加わった。
旅客運輸収入の収益認識に関するKAMの監査手続の記載が一部変更された。自社発売額の表現から「現金もしくはクレジットカード等での」が削除され、残高確認の対象から「他の旅客会社との連絡運賃に係る債権債務」の記述がなくなり、クレジットカード会社等に対する債権のみとなった。
KAM「旅客運輸収入に関する収益認識の正確性」の対象や決定理由は変わらず、数値と会社名表記のみ更新された。連結営業収益は260,787百万円から264,714百万円、運輸業セグメントの外部顧客向け営業収益は111,531百万円から115,953百万円に変わり、構成比は42.8%から43.8%となった。社名は「株式会社NANKAI(旧会社名 南海電気鉄道株式会社)」に改められている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。