宅食事業のリスク記載に、米価・原油価格(ガソリン)・容器価格の上昇という価格高騰圧力が新たに追加され、影響として市場シェア低下に加え利益率の低下が明記された。対応策の記述は、法人営業への全社的取組や省人化投資などの内容は維持しつつ、表現が一部更新されている。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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国内外食事業のリスク記載に、2026年2月に始まった米国とイランとの紛争やホルムズ海峡の封鎖による石油供給リスクの発生で物価上昇が一段と強まるとの趣旨の文言が追加された。既存の地政学的リスクや物価上昇圧力に関する記述、および対応策(テイクアウト・デリバリー強化、焼肉業態、SUBWAY事業など)に変更はない。
M&Aに伴うのれん等の処理に関する記載で、のれん残高の基準日が2025年3月末の681百万円から2026年3月末の295百万円へ更新されました。あわせて「デユーデリジェンス」の表記修正と、親会社としての支援に関する一部文言の調整が行われていますが、リスクの内容自体に変更はありません。
人事労務リスクの記載で、対策として「外部講師を招いたハラスメント研修」と「部課長を対象とした評価者研修」の具体的な記述が追加された。あわせて「まねき」を「招き」とする表記の修正と、参照先のサステナビリティ項目の記号が(d)(e)(f)から(c)(d)(e)に変更された。リスクの内容自体に変更はない。
国内の製造拠点の内訳が変更され、食料品材料セット・調理済み商品の工場が全国5箇所から4箇所に、冷凍食品の工場が尼崎1箇所から尼崎及び栃木の2箇所になった(計6箇所は不変)。リスクの内容や海外事業の記載に実質的な変更はなく、「稼動」から「稼働」への表記修正のみである。
前年に記載されていた「(19) 訴訟」の項目が削除された。同項目では、当社グループが訴訟を提起される可能性と、マグネデザイン株式会社および本蔵義信氏から当社及び取締役等に対し損害賠償請求訴訟が提起されている旨が記載されていたが、今年は該当記載がない。
その他の法令・公的規制のリスク項目で、従来の法令改正時の対応費用増加に加え、法令遵守に努めていても様々な訴訟や規制当局による法的手続きの当事者となる可能性がある旨が新たに追記された。『遵守に努めています』の文言は後段に移され、財政状態・経営成績への影響可能性の記載は両方のケースにかかる構成に変更された。
事業等のリスクに「(12) 知的財産権」の項目が新設された。独自技術の知的財産権としての保護が保証されないこと、第三者による類似製品の製造・販売を防止できない可能性、第三者の知的財産権を侵害すると判断される可能性、およびそれに起因する訴訟等が財政状態・経営成績に影響し得ることが記載されている。
報告セグメントが従来の「温浴」「不動産」の2区分から、新たに「食品」を加えた3区分に変更された。「食品」は2025年7月に子会社となった青柳食品販売株式会社が、食品・食材・健康食品の企画開発、OEM受託、卸売等を行う事業である。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期の「株式会社エレナの温浴事業に係る売上高の実在性」から、今期は「青柳食品販売株式会社の取得により発生したのれんの評価」(のれん178,641千円、取得価額226,000千円)に入れ替わった。減損の兆候ありと判断したが、割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回り減損損失の認識は不要とされている。前期にあった架空売上計上リスクの記載はなくなり、事業計画の仮定の合理性に関する監査手続が記載されている。
事業等のリスクに「(7)食品事業について」が新規に追加された。食品衛生法などの法令遵守を徹底しているものの、原材料や製造工程での想定外の問題や品質・衛生上の問題が発生した場合、社会的信用の失墜やブランド価値の毀損、損害賠償金の支払いにより経営成績に影響する可能性があると記載されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に関する会計方針変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、経過的な取扱いに従っており連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
棚卸資産の評価に関するKAMの対象は前年と同じで、計上額が合計23,970百万円(総資産の31.3%)から27,192百万円(同32.1%)に増加し、仕掛品は12,090百万円から15,508百万円となった。滞留品の識別に関する記載から「自動または手作業により」の文言が除かれた。監査手続は「収益性の低下」「滞留」「個別事象」の区分に再整理され、管理資料の検証でも在庫金額総額と会計データの整合や最新単価と検収証憑の整合の確認が具体的に記載された。
自然災害・疫病リスクの項目が箇条書き形式に再構成された。対応策に、2025年12月新設の平和島事業所(24時間365日利用可能な免震構造の建屋に、上下水道等の製品サービス部署と鉄道保線担当子会社が入居)の記載が追加された。リスク認識や影響の記述は実質的に変更なし。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針変更の記載が、当年では削除されている。前年の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
物流リスクの対応策の記載が、「営業部門に専任担当者を配置し生産者及び運送事業者と連携」から「物流企画部を中心に生産者及び運送事業者と連携を図る」へ変更された。リスクの内容や影響に関する記載に変更はなく、対応体制の表現の更新のみである。
コンプライアンスリスクの記載が簡素化された。「働き方改革等への不十分な対応による労務トラブルリスク」が「労務トラブル等のリスク」に短縮され、「潜在的に有している」との一文が削除された。リスクが顕在化した場合の影響や対応策(委員会設置、内部通報窓口など)の記載に変更はない。
営業債権の貸倒リスクに関する対応策の記述が一部変更された。前年は「売掛金保証サービスによるリスク回避策」とのみ記載していたが、今年は「販売先との契約内容の見直しや売掛金保証サービスの活用等」と、契約内容の見直しが追加された。リスク認識の記述自体に変更はない。
新規人材確保と業務ノウハウ継承リスクの対応策のうち、「採用活動を強化する」との記述が「採用手法の多様化を進めることで、必要な人材を確保し」に変更された。リスクの内容や評価に変更はなく、対応策の表現の更新にとどまる。
前期にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、当期には削除された。前期の記載では、連結財務諸表および財務諸表に与える影響はないとされていた。
前年は営業損失・経常損失・当期純損失の計上により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在すると記載されていたが、今年は第1次中期経営計画に基づくM&Aを含む事業ポートフォリオ再構築等の結果、営業利益・経常利益・当期純利益を計上し、当該事象又は状況は解消したと判断する記載に変更された。資金繰りの懸念や不確実性に関する前年の説明は削除されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期のPontetorto S.p.A.に関する固定資産の評価(減損損失2,688百万円)から、当期は株式会社ジャパンブルーの株式取得に伴う企業結合の会計処理に変更された。当期はのれん2,974百万円、商標権1,740百万円、顧客関連資産670百万円の計上と、取得原価配分・償却期間・事業計画の販売数量仮定の不確実性が論点として記載されている。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当年度では記載されていない。前年度の記載では連結・単体財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントが「石油事業」「専門店事業」「不動産事業」の3つから、新たに「ファンド事業」(成長企業への投資及び投資先支援)を加えた4つに変更された。当連結会計年度にバイオ・サイト・キャピタル株式会社の株式63.76%を取得して連結子会社としたことに伴うもので、連結初年度のため前年度のセグメント情報は作成していない。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、販売用不動産の評価が新たに記載された。販売用不動産2,240,237千円は総資産の41.2%を占め、販売見込額の見積りに不確実性と経営者の主観的判断を伴うため、監査人が内部統制評価やNOI利回りの外部情報との比較検討などの手続を実施した旨が示されている。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMの数値が更新され(繰延税金資産31,689千円→36,897千円、評価性引当額66,516千円→50,512千円)、税務上の繰越欠損金への言及がなくなった。監査手続では、専門店事業の店舗閉鎖・事業譲渡計画の確認が、不動産販売事業の新規案件に係る事業計画の確認と決算日後取引の証憑照合に置き換わった。あわせて「販売用不動産の評価」という見出しが新たに加わっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、バイオ・サイト・キャピタル株式会社の株式63.76%を2025年11月7日付で238,840千円で取得した企業結合に係る会計処理が新たに記載された。のれん13,213千円を計上しており、取得原価の配分や被取得企業の貸借対照表計上額の適切性が論点とされ、取得対価の証憑突合や株式価値算定の評価などの監査手続が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「子会社株式取得に伴う企業結合に係る会計処理」が新たに記載された。前年は該当の記載がなく、今回は前文と項目見出し(内容及び決定理由、監査上の対応)が示されている。
国際情勢リスクの原因事象が、ロシアのウクライナ軍事侵攻から、アメリカのイラン攻撃によるホルムズ海峡の閉鎖に差し替えられた。原油価格の高騰が続き仕入価格を販売価格に転嫁できない場合に業績へ影響するという骨子は変わらず、影響対象の表現が「当社」から「当社グループ」になった。
固定資産の減損会計適用に関するリスク項目で、「当社」が「当社グループ」に表記変更された。また、専門店事業における新規出店と出店時計画通りに利益が計上できない場合の減損損失リスクに関する記述が削除された。
「気象条件の変動によるリスク」で、主語が「当社」から「当社グループ」に変更された。また、専門店事業の売上計画の季節変動に関する記述(予想以上の気候変動による業績への影響の可能性)が削除され、石油事業の記載のみとなった。
繰延税金資産の回収リスクの記載において、主語が「当社」から「当社グループ」に変更されました。リスクの内容や趣旨に変更はなく、表現上の修正にとどまります。
異常事態によるリスクの記載で、影響を受ける主体の表現が「当社」から「当社グループ」に変更された。リスクの内容や想定される事象に変更はない。
生産物責任によるリスクの記載で、主語が「当社」から「当社グループ」に変更された。リスクの内容や保険による補填に関する記述自体に変更はない。
システム障害によるリスクの記載で、対象となる情報システムの主体が「当社」から「当社グループ」に変更された。リスクの内容(自然災害や機械故障による長期使用不能・大規模データ破壊が業務遂行に影響しうる点)自体に変更はない。
事業等のリスクの前文において、将来に関する事項の判断時点と主体の表記が「当事業年度末現在において当社が判断したもの」から「当連結会計年度において当社グループが判断したもの」に変更された。連結ベースの記載への移行を反映した表現変更であり、リスク内容自体の変更は示されていない。
前年の有価証券報告書にあった「会計方針の変更」の項目(該当事項なしとの記載)が、今年は記載自体が削除されている。会計方針の変更が新たに生じたことを示す記載は確認できない。
KAMの題目が「固定資産の減損」から「店舗に関する固定資産の減損の兆候」に変更され、前期は兆候が識別されていなかったのに対し、当期は減損損失15,509千円が計上された旨が追記された。固定資産の総資産比率は12.8%から16.3%に上昇し、決定理由も、共通費配賦のシステム外計算による誤謬リスクと、翌事業年度予算に含まれる重要な仮定の不確実性に更新されている。
減損の兆候判定に係るKAMの監査手続の記載が更新された。前年にあった監査人独自集計との突合や再計算の記載が、会計システム出力データとの一致確認や配賦基準の合理性・網羅性の検討に置き換わり、翌事業年度予算の取締役会承認との整合性や販売計画・人件費計画等の仮定の合理性を検討する手続が新たに追加された。
監査上の主要な検討事項(店舗の固定資産の減損)における「内部統制の評価」の記載が簡素化された。前年は店舗管理システム・会計システムのIT全般統制や店舗別損益の入力の正確性に関する業務プロセスの評価を具体的に記載していたが、今年は減損判定に関連する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価した旨の一文に集約された。
有利子負債依存度に関するリスク項目で、有利子負債残高が2025年3月末の20億13百万円から2026年3月末の12億13百万円へ減少し、依存度も58.8%から42.3%に低下した。市場金利上昇による財政状態・業績への影響の可能性という文言は変更されていない。
関連当事者((株)成和)との販売取引・工事契約に関するKAMで、当事業年度の売上高が785,146千円(売上高比8.2%)から1,229,389千円(同12.4%)に増加した。滞留部品の評価に関するKAMでは、監査手続のうち市場環境に関する外部情報との整合性検証や、滞留部品の使用・転用実績に基づく評価損計上の確認など複数の記述が削除された。(株)成和に関する監査手続の内容自体は同じである。
賃貸不動産の減損に関するKAMで、賃貸不動産の計上額が21,320,681千円から21,495,771千円へ更新された。減損の兆候が認識されている物件の金額は341,996千円から1,040,593千円へ増加している。あわせて注記の参照先表記や「重要な仮定」が「主要な仮定」に改められるなどの文言修正がある。
事業リスクとして「資材等の調達について」の項目が新規に追加された。石油化学製品であるナフサを原料とする建築資材の供給制限・停止や価格高騰により、原価の大幅増加や工期・引渡しの遅延が生じ、予定した売上・利益の確保が困難となり業績及び財務状況に影響しうる旨が記載され、対応策として同等品・代替品の検討による安定供給の確保が示されている。
前年度に記載されていた報告セグメントの変更に関する事項が削除された。前年度は「土地有効活用事業」から「資産活用事業」への名称変更、およびアイワライフネットの「不動産賃貸事業」への区分変更と子会社合併について記載があったが、今年度は該当記載がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制の評価に関する記載で、正味売却価額の算定根拠が「事業計画等によって算定された」から「事業計画に基づき算定された」へ文言修正された。評価対象や手続の内容に実質的な変更はない。
KAM「販売目的で保有する不動産の評価」の対象は同一で、計上額が販売用不動産2,635,066千円から2,751,504千円、未成工事支出金794,347千円から630,138千円に更新された。リスクの説明から「開発の遅延」への言及が削除され、注記の参照先や一部の文言(重要な仮定→主要な仮定等)が修正されている。
法的規制に関するリスクの本文および対応策の記載に変更はなく、免許・許認可の一覧表のみが更新されている。特定建設業許可・一級建築士事務所登録・一般建設業許可が更新後の番号・有効期間に差し替えられ、前年に記載のあった一部の飲食店営業許可・食肉販売業許可(2023年7月取得分と2022年5月取得分)が一覧から除かれている。
前年に記載されていた、2022年改正の法人税等に関する会計基準・適用指針の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年は削除された。前年の記載では、連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされていた。
継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在するとの記載は維持された一方、営業キャッシュ・フローのマイナス額が7,681千円から294,524千円へ拡大した。対応策では、紡績事業が高機能繊維開発などの強化から需要減に備えた人員再配置を含む合理化・加工費の価格転嫁による事業継続へ、リサイクル事業が設備拡充による強化から既存品目の安定稼働による黒字継続へと変更された。資金面では新株予約権の行使による261百万円の払込が追記され、重要な不確実性は認められないとの判断は変わらない。