前年の監査上の主要な検討事項(KAM)にあった「開示すべき重要な不備の是正状況の評価」の項目が、今年は記載されていない。前年は、コンプライアンス体制の見直しや再発防止、内部通報制度の整備、追加工事の発生状況に関する経理部門のモニタリング統制について、監査人が行った手続が記載されていた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)の対応手続として、総製造原価の見積りに関する内部統制の評価の項目が新たに記載された。実行予算書の作成・承認、原価管理部署によるモニタリングと見積り改訂の体制、追加工事の発生状況の四半期ごとのモニタリングといった統制の有効性を評価したとされている。
KAMの対象である一定期間にわたり充足する履行義務の収益について、売上高が28,077百万円から28,189百万円、該当工事完成高が26,769百万円から27,009百万円へ更新された(比率は95%のまま)。前年に記載されていた過去の不適切会計と内部統制の開示すべき重要な不備、およびその是正状況を踏まえた監査手続の必要性に関する記述が削除され、決定理由は総製造原価の見積りにおける経営者の仮定と判断のみとなった。
事業等のリスク全8項目について、リスク記載と対応策の記述が全面的に拡充・書き換えられた。原材料価格リスクに「エネルギー価格」が追加され、調達難には地政学リスク・自然災害・調達コスト上昇、情報セキュリティには社会的信用低下や損害賠償の発生が追記された。一方、感染症に関する記述や有価証券の外国為替影響を受けない銘柄選定の制限などは削除され、DX基盤強化や情報セキュリティ委員会など新たな対応策が加わった。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年度は削除された。前年度の記載では、経過的な取扱いに従って適用しており連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
継続企業の前提に関するKAMで、当期純損失が前期925百万円に加え当期は1,656百万円に拡大し、2026年度診療報酬改定等の外部環境変化により現行の事業構造では収益性確保が困難となる局面にある旨が追加された。財務制限条項への抵触状況は継続し、金融機関の猶予は期限の利益喪失の猶予から6カ月の元本返済猶予に変わり、経営者は重要な疑義は存在するが重要な不確実性はないと判断している。事業計画の仮定も診療報酬改定後の医療単価を前提とした内容に変更され、監査手続の記載も改定後制度を踏まえた内容に更新された。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「内部統制の開示すべき重要な不備の是正状況の評価」が新たに記載された。訪問看護事業における診療報酬の過大請求の要因となった人事評価制度の見直し、短時間訪問・同行者不在訪問の是正、訪問看護時間の電子記録導入や記録チェック体制の強化などの是正策について、監査人が議事録・社内通知・記録資料の閲覧等で整備運用を確認した旨が記載されている。
継続企業の前提に関する重要事象の記載が更新され、当期純損失が前期925百万円から1,656百万円に拡大し、2026年度診療報酬改定等により現行の事業構造では収益性確保が困難な局面にあるとの記載が加わった。財務制限条項への抵触は継続し、対応策は2027年3月期を構造改革期間とする収益モデル転換・コスト構造見直し・稼働率向上に変更され、金融機関による元本返済猶予(2026年4月〜9月)や代表取締役からの寄付受入れが資金面の施策として記載された。なお、重要な不確実性は認められないとの判断は維持されている。
前年は猶予期間内にプライム市場の新規上場基準に準じた審査申請を行うか、スタンダード/グロース市場への区分変更申請を行う旨の一般的な説明でした。今年は2026年3月27日付でスタンダード市場への区分変更の予備申請を行い、当社株式が監理銘柄(審査中)に指定されたこと、2027年3月26日までに適合が認められない場合は上場廃止の可能性があることが追記されました。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「特別調査委員会の調査で判明した診療報酬の過大請求が網羅的に把握され適切に訂正処理されているかの検討」の項目が、今年は記載されなくなった。不正専門家の関与や調査結果の利用可能性評価などの監査手続の記述も併せて削除されている。
監査上の主要な検討事項(訪問看護事業の過大な診療報酬請求への対応)について、前年は「当事業年度に発覚」した事案への対応として記載されていたが、今年は「前事業年度に発覚」した事案に係る内部統制の不備の是正状況の評価へと位置づけが変わった。売上高は26,496百万円から28,136百万円、訪問看護事業の売上高は15,157百万円(57%)から15,106百万円(54%)に更新され、本件が短時間訪問や同行者不在に起因する過大請求事案と具体化され、内部統制報告書の訂正報告書の開示や再発防止策の実行に関する記載が追加された。
有利子負債に関するリスクの記載で、資金調達手段として債権流動化が新たに加わった。有利子負債残高は22,489百万円から30,628百万円へ、有利子負債自己資本比率は261.8%から441.8%へ上昇している。金利変動が業績等に影響を与える可能性があるとの記述は変わっていない。
特定人物への依存リスクの記載が更新され、組織体制の整備を進めている旨が追記された。また、創業者である代表取締役社長が2026年6月26日開催予定の定時株主総会等を経て代表取締役を退任し、取締役として留任する予定であることが新たに明記され、業績・財政状態への影響の可能性に言及している。
診療報酬の不適切請求を受けた内部統制の重要な不備について、前年は再発防止策を今後実行するとの記載だったが、今年は改善を進め、期末時点で改善が図られ有効と評価されたとの記載に変わった。今後も内部統制の整備・運用状況を適宜検証し改善を続ける旨が加えられた。
従来の「改定による影響は低い」との見方を削除し、2026年6月施行の診療報酬改定で新設された「包括型訪問看護療養費」への移行(出来高算定から1日単位の包括評価へ)や同一建物減算の細分化等を具体的に記載した。これに伴い従来の多頻度訪問を前提とした収益構造から体制変更を行っており、売上高や利益率が低下するリスクがあると明記している。
機能商品事業の製品群の記載から「写真感光材料」が削除され、新たに「エンジニアリング事業」(機械設備等の設計、据付、整備等)が報告セグメントの説明に追加された。セグメントの構成と各事業が取り扱う製品・サービスの範囲が変更されている。
報告セグメントが「機能商品事業」「紙素材事業」の2つから、新たに「エンジニアリング事業」を加えた3つに変更された。報告セグメントの決定方法に関するその他の記載に変更はない。
前年のKAM3項目のうち、欧州子会社(三菱ペーパーホールディング(ヨーロッパ)GmbH)の回収可能価額測定と、グループ通算制度適用会社の繰延税金資産の回収可能性が当年は記載されなくなり、北上サイトの固定資産の減損損失の認識の判定のみが残った。北上サイトの対象固定資産額は3,879百万円から3,867百万円に変更され、主要な仮定に「主要な資産の経済的残存使用年数」が追加され、監査手続も不動産・動産の正味売却価額の検討などに見直された。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「減損の認識・測定の検討」の監査手続の記載が、当期は削除された。前期は事業計画の重要な仮定の合理性、全社共通費の配賦基準、過年度計画と実績の比較、のれんの未償却残高の再計算といった手続が記載されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に関する監査対応のうち、「内部統制の評価」の項目が前年の記載から削除された。前年は事業計画策定に関する内部統制と、のれんの減損の兆候把握及び認識・測定プロセスに関する内部統制の整備・運用状況の評価が記載されていた。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、AI-OCRのリクエスト数・課金計算に関する監査手続と、株式会社aiforce solutionsの吸収合併で認識したのれん(減損損失685,319千円を計上)の評価に関する項目が、当期は記載されていない。KAMの対象項目が削除された形となっている。
従来のKAMである日立国際電気取得時ののれんの評価は、基準日が2026年3月31日に更新され、総資産に占める割合が17.3%から16.4%に変わったが、のれん残高は59,065百万円で同額。これに加え、新たなKAMとして「常備在庫品の評価に関する会計上の見積りの変更」が追加され、評価減の見積り方法を「最終入庫からの経過期間」による分類から過去の使用実績に基づく方法へ変更したことで、売上原価が1,837百万円減少し営業利益・税引前利益が同額増加した旨が記載されている。
前年に記載されていた「(20)借入金」のリスク項目(LBOスキームによる多額の借入、財務制限条項抵触による期限の利益喪失、金利上昇による支払利息増加などの懸念と、2025年3月期の600億円借り換えへの言及)が、今年の事業等のリスクから削除されている。代替となる記載は示されていない。
事業等のリスクに「(19)金利の変動」が新規に追加された。変動金利による借入の支払利息が金利上昇局面で増加し、経営成績・キャッシュ・フローに影響する可能性を挙げ、顕在化の可能性は中、影響度は中と記載している。対応として有利子負債水準の管理、金利動向のモニタリング、固定金利調達やデリバティブの利用検討などを記している。
感染症の世界的流行リスクについて、影響度の評価が「小」から「大」に引き上げられた。あわせてリスクへの対応として、顧客の生産拠点に近い地域へサービス拠点を設置し、エンジニアや交換パーツを配置することで、海外渡航制限下でもサービスを継続できる体制を整えている旨が追記された。顕在化の可能性(中)と時期(長期)は変更されていない。
KKR HKE Investment L.P.の保有割合が23.5%から2026年3月末時点で10.4%に減少し、その他の関係会社・筆頭株主ではなくなったこと、さらに2026年5月に全株式を売却し主要株主でもなくなったことが追記された。KKRからの取締役派遣も2026年6月の定時株主総会終結をもって終了予定と記載され、顕在化の時期は「中期」から「短期」に変更された。リスク対応には株主との定期的な対話の記述が加わった。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」から、「広告セールスプロモーション取引に関する売上高の期間帰属の適切性」へ変更された。新たなKAMでは同取引の売上高5,280,268千円(連結売上高の43%)を対象とし、内部統制の評価、期末付近売上の取引証憑との突合、期末後の返品取引の確認といった監査手続が記載されている。
拠点展開計画のリスク項目に、エリア戦略等の事業・経営戦略上必要と判断したM&A等によりグループ会社が増加する可能性が追記された。あわせてリスク要因として「目的とする地域に拠点を展開できなかった場合」が削除され、「連結対象となったグループ会社の業績が計画を著しく下回った場合」が追加された。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「船舶の減損」が新たに記載された。メキシコ当局から出港許可が下りず長期停泊が続く「Challenge Procyon号」について、減損の兆候はあるものの、将来の解放時点の正味売却価額に基づく割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回るとして減損損失の認識は不要と判断しており、この見積りの不確実性が高いことから監査人が検討対象とした。連結子会社保有の船舶は19,786,394千円(総資産の25.6%)で、監査人は専門家の鑑定評価や弁護士への確認等の手続を実施した。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節が新たに記載され、前文に続き、外国政府により船舶出港不許可とされたChallenge Procyon号に係る評価がKAMの対象として挙げられている。前年は該当する記載がなく、特定の船舶に関する具体的な事象が新たに監査上の検討対象となった。
中東情勢に関する記述が「不安定化」から「緊迫化に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖」へと具体化され、ウクライナ侵攻も「長期化」と表現が改められました。直接的な影響はないとの記載は維持された一方、間接的リスクとして、従来の船用品費・潤滑油費・船舶修繕費の上昇に加え、高リスク海域航行船舶の船舶保険料の急騰が新たに挙げられています。
美容・健康事業の説明から「ワインを中心とした洋酒の輸入販売」の記載が削除された。また、美容材料・医薬品等については「製造・販売」から「販売」のみの記載に変更され、化粧品・健康食品の製造・販売と区分して記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)のうち「(2)実証手続等」の項目が削除された。前年は売上高に関する分析的手続、システム間の整合性検証、関連証憑との突合、売上債権の残高確認、期末日後の返品取引の検討などの監査手続が記載されていたが、今年は該当記載がない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「内部統制の評価」(売上高の適切性を確保するための内部統制の整備・運用状況の有効性評価)の項目が、今年は記載されていない。KAMの対象から当該項目が除かれた。
前年の監査報告書に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)「収益認識(売上高の発生及び期間帰属)」の記載が、当年は削除されている。前年は売上高59,791百万円を対象に、取引件数の多さや販売システムの多様性を理由に挙げていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、建築コンサルティング事業における収益認識が新たに記載された。同事業の外部顧客への売上高は4,698百万円で、相対的に利益率の高い地場工務店向け取引について取引条件ごとの収益認識時期の検討が必要とされ、内部統制の評価や契約書・入金証憑との突合などの監査手続が実施された。
監査法人が「仰星監査法人」から「RSM清和監査法人」に変わりました。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、開示すべき重要な不備の是正状況の評価(決算・財務報告、ヤシマ上海の販売・棚卸資産・購買プロセス等の内部統制)と、レンマック社への貸付金及びスタンドバイLC発行に伴う債務保証の評価(貸倒引当金87百万円、債務保証損失引当金385百万円)に関する記載が、今年は無くなっている。
前期の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「前連結会計年度に識別された内部統制の開示すべき重要な不備(会社及びヤシマ上海)の改善状況」の項目が、今期は記載されていない。前期は決算・財務報告プロセス等の不備の是正状況の評価がKAMとされていたが、今期は当該項目自体が削除されている。
前期の監査上の主要な検討事項として記載されていた、ヤシマキザイおよび中国子会社(亜西瑪(上海)貿易有限公司)における内部統制の開示すべき重要な不備の改善状況に関する項目が、当期は記載から削除された。前期は決算・財務報告プロセスや業務プロセスの不備の是正状況の評価が検討事項とされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、鉄道事業の国内直送取引に関する売上高の期間帰属が新たに記載された。鉄道事業売上高は連結売上高の92%を占め、3月度に売上が集中し、直送取引は検収状況の適時把握が困難で期間帰属のリスクが相対的に高いとされている。監査人は内部統制の評価や、検収書・入金証憑との突合、残高確認(確認基準日は3月末)等を実施した。
監査法人が「有限責任監査法人トーマツ」から「有限責任パートナーズ綜合監査法人」に変わりました。
受注制作ソフトウエアのKAMは、表題が「収益認識に関連する見積総原価の妥当性」に変更され、受注損失引当金の計上に関する記述や不具合による追加コスト、間接費予算の比較分析などが削除された。前年にあった「非上場株式の評価」のKAM(生成系AI関連スタートアップへの投資、超過収益力の毀損評価)は当年の記載から無くなっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「固定資産の減損の兆候の判定」から、株式会社アイセイ社の全株式取得(2025年10月1日)に伴う「負ののれん発生益の計上額の妥当性」(111,707千円を特別利益に計上)へ変更された。対象範囲も個別財務諸表から連結財務諸表に変わり、監査手続も企業結合の取得原価配分や識別可能資産・負債の検討を中心とする内容に入れ替わっている。
ミャンマー元子会社及びそのオーナーに対する貸倒懸念債権に関するKAMで、貸倒懸念債権は6,140百万円から6,698百万円に、貸倒引当金は3,070百万円から5,623百万円へと大幅に増加した。回収方法も「法的措置を含めて検討中」から「法的措置を講じて回収手続を進めている」へと表現が変わった。
セグメント情報の節で、対象期間の表記が前事業年度(2023年4月〜2024年3月)から(2024年4月〜2025年3月)へ更新された。また、前年にあった「介護事業の単一セグメントであるため記載を省略」との文言が今年の記載から無くなっている。
前期に記載されていた「資産に係る控除対象外消費税等の会計処理の変更」(投資その他の資産に計上し5年均等償却する方法から、固定資産の取得原価に算入する方法への変更と遡及適用の影響額の記載)が、当期の会計方針変更の項目から削除された。当期の記載には同項目に相当する内容は見られない。
当連結会計年度より、従来「その他」に含まれていた「エンジニアリング事業」について量的な重要性が増したため、新たに報告セグメントとして記載する方法に変更した旨が追加された。前連結会計年度のセグメント情報も変更後の区分方法で作成し直している。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年は連結・個別ともに財務諸表への影響はないとされており、当年は該当する会計方針変更の記載自体が無くなっている。
KAM(月額従量報酬に係る収益認識)の対象事項は前年と同一で、売上高が4,399,551千円から4,747,946千円、リカーリング型売上高が4,188,788千円から4,487,817千円、構成比が95.2%から94.5%に更新された。前年は「監査上の対応」が「主として以下の監査手続を実施した」の導入文のみだったが、今年はITの専門家を利用したIT全般統制の評価、テストデータ法によるリクエスト数の検証、課金計算の再計算といった具体的な手続が追記された。