前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「課税所得の見積りの合理性の評価」(繰延税金資産の回収可能性に関する監査手続)の項目が、今年は記載されていない。前年は事業計画との整合性確認、貴金属相場やコンテンツ事業の収益化予測の合理性確認、過年度計画と実績の比較といった手続が記載されていた。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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監査上の主要な検討事項(KAM)から「(2)企業分類の妥当性の評価」の項目が削除された。前年は、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針に基づく企業分類の要件への適合性、特に重要な税務上の欠損金の発生状況を検討対象としていた記載があったが、今年は該当記載がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の内部統制の検証について、前年は繰延税金資産の回収可能性(特に課税所得の見積り)に関する内部統制を評価対象としていたが、今年は貴金属事業にかかる売上計上に関連する内部統制の評価に変更された。検討事項の対象が繰延税金資産から貴金属事業の売上計上へ入れ替わっている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「繰延税金資産の回収可能性に関する判断の妥当性」から、「貴金属事業にかかる売上高の発生及び期間帰属」に変更された。貴金属事業の売上高は278,150,937千円で連結売上高の98.7%を占め、分析販売における検収時点での収益認識に関し、翌期検収分を当期に前倒し計上する虚偽表示リスクが想定されている旨が記載された。
監査法人が「監査法人ハイビスカス」から「UHY東京監査法人」に変わりました。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMの基準日が2025年3月31日から2026年3月31日に更新され、計上額が繰延税金資産13,575千円から、繰延税金資産8,155千円・繰延税金負債25,453千円(相殺前の資産184,298千円、負債201,596千円)の記載に変わった。主要な仮定や監査手続の記述に変更はない。
販売価格に関する記述が「大きな潮流として低下傾向にあります」から「競争環境により抑制される状況にあります」に変更された。原材料価格高騰への価格適正化や対応策の記載、リスクの趣旨に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の記載に「(2)実証手続等」が新たに追加された。支店別売上高・粗利率の月次推移分析、貴金属相場と販売単価の乖離分析、取引証憑との突合、期末後の返品確認、売掛金の残高確認、分析販売の検収書との突合といった監査手続が記載されている。
特定取引先への依存度の表が最新年度に更新され、富士通株式会社への売上高は2,490,977千円(8.9%)から1,819,662千円(6.0%)へ、同社からの仕入高は12.6%から7.0%へ低下した。一方、エフサステクノロジーズ株式会社からの仕入高は15.6%から21.2%へ上昇し、富士通Japan株式会社は16.8%から16.0%となった。前年度にあった社名変更の注記は削除されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に関する会計方針変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表ともに当該変更による影響はないとされていた。
従来は単一セグメントのため記載を省略していたが、Web3事業の本格化に備えた子会社設立に伴い、当連結会計年度より「ネットワーク事業」と「Web3事業」の2つの報告セグメントに変更した。Web3事業は暗号資産に係る開発・発行・販売・取得及び関連サービスの提供を行うと記載されている。
前年の監査報告書にあった「継続企業の前提」に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の記載が、今年は削除された。前年は継続的な営業損失の計上により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在すると記載され、2024年4月の資金調達や現金及び預金355百万円・借入金なしを踏まえ重要な不確実性は認められないと判断されていた。今年はこの項目自体が記載されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)として「売上高の期間帰属の適切性の検討」が新たに記載された。製商品売上について、取引の経済合理性の質問、配送記録と売上計上日の整合性検討、入金証憑との照合、棚卸立会による請求済未出荷売上の有無の確認、期末日後の返品状況の確認といった監査手続が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の項目として「内部統制の評価」が新たに記載された。売上高の計上プロセスに関する内部統制の整備・運用状況の有効性を評価し、出荷の事実を確認できる証憑との照合により適切な会計期間への帰属を確保する統制に焦点を当てたと記されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の記載が新たに追加され、「製商品売上高の期間帰属の適切性」が対象とされた。一時点で移転する売上高が連結売上高の87.7%を占め、その約8割が製商品の国内販売であり、出荷時に収益を認識していることから、売上が不適切な期間に計上されるリスクが指摘されている。
前年に記載されていた「(7)業績変動」のリスク項目が削除された。同項目では、法人顧客の予算編成の関係で売上高が第4四半期(1-3月)に偏る傾向があり、上半期の利益が著しく落ち込む可能性や、従来の傾向が続かず下半期の収益力が想定を下回る可能性が述べられていた。
重要事象等の要因が、前期の「継続的な営業損失」から、今期は「営業損益は黒字転換したものの、原材料価格高騰を見据えた在庫積み増しによる重要なマイナスの営業キャッシュ・フロー」に変わった。現金及び預金は355百万円から212百万円に減少し、借入金は無いまま、2026年6月23日に資金の借入を実行した旨が追記された。継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められず、注記は記載しないという判断は変わっていない。
情報セキュリティのリスク記載について、主体が「当社」から「当社グループ」に変わり、保有情報が顧客の個人情報から営業上の機密情報・取引先情報を含むものへ拡大された。流出原因としてサイバー攻撃や不正アクセスが、影響として重要な情報システムの停止や事業活動の停滞が追加され、オンライン販売サイトのサービス停止への言及は削除された。
従来は新型コロナウイルス感染症への対応(テレワーク・時差出勤等)と新たな感染症の影響に限定した記載だったが、今回は地震・津波・台風・洪水等の自然災害も対象に加え、社員・設備への被害、情報システムの停止、サプライチェーンの停滞といった具体的な影響を記載した。主体も「当社」から「当社グループ」に変更された。
製品クレームの偶発性に関する記載で、主語が「当社」から「当社グループ」へ置き換えられた。リスクの内容、保証規定や保険の限界に関する説明に実質的な変更はなく、表現上の修正にとどまる。
知的財産権リスクの記載で、主語が「当社」から「当社グループ」へ全面的に置き換えられた。リスクの内容・評価や取組の実質的な変更はなく、表記の統一にとどまる。
「特定の人材への依存」のリスク項目で、主語が「当社」から「当社グループ」に置き換えられた。人材への依存、獲得競争、雇用契約上の退職制限がない点、有能な人材を採用できる保証がない点といった内容に変更はない。
主語が「当社」から「当社グループ」に変更され、「自社製品コンピューター」が「コンピューター製品」に言い換えられた。リスク内容(外注先・部品供給業者への依存、契約解消時の供給量低下やコスト増、原材料の供給不足による影響)に実質的な変更はない。
「競争」リスクの記載で、主語が「当社」から「当社グループ」に統一され、「自社製品コンピューター」が「コンピューターの製造販売」、「コンピューター関連商品」が「ネットワーク関連商品等」などと表現が改められた。競争上のリスク内容(価格競争、大手企業との競合、提携先の合併・提携による事業機会の阻害)自体に実質的な変更はない。
新規事業に関するリスク記載の主語が「当社」から「当社グループ」へ変更された。リスクの内容、発生可能性や影響の評価に変更はなく、表現上の修正にとどまる。
「当社」の表記が「当社グループ」に変更され、製品の陳腐化や今後の成長に関する記述の主体がグループ全体に改められた。また、コスト負担の増大と新製品が市場の評価を得られない可能性を一文にまとめる表現修正が行われた。リスクの内容自体に実質的な変更はない。
事業等のリスクの前文について、記載の主体が「提出会社」「当社」「当事業年度末」から「連結会社」「当社グループ」「当連結会計年度末」へ変更された。リスク管理体制の記載先や趣旨に変更はなく、連結ベースの開示に合わせた表現の修正にとどまる。
減損KAMでは、固定資産残高(有形73,545百万円、総資産比62%)や対象資産グループ額が更新され、2025年11月の取締役会で休止決議した1B・2B炉団をコークス事業から独立した資産グループとして区分し、減損損失4,334百万円を計上した旨が新たに記載された。前年にあった「親会社の繰延税金資産の回収可能性」のKAMは今年は記載されていない。
前年に記載されていた「(9)コークス炉の更新等」のリスク項目が削除された。前年は北九州事業所のコークス炉の老朽化に伴うコスト増加や生産量変動の可能性、2A炉の更新工事(2024年9月稼働開始)と他の炉の健全性維持対策を記載していたが、今年は該当項目自体が記載されていない。
北九州事業所の火災事故の記載が、前年の「2024年12月に発生し約3週間操業停止」から、「2025年12月に石炭搬送用ベルトコンベアの火災事故が発生し減産を余儀なくされた」に差し替えられた。事故の時期・対象設備・影響の程度(操業停止から減産)が更新されており、その他のリスク記載や旧朝鮮半島出身労働者に関する記述は変更されていない。
借入債務に係る財務制限条項のリスク記載から、前年に記載されていた「2025年3月期の赤字決算により純資産が前期比で大幅に減少した」旨の文言が削除された。一方で、財務制限条項の内容が2026年4月24日付及び同年4月30日付で変更された旨が追記された。期限の利益喪失の可能性など、リスクの基本的な説明は維持されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号)等の適用に関する会計方針の変更の注記が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表および個別財務諸表への影響はないとされていた。
建設資材価格の変動リスクについて、価格高騰の要因を前年の「素材の相場の変動等」から「社会情勢の急激な変化等」に改めた。請負金額への反映が困難な場合に業績へ影響する可能性があるという趣旨と、在庫管理や代替品を含む調達力強化による軽減策の記載は変更されていない。
アズビル(株)への仕入依存度に関する記載で、対象年度が更新され、同社からの仕入高の割合が前期の61.4%から当期65.5%に上昇した(仕入高4,788百万円から4,837百万円、総仕入高は7,801百万円から7,384百万円)。リスクの説明文や対応策の記述に変更はない。
メンテナンスの品質管理に関する対応策の記載で、指導を行う部署名が「工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)」から「品質管理部」に変更された。リスク内容や保険加入等の対策の記載に変更はなく、組織名称の更新にとどまる。
建設工事の安全衛生・品質管理に関するリスク記載で、対応部署の表記が「工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)」から「品質管理部」に変更された。組織変更の経緯の注記が削除されたのみで、リスク内容や対応策の実質的な変更はない。
前年度に記載されていた「報告セグメントの変更に関する事項」が今年度は削除された。前年度の記載は「メディア事業」を「情報メディア事業」に、「ICT事業」を「DXサポート事業」に改称したもので、改称のみでセグメント情報への影響はないとされていた。
原材料の記載が「印刷用紙」から「印刷用紙やインク等」に拡大し、価格上昇の要因もウクライナ侵攻に加えて中東情勢の緊迫化など地政学リスクが追記された。対象も「紙の市況」から「原材料の価格」全般に広がったが、コスト削減等で吸収しているものの市況がさらに高騰すれば経営成績に影響し得るという基本的な説明は変わっていない。
西日本電信電話株式会社との番号情報データベース(TDIS)利用契約について、令和8年5月20日付の更新契約(相手方はNTT西日本株式会社、期間は令和9年3月31日まで、以降1年ごとの自動更新)が追記されました。日本郵便とのゆうメール運送委託契約の期間が令和8年4月1日〜令和9年3月31日に更新され、関連法令の改正時期や会社名表記(NTT東日本・西日本、「連結子会社」の付記、知的財産権の記述の「当社」から「当社グループ」への変更)も更新されています。契約解除リスクの記載内容自体に実質的な変更はありません。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(令和4年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
公的規制リスクの項目に、米国の関税政策が既に発動されており今後さらなる強化や対抗措置が講じられる可能性が懸念されるとの記載が新たに追加された。動向は不透明であるとして継続的に注視し、販売価格への適切な転嫁等の対応策を進める方針が示されている。既存の規制に関する記述自体に変更はない。
感染症リスクの記載が、従来の「新型コロナウイルス感染症が再拡大した場合」から「新型コロナウイルス感染症に代表される未知の感染症が拡大した場合」へと、対象を未知の感染症全般に広げる表現に変更された。将来に関する事項の判断時点は2025年6月26日から2026年6月25日に更新されている。調達面・販売面への悪影響の可能性という趣旨に変更はない。
KAMの「重要な仮定の検討」で、番組制作受託の見込みの確認根拠が「市場規模の予測成長率」から「受注に関する契約書など」に、コスト削減施策の確認根拠が「過去の継続案件におけるコスト削減実績」を挙げる記載に変わった。収益認識KAMでは連結売上高が33,296百万円から34,942百万円、メディアコンテンツ関連セグメント売上高が30,490百万円から32,094百万円に更新された。収益認識KAMの検討事項や監査手続の枠組み自体は変わっていない。
KAM「のれんを含む無形資産の評価」の対象は前年と同じ株式会社ケイマックスの企業買収に伴うのれん・顧客関連資産で、金額がのれん604→518百万円、顧客関連資産187→156百万円に、総資産に占める割合が0.9%→0.6%(総資産88,782→101,553百万円)に更新された。番組制作受託見込みの算定根拠が「過去の実績に動画配信市場規模の予測成長率を加味」から「受注確定又は可能性が高い案件の積み上げ」に、コスト削減施策の説明に「継続案件による番組制作コスト削減など」が追加された。
前年に記載されていた、2022年改正会計基準等(法人税等の計上区分および連結会社間の子会社株式売却損益の税務上の繰延に関する改正)の適用による会計方針の変更の記載が、当年は削除された。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
関連当事者取引に関する監査上の主要な検討事項(KAM)の監査手続の記述が、全体として簡潔な表現に整理された。調査票の閲覧、質問、契約書の閲覧、単価比較、取引条件の変更確認、実在性確認、関連証憑との突合といった手続の骨子は前年と同様で、手続の内容に実質的な追加・削除は見られない。
監査上の主要な検討事項における内部統制の評価の記述が、「関連当事者取引に関連する重要な虚偽表示リスクに対応する内部統制を理解し評価した」から「関連当事者取引の識別に関連する内部統制の整備及び運用状況を評価した」に変更された。対象が取引の識別に関する内部統制に絞られ、表現が簡素化されている。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の記載では当該変更による連結・個別財務諸表への影響はないとされており、基準適用初年度の注記の対象外となったことによる削除とみられる。
風評リスクの項目で、風説・風評が「流布された場合」との記載に、「SNS等により拡散された場合」という拡散経路の例示が追加された。対応体制や業績・財務状況への悪影響の可能性という趣旨に変更はない。