流動性リスクの記載文言は前年と同一で、括弧内の流動性カバレッジ比率の基準時点と数値のみが更新されました。2025年3月末の150.1%から2026年3月末の173.61%に変わっています。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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営業戦略に係るリスクの記述が、従来の「本業支援・最適提案」活動を中心とした説明から、中期経営計画における人財に基づく経営変革・業務変革と対面営業力強化等を中心とした説明に改められた。目指す姿も「確固たるメイン銀行」から「いつも会って話せる あなたのメインバンク」に変わったが、競争優位性を得られない場合に想定した成果が得られない可能性があるというリスクの骨子は維持されている。
繰延税金資産の回収可能性に関するKAMで、計上額が56,436千円から90,907千円に増加し、基準日が2026年3月31日に更新された。事業計画の主要な仮定が「売上高、売上総利益率」から「売上高、売上原価の予測」に変更され、これに伴い監査手続も売上総利益率の趨勢分析から、製品分類別の原価率推移分析や受注案件別の原価見積り根拠資料の閲覧へと変更された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の売上高の検証において、期間帰属の適切性を検証する手続に、期末日出荷かつ期末日売上高計上の取引について、販売先の分析や出荷証憑等との照合により売上計上の妥当性を確認する手続が追加された。その他の手続(推移分析、値引・返品取引の検討、残高確認等)は前年から変更がない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、今年は削除されている。前年の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
営業未収入金及び立替金評価に関する監査手続のうち、入金遅延顧客の確認において、従来の『営業部門からの遅延報告書及び管理部門における原因調査結果を分析』が『管理部門における原因調査結果を把握』に変更され、営業部門の遅延報告書への言及が削除された。その他の手続(残高確認、年齢管理表の突合)は変更されていない。
営業未収入金(773,225千円→776,826千円)、立替金(604,348千円→639,911千円)及び立替金の年間発生額(売上高比106%→112%)の数値が更新された。あわせてKAM選定理由の説明が、見積りの主観性や年齢管理に基づく記述から、貸倒引当金の金額的重要性は低いが債権残高が重要で潜在的な貸倒リスクがあるため、との記述に差し替えられた。KAMの対象項目自体は変わっていない。
セグメント情報の末尾に、不織布事業(スパンボンド・コットンスパンレース)、産業繊維事業(モノフィラメント事業以外)、衣料繊維事業について、2025年12月31日から2026年1月1日までに事業譲渡等を完了または概ね完了した旨の記載が追加された。報告セグメントの区分や各事業の説明自体は前年と変わっていない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、使用価値算定の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りに関する監査手続(事業計画と実績の差異分析、割引率の妥当性検討、回収可能価額と帳簿価額の比較など)の記載が、当年は削除されている。前年にあった減損の見積りに関するKAMの該当部分が当年は記載されていない。
前期の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた、正味売却価額に関する経営者の見積りの評価と、不動産鑑定評価額の妥当性についてネットワーク・ファームの内部専門家を関与させた監査手続の記述が、当期は記載されなくなった。当該項目はKAMとして削除されている。
前年度のKAMに記載されていた「固定資産の減損」(総資産の46.0%を占める有形・無形固定資産、37,932百万円の減損損失、機構による事業再生支援に伴う事業撤退・事業譲渡の方針、不動産鑑定評価額や割引率に関する監査上の対応)が、当年度では記載されていない。当年度の記載は空欄となっている。
今年度の監査報告書で、岡崎事業所の事業譲渡に係る会計処理が監査上の主要な検討事項(KAM)として新たに記載された。機構の再生支援決定に基づく事業再生計画の一環で、新設子会社への吸収分割とセーレン株式会社への全株式譲渡という一連の取引を一体の事業譲渡として処理し、事業構造改善費用7,402百万円を特別損失に計上している。監査人は契約書の閲覧、会計基準への準拠性の検討、棚卸資産の実地棚卸立会などの手続を実施した。
原材料価格高騰リスクの背景記述が、前年の「原油価格高騰により石化原料が高騰している」から「中東情勢の緊迫化により石化原料価格が急騰するリスクがある」に変更され、対応策として中東情勢による価格急騰分を迅速に販売価格へ転嫁している旨が追加された。また、政策保有株式の縮減に関する記述に、コーポレート・ガバナンスの状況の株式保有状況への参照が追加され、中期経営計画名から「新」が削除された。
「原材料等の調達困難」のリスク項目に、「中東情勢の緊迫化により、原材料等の調達難が生じるリスクが高まっています」との一文が追加された。特定の地政学的事象への言及が加わった一方、その他の記載や対応策は前年と同一である。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当期では削除されている。前年度の記載では、連結・個別財務諸表への影響はないとされていた。
報告セグメントの記載順が「繊維事業」先頭から「化成品事業」先頭に入れ替わり、各事業の内容説明も再構成された。化成品事業は機能フィルム・高機能樹脂製品等を整理し「産業マテリアル」の区分を新設、繊維事業は「ユニフォーム、カジュアル」の表記となり、環境メカトロニクス事業には「ライフサイエンス・テクノロジー」(バイオ関連製品、ロボットビジョン、自動化装置)が追加された。報告セグメントは引き続き5つである。
人事リスクに関する取組の参照先が、「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)」から「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」へ変更された。リスクの内容や評価に関する記載には変更がない。
2022年6月の物流施設火災に関する訴訟の記載が整理され、SBSフレック株式会社(2023年9月提起)と損害保険ジャパン株式会社(2025年3月提起)の2件の損害賠償請求訴訟を併記し、いずれも係属中で代理人弁護士を通じて対応する旨にまとめられた。前年にあった損保ジャパンの訴訟について請求内容を精査するとの記述は削除され、参照先の注記番号が8から7に変更されている。訴訟の存在自体は前年から継続しており、新たな訴訟や金額の記載は追加されていない。
リスクを把握・検討する組織の名称が「リスク管理・コンプライアンス委員会」から「リスクマネジメント委員会」に変更され、2025年4月1日付の改称に関する注記文が削除された。リスク項目自体の内容変更はなく、名称と注記の整理にとどまる。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
M&A及び資本・業務提携に関する既存の記載は変更されていない。新たに、2026年10月より、全社的なリスクを平時から体系的・横断的に把握・評価し、重点管理リスクについてPDCAサイクルを回す「リスクマネジメント委員会」を開催することが追記された。
市場動向リスクの記載で、主要事業領域の表現が「パソコン・デジタル機器・家電関連製品」から「パソコン及びデジタル関連製品」に変更され、「家電関連製品」への言及が削除された。業績への影響の可能性という趣旨は変わっていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針変更の注記が、当期は記載されていない。前年の記載では、経過的取扱いに従っており連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
CO2削減目標(令和12年度までに内航海運で平成25年度比17%削減)自体は変わらず、表現が西暦併記など具体化された。想定される追加負担の記述が「追加の費用」から「追加的な設備投資や燃料コストの増加」へと具体化され、省エネルギー効果の高い船舶の導入も例示に加わった。
サイバーリスク項目の記載が再構成された。前年にあった顧客の個人情報に関する損害賠償請求・行政指導の可能性への言及は削除され、外部脅威(侵入検知・防止、インシデント対応体制)と内部要因(生成AI活用拡大を踏まえた規程見直し、教育・訓練)への対応策、およびサイバーレジリエンス強化の方針が追加された。
人材確保リスクの対象職種が「船員など」から「船員・乗務員・港湾荷役作業員など」に拡大された。対応策の記述も、マニュアル整備・運用に加えてデジタル技術の活用による業務効率化や技術・ノウハウの蓄積・共有の推進が追加された。リスクの本質(人件費増加による業績影響の可能性)に変更はない。
金利変動リスクの記載で、当期は大きな調達金利の上昇はなかったとする点は維持しつつ、新たに「足元では金利上昇の動きが続いている」との認識が追加された。対応策として、従来のコミットメントラインの活用・金利固定化に加え、キャッシュ・マネジメント・システムの導入によるグループ内資金効率の改善と外部調達の削減、借入条件の見直しが明記された。
燃料油価格の状況について、従来の「急騰・急落と大きな変動」との記載が「昨今の世界情勢による影響を受けて高騰が続いている」との記載に改められた。また、取組として「安定した燃料油等の調達を実施し持続的なサービスを提供してまいります」との記述が追加された。燃料油価格変動調整金の協力依頼や業績への影響可能性という基本的な枠組みは変わっていない。
船舶運航上のリスクの記載で、安全運航・安全作業への注意の表現が「最大の注意」から「最大限の注意」に改められ、保険に関する記述が「各種保険への備え」から「各種保険への加入等の備えを講じて」に言い換えられた。リスク内容や対策(年1回の海陸合同演習など)に実質的な変更はない。
前年に記載されていた「SPE社における不適切行為に基づく会計処理への対応」に関するKAM(特別調査委員会の調査、収益認識時点の操作の可能性、類似取引の検討等)が今年は削除され、製品及び仕掛品の評価の合理性のみが記載されている。製品及び仕掛品の評価に係るKAMでは、商品及び製品が90,975百万円から86,341百万円、仕掛品が56,424百万円から55,082百万円に更新され、SPE社分の合計は90,180百万円から82,312百万円、連結総資産に占める割合は13%から11%となった。
店舗等固定資産に関するKAMで、対象の有形固定資産額が25,855百万円(総資産比12.7%)から24,249百万円(同11.8%)に更新された。また、前年にあったXSM FLAT八戸株式会社のアリーナ設備に係る減損兆候・外部評価に基づく減損損失計上に関する記載が削除され、店舗設備に限定された記述となった。
報告セグメントに属するサービスの記載から、「その他」セグメント(ゴルフ等のスポーツ領域を中心としたデジタルマーケティング支援)の説明が削除された。IT人材事業(国内・海外)およびSeed Tech事業の説明に変更はない。
子会社数が6社から8社に増え、事業構成が4事業から3事業に変わった。「その他」に含まれていたx-Tech事業の譲渡に伴い「その他」区分を廃止し、報告セグメントはIT人材事業(国内)、IT人材事業(海外)、Seed Tech事業の3つとなった。また、サービス・市場特性に応じたグローバルな包括的戦略を立案し事業展開する旨の記述が追加された。
前年に監査上の主要な検討事項(KAM)として記載されていた「株式会社アライヴの株式の取得原価の合理性及び取得原価配分により識別された顧客関連資産の測定」が、今年は記載されていない。前年は2025年2月の同社株式100%取得に伴う顧客関連資産360,238千円・のれん288,699千円の計上について、事業計画や割引率等の見積りの不確実性を理由に検討していた。
前年の監査報告書にあったKAM「Launch Group Holdings Pty Ltdの顧客関連資産を含む固定資産の評価」の記載が、当年は存在しなくなった。前年は同社の稼働人材の落ち込みにより540,847千円(うち顧客関連資産480,064千円)の減損損失を計上した件が対象で、事業計画の見積りや使用価値の妥当性が検討されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)において、アライヴ社に関する回収可能価額の見積りの合理性の検討手続が新たに記載された。修正事業計画の精度評価、見直しの経緯の質問、案件受注・IT人材の規模や利益率・収益予測に関する仮定の検証といった監査手続が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の項目として、「(1)内部統制の評価」が新たに記載された。のれん及び顧客関連資産に係る減損の兆候及び認識の判定に関する内部統制について、会社作成資料の査閲と経営者等への質問によりその有効性を評価した旨が記載されている。
前年は監査上の主要な検討事項(KAM)の定義文のみで個別の対象事項の記載がなかったが、今年は連結子会社の株式会社アライヴののれん(246,597千円)及び顧客関連資産(332,219千円)の評価がKAMとして新たに記載された。アライヴ社の受注が想定を下回り修正事業計画を策定、減損の兆候ありと判断したうえで減損損失の認識は不要と判定した経緯と、見積りの不確実性が決定理由として示されている。
市場動向のリスクに、生成AIの進化・普及による定型的開発業務の代替やIT人材のスキル要件の高度化・多様化への言及が追加され、正社員とITフリーランスのハイブリッドチーム提案などの取組が記載された。不祥事リスクはITフリーランスのみから正社員エンジニアも対象に拡大され、情報漏洩や規律違反等の具体例が追加された。基幹システムのリスクは変更なし。
監査法人が「有限責任監査法人トーマツ」から「かなで監査法人」に変わりました。
監査上の主要な検討事項(KAM)に、MT インダストリアル株式会社の取得に関する監査人の実証手続が新たに記載された。事業計画の重要な仮定(市場成長率・シェア・粗利率・ペルーのインフレ率)の検討、ネットワーク・ファームの専門家を関与させた株式価値およびPPAによる無形資産の公正価値評価の検証、のれんの再計算が示されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「内部統制の評価」の項目が新たに追加された。株式価値評価およびPPAで識別された無形資産の公正価値評価に用いる事業計画の承認に係る内部統制、ならびに株式取得・PPAに関する一連の内部統制について、質問や決議議事録・連結決算チェックリストの閲覧により整備・運用状況を評価した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、MTインダストリアル株式会社の買収に関する項目が新たに追加された。買収目的や同社の事業内容・事業環境を理解するため、取引を決議した取締役会の議事録を閲覧した旨が記載されている。
前年のKAM(リンナイ株式会社に係る製品保証引当金の個別引当)が削除され、MT インダストリアル株式会社の買収に伴う取得原価の妥当性及び取得原価の配分の合理性が新たに記載された。買収は11,176百万円で全株式を取得し、のれん4,518百万円、その他無形資産6,495百万円を計上しており、事業計画の仮定や無形資産評価の不確実性が検討事項の理由として挙げられている。
コンプライアンスの項で、ブラジル子会社が受けた競争保護法に関する勧告について、前年は11億69百万円を独禁法関連損失として特別損失に計上したとの記載だったが、今年は現地当局との和解が成立し損失額が確定したため、引当額との差額を戻入額として計上したとの記載に変わった。人材確保・育成リスクの記載に変更はない。
事業活動リスクに「原材料、購入部品等の調達リスク」が新設され、特殊部材を含む部材不足・供給停滞による生産停滞や出荷遅延の可能性と、調達リスクの可視化、複数調達先確保、代替部材検討といった対策が追記された。既存の原材料価格上昇リスクは表現が一部修正され、販売価格見直しの記述が「行うこととしております」から「努めております」に変わった。末尾にはリスク分類・リスク項目・リスクの説明・リスク対策という表の見出しが加わっている。
前年の監査報告書に記載されていた、友和商工株式会社に係るのれん(91,794千円、総資産の2.2%)の評価に関する監査上の主要な検討事項(KAM)が、今年は記載されていない。前年は減損の兆候の有無の判断や将来事業計画の売上予測の合理性を対象としていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、「期間帰属の適切性の検証」に関する監査手続の記載が新たに追加された。年間契約・臨時契約それぞれの売上高について、契約書や作業完了書等との整合性検証、期末日付近の取引の追加抽出、翌期仕訳のレビュー、売掛金の残高確認などを実施した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、売上高の期間帰属に関する内部統制の評価という見出しの項目が新たに記載された。作業完了書や業務報告書等の根拠証憑により履行義務の充足時点を確かめる統制と、査閲者が収益認識時点を確かめる統制の整備・運用状況を評価した旨が記されている。
新たに監査上の主要な検討事項(KAM)として、会社の売上高の期間帰属の適切性が記載された。年間契約と臨時契約で収益認識時点が異なるため、履行義務充足時点と異なる会計期間に計上するリスクがあるとして、監査人が主要な検討事項に該当すると判断している(連結売上高8,231,728千円、うち会社が74%)。