環境リスクの記載で、「温暖化ガス」が「温室効果ガス」に、「多大なフロン漏洩」が「大量のフロン漏洩」に言い換えられた。リスクの内容、想定される影響、対応策に変更はなく、表現の修正にとどまる。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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海外事業リスクの記載のうち、テロ・暴動等の発生対象を「全世界を対象とした諸外国」から「事業を展開する国・地域」へ表現変更した。リスク内容や想定される影響の記述に変更はない。
事業等のリスクの前文において、リスク管理委員会に関する記述が整理・拡充された。リスクが顕在化する可能性や影響が内容・規模・継続期間等で異なる旨が追記され、受注時の採算性確認、工事原価・工程管理、契約条件の精査、調達先の分散、災害時の初動対応体制などの具体的な対応策が新たに列挙された。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
オペレーショナル・リスクの項目に「③人的リスク」が新たに追加された。人財の流出・喪失や士気低下、人事運営上の不公平・不公正、ハラスメント等による損失リスクを挙げ、人財育成方針や社内環境整備、考課者研修、1on1ミーティング等の対応を記載している。事務リスクとシステムリスクの記載内容は前年から変更がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載が、3項目の箇条書きから1文の記述に再構成された。システム入力の正確性を検証する態勢への言及がなくなり、二次査定部署による検証に係る内部統制が評価対象として新たに明記された。
前年に記載されていた、法人税等会計基準(企業会計基準第27号)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
事業等のリスクに「時間外労働に係るリスク」が新たに追加された(影響度:大、発生可能性:中、発生時期:短期)。建設業界の慢性的な人手不足により特定技術員に負荷が集中し、生産性低下や人財流出を通じて売上高等に影響し得る旨が記載され、労務管理データのモニタリングやT-Base®プロジェクトによる生産性向上等の対策も示されている。
「(4)労務関連法制に係るリスク」(2024年4月施行の時間外労働の上限規制による施工能力縮小の懸念、T-BaseRプロジェクトや働き方改革による対処)の項目が削除された。(1)(2)は「等」「および」などの表現の微修正のみで、(3)は変更がない。
報告セグメントが「機能品」「樹脂・化成品」「機械」「その他」の4区分から、新たに「高機能ウレタン」「医薬」を加えた6区分に変更されました。高機能コーティング等は樹脂・化成品から高機能ウレタンへ、医薬品事業は「その他」から独立した「医薬」へ移り、C1ケミカルの記載は樹脂・化成品の説明から消えています。前連結会計年度のセグメント情報は変更後の区分で開示されています。
前年のKAMであった「ベーシック事業の構造改革に伴う有形固定資産の減損損失の認識及び測定」(減損損失29,079百万円)に代わり、今年は「固定資産の減損の兆候」と「ウレタンシステムズ事業に関する取得原価の決定及び取得原価の配分」の2件がKAMとして記載された。新たなKAMでは、有形・無形固定資産のグルーピングと減損の兆候判定、およびLANXESS社のウレタンシステムズ事業取得に伴うのれん29,976百万円・顧客関連資産13,254百万円の評価が検討対象となっている。
サプライチェーンのリスク項目で、新たに中東を中心とした地政学的リスクの高まりによる重油等の燃料価格上昇やナフサ供給制約を起点とする石油化学関連原料の調達不安定化の可能性が追記された。また、各国の通商政策・関税変更の影響は現時点では限定的との認識が明記された。対応策の記述も下請法から取引適正化法、物流効率化法等への言及に更新されている。
気候変動リスクの記載で、従来の「炭素税や規制等が強化された場合にコストが増加する可能性」という一般的な表現が、「2026年度開始の排出量取引制度や2028年度導入予定の化石燃料賦課金などによりコスト増加が予想される」という具体的な制度・時期への言及に置き換えられた。その他のリスク記載や対策の記述に変更はない。
化学事業ではスペシャリティ事業の世代交代リスクの表現が整理された。機械事業では、自動車販売台数の「減少」が「伸び悩み」に変更され、リスク要因として中東情勢が追加されたほか、洋上風力発電設備や造船業再生など政府主導の設備投資喚起施策により生産能力を超える案件で機会損失が生じる可能性が新たに記載された。対策にも政府主導の設備投資喚起施策への対応とサプライチェーン強化が追加されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)における実行予算の合理性評価の手続が変更された。前年の3項目(粗利率の変動工事、粗利率が一定率を下回る工事、本支店別・工事種類別の乖離工事)から、今年は2項目に再編され、一定規模以上かつ一定進捗度の工事を対象とした当初予算・変動要因の確認と、一定期間にわたり収益認識する全工事を対象とした乖離工事の特定に改められた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「内部統制の評価」において、焦点を当てた統制に「工事原価の発生金額が実際の検収状況に基づいて計上されていることを確認する統制」が新たに1項目追加された。あわせて既存項目の誤字(「ー定規模」→「一定規模」)や表記(「見積られた」→「見積もられた」)が修正されている。
情報セキュリティリスクの記載で、ISMS認証取得への言及が「情報セキュリティマネジメントに取り組む」という表現に改められた。社内教育に訓練が加わり、外部専門機関との連携強化、クラウド・AI環境への対応、サイバー被害発生・復旧を前提としたシステムセキュリティポリシーの策定や有事対応の実効性向上といった取組が追記された。リスクの影響度・発生可能性の評価は変更されていない。
資金調達に関するリスクの対応策の記述が更新され、当連結会計年度にCP(コマーシャルペーパー)発行枠を新規に設定した旨が追記された。リスク内容や影響度・発生可能性の評価に変更はなく、コミットメントラインや社債発行の検討等の記載は引き続き維持されている。
全社リスク管理委員会の構成員の記述が「個別リスク主管部の長」から「個別リスク主管部等の長」に変わり、当連結会計年度の開催回数が5回から6回に増えた。また、影響度・発生可能性の分類に加え、双方の観点で評価して優先対応すべき重要リスクを選定し、リスク縮減策の策定やモニタリング等を実施する旨が追記された。
前期に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当期には記載されていない。前期の注記では連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
海外売上高比率が2024年度の約54%から2025年度は約55%に更新されました。対応体制の主体が「危機対応委員会」から「海外危機対応部会」に変更され、一部表現が微修正されています。リスク項目の内容自体に実質的な変更はありません。
人的資本・人権リスクの記載について、文章の言い回しが全体的に整理された。人権指針の名称が「UBEグループ人権指針」から「UBEグループ人権基本指針」に、委員会名が「グループ健康管理推進委員会」から「健康推進委員会」に変更され、健康投資が人的資本リスクへの対応として位置づけられる記述に改められた。リスク内容自体に新規の事象の追加や削除はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更に関する記述が、今年は削除された。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
KAM「工事契約における収益認識に関連する工事原価の見積りの合理性」の対象は前年と同一で、完成工事高の計上額が15,266,850千円から15,589,192千円に更新された。進捗度の測定方法の説明が「工事出来高に対応した発生工事原価の割合」から「外注費の見積工事原価に対する発生工事原価の割合」に改められ、工事原価が実行予算として承認される旨の記述が追加された。契約金額が多額との文言は削除されている。
工事契約の収益認識について、進捗率の算定方法の記述が「発生原価の見積総原価に対する割合」から、期間がごく短い工事を除き外注費の発生額に基づくインプット法で進捗度を見積る旨の記載に改められた。工事原価の見積りや追加工事契約の合意可能性に不確実性があり業績に悪影響を及ぼし得るという趣旨と、内部統制の整備・運用の記述は維持されている。
前年の有価証券報告書にあった「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、当年は削除されている。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
前年のKAMは、JOB LINKS社取得により生じたのれん(残高838百万円)について減損テストの結果、減損損失の認識は不要としていた。当年は、顧客との契約が重要な水準で減少したことから減損の兆候が認められ、のれん及び顧客関連資産を含む資産グループに減損損失751百万円を計上したと記載され、対象も「のれん及び顧客関連資産」に拡大している。
資産価格変動のリスクに記載されていた減損損失の事例が更新された。前期はプラザ勝どきの再開発計画に伴う建物等の減損損失2,486百万円であったが、今期は再開発計画からリノベーション計画への転換に伴う建設仮勘定の減損損失425百万円に変わった。リスクの枠組みや資金調達への影響に関する記述は変更されていない。
不動産事業の自然災害リスクに関する対応策の記述が変更された。前年の「再開発時に耐震構造へ変換し次なる再開発を計画」から、「再開発計画からリノベーション計画へ転換し、既存建物の耐久性・耐震性に問題がないことを検証した上で計画を進める」という内容に改められた。リスク本文自体は変更されていない。
のれんの計上額が37,123百万円(総資産比9.3%)から33,359百万円(同7.3%)へ減少し、食品関連事業セグメントの計上額も25,517百万円から23,631百万円となった。また、当期にのれん償却額2,383百万円が特別損失として計上された旨と、株式の実質価額低下時に実務指針に基づきのれん償却額を計上する必要がある旨の説明が追加された。KAMの対象(配達飲食サービス子会社に係るのれんの評価)自体は変わっていない。
システムリスクの記載が簡素化される一方、想定する脅威として国家や組織による高度なサイバー攻撃、ゼロデイ脆弱性、サプライチェーン攻撃、重要インフラを狙った複合的攻撃が新たに明記された。想定される影響にもデータ改ざん、物流停止、事業活動および信用への影響が追加された。
インド子会社DAHの固定資産に関するKAMについて、前年は減損損失1,454百万円を計上し減損後の有形固定資産が2,584百万円とされていたが、当年は減損の兆候はあるものの減損損失の認識は不要と判定され、有形固定資産は2,357百万円と記載されている。KAMの題名も「減損損失に係る見積り」から「評価に係る見積り」に変更された。販売単価の正確性に関する記載は変更がない。
のれんの割引前将来キャッシュ・フローに関する監査手続の記載が更新された。仮定の記述が「店舗数の計画や売上高成長率」から「店舗別売上高成長率」に変わり、不確実性を加味した感応度分析と、過去実績・外部データとの整合性検討が明記された。また、のれん償却額が実務指針に基づき正確に算定されていることを確かめる再計算の手続が新たに追加された。
法的規制の項目で、適用を受ける法令の列挙中、「下請代金支払遅延等防止法」が「中小受託取引適正化法」に置き換えられた。その他の記載内容(規制強化や法改正による事業活動制限のリスク)に変更はない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の注記が、当年度では記載されていません。前年度の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていました。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の記載で、対象が「固定資産の減損損失に係る見積り」から「固定資産の評価に係る見積り」へと文言が変更された。評価手続の内容自体に変更は記載されておらず、表現の変更にとどまる。
受注環境リスクの不確実要因として「中東情勢による原油供給不安」が新たに加わり、「米国新政権」が「米国政権」に表現変更された。また、リスク低減策として、開発事業やストックビジネスなど川上・川下領域への事業ポートフォリオ展開と、建設請負での新規客先開拓・大型案件情報入手強化・顧客との信頼強化による受注機会の最大化が追記された。
工事原価総額の見積りの合理性評価に関する監査手続の記載が見直された。聴取先が「工事責任者」から「施工部門責任者」に変更され、現場視察時に工事現場責任者への質問や工事原価総額の積算資料の閲覧・外注業者見積書等との照合が追加された一方、管理部門担当者等への質問や実行予算の主要項目と見積書等の照合の記載は削除された。
ガバナンスリスクの項目で、冒頭文の「場合や、結果として」が「場合、結果として」に修正された。また、リスクを適切に認識できていない場合の影響や、評価体制の整備・社員教育を進めるとする第2段落が削除された。
違法行為が及ぼす影響の対象に「社会的信用」が追加された。また、対応策として、内部通報窓口等の内部通報制度の適切な運用、重要テーマに対するコンプライアンス・プログラムの策定、コンプライアンス委員会による進捗管理に関する記載が新たに加わった。
感染症に関する記述から「新型コロナウイルス感染症は5類に引き下げられた」との言及が削除され、「新たな感染症」の発生を想定した一般的な表現に改められた。また、BCP対策の記述に、実際の災害発生時に事業継続が円滑に行えるよう訓練およびBCP計画のレベルアップを図っているとの文言が追加された。
資産の保有リスクの記載で、保有額が販売用不動産226億円から381億円、投資有価証券75億円から96億円へと更新された。また、リスク低減策として、資産取得の協議の場が取締役会のみから取締役会や投資委員会に拡大された。
気候変動リスクの記載で、リスク内容(工事遅延や炭素税等によるコスト増加の可能性)は変更されていない。対応策として、TCFD提言への賛同表明とTCFD提言に沿った情報開示を行っている旨が新たに追加され、再生可能エネルギー関連工事や省エネルギー化の取組は従来どおり記載されている。
建設資材価格・労務単価の上昇リスクの記述のうち、リスク低減策に「発注者との契約に物価上昇等に対応できる条項を含める」という対応が追加された。リスクの内容自体(価格上昇を請負金額に反映しにくいこと、人材確保の困難さ)に変更はない。
テラスエナジー(株)(現ユーラス社)ののれんに関するKAMについて、前期は減損損失を認識していなかったが、当期は金利上昇に伴う割引率の上昇や事業計画の見直し等を受け、発電事業5,420百万円・エネルギーマネジメント事業5,442百万円、合計10,863百万円の減損損失を計上した旨が記載された。のれん帳簿価額は64,904百万円から54,041百万円(連結総資産の0.6%)に減少し、使用価値の主要な仮定に建設関連コストが加わるなど、監査手続の記載も一部変更された。
アフリカセグメントの事業説明において、モビリティ事業の記載が「アフターセールス」から「アフターサービス」へ表現変更された。事業内容や対象範囲に実質的な変更は見られない。
グリーンインフラ分野の事業内容の記載が更新され、従来の「天然ガス・石油製品・バイオ燃料」から「バイオ燃料、水素、LNG等各種燃料、カーボンクレジット、石油製品等」に変更された。水素とカーボンクレジットが新たに明記され、天然ガスはLNG等各種燃料という表現に置き換わった。再生可能エネルギー発電やインフラ事業の記載に実質的な変更はない。
前年にあった「2024年4月1日付で金属本部及び化学品・エレクトロニクス本部を3本部へ再編し、全本部の名称を変更したため、前連結会計年度のセグメント情報を組替再表示した」旨の記述が削除された。8営業本部による報告セグメントの区分や各本部の事業内容の説明は維持されている。
特定の販売先への依存の項目で、トヨタ自動車(株)グループへの収益比率の記載が18.6%から20.0%に更新された。事業投資リスクでは連結子会社数が770社から815社に更新され、持分法適用会社は227社のまま変わっていない。他は表記の軽微な変更(「つながる」、「他」、「全て」、「皆様」等)で、リスク項目の追加・削除はない。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価」の項目が、今年は記載されていない。前年は事業計画の主要な仮定の適切性について、過年度計画と実績の比較や売上高予測の検討などの監査手続が記されていた。