前年は「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用による影響なしとの記載でしたが、今年は在外子会社等の収益・費用の円換算を決算日の直物為替相場から期中平均相場へ変更した旨の記載に置き換わりました。変更理由は為替変動の影響緩和と海外事業の業績の適切な反映とされ、影響額は軽微のため遡及適用は行っていません。
有価証券報告書の変化点
前年の有報と比べて文章が変わった箇所を、重要度の高い順に表示します。
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商品・製品在庫の評価減リスクについて、評価減が必要となる要因の表現が「需要予測、競合他社との競争、季節変動等により計画どおりの販売が実現しない場合」から「需要予測の不確実性、競争環境の激化、季節商品による収益の偏重といった各リスクが顕在化した場合」へ言い換えられた。原材料高騰による評価減の可能性や対応策の記述は変更されていない。
競争環境の激化に関するリスク項目で、業績等への影響可能性の記述が対応策の後から冒頭の競合状況の説明直後に移動し、「そのため」で因果を明示する構成に変更された。対応策の記述は表現が微修正されたのみで、リスク内容や評価に実質的な変更はない。
のれん減損に関するKAMの対象が、前年のフジ マシン アジア(FMA)取得分(減損損失854百万円)から、ファスフォードテクノロジ(FFT)取得分(減損損失9,691百万円)に変わった。減損額は大幅に増加し、監査手続には割引率の妥当性検討や減損損失測定の再計算などが追加された。棚卸資産の評価では、棚卸資産が53,190百万円から64,105百万円、評価損が371百万円から584百万円へ更新されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期の「フジ マシン アジア プライベート リミテッド取得により認識したのれん等の減損」から、「ファスフォードテクノロジ株式会社取得により認識したのれん等の減損」に変更された。前文の定義文は同一で、のれん等の減損というテーマは維持されつつ、対象となる取得案件が入れ替わっている。
前年に記載されていた「(9) のれんの減損による影響」のリスク項目が今年は削除された。前年はFFT株式取得に伴うのれん8,087百万円の計上と、収益性低下やシナジー未実現時の減損損失計上の可能性を記載していた。
部材調達リスクの記載で、供給中断の要因として自然災害・物流網の混乱・地政学的緊張が新たに列挙され、従来の「半導体を始めとする」という具体的言及は削除された。対応策に代替部材の検討と安全在庫の確保が追加され、長期化時の影響の記述も「想定を超える供給制約や調達環境の悪化」と表現が改められた。
棚卸資産評価に関するKAMの対象は変わらず、評価基準の記載から「再調達原価」への言及が削除され正味売却価額のみとなった。監査手続の記載も一部整理され、営業循環過程から外れた在庫の抽出・質問手続の記述が削除され、過去滞留在庫の確認が「販売実績及び廃棄実績」から「払出実績」に変更された。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前期の「商事部門の固定資産に係る減損損失の認識要否の判断」から、当期は「ユアサ・フナショク株式会社の棚卸資産の評価」に変更された。棚卸資産評価損497百万円が計上され、食品の販売価格変動や需給環境の変化に伴う見積りの不確実性が決定理由として記載され、監査手続も棚卸資産評価の検証に差し替えられている。
固定資産の減損損失認識の判定に関するKAMで、計上額が更新され(有形固定資産5,747,464千円、無形固定資産72,181千円、投資不動産1,229,596千円)、減損の兆候が認められた資産グループの記載から関西支社が除かれ物流部門のみとなった。見積りの基礎が「翌事業年度利益計画」から「来期の事業計画」へ表現変更され、決定理由の文言も一部整理されている。減損損失は引き続き認識されていない。
前年度に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に関する会計方針の変更の記載が、当年度では削除された。前年度の記載では、連結・個別の財務諸表への影響はないとされていた。
前年に記載されていた監査上の主要な検討事項(KAM)である「固定資産の減損損失の認識」(有形固定資産28,845百万円、親会社分22,309百万円で連結総資産の29.2%)の記載が、今年は無くなった。割引前将来キャッシュ・フローの算定に関する主要な仮定や監査手続の説明も併せて記載されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の中に、正味売却価額の見積りの合理性の評価に関する監査手続の記載が新たに追加された。外部の不動産鑑定専門家を利用し、鑑定評価の前提条件と評価手法の適切性を評価したこと、また専門家の資格保有状況や過去の評価実績を確認したことが記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対応手続として「(2) 将来キャッシュ・フローの見積りの合理性の評価」が新たに記載された。割引前将来キャッシュ・フローの見積り期間と資産の耐用年数との整合性、事業計画との整合性、売上高の見込みや営業費用に関する分析・検討を行ったとされている。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「内部統制の評価」が新たに追加された。固定資産の減損損失の認識の要否及び測定に関し、使用価値算定の基礎となる将来キャッシュ・フローの見積りに係る内部統制の整備及び運用状況を評価した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、旭ダイヤモンドインダストリアルヨーロッパSASにおける固定資産の減損損失の認識及び測定が新たに記載された。収益性の低下により割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回ると判断され、減損損失1,801百万円が計上されている。回収可能価額の算定には事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りや外部不動産鑑定士による評価が用いられ、経営者の主観的判断や高い専門性を伴う点が決定理由とされている。
海外事業に関するリスク要因の例示に、「ガバナンス不全」と「事業計画の未達」が新たに追加された。それ以外の記載(海外売上比率が連結の約半分であること、政情不安・為替変動・貿易戦争等の列挙)は前年と同一である。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準)の適用に伴う会計方針の変更の注記が、今年は記載されていない。前年の注記では、連結・個別ともに当該変更による財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「繰延税金資産の回収可能性に関する判断」から、「中越パルプ工業株式会社における売上高の発生」(紙・パルプ製造事業の収益認識、基幹システムと会計システムのIT統制等)に変更された。当期は売上高110,386百万円のうち紙・パルプ製造事業が100,504百万円であることを理由に挙げ、IT専門家を利用したIT全般統制・情報処理統制の評価や売上取引の証憑突合などの手続が記載されている。
売上高の正確性及び期間帰属に関するKAMの監査手続の記載が変更された。前年の出荷データと配送業者の荷受情報を用いた出荷日と納品日の比較分析、棚卸資産のテストカウント、期末日後の値引・返品確認の記載は無くなり、年間売上取引の送り状等と売上計上日付・注文書等と売上金額の照合、期末日付近の売上取引の日付照合が記載された。
KAMの対象が「売上高の期間帰属の適切性」から「売上高の正確性及び期間帰属の適切性」に変更された。連結売上高は113,939百万円から120,533百万円へ更新され、ドウシシャ単体の構成比は92.0%から92.9%となった。また、リスク要因から「期末日後に証憑を入手するまで売上値引金額が確定できない取引」の記述が削除され、期末日付近の出荷集中等のみの記載となった。
前年のKAMであった「ARTham Therapeutics社の仕掛研究開発及びのれんの評価」(減損損失1,446百万円を含む)は削除され、Aadi社関連のKAMが「取得価額の合理性」から「取得に伴う取得原価の配分」に変更された。前期の暫定的会計処理(のれん13,223百万円)が確定処理され、販売権10,467百万円、仕掛研究開発1,046百万円、のれん4,648百万円を計上したと記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の題目が「売上高の期間帰属の適切性」から「売上高の実在性及び期間帰属の適切性」に変更され、検討対象に実在性が追加された。売上高は8,448,238千円から8,357,984千円へ、セグメント別では生活関連用品が5,044,218千円から5,311,385千円、物流機器が3,404,019千円から3,046,599千円へ更新されている。
国内需要及び市況の変動リスクの対応策に関する記述が変更された。前年は「中期経営計画2025」による既存事業の構造転換、家庭紙分野への新規参入、パルプの増産・販売強化と具体的に記載していたが、今年は製品ポートフォリオの転換やパルプ生産体制の強化による収益基盤強化という表現に置き換わり、計画名や家庭紙への言及がなくなった。リスク内容自体の記載に変更はない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等(2022年改正会計基準・適用指針)の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では、当該変更による連結財務諸表および財務諸表への影響はないとされていた。
売上高の認識に関する内部統制の評価の焦点として、「受注登録の妥当性を担保する統制」が新たに追加された。また、売掛金の入金消込に関する統制の記述が「売上値引が適切に行われていることを担保する統制」から「入金消込が適切に行われていることを担保する統制」へ表現が変更された。
景気動向や消費動向の変動リスクについて、冒頭の文が「消費動向に影響する可能性があります」から「消費動向の変動リスクがあります」へ言い換えられ、「消費に直接影響する」という修飾が削除された。得意先が小売業中心であること、および開発型・卸売型ビジネスモデルによるリスク最小化の記述は変更されていない。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に関する会計方針の変更の記載が、今年は削除されている。前年の記載では連結・個別の財務諸表への影響はない旨が示されていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)に「正味売却価額の合理性の評価」という項目が新たに追加された。監査人が経営者の利用した外部の不動産鑑定専門家の適性・能力・客観性を評価し、不動産鑑定評価書の閲覧や鑑定士への質問を通じて鑑定評価額の妥当性を検討した旨が記載されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)として、「内部統制の評価」の項目が新たに記載された。固定資産の減損プロセスに関連する内部統制の整備及び運用状況を評価した旨が示されている。
KAMの対象が、前年の「固定資産の減損」(子会社の有限会社むつみ牧場・株式会社チキン食品を中心とした判定)から、「直販事業に係る固定資産の減損損失の測定」に変更された。当期は直販事業の事業用資産について94,377千円の減損損失が計上され(前年は事業用資産362千円・遊休資産186千円)、新規会員数の減少や注文率低下による売上減少が減損の兆候として記載された。主な論点は、不動産鑑定評価額に基づく正味売却価額の測定における専門的判断となった。
前年に記載されていた「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(2022年改正会計基準)等の適用に伴う会計方針の変更の記載が、今年は削除された。前年の記載では、連結財務諸表・財務諸表への影響はないとされていた。
監査上の主要な検討事項(KAM)における内部統制の評価の対象が、前年の「立替金」のみから「売上債権及び立替金」に拡大された。与信管理が社内与信基準に基づき取引実績や外部の信用調査情報等により適切に行われているかを検討する点は変わっていない。
監査上の主要な検討事項の対象が、前年の「立替金の回収可能性」のみから、受取手形・売掛金及び契約資産(1,676,190千円)と立替金(778,995千円、前年は1,009,619千円)を合わせた「売上債権及び立替金の回収可能性」に拡大された。これらが連結総資産に占める割合は前年の9.4%から18.4%となり、選定理由も、金額的重要性が高く貸倒発生時に連結財務諸表へ重要な影響を及ぼす可能性がある点に変更された。
監査法人が「協立監査法人、協立査法人」から「協立監査法人」に変わりました。
監査上の主要な検討事項(KAM)の「回収可能性の検討」において、監査手続の記載が変更された。前年の滞留債権リストの検討と期末日後の回収状況の検証に加え、金額的重要性のある得意先に対する期末日基準の残高確認手続の実施が追記された。
前年の監査上の主要な検討事項(KAM)に記載されていた「減損の兆候に関する判断の妥当性の評価」の手続と、「物流事業及び海運事業の営業収益の期間帰属の適切性」に関するKAMが、今年は記載されていない。これらの項目はKAMの対象から外れたとみられる。
監査上の主要な検討事項(KAM)に含まれていた「(1) 内部統制の評価」の記載が今年度は削除された。前年は減損の兆候の識別に関連する内部統制の整備・運用状況の評価(内部管理目的の損益報告や外部環境情報の収集統制に焦点)が記載されていたが、今年度は該当記載がない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の対象が、前年の「物流セグメントの倉庫事業の一部の資産グループに係る事業用資産の減損の兆候に関する判断の妥当性」から、「物流事業及び海運事業の営業収益の実在性と期間帰属の適切性」へ入れ替わった。新たな検討事項では、両事業の営業収益(合計約391億円、連結営業収益の97%)について、業績変動の影響や予算達成へのプレッシャー、手作業による内部統制の存在を理由に、支配移転前の収益計上リスクが挙げられている。
その他事業(ミニトマトの生産・販売)における天候不順や病害虫による収穫量減少リスクの項目が、事業等のリスクから削除された。前年は暖房設備の増強やグローバルギャップ認証に基づく工程管理などの対策も記載されていたが、今年は該当記載がない。
燃料価格高騰のリスク要因の記述が、従来の「経済情勢や産油国の政情等」から「中東地域における地政学的な緊張の高まりや紛争等」による原油価格の急激な上昇へと具体化された。燃料費が変動費の中で大きなウエイトを占める点や、市場調査・複数仕入先からの大量購入といった対策の記載は変更されていない。
監査上の主要な検討事項(KAM)の記載に、退職給付債務に関する実証手続の項目が新たに加わった。外部専門家の結果報告書の入手、計算対象者・従業員データとの照合、割引率や期待運用収益率の妥当性検討、監査人による再計算、年金資産の外部金融機関への確認状送付といった手続が列挙されている。
監査上の主要な検討事項(KAM)の節に、「内部統制の評価」という項目が新たに記載された。従業員データの正確性・網羅性に係る内部統制と、数理計算で用いる割引率等・期待運用収益率等の見直しに係る内部統制について、整備及び運用状況の有効性を評価した旨が示されている。
事業等のリスクに「(4)人権リスク」が新設された。「チノーグループ人権方針」に基づき人権尊重の姿勢を示す一方、当社グループまたは取引先で強制労働・児童労働・差別・ハラスメント・不適切な労務管理等が発生した場合、社会的信用の低下、人財流出、訴訟等により業績等に悪影響を及ぼす可能性があると記載している。
監査法人が「監査法人ナカチ」から「監査法人A&Aパートナーズ」に変わりました。
KAM「営業収益の実在性と期間帰属の適切性」の監査手続の記載が書き換えられた。前年は取引抽出と根拠資料の日付照合、および滞留債権の滞留理由確認・根拠資料閲覧だったが、今年は取引の実在性の検討が加わり、営業担当者への質問や取引条件関連書類の閲覧が追加され、滞留債権に関する手続の記載は無くなった。
市場金利の変動リスクの記載文言は変更されておらず、対比表の期間が更新された。有利子負債残高は10,240,520千円(総資産比24.9%)から12,375,475千円(同28.1%)へ増加し、総資産は44,110,427千円となった。
パンデミックに関する記載のうち、新型コロナウイルス感染症について感染拡大が落ち着き感染症法上の第5類に移行したこと、および変異株出現の可能性に触れた段落が削除された。危機対策本部の設置など当社グループの感染症対策に関する記述は、新型コロナに限定しない一般的な表現として残されている。
太平洋セメント(株)及びグループ会社への依存度に関する表の対象期間が2024年3月期〜2026年3月期に更新されました。太平洋セメント(株)の営業収益構成比は20.3%から21.1%へ、海運事業における太平洋セメントグループからの営業収益構成比は74.5%から77.6%へ上昇しています。文章部分や競業状況の記載に変更はありません。
主要な太平洋セメントグループ会社との取引関係の対象年度が2025年3月期から2026年3月期に更新され、取引金額・期末残高の数値が改定された。クリオン株式会社向け営業収益は1,921,385千円から1,903,852千円へ、太平洋マテリアル株式会社向けは435,496千円から459,592千円へと変化している。取引の内容や関係性の記載に変更はない。